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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り |2014年01月 tp://cnt.affiliate.fc2.com/cgi-bin/click.cgi?aff_userid=45871&aff_siteid=43545&aff_shopid=63" target
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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

迷選手 笠井泰造君 引退記念レーサー 発売中!



 ようやっと完成です!彗星のごとく現れて、いきなり全日本選手権選手にポイントレースで選ばれ、直前に骨折、あえなく出場中止・・・、それ以前以後、全く戦績無し、三年連続の骨折を経て、全く惜しまれずに、母親代わりの祖母、姉に自転車を取り上げられ、引退にまで追い込まれた、笠井泰造選手なのでありました。

 本人は、引退ではなく、隠居などといっておりますが、自転車競技に関するもののほとんどを売却して、誰もやってくれないので、本人主催の引退パーティーを開きたいということで、その第1弾がこれ!

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 アルミチネリのフレームです!ものはまだまだ、使えます。あのゲキ坂が続く富士山レースに五十分台でタイゾウ選手をゴールまで持って行った、伝説の名フレームであります。チネリです!チネリだよ!

 それにコンポは、当狸サイクルで最初で最後になる、総スラムコンポで組み付けました。

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 スラム最下位に位置づけながら、なんとシマノのナンバーツーコンポであるアルテグラよりも高額という、なんだか訳の分からないコンポです。

 スラムの最下位コンポはシマノのアルテよりも高い・・・?

 かなり贅沢なコンポですよ、ソラの三倍・・・、あまり嬉しくない例えかな?十万いってしまうコンポなのです。

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 しっかりできていますよ!このリアディレーラーは、スラムを使うのであれば、絶対に必要なパーツです。

 売りはやっぱりここですね。

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 ダブルタップ!!!この握り味に惚れたら、もう抜けられなくなる・・・かもね。

 ブレーキの引きは、シマノよりいい!

 ダブルタップ形式は・・・好きずき。手の小さい人には向くかな?

 というのも、コイツこういう小細工が効くんですね。

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 カバーをめくるとこんなものがあります、なんだと思います?

 フラットバーに付ける、安いブレーキレバーなんかにも付いている、あれです。

 レバーの開きを決めるアジャスターなんですねえ・・・。ちょいと驚き!

 シマノは、ゴムのシムを噛ますことで、やっていますねえ。二三枚の厚みの種類があります。

 カンパは、手の大きい人用の工夫はありますが、小さい人用になると、サードパーティーのシャフトを使わない限りは、こうした調整はできないんじゃないかな?

 この握りの調整と、ペダルの位置調整は各メーカーもっと導入を真剣に検討した方がいいです。余談になりますが、特にペダルは必要だと思いますぞ。

 クランクに入れて終わり、あとはクリートで・・・というのではなく、クリートとペダル両者に調整機構があるもの、等がもっとメジャーになるべきではないか?なんて思います。それもスペーサーとかでなく、無段階的にできるものがいいですねえ・・・。

 と、とりあえず、ダブルタップは選択肢としての意味は大ありか、と思う次第です。

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 あとは、ブレーキ。これもスラムアペックスですが・・・、効きますよ、よく。でもまあ、これを絶対的に選択しなければいけない必然性はありません。

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 FUJIのバラクーダに付いていた、オーバルというメーカのブレーキアーチにそっくりですねえ。

 で、実験やってみたんです。

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 スラムアペックスダブルタップでシマノ105ブレーキを引いてみたんですが、店主の好みとしては、全くこちら、つまりシマノの方がいいですね。ブレーキの引きにタメが作れるというあの感覚は、やはりシマノかな?

 というわけで、フルスラムはお客様からの発注がない限り、今回でおわり。今後はダブルタップとリアディレーラーだけはスラム、あとはシマノのコンポというキメラ、スラノでやっていきます!

 まあ、今回は記念ということなので、ちょいとおごってフルスラム、ということで!

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 ホイールがまたすばらしい!あの名作DTの30ミリリムで組み付けたもの、もちろん手組です。これはまっすぐ進みますよ!平地のスピード維持もいい!

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 はい!笠井泰造選手の伝説の名車が組上がりました!175センチ前後で、できれば競技系に興味のある方!

 貴方に引き渡して、走り続け、勝負し続けてもらいたい、という遺言のような一台です!

 ご興味ある方は、ご一報ください!速いもん勝ちです!
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何も何なら、パーツもパーツ・・・

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 オクタリンク?と思いきや、スクエアテーパーのクランクが、踏み抜かれてこんなになってしまったという。

 象並の脚力か?と思いきや。これは、一般の学生君の自転車。

 かつて、パラリンピック選手のタンデムを作るために、スギノの競輪クランクのペダル穴に逆ネジを切ったことがあります。

 サクサクと切れて、普通にペダルが入る。

 このイメージで、別のアルミクランクにやったとき、素材の密度の違いか、粉々になってしまい、山も切れずに、グズグズになってしまったことがありました。

 同じアルミでも、鍛造・・・、さすがにそういう違いがあるんだなあと実感したのが、もう数年前のことですが。

 このクランクのアルミも、相当柔らかい素材なんでしょうな。しかし、こんなの見たこと無いわ。

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 グズグズだったのでボルトを外してみて、発覚。

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 別クランクに交換です、もちろんBBも当然のこと。出るわ出るわのオバケパーツたち・・・。

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 あとはお決まりの、チェーン・ワイヤー系の交換メンテなんですが、イヤー、どこから探してきたのー?というものばかり。

 もちろん、自分で組み付けてきたものではありませんが、一台トータルいくらで計算されて、つくられた、例の車体なんですねえ。

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 タイヤも変えましょう。

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 こういうのは、単なる消耗品。

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 ここもそうですねえ、バーテープも消耗品。

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 この辺は特に問題ありませんが、随所にレレレなんですねえ。

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 ブレーキもありもので交換。

 全体は・・・、これなんですわ。

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 分かる方は、わかるでしょ。

 アン・・・とか、ドッペル・・・の車体兼パーツ類です。疑似ロード。たまに高校生が乗っていますね。そのまま乗り続けるのは、オススメしませんが。

 今回も随所、パーツ交換をしたんで、フレームにさえ気をつけていれば、大丈夫かな?

 でも、フレームもパーツもトータルで金額を抑えているので、精度も何もヘッタクレもない。これでロードだと思われたら、こまるなあ・・・。

 でも、学生君が自分の足として、大事に乗っているというのであれば、しっかりメンテなどやってやることは厭いませんが。

 でも、まあ、こういう自転車・・・どうなんでしょうね、あまり作ってもらいたいくないですな。正直なところ。

 危ないんじゃないかな?なんて思うこともあります。詳しくない人を引っかけるような、こういう企画、いいとは言えないぞー、メーカーさん!

 ただ、そんなことは利用者には関係なし!安全に乗り続けられるように、こちらはできる限りのことやりますし、是非是非、定期的に持ってきてくださいね、約束ですぞ!!!

せっかくのドロップ・・・フラット化?



 アサヒビールならぬ、アサヒロードなんだそうです。

 サイクルベースアサヒのオリジナルロードなんでしょう。これで草レース出て、勝ちまくったらカッコいい!嫌みな野郎だが、カッコいい!

 でもある意味よくできています。ど?・・・どこのパーツだ?とおぼしきものもあります。よくサードパーティーとして、完車メーカーから便利に使われているメーカーが、これまたフォースパーティーとして利用しているのか?そういう部門を内部に持っているのか?実はサードでなく元々フォースだったのか?

 なんだか分からなくなりますな。

 一度、台湾や、大陸のそういった工場見学してみたいですね。世間狭いなあ・・・業界狭いなあ・・・なんて事が白日の下にさらされて、いい目が養われるかもしれませんな。

 そうした目で集めたパーツ類で、組み付けなんかもしてみたい・・・ですよ。

 で、依頼がなんと当店逆行型、わざわざドロップをフラットに変えたいなんていうんですねえ。その動機が、より自転車に近づきたい!

 というのも同僚君が、ママチャリをクロスバイク化し(どこだ!そんな変態改造やっている店は!!!)、より車体が身近になったのか一月チョットで7キロ痩せた!という事実に驚愕・・・したらしいです。

 ドロップで走っても、フラットで走っても、食ったカロリーよりも消費カロリーが増せば、結果的に痩せるんだが・・・、車体が身近にならないと気合いが入らない・・・、よく分かる気もしますので・・・、まあ・・・、フラットがそんなにいいなら、やりましょうか?

 その前にブルホーン化もすすめたんですが、やっぱりフラットだって。頑固者メー!!!

 じゃあ、やってやろうじゃないですか!

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 さいなら、ドロップ君!

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 ホラよ!フラット君。オット、ハンドルだけじゃあ、済まないの!

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 フラット変速シフターって、引きシロを要求してくるんで、それに合わせたフロントディレーラーに変えないとダメなんですわ。

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 痩せても枯れてもアサヒでも・・・、ロードだった車体をフラットにすると、単なるクロスバイクよりも精悍には違いない!

 これで一月7キロ減と行きましょうか!

 で、7キロ以下だったら、もとのドロップに戻す!お約束。ウソ

 本当、こんな仕事をしていると、人の好みは色々で、毎回毎回狭量な店主のセンスは木っ端微塵にされますが、また、形成されては、また木っ端微塵・・・。

 いろんな人がいるんです!認めたくなくても、もう既に常に、いろんな方がいるんです!

 それをどうやっても、認めざるを得なくなったとき、受け入れたときに成熟というものが熟成されるんじゃないかと思われます。純化でなく、雑化であることを認めること。例え渋々でも認めること。

 純化することは美しい、しかしその美は排除の美にしか過ぎませぬ。一部の方はそれでいいかもしれません、それに憧れる気持ちも分からなくはありません。

 しかし、この世の実相はその純化ができる前提でもある、雑多性、多様性なんじゃないか?

 純化の美ではなく、雑多性の美!それが、目指すべき成熟すべき美学なんじゃない?

 一体何の話だ?

 今後ともフラット化、そんなにしたいならしますよ!という話でした!エヘヘヘ 

ホイールバランスは取るべし!絶対に取るべし!決戦用ワッパなら取らなきゃダメ!



 先日アップしました、内容ですが・・・、多少の早とちりもあって購入してしまったコイツ。

 スルーアクスルのハブなんてロードでは一般的ではありません。あってもアッチコッチ外さなければならないという意味で、手間がかかります。

 そういう意味で、こいつは使えるのか・・・?と色々工夫したところ、まあ、中空シャフトなら問題なくホイールの偏りを計測できるようになりました。

 ただ・・・、中空でないシャフトの時はどうしましょ?ピスト系のホイール類ですね。コッチだって決戦用であれば、しっかりホイールバランラスを取った方がいいわけで、それができなければ片手落ち・・・。

 そこで、こいつを使って中空もそうでないシャフトも両方見られるように、改造してやろうということに、決めました。折角そろえたんで、トコトン使ってやろうじゃありませんか!!!

 失敗したら、おじゃんですが、しないように、新調にするしかない。

 単純には、両ベアリングの位置を近づけるという簡単な発想ですが、こうしたものは精度が問題になりますので、単に狭くすればいいというのではなく、正確に狭くしないといけませんな。

 ちょいと緊張が走る中、決行!

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 万力に足を挟んで、両橋渡し部分のつっかえ部分を切り落とします。全部で4箇所です。

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 切り残しの部分を必要なところだけ平らに仕上げます。そこにナットが来るので、切り残しでナットが浮かないようにです。ヤスリ類で徹底してどけます。

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 下から30ミリ、脇から15ミリのちょうど交点にポンチをガツンと決めて、10ミリのドリルをボール盤にて、回し込みます。

 こういうと簡単ですが、塗装されている母材を計測してその中心点を探るのって、むずかしい・・・。やはり定盤があって、そこを水平に滑らせて、直線を引けることができれば・・・かなり正確度は上がりますな。

 まあ、一カ所あけると、対岸の同じ位置に開けなければならないので、その際には、二本の母材をきっちり合わせて、万力で留めて、再度ボール盤にて、貫通させる・・・。

 測ると中心なんだが、見た目ではチョットずれているようにも見える・・・。いつものことなんですが、位置決めというのはむずかしいものです・・・。

 穴が開いたら、こちらと向こうを繋げるパイプを二本、これまた正確な長さで切ります。この長さが、今回のダウンサイジングということになります。

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 バリを取りすぎると長さが分かりやしないか?などと、いらない心配まで出てきますが、なんとか同じ長さで切り取り。並べてみて・・・よし!

 そのパイプに、全ネジを貫通させて、先ほど穴あけしたところを通し、両側をナットで均等に締めていく・・・。

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 こんな感じですね。130ミリくらいサイドが近づいたことになります。

 このメリットは、中空シャフトに通す5ミリのシャフトのしなりが減ります。

 そして、ピスト系ハブもナット類を取ってそのまま載せるだけで、計測可能になりますね。

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 これで、ほぼ万能かな?バランスセンサーのできあがり!ベアリング部分には高級ケミカルを常に注油、抵抗を限りなくゼロにしておくことでしょうか。

 なぜこんなに手を掛けてまで、バランスセンサー改造したか?というと、それには大きな理由があります。

 というのはね。

 ホイールの偏りは是非、取るべきだ!と切に思うからであります!

 取りましょう、ホイールバランスをしっかり取りましょう!乗れば一発で分かります!高速領域になれば、なおのこと、通常の走行でもピタリと安定します・・・。

 エエ?!マジ?!というくらい、しっかり安定します。

 今まで、アンバランスなホイールで何やっていたんだろう?と思うくらい、後悔するくらい、ホイールのバランスは走りに影響を与えます!

