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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り |2013年11月 tp://cnt.affiliate.fc2.com/cgi-bin/click.cgi?aff_userid=45871&aff_siteid=43545&aff_shopid=63" target
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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

土曜自転車教室 開始!なんちゃって・・・



 「だれでもできる当店の高等技術講座、土曜自転車教室」を始めることにします!

 チョット構えすぎ?

 半分冗談なんですけど、半分本気。

 今回は流れとしてこんなことになってしまいました。

 持ち込まれたこの自転車。随分がんばったねえ・・・。自分でここまで抜いてこられたようなんです。

 外すだけなら簡単でしょ?なんて、その外すのがむずかしいのです。特にママチャリの場合にはね。

今日のお題は、ここ!
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 このクランクを交換したい。ただ自分じゃあできないので、どうにかなりませんかねえ・・・と来られた。

 付けたいクランクは持ち込みなんだが、どのくらいに軸長のBBにしていいか分からない、何を買っていいかも分からない。

 こんな質問というか、問題を持ち込まれると、大抵の自転車屋には怒られるそうです。何でかね。そういえば、前にもいたなあ、「オレ・・・自転車は好きなんだが、どうも自転車屋が好きじゃなくてねえ・・・」。

 まあ、理由はよく分かりまへんが、そんなこんなで迷い込んできたのが、当店だったということだ。

 さて、持ち込みクランクを取り出して、BBの軸長いくつ?なんて言われて、そんなの分かるか!と速攻で怒りだした店主。

 アア、やっぱり自転車屋はお客を怒るなあ・・・反省。普通の自転車屋はそれ以前に怒って門前払いらしいが、当店は既に門中に入れてのお怒り・・・。

 大体圧入なんて野蛮な手を使うテーパークランクなんて、その軸長のいい加減なこと。だって、台形の軸にクランクを力で押し込んでいくのよ。力のある奴と無い奴で、Qファクターが変わってくる。

 そんなことがあっていいのか?!しかも何回も着脱を繰り返すと、安いダメクランクは鍛造BBの軸に負けて、そのテーパーによって穴はどんどん広がってしまう。

 チェーンステーギリギリに調整していると、いつか締め込んだ時、アレ?ステーに干渉するようになりやがった・・・。クランクの穴が広がったな、なんて事体験した人はいるはずです。

 そんなわけなんで、持ち込まれたクランクの軸長がいくつかなんて、分かるわけネーだろうが!!!

 と、店主の怒りはおさまらないのであった・・・。

 それに輪を掛けたのがこの質問、このクランクのチェーンラインっていくつなんでしょう?

 そんなもん、分かるわけネーだろうが!再び鎮まりかけた怒りの大爆発!!!

 大体チェーンラインなんてーのは、BBマターで、クランクマターじゃねーんじゃね?しかもそれを決めるもう一つの要因は、多段であろうが、シングルであろうが、後のギア系の位置との関係によるもんだ。

 しかるにチェーンラインなんてーものは、その辺が統一的に設計されているコンポについていえるものであって、大体寄せ集めのパーツ類で組み付けようって場合に、あらかじめのチェーンラインもクソもあるか!!!

 そんなものは合わせて、目視で確認して、実際チェーンかけて、回して外れなければ、それがチェーンラインなんだよ!組み付ける前に決まっているもんじゃない!わかったか!

 分かったら、サッサとクランク外して、その腐りかけたBBを抜いて、試験BBをいくつかぶち込んで、その持ち込みのクランク決めて、チェーンステートの距離を見て、実験しろ!

 と、スパルタ式は続くのであった・・・。

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 泣きながらクランクを外す生徒さん。

 そんな持ち方したって力は出ネーよ!一馬力もない人間の力を有効に使うには、そのためのフォームってもんがあんの!適正な位置から、ポイント決めて、エイ!とやんな!

 そんなやり方したら工具がぶっ壊れるだろうが!!!店主の罵声が工房に響きます。本当自転車屋って怒りぽい人多いです、皆さん気をつけてね、反省。

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 コッタレスにも色々種類があるのを知った生徒さんであった。今回のママチャリのBBはケッてなやつでして、外にねじ山飛び出ているものをナットで締める形式なんですね。

 軸がこちらに飛び出ているので、コッタレスはその飛び出ている分引っ込んでいるタイプのものを使わなければいけません。何種類かのコッタレスを前に、涙をぬぐって感動する生徒さんであった・・・。

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 例によって焼き付いたBBをなんと外して、試験BBを入れようとした瞬間!
 
 そんなことやってっから、BBが抜けなくなるんだろう!と店主から怒りの竹刀が、パシッ!

 BBソケットをよく見よ!積年の錆や何かで中はもう真っ茶色・・・。これじゃあ、まともに入らないし、例え入ったとしても、半年経ったらまた抜けネーよ!

 というわけで、タッピング!もちろん初めての体験だったんでしょう。鼻水すすりながらも、興味深そうにシュリシュリねじ山修正していたのが印象的でした。

 そして、削りカスをぬぐって、次は試験BBを手で入れる。そう、手で入れられるくらいに掃除してやらないと、以降がとても大変になってしまうわけ、分かった?

 始め試験BB122ミリ投入。というのも先の軸長が130ミリもありやんの!洗濯もんでもかける気か、って言う長さ。そこで8ミリ短い一発目。離れすぎ、十ミリは突っ込んでいいね。

 と今度の試験BB113ミリ投入。バッチリ!

 ネ、こうやって決めていくもんなのよ、最初からチェーンラインなんて分かるわけない、といったのはこういう意味なのだ。ハイ、もう一度目視で前ギアと後の小ギアの位置確認?どうだい?

 いい?よし、113ミリで決定!

 では本付けに入りましょう!そのまま入れるバカあるか!!!親の敵ぐらいの量、グリス入れんかい!

 君の敵というのはそんなに少量か?それでいいんか?いいか、このくらい入れるんじゃ!!!

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 脅されて、どやされながらも、なんとか新調BBを仕込んだ生徒さん。ホッとしたんでしょう、スマホで記念撮影。

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 ようやく手持ちの52Tもあるデカイクランクが付きました!

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 あとはチェーンを張って、センターに気をつけながら、左右のチェーン引きを少しずつ引いていきます、チェーンを好みの張りにしていく、このくらいですかね?知らねーよ、好きな張りにしな!

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 足りないチェーンを補った分色が途中から変わります、まあご愛嬌。

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 サドルの端をあげて、男セッティング、ピラーもスラリと出しては、大ギア踏む準備も整ったと!

 イイェーイ、できたぜ!

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 涙も乾いて、竹刀のアザも消えたのでした!早速乗ってみたら、そのスピードに驚いた。そりゃ、ロードのゴールスプリントのギア比に近いんだから、条件が揃えばスピード出ますわ。

 たまたま居合わせた社会人レーサーも試乗、これビンディングないとダメだ。

 そりゃそうだよね、高ギアトレーニングの連続だわさ。

 でも、満足してお帰りになった生徒さんでありました。ただ・・・、数週間以内に、やっぱり膝の負担が半端じゃなくなりました・・・といって来るんじゃないのか?というのが店主の予想であります。

 重すぎだよね。赤信号の度にダッシュの練習では、この寒さ、膝が持ちませんね。

 となると・・・、後ブレーキを外して、そこに17tぐらいフリーコグ入れて、ホイールひっくり返して、あとはキャリパーブレーキでもどこかに付けるか・・・?

 次のスパルタ式自転車教室のカリキュラムもできた、というものです。イヒヒヒ。

 まあ、こんな竹刀や工具が飛んでくるスパルタ式で良ければ、自転車教室開きますよ!

 これ半分冗談で、半分本気なんであります。

 またステージを変えて、こうしたこともしていこうかなあ・・・などと今画策中です。具体的な形になりましたら、報告いたします。チョット面白そうな動きになりそうです。ご期待ください!

 と、そうそう、今まで幻の工具だったものがようやっと見つけることができました。これです。

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 同業者なら分かると思いますが、安い系統のBBで結構使われている規格です。今まで、このタイプのBB外す際には、モンキーレンチや時には万力、最後には当店流柴田式というやり方でいどんでいたんです。適正工具がなかったからです。

 実際にこのタイプのBBを販売している業者に、販売しているなら着脱工具は当然あるでしょ?と尋ねたところ、それがない・・・。随分探してもらったんですが、結局見つからなかった経緯があったんです。

 じゃあ、いったいどうやってどうやって着脱するの?その質問に等の業者さんが戸惑っていたり。

 多分ママチャリ組み付け工場などにエア工具かなんかであるんでしょう。ほとんどそういうところ専門なんじゃないかな?

 ということで、対応する工具類も工夫しては作って試したりもしたんですが、どうもしっくりいかない。

 そもそも適正工具があっても、錆などで扱いにくいところですから。

 半分諦めていたところ、ポツンと、こんなのが出てきたんです。チョット感激です。

 同業者の方で、入手方法を知りたい方は、ご連絡ください!コッソリ教えます!意外と高いけどね・・・。


 というわけで、第一回土曜自転車教室スパルタ式、無事閉会の巻!
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お題をいただく ジブリ風?



 とても愛着のある自転車のようです。これをより快適にメンテして欲しいということと、同時に、パーツ類の変更に関しては、ジブリ風にお願いします・・・というお題までいただきました。

 ウーン、ジブリ風・・・。

 登場キャラクターの多い作品は、どうも作家のストイシズムとは逆に行きそうなので、物語がゆるむ・・・という印象というか感覚が、店主の中にはありまして・・・、なんか増築を続けて当初とは全く異なった建物になっていくような、ある意味面白いのかも知れませんが、どうもストーリーとしては締まりが無くなってくるようで、あまり好きになれない・・・。

 何の話?多くのジブリ作品に見える傾向かと思います。

 物語がこう展開したら、こういうキャラクターを作って、こういう展開にすればいいや・・・というような、安易な感じがしましてね。

 トトロぐらいまでかな?もののけや千と千尋などは、もうゆるみっぱなしで、なんともなあ・・・。

 どうでもいいんですが、ジブリのイメージというのは・・・、欧風というのがありますね。

 魔女の宅急便、あれはいいなあ。女性であればあの年齢を通る時に感じる違和感のようなものが、そこはかとなくある、あのパン屋のパンはそんじょそこらの日本にはないパンですね。欧風、そして自転車。

 チョイとレトロ・・・。その辺にしておきますか。依頼の方もチョットした言葉の彩のような感じで、決して熱狂的なジブリファンという感じではない。

 具体的な作品と人物を示して、これ!これそのものにして!というほどではない、あくまでもイメージとして・・・。

 それより何より、乗る人、自転車を使う方のようなので、メカ部分をしっかりやりつつ、パーツ交換という場合にジブリイメージ・・・でいいかということで始めました。

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 このブレーキもガッタガタ。シューも減り減りなので、アーチ自体を変えました。

 そこにチョイとジブリ風?

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 毎度アリガト!ヨシガイさん!というわけでセンタープルのロングアーチ、レトロ調の現行品、コイツはいいでしょう。効きもグーンと上がります。

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 このミヤタモロの袋カバーに入ったクランク。クランクもBBももうガタガタだったので、こいつを交換というと・・・。さて、ジブリ風とはいかに?

 むずかしいよねー・・・。

 そんでこんなのにしてみました。シンプル。

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 最初は上のチェーンだけをカバーするものを探したんですが、そうしたレトロなカバーがどうにも見つからない。仮に見つかったとしてもそういうものの取り付けって、もう最大級に手間掛かりまくりなんですね。

 これはシンプルですし、メンテも楽。バッシュガードもあるので、そこそこ裾は守れます。ただし完璧ではありませんので、チョイと注意も必要です。たまに長いスカートで乗るとか、その辺の注意はぬかりなくお願いします。

 ハードではカバーできない店は、ソフトでカバー!

 前ギアがでかくなった分、重くなりますので、後の小ギヤもでかくして、ギア比のバランスを取ります。この辺はメカニック的な、いかにもメカニック的な配慮かと・・・エッヘン。

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 チェーンは銀になりました。

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 泥よけは、曇ったアルミものよりも、てかるステンレスもの。これのどこがジブリか?ただアルミよりメタリックなステンの方が・・・、かな?

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 元々付いていた、レトロな反射板は、移植しました。

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 ハンドル自体も曲がっていたので、同じくプロムナード系に交換。あとはガタついたブレーキレバーやグリップを交換です。

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 ブレーキレバーもアリガトヨシガイさんで、現行品のレトロ調。焦げ茶系の革風グリップということで、シックに纏めます。

 あとスタンドをチョイとおしゃれに・・・。

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 中央に一本足スタンドに。走る時はこいつを蹴り上げると左のチェーンステーに沿うように、寄り添います、スマート感がありますね。

 そんなこんなで、
 
 走りの内容は非常に良くなりましたが、お題のジブリ風はどうなったかな?

 何だ、ほとんど変わっていないジャン!とか言われそうだなあ・・・。

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 どう?ダメ?タイヤもブラウンサイドのものに替えたんだけどなあ・・・。

 中身は相当走りやすくなりましたが、やはり見た目は・・・大してインパクトないか?

 解決策は二つ。まずカゴをプラではなく、籐風のものに交換すること。そして、英断に繋がるかも知れませんが、サドルを革ものにすること・・・、これかな?

 この二点で、またガラリと変わるでしょう。それがジブリ風かどうかは分かりませんが。

 乗る方ですので、まずはこれで乗りながら、自転車と対話しながら決めればいいんじゃないかな?

 一気に変わるもよし、徐々に変わるもよし、です。

 でもその心は、愛着をもって一台の自転車を乗り続ける、というたおやかさです。これぞ優雅というのです!

異種格闘技戦!一体感のために・・・



アメ車をイメージに・・・ということで、キャンディーグリーンで、アメ車・・・らしいものを集めて作った、というのがこれでした。

 ご記憶にある方もおられるかと思いますが。

 これに追加というか、オーダーが入りました。

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 前のキャリア。これだけでなく、後にもキャリアがありましたが、こいつをフレームと同色にできないか?というご依頼。

 塗装はやりますが、通常はフレームフォークまで。塗れる環境があるなら、なんでもできるでしょ?と思われがちですが、そう簡単にはいきません。

 当店の塗装ブースは一定のフレームは360度回すこと、それも縦横両方でできて、ようやっと全体塗装が可能になります。

 そのために、フレームを縦横無尽のつるせるような治具なんかを手製で作っております。

 それとは全く違う形状ののものが来ると、簡易ながら、そうしたものを作らないと中々うまくいけなくなります。

 ですから、こうした異種格闘技は、塗装に限っては、大変なんですねえ・・・・。でもまあ、何とかやりましょうと、色々考えている内に、随分と時間が経ってしまった。

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 このように、一体感のようなものを重要視しましたねえ。

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 後のキャリアも同じメーカーの同じ色。これもキャンディーグリーンにします。

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 これも一体感!

