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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

バランスとって



 このホイールが載っている台は、振れ取り台ではありません。

 自作というか、改造版のホイールバランス取り台とでも言いましょうか。

 ホイールバランスというのは、大抵のホイールは、ホイールを浮かすとバルブ付近が下に下がるようになっている、どの位置で、ホイールを止めても、またアンバランスならば必ず同じところが下に来るようになっている。

 その状態で高速の下りなどをすると、ホイールがアンバランスなために、ホイール自身が振動を起こし、自転車がちょっと不安定になる。試しに作業台などに自転車を固定し、アウタートップにしてホイールを最速で回転させてみると、その振動の大小がよく分かる、ひどいものは外れるか?と思うくらい上下に車体が揺れる。

 このバランスが取れると、この車体への振動がほとんどゼロになり、ホイールは静かに高速回転しているだけになる。

 そのバランスを細かく取るためには、ホイールの回転がなめらかでなくてはならない。ホイールは、フリーのラチェットや、玉当たりの調整などで、実は意外と回転が重くなっている。

 多少の重さぐらいでは、微妙なバランスを取ることができない。

 なので、ハブの精度とは別に、バランス取り台のシールドベアリングをより軽くなめらかにすることで、微妙なバランスを取れるようにするのである。

 そのための改造バランス取り台ということなのである。

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 アンバランスの対局におもりを付けながら、釣り合いを取っていく。

 まず1番重いバランスから取ることになる。それが取れることで全体のバランスが取れるか?というとそれがまた難しい。一対のバランスが取れると、次のアンバランスがごく少量だったりするが、出てくることの方が大半だ。

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 なので大体三四カ所を巡って、全体のバランスを取ることになる。

 バランスが取れるとどうなるか?というと、ホイールは回転力の切れたところで止まるようになる、そして止まったら、ほとんどそこから動かない、これが全体のバランスの取れた状態といってもいい。少しでもバランスが崩れたら、1番重いところが必ず、下に来ることになる。なので、またその対岸に重りを置くことになる。

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 今回は二カ所と判明。

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 バランス取りに使った各所の重りを精密計りの上に置いてコンマグラム単位まで計測します。

 そして計測出来たら、鉛を使って、その同じ重量のバランサーを造ります。

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 このように、両面テープで内部固定して、その上からビニールテープで固定します。もちろん、サイコン用のマグネットセンサーのようなものもあらかじめ位置決めをして、こいつもバランサーとして協力させます。

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 上から、しっかり止めます。超高速で回転させても、全く車体に振動は来ません・・・、完成であります。

 ちなみに、最近の造られているのリムは、それ自体がかなりバランスが取れているように感じます、なので、かつてのように神経質に取らなくても、乗り手は気づかれない、なんてことになって、ホイールバランス取りもかつてのような依頼は少なくなりつつありますが・・・。

 でもなんとなく取られているよなものと、完全にバランスの取れているものとはやはり違います。後者は本当素直に回るだけに徹してくれます、なんともありがたい足回りになってくれますので、ちょっとしたものでも取っておいた方が断然いいとだけは申し上げておきます。

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 翌日が本番かい?もうロードレースはスタートに立った時点で、よほどのことが無い限り勝敗は決まっているもんだ。

 怪我や落車しないように、まずは復帰レースおめでとう、無傷で学んで帰れ!

 
 
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決戦用ワッパ ケッパの整備



 ボントレガーのカーボンチューブラーホイールです、決戦用のワッパ、略してケッパですね。

 今時決戦するような選手と言えば、あの古潤くらいなもんだろう、そう古潤のケッパなんであります。

 それにチューブラータイヤ履かせている、それはそれでいいんだが、なんとリムセメントでハッ付けてんだよね、そして今月7日のレースもリムセメントでハッ付けて欲しいという。どうも両面のリムテープで、剥がれた例がいくつかあったらしい。

 こちらは聞いたことはないが・・・。まあ選手がそうして欲しいというのであれば、貼るしかあるまい。

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 このように主に使っていない、振れ取り台に取り付ける、こいつは見た目は大仰な振れ取り台だが、精度が今一、色々試してみたがどうも気に入らないので、こんな役目しかない・・・見た目はそれなりなんだが・・・。

 さて、貼り付けるか・・・という前に

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 こいつをどうにかしないといけない、前のリムセメントの後だ、この状態では接着力は無いと判断出来るので、撤去しないといけませんね。

 今時こんなことやるショップ、ほとんど無いでしょうね。そういう意味でも貴重な記事になるかもしれないなあ。

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 色々やり方はあるが、まずは物理的に剥がしましょう。金属の特殊工具にて、ゴリゴリと。

