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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

手組ホイールならではの無理難題・・・どっからでも来い!!!



 鉄フレームだ!美しいです!!!

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 なるほどカラビンカなわけだ。ビルダーさんにダメ元で頼んでみたら作ってくれた、という幻のフレームだそうです。

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 この七宝焼きヘッドバッチも年季が入っていますね。さて・・・、フレームの話じゃない・・・。

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 基本シマノアルテグラで組まれています。といってもコンポの話じゃない・・・。

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 ホイールの話なんであります!またかよ!ってか?

 そう、グロータックさんの冊子、今こそ手組ホイール!とい記事に元気づけられて、多少乗り気味なのは認めますが、これはわざと集めた話題でもないので、面白い事、この上なしと言うことね。

 つまり、それは手組は大変なんだよ!完組は購入して付けるだけ・・・でしょ?組み直し?なんて発想微塵もないよね。使えるか?使えないか?まだ使うか?飽きて交換するか?どこで買うか?どこが安いか?なんてことぐらいでしょうな、話題になるのは。

 まあ、せいぜいどんなタイヤ付けようかな?くらいかな?なので、所有している人の発想も単純で、探して買う・・・しかないだろうな。

 ところが手組はそうはいかない、正確にはそうはいかないことも選択肢になりうるんであります!ココ大事。

 なので、当然所有者も発想豊かに、無理難題を思いつく・・・。

 そして、仕掛けている当店もその無理難題を前に、なんとか対策取ろうと・・・成長していくんであります。

 上のホイールは勿論当店初の手組ホイールであります。

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 スポーク見てくださいよ。いまはほとんど消えつつあエアロスポークですね。そいつをラジアルよりも強度を大事にする意味で二本取りで組んでいますね。二本取りだと交差によって強度が増すでしょう、ただ隣り合った二本間で交差させるのでスポークが短く済み、軽量化にも役立ちます。

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 リムは精度の良くなったアレクシアの38ミリのアルミリム。この迫力は久々であのDTの名リム585を思い出しますね。精度もソコソコ、剛性もソコソコ、結構おススメなリムですね・・・、絶滅危惧種ですから・・・。

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 リアホイールも同じリムに、同じようなエアロスポークで組んでますが組み方が面白いです。

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 反フリーの側は、二本取りでできる限り短く軽量化を狙います。そして、

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 フリー側はチェーンの力に負けないよう剛性を上げないといけませんので、6本取りという裾野を広げて強度を上げるという工夫をしているんであります、手組って面白いなあ〜・・・なんてな。

 で、この完成度の高いカラビンカのクロモリフレームに、完璧な手組ホイールとの組み合わせ、ついでに面白くもおかしくもないがこれまた完成度の高いアルテグラと、もうこれで十分なはずなんですが・・・。

 どうもこれでは収まらなくなったようであります、フォークに仕込みをしてきたという・・・。

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 ジャン!!!スルーアクスルの改造ではないようですね・・・、するとダボが見える。ということはここにキャリアでも取り付ける・・・???

 いやそれにしては角度が変だよね・・・。

 なんてわざとらしい記述早めにして、これはディスクブレーキのフラットマウントのダボなんでありますね。ここに台座とディスクブレーキのキャリパーが付くということなんです。

 ということは、そいつを効かせるためには、ホイール側にローターというディスクを取り付けなければなりません。勿論このままのホイールには取り付けることはできませんので・・・、ホイールを交換しなければならなくなります。

 では、完組の然るべきホイールに交換すれば?ということになりますが、それじゃあ嫌だ・・・という。

 はい、ここからが無理難題の登場となっていくのであり、手組屋としては、受けて立つ!!!という展開になるんでありますよ。

 さあ、一体いくつ山を超えれば目的地にたどり着くのか?