 そのために、キャリア単体では塗らなかったんです。両キャリアをフレームに付けたまま・・・。そうなるとフレーム単体よりもだいぶ長くなりますから、塗装ブースでは回転ができなくなって、塗り師の方が、フレームの周りをコショコショ動くようになる。

 デカイのでひっくり返すのも大変でしたが、ガンをフレームからキャリアへ、キャリアからフレームへという流れが大事なようですね。

 それで塗料による一体化ができるんじゃないか?と。

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 ソリッドカラーなら単独に塗っても、同じ塗料であれば、同じになるかと思いますが。

 下が透けるキャンディーとなると、まずは下地を同じにしないといけない、そういうところがチョイと面倒な塗料ですが、使い込んでくると、これがまた奥深いわけで、いずれはキャンディーの魔術師・・・なんて言われるようになれればなあ、と思いつつ(ウソ)。

 これでアメ車感が一団と深まったか?遠ざかったか?わかりませぬが、これの車体が、岐阜県を走る・・・ということは確実です!

お前はバンクに行けー!



 これも、ストリートを前提に造られた・・・といわれているロックバイクスの、ある意味隠し球かな?

 でも、街道走るには勿体ないんだよなあ・・・。

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 何だよ、この本気モード・・・、その癖そっぽ向いている。これは完全レース車体なのに・・・。

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 各箇所、溶接のロウはしっかり入っています!頑丈・・・、固い、どんなに踏んでもネ。

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 ダウンチューブです。これ青竜刀か?空力効果抜群でしょう、飛行機の翼と同じ構造しているもんな。

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 あれ?リアブレーキは?もしかして、実はマジピスト?

 なんて、こんなところにいました。

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 ちゃーんとチェーンステーの裏。これって・・・結構当店が実用車改造時に、よくやる手であります!

 確かにこれで前後ブレーキありですから、街道向けに作られていますが・・・。

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 このブルホーンもある意味、目くらましか・・・。と思いきや、エアロバーをくっつけると、トラック用TTバイクにもなりうる!

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 ハブなんかの要所も、いいものが使われています。スポーク数が前20hですから、こういうところがまた、バンクへの誘い・・・のように、ツイ深読みしてしまうなあ・・・。

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 こういうところも凝ってはいますが、ピラー自身は27.2の標準系のものなので、安心して使い続けられますね。こういうところが特殊なものは、一見目新しくて、カッコも良かったりするんですが、数年経って何かあったとき、入手ができないと。

 ここだけのために、自転車がダンシングマシーンになってしまうという悲劇が起きますんでね・・・。

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 さて・・・、コイツも隠れ街道シングルではありますが、そのポテンシャルは、絶対にバンクでこそ生きるでしょう。

 ホイールを変えて、ブレーキを外せば、イヤーばれちゃったかな?っというくらい、快走してくれる、自転車であるに違いはありません!

 これが四台、編隊を組んで、団体追い抜き何てやっていたらカッコいいでしょうなあ。ホイール担いでいけば、これでバンクに入って、履き替えて、ブレーキ・ハンドル交換すればいいし、逆やって家に帰ってくる・・・。

特に学生さんらにとっては、理想的な自転車じゃない?いい足見せたら、オヤジ達がホイールなんか貸してくれるかもね。

 バンクにはバンクにしかできにくい練習もあるんで、自転車競技に関わる人は、是非、機会をつくってでも体験していって欲しいですね。その足がかりとしての隠れバンク野郎、ロックバイクス!

 ただいま検品中ってことで!

親父の夢号!



 状態の良いリッジランナーです。元々はマウンテンバイクだったのをこうしてブルホーンに交換して。遊ぼうと思ったんですが・・・。

 そのブルホーンを今度は、ドロップにした。

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 そして前後にキャリアを付けた。となれば、イヤでも旅情をかき立てられます。親父はフト旅に行こうと思い立った。

 コイツと一緒に旅に出ようぜ!

 と、まあ学生だったら、授業サボって、ひょいと翌日、紅葉街道へ・・・なんてところでしょうが。

 フルタイムで働く、妻子持ちの親父ともなれば・・・。そう簡単に逃げるわけにはいきません。

 どっか行きテーなあ・・・と思いつつも、無理すると仕事に響くし・・・、父ちゃんだけズルイー攻撃受けるし、そもそもが色々と腰も重くなってきているの事実。そう、清水から飛び降りくらいの覚悟ないと、中々行けませんわ。

 となると、多少自由な銭を持つ父ちゃんは何をやるか?より旅情をかき立てられる、ものをそろえつつ、酒飲んでツーリングの夢を見るんですわ。

 この新調したフロントバッグには・・・何入れよう?峠で雪なんか降られたりしてなあ・・・、ゴアテックスは必需かな?

 グラスを置いて、スマホで値段を調べる・・・、二万五千円!まだそんなにするか?どうしよう・・・。友人の山屋の言葉を思い出す「雨具に金惜しんじゃいけネーよ、命に関わるぜ」・・・、なるほどソウカ・・・。なら最安のところを探して・・・。

 こんなことをしながら時間だけが経っていく。

 時に子供や奥さんにものを発見されて、いつ行く気なの?本当に行く気あんの?なんて本質をつかれようものなら、「今年中に行くんだよ!」といいつつ、よし実際腰を上げないとな!とばかり、夢想を打ち切って・・・、地図を開く。

 よし!コースが決まった!でも12月、道が凍結しているかな?ネットで調べよう・・・。またいくつかのツーリングブログなんかを見て、よし!凍結前提だ!最低ブロックタイヤ、できればスパイクなんていいなあ・・・。

 こんなことやっている内に冬になってしまう。実際一杯飲みながからこんなことをやっているのが一番楽しいのかも知れませんな。

 その内、春になってもう少し温かくなったらにスッカ・・・と、ツーリングに備えたマイナス20度用の寝袋に両足突っ込んでは、また一杯。

 気持ちは機材から整えていく、これ親父の基本ですね。より乗りやすくしないとなあ、とばかり、ハンドル周りの変更行きましょうか。春のためにね・・・。

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 上引きのこれも悪くはないが、今やブレーキレバーの引きとして三本指には入るかな?というコイツに変更。

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 ディズナ。これ最高です!向こうから握りかえされるようです。どこから引いても引ける、それもベストで!

 ブラケットが茶色になったので、そろえましょうか?本革ではないので贅沢って程ではない・・・。

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 イヤーシックになりやがった!これぞ親父テイストだねえ。

 と機能面ももう少し。というのも、ブラケットポジションだけでは、ちょいとつらい、もう少し楽なポジション確保しないと、ハラも邪魔だし長続きしない、なんと言われようと、こいつを付けて、楽しちゃえ、このくら贅沢じゃない!普段父ちゃんは我慢の連続なんだから。

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 このステム付近の隣りに、こいつを付けます!
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 正真正銘エイドブレーキ!少しは楽しないと、マジで続かないよ。これでドロップの上ハンで安全に、楽して走れる、というものだ。妻子持ちだしねえ・・・安全第一。

 ハンドル部分がよりうるさくなったので、サイコンはやっぱ同じ位置だね。

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 トップチューブに!これでハンドル周りはスッキリです。

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 これが高機能化して、コックピットへ・・・てなもんです。

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 シックさも増して、ちょいと重厚感のある親父の夢号に変身です!

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 もう機材でいじれるところは・・・まあ、ないでしょう。背水の陣です!もう親父としては、この冬、意地でもコイツで少なくとも一泊以上のツーリングにでないと、妻子その他に顔向けができなくなる・・・。

 チョット、チョット、待って!あとは冬用テントを若いツーリング野郎に聞くので・・・、オットそうそう、靴についても聞かないとなあ・・・、テント内は何履くんだろう?

 親父の出発は、こうしてあと一つ!あともう一つ!と遅々として進まず、その内家族のイベントの正月が来て、金もなくなって・・・、2月はさすがにおとなしくしていながら、3月・・・・なら、4月の春まで待つか・・・。

 大いにあり得る展開だねえ・・・。

 でもいいじゃないの、毎日毎日、フルタイムで三十年近く働いてんだぜ!

 キャバクラや変なとこに入れあげないで、家で安上がりで晩酌しては夢見ているんだ。ささやかだよなあ。

 その内色々あって、計画自体が頓挫したって、イキのいい若い子捕まえて、「オイ、これほとんど使ってねーんだよ、お前良かったらやるから、使ってくれよ、なんなら、またオーストラリア、今度は斜行行ってこいよ!応援するからよ!」

 と、親父の夢想は全く無駄になりません!親父というのはそういうものでありましょう。

 若い奴の夢も、親父の夢の内なのだ!

 だから名づけよう、親父の夢号、完成しました!

ロックバイクス完成形!来年はレース会場でお会いしましょう!



 先日ご紹介しました、ガチのトライアスロン車・・・というより、タイムトライアル車に変身させたロックバイクスです!

 設計者より、スケルトンはほぼTTバイクなので、かなり走るはず!ということでした。

 ヤッタ・・・。

 このロックバイクスのラインナップを一見してみると、ストリート志向かな?と思えますが、その実色々細かく見てみると、結構ガチなレーサーだったりします。

 これもその典型ですねえ、かなり気合いを入れてレーサー仕様にしてきたんですが、今回この完成形として、成立したというわけです。

 利用者の方のトレードカラーが、黒と赤。今回はそれに合わせての完成ということです。

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 これが、歯数は同じで、このようになりました。

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 いいつくりしていますね、それなりの値段がかかっているだけ有ります。

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 ここもチョイと変えます。

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 赤いラインを入れました。まあ、タイヤは消耗品ですが。

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 もちろん前も赤ライン!
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 ちなみにリアは50ミリハイト、フロントは38ミリハイトのカーボンリムを使用しています。

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 このポジションは変えませんが、色を変えます!

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 バーテープも消耗品ですが、こうやってそろえると、チョットした絵になりますな。

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 ここも赤にしましたので、全体として、赤黒のトレードカラーでのセッティングが完了したというわけです。

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 もう戦闘機として完全成立!です。

 本車は、走りたがっています、ウズウズしているのが伝わってきます。

 こういうのがレース会場で散見されるようになるよう、来年はなんとか動いていきます。

 ロックバイクスをレースー会場に!

 まずは明治大学のトライアスロン部・・・から行きたいねえ・・・。

 名だたる炭チャリをブッチギレ!ロックバイクス!

お道具拝見! 響き床 クラフト編



 これなんでしょう?

 ガム剥がし・・・ではありません。

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 こうやって、使います。革包丁というだそうです。三浦先生の手さばき・・・。

 先日の革のクラフト講座にて。

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 型紙作成の段階で、三浦先生から指示が飛びます。分からないことがあったら、なんでも聞いて・・・と。

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 穴あけ用のポンチ。手前の三本溶接ののものは、時計のバンド用の穴あけポンチ。

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 刻印。これはタガネをなまして、ヤスリ等で形を作って、最後に焼き入れ急冷をして作るそうです。これはワシをかたどったもの。

 来週そろそろ革が形になっていく、クラフト教室の醍醐味が見られるかも知れません。

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 一方これは、染め物クラフトのヒロミ先生のデザインカッターです。店主もマスキング等で、こうしたものは数本所有していますが、このように刃が下向きのものは初めてです。

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 このように使います。なるほど確かに使いやすそうですねえ。

 さて、これでもって型紙を切っていきますが、さて何を切りましょうか?

 好きなものを切ってください、といっても、すぐには思いつかない、こういうとき強いのが子供。

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 中々、判断あぐねているお母さんを尻目に、子供は下絵をどんどん描いていきます。それをどうやって刃を入れていいくか?母と子の連携です。

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 二人の力作!できた切り絵型です。中々見事!

 それで染めたのがこれ!

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 イヤー、スゴイ完成度!うまくできています!

 これは思い出になる作品です。これも型紙を取っておけば、何にでも、プリントができる。子供と小さい時に作った型を保存しておいて、成人になったときや、嫁に行くときなんかに、記念のTシャツや手ぬぐいにしたら、時間を超えた贈り物になりますね。

 この時にしかできない髪型・・・、イヤー、いい!

 このヒロミ先生の染め講座は、27日水曜日にも行われます!

 あの、伝説の妖怪野郎も来るそうです!一端木綿の手ぬぐいでも作るのかな?

 そんなこんなで、響き床、徐々に盛り上げてもらっています!

 あなたのアイデアで、作る空間、響き床、使用料などは要相談で、何なりとアイデアを行かしてください!

ビンテージ!片倉シルクです 磨きとキャンディー デカールだよ



 廃業された自転車屋さんから引き継いだ、片倉シルク、名車ですね。それが来たのが・・・もう五ヶ月くらい前かしら?

 これをどうやって、再生させるか?パーツ類はいいとして、問題はフレームでした。。

 ちょいとフレームが荒れている・・・。磨きの大森社長に渡すと、剥離したあとのフレームの肌を何時間もながめながら、ウーン・・・と繰り返す。

 昔のフレームにありがちなメッキ処理が。これを一度剥ぐとなるとこれまた結構大変で・・・、メッキ自体は固いですからね。

 では、メッキの肌を活かすか?というと、そこまできれいじゃない・・・。

 悩む大森社長。一部を剥いで、どこまでできるか?時間は随分掛かりました。

 その途中で、荒めのメタリックでシルバー塗装して欲しいという、内容に変わりそうになったときもありましたね。

 でも、この強敵を超えたら、これまた磨きの知見と技術はグーンと深まるでしょうから、ちょいと踏ん張ろう!と一週間ぐらい掛けて、トップチューブのみに集中的に手入れをしました。

 できた中で、再度お客さんをお呼びして、メタリックにするか?磨きにするか?のご判断を仰いだわけです。

磨きに!ということに。ありがたいです!

 それからの数週間、大森社長は鬼の形相に・・・、そうして仕上げた、磨きです。

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 アウター受けがあるだけで、磨きにとっては、大きな障害物、これを克服していく手仕事でした。

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 ラグはバフがけして、メッキ調に。この写真では分かりづらいですが・・・。
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 ヘッドチューブのラグも、フォークの肩もバフ掛け・・・、手間かけまくり。

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 デカールは、シルクをつぐ荒井さんから取り寄せました。

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 ヘッドチューブにも、デカール。

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 シートチューブにもデカール。こういうのを貼ると、またぐっと、グレードが上がるような感じがします。収穫したスイカに、金のシールを貼った瞬間、果物という商品になる!ちょいと似ているかな?