 この特殊工具、

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 もちろんこんなもの売ってませんので、ガム剥がしを利用して、造ります。三種の歯型があります、平面用、凸面用、凹面用と。これがまた便利なんだな、今回凹面用は使いませんがパイプ状の剥がしには役に立ちます。
 
 平面はリムも両サイド、凸面はリム内部をこそげ取る際に大変役に立ちます。使っている内に刃は惚けるので、時々研ぎながら使っていきます。

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 こんな感じで物理的に落とすというやり方、その他にはリムセメントリムーバーなんていう商品名の付いている、その実洗浄用シンナーだと思いますが、そんなものでふやかせて拭き取りなんていうこともありますね、化学的に剥がすといいます。

 もちろん両者を使ってやってもいいです。

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 店主の場合は、足付けの意味を込めて、60番の荒い紙やすりを掛けていきます、カーボンリムなので削りすぎないように気をつけないとね、縦ブレになってしまう・・・。

 それが終わると、今度は脱脂作業、

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 これも洗浄用シンナーで何度も何度も拭き取りながら、キュッキュというほどになるまで、徹底して脱脂をしていきます。

 次に登場するのは、

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 リムセメント、これも絶滅危惧種だね・・・、ソニーボンドといっても今でもあるのかな?そんなものでも流用は出来そうだが・・・。かつては下地にソニーボンドをわざわざ使っていた時期があったが。

 知っている限り、リムセメントはパナレーサー、ソーヨー、コンチネンタル・・・ビットリアはどうだったかな?位しか思いつかない、多分みんな同じ工場で作っていたりしてね・・・。

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 こいつを最初は薄目に全体に塗って、下地を造る。これもソーヨーなどは下地専用のセメントを出していたと思う、今はどうか知らないが。

 下地を塗って、乾かしてから、再度上塗りをしていく。

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 そしてチューブラータイヤなんだが、マキシスのレース・練習用のものを用意した。まあ値段はソコソコいいもんだね、ゴムもしっとりで、グリップも良さそうだ。

  しかし、・・・チューブラーなのに25ミリなんて・・・有るんだね、今時・・・。トラックなんかでは21ミリとか、最細で19ミリとか付けていた時があった、もう小指の太さだよね。それからすると、25ミリ?これってチューブラーを真似したWOで勝手に決まってきたサイズだと思ってんだが、本家のチューブラーでは23ミリでいいんじゃないか?と思うんだが・・・ね。

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 リムが厚いので延長バルブをシーリングテープとともに仕掛けて・・・、

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 タイヤの布面に少量ながらリムセメントを塗っていく、最初に吸わせて、飽和にしておくという考え方かと思う、確か・・・。

 少し乾かす。

 リム側が二三重のリムセメントの下地が出来たところに、少し空気を入れたチューブラータイヤを合わせて貼り付けていく。

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 センター出しの際など、タイヤを前後にもんだりするし、高圧をかけて圧着させるので余ったリムセメントが脇からはみ出たりする、少しはみ出るくらいが丁度いいのかもしれない。

 ただブレーキングの邪魔にならないように、リム側にこびりついたリムセメント、タイヤとの間からはみ出たセメントは撤去しないといけません。

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 ガムテープでとる人もいるとは聞きましたが、店主は同成分であるので、このようなはみ出しセメント団子を丸めて、これに余分なリムセメントを叩くように吸収させていきます。

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 はい、このように根気よく、はみ出し部分を取り去って、さらに高圧をかけて、タイヤを固定していきます、最低一晩はこのままで、ということでね。

 次にホイールバランスでも取ってやろうかと思いましたが、なんと計測用センサー磁石がこのホイールにはまだ付いていなかったので、それでは折角撮れたバランスが壊されてしまう、ということで、バランス撮りは後日ということになった。

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 10気圧以上かけて、一晩待とう。

 しかし、チューブラタイヤ貼りなんて、何年ぶりかな?かつてはレース前に自分でやっていたもんだが、懐かしい作業でもありますね。

 多分トラックレースではまだチューブラーが主流なんだろうが・・・、後はパンクした際に自分でレース復帰させるトライアスロンなんかもチューブラーのほうがタイヤ交換は楽(もちろん相当の準備はいるが・・・)かもしれませんね、そんなところでまだまだ生き続けるんでしょうな。

 なもんで、こんな記事でも、誰かの役に立つかもしれませんね・・・、チューブラータイヤの貼り方でした。

74の敵を77で取る



 今、メンテしがいのあるホイールを何本か集中的に預かっているんだが、最後に残ったのがこいつ。74デュラエースで組まれた、マビックオープンプロという、面白くもないが、堅実で貴重な一本なんだな。