 まずご希望は、気に入って組んだこのリムはそのまま使いたい!という条件。そして、できれば、このエアロスポークも使い続けて欲しい・・・という、この2つのご希望をいただいております。

 前者はもうやります!それしかありません!なんですが、後者となると・・・。スポークは1ミリ単位で作られているので、次のハブのフランジのデカさによって微妙に使えないことになりかねない・・・、むしろその可能性のほうが高いわけであります。

 なのでハブが決まってから、組み方を大分検討しないいけなくなります。

 またプレーンのスポークなら一本棒なんで、短く切ってネジ山立てるというような加工が可能なんですが、エアロスポークはプレーンの部分が短くて、大半がエアロ加工されているので、長さの調整が難しい、できて2ミリかな?できて・・・、なのでこの辺が大変シビアになりましょう。

 では、加工なんかしないで、その長さのエアロスポークを購入すれば?と来るかも知れませんが、ハイ、絶滅種に近いのがエアロスポークなんで、それって大変難しい選択肢となります。

 このスポークの山は大変高い。

 勿論それだけじゃあない・・・。

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 次のハブは、このようにディスクローターを載せるセレーションがないといけないのですが、この手のハブの種類が少ない。

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 ホール数が32ホールと36ホールしかない・・・。今や36ホールのリムを探すのが難しい時代になんで36ホールを意地でも作り続けるのか?作り続けるのもいいんだが、それに28ホールも加えてほしいんだが、それがない。

 ちなみに使い続けてほしいというこのリムですが、ちゃんと28ホールなんであります。トホホ

 シマノものでも28ホールのものを見つけました!!!!やった!とばかり喜んだのもつかの間、そいつはスルーアクスルものでありました、つまりそれは今回の組み換えには使えません。

 そうなると、魔窟のようなネット内をサーフするしかない。

 ・・・・、なんとか一本見つけたんで、そいつを取ってだ、それからフランジ幅などを測ってスポーク問題を解決しないと!!!とその高い山を下から仰ぎ見たんだが・・・。

 まだ峠の向こうに峠がありやがった・・・。

 ものはエアロスポーク。もうほとんどバーベキュー用の金串と同じような潰れ方をしているわけであります・・・。つまり通常のプレーンスポークのように、きれいに穴を通過しては・・・くれないんですよ・・・。

 だって潰れている分平たくて、キシメンのようなもんでもあるわけで、通常のハブの丸い穴には通らないようになっているです・・・。

 ということは、発注したもんが無駄になる?

 無駄にできるか・・・。そこでもう一つ山を越えないと。これだ・・・

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 これですね。コイツは競輪用のハブなんで勿論エアロスポークなんかを通すことを想定されていないんです。でもこいつにエアロスポークを通したんです。

 穴付近をよくご覧ください。内側にスリットが入っていますね・・・、これ加工のあとです・・・。もう三十年くらい前に店主がやった加工のあとですね。

 コイツを発注したクイック様28ホールディスク様ハブにやってやらないといけない・・・という山も発覚。

 ネ、こんなことやっていたら、さぞや技術が身につくと思うでしょ?仕上がったときの達成感は勿論店主らと依頼主さんとで共有することもできるわけであります・・・。

 少しでも安いサイトから購入した完組ホイールには味わえない、面倒臭さを克服した至福感でもあります。

 いつできることやらですが、もう出発したんで、徐々に完成に近づいていくでしょう、本当いつになることやら・・・ですが。

 完組とは全く別の意味で、手組ホイールは奥が深いわけなんでありますよ!
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手組みホイールの実力・・・



 先日紹介しました、グロータックさんの冊子にありました、今こそ手組みホイール、手組・ルネッサンスなる記事内容にかなり元気づけられましたな。

 ディスクブレーキ化に伴い、そのブレーキの強度を守るために、スポークの組み方が一定化していくという。そうなると今までは専用設計のリムにハブにスポークにて組むという完組の強さが目立っていたんだが、スポークの組み方に、ブレーキの強度を保証するためにバリエーションをもたせられなくなると、完組と手組の違いがなくなってくるんじゃないか?