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 ヘッドとシートチューブのみ、キャンディーディープレッドをぬります。塗るより、マスキングが大変ですね。

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 上引きブレーキを付けて、戻しました。

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 サドルは染めQで、自家塗装されたものらしいです。パーツ類は調整して戻して、再組み付け。

 パーツ類に大きな問題はありませんでした。


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 随分と時間はかかりましたが、これいて、大事に乗れば、二十年は大丈夫なんじゃないかしら?

 ご依頼者の方にも「かっちょいい!」の連呼で喜んでもらいました。

 成熟自転車が、また街道に戻る!いいねえ・・・、なんとも・・・。

多段化がはやる?気づけば・・・



 かなりゴッツクつくられた、ピスト車ですが、これを多段化していく、というご依頼です。

 ピスト車の多段化は、多分三、四年前ぐらいから始めたんですが。動機は、ブームに乗ってピスト車選択したものの、上り下りのある街道ではチト不便だなあ、という方が、ピスト車数台あるが、一台くらいは多段があってもいいかも・・・、と思うだろうと先取りしたものでした。

 当然当時は、ほとんど受けませんでした。それもこれも、当店は四、五年先を行っているのでね・・・。

 ところが、このところボチボチ、ピストの多段化依頼が、徐々にですが増えてきたようです。その証拠はあとでまた。

 まずは、ピストの多段化につきまとうのが、後輪の組み替えです。

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 このように、十速用のロードハブを使用することになりますが。通常ロードハブは130ミリのエンド用に作られています。

 ところがピスト車ではそこが120ミリしかありません。当然ロードハブではでかすぎて、入りません。

 そこで、エンドを広げるか、ハブを縮めるか、の二つの選択肢がありますが、当店はメカニック系なので、後者、つまりハブを左右5ミリずつ、縮めることにします。

 そのハブで、後輪を組み直すということをやらねばなりません。

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 ホイールができれば、外台座を取り付けて、そこにディレーラーをねじ込めばいいわけです。

 そこで、解題。先ほどの多段が増えている、ということの理由ですが、この黒の台座金具の在庫が、ごそっと消えたんです。

 シマノはまだ持っているようですが、数が少ない・・・。ちょいと確保に焦りが・・・。多分当店だけのマイナーブームでしょうが、これが生命線なので、しっかり探さないとねえ。

 買えるときは十個単位で、押さえていたんですが、在庫が捌けたということは、結構多段化要求があったんだということが分かりますねえ。これが証拠というわけです。

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 今回はクランクもかえました。チョットおしゃれものに。

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 シングル用のギア板ですが、薄歯なので、ロードのチェーンがそのまま使えます。

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 シフターは・・・、十速なので、デュラエース!

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 バーコンです。ちょいと贅沢、デュラエース。この十速のものは今や十一速になったデュラエースの時代にも、作り続けて欲しいですねえ。

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 乗ってみると、まあ、最初から多段のような顔していますねえ。

 全然違和感なしです。前一枚ですが、都内の街道なら、これで・・・いんじゃないでしょうか?非常に快適ですわ。

 5、6年先を行っているかのような当店ですが、こうして、タイムラグがありながら、徐々に定着してくるというのは、嬉しいものです!

 ちょいと、台座金具確保に奔走しなければなりませんが、ようやく時代が追いついてきたようですわ、エッヘン!



本日23日 響き床にて 革のクラフトやります 見学希望者募集



 本日、23日、午後2時より、革のクラフトの会を開催します。

 ということで、見学者募集です。

 講師は、あの革の魔術師・・・三浦先生です。

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 革の専門家達も、この技には息を呑んだ、あの三浦先生です。

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 正規の生徒は二人。型紙から起こしてやる、という本格講座ですが、三浦先生による実演もありとか。

 革包丁その他、プロの道具が見られるというのもいいですね。

 本日23日、2時過ぎから始まりますので、見学御希望の方は、響き床、狸サイクル二階の貸し空間に、お越しください。

 お待ちしています!

改造忘れて チタンに見とれる



 確か・・・ではありませんが、改造依頼をいただきました。シフターの交換・・・という。

 でもその前に、この疑似チタン・・・と思ったら。

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 本物のチタン車でありました!

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 何だろうなあ・・・この妖艶というか、この金属棒の魅力というのは・・・。

 なんて事はないんだが・・・、チョットずーっと見ていたい・・・という不思議な金属です。

 ステンレスフレームもそうだ・・・と聞きます。確かに同じネジでも、ナマ鉄のものとステンレスは違います。

 その質感は分かりますが、チタンのヤツは、それに輪がかかっていると思われます。

 鉄の次の工芸レーサーは、チタンなり!と思いますが、特に特殊表面加工などが無くても、既に工芸・・・。

 そんなこと考えながら眺めていて、ふと気づくんですが。それが、レーサーとしてビルディングがされていないチタン車・・・という。店主からすれば考えられない、スペックのコミューターというのでしょうか?

 チタン使っているのに、レーサーでない!それだけでも相当ショッキングなんですね。

 こういう自転車もあるし、それに乗られる方もおられる。もちろん乗っている方は、この自転車が貼り付くような方なので、そういうのを見るたびに、人の好みと組み合わせって、奥が深いなあ・・・などと思いますわ。

 安直なマーケティングで、ボリュームゾーン・・・なんてところは端から相手にできない当店としては、自分でこの手の自転車を扱うかどうかは別としても、見ておいて損はない、どころか、見るべき自転車なんじゃないか?なんて思うんですねえ。

 来るべくしてきてくれたチタン車。店主が乗ってもロデオの馬のごとく、蹴り落とされそうであるが、その強い嗜好性なんかが、結構身に刺さってくるゼイ!

 で、忘れちゃいけない、改造依頼です。

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 このピアノタッチ式シフトレバーをダイヤル式にするというもの・・・。それの方が扱いやすいということで、そうですか?とばかり、8速用のものを取り寄せまして。

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 こうやって取り替えた・・・という、ぐらい。

 あとは、グリップを中太りのものということで、革系のものにいたしました。

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 特にどうということはない中太りグリップ。

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 見た目もほとんど変わりない。と・・・チョット周辺パーツに目を落とすと・・・。

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 ンン?なんじゃコリャ?この車体デフォルトのものなのかな?でないとすればスゴイセンスによる選択ですねえ。店主には絶対にないセンスです。

 それに・・・。

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 君はチタン製の荷台なの?荷台にチタン使うカヨ・・・?といってもキャンプ用のコッヘルなんかにも多用される時代ですから、チタン荷台・・・あるのかも知れない。

 フレームもさることながら、周辺パーツにも気を取られて、思わず本文の改造を忘れてしまいそうな一台ですねえ・・・。

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 なんだか、こういう車体があること自体が不思議に思えてくる・・・、しかしその車体の裏には、それを支えている人がいる・・・、人間て多様なんだなあ・・・とは頭で分かっていても、それを上回るくらいの多様性ということの奥深さを感じざるをえない。

 人間って、時には異星人にも思えるくらいに、多様なんです!そう思いましょう!特にそこの店主!

 ハイよ!
 

ストリートから 実は・・・



 異形を誇るロックバイクスとでもいいましょうか。毎回彼らは色々やってくれるんですわ。

 よくある、年度による変更、大体どこのメーカーもやっていますね。チョコッと変えるだけで、新バージョンとか言うあのパターンですが・・・。

 ほとんどは、アア、そうなの?フーン、という程度。トップモデルなんかのパイプがよりハイテクになった、とかたまになるほど、と思えるものもなくはないんですが、でもまあ、ほとんどがスルーできる内容です。

 まあ、その程度なら、毎年そんなに躍起になって新モデルもどきを作らなくたって良いのにねえ、というのが基本なんですが。

 ただ、ロックバイクスの彼らのやらかすことは、FUJIの時代から、毎回期待できるもの・・・というか、結構ドキドキするものが多かったんだよね。

 やりやがったな!というものもあって、してやったりの笑顔なんかが、良かったりね。

 それがそっくりそのまんま、ロックバイクスの展開になっています、人物が同じなんであたりまえか、と思えますが、でも、毎年隠し球を作り続けるというのは、決して容易なことでは無いはずです。

 で、今年もやってくれています。

 この梅干し色のレーサー。異形だねえ・・・。

 ロックバイクスのイメージは当初、ストリートをねらっていると感じられますが、実は・・・、という感触があったんですね。ですから先日、こんなものを作ったわけなんです。

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 これ!ちょっくら黒でワルをイメージしているかのようでしたが、イヤ、コイツは隠れTTバイクだ!という勘が働いたんですね。

 で、設計者の弁、ジオメトリーはほぼTTそのものです・・・と。

 そう、そうなんですね。ロックバイクスは見た目やイメージはストリート系で、一見チャラけているようなんですが、その実えらくレーシーなんですね。

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 このだるまヘッド。下ワンがデカイ!これは下りのブレーキングなりを意識しているんでしょう。安心して突っ込みなさい!とヘッドチューブは語っています。

 フォークも頑丈!溶接も隙がありません。あ、これアルミです!

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 チェーンステーのパイプ形状も凝っています。

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 シートステーの溶接もぬかりない・・・。と、チョット気づきませんか?この自転車・・・。

 そう、リアブレーキがない・・・んです!だから異形なんです。

 な、わけない。

 ここにありました。

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 車体を裏返すと、ここにこぢんまりしていました。ここをメジャーメーカーのブレーキが付けば、全く問題はない。これは早速実験しないとね。

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 コンポはスラムが付いています。このコンポについては、まだ不明ですが・・・。

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 ハブ・・・、こういうところに抜かりはない、よーく回転してくれます。金のかけどころが分かっている!

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 この梅干し君、正真正銘の仕掛けるレーサーです。街道だけではもったいない代物ですね。

 こいつをどうレース会場に置くか・・・?これが課題であります。

 今一人、明大トライアスロン部に刺客あり・・・。コイツにフレーム提供して、マジ踏みさせる・・・。

 素人の草レースには、金属フレーム!というのが持論の店主。落車したときカーボンではきついよね。ですから知悉している金属フレームに金属ホイールをおすすめしますが。

 特に、学生諸君はもう金属です!レースは競りと落車がつきものですからね。

 ウン、まずは学生諸君から、レースへともっていきますか?これもロックバイクスの方々とミーティングですね。

 年明け、早速行動開始かな?

 先日行った、富山県の高岡市でロックバイクスのロケットを見ました。オオ、ここまで来たか・・・と。

 その次は、レース会場でロックバイクスを目撃!と行きましょう!

業務提携 柳サイクルさん 火入れ開始!



 実は、こいつら、非常に使いにくいフォークなんです。700c用なんですが、まず重い。クリアランスが大きいので、相当のロングリーチのものでないと、キャリパーブレーキがつきません。

 では、カンチ、Vブレーキ・・・と思いきや、肝心な台座がない・・・。

 コレはあるフレームにいらないのについていくるヤツで、こいつを外して別フォークを付けて、使うので、そのフレームをつかえば使うほど、こいつらがたまっていくという状況が続いているんですね。

 捨てるのも何だし・・・、どうにか使えないかなあ・・・。というとき、ある提携を思いついたんですね。

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 オオ!しっかり台座が付いている!しかも左は700C、右は26インチ用だ!

 これがあると、例えばサスペンションを外して、リジットフォークにしたい!というたまにあるご要望に応えることができます!

 メッキ系の同じ水準のものを購入すると15000円くらいしますので、いい循環です。

 当狸サイクルは、メカニック系ですので、こうしてフレーム・フォークに直接加工することは、ほとんどできませんでしたが、この度フレームビルダーでもあられる、柳サイクルさんと業務提携の契約が結ばれましたので、晴れて、ビルダーマターの領域まで漕ぎ出すことができるようになりました!

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 こちらが柳サイクルの店主、飯泉さんです。

 190センチもある長身の店主さん。今は、週に五日都内の某Yサイクルで働きつつ、それ以外の二日で、柳サイクルを営んでおられます。

 といっても実店舗と言うよりも、共同工房にての出発です。ビルダーとしては駆け出し・・・とはいえ、来年行われる例のあの・・・老舗ビルダー展示会に呼ばれている・・・、ということなので、その腕はもう相当のものといえるのではないでしょうか?

 話をしていても、フレーム内容については、店主も学ぶこと多いです。

 この度、フレーム製作から、台座取り付け、ダボ付け、その他溶接等を伴うビルダーワークについての提携ができたので、当店の仕事の幅もお陰様で、広がっていく・・・という運びになってきました。

 来年の初めにその大きな展示会がありますので、それに集中するそうですが、以後はサンプルを含めて、柳サイクルさんの作品が当店にも展示される予定がありますので、皆様も楽しみにしていただきたい!と思うわけであります。

 で、さっそく提携仕事と行きましょう!
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 このなんて事ない、鉄フレームですが、こいつを加工していくんです。

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 凝り性なご依頼で、詳細なる意味は分かりませんが、ここを135ミリエンドに変えるということ。

 実用車のハイテンものでしたら、腕でエイ!と開けばそれで済みますが、クロモリのこの手のものでそれはかわいそうです。

 5ミリですから、両サイド2.5ミリ開けばその手のハブがはいる可能性はありますが、常にフレームにストレスが掛かっている状態は良くないので、ここはビルダーさんにお願い!ということで柳サイクルさんにお助け依頼ということです。

 今までなら、フレームをいじらずに、ハブ調整でこの手の問題をかいくぐってきた当店ですが、それとはまた別の展開が可能になったというわけです。

 なんか嬉しいですねえ、自転車にまつわる領域がドドーッと広がった感じです。潜在的可能性はデカイでしょう!

 そう、この柳サイクルの店主さん、飯泉さんのように、デカイです!
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 よろしく!

給気-排気=加圧 これが理想なんだが・・・



 旧店舗で、全く最初のころの話なんですが、塗装ブースを作る際、とにかく塗料ミスト系の排気にばかり気を使って、計画していたんですが、むしろ逆だということを、言われたんですね。

 一つの部屋から、換気扇だけで排気ばかりを行うと、当然その部屋の気圧が低くなります、低気圧ですからブース内に雨が降ります・・・、ではなくて、圧が下がると今度はその気圧を一気圧に保とうとする力が働いて、外からブースの隙間を通して、ブース内に空気が進入してこようとします。

 この時に埃やその他を伴って入っていくるということが起きます。言うまでもなく、塗装にとって埃は大敵です。

 でも、排気をしないとなると、ブース内にはイソシアネートなどの有害化学物質で満たされてしまい、大変なことになります、作業どころではありません。

 ではどうするか?