 今後は、取るのが当たり前、少なくとも、本気練習用ホイールと決戦用ワッパは必ず取るようになるかと思います。

 今まで無頓着すぎたんですね、本当マジで今後の動向はバランスホイールの時代にはいるでしょう。

 店主の実感でもあります。靴なんかにもあるんじゃないかな?自分にとって、自分の足の運びにとって、ドンピシャであるようなバランスというものが。

 ンン?何だ?この履きやすさ、歩きやすさ、走りやすさは?一体今まで何を履いていたのか?と思うような、それに類似した感覚ですね。

 で、バランサーができたら今度バランス取りの右腕となってくれるもの・・・。そいつはこれです!

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 コンマ1まで、計測できる、高性能の測りです。このナットは154グラムではありません。橋脚でもあるまいしそんな重いナットあるか!15.4グラムなのであります。

 このコンマ何グラムまで影響してくるのがホイールバランスです。決行取れているなあと思っても2.7グラムぐらいの調整はいる・・・なんて事有ります。

 今手当たり次第、あるホイールを計測して実習していますが、いろんなことが分かりますね。八グラムのアンバランスなんて、野蛮に思えてきますよ。

 そのくらい、だいたい店主は0.2グラム検討で取れるように今練習中。面白い!もちろんウェイト一点張りとは限らない、だいたい二点、正確には三点ぐらいで取るというのもいいかも知れませんな。研究中・・・。

 リム内も一律で無し、タイヤもチューブも当然一律でない、想像ですがタイヤ付きホイールの内部が透けて見えて来る感じがします。

 そして、取れたホイールで乗るとき・・・、チョットした感激ですわ!

 まあ、そんなことで、あといくつか確認事項が実習にて確認し次第、このホイールバランス取りは当店の営業内に取り込んでまいります!もちろんシーズンには、間に合わせます・・・。

 あとは、チェーンの徹底洗浄と高級ケミカル漬けも・・・。

 この二つだけでも、自転車が別物になるはず!

日曜自転車学校 技術編終了の巻!あとはレポート・・・のみ



 上では、中学一年生が、自分の自転車のフレームを塗装しています。

 その下では、かの良太郎君の自転車改造が、その最終版が行われようとしています。

 今日少年ランドナーの完成させて、それで立川の家まで帰る!それがミッションです。そういうわけで技術編としてはできあがりで、それをいかにレポートにまとめて、みんなの前でプレゼンできるか?という段階に入っていきます。

 撮った写真を並べて、作業手順を書いていくだけでも、かなり膨大な量になりそうです。

 それに、整備不良の状態で立川から乗ってきた記録、整備万全で立川へ帰った記録、ドロップ化して走った記録などを入れると、これもすごい量ですね。

 それに、なんでこんな手の込んだことわざわざやってきたのか?その意義ってなんだと思うか?なんてとこまで編み上げていったら、チョットした小論文ですよ。

 まあ、ネタを多く、そこからどうそれらを圧縮していくか?というのが良い論文の条件のようなものですから、もう条件は整っている、といっていいでしょう。

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 大森先生の登場を待って、早速仕上げに取りかかります。今日の大工事は、クランクかな?

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 中学生といっても、ツーリング車なんだから、前二枚にした方がいい・・・んじゃない?という、まわりからのそそのかしにしっかり乗って、本人もその気に・・・。

 たまたまあった、もと居候のタコ野郎が置いていった二枚クランクがあったので、それを良太郎に伝授!あのタコ野郎も役に立ったというわけで、クサバの影から喜んでいることでしょ。

 こいつを装着して、フロントディレーラーを取り付け、ワイヤー張って、シフトの調整なんかやってみて、なんとか付きました。

 大森先生も慣れてきたのか、コーヒーなんかをズーズー飲みながら指導していきます。

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 やっぱり日が短いし、手順も遅くて当たり前、夜になっちゃったが、最後の工程である、バーテープ巻。

 ゆっくり時間かけて、きれいに巻きな、それが本当の仕上げなんだから。

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 最初にしては、上出来!ドロップハンドルに、バーコンシフター、上引きブレーキレバーに、カンチときた!

 十分スペックとしては揃っているし、走りにも過不足はない。

 まさに中学生が、中学生のために組み上げた、中学生のツーリング車だ!

 車体と乗り手が、まさに釣り合っている、理想的な人車一体!イヤーよかったねえ・・・。

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 先輩の佐々木さんからいただいた、反射板付きベストを着て、ヘルメットかぶって、颯爽と立川へ帰っていく少年でありました、とさ!!!

 
 と、後日お母さまから、メールが・・・。

「昨日は、出来上がった自転車を見せてくれました。

嬉しくて、二人で自転車をテーブルの横に置き、ロードバイクに変身した自転車を見ながら夕食を食べました。

そして、あまりにも嬉しすぎて、夕食を食べ終わったら「一回りしてくる」と自転車で出掛けて行きました。
人とのつながりの中で作業出来たこと、そして最後までやり遂げた、その達成感を体験させて頂き、本当にありがとうございました。
この経験が大きな成長になっていると良太郎の顔を見て、感じています。」

 まあ、店主の涙腺は硬いので、涙の一つも出ませんが・・・、よかった・・・、と思います。

 あとはレポートだぜ!もちろん書いて終わりじゃない、プレゼンもするぞ!

 あと、そうそう、もう一人、問題児がいた・・・、あのニコの野郎、課題は良太郎よりある癖に、今回登校してこなかった・・・。来週から大変なのは奴の方かも知れないなあ・・・。

 まあいい、乗りかけた舟、せいぜい泥船に乗った気で、気を引き締めてこい!

お手間をかける 2度目の挑戦 腕が上がっている・・・



 身長が伸びたので、今乗っている自転車を妹へ譲って、コイツに乗りたい。

 でも・・・、ただ乗るだけじゃなくて、なんかしたいなあ・・・。

 というのも、この子は以前、旧店舗にて既に自作自転車の製作をやっていたのでありました。それも2色で、最初の割には、将来が楽しみないい作品に仕上げていましたっけ。

 一度下草刈ったので、数年経っても、その後は分かるということで、2回目に挑戦。また日曜自転車教室・・・というより塗装教室となったのでありました。

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 さて、フレームのみにして、お待ちしていますところ、ご来店、では早速足付けなどやっていただきましょう!

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 手慣れたもんですね、2時間もしないうちに、ステッカー類をすべてはがして、デコボコをヤスリでならして、きちんと足付けを完了。

 昼休みで、お弁当を食べて、塗装開始!

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 今回も2色刷。初回で2色だったんで、今回もということです。

 吹く場所は、外の二階部分。手すりもないので、気をつけて吹いてね!

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 バイオレットを部分的に吹いたあと、白を持ち出してシュー・・・・。

 その後マスキングテープ貸してくださーい!と。いろん幅のあるマスキングテープに目を輝かせ、その内の二本を選んで何やら細工しています。

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 ホホー!ダウンチューブにスリーポイント有りますなあ。品がいい・・・。

 しかし、失敗もなく、手慣れたもんです。

 気温も低いので、今回はここまで。来週、クリアをかけて、パーツを選んで完了。あとはこちらが組み付ければ完成です。

 貸しだし塗装場です。

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 ここでやってもらいました。二階ですね。

 そして・・・、一階では、またまた日曜自転車教室が始まっていました。それは続編で・・・。

 しかし、中学生が自分の手を入れて、自分の乗り物である自転車を作っていこうとする。ある意味、自治への兆しだよね。どこにもひな形がない中で、大人と相談しながら作っていく。成長しないわけないわな。

 自転車を作ることも、食べ物を作ることも、自分たちの方向性を決めていくことも、自治に繋がります。

 こういう本当に身近な行動つまり自治と、観念的な「愛」、排他的な「愛」などとは、相容れません。ましてや、強制されるような「愛」などとは無縁なのであります。

 それよりも、自分および有縁である間柄にたいする「信」の方が重んじらているはずでありましょう。

 「愛国心」などという空気的観念などよりも、「信国心」なる言葉を使ってみよ。

 「国を愛せよ」など、簡単に言えること。それに対し「国を信ぜよ」とは、言った為政者自身に、直接返ってくるという意味で、その責任の重さに、為政者自身が震撼せざるをえない。

 信じられる国家を作らない限り国民は信じることはできない。まずはそこを目指せ。

 自転車屋は、信を軸とした自治のために、自転車を組み付けて参りましょう。

ブレーキを効かす



 かなり手を入れて、実用車を軽量化と高速化しました。これはこれで良かったんですが、雨が降ったとき後ブレーキが効かなくなった・・・というんですね。

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 この手のブレーキは、雨降ってからの短時間は効くようにできている、と思われます。雨の中で延々走るような自転車ではなくて、「雨だ、大変だ、家帰ろう!」と家路に急ぐくらいは効いてくれる、という感じですね。

 鉄枠を伝って、水が内部にはいると、これは効かなくなる。では雨でも効くブレーキは?

 まあ、ディスクなんていうのはその手なんじゃないかな?あのダートと泥水の中でもきくと聞いているんで・・・、多分ですが。

 実用車にディスク採用の選択肢はないとして、キャリパーか?

 キャリパーとて、雨になると効きは悪くなります。まずはでも、キャリパー化してみましょうか?ある意味それしかないのでねえ。

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 バンドブレーキを外して・・・。これ固定化もできますよ・・・。

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 あいているここに、キャリパーを付けて見ましょうか。

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 裏に付けてみたんですよ810というタイプ。

 これで走って、急ブレーキを何度も試してみるが・・・、甘い・・・ですね。これで雨降ったら・・・。

 そこで、同じキャリパーでも、もう少し筋金の入ったタイプに交換してみました。

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 ブレーキ板を入れて補強して、そこからの距離がそこそこありますので、超ロングアーチを選択するしかない・・・。でも810より202といいますが、コイツの方が屋台骨はしっかりしています。本来なら、ショートリーチの方が断然効くとは思いますが。

 そして回るクランクや、チェーン類との干渉も・・・
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 今回はセーフ!!!

 そこで、再度走って、ガツンと効かせてみる。・・・前よりはいい、確かに前よりは効く・・・、でもこれだけでブレーキを効かす交換に出したことで、果たして満足していただけるか?

 問題は、キャリパーブレーキに交換してくれ、という依頼ではなくて、雨でもブレーキを効くようにという依頼なのであります。

 そこで、もうひとつのブレーキ、フロントに注目。

 鉄板で作られた、モロ実用車のもの・・・。コイツにも協力を仰ぎます。まずは、ちょいとバラして、締め直し。リムをキャッチしたとき、リムの動きにつられて前に出ていては力が逃げますので、リムにつられずにしっかりその場で固定できるように、ナット類を締め直します。

 そして、こいつ・・・。

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 この消しゴム君・・・。こいつはまあ、なんですな。古いものだとゴムが硬化しますのでより効きにくくなります。

 こいつを、・・・レーサーのものに交換。

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 しかも、ちょいと荒技効かせて、トーインという進行方向「ハ」の字セッティング。これで2段効き、というかニギリによるスピード調整と制動時の音を消します。

 これで、前後のフルブレーキによって、効きは格段に良くなりました。やはり制動の要はフロントにあり・・・ですな。

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 大して見た目は変わりませんが、機能は、ぐんと変わりました。あともう少し効かせるというのであれば・・・、ブレーキレバーをもう少し剛性のあるものに変更することと・・・、あとはこれも荒技ですが、リムに縦傷を入れてザクッとグリップできるようにしていく・・・、ブレーキシューの減りは半端じゃなくなりますが、これかな?

 地味なんですが、こうした地道な仕事をしているとき、自らも自転車屋の端くれと、自覚します。

 こうしたチョットした依頼の中に、本質的なものが隠れているなんて事、有りますなあ・・・、奥深い、実に奥深い・・・。

 

スラムはスラノでいくかな・・・?



 三大コンポと言われていても、絶対数からしても少ないせいか、なぞの多い、少なくとも店主にとってはなぞの多いスラムなのであります。

 レッド、フォース、ライバル、アペックス、と四つのグレードを持つこのスラムですが、これら例えばシマノのデュラ、アルテ、105などとどう合わせていけばいいのか?よく分からないこともあるわけです。

 まあ、単純にレッドはデュラ、フォースはアルテ、ライバルが105で、アペックスはソラ、これでいいんじゃない?というのもありかと思えもしますが・・・。

 ただ、そう単純に比較できない事情というのがありまして、それは値段なのであります。

 例えば、入門編としてのコンポアペックスをフルで付けるとするとなんと106000円します、ソラですと34000円弱です。

 値段としての比較でいうと、シマノのアルテが93000円くらいで組めるので、なんと最下層のアペックスはアルテグラより高い、ということになってしまいます。あくまでも値段で見れば・・・ということですが。

 一つ上のライバルにいたっては、総コンポで約14万弱。どうです、じゃあ付けようって判断になりますかね?ちなみに105は6万しません・・・。

 仮にライバルと105の階級が同じとしても、8万前後の値段の差が付いているとしたら、一体何をどう比較して、選択するか?ということになりますな。

 単純にスラムを選ぶ方は、粋狂な方、新しもの好きの方、といえるのかしら?