 という視点から語られた内容だったんですね。たしかに、シクロクロスやグラベルなどをプロより手前でやるとなったら、超高級専門感組ホイールなんていうのは使いにくいでしょうからね。

 そうなると、スポーク組で大差のない手組ホイールをちょいと安価で、なおかつ好みや用途に合わせて組んでいくというところに活路が見出されるのではないのか?というね。

 なるほどね、リムやスポークが高くなっては来ているが、まだまだ完組に比べれば、安価にできるでしょうしね、それに・・・

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 例えばこれ、ハブダイナモなんですが、こういった特殊系のハブでもホイールが組めるんですね。冬季、日が短くなってくる中での練習用ホイールにハブダイナモを採用すると、クランクなったら勝手に点灯して、電池や充電の心配はいらない、そして明るい・・・なんてホイールが完成します。

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 今ハブもだいぶ変態系なんですが、内装3段固定用のハブなんですが、こんな変態ハブで、ド変態ホイールが組める、こんなことも可能なのが手組ホイールなんですね。

 そして

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 このタイヤはあのノーパンクタイヤというやつです。いっさいチューブのようなものは入っていない、すべてが樹脂のようなものでできています。なので、キリのようなもので何度も刺しても絶対にパンクはしません。

 なので空気がないので、タイヤ自身が硬い印象があります。段差などでは、ゴツン!という感じで空気によってバウンドするような感覚が一切ありません。

 そのところから、このタイヤを履いていると、絶対にパンクはしませんが、その代わりに床からの強めの振動等によってスポークが折れるという事象が発症したんであります。

 パンクは絶対にしなくなった、というのは大きなアドバンテージなんですが、その代わりにスポークが折れるというのは見逃せない事態なんであります。なぜなら、後者の損害のほうが大きいからです。

 そこで、この硬めのノーパンクタイヤを履かせるために、スポーク折れの起きないようにするにはどうするか?というのが課題になります。

 その課題に合わせて、すでに四年以上対策を施した手組ホイールを使っていますが、以来一度もスポーク折れを起こしていません、その組み方とは・・・

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 これであります、一捻りで緩めに組んでいるんであります。何故緩めか?というとスポークを緩めに組むことで、地面からのチューブ等によって緩和されないショックを吸収してスポーク折れを防止します、そして、一捻りすることで狂いを起こさないように、ホイールが振れないようにしている・・・ということを念頭に組まれています。

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 ハイ、そしてこの状態で四年近く乗りながら、時に微調整等はします、振れの観測とかね、そんなことをして観察しながら乗っていますが、一本もスポーク折れを起こしていませんし、大幅な振れの発生も認められません。

 そういう意味で、それぞれの細かい目的と実用という意味では手組ホイールはまだまだ行けるし、活かさないといけませんね、という思いを強く確認した次第であります。

 オール金属で組んだトラブルフリーの練習用ホイールなんていうのも手組が得意なもんでありましょう、勿論それらは通学通勤等の足にも向いていますね・・・。

 ということで、これからも手組ホイールの存在を支えながら、あそこに行けば手組ホイールはなんとかなる、という頼りになる店として維持していかないと!とも思うようになりました。

 もうシーズンだね、花粉が一段落したら、梅雨までサイクリングシーズンの到来です!建て直していかないとね。

手組は健在といきましょうか 殊に内装3段固定なんて完組なんて聞いたことねえ



 ちょいと前に、手組みホイールを輪界という業界全体が殺しにかかっているんじゃない?とその品不足と輸入打ち切りに大変な危機感・・・というよりも諦めを感じていたんだが・・・。

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 先日のグロータックさんの冊子にて、ディスクホイールが主流になりつつある中でスポーク組の平均化から返って手組への追い風になるかも・・・という内容を読んで、少し元気になったんであります。

 調べてみると少量をアチコチから引っ張るには、まだ対応業社もあるようですので、そういうところと付かず離れずでやっていけば、当店のような小さい店ならもう少しやっていけるかな?という予感と。

 完組主流が今後共続くことは確かでしょうから、手組みホイールの組手が少なくなって、その内特殊技能に近づいていくとなると、細い中で生き残っていけるかも知れませんな。左官の論理でありまあす。壁紙が主流になった時、多くの左官業がコテを捨てていったんでありましょうが、残ったところは少数として今後とも生き残っていく。

 もう少し踏ん張るか・・・ということの元気はもらえたわけであります。

 で、がんばるぞ。

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 もうこれらの在庫がはけたら、取扱中止になりそうなシルバーのリムであります。こいつでもってワンペア組んでみた。

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 ラージフランジのハブで、フロントを組みましたぞ!トラック系のもの以外でラージフランジの完組なんてないだろうね。しかもディスクハブでないものも少なくなっていくでしょうな。

 しかし、リアはもっと変態なのだ。

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 リアもラージフランジなんだが、かなり太っているハブでありましょう?ハブダイナモのようですな。

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 メーカーもあの、スターメーアーチャーという曲者メーカーです。キックシフトなんていう、足で一瞬の逆回しすることでギア比を変えるという画期的なハブなんかも作っていますよね。

 全体の作りは雑というか緩いんだが、発想が面白い。その中でも特にバカっぽい発想がこれ!