 こいつはグリスの入れ替えしても、金属系のゴリがなくならない。

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 救いがあったのは、ハブ側の球受けに重篤な傷等がなかったこと、これだったら再生する可能性は大なんだが。後はその他のパーツ類があれば・・・の話なんだが。

 残念ながら、74デュラのスモールパーツまではさすがにないんですね、さしものシマノさんも、そこは切ってしまった。

 でもね、裏技・・・というのか、74がなければ、別パーツでなんとかならないか?という考え方もできる。類似品のパーツを流用するっていう手はないのか?

 そこで、パーツカタログを広げてみると・・・、現行品でボールベアリングものはかなりある、どころかシマノで、シールドベアリングを探す方が大変・・・というかないんだな。

 ということは、ほとんどのハブがボールベアリングで作られているというのであれば、そのどれかは類似品があってしかるべき。

 目を皿のように探すまでもなく、競輪系のもんでなんかないかな?

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 ボールベアリングのサイズが同じなら、玉押しだってそのRは一緒でしょ?と推論できる。

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 ボールベアリングもフロント用途、リア用のサイズ違いもまだ作られている・・・、仮に作られなくなっても規格品で引っ張ってこれるんじゃないかな?でも玉押しは貴重だよね。

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右が元々付いていた玉押し、左が取り寄せた類似品。軸側へ多少長いが、さすがに球受けのRは同じ。後若干だが厚みがあるようだ。まあ、その辺には目をつぶって、調整してみるか。

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 これが古い玉押し、中央に線というか筋が走っていますね。確認できるかな?

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 当たり前だが、新品玉押しにはそうしたものが一切ない、たったそれだけ・・・なのかもしれないね、精度のあるものというのは。かつてここの鏡面磨きというのも考えたんだが・・・。今はやっていない。

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 気前よくグリスを盛って、そこに新しいベアリングを並べる。

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 静かに玉押しを回していく、すると収まるところに収まるという感じに、スッと決まる感じがある。別物を始めた合わせたはずなのに、まるで故郷に戻ったような吸い込まれよう、さすがデュラエース・・・。こういうのはブランド志向とは全く別の、実質を分かってしまう瞬間、まさにデュラエース恐れ入りました・・・という感じだね。

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 入れる前に、ちょっと77の玉押しが厚く見えたのを確認すると、案の定コンマ5ミリ長いことが判明。まあ誤差の範囲ということで大丈夫だろう。

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 ハブの玉押しの精度がいいと、振れ取りの精度が格段に上がるというのが、当たり前だが、面白い。この当たり前のことに当たり前を重なる、そうした連動が、パーツの集まりに過ぎない自転車が有機的に動くということなんだ・・・と改めて思うわけだ。

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 ほんと長い間お疲れ様でした、本体は中身を入れ替えて、またしばらく頑張るつもりです、君たちはゆっくりお休みください。・・・とは言っても、この精度なら、まだまだ下のグレードで使えると思うんだが・・・ね。

 この手のマニアックな話に、実熱心に食い込んでいただける方々が大分いるようで、書き甲斐があります。文章の反応も本当色々で、改造自転車にラブラブ!という方もいるようですし、よもやま話系に深く反応していただける方々もいるようで。

 世はインスタグラムと、文書よりも写真のほうに行くようですが、当ブログはまあ、写真には行きようにない・・・、暫くは駄文が続くことになると思いますが、なにとぞよろしく、お願いします。
 
 

デュラエース アラヤ オープンプロ



 74のデュラエースハブ。今この形状のハブがほとんどありませんね。この曲線ハブ、かつては当たり前だったのが、デザインの問題なのか?剛性の問題なのかは分かりませんが、ほぼ絶滅状態・・・カナ?

 その内ハブ単体なんてものも作られなくなっていくんでしょうね。カンパは少なくとも国内入手に関しては、レコードクラスの黒のみしかなくなりました。スラムにあたっては、ハブ単体では作っていないんじゃないかな?少なくともこれはスラムのハブか・・・という形で見たことがない。もしあったら、この店主のことだから、多少高くても入手して身近に見るはずだ・・・。