 この辺、階級は整えても、値段の開きがスゴイので、全く違うところでメーカー同士、勝負している・・・イヤ、勝負すらしていないんじゃないか?とさえ思えます。

 ちなみにたまたまあったので、スラムとアペックスの比較した、印象を述べてみます。かなりいい加減。

 上の写真のブレーキですが、アウター受けまでのしゃれた空洞三角形の大きさが若干違うぐらいで、多少の表面の形状も含めて、ほんの少しの違いくらいしか見られませんねえ。重さも6グラムライバルが軽い・・・程度。

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 フロントディレーラーにいたっては、ほぼ同じ・・・なんじゃない?機能的な違いはつけて実際シフティングをしてみないと分かりませんが、見た目はほぼ同じ。重さも一グラムライバルが軽いくらいです・・・。値段も千円ほどの違い。

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 ここはレバーがカーボンなのがライバル、アルミなのがアペックス、この違いはハッキリしています。ただ重さは11グラムの違いだけ。3000円の違いとして吸収できるか?です。

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 レッドクラスになると、かなりメカニカルで手の込んだ設計と作りをしているように見え、さすが!といえたリアディレーラーですが、下位2クラスとなると、まあどこにでもあるリアディレーラーでしょう・・・、見た目の違いも分からないなあ・・・。13グラムの違い・・・。

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 クランクですが、これはもった感じで主さの違いは歴然でした。さすがに一万の違いはデカイかな?52グラムライバルの軽量ということで。

 ただ、わざわざ裏撮りしたのは理由があって、変速効率に関わるギア板については、ほとんど同じと見ていいでしょう。スモールパーツとして取り寄せたら、値段が同じ・・・なんてことあるかも知れませんね。この辺のパーツ系は共通の可能性もありでしょう。

 ウーン、で、スラムどうします?

 落車で破損の起こりうるレース機材として、機能的には優れていても、値段等を考慮すると、実用にどこまでむくか?ということなんかが関わってきますねえ。

 そうなると、シマノ最強!といわざるを得ませんが、それだけでは面白くはない・・・。スラムさんにもう少し値段を下げていただくよう、嘆願する・・・。

 多分この値段設定には、それなりの経営戦略があるんじゃないのか?スラムは値段ではなく、○○で勝負!というような。または安いのがいいなら、シマノさんをどうぞ、お使いください!的な・・・?

 ただし、スラムの店主が感じる魅力というのは、確かにあります。

 トップ選手が使うようなスラムレッドなどは、全くもってクラシック車には向かない、というか自ら見向きもしない、むしろ近未来的な方向にトップで走っていっているような、割り切りの良さのようなものがあります。

 クラシック車?それはカンパさんにお任せします!的な・・・。

 そういう視点から、今後より画期的な機能やデザインがスラムを起点に出てくるような、予感がしますね。スラムには、ジョブズのような人がいるのかしら?

 一方シマノさんは大量の予算を機能向上の開発にさいて、愚直に研究していただいて、コケない技術の集大成でいってもらいたいです、あとはガンダム世代の工業デザインでどうぞ!

 まあ、勝手な雑感はここまで・・・もう暫く・・・行きますか。

 あとスラムの特徴といえば、ダブルタップでしょうな。

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 105との比較で見るまでもなく、ブレーキワイヤーを引くレバーに、シマノは変速機構を載せているにもかかわらず、スラムはカンパと同じく、レバー一本。

 だから、ブレーキの引きは格段に軽い!ここは大切ですね、少なくとも店主にとってはブレーキのひきの軽さは、重要です。

 あとダブルタップの形状から、手の小さい人にも向く、というイメージありですね。

 ということは、ここからが実質的な提案になりますが・・・。

 レース機材として考えるならば、フルコンポスラムというのはどうしても高額!最下層のスラムコンポに10万以上なんてあり得ません。だったら、迷わずシマノのフルアルテです!もちろん、スラムに惚れた!というのであれば、別に問題ありません。フルでどうぞ!

 ただ、ダブルタップの機能とセンスに着目するならば、これは中にはこれじゃなければ、という人がいても、全くおかしくはありません!

 となると、ダブルタップは使いたい、でもフルスラムは高額だ、となると残りの選択肢は、これしかありません。

 俗に言う、スラノであります。

 シマノとスラムのキメラということですね。ハブやスプロケやチェーンなどの互換性はシマノとスラムはいいですね。

 そこで、ダブルタップとリアディレーラーのみをスラムにして、残りのパーツをシマノでそろえる。

 ブレーキ、クランク、フロントディレーラー、スプロケ、チェーンをシマノにして、予算を抑えるということ。

 これかな?と思う次第なんであります。

 先日も書きましたように、スラムレッドの最軽量のスプロケット・・・。

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 フリーのセレーションへの引っかかりが少ない・・・ように思えるのは杞憂なんでしょうか?もちろんスラムさんのことですから、何千時間かけての耐久テストなんてやっているんだと思いますが、やはり、現場をあずかるメカとしては、どうも心配なんですね。

 普段練習用に使うのであれば、年間数万キロ走るのであれば、互換性のある愚直に作られている、シマノのスプロケにしておく方が、無難なのではないか?と思ったり、オススメしたりします。

 スラムなぞの多いメーカーです。

 今から6、7年前、サイクルショーで始めて見て、シマノ・カンパに食い込む選択肢として、これはいいなあ、と思ったのがはじめでした。元々マウンテンの方では、かなりやっていましたしね。

 シマノの技術屋さんに聞いても、マウンテンはかなりスラムに食われていることに、危機感を持っていましたね。

 「ウソでしょ?マウンテンではシマノさん一人勝ちじゃないですか?」

 「そんなことないんですよ、スラムさんもかなりがんばっているんで・・・」なんてやりとりもありましたね。

 で、暫くパッタリ、スラムのロードコンポの話がなかったんです。なんだ尻つぼみかよ・・・と思いきや、数年前のベルタでコンタドールが優勝したコンポに、しっかり載っていたのが、スラムでした。

 しかもレッドとかいう、最高級コンポを作っていたんですね・・・。なんだやってたんじゃない・・・。

 それから完成車にもスラムがお目見えするようになってきて、なら、三大コンポだし、入荷できるように手続き取ろうと思って、当時はジャイアントジャパンが取り扱っていたので、取引申し込みをしたら・・・。

 人員が足りなくて、今新規さん募集できません、と断られ・・・。ただ、完成車に既に載っていることから、スモールパーツだけでも取れないか?と食い下がりましたが、もう限界のようでした。

 そして、今やダートフリークさんが取り扱いを始めて、ようやく、まともに入荷できるようになってきた・・・という経緯。

 突然現れて、暫く見えなくて、また突然最強コンポとして登場して、取引上またのがして、ようやく可能になるというように、山あり谷ありです。だから、イメージ的にもなぞなメーカーさんなんですね。

 ただ、せっかくの三大コンポなんで、何らかの関わりは持っていたいわけです。

 まあ、そこからの提案ということなので、聞き流してくださいませ。

 値段と機能との折り合い点は、スラノ!ダブルタップとリアディレーラーのみスラム、あとはシマノで組み付ける、これを暫定結論として、ご提案・・・しましょうかね。

 まあ、戯れ言ですので、聞き流しておくんなまし!

残りもんには福があるかもね!



 長年会社の片隅にうち捨てられていた、一台だったそうです。

 フレーム見ても、意外とよく組まれているようなので、これで子育て号できないか?と、会社の人からもらってきた、ということなんですねえ。

 夜自分の乗る自転車とコイツの首根っこを掴んで走っていると、警官に呼び止められたとか。

 店主もかつてはそういうことありましたが、四十手前ですか?お通夜帰りに、呼び止められたとき「今まで散々協力してきたんで、こちらももう四十、そろそろ勘弁してくれませんかねえ?」と断ったら、「分かりました」と敬礼してきて以来、そもそも呼び止められなくなりましたし、仮に呼び止められても「もうこちらももう五十だから勘弁してもらいますわ」というでしょう。

 まあ、どうでもいいか・・・。

 ということで、こちらに持ち込まれたんですが、小径で、ロングベース車というのは、子のせにはもってこいですね。しかもフレームが結構頑丈ときていれば、かなりいいです。

 では、始めましょう。予算の縛りがありますんで、枠内で収めます!

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 サビサビで、ガタガタ。小径だけにクランクはデカめ。これに代わるものをさがして、BBごと代えましょう。

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 バッシュガードまで付いて、いい感じです。

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 よく錆びます。ここまでよくぞ錆びました。

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 チェーンもスプロケも代えて、今度は油漬けにして、回りや摩擦をよくしてやります。

 回るんだよねえ、こうやると・・・。

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 この荷台、錆落としすれば使えなくもありませんが、奥さんと共用で、後子のせを付けたい、ということなので、それではもう少し強度を出しましょう、ということで、荷台27キロ対応のものに交換です。

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 多少上に上がりましたが、子供の載せ降ろしには、このくらいの方が楽かもです。

 で、この上に、アダプターを付けておきます。

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 これで、いつでもダイヤル回して、奥さんの方から子のせを外して、再度ダイヤル回して取り付けてやれば、一個の子のせで、二重に役立つ、というわけです。これチョコッとオススメ。

 「いつも私が載せてんだから、休みの日ぐらいは、お父さんが載せてやってよ!」なんて声が聞こえてきそうです。

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 ついでに、前が開いていたので、前載せ付けておきました。もうそろそろ三歳だと、体も大きくなって乗りにくくなりそうですね。

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 小径の高低を利用して、下にカゴ付けをします。足置きと干渉しません!

 あとは、破れたサドル。

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 これはもう放っておけません。一回乗ろうとしましたが、崩れ落ちそうです。

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 バックスキン、一見高級モードのサドルに変更!ならついでに、グリップも、一見高級志向でいきましょうか?

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 そんなこんなで、完成です!

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 フレーム見ても、何ともありませんね。

 ハイ、ならあともう一働きしてもらいますよ!街道出て、父子のサイクリングに役立ってくれ!

 君はまだまだ走るし、走った方がいいだろう?

 こういう自転車、いつでもおいで、また街道に戻ろうぜ!

異種格闘技戦!慣れと応用の巻!

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 当店名物の同色自販機!暑いときは冷たいものを、寒いときには温かいものを提供している、便利な奴なんであります。

 中身は基本伊藤園さんなんですが、ちょいとアレンジ・・・、というか相当アレンジしています。店主好みというか、やりたいように・・・なんですね。

 この自販機設置は、ちょいとおすすめです。スペースのある方は、設置を考える価値はあります。

 それは何か?

 備蓄であります、正確には備蓄癖が付くということ、これなんですね。

 なんで備蓄か?

 まあ、忘れた方は相当脳天気なんでありましょう。でも、まだ三年も経っていない中、おぼえておられる方が大半でしょう。

 震災ですよ。最近では東京オリンピックを意識してか、どうも震災被害を低く見積もる傾向があるように思えますが。どうなんでしょうね。首都圏で震度6以上の直下型が起きて、二万程度の死者で済むんでしょうか?

 まあこの辺むずかしい判断でしょうが、なんかのイベントなどを考慮しての、低めの想定などというものがあるようでしたら、ゴメン被りたいですね。

 何でもかんでも「想定外」で済むとおもってんなよ!

 とまあ、大抵何が起きても、死者が生者を上回ることはない、と考えますと震災対策というのは震災後どうやって生きていくか?ということなのであります。

 水、水分がいかに大切か?店主はまだ身にしみています。震災後、二日ばかり、乳児に水道水を飲ませられなくなったあの日を。

 東電!忘れていないぞよ!

 水の備蓄をしていなかった、あの時ほど、狼狽えたことはありませんでしたね。子狸がまだ六ヶ月に満たないときでした。兵糧攻めより、恐ろしい飲み水攻め、なのであります。

 飲み水が無くて、一週間は持ちません・・・。

 そこで、以来、遠方より安全な水を定期的に取り、少々飲みつつ、備蓄していくよう、励んでおるわけであります。

 みなさまの中にも、当時より水の備蓄を励行されている方も多くいるかと思います。

 東京は砂漠です。通常なら、銭という鍵で飲み食いを確保できる、特別な所でもありますが、非常時には銭という鍵は効かなくなります。

 だから備蓄なんですが・・・。

 ただ備蓄の難点は、ため込んだものを消費せずに取っておくことを基本とするので、徐々に消費期限が来てしまうということなんであります。

 消費しながら、消費した分を備蓄していけばいいものを、非常食なんて、非常でないのに食べたりはしません。これは非常時のもの、というカテゴリーに当てはめたら、それは消費から遠ざかってしまいます。

 つまり新陳代謝をしなくなり、大した地震も起きずに、その内震災の危機意識も薄れて、イザという時、完全消費期限切れ・・・なんて事大いにあり得ると思いませんか?

 何の話か?自販機設置の話ですね。

 自販機を設置しておくと、機会の中と、外に常に飲料を備蓄しているわけなのであります。それも、新陳代謝が効いており、常に新しい飲料が通常の家庭よりも多く備蓄されている・・・という利点が、あるんです!

 確かに、電気代はこちら持ちですが、今はかなり省エネタイプの機械もあるので、多少の維持費と思えば、さほど高くはない・・・。

 それよりも、家庭の大型冷蔵庫などよりも、数倍備蓄のできる自販機を持っているというのは、ある意味心強いんですよ。

 そういう意味で、スペースがあるのであれば、自販機設置、震災対策としていかがですか?なんていう、変な宣伝です・・・。伊藤園で良ければ、いい営業マンさんがいますので、ご紹介しますよ!

 で、この当店の名物自販機の名物内容をご紹介しましょう!

 伊藤園のお茶も大変いいんですが、これです!

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 X缶!六十円で一体何が出てくるかが分からない・・・、ルーレット的な選択肢なんです。これは温かい飲み物なんですが、この季節、冷たい方もやっているんですね。

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 販売機を主催している方からすれば、結果的に人気のでなかった缶や、つまり売れ残りや、機械の設定上必ず一本余ってしまう缶などが、随分とたまってくるんであります。

 これらをどう捌くか?