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 もう何度も紹介していますが、内装3段固定ハブ・・・なんでありますよ。内装3段ギアはシマノでも普通に作っていますが、そのギアを固定にしてしまうなんて・・・バカとしか言いようがない。

 そんなものを営業ベースで作って売り出しているんだから、いい意味で呆れますよね。

 当店なんかは率先して大売り出ししたいんですが・・・、十年以上先行っている当店がそんなブレイクなんて仕掛けられるわけがない。時代が付いていくるのをじっと待つしかないんだが・・・。

 ロードの選手なんかはこれで冬のトレーニングすればいいのにねえ、こぞってな。

 この資材不足のおり、なんと一個だけ在庫していたんで、そいつで組んでしまった。

 あとはこれを載せるフレームを待つのみだよ。

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 タイヤは流行りの太めもん、32なんだと。しかし、昨年暮れからそこはかとなく店主が嵌っている、チューブレスレディーをシレッと履かせている。

 納車の際、どちらにします?チューブ使わないと軽いですよ回転も・・・なんてそそのかす。

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 こんなスターメーのようなイタズラ発想のモノづくりをしているメーカーのハブでホイール組みたい!なんて思ったら、手組みしかねーよ!

 たしかにメーカー任せは楽だし、それなりの性能は確保できるかも知れないが、それじゃあ面白くねーよ、っていう奴らは必ずいるだろうな。

 少しでも自分の発想や好みを載せて、自分だけの自転車組みたいなんて思ったら、手組みができないとそこだけ既製品なんていうアンバランスなものになってしまう。

 そう、世の中の成熟化を待ちながらもその技は維持発展しつつ仕掛けるしかないよね。

 さて、これにフレームがやって来たら、やっぱり変な自転車になるに決まっている、そんじょそこらでは絶対に売っていない、変なオリジナル感満載の癖あり自転車が組み上がるんだよね。

 メーカー任せじゃつまんねー!!!という輩よ!なんとか維持してやり続けるから、せいぜい成熟していってくれ!

起死回生の一発になるか?ディスク化と手組みホイールの光明



 先日岩井商会さんの展示会に行った際、あまりに少ないリム単体販売に、輪界が業界を推して手組みホイールを殺しにかかっているんじゃないか?という疑義について書いたわけで、なれば当店だけでも単体でどのくらいのリムを入手できるか?なんてことで、アチコチまた台湾・大陸含めリサーチを始めたんだが。

 真剣に気合を入れて探せばまだ海外には手組み用のリム単体の販売はあるようで、今やまだ先の見えない円安状況で簡単には手は出せないが、あるところに行けばまだありそうだ、という実感を掴んだことは、ちょっとした収穫であったんだが・・・。

 それに、いい意味で追い打ちをかける記事が送られてきた。それが、上のジーンという情報誌なのであります。出処は輪界でも、隙きを突くような見事なモノづくりをしながらしぶとく生き抜くグロータックさんの作る情報誌なんであります。

 グロータックさんというと、小回りの効く大変研究熱心で、理系的で、非常に興味深い、痒い所に手の届く自転車関連商品を開発販売している、大変優秀な企業・メーカーさんという印象はありますね。

 カンパのエルゴを内部のコロを変えるだけで、シマノ対応にしてしまうなんて、天才的な思いつきを商品化して、営業ベースでやっているなんて、大手とは別路線で生きていこうとする中小の鏡のようなメーカーさんですわね。

 一度メールやりとりしたことがありますが、大手にはできない、中小ならではのくすぐりを大々的に仕掛けて、引っ掻き回していきたい、というようなことをおっしゃってましたわ、それが規模を徐々に拡大させながら、維持し続けているところなんて非常に示唆的な位置にいらっしゃると、尊敬申し上げますわ。