 排気ではないということなんです、むしろ給気をしてやれということ、言い換えるとブース内を加圧してやれということらしいんです。

 給気をすることで、わかりやすくいえば、風船をふくらました状態になります。そうなると、大敵である埃類は、内部に一切進入できなくなります。そりゃそうです、加圧された空気は、今度は圧を下げようと外に向かってふくらんでいくので、内部に空気は入っていけません。

 となると・・・、でも排気の方はどうすんの?となりますね。

 風船ですと割れてしまうので適切な例にはなりませんが、割れない風船を考えてみてください。ふくらましている風船に、小さい穴を開けるとしましょう。

 そうすると割れない風船ですから、そこから空気が飛び出していきますね。

 その際、給気量よりも多く排気がされるような大きな穴であれば、すぐにその風船は縮んでしまいますが、逆に給気に比べて、排気量が少なければその風船はその大きさを保ちながら、常に排気もできる・・・という一挙両得!という状態を保つことができるというわけなんです。

 なーるほど・・・、言われてみればそうです。以来、いろんな塗装ブースを調べていくと、こちらが工業系では圧倒的に主流であることに、後から気づいていったというわけです。

 なるほど、まずは要は給気!そして次にそれを下回る量での排気!これだ!と、その前に、そのブースには機密性が保たれねばならない、ということを大前提としますが。

 そういうことで、ベニアと柱だけの箱を作って。機密性を高めるために板と板の隙間にこーキング剤を流し込んで、ブーストこさえたんであります。それが今から約3ヶ月前。

 そして、冒頭の写真であります、大型給気扇を設置。これが逆にすると大型排気扇になりますが・・・。

 外からの埃をキャッチするためにフィルターを撒いて、しっかりなわで固定します。

 スイッチを押すと、ものすごい風量の給気が行われます。ベニアでつくられた部屋が、一瞬ですが風船のようにふくらむのが分かります。そして、自分の耳が高気圧でキーンとするのも。

 それから、給気されている間は、ブース内が高圧によって加圧されているので、施錠されていない扉も自力では開けられなくなります。

 この高加圧された空気はどこから抜けるか?というと、ここからであります。

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 このAとCの二つの換気扇から、外へ抜けていく、という当初の設計だったんですが・・・。

 どうも給気量の方が圧倒的で、ミスト系が外に排気されていく量が少なすぎて、すぐにブース内は濃霧注意報が発せられてしまいます。

 それと、排気以外の出口を求めて、ミスト系が入り口の戸の隙間などから、磨き部屋の方へ漏れていくようで、塗装の最中大森研魔の仕事はストップする、というようなことが、続いていたんですねえ。

 もっと排気を増やさないと・・・。とはいえ、これ増やしすぎると、今度は風船がしぼんでしまうので・・・、結構この計算が面倒なんですね。

 住宅地なので、どうしてもダクト処理をしたい・・・。排気するところを最も影響の少ないところに限定したい・・・。単にブースのベニアに穴を開けて排気量を増やせばいいという問題ではない・・・。

 といっても、限られた閉鎖的な場所に設置したので、新たな換気扇を付けるには・・・場所がない・・・。

 一から作るのも面倒なり・・・。

 ある日、ブース内外を出たり入ったりしながら、眺めていたんですが・・・、一つひらめきましたな。

 現行品を利用して、排気量を増やす方式です。

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 これはブースの裏から見たところです。これは施工後なので、既に整ってしまっていますが、当初は、Aから出ていたダクトが、Bのダクトへと直に繋がっていたんです。

 つまり先のAのダクトからの排気が、一端Cのところに入って、AとCが一本のダクトに合流させられて、外へ排気されていたということなんです。

 冒頭の大型給気からの空気が、二つの排気口があるにもかかわらず、結局は10パイダクト一本から排気されていたわけで、それはもう排気少なすぎで、ブース内にミストもたまるわけだわな・・・。

 気づいてみれば、簡単なことなんですが、日々の仕事にかまけていると、こんなことに気づくにも時間がかかってしまう。

 そこで、Aの排気はA一本の10パイから排気へ。Cの排気は従来のCの排気に加えて、助っ人Bを伴って合計20パイから排気ということで、単純計算30パイの排気量へと改善していったというわけなんです。

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 かつては一本だったダクトが、今や仰々しくも三本になりました。

 実験結果。まずは大型給気扇を回して、タバコに火を付けて、煙の動きを見ると、みるみるAとCより排気されていきます。

 だからといって圧が下がりすぎているか?というとちょっとやそっとの力では、扉は開きません!

 そして次は、空シンナーをカップ一杯分吹いてみる。塗料とは違いますが、こもる気配なし。

 大森社長の弁によりますが、これで今後塗装時に営業妨害されなくなりました・・・ということです。

 限られた場所で、塗装を・・・とお考えの方もあるかと思いますが、当方塗装ブース設計の専門家ではありませんので、その辺だいぶ差し引かれてもなお、使えそうな情報でありましたら、ご参考の一端にもしていただければ、幸いかと存じます。

 これでより労働環境が良くなってくれれば・・・、希望持ちつつ、塗装作業やって参ります!

 日々進化、まだまだ、店舗内改良の余地あり、です!

中学生現る!なにすんの?



 相当乗り込まれた自転車を立川から、持ち込んでなにやらしたいという中学生が、迷い込んできた。

 まあ、ウロウロしているくらいなら、別にいてもよいもので、元々当店はそういうお客さんともなんともつかない方が、ウロウロしやすい店のようですので、いいんですが。

 話を聞くと、どうも学校の課題の一環、らしいですね。

 2月に提出するレポートに、自転車イジリを選択して、当店で何やら、やっていきたいという。

 そういう方も、今までは結構いたので、これまた違和感なし。

 勝手にどうぞ、当店の得意はほったらかし。ただし、工具使用に関しては、店関連の者の指導の下行うこと。以上くらいかな?

 中学生とはいえ、数ヶ月を跨いだレポート製作なんて、それは中々大変でしょうな。

 もう、何度か書いてきたかも知れませんが、店主の前職の一つに、ものの読み書き指導というのがありまして、今は全くしておりませんが、そんな経験も一つは役立つかな?なんて思ったりもして。

 で、やはり、ただのウロつきだけではなく、何らかの課題を与えること、記録をきちんと取ることなんかを織りこんでいこうか?と思っています。

 早速・・・。こういう技術系の文章となると、まずは専門用語を覚えないとダメ。ただしそれをただ多用しているだけでは、読む先生をはじめとして、ほとんどの人には伝わらない。ヘタすれば、書いている本人も分かっていない可能性もあり。せいぜい伝わって、なんかやってんだろうなあ・・・という印象のみ。

 それと、作業の流れを文字で、正確に記録していくのは、これは至難の業です。

 例えば、電話であっても、「どうすればいいの?」なんていう質問に答えるのは、この店主でさえ非常に大変です。ましてや、それをメールでやるなんて・・・。もう、実車持ち込んでください!となりますわ、店主でも。

 マニュアルを作るのではないので、それは必要ないでしょう。

 となると、写真が重要になるなあ・・・という結論。

 ただこれも、作業に夢中になると、ツイ忘れてしまうポイント。大体手が汚れているのに、一々カメラをいじるのは面倒です。

 でもコレやらないと、作業の過程が分からなくなる・・・ということで、写真とその説明文ぐらいは、しっかりメモとして残して、おくように言っておきました。・・・かつての教員気質が戻ってきている・・・。

 まあ、その他数ヶ月にわたるレポートですから、ただ作業の過程を記しただけでは薄い。それらが一体どういう意味として、自分、または時代や社会に立ち現れてくるか?そういうところまで、筆が進んでいけば、できすぎかしら?

 さて、作業日の第一日。課題はコレ!

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 六角レンチという、一般工具で、どこまで自力解体できるか?まあ、ドライバーやその他のレンチぐらいは使用可、ということで、ハイ始め!

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 工具の使い方、ネジ類をなめないことが大事。そのために、六角レンチも、ドライバーもしっかりネジ類に押しつけて、決して浅いところで回さないように・・・という注意。

 いいながら、けだしその通り!と自分でも思う。たまには、人に教えるというのもいいもので、よい自覚になりますね。

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 たまにこういう邪魔も入りますが、それもうまく捌きつつ、まあ、結構順調にいったわけであります。

 途中大森先生も現れて、静かにご指導。

 結構一般工具でばらせるねえ・・・。

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 ここまでできました!クランク周りが残っているのが、象徴的ですね。この辺は特殊工具の出番ですから。

 これは次回に回しましょう。

 そして、次回の課題は、すべてパーツを外した後、それを今度は灯油の中でしっかり洗ってやる。きれいに磨くことで、よーく各パーツ類を観察せよ!ということ。

 それが済んだら、消耗品は取り替えて、再度パーツ類をもとに組み付けてやる。調子が良くなった自転車で、一端立川に戻る・・・。

 その次は・・・。結構指導する方も気合いが入ってきますねえ。

 2月の締め切りまで、なんとか仕掛けていかねばネ。でも、基本、ほったらかし、放置で行くので、しっかりやってくれ!

 ということで、この顔見たら、あの立川の中学生!ということで、励まし半分で、からかってやってください。

 名前は良太郎!次回からは、即、ヨ!杉良太郎?流し目やれー!なんて言葉が飛び交うだろうなあ・・・。

最もむずかしい仕事・・・かもしれない 音鳴り



 手間が掛かる仕事が、むずかしいか?というと必ずしもそうとは言えない、でしょうな。

 時間は掛かるし、面倒も掛かる。でも、逆に言えば時間と面倒を掛けてやれば、できるということで、それがイコールむずかしいとは、必ずしもならない。

 自転車屋の仕事の中で、ある意味最もむずかしい仕事に分類されるのは・・・、多分音鳴り解消、なのではないか?なんて思うんです。

 コレ同業者で、読まれている方は、全くそう!そうそうその通り!と思われた方もいるかと思います。

 それも車体が単純であれば、あるほど、この解消はむずかしい。

 後輪とクランクを一本のチェーンで結んだだけの、ド単純なピストなんかで音鳴りが出ると、なんかもうお手上げ!という気持ちになるときがあります。

 まずどこから音が鳴りますか?なんて、あまり聞いてはいけませんね。というのも利用者さん自体が、その音の発生源を把握されていないことが、多いからです。

 例えばクランク周りから、音がします・・・。

 でもこれって、修正する方のこちらも乗ってみて、確かにその当たりから音はするんですが、確実にクランク周りかというと・・・?ということもあるくらいなので、いじっているこちらが分からないのに、利用者さんが正確に分かるわけではない・・・と思ってもいいでしょう。

 むしろ、利用者さんの勘違いに引きずられないようにしないといけない、これが鉄則だと思うんです。

 以前ありました、シャレものピスト系の音鳴り。これが本当に分からない、すべてBB外して、クランク外して、ペダルまで外して、点検しては再度しっかり締めコミしながら、組み付けして・・・イザ乗るとなると、テストコースの半周もしないうちに、コツ・・・コツ・・・と。

 もう自転車放り出したくなりますわ。

 で、どうも踏み込む力に周期的に出てくる・・・、やはりクランクか?

 で、まあ、企業秘密を教えますと、音鳴りには、徹底した締めつけ見直しと、愚直なまでのグリス入れなんですね。

 で、その件のおしゃれピストもBB、クランク、ペダルの内側にまで、しっかりグリスを充填して、再度戻して、イザ試乗・・・。音がする・・・。

 もう調べるところないです!単純な車体の、要所はここだけなんだから!そこをしっかりメンテして音が鳴っているのなんていうのは・・・信じられん!もうやめた!自転車屋廃業だ!

 と頂点に達したとき・・・、踏み込みに力が入るのは、クランク周りだけか?と自転車の神様からのお告げが・・・。

 一つ点検忘れておった、それはピラー周り・・・。踏み込むエンジンである人体を支えるサドル。エンジンからの入力がある事に、影響受けてもおかしくはない・・・、なるほど・・・。

 ピラーとサドルの接点と、ピラーとシートチューブの接点・・・。ここに再度グリスをしっかり充填して、試乗してみると・・・。音鳴りがピタリととまった・・・。

 ここかよ・・・。

 フレームで音は伝導されますので、音鳴りの箇所を特定するのは、しかも乗りながら特定するのはむずかしい、となれば、片っ端からのグリス充填以外にはない・・・、これが音鳴り対策として、当店が勝ち取った一つの成果なのでした・・・。

 そして今回も、一台来ました。

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 当店発の、改造ママチャリ系、これも単純な車体・・・、ハンドル周りからという利用者の指摘は、チト無視して、まずは複数で乗ってみる。

 どう?どこから音が?・・・車体全体から・・・。まあ、随分と乗ってもらっている自転車なので、そろそろこんなもんかな?という具合で、締め込み点検グリス充填、原則に従っていきます。

 クランク周り充填完了!試乗!音鳴りあーり!では次は・・・

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 ハンドル・ステム・ヘッドパーツ、今回この辺があやしいので、重点的にグリス充填!完了!試乗!音鳴りあーり!何だよ、ハンドル周りじゃない・・・、でも、まあそんなことは織り込み済み、次の充填へ。

 こんなことを繰り返し、当店周りのテストコースを何周か試乗する。もちろん試乗する毎に、点検箇所は減っていく。音鳴りは多少の減少はあれど、確実に解消されていない・・・、焦りが濃くなっていく。

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 ペダル周りやってなかったなあ・・・、これも充填、完了、試乗、音鳴り続く・・・。

 そうだ!まだあった。かつていじめられたピラー周りだ!ただ周期的な音鳴りではないところが気に掛かる。

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 シートチューブ内と、サドルとピラーの接触面にも、充填、完了、試乗、ありゃりゃ・・・やっぱり、まだ音鳴りが・・・。

 こうなってくると、最後の言い訳として・・・、完全言い訳ではなくて、一つの仮説として思い当たるのが、ここ。

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 アルミフレーム自体の劣化の問題・・・。これもかつてありました。どうやっても音がとまらない、半分やけくそで、コンポ類をすべて外して、別フレームに載せたら、音がとまる。アルミフレーム自身の劣化ではないか?と載せ替えにて解消したことがありました。

 もしかして今回も?ちょっくら絶望的な雰囲気の中・・・ふと、アレ?ホイールの点検は?