 考えた末が、この何が出るか分からない、X缶なのであります。

 何が人気って、時に近所の中学生のたまり場になります。部活帰りの学生君らが、ハラハラドキドキ、「ええ!マジ!おしるこかよ!」とか「オオラッキー!六十円でジンジャーエール!」と、大騒ぎ。

 他の売れ線ものとは一線を画す面白みがこのX缶なのであります。

 そのX缶が、詰まった・・・。理由は、分かっています。

 そいつらを摘出しないと、いつまでも「売り切れ」印が点灯してしまいます。

 なれない機械ですが、ここは自転車応用ということで、自分でこじ開けてみようと思いました。

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 まず外すコラムに入っているすべての飲料を取り出します。これの三倍はあります。相当の備蓄でしょ?

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 第一の扉を開けると、保温のための遮蔽壁が見えます。

 こいつをはぐると・・・。

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 コラムの前面の全貌が明らかになります。なんと取り出しには、2個のビスを抜けばいいことが判明。コラムの棚は吊されている状態にありますね。置かれる構造にすると、棚自体の強度が要求されるので、何かと重量などがかかるのではないか?と思います。

 ビスを上下2個外すと、吊されている金具が外れます、ゆっくり前に倒して持ってこようとしても、中々外れてくれません・・・。

 下を見ると、原因が判明。

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 こいつです、機械内部のコードが引っ張って、抜けなくさせている、ということでした。この二つのジョイントを外すと。ようやく、グニャクニャ前後・上下動くようになります。

 極薄いアルミ板を上下左右にはめ込み形式に作っているため、棚自体はきしみ、歪みがひどく、よくこんなのに、缶コーヒー十六個とか入るなあ・・・と関心。

 これもつり下げ構造によるものなんでしょうね、つり下げられて、逆に缶コーヒーの重さを利用して、構造自体をしっかり締めるというやり方か?

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 グニャグニャしながら、ようやっとコラム棚の取り出しができました。ただ、構造上自立してくれません、相変わらず、グニャグニャです。

 原因箇所を見ると、やはり・・・。

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 缶が地面に平行にではなく、斜めに落ち込んでいるため、詰まっている・・・ということが判明。予想通りであります。で、原因も分かっています。

 缶は同一の大きさのものを入れることが基本。それが重なってくるわけですから、下から一個ずつ、出てくる。

 ところが、お楽しみのX缶は、種類が豊富、ということは缶の形もマチマチなんですね。ということは、極端に小さい缶の上にデカイ缶が乗るとそのデカイ分が、偏りとなって斜めに落ちてしまう、またはものによっては小さい缶が縦になって詰まってしまう・・・、まあ、そんなことが起こりえる・・・ということです。

 で・・・どうするか?

 コラムは手前から一枚目、二枚目、三枚目、四枚目、五枚目と五層構造になっているんですね。奧に行くほど、取り出しも難しく、複雑。

 ということは、手前の一枚目のコラムが一番管理しやすい、ということが言えるんです。

 この変に人気なX缶を続けるというのであれば、一番手前のコラムに入れて、詰まっても、外からドライバーや手で修正できるところに移動すべし!という結論ですわ。

 入れ替え、値段のチェックなどして、コラムを元に戻し、例のジョイントを繋げる。

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 もとに収まりました!

 次やるときは、もっと手早くできるでしょう。慣れと応用です。

 全く毛色の違うものをいじるときも、応用ですね。本当・・・。そういう意味で、仕事は通底しているんだと思います。

 自転車をしっかりいじれる形式を身につければ、それはそれで何とかなる可能性が高くなる・・・。自転車基軸に職業支援もできるかもなあ・・・。

 自転車いじれば、自販機だって!

 異種格闘技、学ぶとこ多いッス!

問題児登場!学校だけが学校じゃない・・・



 お母さんの自転車ということで、持ち込まれました。別に何をどうする、というほどの改造依頼ではありませんが・・・。

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 このディレーラーを取り替えたいと、自転車自体にリアディレラー台座がないため、取り付け台座をどうにかならないか?という相談も込めてなんだが・・・。

 ただ、あの台座、正爪用のものが、ないんですな。中々作ってくれない。ある時に三枚・・・とか、取ってくるしかない。まあ、製造中止にはしないでしょうが、薄氷を踏むような状況です。

 なわけなので、その台座・・・、元々付いているディレーラー台座から外してしまえということで・・・、しかもこの依頼人君、チョット時間がありそうなんですよ。

 腕に覚えもあるとか、なら、自分でやんな、ということでお呼び出し。

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 チェーンを外して、後輪抜いて、ディレーラー摘出。ディレーラーから台座を取り外し、そのまんま使えないので、台座から飛び出ている、軸を外す。

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 タガネを使って、ゴンゴンと。そのあと、9.5ミリで穴を整えて、10ミリタップを切る。

 その後、持ち込みのディレーラーが壊れていることに気づき、ありものディレーラーを合わせる。

 もちろんそのまま付くほど甘くはない、テンションボルトを置く座とディレーラの形に沿って、板加工します。

 結構手間がかかる・・・。

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 まあ、サポート付きではあるが、そんなこんなで、ディレーラー取り付け完了!金より手間がかかる・・・。多少実感したかな?

 取り替えたからといって、どうということはないが、まあ当店の手の内を明かしたという意味は、例えこんな少年であったとしても小さくはない・・・。

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 作業自体は好きなようで、別自転車の荷台取り付けなんかも、チョコッと手伝ったり・・・。

 何やら、今年の大学受験生がゆとり最終世代で、来年からは別教育の学生達が受験をするらしい。浪人したゆとり世代は、さぞかし来年の受験は大変だとか、または、世代によって受験内容を変えるとか。何がどうなったんだろう?円周率を3.14から、3にした意味てなんだったんでしょう?

 近似値が出るから0.14を削った?としたら、愚かな選択です。この世には無理数というのがあって、しかも循環小数でない無理数ということ、無限とは何か?そもそも数って何なんだ?という想像力を育てる話としての3.14ではないのか?

 官僚の右往左往に付き合わされる学生も大変なものだ。

 果たして学校だけが、学校なのだろうか?

 店主は基礎学力、基礎体力、基礎教養、そして学問は非常に大切なものだと思っている。

 しかし、それはいわゆる学校だけの専売ではないはず。確かに入れておけば便利ではある。

 ただ、方針が違うと思えば、やめてしまって、ダメなのか?

 もっと幅を持って、入り口も複数有るような、したがって出口も複数あってもいいような、教育方ってあってもいいのでは?とも思う。

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 ブレーキ調整もやって、多少自転車の内部についても踏み込めたであろうか?自転車を入り口に、学べる道もあろうなあ・・・などと、うつらうつら考える。

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 このやるべきことをやり抜いた、無愛想な面がまえ!いいではないか!

 この問題児め!どこからでも吸収して、学んでいけ!時におだてられて、時に鼻っ柱へし折られて、大いに挫折をくぐって、またより深く学んで・・・、その繰り返しだ。

 精進しよう、お互いな。

高速化!ほかにもある・・・、あります!



 これ折りたたみ小径車ですが、ちょいとその辺のものとは、ものが違う!

 どこか?

 ここです!

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 ちょいと度肝抜きギア板でしょ?なんと60T。簡単に入手可能なものとしては、最大級です。まあ、通常の足なら小径車以外には使えないでしょう。重すぎです。

 確か、同い年のミゲール・インデュラインは、アワーレコード出すとき60T*14Tとかいうバカでかいギア比で踏んでいたときいたことありますが、まあ、700Cで使うなんていうには、こうした超人クラスでないと踏みこなせない代物です。

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 裏には52Tかなにかが付いています。フロントディレーラーはなし!指でチェーンをつまんで、シフトする、いわゆるサムシフター形式。

 とにかくスピードを出したいということで、こうしたわけですが、もっとスピードが欲しくなってきたようですぞ。

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 目を付けたのがここ。トップが14T、これをもう少し小さくすると、ギア比が上がるというということで、なんとトップ11Tを探してきたので、取り替えて欲しいとのこと。

 6速から7速になるので、ホイールのセンターなどが問題になりそうですが・・・。他は・・・。

 と思ったら、このボスフリーには、専用の着脱工具が必要になります。当店所有のいくつかで試してみましたが、どうも、深いところまでセレーションが入らないので、日々チェーンで締め付けられているボスフリーですから、外すときには相当のトルクが必要になります。

 そのトルクには耐えられない・・・、どうしても専用工具が必要になりますな。取り付けは手でできますが、外すことができないので、しかも11Tを多用するとすれば、スゴイ勢いでギアは減りますんで、歯飛びしたとき、交換する必要が、その時外せないようでは、これは大変です・・・。

 専用工具購入をお約束して、施工します。

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 取り付け自体は難しくはありませんが、やはり、センター出しが手間でした。

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 右側ニップルを締めては、振れ取りして、それを繰り返して、センターを出していく。

 思った以上、結構ごねてくれましたが、なんとか装着完了。

 14Tから11Tへの変更は、それは踏みだし、相当違うでしょう。スピード維持も結構行けそうです。

 ただし、より高速化、というのであれば、いくつか課題が残ります。

 小径車用の専用コンポとしてカプレオというコンポがあるんですが、コイツのトップがなんと9Tなんです!11Tよりも二枚重いです!

 カプレオのハブで後輪を組み直してやれば、よりスピードアップが・・・。悪魔のささやきです。

 それとここ!

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 折りたたみステムとフラットハンドル、こいつをエの長めのステムとブルホーンハンドルに交換して、試乗ポジションを前傾にしてやる。こうすれば、確実に速くなります!

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 まあ、今回はおとなしめの改造ですが、やろうと思えば、そこまで可能ですので、ユルユルとご検討・・・お願いいたします。

 多分、ガラリと変わるはずです!

 その先の、そのまた先へ!

 悪魔のささやきでした・・・



いつの間にやら日曜自転車教室化・・・新人も登場・・・



 あの東京ボンタの良太郎、この日曜日も自転車学校に登校してきました。

 大森先生より、今日の作業スケジュールの発表がありました。と、あれ?見慣れぬ顔が・・・。

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 コイツです。名前は色々あるようですが、ニコ。お父さんが木工職人らしい。発音が英語っぽいので、よく聞き取れませんが、日本語は意外と達者。

 なんで来たか?というと、彼にも学校のレポート課題というのがあって、自転車関連らしいのです。

 釣り好きなんで、クーラーボックス等がキッチリ載せられるトレーラーを作って、自転車にくくりつけるという課題を課しているようなんだが、まあ、思った以上にうまく行かないので、来週辺り、ものを持ち込んで本格指導ということに、今回はその偵察のようなものらしい。

 しかし、釣りと自転車なんて、いい組み合わせじゃない。名づけて「どっちもシマノ」。釣り具メーカーでもあるシマノ、自転車とペアで売ったら、いいのにね。こちらが企画して、PV作って、シマノから引っ張るか?

 良太郎もニコもやりたがり屋、うろついているだけで、スポンジのように吸収していくでしょう。期待しないで、楽しみにしていて、よろしい奴らであります。

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 ニコは目を輝かせて、店内を徘徊し、いる人に話しかけては、楽しんでいるようでした。一方良太郎も、寡黙な大森先生の指導を受ける。

 大森先生は余計なことは言わないので、しっかり質問していかないと、ザルのように抜けていってしまう。しかも、いい質問をしないと、いい答えは得られない・・・。中々緊張感のある先生なのであります。

 しっかり習えよ!

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 今日は、ワイヤー系を中心とした授業のようだね。ワイヤーワークは本当に大変なところ、ショップの腕の見せ所なので、よーく学べよ。

 終わりましたー・・・と。

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 カンチ付けたか・・・。しかも調整のむずかしいタイプ、よくやったなあ。

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 シフターはバーコンね。太鼓が出ていると言うことは、シフティングまでは行ってなかったわけね。まあ、いいあと四回ぐらい来られそう、二回はレポート分に回すとして、プレゼンの練習もしないとな。

 もう一人、生徒も増えたことだし、一月半、しっかりやらないとなあ・・・。しかし、いつから日曜自転車学校になったのか?まあ、NPO展開も考えている当店としては、いい助走かも知れないね。

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 ハイ、いつものわざとらしい、記念撮影で、本日終了!

 来週は、ニコのトレーラー製作も入って、にぎやかになりそうです、ちょっかいかけたい方は、是非、遊びに来てください。からかい甲斐はある子達です。

 では、来週!キーンコーンカーンコーン・・・キーンコーンカーンコーン!

紺屋の白袴 軌跡のチェーン・・・



 思い立って出たはいいが、スゴイ北風・・・でした。

 ただ走り始めると楽しいのが、自転車ですね。でも寒い朝、走るまでが大変・・・。

 思いつきで用意したもので、どうもシューズカバーが見つからない・・・。あれがないと、足が寒風でちぎれるか?とおもいますな。でも見つからなかったので、レインカバーをしました。

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 結果的にこれでOK!軽いし足首に負担がない、多少ばたつくも寒風カットで、調子よし!

 楽しいのもいいんですが、反省も随分ありますわ。

 イヤー、悪かった・・・。紺屋の白袴とはこのことで、随分とほったらかしにしてしまっていました・・・。

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 まずチェーン。本当ゴメン、取り替える時期を随分と過ぎてしまった。

 新チェーンに交換しましょう。

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 デフォルトのオイルをしっかり抜きます。かなり粘度ありなんで、チェーンとしてのオイルというより、保護のためのオイルと見ていいでしょう。こういうものはしっかり取って、張ります。

 そして、魔法のオイルをコロ一つ一つに、点眼するように、たらします。

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 浸透して、余分なオイルをしっかり切って、チェーンを張ります。

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 回すと音がしない・・・。これはスゴイケミカルだ!

 これから、チェーンメンテも非常に大事な内容になりそうですね。遠乗りの前、レースの前など、これは大事ですよ!