 コロナを機に面白そうな中小の開発メーカーが閉じたこともあって・・・、他人事ながら落ち込んでもいたんですね。

 今後確実に沈みゆくこの国で、ゲリラ的な中小が身の丈前後で生き残りをかけて奮闘すること以外に、道はないかもな・・・と思っていた中で、面白いもの作りをしていながら何が原因か知らんが閉じていく事情というのは、本当にこの国の産業状況としては、致命的だなあ・・・と思っていたんですが。

 このグロータックさんは、イヤイヤ、より磨きをかけながらピンピンしながら、この苦境を乗り越えていくウィットと知見と発想をお持ちのようで、当店ともども落ち込んでいる暇があったら、このような全体的な姿勢をグロータックさんから学べ!と自戒を込めて思うわけであります。

 いささか、前置きが長くなりましたが、このグロータックさんの冊子が一体何を見据えて、同主張しているのか?これを見てくれ!

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 気づいた?!

 なんと店主の落ち込み手組は殺される〜、という安っぽい感想とは真逆の主張がなされているよ!

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 なんと、今こそ手組みホイール!だとよ!

 イヤ、負けたわね・・・。こうでなければ・・・マジでね。こうでなければ・・・。しかも単なる安っぽい開き直りではなく、それなりの事情を踏まえての主張と来ているから、驚きだよね。

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 全文はこんな感じで綴られているんだが・・・。

 要約すると、かつては手組みホイールしかなかった、その時代は乗り手の体格や好み等に合わせて人間中心的な考えによって、一面的な性能やメーカーの思惑とは違った所でホイールが作られてきたと。

 その後、完組みホイールの高性能化が進み、一方で手組は廃れ人間中心から、性能中心に移り、手組みパーツの選択肢が狭まってきている・・・。

 ところが、ディスクブレーキ化の波が来て、制動力の確保のためにスポークの強度が重要視されるようになれ、その結果スポークパターンの限定が起こることで、完組と手組みの差がなくなってきたんじゃないのか?という主張がなされているます。

 まあ微妙な論点はあるかと思いますが・・・。ただ、設計・デザイン、そして素材等に突出した超一流の完組は別にして、スポーク組の限定をより受けるようになると、中級クラス以下の完組と、手組みホイールとの差は、確かになくなりつつかるかも・・・なんて思ってしまいますね。

 もしそうしたことが事実上起きているとしたら、中級クラス以下(つまり大半のディスク用完組ホイール)よりも、それぞれのユーザーに合わせて作る、人間中心的な手組みホイールの出番が再度やって来る・・・、つまりそれを以て手組ホイールのルネッサンス・・・と呼びたいということなのだ。

 その後、このグロータックさんはディスクハブや、カーボンリム、チューブレスバルブ、チューブレスリムテープなどの開発に邁進していっているようなんで、大いに応援したくなるという展開なんですが・・・。

 やっぱりこうでなくてはいけませんね・・・。業界が手組を殺しにかかっているなら、その手組の本来の良さというものを再度自覚しアピールしながら、強がり以上の信念で持って、独自に道を開拓していく、または同じ路線を行くもの同士で連携していく・・・ということでしょう。

 なんか元気もらえましたよ!グロータックさん。

 落ち込んでいる暇があったら、面白い展開に、より良い展開に持っていく・・・、中小の利点、小回りを使って生き抜きながらも、何らかの層を、何らかの波を作っていく仕掛けをしていく・・・。

 当店も諦めず、あそこに行ったら、かっちょいい!手組みホイールがある・・・というように構えていかないとね。

 あー、非常にいい冊子をありがとう!グロータックさん!!!

ご希望のままに 手で組み上げます



 先日の岩井商会さんのレポートでも、少し触れました・・・というか、あまりの展開に言葉を失い気味でしたな。
 
 勿論薄々わかってはいたんですが、そこまで減らしますか・・・というね。

 ネット上の画面から「取扱終了」という文字がでたら最後、もうその業社でその商品は今後取り扱わない、メーカーに二度と発注しない、ということを意味します。

 なので、最近その辺の連発が続いていたんで、あら〜とは思っていたんですが、もう少し取り扱いのあるメーカーのものは少しは残してくれたかな?と淡い期待もぶっ切られたわけであります、黒ばっかり・・・。そもそも自転車の別名は銀輪っていうんだよ!