 車体本体にばかり目が向いていたんですが、そういえば、ホイールは・・・手つかずだった。

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 こちらと・・・。

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 これでダメなら、やるだけのことはやったということで、利用者さんにも申し訳が立つかな?ということでやってみたら・・・。

 とまりました・・・。原因中の原因は、前ハブだったようです・・・。ハブからの音鳴りもフォークを伝わって車体の前周りに響いていた。なるほどハンドル周りから音がする・・・というのは、そこから来るものであったということで、解消。

 タダ、この音鳴りだけではなくて、各所にグリス充填と締め込み点検したということで、全体がほんのりとして、乗りやすくなったように感じましたね。

 人間に例えたら、マッサージをよーくした後のように、鬱血した箇所が無くなって、体全体が軽くなってポカポカしているように・・・、たまのこうした点検というのも、自転車を長く乗って行くには必要なんだ、と改めて、改めて、思った次第。

 まあ、当狸サイクルもお陰様で開業してして十数年!なんて事にあぐらかいているよりも、モノの持っている論理にたまには振り回されることで、自らの原点を再確認していく、実はこういう仕事、地味ではあるが、非常に大切な仕事なんじゃないか?と改めて、再確認した次第。

 なるほど、四十五十はハナタレ小僧・・・とはよく言ったものです。ズズー・・・。

抜け落ちもの・・・



 今年は4月の終わりに、多くの皆さんの力をお借りして、引っ越しなるものを敢行することができました。

 その際には、ものの分類、特にいるものいらないものの分類なんかはけっこうすることになります。

 普段はほとんど手を付けないエリアなんかも、ひっくり返してみたりすると、意外なものが出てきたりします。

 そうなると、なんだろう?なにに由来のものだろう?なんて事になります。

 他の方々を呼んで、色々思い出してみると、大抵は思い出しますが、中には、わかんない、一体君はどこから来たんだ?なんていうものもあるんですね。

 そこまで行かなくとも、忘れられた車体なんていうのもあって、依頼者も当初、全然急いでいませんから・・・、とか、逆に今できて持ってこられても置く場所がないんで、暫く後にお願いします!なんていってから、依頼者も当方もどちらも手つかずで、忘れられ、放置されるものもポツンと出てきたりします。

 こいつがまさにそれでした。実は、昨年の5月には仕上がっていたのが、連絡の行き違い等、色々重なって、ようやく、そろそろお渡しできる、という段取りまで来たわけです。

 といっても、まだ具体的な曜日が決まっていないことなんかを考えると、これまた数ヶ月・・・なんて事にならないように、しないとなあ。

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 各所チョットばかり渋いパーツなんかも使われていますが、今子育てに忙しい中で、ゆっくり自転車に乗る時間が取れない・・・ということも重なってかな?

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 ご老体とはいえ、まだまだ使えるパーツ類を活かして、あとは消耗品などを中心に取り替えていくと、何のことはない、自転車はスッカリといっていいほど生き返る。

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 タイヤなんかが消耗品の典型ですが、後いつものワイヤー・チェーン類もお馴染み様ですね。

 実は、メンテ済んでから、時間が経っているので、再度メンテしたりして・・・、もう3度目くらいかな?これで最後にしないとね。

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 結構古い自転車のキモになるのが、ヘッド周り。大体ゆるい場合が多いです。ガタをそのまま乗っていると、前ブレーキかけてもすぐには効かず、パーツの内部に傷が付いて、ハンドル周りが良くなくなります。

 といっても乗れないことがないので、そのまんまにされている場合がほとんど。その内、こんなもんでしょう、となるんだろうなあ。

 それと逆なのが、締め込みすぎ状態。ヘッドの調整ベストは、車体を立ててサドルだけもって、自転車を左右に小刻みに揺らしたとき、その揺れに必ずステムハンドルが反応するように、セッティングするのが店主らの目標なんですわ。

 でないと、一瞬の手放しなどができなくなります。一般の方には問題ありませんが、レース中などは、ウィンドブレーカーを脱いだり着たり、補給食を背中に入れたり取り出したりと、意外と両手を話す機会が多いんです。

 基本自転車は腰で乗るもので、腰の移動が車体の動向を決めるといっても良いわけで、その本質は腰乗りだと思うわけです。

 手は添え物といいますが、まさにそうで、初心者の方は腕の力で自転車を操縦しますが、慣れてくれば、その比率は下がってきます、腕よりもその奧で体感を支えて、最も大きな力を瞬時に車体に伝えられる腰、これが基本なんだと思われます。

 この腰の動きに即連動できるようにヘッドを調整する、というのが基本中の基本!

 てなわけで長くなりましたが、ヘッド調整、グリスアップなんかを念入りにしてやると、今までガタが来ていた自転車を乗っていた人も、チョット驚くということなんですね。

 ハンドルの周りはゆるくスルスル動きながらもガタがない、これです。

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 あとは、一番力の掛かるここですね、BB、ボトムブラケット。

 ここも古い自転車の十中八九に問題があって、大抵がガタです。またはシールド系のベアリングだと音鳴りですね。

 毎日、普通に気に掛けることなく乗っていると、クランクのガタなんかも見逃してしまう、なんて事が大半でしょう。

 これも直すと、オオ!とばかり大抵は驚くんですね。かなりの力を受けてそれを動力に変えていくところですから、そこにガタがあるということは力のロス、以外の何者でもありませんから。

 そんなことはやっては、まあ、しっかり乗れるようにして・・・、これで放っておくと一年半なんてアッて間に過ぎてしまうので、今回だけは!できたヨー!取りに来てー!子供で動けなかったら、お届けに上がります!

 と、即連絡しないとなあ・・・。

 といっても、記載した手帳が・・・。そういえば先日奥さんが来ていたなあ・・・。

 フェイスブックの友達にいた!

 まあ、そんなこんなで、連絡不行き届きがちな店主なのであります。

 そう、ここ数週間、前に一回メールしたんですが・・・というご指摘がポツポツ出てきています。

 探してみると、迷惑メールとして直にゴミ箱にいっていたケースもあったり、見つからないものもあったりで、ちょいと不思議なんですが・・・。

 先日なんぞは、IPアドレスの競合があります・・・とかいう警告も来たし・・・。

 ちょいと一体どこで何が起きているのかが、分かりかねますが、念のために、もし返事が遅いとか、再送される場合には、to.ke@wcm.ne.jp の方にも、送信していただけますよう、お願いいたします。

 お手数おかけしますが、原因が分からない内は、これにて対応させていただきます!

 さてと、連絡!連絡!

パッソーニ 改め パッソー似!



 鉄フレームの次に来る、工芸系自転車といえば、チタンか?というひらめきは、あの高いが名車である、パッソーニから得られましたねえ。

 カタログがすごいんだよ。最近のものはトーンが落ちたように思いますが、その前のものは、中々でした。

 アレ見たら、大森研魔の社長の磨き、つまりギジチタンと、キャンディーとの組み合わせて、パッソー似ぐらいはできるんじゃないか?と前からちょっとやってみたかった、それが実現した感じです。

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 相も変わらず、大森社長の磨きの腕は輝いています。

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 一定方向に、ヘアラインを入れることで、鏡面とは違うチタン風味を出す、かなかな手間が掛かっています。

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 コレとキャンディーグリーンとの塗り分けです。今回はラグは無視しました。

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 シートステーは、表だけ技と薄目にかけてチョットだけコントラストを出しています。

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 ホイールは前後とも、手組。ディープ系にしたのは工芸の中にも走る気をたぎらせる、というコンセプトの下でやっています。

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 リアも30ミリのディープです。先日のビアンキではありませんが、クラシカルとレーシーの組み合わせという、チョットしたアンバランス、いいですねえ。又やりたいことが増えました。

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 コンポはオットット!という感じ。

 これには事情ありです。元々ストラトスに乗っておられたのが、グアム島ツーリングで、ヒドイコケ方をして、ケガと車体をダメにした。

 ケガも治り・・・、自転車にと思っても、廃車。コンポは使える、ではどうしようか?という中でのこの展開だったわけです。

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 一つ古めのソラコンポ、もちろん使えますが・・・。

 ゆくゆくは、フレームグレードに合わせた、例えばカンパベローチェなんかが付くと、いいかなあ・・・などと思います。

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 体も回復してまずは乗ることですね。

 パッソー似。あとできて二台かなあ・・・?オリジナル鉄フレーム・・・なんとかしたいですね!

オフシーズンのホイールといえば・・・楕円したり光ったり



 この2、3日は、急に冷え込んでいるようで、12月上旬並というニュースが流れています。

 暑いなら暑いで、寒いなら寒いで、雨なら雨で一々よく騒ぎますなあ。死者の出るような寒さでもあるまいし。

 ツールド沖縄も終わったようで、そろそろ自転車競技のシーズンオフってとこでしょう。半年以上踏み込んできた皆様、お疲れ様でございます。

 車体には、手厚いメンテを!そして、エンジンである身体には・・・、休息を・・・ではなくて、オフにはオフの乗り方に変えていく、という時期でもありますね。

 秋のサイクリングシーズンにかけて、長距離のんびりライドもいいです・・・。なんてそんな季節でありますが・・・。

 相変わらず、固定、固定とうるさい店主は、こういう時期からオンシーズンまでに、仮に固定ギアで四千キロ踏んだとしたら、それはそれは、もう4月には、エエ?どんなコソ練してたの?って仲間に言われるぐらいの、見違えるペダリングが身に付くんじゃない?と、もう何年も言い続けて、今年もまた言い続けていこうということで。

 持っているロードを一本のホイールだけで固定ギアにできる!しかもギア比を調整できるね!これが大事!何てったってトレーニング導入ですから、ギア比を設定できなければ、それはタダの固定お遊びですから。

 そんなこんなで、ホワイトインダストリーのエキセントリックハブで組んだホイール、限定二本ですが、早い者勝ちヤンス!

 街道固定車を一台購入しなくても、済むので置き場所にも心配はいりません、なんなら仲間に有料の貸し出しなんていう手もあるかも、後輪一本と小ギアやチェーン数本、チョットしたチェーン工具があれば、好きなギア比で自分のロードが固定化できる!

 やらない手はないと思うんだけどねえ・・・。

 ともう一つ。寒い季節というと、すぐに暗くなります!

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 そういうときにはコレ!ハブダイナも付きホイールです。これは実用車には当たり前に使われていますが、まだまだスポーツ車には普及しているとは言い難いです。

 もったいないよ!

 まず、かつてのリムに直づけのダイナモに比べると、ほとんど抵抗を感じません。

 そして、何よりも明るい!街道に設置されている鏡に反射すると、一瞬向こうから車が来たかと錯覚するほどの明るさです。

 しかもダイナモなんで、電池いらず。LEDのみ。非常に経済的なんであります。

 休みの日に、ちょっと郊外に練習に行ったら、帰りが真っ暗になって、点滅ライトだけでは心細くなる、そういうときにも最適です。

 センサーが勝手に暗さを判断して点灯してくれるので、スイッチもいらない。

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 このハブを使って、700cで組めば(写真のは26インチですが)、すべてのロードレーサーの前輪として装着可能になります。

 しかも複数台持っている方にも朗報です。一々台座ごとライトを移さなくても、前輪交換だけで、手持ちの700cの車体に装着可能です。

 通勤の方なんかには、場所によっては必需なんじゃないかな?

 とまあ、冬には冬のホイールということで、珍しく商品紹介の展開になってしまった。

 普段は、心に浮かぶヨシナシ事交えてが多いんですが、たまには一般のブログのように商品紹介にとどめましょうか?

 その分、明日は・・・ちょいと気合い入れます!パッソーニ!

その名はロックバイクス! こういう展開ってあり?だよね!



 若くして仕掛け屋といっていいでしょうな、シマノのいろんな規定をくぐっては、台湾の工場を動かしての独創自転車のおもちゃ箱、その名はロックバイクスであります。

 ヤンチャ色あり、かなり頑固ながら、押さえるとこは押さえている、やることはやっているので文句は言わせない、というこの先楽しみな仕掛け屋さん達でもあります。

 大々的にドカーン!と行きたいと考えつつも、当店周りはどうしても改造色が強く、中々完成車が出て行きづらい中、どうにかこいつをいじって、高機能化して驚かしてやりたいと・・・と思って約1年経っていたわけですねえ。

 渡りに舟的な、ご依頼もあって、かなりの程度の高機能化に成功しました!

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 ジャブですが、105に基本変更。これ基本です。

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 エアロバーの先にバーコン十速です。ちなみにデュラエース!

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 ロング系トライアスロン車として、もうライダーさんのセッティングそのままで、取り付け。

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 ブルホーンバーに、エアロブレーキ。結構作りが凝っていますね。

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 前ハンドルの全貌です。ロングトライアスロンは、どうもバイクでいかに効率よく休みながらタイムを稼ぐか?というところがキモのように思います。ゴールで倒れ込んでいいロードのタイムトライアルとは違って、その後フルマラソンがあるロングトライアスロンとは全く別の競技と考えていいでしょう。

 その違いがポジションにモロに出てきます。

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 クランクが凝っていますねえ・・・。ローター社の多分細かいトルクなどが計測記録されるタイプのものなんでしょう、値段など知るよしもなし・・・。ロックバイクス、ここまで来ましたよ!

 もっとその先行きましょう!

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 前輪は、38ミリハイトのカーボンリムを使用!手組カーボンホイールです。軽い、よく回る!

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 後輪も50ミリハイトのカーボンリムです。前後ともに、カーボンホイールを組み込んだ、れっきとした戦闘機になったわけであります。ロングトライアスロンの戦闘機に。

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 どうだ!最初からねらっていたとおり、コイツの本領は、このレベルにあるんじゃないか?全く違和感ないでしょ?このためにある車体に見えてきません?

 高くて軽いだけが競技自転車じゃあない!多分、競技会場で本領発揮されたら、何かが証明されるでしょう、サーベロやクオータなんかの並み居る炭フレームをぶっちぎって、ランに突入だ!

 ちなみにタイヤは、チューブラー仕様、リムセメント接着。これには意味あり!競技途中のパンク修理対応を見込んでの仕様であります。その意味は・・・、直接ご伝授いたします!

 ロックバイクス、軽量バージョンもあるとか・・・、徐々にではあるが、こちらもこちら流で仕掛けていこうかと思います!!!

響き床 炸裂準備!



 当店の二階、イベントスペース・・・というほどではありませんが、まあ、やろうと思えばほぼなんでもできそうな場所、響き床なのであります。

 ここでの撮影も、コツコツと行われていましてね。背景の布の種類も随分増えて、カメラの性能も上がって、カメラマンの技術も、照明の質も上がってきて、けっこう良いところにまで来ていますよ。

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 プロや先生クラスのダンサーなら、自ら動いて、見せるポーズを取ることなどはお手の物なんですが、修行途上だったりするダンサーさんになると、カメラの前でどうしていいか分からない・・・・、ありがちな話です。

 環境が整って、機材が整って、技術が整ったとしても、いい写真が撮れるとは限らない、うまい写真にはなりますが、被写体のダンサーさんの表情が暗かったり、いかにも撮られています、という姿だったり、ポーズが同じようなものだったりしたんでは、枠は良くても中身は残念ということになりかねませんね。

 そういう方のために、ダンサーの生徒をもつ当店のママ狸ん担当のカカが、フリやポーズ、乗せ、小物などの指導なんかをしながら、内容を豊かに、総合的にいい写真を撮っていけるようにしたりしています。

 ウーン、いいポイントだよね。

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 時に美容院にもなったりします・・・。

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 この23日は、各方面からの待望の革のクラフトワークの講座が行われます。事前申請の見学ありです。型紙から起こしていくという、結構気合いの入った講座、当日は三浦先生直々の縫いノ実習が見られます!こうした手仕事系もやっていきたいですね。

 それと、ザシキワラ子による、あるクラフトワーク講座もやっていくよ!
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 何だ?この型は?