 チェーンの徹底洗浄、オイル浸透、ミッシングリンクで再設置という工程です。

 あと、その前に・・・。

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 プーリーもう交換。外してみると、固まったオイルと埃がビッシリ、本当ゴメンナー。

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 ブレーキシューも交換。あと少しで舟の金属が、リム接触ギリギリでした。これもゴメンナー。

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 ワイヤーも・・・。これ左には長年シマノの太鼓がついていました。ゴメンナー・・・。本当に悪い・・・。

 今回ワイヤー類も一式交換です。

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 これでシフティングと、ブレーキングが格段に良くなりました・・・。本当ゴメン・・・。

 メチャメチャ乗りやすい!ちょいと感激・・・。ギアも二枚は軽い・・・。洗浄とケミカルは本当大切。

 レーサー諸君!決戦の前日には、特にチェーン洗浄とケミカル点検はしなさいよ!別の自転車に生まれ変わるよ。

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 最後はバーテープ。大のお気に入りのオフザフロントのバーテープ。これが製造中止・・・。ククク、以来手にピッタリ来るバーテープさがして、何年になりますか?未だシックリするものありません・・・。

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 OGKの極薄0.7ミリというのを使ってみましたが、悪くはないが、君ではない・・・という感じです。

 とはいえ、コアの機能がこれほど上がれば、やはりカワイイ奴でありますな。チタン、コイツとのつきあいは短くはない。色々、一緒に移動したし、いろんな景色を見たよな。その割に、古女房みたいに、何にもしてやらなかった。

 まだまだよく走るし、スゴイいい奴だわ、君は!

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 スッキリと、シンプルで、中々美人である!走りもいいし、これからもよろしく!もっと、細かく面倒見ますんで!

未練タラタラ 早く手放せ!これはツーリング車に戻しましょう



 この自転車のいきさつは、こちらに詳しく書かれております。

 もう七年前になるんですねえ・・・。高校生だったやつが、大学をくねって今や社会人手前なんですから。

 お年玉で購入したクロスバイクをよくもまあ、こんな車体にしてしまったものです。

 それにもまして、団地の一室でやっていた、どう見てもあやしい自転車屋に、よくもまあ高校生一人が、そんな依頼をしにきたもんだ・・・と、今でも思いますな。

 ある種チャレンジャーなんでしょう。当時は最若手でしたもんな。

 その後、チョコマカ来るようになりまして、おじいさんが元気な頃、家を出ては家人に連れ戻されるということがあったんですが、彼もおじいさん捜索の一人で、追跡の合間に当店に寄ってコーヒーを飲んでいた。

 いいのかい?そんなにのんびりして?

 いいんですよ、少し歩かせて疲れさせないと、家に帰る気にならないみたいで・・・、こうやって泳がしておいていいんです・・・。

 さながら、刑事なみの言いっぷりであった。

 そんな奴が、受験を前にロードに乗りたいなどとうつつを抜かしたんで、ちょっとまて!学問するなら、そのための準備を今はしろ!自転車で逃げ道を作るな!しっかり受験暦を作ってからでないと出入り禁止!

 今は売れればだれにでもふっかけては売る、商売人になりました店主ではありますが、当時はまだ教員風が残っていたんでしょうな。それから数ヶ月は、来店無しだったんですが・・・。

 急に七月半ばになって、「背中に腫瘍ができたんで、手術します!」と言って、消えたんです。

 その後のいきさつはこういう事になって、無事手術が成功して、かゆ食わせたり、まあ、そして無事退院したりと、色々ありましたわ。

 大学入って、サイクリング部、競技も始めて、全日本選手権にまでエントリーできたというのは、まさに彗星のごとくの活躍だったわけですが、度重なるケガで、引退を決意。

 持っている自転車、二台を残して、全部放出!という苦渋の選択をしてるわけです。

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 毎度お馴染み、伝説のライダー君であります。

 手塩にかけた、このシングルクロスも手放す・・・と。

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 もちろん大したスペックではありませんよ。

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 何このクランク?って感じ。ありもののインナーを抜いて、入れ替えただけのもの。

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 この趣味の悪いバーテープ・・・。

 もちろんこれで、買います!なんて言う奇特な方はいないと思いますんで、これをまたクロス・・・、しかもドロップクロスにして、日本一周でもしたい!なんて言う、若い子に渡っていったら、伝説ライダー君も本望なのではないか?

 と思いきや・・・。

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 どうも未練タラタラらしいです・・・。困ったもんだ。

 実は、まだカーボンロードと、アルミのディスクホイール付きピストがあるんですよ。こればかりはまだ、手放せないとかなんですが、これもある一定時間が経てば、放出するでしょうから、今から175センチ前後の自転車ノリ君は、伝説のライダー君に、交渉仕掛けてもいいんじゃないかな?

 もう自転車はやめたんだし・・・。

 というわけで、あの中学生にでも手伝わせつつ、このシングルクロスをドロップクロスにして、乗る気のある学生君に渡していこうという計画です!

 でき次第、公表します!暫くお待ちください!

シルクが・・・別の品に乗り移るの巻



 シンプルなシルクフレームに、クラシカルパーツ。結構マニアかな?と思いきや、まったく嫌み無し。

 デカールも何も残さずに、再塗装を、ということでご依頼いただきました。

 黒・・・、濃い藍色。一見黒で、よく見れば濃紺・・・。という。

 いろんな接近のしかた有りますねえ・・・。深みを出すなら・・・。

 浅めの藍色ではいって、どう抜くか?ですね。

 相変わらず、写真では正確な色は出ませんが、イメージを込めてご覧ください。

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 前預かったシルクも、シルクとしてガラリとかえましたが、今回はシルクに拘らず、色の変化をドカンと行きましょうと。

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 言われてみれば、藍色とも見えるでしょ?濃紺かな?明るいと紺系に見えますが、暗いと真っ黒です。

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 いかにもシルク。ワイヤー受けが付いています。こういう入り組んだところっていうのは塗りにくい・・・。

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 しっかり塗りましたともさ・・・。

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 黒字の青キャンディーか、青地の黒キャンディーか?キャンディーというのは下の色との関係ですから、思うようにいかないことが多いですが、まあ、今回はなんとか、要望には沿えたかな?という感じですね。

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 なんと!なんですが、ドロップハンドルをプロムナードに・・・。ということなんです!!!

 なんで・・・といっても趣味の問題ですから、それもありかな?

 再塗装とハンドルを変えるだけで、別物に変化してしまいました。全く雰囲気の違う一台です。

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 全く別物でしょ?乗り味も別物でしょう・・・、恐るべし再塗装、恐るべし試乗ポジションであります。

 新しい自転車を購入した気分にもなれる・・・、その実自分の大切にしているフレームであるのがまた尚嬉しい・・・。

 再塗装、自転車再生の鍵でもありますな・・・。

スラムをどうするか?

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 シマノの105から、スラムレッドへの載せ替えをいうご依頼です。

 三大コンポといいますが、絶対数からいうと、スラムは一番少ないでしょうな。

 歴史の浅さもしかり、レースコンポとしての質はOKとしても、ワッシャー一個からとれるシマノとの差は、もちろんカンパもそうですが、埋めようがありませんな。カンパは専用の会社を作って対応しておりますが、オーダーがしにくいです。

 シマノが画面指して個数を入れれば、即発注というところ、カンパは分解図を見ては、パーツ番号メモって、用紙に転記して、ファックスするという、手間が掛かります。当然、ミスも出やすいでしょう。

 スラムもカンパと同じ。しかも分解図はさして細かくはない・・・という感じですね。

 利用側は、何もトラブルが無ければ、完成品としての精度を求めればいいので、好みで選べますが、管理側となると落車で壊れることを前提に制度が組まれている方をやはり重視せざるを得なくなる、という事情がありますな。

 まあ、そんなこと言いだしたら、シマノ一人勝ちなので面白くはありませんが・・・。

 さてと、105を外して、スラムレッドを付けて参ります。

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 決して悪くはない・・・105。

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 カーボンで軽い!悉く軽いですね。申し分のない作りだと思います。さすが・・・。

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 105もレースコンポのブレーキですが。
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 スラムも効きますね。でも、ダブルピポットではない・・・ようです。

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 105の重厚感が、スラムでは・・・。

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 ちょいとメカニカルにも見えます。

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 何の落ち度もない105ですが。

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 スラムのリアディレーラーの作りは、ちょいと瞠目ものでしょう。ここが好きだから!というスラムファンはいるんじゃないかな?

 ずいぶん前の出たてのころの、スラムレッドを見た印象ですが、リアディレーラーの開発にえらく金かけているなあ・・・というもの。

 それから比べれば、フロントディレーラーなんて、これが最高コンポかよ!と思えるくらいの台湾の中学生が夏休みの課題で作ったようなデキ・・・。そのギャップに驚いたことがありましたな。

 リアディレーラーは、シマノとの互換性もないところなので、スラムの真骨頂なんじゃないかな?

 ユーチューブなどで、チェーンのばたつき、シマノVSスラムなんてありますね。マウンテンから発祥したスラムの方がその点細かい対応があるような印象は得られますが・・・。まあ、一部を比べてどうか?という問題有りますし、なんとも言えませんが。

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 相変わらずのブレーキの引きですが、これは・・・。

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 スラムの勝ち・・・。引きは軽いですね。後出しじゃんけんというところから、スラムのいいとこ取りか?

 手の大小もあまり関係ないというのは、アジア人向けかな?とも思えます。

 シフティングも慣れれば、いいかもしれません。あとは形や好みの問題かな?

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 ちょいと心配なのが、ここ。

 軽量を売りにしているようにも見えるスラム、競技自転車は6.8キロ以下はダメという、レギュレーションがあるので、もはや軽量を売りにする必要もないと思いますが・・・。

 でも・・・、この6.8キロってちゃんと守られているのかな?今やこんな数値は楽勝でしょう。むしろどうやって斤量を増やすか?なんじゃないかと思うんだけどね。

 というのも、もう十年前の段階で、軽量過ぎるんで分銅を置いている、なんて車種もありましたしね。それから考えると、軽量開発は意味ない、といっても良いんじゃないかな?

 ドーピングだけでなく、山岳ステージで勝った選手の自転車を即計量する、なんて事も重要なんじゃないのかな?かなり引っかかると思いますぜ・・・。

 で、軽量スプロケなんですが、ほぼ削りだしのスゴイ作品です!驚きます。これを実践で使うという最高コンポのパーツとして出しているところ。

 サードパーティーなら分かりますが、三大メーカーで作っている、実践投入している、ところがスゴイです。

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 これスプロケの内側を撮ったものです。セレーションがこれしかない・・・。正確には、トップギアの蓋部分とここしかないんです。

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 何が問題かというと、ホイールのフリーにスゴイ負担がかかるんじゃないか?という心配です。

 かつて、フリーを利用してシングル化したことがありましたが、歯一枚部分のラインに負担がかかるので、フリーのセレーションがそこだけ削れて、完全フリーになってしまったことがありましたが、ちょいとそれを彷彿とする作りです。

 まあ杞憂に終わればいいんですが、ホイールによっては、「スラムのスプロケ使用は、保証対象外です」なんて事が起きないことを願います。

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 元々レーシーな車体ですから、似合いますね。スラムは特に見た目の好みを重視する方から、今後支持されるんじゃないか?と思えますね。

 もう少し角張って作るとか、角を落とすとか、メカニカルな印象で勝負、していきそうな気配ですね。

 あとは・・・、値段です。普及コンポの筈が、その手元変速、ダブルタップといいますが、それでもペアで四万以上という設定・・・。

 普及もしにくいですよねえ、それでは・・・。シマノのアルテに匹敵してしまうとしたら、あえてスラムにという、選択肢は、少なくともレースコンポとしては冒険に相当する値段でしょうから。

 色々課題はあると思いますが、とにかくコンポの選択肢があるということ自体はいいことだと思いますので、それぞれがんぱってくださいね!

 ※ユーロ高ということで三月いこうカンパが16%値上げするとのこと。四月に消費税8%になる、ダブルパンチだね。大丈夫か?アベノリスク・・・。

伝説のレーサー 引退資金稼ぎ



 彗星のごとく登場して、全日本選手権ポイントレースに選ばれつつも、度重なるケガで不運のタイトル無し。

 社会人として出発するも、三年連続の骨折という行いの悪さ・・・。

 そして引導を渡される、自転車引退と・・・。

 もうこれ以上、社会人としてケガでご迷惑はかけられない、母親代わりの祖母様がなんと八十半ば過ぎ。そりゃ、心配もするわな。

 そんなこんなで、本人もようやく引退を決意したということです。

 そうなると、未練に繋がるものをいつまでも所持するのは、良くないので・・・ということで、いろんなものを持ち込んできましたよ。

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 使えそうなものから、ガラクタまで・・・、それは数年間の自転車生活でたまったものですから、色々あったでしょう。

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 他店で購入したものまで・・・もちこみ。

 売れる物は売って、引退資金にしたいと。しかし、引退するのにどうして資金がいるの?もしかして、誰もやってくれないから自分で自分主催の笠井泰造引退記念パーティーでもやるのかしら?

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 もしそうなら、多少の協力はできなくもない・・・。
 
 かつて、富士山を五十分台で走り抜いた、チネリのフレーム・・・。これなんかを軸に、そこそこのコンポとホイールで再組み付けなんかしたら、伝説のレーサーのセカンドバイクフレーム・・・とかで、物好きが購入してくれるかも知れないね・・・。

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 ホラ、サドルバッグも付けちゃうよ!意外と気前がいい。総額で片手前後に行けばいいとか、何とか言ってますが、一斗樽一個四万くらいするから、もう少しどうにかならないか?