 そしてシマノのみが今頼みの綱、アルテグラで36Hはいいから、28H作れよ・・・と思うが、大分縮小した感はある。

 それぞれのメーカーが同じメーカー内か、隣接メーカーで完組ホイールを作っているんで、何も今更、時代遅れの手組のために、ハブなどを作る必然性がないんでしょうかね。

 でも細々でも、時代遅れの手組なんかを続けてやっていれば、現代の左官業じゃないが、生き残っていけるのではないか?なんても思うんだがね。

 ホイール組みには、振れの修正、テンション上げ、ハブの管理なども含まれるので、プロショップとしては譲れない技だとは思うんだが、それも半分以上は時代遅れになってきているんでしょうな。

 そんなこんなのハブメンテの依頼が来た。

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 バラして、各所のパーツの様子を洗浄かたがた観察することになる。洗浄とグリス充填で済むのか?それとも、部分交換の必要があるのか?など。

 ちなみにシマノのスモールパーツのバックアップ体制はいつもいっているが、大したもんだ。

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 競輪パーツのスモールパーツはほぼ完璧にそろえているので、それに近い規格のハブには、これらが当てはまったりもする。

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 グリスはシマノの出しているものを使用しているが、実はケミカルは奥が深い・・・。もしもっとスピードを求めるハブだとすれば、もう少し回転重視を考えた粘度の低いものでもいいかもしれない、グリスとエンジンオイルのようなものを混ぜて粘度を下げ、充填の量を少し抑えめにするとか・・・。

 たしかイノーのメカニック本の中には、レースのコースによって、グリスの粘度を替えるなんて事が書かれてあったことを思い出す。メカニックがその手を研究して、スピードと、耐久性のバランスを取るなんてことはそれ自身はいいことかもしれない・・・。

 ただ、それを選手たるものが言い始めると・・・、ちょっと話が違ってくる・・・という指摘もある。

 例えばBB内にグリスを入れないで回すなんてことを試していた選手がいたという話を聞いた。確かに、粘度のあるものがない分くるくるっとよく回るように感じられるようだが・・・、まあ一発勝負用にセッティングするんだろうか?耐久性の面から見るとたまったものではないだろう・・・。

 そして何より選手たるもの小細工する以前にちゃんと練習して勝て!大体そんなことに拘っている選手で強いやつは見たことない・・・ということだった。

 で、この依頼者の方は、とことん長距離を乗るタイプなので、耐久性重視、もちろん回転も重要だがそのためにグリスを減らすなんて事はしない。雨対策なんかもかねて、しっかりグリス充填。親の敵だね。

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 磨くとまだきれいで、派手な虫食いなどはない。スモールパーツ交換にまでは至っていない。

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 アルコールの中で、ボールベアリングを洗浄する。みるみるきれいになってくる。昨今湿気が多くなると、気化熱でぐっと体温の下がったボールベアリングにすぐに結露が起こる。それを拭きながら、ヘリの具合やいびつの具合をよーく観察して、戻す。

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 フロントもリアも、内側のワンの様子もしっかり観察。さすがにハブに固定されているので、ここはスモールパーツというわけにはいかない、つまり交換ができないということなのだ。ここに大きな欠陥があったら、ボールベアリングを替えようとも、玉押しを替えようとも、もうなにをしても手遅れ、ということになる。

 幸い、ここまで劣化は進行していなかったということだ。

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 玉押し調整をして、回転のいい所でダブルナット方式でもって、その高回転のなめらかさをハブ内に閉じ込める。

 ガタもなく、少し粘度がありながらもしっとりと回転してくれたら、ハブメンテの完了ということがいえる。

 そして、大事なことはここから、しっかりガタを取って、回転をなめらかにして、始めていい振れ取りが出来るということ。
 
 ハブ内にガタやゴリゴリのあるもので、いい振れ取りやホイールの調整は出来ません。振れ取り台で精度の悪い動きをしたら、そこで精度を出すことなんて不可能ですから。

 ガタ取りしたハブでのホイールの振れ取りは好調です。リムはアラヤもありましたが、修正を前提としたとしか思えない、柔らかなリム。サクっサクッと振れ取りが決まっていきますね。

 ただし、新品のホイールのように神経質にはなってはいけません。

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 とにかく乗り込まれたリムは、ブレーキシューのあとが、当然だがものすごく付いている。すべてが均等に付いているわけではない。新品のリムのように、コンマ0レベルの精度を出そうとしたら、切りがなくなってしまう。

 むしろ理想とする修正線をもうけながら、そこを中心に本当の振れを取っていく、リムの部分的なへこみによる「振れ」には目をつぶる・・・、これを鉄則に調整をしていくことになる。

 しかし、いいハブを使っていると、スモールパーツの供給があるため、結果的に長持ちになる、でありましょう。そして、いいリムを使っていくと、修正が楽。

 アラヤはやわらかいが、基本精度がいいので、点を取るように、ニップルを合わせていけば、もとの精度線のとこまでは戻ってくれる、サクッとね。

 そして、マビック系のような少々固いリムは、点プラスα、このαがそのリムの硬さによって変わるところであるが、点以上を想定して分線で振れを取っていくイメージかな?そうすると、また高い確率でもとの精度に戻っていく。

 こういういいパーツを組み合わせて組んだホイールのメンテをすると、手組もまんざらじゃねーな・・・と心底思うね。

 最後に笑うのは、やはり手組だろう・・・と小声で確認したくなるわけだ・・・、ザマーミロと!