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 ステンシル・・・、細かい技であります。こういうのがある型になるんですね。

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 オオ!もう切り絵の域に行っています。これを型に染め物講座ということです。

 もちろん型切りから始めて、まずは自家製手ぬぐいでも作りますか?型ができたら、同じもの刷れますので、チームの手ぬぐい、チョットしたイベント記念の手ぬぐいなどを、十数枚作るにも良いでしょ?

 その内、Tシャツとか、バンダナとか、いろんなものにもできまるようになりますね。

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 ザッツ!ザシキワラ子こと、染め物師のヒロミ先生です。

 ボチボチ、希望者募集!

 撮影、革クラフト、染めクラフト、その内、読書会なんかもやっていきます。

 徐々に響き床、響かしていこうと思います!

何とかかんとか、再塗装開始・・・



 まだ本調子ではないんですが、いくつか気をつければ仕事もできないこともない、そういう状態にまでスプレーガンを持って行くことができました。

 ただ、なんで調子が戻ってきたのか?それが分からないのが、まだ不安なところ。

 なんだろうなあ・・・?

 とまあ、なんとか、持ち直して再塗装など、再開ということで。

 この車体をオリーブ色に、というご指定。

 オリーブというと、チョット軍事色で?というと、それじゃあないんですと・・・。

 ウーン、今までそちら系は何度か有りましたが、軍事色とは異なるオリーブとなると・・・。

 メタリックでお願いします、艶ありで。そうなると、多少イメージつかめたかな?という感じ。

 しゃれたオリーブ・・・ね。

 ところがイザ調色となると、これが悩む・・・。一度町中自転車のサンプル色を見せてもらいましたが、なんとも軍事とは違うオリーブ色が出てこない。

 メタリックシルバーと、黄色と、濃いブルーを出して、あとはくすみには・・・と。ただくすみすぎると軍事になるので、どうやってオリーブの色を出していくか?

 調色のヘラがとまりました。ダメだ、これはまた、イメージのサンプル色を示してもらわないと・・・。

 そこで、依頼主の方に再度連絡を取って、色見本をいただいて、それをスマホに移して、調色カップの隣に置いて陽光下で、コショコショと。

 そこでできた色には自信がありましてね、オレって調色の天才?なんて思ってみたんですが、吹いて、釜から出して、室内電灯の下で見ると・・・これってただのくすんだ金じゃない・・・と。

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 と思いつつも、翌日また陽光下で確認ということで、試してみると。この写真ではくすんだ金にしか見えませんが、確かに前日に調色した色が出ているんです。

 ポキさん始め数人を呼んで、確認してもらいましたが、そう間違いでもない・・・という結論に。

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 そこで、フレームの状態で、一度ご依頼主をお呼びして、陽光下で確認していただこうと、そういう段取りに。

 事前に写真を送った中では、少し薄い・・・というご感想でしたが、実車をご覧になると、イメージ通り!というお墨付きをいただきました。

 イヤー、こうしたスタンダードとは言い難い色、中間色系の色はむずかしいです。洋服屋のセガレということで店主も、思わず色の仮縫い、の様なことをしてしまったわけです。

 完全に組み付けた後に再塗装するよりも、ご依頼主さんにはご足労おかけしますが、まだこの方が良いかな?という判断でした。

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 再組み付けの際には、二カ所エイドブレーキをギドネットにして欲しいということと、

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 ヘッド周りを銀にして欲しいというご要望を織りこんでおきました。

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 あとはほぼ戻しで、再塗装何とか完成です。

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 この写真でも、オリーブよりも、金に近く見えますよね。写真と色ってむずかしいです。

 でも、陽光下では、しっかりオリーブ、しかも軍事色なしの淡いオリーブって事になっています。

 イヤー、調色ってむずかしいです。

 ある、仕事の模範になる方の話によると、色決めは午前中にという。これも光りとの関係なんだと思いますね。多少ですが、分かる気がします。

 基本三原色のみで調色しているので、日々勉強ですね。たまに安い水性塗料で試したりしますが、それもやはり太陽の下でやらないと・・・。

 近所の板金屋さんも、晴れないと仕事しない・・・なんて言ってましたね。

 こんなことで分かるのが、我々の見ている色って、本当のところ何色なの?ってことですわ。我々は考えながら見ている。この考えながら、というところにイメージなんていうのもは入り込んで、見る人に一味調色を加えるわけなので、これは大変です。

 でも、即物的な反応をしづらくなっている人間様相手には、このイメージというのがとても大切なんでしょうな。別に言いくるめるために言っているわけではないんですが、実際の色を前にした、イメージの調整というのが、見ている人を横から見ていると、分かるような気がします。

 我々は色をどう捉えているか?こういう時の一環に、あの印象派なんていう流派も埋め込まれてくるんでしょうか?そもそも固定的な色などというものはない、あるのは光りとの関係にある、常に変化する「色」しかない・・・。
 調色というのは、色合わせだけでなく、イメージ合わせも含めての人との調色なんでしょうな、たぶん・・・。

元副店長が・・・ そして 二人であることを超えよ!



 こういう新旧合いまった街の坂を上り詰めましてね。そこにあるのが、宮殿のような建物でありました。

 恵比寿。

 ここは三十年ほど前、吹きさらしの木造駅だったところ。アフリカ行動委員会なんて事務所があって、よく通っていた界隈なんですが、随分とおしゃれな街になりましたよ。

そのころは、右側のような建物だらけだったのになあ。

 なぜ今やおしゃれな街恵比寿などに行ったか?ということですが。

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 このお方。知っておられる方も多いかと思いますし、逆に言えば、知らない方も増えたかな?というお人。

 旧店舗、正確には旧旧店舗から、当店を盛り上げてくれた、副店長の真田氏なのであります。

 今を去る6、7年前か?自分の自転車が盗難にあったということで、当店にふらりと来たのがキッカケであったと思います。

自転車小僧、釣り小僧、という言葉がぴったり合う当時はまだ学生でしたね。

 ヘッド周りの特殊工具をいじらせると「チョー面白い、楽しい」と、嬉々としてやっている。

 その内、週に何度か、ふらりと昼過ぎやってきて、「何かやることありますか?」と、当店の活動を手伝ってくれるようになりました。

 給金払えるほどの店でもないので、店終了後、芝生の庭のような公園で、ビールやポップコーンを一緒に飲んで、お疲れさん会なんて事を1年以上やっていましたね。

 卒業して、その後どうする?なんて時。雇ってもらえないか?なんて話が。

 当時は、相当のプレッシャーだったと思いますが、でも、この子となら1+1は3になるだろうと、晴れて副店長になってもらいましたわ。

 それから一年と半年ぐらい働いてもらいましてね。

 出会い方とか、関わり合いとかではなくて、この人とは、不思議な縁であると、ずーっと思っていたんです。

 それを言い表すのはとても難しく、適切な言葉がずーっと見つからずにいたんですね。

 その彼が、この日、めでたくも・・・

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 結婚されたということだったんです。

 朝からの式。続いての披露宴、朝酒だったわけです。めでたい。

 二次会の方で、乾杯の挨拶に、と幹事さんの方から頼まれていたんで、その不思議な縁についての何らかをどうしても、あぶり出しておきたいと、依頼されてから思っていたんです。

 店主と彼との縁・・・、どう表せばいいんだろう?適切な言葉探しを・・・していました。

 そして、一つ思い立った。これだ、と。

 ただ言葉遣いの問題があるなあ・・・、おめでたい場所には忌み言葉というものがあって、それを使用するにははばかれる、はばかるべきであるという種類の言葉。

 ただ、それがあまりにも適切だ、と思われて、それ以外の言葉が見つからなくなった。

 二次会だし、いいか・・・。

 それは。

 彼は、わが遺言を託せる人物である、ということ。

 ただ、それは具体的な内容ではなくて。

 この場合だったら、きみはどうする?・・・やっぱりそうか、それでいいと思う、後はうまく頼む。と、店主は草葉の陰から、深い信頼の笑みを送る、そういう縁なのだ、と。

 多分、彼には伝わったのではないか?と思う。

 後、結婚について・・・。片方で、「お前は長男だから!」という、お家の制度がんじがらめの結婚観があると、その対極には、自律した男女の合意に基づいて営まれる云々の結婚、それ故に「性格の不一致」なる軽薄な理由でいとも簡単に破談になる結婚観があるようですが・・・。

 仏教者の店主としては、まさに中庸、その間、より前者に近い間がねらい所のような・・・、二人でありながらも、二人を超えることの大切さ、そういう思いを今の政治の危なさとからめて、幹事さんからマキが入りながらも、つがれたビールの泡がきえながらも、結果的には忌み言葉満載の挨拶。

 最後、結婚生活成就のための具体的な作法として、店主も貫徹できず途上でありながらも、一つ。

 それは、「決して怒らぬこと」。これを祝いの言葉ではなく、「遺言」としてね。

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 あとは、新郎新婦も叩けや唄えのあたたかい会になりました。それもそう、友人達による数週間前からの仕込み、これも当店周りで実はやっていたので、いい仲間に囲まれて、いい風が吹いていたねえ。

 若い二人よ、二人であることを越えて、行けるところまで行け!行けるところまで。

チラ診の場合には・・・ 化けるぜ!このお姉ちゃん!



 自転車のお客さんばかりでなく、当店にはいろんな方がいらっしゃいます。

 その中の一人、非常に強力なお姉ちゃんが一人、登場したんですねえー。

 しかも自転車で。

 ありもので友達に組んでもらった、という。ウン、ワシらの時代の自転車のように見えます。

 アチコチチョコチョコ、ガタがありますが、自転車の依頼で来たのではないので、簡単に手は出せませんが・・・。

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 赤さびが均等に出たチェーン、通常なら交換ですが、たっぷりオイルをかけて、汚れを取って、またかけて、しのぎます。

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 この手でよくあるのが、ヘッドパーツのガタ付きです。これも例外ではなく、ガクガクしていました。

 ただヘッドパーツのこの形状どれも対応する工具がありません。古い自転車でこういう事はよくありますが、そういうときこそ観察が大切です。

 よく見るとコイツ・・・手締めものでありました。

 モロランドナーなら、輪行の際、フォーク取り外しがありますから、こういう形式のものもあることは有りますが、ちょいと珍しいですね。

 黒いゴムコーティングの上ワンを手で回して外し、一端フォークを取り出して、各所にグリスを打ち込み、再度調整して締め込んでいきます。

 幸いなことにワンやベアリング自体にダメージがなかったので、元どおりのように、スルスルと動くようになりました。

 ここが決まってくると次に拘りたくなるのがブレーキ。ヘッドのガタがなくなったら、今度はブレーキのガタやタワミが気になってきます。

 アーチをチョットバラして、締め直しと注油を行い、グニャグニャに挟むよう調整していきます。レバーの各所にも注油、これを何度も握りかえして、油をシマしていきます。

 あとはリムの汚れと油分をディグリーザーできれいに拭いてやると、これだけでもブレーキはブレもせずカツン!と効くようになります。

 依頼を受けたものでないので、最低のこんなことでもしておいて上げます。

 他にも、響き床に来るお客さんの自転車をチョットばかり点検したりしてね。ある意味よくこんな状態で、乗っているなあ、という自転車も数多くあります。

 前か後しかブレーキの効かない自転車なんていうのも、結構あったりねえ。

 そういうのから比べると、このセミドロップ車、年代の割には良い方かと思いますな。

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 で、この自転車の持ち主ですが、ひょっとしたら、ひょっとするかも知れない人物ですぜ!

 染め物師をしています。そう、この方にもまた響き床のクラフト講座でも担当していただきましょう。

 例えば、自分で作る、お手製染め手ぬぐい、なんてどう?けっこう良いよねえ。店主自身が参加したいもんね。
 そして、この染め物師は、蝋纈などをやるときの型をくりぬいてやる技術にも長けているわけです。

 ということは、自転車チームの手ぬぐいを数十枚作る、なんていうのにも、非常に良いわけです。

 手ぬぐいができるようになると、Tシャツなんかの染めもいい。その他帽子やバッグ類など、好きな綿のものを持ってきての染めなんかもいいよねえ。とクラフト講座の企画が広がる人物でもあります。

 もちろん、この技術と自転車を絡めるなんて事はもう、画策済み。その内またアッという、自転車なんかができるでしょう・・・。

 それだけでは済まない企画もあるんです!

 今彼女は、染め物一本だけでは当然食べていくのが大変で、アルバイトなんかもしているんですが、スゴイ画期的な企画があるんですよ。

 染め物の型を作るのがうまいということは、端的に切り絵がうまいということでもあるんです。そう、彼女のもう一つの顔が影絵師、というもの。

 影絵で起業することはできないか?できます!影絵だけに、これは夜だ!夜といえば、大人の時間だ!

 店主の頭には、燦然と輝く企画が渦巻いています。

 大人のための紙芝居屋の再興です。しかも大人相手に「ハイ、ビール買った人は前にきてちょーだい、買ってない人は後だよー」って名具合に・・・。

 そして紙芝居屋といえば、自転車です。そう、このセミドロップ車を紙芝居号に変身させるミッション。これで起業しながら、昼間の染め物師と二足のわらじを履く、という戦法です。

 これから、当店でもザシキワラシの風体で出入りする、キモカワ系の女の子がいたら、多分そいつです!

 自転車を使っての起業!ジャンジャカ考えて、サポートしていってやるワイ!