 店主もソロバンをはじきます。

 奴の引退の決意の並々ならぬ硬さを示すのがこれ。

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 一度の落車はあれど、一応NJSには違いない。前後ブレーキもないので、バンク専用車。これも放出するということで・・・。

 まあ、こんなのは、自転車競技をちょいとマジでやってみたい、という若い子に受け継いでもらえたら・・・なんて思うわけです。

 あと、次回持ってくるそうだが、シングル化したトレックのクロス車があるんだが・・・、あんなのはツーリング車にして、それこそ大学生で日本一周したがっているような子に、渡っていかないかな?

 せっかくの引退なんで、機材は適材のもとへ、再度羽ばたいてもらいたいですね。

 まあ、チョットしたアイデアはあるので、多少の引退資金の足しになるように、もう少し色を付けて出していきたいですね。

 全国のタイゾウ君を支えてくれた皆さん、そんなこんなで彼の遺品が出る際には注目してください!!!お願いしますね!

 ただ、あのヤロー・・・、メイン車のカーボンと、アルミトラックはまだどこかに隠しているようなんですわ。往生際が悪いといえば悪いですが、まあ、それだけ心血注いできたものなんで、もう少しほとぼり冷めるまで、こちらも待つとしましょう。

 これから、彼は別分野、なんかランニングとかいってましたが、別分野でまた活躍するんじゃないか?と思います。

 本当自転車がなくなったら、単なるふぬけ野郎だったんで、代わりに何かやらないとね。それよりも、ちゃんと実家の仕事になれて、家内工業立て直さないとな!

 自転車なんかやっている暇ないよ、当分・・・。

 また時期が来たら、どっかパン屋さんでも行こうか?

 

パパ狸んの作り方 アダプターって何?



 荷台を付けて、アダプター、それにだかせて子のせを付けましょう・・・。

 なんて、通常会話に出てくる話なんですが、これは専門性の盲点というか、こういういい方でほとんどの方には通じると思ってしまうところは、もう少し丁寧に行かなければいけませんね。

 そもそもアダプターってなんです?どういう構造しているんですか?ということ。こういう事が、もう当たり前の状態になっていると、思いこんでいる、これはいけませんね。

 たまには一章さいて、ご説明しておくのも意味あるか?と思います。

 このくらいのシートチューブがあれば、フレーム式のイェップでも通用するかと思います。

 が、今回は荷台を付けてそこに置く荷台型にすることにいたしました。ゆくゆく子のせを取り外しても、荷台が残る、残った荷台は、荷台としての使い方があるので、それは決して無駄にはならない。一つの積極的オプションとして考えることができるというわけです。

 ともう一つ、荷台型にすると、他の一台にアダプターを付けておくだけで、子のせのやりとりができるというメリットがあります。これも捨てられませんなあ。

 まず、荷台を付けましょう。子乗せ後も使い続けるので、好みのマットブラックにしました。

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 ダボの多いこうしたタイプの自転車には比較的付けやすい、荷台ですね。重さ二十五キロ前後まで大丈夫ですので、かなりの強度があると見ていいでしょう。

 で、この上にアダプターを付けるというわけですが、分からない方には何のことだか分からない、時に知っているこちら側はスルーしていまいがちなところでありますが、アダプターとはこれのことなんですわ。

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 このマットブラックの荷台の上に、4点どめで取り付けられているグレーの荷台、これがアダプターなんですね。

 荷台よりも5センチほどかさが上に上がる感じです。これが子のせとは別に単体で購入できるので、別自転車にこれを取り付けておけば、子のせの移動ができるというわけです。

 つまり、今日お母さん疲れたから、お父さん子供乗せてくれる?という感じに子のせだけを外して、お父さん自転車の方に取り付けることができるというわけなんですね。

 で、このアダプターに、子のせを載せるという構造をしているんですね。

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 こんな感じ!

 対してごねませんでしたが、スタンドは一本足スタンド。通常なら両足スタンドにした方がベターには違いありませんが、そこはお父さんの体力と反射力を期待して、あえて一本スタンドに、ということでした。

 まあ、片方を壁のようなところに押しつけて、載せ降ろしをすれば、問題ないわけで、大人の対応、ということで吸収できるでしょう。

 もし、恒常的に利用するところに不便があるようでしたら、その時両足スタンドにすればいいわけで、とりあえず、パパ狸んとして、向こう四年間はこれで、がんばる!ということで。

 アダプター月の子のせの構造は、こういう内容でありました。あまりに基礎的なところで、飛ばし気味ですが、たまにはこうして、丁寧に説明しておくのも意味ありですね。

 そう、一月ももう半分。正月も終わりですね。あと本当に寒いのはこの2週間。それが過ぎて二月になれば、徐々に三寒四温。そして三月、花見はすぐソコデス!

 入園季節も近いということで、ママ狸ん、パパ狸ん、改造お待ちしています。イェップは旧価格、フロント15750円、リア18900円で、在庫までがんばります!

改造最終へ レポートも書かないとなあ・・・



 あの例の中学生君、今年もよろしくとばかり、やってきましたよ。

 というのも、2月提出のレポートが本番で、そのための最終章として、今回ほぼ自分で・・・、組み付けるという計画のもと、動き始めたわけです。

 この自転車は、お母さんが乗っていたもの。ほったらかし状態の自転車をお母さんより引き取って、アチコチガタガタ言わせながら、わざわざ立川から乗ってきたんですね。

 それをまず全ばらし・・・、これ去年やりましたね。フレームからパーツ類をすべて外して、フレーム磨きと、各パーツ磨きをしつこーくやったわけです。

 なかなか、根気あるし、ものごとを楽しむ才能があるなあ・・・、何でもかんでもよく驚いて、感激する、得な性格であるわ。

 何やっても、ボーッとして、わかってんだか、わかっていないんだか分からないボンクラ相手にしていると疲れるだけですが、打てば響くは、例え勘違いでもいいことです。

 洗浄というのは、そのものをよく見る訓練としては、欠かせません。例え選手であっても、年に一度は使ったパーツ類をすべて外して、その一個一個をよーく磨いて、消耗パーツは取り替えて、そして、それらを戻してやる、ということはやった方がいいねえ・・・、と思います。

 観察しては磨いて、きれいに整えてから、消耗部品を取り替えつつ、再組み付けをしました。それで、再度立川まで乗って帰ったというのが、昨年の暮れのこと。

 ここまでOK!ガタガタ自転車で来たのが、メンテした自転車で帰った感想は?もう感激の一言だったそうです。

 それで、今年メンテしたヤツできたとき時間は半分に短縮されたとか・・・。いい調子!メンテの大切さを身を以て知った良太郎君でありました。

 で、こいつをどうする?これからが、2月提出のレポートの要となる作業です・・・、何をどうするか?

 本人、もうとうに考えていたようです。名づけて、少年ランドナー化・・・。

 お母さんのクロスバイクを引き取って、少年ランドナーとして再生させて、それで小旅行やってハード・ソフト両面でレポートを書くということ。

 もう完璧じゃない!となると寒い2月のツーリング・・・となりますな。コース選定も含めて作戦練らないとなあ。

 ともあれ、少年ランドナーということで、おじさん達は結構どよめく・・・。意外と外野の方がうるさいかもなあ・・・。

 みんな放っておかない・・・、なんでアナトミックなの?マルハンだろうが!!!!

 ブレーキのワイヤーどっち引き?これにヘタに答えようもんなら、お前それで少年のつもりか?!!!少年ならなあ、上引きって相場が決まってるんじゃ!

 単なるオヤジ連中の思いこみを押しつけられる良太郎も災難だが、まあ、物事凝った領域に入っていくというのは概してそんなもんだ・・・。そこには神様やギャラリーやら小姑らがわんさかいる・・・。それからいじめられて、かわいがられて、流儀というものをおぼえていくんだよ、少年らよ!へこまずに前に進め!

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 ステムにハンドルが通らない・・・・!

 オイ!よく道具を観察しろ!それじゃあ、単に握っているだけだろうが、開くんだよ、開かないと、通るわけネーだろうが!!!

 ギャラリーからの罵声が飛ぶ中で、良太郎本人はいたって朗らかに、こなしていくのでありました。

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 どちらかというと、静かに見守り系の大森先生・・・、もの静かな分、注意されたときの言葉は重り!

  しっかり精進せよ!

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 とりあえず、ステムにハンドルが通って、ブレーキレバー装着。あとは、シフター取り付けて、前二枚にしないとな。

 意外と簡単に少年ランドナーは出来上がりそうだが・・・、今度はどうやって山坂付けたレポートを書ききるか?だ。

 あと一月、中学生なりに練って、自転車と小旅行とレポートを完成させよう。

 まあ、店主の感触だと、八割方、いいレポートができる素地は整っているとみていいでしょう。そういえば・・・、店主かつては、文章技法の教員でもあったわい・・・、思い出すねえ。いい小論文の書き方・・・。

 書き方に拘る学生が9割でしたな、でもこうした論ずるものはそれ以前に「生き方」が問題なんだよね。もちろん小論文なので、資料は大事です。でも、それを披瀝するステージとしての人間劇場が面白くないと、ハイハイ、よく書けました、で終わってしまう。

 採点者は数十人、多くては数百人の回答を読まされることになる。その採点ボケをどうやったらやぶれるか?ここが技法の見せ所なんだが、問題は技法ではない、生き方なんだよね・・・、なんて話をとりとめもなくしていましたっけ?十数年前の話です。

 良太郎は、生き方が面白い方向にねじれつつあるので、大丈夫!

 あとは、手にしみこませるよう作業しよう、しみこんだものが、今度はにじみ出てくるようになる、それが本当の生きた文章なんだ、精進しよう、お互いな。

出来上がってみたら エレガントクロス・・・でした



 暮れに来ましたヨー、実用車改造のご依頼が。

 もちろん高機能化へのご依頼ですが・・・。

 ただ、トップとダウンチューブが同じような曲線で、何やらあまり戦闘的なモードにはなりにくそうです。

 ハンドルをガクンと下げて、高速化というよりも、これはコイツの持ち味活かしての丸さ?があってもいいかもしれません、なんて思いながら、作ってみると、一体どうなるんでしょうか?

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 今回は、結構徹底した改造依頼で、ワッパももちろん全取っ替えということです。

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 レーサーの700C結構ディープでしょ?

 後輪も行きます。

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 荷台も泥よけも取り外して、後輪も交換!
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 スッキリと700c。

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 もう残りほとんど無い、正爪台座を利用して、9スピード化。

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 前ギアも徹底的に変えます。二枚、カバー無し。

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 ハンドルも変えます。試乗ポジションの変化は、影響大ですものね。
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 アップライトなハンドルを、今回はブルホーンに変えます。

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 前後ディレーラーのシフターは、いつものバーコン。ステムの形状を少し上に持って行きました。エレガントさと、あとで紹介しますが、カゴとの関係です。

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 ブルホーンバーに沿うように、ギドネットが。この組み合わせも、定番となってきました。

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 カバンを置くための最低のカゴがほしいというので、既存のカゴをダウンサイジングしてものを債取り付けしました。そのせいもあって、ステムをちょいと高めに、セッティング。これがあとで、思わぬ効果に・・・。

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 クイックにしたので、カゴの下支え金具を共締めにすることはできませんので、抜け落ち防止に金具をひっかける穴を利用して、ステーを取り付けます。

 ただ、通常の角度だとクイックに干渉してしまうのでそれを回避するために、こうした曲線によるセクシーラインにて迂回させます。

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 ブレーキは、せっかくのクイック利用で、ホイールの着脱を楽にするためにキャリパーブレーキにした方がいいでしょう。

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 フロントも、フロントこそいいブレーキで!

 ホイールが良くなると、踏み込みでのスピードの伸びが違ってくるので、ブレーキもしっかりしたものを付けないといけませんな。

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 サドルピラーも交換して、できあがったのがこれ。

 これこそまた仕様の分からない、一台になってしまいました。

 君は走りたいのか?ならしたいのか?でも、快走はしそうだなあ・・・。スタッカートという曲線がエレガントで、おしとやかなんだが、ブルホーンというのがヤンチャというか、オテンバな印象も持ち合わせているねえ。

 でも、全体として、品があるねえ、カゴもある・・・。

 こういう、どこにも落としどころのない、自転車が次の大いなるヒントになったりしてねえ。ちょいとオテンバながら、品があって、おしとやか、でも走るとき走るのよ!てな感じかな?

 こういうのが出来上がるときに思うこと、多分店主らが思っている以上にこうした実用車の基体にはデザインという、目に見えない金がかけられているのかな?なんて思えるほど、実用車はバラエティーに富んだフレームが多いわけです。

 その割にそれが生かされていない、それは見せ方の問題だと思いますが、その潜在的な可能性をどこまで引き出してやれるか?これは自転車造りをやるものとしては、じつにチャレンジングな試みかと思いますね。

 今回出来上がって、写真を撮りつつ驚きましたよ、実際。

 君は一体何者なんだ?って。

 まあ、今までにない雰囲気を醸し出して、街を活気づけてくれれば、何でもいい、そして乗り手をも演習していくであろう、なあ。実用車イジリ、まだまだ、奥深い!