 自転車業界全体で、手組みホイールを殺そうとしている・・・るんでしょうな。今食品業界では、度を越えた米の減反以上のことや、牛乳の廃棄、乳牛の処分、そしてコオロギ食なるものが進められているような・・・。

 防衛費増やすのを是とする国民らしいが、腹減っては戦できねえんだぜ。燃料なければ、食料だってなんだって運搬できないんだぜ・・・。

 そんなに戦できる国にしたいんなら、まずは国産食料を増産して自給率をバク上げしないとだめだな。あとは独自のエネルギー産業を育ててだ、そして日本海側にある原発を全て廃炉にして・・・からだろう。

 防衛している振りでいいのか?勝てる戦のできる国に本当にしたいのか?何やってもパッとしないねえな、この国は。

 この国が食料の自給率を上げるどころか殺しにかかっているようだが、自転車業界も手組ホイールを殺しにかかっているといってもいいのかな?

 そのうち、ホイール組が特殊技能なんてことになっちゃうぞ!その時期を当て込んで、ホイール組の術を手に仕込んでおくのもいいんでねえ?

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 これはアンブロシオのグリーンリム。きれいな色なんだが、なんだか退色しそうな感じはするが、これが業社在庫が切れたらもう終わりという、こちらは東京サンエスさんなんだが、ここもリム単体については撤退気味なんだろうな。

 28ホールなんで幸い残ったようだが、あと何本くらいで終了するんだろう?

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 今回はお好きなように発注してくださいということで、この緑のリムに、フリー側を4本取りで!ということです。
4本取りというのは、あるスポークからその穴を含めて4個目の先の穴に入っているスポークと交差させるという意味です。
 そして

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 ハンフリーの方では6本取りで組んでほしいと。

 これ通常なら逆なんですね。つまりフリー側というのは、チェーンにて常に力のかかる面なので、それだけ強度が必要とされるわけであります。そうなると交差するスポークが離れている方が、つまり6本取りの方が、強度が上がるので、フリー側には本数の多い取り分を優先させるという考え方ですね。

 しかし、この発注の方は敢えて、逆でやってみたい、とご希望でした。はいはい・・・

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 そして、一回捻りをご希望してくれました。これ何度も言ってますが、店主の推しなんですよ、捻ることで固くなるのと、狂いが少なくなるということです。いいんだけどなあ、ほんの数人しか反応がない。

 この捻りを入れる際には、本数取りは少ないほうがスポークには負担は少ないですね。なので、6本取りよりも4本取りのほうがスポークには優しい・・・、そいうい意味で理にかなってはいます。

 でもまあ、お好きに色々言ってください、お客様のご希望叶えての手組ホイールなんでね。

 そして、もう一つ重要なご希望・・・といえば、これ!

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 七色のニップル!にしてほしいというご希望。まあ、これも手組ならではかも知れませんな。

 ロングニップルで!なんて希望にもお応えできますよ!

 つまり手組みホイールというのは、リム、ハブ、スポーク、ニップルという4つのパーツを選ぶことができます。そして、それにプラスで組み方、組む形式とテンションについてのご希望も入れられます。

 つまり、6つの要素を組み合わせて、好きなホイールを作ることができる・・・ということですね。なんと夢のあるパーツであることでしょう・・・というのが過去のことになりつつあるという悲しい現実なのであります。

 独自に海外のサイトなどを見てみると、まだリム単体はありますね。ただ、送料が相当かかるのと、精度が重要なパーツだけにあまり動かしたくはない、というのはあるんですが。

 でも、瀬に腹は変えられないので、その辺からも少しずつ在庫していくかな?ハブはまだある・・・ようだし、スポークも展示会では星さん頑張っているんだが、イザ発注しようとすると、ソコソコ大変なんだよなあ・・・。

 ただし、ここが当店周りの売りでもあるので、手組みホイールは青息吐息でも続けていこうとは思いますがね。

プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
TEL・fax042-445-0487
携帯070-5083-6962
アドレス to.ke@mx1.ttcn.ne.jp

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