 

 

モロのブルバーではないけれど・・・



 使いこなしたホイールのハブメンテのご依頼をいただきました。ブルベもやるようですが、それだけではない独自の走行勘をお持ちのようで、温泉巡りなども盛んにやっておられる方でもあります。

 デュラエースとはいえ、随分年代物ですね。回すとちょいとゴリゴリ感、ハブは油ぎれ感満載・・・。

 聞くところによるとハブ単体は中古で入手したとのこと、ということは、それまでどんな走り、使い方をされたかについては、遡れないということですね。

 まあ、開けてみましょうか・・・。

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 多少の予想は付きましたが、ここまでとは・・・。この錆のかすのようなものですが、ぼろ切れなどでぬぐえるものではありませんでした。加工した千枚通しで、突いて剥がす・・・というようなことしないと撤去できませんでしたね、しかし、錆であれば、母材に大変な損傷が考えられますが、それほどの損傷はなし、ベアリングも変色はしていましたが、大錆というほどでもなし。

 硬化したグリスに錆の鉄粉が混ざってより固くなったもの?正体は分かりませんでした。

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 キャップもすべてとって、ディグリーサーなどで洗浄してこの程度・・・。本来は輝いていて欲しい所なんですが・・・。

 リューターなどで、内部磨きも出来なくはないが、あくまでも表面・・・のみだろうなあ、ここまで来たら。

 そして、反対のフリー外しを試みたところ・・・。通常なら10ミリの六角レンチで空くところが、なにやら規格が違うじゃないか・・・、もしやお前、それ以前のアレか?

 イヤイヤ、だとすれば懐かしい、これ使うの何年ぶりだろうか?

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 忘れられた工具といっても間違いないだろう、もうここ何年も工具の肥やしとなっていたんだからな。久々ながら活躍してもらうよ・・・、しかし固かったなあ・・・。逆ネジかと思ったくらいに。

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 頑固野郎め!手間かけさせやがって・・・。

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 外した方は、まあきれいな方だろう?どんな使い方されてきたか知らんが、さすがデュラエースとでも言えるのかな?母材がいいと、やはり違うね。

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 キャップを外して、まあ、特殊中の特殊工具にて外すところもあるにはありそうだが・・・、手持ち工具を改造してまで開けるというのはリスクありありすぎる。

 さて、この油抜け感どうすんべか?と色々考えたが、試しにディグリーザーを流し込んでみると効果はあった。ということは流れ込ませる余地はあるということだ、完全密封ではなかったということでもある。

 そうなると、緩めのスプレーグリスなら、浸透するかもしれない・・・と、根気よく流し込んではフリー本体を回転させ、それを延々続けることに。そうすると、少しずつ、なめらかな動きになっていく感じはつかめてくる。

 本来ならもっと粘性の高いものを入れたいところだが、これ以上開けないというのであれば、この辺が限界かということで、この方式をしばらく続け、あとはグリス攻め。

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 フリー側にも、指の届くところ、グリスガンの届くところにはできるだけ充填と、塗り込みをかけていく。溢れることは分かっていながらも、できるだけ多く入れ込むことに。

 そして、

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 ベアリング床にも厚めにグリスを引いて、そこにベアリングを一個ずつ片側九個おいてグリスの布団を掛け、そこに静かに玉押しを下ろしていく、ちょいときつめに締めて再度ダブルナット締めの再の戻りを計算しつつ、何度か癖を覚えてから本締めへ。

 まあこれで、またしばらくは乗れるでありましょうな。そして、次はベアリングと玉押し交換をしてもいいかもしれません、ただし、先に見た通り玉受けの方に限界が来ているので、購入当初の回転は望むべくもなく・・・ということでありましょう。

 でもそれにしても、デュラエース、一体積載何キロか知らないが、まあタフな作りであるには違わない。今もデュラエース、そしてこの頃からデュラエースってやはりスゴイものなんでありましょうなあ。 

プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
TEL・fax042-445-0487
携帯070-5083-6962
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