キュベル 交換



 以前から、何度かキュベル子のせの留め具が、ポキリと折れる現象がある、ということを申し上げましたが、最近二件ほど、同じ現象が起きましたので、注意喚起と対処法を再度お知らせいたします。

 以前これを取り扱っていたユーロベビーさんは、撤退というか、消滅・・・といった方がいいのかな?全く連絡が付かなくなりました。

 引き継いだのが、東部という愛知県にある会社ですが、昨年春頃から取り扱い変更が起こって依頼、何度かイェップの取引はありましたが、キュベルの取引はしておりません。

 当店の方針としては、以前数脚キュベル販売をいたしましたが、この留め具折れをキッカケに一切取り扱わなくなりました。

 ここ以外にも、あくまでも当店判断ですが、キュベルの強度に疑問があったということもあって、もう早々に取り扱いはしておりません。今後も予定はありません。

 ですので、過去の販売させてていただきました、数件のお客さんのメンテに関してのみ、耐用年数の範囲でおつきあいさせていただく、という方針でやっております。

 ものですから、使っていけば劣化するという意味で、しかたがないといえばないのかもしれませんが、こうしてポキリと折れてしまうというのには、抵抗がありますね。そろそろ劣化してきたし、取り替え時期かな?という猶予を利用者さんに与えられるような、素材あるいは構造であることがやはり望ましいです。

 折れた場合には、多少素材と形状を改良したものがありますので、それとの交換になります。

 折れた根本部分をドライバーなどで裏から、返し部分を押さえて取り外します。

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 こういう穴が開くような感じになります。

 そして、こちらが、撤去されたパーツ部分。

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 構造は単純です、左右に開いた返し部分を先の穴に押しつけるように、押し込み、穴のエッジ部分に返しが引っかかれば、完了となります。

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 取り付け部分が、装着されたあとです。可動域が広くなった分、留め具自身に負担がかかりにくくなったため、折れなどの危険性もだいぶ低下した、とはいえるかと思います。

 裏からの確認です。

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 返しの部分が、本体のエッジにしっかり食い込んでいますね、これなら、大人が思いっきり引っ張り上げても、そう簡単に外れることはなくなるでしょう。

 ここまで確認して、終わり!

 折れた場合、交換部品さえあれば、外して装着は、ドライバーぐらいの工具があれば、だれでもできるということです。

 ただ、命綱の留め具でもありますので、慎重な方は、再確認などお申し付けください。

 当ママ狸んとしましては、今後キュベルを子のせとして取り扱う予定はありませんので、在庫に関してはあくまでも旧価格フロント15750円、リア18900円にて、イェップを在庫が捌けるまで、この値段でやらせていただきますので、ご検討ください!

ただでは起きぬぞ!バランス感覚



 この部分だけ見て、この値段で、これありか?!と即購入してしまったのが・・・ちょいと間違いだったわけですが、災い転じて福となす・・・、しかないなあ・・・。

 今でこそ、ロードホイールのホイールバランス・・・なんて言われ始めていますが、実はとうの昔に店主もこのホイールバランスについては注目していたんですね。

 作業台にレーサー取り付けて、ペダルを鬼回しすると、シャワワワワワンワンワンワンという定期的振動が起こり、これはあるのとないのとでは、全く走行感は異なるだろう?特にスピードに乗る下りでの影響は大の筈・・・と、ずーっと思っていたんですね。

 折しも、スピニングという体験もしていた店主。トレーニング用の重い臼のようなホイールを回し回されるというのは、ペダリングに非常にいい影響を与える!と体感していた店主は、自作を敢行。

 廃チューブをたんまりと公園の砂場に持って行っては、チューブ内に砂を詰める。行きと帰りの重さの違うこと、あたりまえか・・・。

 こいつらを堅く組んだピストリアホイールに巻き付けてディスクホイールを作るわけです・・・。マッドサイエンティスト以下の単なるバカ工作ですね。

 途中まで作って、仮どめして、回してバランスを見る・・・。重いのでハブのベアリングでバランス取りができるんですね。

 何度も、外しては、入替を繰り返し、場所移動、時にはチューブを短く切って砂捨てて再度まき直しなどして、なんとかディスクを作りました。バカだよねえ・・・。

 それを自転車に装着して、固定式ローラー台に取り付けて、イザ回す!

 意外に調子いいジャン!!!ならもう少しスピードを上げて・・・と、回転速度を増す!

 最初は調子の良かった回転も速度を増すごとに、例の縦振動が出てきます。まあ、最初は気にしない・・・気にしない・・・、ところがハンドルがしびれてくるようになってくると、ちょいと心配になって、足を止めて点検。

 遠心力で、とめた筈のチューブが移動しています。当然か・・・。それを調整したりするんですが、やはり高速領域に入ってくると、むずかしい・・・。

 その内、遠心力で外れたチューブがシートステーに高速干渉して、チューブが破れて、部屋中に砂がまき散らされて・・・の大惨事・・・。

 ものを学ぶには、極端なところから・・・。まあ、いろんなことが分かりましたよ、お陰様です。

 重さを重視するスピニングは、諦めたものの軽量ディスクホイールのアイデアはしっかりと確保!まだ実行していませんが、砂を別のものに変えれば、軽量ディスクができる!まだ諦めてません。

 そんなこんなで、ホイールバランスについては、かなり前から関心がずーっとあったんですが、その取り扱い方法が中々確立できなかったわけですね。

 その一つが、無抵抗に近いベアリングの確保。それが今回、安価にてあったんですねえ、もう小躍り状態で、入手!

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 これなんですよ、イヒヒヒ・・・。と小躍りしつつ、よーく内容を見ると。

 ホイール装着シャフトがこれ。

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 なんとスルーアクスルハブ専用だったんですねえ。・・・これは不覚・・・。マウンテンやバイクではありますが、ロードでスルーアクスルなんて、ほとんど無い。

 あってもアチコチ外さねばならないのは、面倒です。イヤ、これは困った・・・。通常クイックを外して、そのまんま載せる形式を考えないと、これは持ち腐れだ。

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 クイックシャフトは5ミリなので、調べてみるとアルミ棒しかない。それだけでは強度が弱く、たわんでしまうだろうから、それを補強するパイプを三本用意し、すべて入れ子状態にして、シャフトの細さをカバーする。しかも着脱式で。

 入れ子は、径が細くなればなるほど、むずかしい・・・。

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 ただ、5ミリだけだとベアリングが正確に反応してくれないのでは?

 まずは5ミリシャフトをすべてダイスをかけて、これを中空シャフト内に通して、両サイドをネジ留め固定、その外から、先の入れ子シャフトをかぶせて、再度ネジどめして、そしてこれをバランス台の上に載せて・・・。

 と思考実験棟を繰り返して、加工の段取りをとろうと、色々やっておったんですが、ある意味すべてが杞憂に終わりました。

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 5ミリシャフトを通しただで、バランス台に乗せたところ、ホイールの重みで5ミリシャフトがいい具合にたわんでくれたため、両サイドをネジ留めしなくともシャフトとホイールが一体化してくれる。

 こうなるとバランス台に乗せると、ハブの回転よりもバランス台のベアリングの軽さの影響が出て、どこが一番重いか?の測定になってくれるんですね。これが分からないと、修正しようがない・・・。

 問題は十ミリ以上想定されていたシャフトの太さが5ミリと細くなるので、より繊細にベアリングを反応させるにはどうすればいいか?

 これですね、困った時の高性能ケミカルです。

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 高度数千メートルのマイナス低温のところでも安定して潤滑してくれる、高性能戦闘機用ケミカル・・・を点眼・・・してやりました。

 すると・・・。5ミリシャフトでも、非常に繊細に計測してくれるという結果を得たんですね!成功、大成功!

 バランス台捨てずに済みました。セーフ!

 これで、中空シャフトのホイールバランスが取れるようになりました。

 あとは、コンマ一ミリまで計測できる測りと、分銅などで偏り計算をして、それに合わせて、バランスを取ってやればいい・・・、これにて完了。

 これは、シーズンインで、決戦用ホイール、決戦日前日バランス取りなんていうサービスもできるようになりますな。

 ちょいとホイール屋としての面目躍如なり!転んでもただでは、起きません!

 あと課題一つ。中空以外の例えばピストハブ。こいつをどう固定しようか?ネジピッチが自転車特殊なので、自作しか考えられませんが、できなくもない・・・ということで長ナットを数本仕入れて、自作実験していきます。

 ピストホイールのバランスも取れるようになれば、これは無敵だね・・・。

 ということで! つづく

見た目も走りもといえば・・・。



 元祖・・・・、なんていったらいいんだろう?なんかの元祖ではありますな。でもなんだろう?

 おしゃれ系自転車をオリジナルフレームで作った、元祖・・・とでもいうのかな?

 最初見た時には、シンプルで、ちょいとレトロで格好いいなあ、と思ったものですが。

 自転車を内部からいじるようになった時・・・、もっといいハブ使えばいいのに・・・など、要所パーツにシックリと行かなくなったような気がします。

 世はピストブームなんて始まるずーっと前のこと。ピストフレーム自体がバカ安だった時代に、それを基体にシンプル自転車を組んでいた身からすれば、エンド金具にしても、フレーム自体の強度からしても、こちらはNJSなのでそれは比較してはいけませんが、そういう目から見ると、同じ鉄フレームでも色々あるんだなあ・・・と勉強になりましたね。

 その後、オリジナルフレームを企画して、作って、それで営業を続けるのっていうのも、大変なことだろう・・・と、元祖オリジナル実用車で勝負することのすごさのようなものも分かるようになってきまして、まだまだ勉強です。

 このアローズの車体を雰囲気を壊さず、走りを劇的に・・・というご依頼。元々このホイールの要求してくるタイヤのサイズが特殊で、行く先で断られが続いたために、いっそのこと700cにということだったんですが。

 条件が36hで、シルバー・・・。そうしたリムもありますよ。でも、それって限りなくママチャリに近いリムで、交換してもその価値が実にわかりにくい代物なんですね。

 足回りである、ホイールを交換した時の醍醐味って、お客さんの半分笑顔に半分当惑した顔に表れるんですね。

 というのは、エエ?なんでなんでこんなに走るの?風切っているじゃない!スゴイ!快適!でもなんで?

 これなんです。ハンドル交換と連動すると、これはもっと効果ありなんですが、ホイール交換だけでも、多くのお客さんは、今までの自転車って一体何だったの?というお顔されます。

 それのないホイール交換はあり得ない!!!!とまではいいませんが、できれば足回りの走りへの影響というのは感じていただきたい。

 何を申し上げたいかというと、36hでシルバー、実用車以上のリムがない・・・、あっても非常に見つけにくいという状況なんですね。これは大変だ。

 黒リムであれば、有ります!けっこう良いですよ!36hなんていう絶滅種もほんのちょいとキープしているわけです。それをこういう非常にレアケースのためにとってはいるんですが、シルバーがない!!!!

 取引店のカタログひっくり返して探しましたが・・・。結論から言うと、・・・見つからなかった・・・ということで、今回は黒リムでご勘弁!

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 バイバイ、27インチ君!

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 タイヤは700cの28ミリもんを付けました。泥よけ干渉無し!

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 これまたエンドが110エンド。こいつもハブ選定を今回諦めさせられた原因でもあるんです。ハブを選べれば、36Hに限定されることはありません・・・。イヤーいつも、突きつけられる条件に勉強させてもらいますわ。

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 見た目もシャッキリしまりますが、走りもまたいいんです。本当風切りますしね・・・。

 試乗した時のお客さんの感想が心待ちですわ。

 何乗っても同じ・・・、という感覚が少しでもとぎすまされて、自転車に対する感覚が鋭敏化する、そして自転車を超えて、あらゆるものがメンテをという手続きを取ることで激変する・・・という、今や忘れられがちな事柄を復活していけたら・・・。

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 故あって、こいつを下に移動。

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 見えにくいですが、黒い他で挟まれて、ひっそりと下に行ってます。チェーンも交換です。

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 やっぱり足回りは、圧倒的です。

 自転車が走る気満々になっている・・・のが見えませんか?店主には見えます。

 お客さんの前に、店主が試乗して、親指立てています!

 これならアローズ、乗ってもいいなあ!

今年の大森社長の決意!なんじゃないの?



 今年初めは、店主はもちろんのこと、狸サイクルほぼ全員風邪にて撃沈を食らったようです。

 大森社長もしかり・・・。

 ただ、体調管理しながら、特殊照明のもとで、既に始まっています・・・、シュコシュコが・・・。

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 これは別工房よりの依頼、だそうです。そう、あの柳サイクルさんから。

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 この写真では、仕事内容分かりませんね。店主は写真を勉強する気無し・・・。

 それでいて、本ブログで、大森社長の繊細な仕事を紹介するなどとは・・・。

 そんな愚痴をこぼしていたら、当の大森社長が、今年の課題として、自らの作品写真を活かしたほぼ無言ブログを立ち上げる・・・というような展開に。まだ未定ですが・・・。

 元々照明のプロだった大森社長の、もう一つの顔が写真、ということらしいんです。

 らしい?ってまあ、あまり自分を多くは語らない大森社長ですから、問わず語りを待つ店主としては、あまり根掘り葉掘り聞き出しませんので、アチコチの証言を合わせると、かつてかなりの情熱を写真に注いでいた、ということだそうですぞ。

 そんなこんなで、ちょいと何枚かお借りしました。

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 やっぱり、自分の作品は自分で撮るべきでしょう。

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 工程の途中も。といっても、試し撮りで、本格照明の中でやったわけではありませんが。

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 鉄という金属や、それが磨きによって、どうその相貌が変わっていくのか?なんてところは、やはりご本人の大森社長でないと、まずは絶対に撮れないでしょう。

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 鉄を冷たく、鉄の質感を撮る。こういう写真だったら、無言ブログであっても、最低限の言葉で、いいでしょうな。

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 大森社長がどこを見て、何を気にして、仕事をしているのか?そんなことが凝視しているうちに分かってくるような、沈黙ブログ・・・。

 これはこれで、読ませる・・・というか、見せるでしょうな。

 その他、自転車以外の分野にも、磨きで行きそうな気配を持つ。

 あまり多くを語らない大森社長ですが、秘めた決意を練りつつ形にしていって欲しいですね・・・。

 今年も、キラリと磨き募集です!