オフ入り 半年間のメンテと オフに向けての再メンテ



 この自転車。トライアスロンセットという、トライアスロン初心者にこの車体と、スイムスーツといくつかを込みにして例えば二十万、とかで売られていたものらしいです。

 当初は・・・、フレームはアルミでそこそこなんですが、フォークがとても重い鉄もので、車重も相当ありましたね。

 それに手元変則ながら、下ハンからシフトアップのできない形状のSTIが付いていて、とても競技に使えるものではありませんでした。下りに入って下ハンからシフティングができないなんて、これはもう競技自転車ではありません。

 そこで、在庫して転がっていたカーボンフォークを取り付け、これで相当の軽量化と、走行性能を上げて、それからパーツ類をアチコチ変えていった、というのが今年のまだ寒い時期だったと思います。

 その時から4月の宮古島出場が決まっていて、これはロングに車体をしなければならないということで、ポジショニングをしつこくやりました。

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 これが宮古島や佐渡島を完走した、ポジションです。

 可動できるところをすべて動かして、固定式ローラー台の上で、何度も試し、戻しを繰り返し。調整レースで課題をもって望み、またそれを試して、戻ってきてはまた点検し・・・・、これをしつこく何度も何度も繰り返して、ポジショニングをする。

 ポジションは作っていくものです、ということを一人でも多くのトライアスリートの皆さんに伝われば・・・という思いはその時から強くなってきましたね。

 そうすると、人柄も合ってか、パーツ類の貸与がかさなります。その都度取り替えては、調整しをやりましたね。

 そして、オフ、借りていたものをお返しする時期が来ました。

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 人が真剣に真摯にものごとに取り組んでいると、手をさしのべてくれる人がいるんですね。デュラのクランクを惜しげもなく、半年貸すんですから。貸す人も貸与される人も人柄がしのばれます。

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 古巣に105が戻ります。お帰りーってなもんです。

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 デュラのブレーキも、磨いて持ち主の下へ帰って行きました。

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 ただいまー!の105です。

 半年間の転戦と、練習をくぐり抜けてきた車体やパーツ類は、やはりくたびれています。

 それぞれを一個ずつ、丁寧に磨いてやって、汚れを落として、注油して。

ワイヤーやチェーン類も交換して、スッキリしてやると、自転車は機嫌良く元通り、働きに戻ってくれますね。

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 本当、風呂上がりのようなものです。

 今は11月、自転車に関する、特にレースに関するイベントはそろそろオフに入ります。半年間の働きに、心からありがとう、とばかりメンテしてやる。そして、またオフに向けての再メンテであります。

 この車体、約この一年ロングトライアスロンに向けて調整されてきました。何度も何度もやり直しては、今の形になってきたんですが・・・。

 ただ、来年もロングをやるか?というと・・・。持ち主の方、フルタイムで働いておられる方。ロングはとにかく練習に時間を取られる、ということが身にしみて分かったようです。

 特に、自分との戦い・・・という段階から、人との勝負、入賞・・・というようなことを考えると、どうしても練習時間が長くなる・・・。

 ウーン、今年一年やって、来年はどうするか?オリンピックディスタンス、ショートトライアスロンに戻ろうか?などとお悩みしきりのようであります。

 そうでしょう・・・、そうなるとまた車体をいじる必要が生じます。同じトライアスロンといっても、ロングとショートでは全く走りが違いますから、それに合わせて変えてやらなければなりませんし、走法ももっとよく覚えて、集団走行の練習も必要になるかと思います。

 でも、楽しい悩みです。ロングにするか?ショートに戻るか?

 結論が出るまで、とりあえずこの車体で、長距離を流すオフトレーニングに入ってください。

 選手がチョットばかしサイクリングを楽しめる、そういう季節に入っていますんで。

 お疲れ様でした!また来年もそれなりの形で!

久々来たぜ!ピストフレーム持ち込み仕事



 もう何年ぶりかな?ってくらい、チョット最近は来なかった、ピストフレーム持ち込みです。

 かつてもは、もうこれ専門、というか仕事の主流でしたね。おかげで、いろんなNJSフレームを見させてもらいましたわ。

 世に言う、ピストブームというヤツですな。

 当狸サイクルが、専業になるキッカケとなった、といってもよかったかも知れません。それまで狸サイクルも兼業でしたんでね。

 あの時は、それまで数千円で買えた、ヤフオクのピストフレームがその時期に高騰して、なんでだろう?と思っていたら、都心ではピストが流行っている?

 どういうこと?暫く事情がつかめませんでしたね。

 その当時は今の店舗からすると、二店舗前で、団地の一室で狸サイクルを時たまやっておりました。看板はもちろんのこと、自転車屋らしき外見はほとんど無かったころ、突然チャイムが鳴って、出てみると、フレーム担いだ若者が突っ立っていて、これでピスト組んでくれません?って。

 確かに本ブログや、当時はミクシーなんかで、宣伝もどきはしていましたが、まさかそんな記事で人が依頼に来るなんて、思っても見なかったんで、驚きましたなあ。

 まあ、アチラも大層驚いたんだと思います。

 半分廃墟状態の団地の一室から、チャイムを押したら、「なんです?」なんて仙人のような店主が出てきたわけですから。人によっては、アニメみたいな出会い、なんて言う人もいましたね。

 まあ、中にお入んなさい・・・、と。そこには自転車フレームが天井から吊されて、周りには段ボールに、自転車のリムが人の背の高さぐらいまで積み上げられて、店というより倉庫という印象だったと思います。そのわきに台所があって、そこでお茶出して、「ピストって組んで欲しいって・・・、競技者じゃないですよね・・・」。

 というお話しから、そのころ都心で起こっていたそのブームとやらの情報を断片的に、聞き取ったりしましたね。

 ウーン、直接こちらには関係なさそうなブームではあるが、固定ギアが認知を受けるいいチャンスかも知れないので、脇から乗るか?とばかり、当時品薄状態になった、ピストハブだの、その代替になるものなどを探しては、色々やり始めたものでした。

 それが忙しくなって、他のことができなくなってきて、気が付いたら自転車屋専業に・・・という流れでしたねえ。

 そういう意味で、ピスト組というのが、専業への誘いだったわけです、当店にとっては特別なお仕事、とも言えますな。

 しかし、そのピストブームというのは去っていったようです、確かにかつてはフレームぶら下げておけば、数ヶ月以内で嫁入りしていきましたが、今はそういうことはなくなりました。

 で、ロード乗りこそピストへ!と煽っているわけですが、それがまだ中々マイナーブームを起こすには至っていない・・・。もちろん諦めていませんが。

 と、先日、学生さんがフリマで買いまして・・・と、このフレームとパーツ類を持ち込んできたわけです。イヤー、珍しい!そんでどう乗りたいの?

 街道仕様でお願いします、学生なんで、まずは乗ること。変えたいものが出てきたら、乗りながら考えればいい。

 まだフリマでもやりとりされているんだ。そういえば、関戸橋あたりでそんなのがあると、その翌週ぐらいにまた数人が、来ていたものでした。懐かしや。

 で、この手でよくある問題が一つ、110エンドでした。

 よかったのはリアハブが付いていたこと。これで組み付ければいいわけで簡単・・・なはずなのですが、問題は36hであること。今36hのリムが中々ないわけです。

 しかも、前はハブもなし。

 でも、そんな修羅場を何度もくぐってきたこちらとしては、フローチャートの中流れの一つに過ぎません。

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 ロープロファイルの36hのリムが二本見つかりました。

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 なぜか、36hの前ハブが在庫としてゴロ付いていました。その一つを取って、シャフトの加工をします。

 これ勘違いしてはいけないのが、110エンド用のハブは後だけが曲者ではありません。

 前も通常なら9ミリシャフトなのですが、110ミリ用のフロントフォークはスリットが8ミリという面倒くさい規格なので、幅は100ミリでも、通常のハブでは入りません。

 フォークを交換するか?フォークを加工するか、ハブを加工するか、専用品を購入するか?さあどうします?

 そこで加工したハブで前輪組んで完成!

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 リアハブはそのまんまなので、36hのリムでそのまんま組む。しかし、よくみるとデカイ小ギアでしょ?

 18t、でかすぎです通常なら。というのもクランクが持ち込み、なんと・・・、

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 52tなんて男中の男ギアなんです。前がでかければ、後もデカクしないとギア比は落とせません、これでもようやく3を切った2.9、結構過酷かな?

 でも若いんだし、乗りながら、適正ギア比を考えましょ。

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 ただ左クランク、ブンチンの方を持ち込み忘れたというところなんで、納車の際に持ってきてね。こういうのって学生はいいなあ。

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 街道仕様ですから、前ブレーキはフォークに後付けようのものを取り付けます。

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 リアはステーに穴あけもできなくはありませんが、これもピストの基本板ブレーキにします。かつては手度取れるよう、蝶ネジを使っていましたが、今は10ミリでしっかりとめます。

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 これもありもの!カシマックス付けますか?別名鰹節。店主は柔らかいサドル以外は、ほぼ何でも良いので、一時はこれをツーリング車に付けて、150キロとか平気で乗っていましたが。

 さてどうなるやらです。これも乗りながらお決めなさい。イタイ思いもいいものです、若い内は。

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 唯一の主張が、セミドロップ。・・・といっても、開いたドロップにしか見えないか?そう、正統なセミドロップはもっと浅いでしょうな。でもまあ、これも付けてみて、試してみてください。

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 とりあえず、組めたんで、これで乗ってみましょう。アチコチ、色々あるだろうが、金ではなくて、頭使って、縁を使って、乗り切ってみて欲しいですわ。どうなることやら。

 でもまあ、NJSフレーム持ち込みのピスト組、たまにあると懐かしくてよい!

 ロード乗りこそ、オフシーズンに固定を乗るべし!そういう側面からまた、マイナーブーム、そしてより厚い層として定着していって欲しいですねえ・・・。

珍事件発生!トルク管理の筈が・・・



 ボトルゲージをとめるシートチューブのリベット内に折れたネジが入って取れない・・・というご連絡がありました。

 この辺のネジは軽量をねらって、アルミものが多い。そういうことは起こりうる、と見た方が良いですね。

 軽いだけのアルミネジは、ちょいと危険ありです。軽くて固いならまだしも・・・、軽くて柔らかいものだと六角の溝でさえすぐ広がって、着脱ができなくなります。

 まだ頭が出ていれば、そこ掴めばいいんで、しめたものですが、今回はその頭が折れて、ネジ本体がリベット雌ねじに残ってしまったということなんです。

 色々やっていると、ネジ折れなんてものの起きる確率はそこそこありますね。

 シマノの番手直づけで、クランクを造る某○ギノのクランクで、起きたことがありました。ホローテック形式のもので、左クランクの取り付けネジを回しているとき、ポキッと。

 これが取れない、高トルクをかけていくところなので、これが本当取れなかったんですわ。特にまた、当時の水準ではと申しておきましょうか・・・。

 そこで、その会社の方へ問い合わせてみると、技術系の人でなく、営業系の方が電話に出てきて、「折れました?それオーバートルクです!」と。

 まあ、キッパリととりつく島がないとはこういうことでしたわ。もうこちらが何言っても「オーバートルクです!」を繰り返すオウム状態。だいたい何で、営業が対応するんだ?

 そこで「ではお聞きしますが、そちらはオーバートルクで折れるようにネジ作っているんですか?」と、聞いてみた。

 オーバートルクといっても、所詮1馬力にも満たない人力でしょう?そこで何で6ミリのネジがヘシ折れんだよ?スが入っていたか、焼きが甘かったんじゃないの?今でも店主はそう思います。

 オーバートルクで壊れるのはネジ自身じゃなくて、それで締め付けられた側への配慮なんじゃない?少なくとも自転車ではそうですよね。

 まあ、これ以上言っても無駄なので、別代理店に愚痴をこぼすと・・・。

 「シマノさんも最初はそうでねえ、でも釣りの方でだいぶ大人のお客さんからお叱りを受けたんじゃないですか?対応がガラリと変わりまして、今では自転車でも丁寧ですわ。それに比べると○ギノさんは・・・」ということでした。

 多分、今でも探すと出てきますね、使われず折れネジの入ったままの左ブンチンが・・・。

 で、今回のこの珍事もへし折れたネジをどうやって取り出すか?ということ。

 エキストラクターという、専門工具をつかえば・・・というのはありますが、ただ、場所がシートチューブ。ダウンチューブとの間隔に制限があって、思うようにドリルが入らない・・・、この辺も原理的には摘出ができても、その条件に持っていく現実的な条件とのすりあわせの問題なんていうのが、出てきてしまいます。

 できるだけ中心を攻めたいんですが、二本のチューブに挟まれて、思うところに刃が届かない・・・なんて。

 多少時間をかけて、多少ズレながらもほぼ真ん中に着地点を付けて、多少斜めにはなっていますが、そこからドリルをクルクルと・・・。

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 食いつきをよくするために、細めのマイナスドライバーの角を削って、鋭いキリのような工具を作ります。こちらは鉄で、あちらはアルミですから、ここまで研いだなら、必ず残っているアルミネジに食い込んで掴んでくれるはずだ!

 思惑ピッタリ!

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 徐々に出てきました。

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 ここまで出たら、あとは手で抜けますが、しかし、結構奥まで入っていました。

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 イエィ!完了。こんなちっぽけなことでも、できると嬉しいですわ。

 というのもねじ山一個つぶれているだけでは、ボトルを収めることはできません。一点止めで、水750ミリを支えると、アルミチューブにはダメージが来るでしょう、ゆっくりと。これで元に戻ったというわけです。

 で、今回何でこんなことになったか?

 実はトルクレンチだったんです。

 カーボンコラムを使っているステム周り、カーボンピラーを使っているクランプあたりは、しっかりとトルク管理をしてやらないと、それこそオーバートルクでカーボン繊維に亀裂が入ってしまいます。

 そこで、二万から銭出して、トルクレンチを購入したわけですが、各所大体5トルク強の締めつけをして、その乗りでツイ、ボトルゲージボルトを締めたということなんですね。

 その5トルク強が、仇になった。アルミ軽量ボトルにとっては完全にオーバートルクだったんでしょう。

 イメージとしては、5トルクは低いわけですが、アルミボルトにとっては強かった。

 その辺トルクレンチに頼らずにやっていた方が良かったんでしょうね。トルクを設定すれば、音鳴りがするまで締めればいいトルクレンチ。となると、感覚を放棄してしまいがち、そこから起きたんでしょうね。

 料理でも同じですね、計量カップ、計量スプーンを使うと、味見をしなくなって、なんか美味しくない・・・なんてお悩みの方も、軽量によって感覚を放棄させてしまった・・・ということなんでしょう。

 まあ、微妙な話です、だからトルクレンチや計量スプーンを使うんじゃない、といっているのではまるでありません。

 むしろ、カーボン材が使われている自転車にはトルクレンチは必須だと思います。むしろ使わなければいけません!

 同じように、化学反応を多く利用する菓子作りなんかにも、計量スプーンは必須です。でないと、失敗します。

 そんなこんなで、ものは使いようなんですな。使うべきところでは使う!使わねばなりません。ただし、その際も、「ヘー、5トルクって、こんなもんか・・・」という感覚はしっかり動かしておく。料理も同じです。

 計量するからといって、思考や感覚をとめてはいけない。むしろからめて、両立できるようにする・・・、むずかしいですが、こういう領域には行き着きたいと思いますな!

ドロップマウンテンというと チョットした一ジャンルです!



 ちょっと気合い入れて買って乗ってたものでも、色々あって乗らなくなると、そのまんまなんていう車体、相当あるんでしょうね。

 すぐには捨てられなくても、時間が経って諦めがつくと捨てられる・・・。捨てるにもそれなりに納得する時間が必要である、よく分かりますが・・・。

 でも、そこは捨てさせてなるものか!と、自転車は再生できるヨー!再生できるんです!しかも、現在の用途と貴方に合わせた形で再生できるヨー!と、声をからしても叫び続けたいわけなのです。

 確かに、打ち置いておいた自転車を診てもらうには、それなりの覚悟というか、引け目のようなものかな?あるのは分かりますが、再生して乗ろうという気持ちにウソがなければ、多少のことでもお引き受けする!というのが、まあ当店のあり方なんですわ。

 この多少のこと・・・という内容がまた曲者なんですが、そう憚らず言って店張っているわけですし、逃げも隠れもいたしませんので、その多少のこととは、まあ大抵のことがあっても・・・、または相当のことがあっても・・・という内容に置き換えられる・・・、と申し上げておきましょう。

 原理的に無理なこと、または火入れや溶接といった当店ではやっていない分野は別ですが、そうでなければ、まずはご相談ください。

 というわけで、いつもの大風呂敷なのであります。

 もうずいぶん前になると思いますが、マウンテンバイクブームというのがありました。おかしかったのが、大した下り坂もないのに、ダウンヒル用のバイクで町乗りしておられる方を散見していたり・・・。

 店主はその辺ロードバカ、ピストバカですから、マウンテンバイクにはピクリともしませんので、なんでだろう?何が格好いいんだろう?と今でもそのブームのなんたるかについては、不明のまんま。

 よく言うのが、店主にはからっきし愛情の感じられないものがいくつかあります、その筆頭がマウンテンバイク・・・、楽しいヨー、とか持ってないの?とか組み付けないの?などといわれますが、全くその気なし!

 どうせ組んで乗っても、いつまで乗っても自分の自転車にはなり得ません。常に借家のような感覚、たぶん盗まれても、ホー、やっぱり出ていったか・・・と思うくらいだろうなあ・・・、多分、だから作らない。

 ならシクロクロス車でも作ります!あと、パンとコーヒー。

 もちろんうまいパンについては、感動します!コーヒーも今まで軌跡だ!と思ったのがイルカ屋さんのコーヒー。コイツは絶品というか、店主にとってはコーヒーのカテゴリーを越えましたなあ。

 ブランデーなどというものと、同等クラスの水準でした・・・。

 こういうものには、もちろん反応しますが、決して自分から追いかける情熱はないんです。「うまいパンだねえ」「どこそこの店の」と聞いても、ヘエーと流すのみ、まあ、自分からは訪れませんね・・・。そうか、唯一の例外は、立川のゼルコバさん。あれは別だ・・・!

 エエト・・・話が拡散してしまうのでこの辺で。

 で、ブームに乗って、作られて拡散していったマウンテンバイク君達の今はどうなっているんでしょう?

 その一台が来た!ドロップ化して、再生したい。こういうご依頼は大歓迎!

 ドロップマウンテンというのは、一カテゴリーを形成します。ランドナーに近いかも知れませんが、あれほど様式美に汚されていない、ところがいい。とにかく乗れ!乗って乗って!乗りまくれー!つぶせるもんならつぶしてみろ!という、学生、女子大生になんて最高のカテゴリーだと思いますなあ。

 この自転車も川沿いの公園内をパトロールするNPOの方の仕様ですから、ちょうど良い!

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 性能の落ちた・・・朽ちかけサスペンションフォークは重いだけ。これうまく調整する名人もどこかにはいると思いますが、街道に出るなら、リジットで行こうゼイ!と半ば無理矢理交換!

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 メッキでスッキリしていいジャンか!

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 ワイヤーやチェーンは交換、スプロケも交換、使えるパーツ類は洗浄して、アップして戻す。

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 こうしてやると、まあ機嫌良く動くんです、生き物のようです。

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 詳細は省きますが、フラットバーをドロップにする際に、ブレーキとシフターをどうするか?というのは色々から見合う問題ですが・・・、今回は手元変則STIで、ほぼ一気に解決・・・と言っていいかな?

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 ちょいとロード仕様を匂わせて、街道行きを念頭に、三枚から二枚へ!

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 クランクも、使用者の身長に合わせて、短く。これでクルクル回せるでしょう。

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 通常引きシロを要求するVブレーキですが、これもSTI用のものに替えると引きと効きが、抜群に良くなります。

 シクロのブームが、どうもロードとマウンテンの隙間を小さくしている、結果的にそうなるかも知れませんね。そういう意味でも、遊んでいるというか、ほぼ仮死状態でいるマウンテンを活かして、走らせる時期としては、非常に時期に来ているんじゃあないか?なんて思うわけです。

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 なんか多少ずんぐりながら、よく働いてくれそうな車体ですね。

 夏休み、これで北海道一周行ってこよう!なんて言うのにはもってこいですね。多少車重はあっても、荷物は前後に載せられるし、頑丈だし、出先では頼りになる相棒になるでしょう。

 という、ドロップマウンテン!これは一ジャンルになると思いますね、いいぞ、これは!

クランク交換ドミノ倒し



 あるパーツを交換する。それを交換して終わりというわけにいかないのが、大半ですね。

 やはり、パーツはコンポとして連動するものですから、一つを変えると、それに伴う様々な内容にも手を加えていかなければならなくなることも、大いにあって、さながらドミノ倒しといったところです。

 今回は、クランク・BB周りの交換依頼ということでしたが、このドミノ倒し現象が起こりうるので、事前の見積は概算中の概算、としか言いようがありません。

 よく、「その場合の工賃は?」と聞かれます。それはお客さんですから、そこが気になるのはわかります。ただ正直なところ基本お答えとしては「やってみなければ分からない・・・」というのが実情です。

 もちろんブッキラボウにそんな対応はできませんので、「何もなければ○○円ぐらいでしょう」といいますが、多分お客さんにとってはその「何もない」ということの理解をいただくのは大変なんだろうなあ、と思います。

 特に古めの自転車をお預かりするとなると、これはもう本当出たとこ勝負でやるしかない、他の自転車店はどうやって工賃なりの算出をしているんだろう?

 ざっとの相場プラスαとか・・・、明快なのは時給を決めてかかった時間給いただくとか・・・。ただ何もしないで考えている時間もあるので・・・。また、途中他のお客さんが来たら・・・・。

 まあ、この辺が一番むずかしいですわ。気持ちでやってあげて、ハイ、これでいい!と毎回できればいいんですが、そこまでの甲斐性もなし、修行ですわ。

 で、このクランクを外して、ホローテックⅡのタイプに変えるということで、了解。

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 外すことは、今回そんなに難しくはありませんでした。そんなに、というのは素人では抜けなかったかも知れないと思われるくらいの難易度だったということです。

 見てみるとフェイシングがされていません。埋め込み式のBBなら、それでも良いかもしれませんが、ホローテックⅡのタイプは、このBBソケットの外にシールドを置くので、このシールドは必ず両者キッチリと平行を出さなければならないわけです。

 では、シュコシュコと削ります。

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 もし同じホローテックⅡのタイプもグレーで交換であれば、フェイシングされているはずなので、この手間は掛からなかったはずです。こういうところも突発の手間の発生です。

 もちろんフェイシングの前には、フェイシング工具導入パーツを入れるために、タッピングをします・・・。

 このタッピングとフェイシングを単独で頼むと、それはどえらい工賃を請求してくる工房もあるやに聞きます。確かに、この手の刃物工具は高額なので、その投資に見合って、回収しなければならないし、何年かに一回、その刃物交換をしなければならないので、ある程度理解しますわ。

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 そして、グリスアップをしてから、BB装着そしてクランク装着!完成かと思いきや!

 こんな問題も発生。

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 新しいクランクのチェーンリンクがちょいと大きいので、既設のフロントディレーラーに干渉してしまいます。

 となると、ワイヤーを緩めて、クランプも緩めて、適正位置に修正してやらないといけません。

 ということは・・・?

 もしワイヤーがギリギリで切られていて、押し上げたフロントディレーラーに届かなければ、ワイヤー一本の交換の必要が出てきます。こんなのもある種の想定外です。

 なんでクランクの交換にワイヤー交換を伴うの?となるわけです。脇から発生したドミノ倒しです。

 また、チェーンリンクが大きくなることで、時にチェーンが足りなくなることも起こりえますね。そうなるとチェーン交換の必要も・・・。これもドミノ倒しです。

 まあ、今回はワイヤーも足りて、チェーンの交換ほどのリンクのでかさもないので、そこまではおきませんでしたが。

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 フロントディレーラーを動かすことで、ワイヤー外して、張り直し、当然そうなるとシフティングの調整も入ってくるので、まさに有機的にコンポを繋げていって、ナンボというお仕事になります。

 パーツを単に交換するなら、中学生にもできる。それをどう繋げて、しかも調子よく、それぞれの車体が持っている癖を吸収するなり活かすなりして調整付けていくか?といことも込みの工賃とお考えになっていただけると、ありがたいですね。

 たまーにですが、メールや初対面ながら、先様から、工賃を指定してくる方もおられますが。

 温厚な店主でも、時にカチンと来ることもあります。この程度の徳しかないこの店主と向き合うなら、そういうことは言ってくれるな・・・。

 自分でやってみて、失敗して持ってこられるお客さんの方が、よっぽど好みだなあ。どれだけ大変か分かっていますし。

 申し上げていないだけで、こうした工程上のドミノ倒し現象などというものは、魔物対策も含めて、色々と、しかも頻繁に起こりうるんですね、チョット頭の片隅に入れておいていただければと思います。

 それでも値切りたい方は、まずはご自分でチャレンジしてみる事をおすすめします。資材がバラバラであるだけでは、何も動かない。

 それをどう連動させるか?という構成物として仕上げていくことの意味が、自分で試みることによって、内部から分かっていただけたら、何かが開けるかと思うんですよ、そうすればまたいい再会ができるんじゃないか?なんて思うわけであります。

 しかし、このドミノがあるから、我らは成長するんだと思います。時に、エエー!!!と驚き、ウソだろー!と落胆することがあっても・・・ネ!

EZといえば、もうママ狸んでしょ!



 もう何台やったかな・・・?

 EZの子載せ化といえば、もうママ狸んでしょう!というくらい、色々といじらせて頂きました。

 今回もなんですが、もう来られるお客さんも、心得ておられるようで、子のせの要所をしっかり押させておられます。

 これがある意味、EZの子載せ化スタンダードなので、これを基本に、よーく覚えて、ご検討ください。

 このEZという車体、何がどういうコンセプトでつくられたかは今一読めませんが、ある意味電動の中でも特殊な車体だと思いますな、この癖あり部分が、受けているのか?

 一見して、原付ですよね。自転車らしくない。その辺をねらっているのか?

 この見た目から、ファンは確かにいるようです。お母さんだから、すべて「カワイイ!」ですむかといえば、そうではないようですね。

 中には「カッコいい!」を好むお母さんも、大いにおられる、ということでしょう。

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 当店おすすめのイェップを載せるときには、この車体では荷台がどうしても必要になります。

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 この黒の荷台です。これを取り付けて、そこに台座を取り付け、そのまた台座にイェップを載せる、というやり方になります。

 この荷台取り付けが、特殊。

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 構造上、後輪のシャフトへの共締めはできませんので、ダボに取り付けます。

 このどこが特殊なの?

 元々、EZにはダボはありません・・・。作るんです。

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 で、スタンドはアヒル足のもの。または、この手の頑丈で安定感のあるものがいいでしょう。

 このアヒルの足を体重を掛けて、踏みつけることによって、自転車を起こし、スタンドを掛ける、という仕組みになっています。

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 お母さん自転車といえば、カゴ。カゴのないお母さん自転車は、あり得ないでしょうな。

 これも、EZ特有のハンドルと連動しない、荷台があるので、そこに固定しますが・・・。これもまた癖があって、普通の付け方ではつきません。

 こういうところが、どういうコンセプトで、こういう形式にしたか?ということが、全くもって読めませんな。

 大体、このトップチューブにまで、這わせたプラ板や、台座のようなカッコウの構造体は一体なんでしょう?

 デザインだけの問題なのでしょうか?不明です。

 まあ、練習問題としては面白いですが・・・、いじりにくさでは、電動チャンピオンかな?

 先日、コイツに前子のせを付けた改造を公開しましたので、合わせて読み返しください。

 このやり方と合わせると、カゴ問題をクリアすれば、三人乗りも原理的には不可能ではないはず。

 まあ、このEZが三人乗りの規定に合っていれば、の話ですが・・・。

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 どう転んでも、パナソニック大明神は当店には、この電動を卸で出すことはないでしょうから、基本お持ち込みということになります。なんなら、直接送って頂いてもかまいません・・・、常識の範囲での持ち込みは、受け入れますので。

 しかし、しっかり使うと、バッテリーは二年でダメになるそうです。そして買い換えに四万弱・・・。

 これは電動の隠れた大問題です。

 インパクトドライバーにしても、このバッテリー問題は、頭痛いです。

 たかがバッテリーに四万もするはずはない、絶対にない!これは一種の謀略でしょう。使い続けさせるより、捨てて買い換えさせる。

 そうはさせじ!とボチボチバッテリー事情に切り込んでいこうかしら?もしもバッテリーがせめてその半額で、購入できたら、廃車にされる電動自転車も救えるのではないか?

 若いお母さんならまだいい。歳を追うごとにアシストを必要とする高齢の方に、二年ごとに四万はきついでしょう。といって廃車にも出来ず・・・、その内外に出なくなって・・・。

すぐに買い換えの出来る人ばかりじゃないんだよ!大手メーカー!もっとちゃんと考えよ!百年後を見越したもの作り!まあ、あんたらにはできないか・・・。

 こういうのを隙間というんです!大手さんには到底入ってこられない・・・。

 この世は隙間にあふれている。それを見つける目、かぎつける鼻、隙間からの声を聞く耳、それらを磨けば、起業できる!自営できる!自営して自衛する!仲間を集めて、技を集めて、知恵と力を集めてな!ベタだが、これしかないだろう!

※ 若い君は、その際、チョット相談なんだが・・・と、話を持ちかけられる人物になるれうよう研鑽せよ!仕事の善し悪しは、特に若い内は金じゃない!福利厚生でもない!そんなものはこの際どうでもいい!

 大切なことは、職能をちゃんと自分に身につけられること、完成度の高い仕事の本質を学べるところ、故にそれ故、職場に師となる人がいること、これだ!

プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
TEL・fax042-445-0487
携帯070-5083-6962
アドレス to.ke@mx1.ttcn.ne.jp

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