子供フレームの大人使用の シングル化へ



 子供自転車のフレームといっても、いろいろありますが、得てして、パイプ自身に金がかかっていない場合が多いので、肉厚パイプが多いです、そういう意味で頑丈ですね。

 肉厚パイプが小さい三角で溶接されているのから、非常に丈夫に作られているものがあります。子供に長い間乗ってもらうためにそうなったというんじゃなくて、結果的にそうなったと言った方がいいですね。

 この自転車なんかもそうだと思います。エンド金具もなかり立派です。

 でも、子供の成長は早い、となると、次から次へと乗り手をかえ手もらわない限り、フレームとしての本懐は遂げられない、二年から三年乗ってハイ終わり・・・というのでは、もったいないですね。

 そういう、十分な潜在力はありながら、省みられることのない子供自転車って、毎年何万台くらい廃棄されているんだろう?

 こうやって、大人用として乗り換えてやれば、相当持つよ!というのが、この手の子供フレーム再生シリーズ企画なんですが。

 日本には150に満たない女性もまだ多くいます、自転車は大人用、子供用というのではなく、単純に体の大きさで決めればいいのにね。そういうパーテーションを取ることで、発見できることは、非常に多い、と思うのです。

 で、子供用自転車で作った大人用チョッパー自転車、こいつをシングル化して欲しいということです。

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 ボスフリーの車体なので、シングル化は比較的簡単です。ただ、使える歯が16t、17t、18t、この三つで勝負しなければいけない、ストドロシングルです。

 ボスフリーに入れ替えます。リアディレーラーを取っ払うと。

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 やっぱりスッキリしますねえ。このシンプル感がたまらない、シングル化の魅力の一つでしょう。

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 前ギアはそのまんまで。ただ三枚歯がありますので、どれを使うか・・・。

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 大抵真ん中を使いますが、まあ、今回も問題なく真ん中を使用、エンドとの距離をしっかり出して、ゆるみを取ってピタリと決める!口で言うのは、簡単・・・。

 で、スッキリするのはシフター回りもですね。

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 ブレーキとシフター一体型のゴッツイシステムが・・・。

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 これだけに・・・。

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 外したパーツ類がこれだけ、もつと結構重いです。ある意味軽量化にも役立ちます。

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 これが、どうも依頼者の方の親戚筋の方に、行くらしいんですが・・・。

 その行く先のご親戚が、当店のカカの小学校からの親友らしく・・・、その親友が昨日偶然、ご来店した際、こいつを目撃してしまったらしい・・・。

 というわけで、サプライズプレゼントにはならなくなったようですが、しっかりシンプルに走れるので、イイと思いましょう。その親友さんの性格からいっても、シングルの方がいい。多段の意味を説明するよりも、これで行こう!で。

 助走のような仕事ですが、いいんです、ゆっくり回復、しっかり整えで。

 で、アチラの方も初仕事らしいですよ。

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 当店最上階、響き床による、撮影会。カメラマンとコーディネイター二人による撮影です。

 コーディネイターは、化粧や衣装・小物、表情やポージングの指導アドバイスを担当します。この人がいないと、例えばアマチュアのダンサーさんなんかは、とれるポーズが限られてしまいます。笑顔も硬直し気味。衣装も小物もワンパターン。何時間撮っても、同じような写真しか撮れません。

 単なる被写体を「絵」として、動かすためには、そうした中間者がいないと、写真はうまくても、モデルが今一ね・・・となります。

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 光りの調整に余念のないカメラマンさん。白い布にもどんな光を当てるか?によって変幻自在。外部のライトを位置から何から変えてみて、試写しては画面で確認してを繰り返しながら、手探りでポイントを探していきます。

 この努力がなければ、そもそも撮ってもらうに値する水準の写真にはなりません。

 この二人の努力と視点が重なったちょうどその上に、モデルさんが調子よく立った時、イイ写真ができる・・・らしいですね。

 ダンス系の写真を撮る人はいるようですが、「はいポーズ取ってください、それでいいんですか?はい、では撮ります、パシャ」というのが大半。それでは大半のアマチュアダンサーは引きつった笑顔で、幾分腰をひねって突っ立っているだけの写真が大半となります。それで満足ですか?という、仕掛けをもった撮影会だそうですよ!

 まだ助走ながら、上から、下から、ようやく始まりつつある、狸サイクルなのであります・・・。

リハビリ作業 ちょいと考えちょいちょいと



 既に本格営業が・・・、本格営業・・・、当店にはちょいと不向きに聞こえるような言葉ですね。

 やってんだか、やってないんだか分からない・・・という感じがウチッポイなんでしょうから。でも、その割に、意外とやっているのが当店・・・というオチなんですが。

 今日もゆるく本格営業でしたが、ヤミから回復するにはちょうどいい応用系の問題でした。

 ママ狸ん系自転車の前カゴを支える、フロントキャリアの留め金が、折れた・・・というんですね。

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 こうしたフロントキャリアを取り付けて、その上にカゴを付けるという形式は車種によって、随分とやって参りました。昨年の暮れもそうでした・・・。

 小径車やサスペンション付きの自転車などには、こうしたやり方でないと付きにくいというところからですが・・・。

 弱点は、キャリアの大きさに対して、付けるカゴがデカイと、思った以上の負荷がキャリア側に掛かってしまうということ。

 それによって、キャリアが損傷を受けるという事も起こります。過去何回か有りました。その都度、治して再出発です。徐々に、徐々に強化していくべき店の課題かと思います。

 今回は、当のカゴの強度を利用して、上から留めることにします。

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 小径車なので、ヘッドチューブがえらく長い・・・。となると通常のカゴ留めを使っても、カゴまで届かないんです、曲げても、届かない。

 でも、こういう金具があるんですねえ・・・、アリガタヤ・・・。まあ作ろうと思えばできなくはないですが・・・。

 で、こいつをヘッドパーツに挟んで、かろうじてカゴの上部を掴んでネジ留めします。

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 できた!

 ・・・、と思いきや・・・。ウーン・・・、まだ華奢だなあ・・・。

 というのも掴みが、カゴの範囲の狭い縦棒二本だけ・・・。

 手で揺さぶって、動くことはありませんが、5キロクラスの荷物を載せて、振動にさらされたら、半年持たずにまたポキリだな・・・。

 しかも今度はカゴ自身を損傷させるというやっかいな状況になる・・・。やりなおし!

 回復傾向にある店主には、イイリハビリのようでした。

 再度、金具箱をガサゴソ・・・。こいつらを合わせて・・・ブツブツ・・・。ヌヌヌ、これとこれはペアか・・・?・・穴あけの必要があるなあ・・・。

 ウーン三本で留め・・・、イヤ・・・・五本留め・・・?

 などと、考えつつ、切削工具を回します、ゴウ~ンと、仕事始めだね君たちの、今年もよろしくな!

 そうそう、折角購入した、高級切削オイルを・・・、オオ!やはりケミカル!スルスル削れるは・・・。

 そんなこんなで、留め付け範囲を三倍くらいひろくして、再チャレンジ!

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 しかも五点留め。

 下からキャリアによって支えられて、カゴの強度を利用して、上から吊し留め・・・、これでまた暫くは持ちそうだ・・・な。

 この階段式留め金には、すごい!ブレーキのアウター受けまで付いている!

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 まあ、小径車用のといえば、そうかもしれませんが、まずは留め金に恵まれた、応用問題でした!

 こういう事を繰り返しながら、カゴ付けの奥深さに触れていく!

 まさにカゴつけ、キャリア付けは、多分最も奥深い仕事の一つでしょう・・・ネ。まだ、まだ当店にも足りないところだらけ、故障にはまっすぐ向き合わないと!

初仕事は



昨日、一昨日から考えると、この回復の早さは奇跡に近いかと、自分でも思います。
励まし下さいました皆様、改めて有り難うございます。

暮れにご依頼をいただいて、バタバタと手付かずにしていた仕事があって、お客さんが取りに来られたんですね。

こういうのをきっかけに、回復へもっていかねば!と厚着をして外へ、大して寒くはないので、作業開始!

ただ工具の冷たさにはさすがに閉口した。

荷台を取るだけでも、なんかギクシャクしますな。

仕方ない、12時間前には39.5度あったんだ。

子供が大きくなったので、もう前載せでは小さくなったので、後ろ載せに、というわけ。

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シートチューブが長いので、フレーム直づけにしました、多少の軽量化にもなりますしね。

ただいつものドミノ倒しといいますか、クランプとアダプターの間にはちょいとごねられましたが。

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ちょっと立っているように見えますが、これで油断してベルトしない親はいないでしょう。

国産のどっかり受け止め型の子載せに載せている親の約八割は、その形に油断してか、ベルトしてませんものね。

近所の幼稚園の送迎での話です。

ただの自転車屋のオヤジがほざいてもダメでしょうな。こういうのもNPOなんかの出番かな?

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とりあえず完成!

未だ多少の微熱が残る中の作業でしたか、12時間前のことを考えると天国ですな。

ただ、仕事ができるということはありがたく、同時に健康はなににもかえがたく大切だと思えるようになった瞬間、そのままでは抜け落ちてしまう大事な視点がありますね。

芯にそう思うのであれば、そうしたことは一切口には出すことすら出来なくなるでしょう。

この世には治らない病、治りにくい病、その病と一生付き合わねばならない方方が多くおられるからです。怪我や障害もしかり。

たまたま治ったからといって浮かれていてはいけません、どうしたら寄り添えるか?

医者になれ?

自転車屋ゆえ、やはり自転車を通じてですね。

水がうまい!数時間の幻覚・・・



 正月の3日からというもの、誠にもって言い難い体調不良の状態が続きまして、少々参りました・・・。

 多分風邪の一種なんでしょうが、今までに経験したことのない、風邪・・・という状態。

 まず多少の鼻のグズグズはあれ度、つまらない。

 咳もチョコッとは出れど、申し訳程度。

 腹下し全くなし。

 頭痛も全くなし。

 目の奧が痛む・・・。

 今回の最大の症状で、最も憔悴させられたのが、背中と腰の痛みなのであります。

 もう横になっていられないほどの、痛みなんです。どんなに寝返りうっても、ポイントとして痛みが止まるところがない。座布団で高低を出しても何しても、全くしずまない。

 イヤー、本当参った・・・の一言でした。

 今まで店主は、ほとんど風邪引かず。引いても二日もあればほぼ完治。寝ているだけの自然治癒でやっていました。

 四五年に一度ぐらいだったかな?それがここ最近は一年一度くらいになってきて・・・、寄る年波には勝てない、のかも知れませんね。

 しかし、寝込んでいた二日半、ちょいと分かったことというか、再確認したことが有りましたね。

 一番つらかった二日目の3時頃から夜の9時頃の間。通常なら回復の兆しが見えてきてもよい時期であるのに・・・、それが全く見えてこない。

 風邪を移すと悪いので家人は部屋に入れず。

 一体いつになったら、この痛みは終わるのか?

 この孤独と痛みの6時間に一体何を考えたか?

 なんと自殺であります。

 今、お陰様で回復の途上にある中で、たかだか二十四時間前のこと。今となっては、実感だけが抜け落ちて、そう思っていたという記憶だけが残りつつ、であります。

 もちろん、具体的な方法を練って、その部屋で実行までのシュミレーションを・・・というほど明晰なものではありませんが。

 むしろ、痛い背中に爆弾背負って、一気に爆破させたら、さぞかし気持ちよかろう・・・というアニメチックなものだったかもしれません。

 でも、人間閉塞状況に置かれ、一定の条件が揃えば、いとも簡単にそうした行動へいかないとも限らない、存在である、ということは、実感は抜けても知識としてだけでももっておいていい、と確認した次第。

 そして、回復への転機。

 家人の登場。オオ、一気に回復しないとなあ・・・と思ったこと。その直後に測った体温がなんと、39.5度!

 これじゃあ、変なことも考えるはずだ・・・。

 数分おきに飲んでいた、水。これが実にうまい!まず、こういう喜びの断片を大事にしよう。本当に、うまいからなあ・・・。

 そして、この自分の失態を具体的体温と共に、フェイスブックに掲げたところ。

 「高熱なめんな」「そりゃ点滴もんだ」「しっかり休め」「大事にな」という多くの方々からの、励ましメール!

 これがまた、家人の登場と共に体の中から治してやる!という力になったのが分かりました。やっぱり励ましって、力になりますなあ。

 登りの最後のゲロリそうな時でも「ガンバ!」の一言で「何だ、オレまだ踏めたじゃネー」と思うこと数回・・・。

 皆様からの励ましと共に、とにかく市販薬を飲んで、うまい水を飲み。解熱体勢整う。

 三十分後の検温39.1度。ケケケ、コンマ4下がっているじゃネーかよ!なんか自分の体を単なる反応から、コントロールできるような感じになってきましたよ、まだ背中は痛いが、どこか楽しい・・・。発熱による躁状態ってあるのかしら?

 それから数時間寝入ったらしい。

 深さ二十センチほどの湿地帯に店主は横たわっていた。最初はそれが自然に感じられたが、次第にそこに横たわっている理由が見いだせなくなるくらい、不快になってきた。

 ここはダメだろう!?と夢で起きあがったと同時に、実際の体も起きあがった。そこはもちろん部屋だったんだが。

 スゴイ汗、滝のような。上を着替えて、朝まで。

 本調子ではなくても、回復の兆しが見えるところにいるだけでも、人は希望が持てますな。

 ほんの少し時間ながら、忘れかけている病というものと、その関わりらしきものを確認させてもらいました。

人の励ましや、祈りというものがどれだけ大切か、ということ。

暗い状況下でも、例えば水がうまいでもいい、一筋の光脈をみようとすること。

怪我が無く、健康であることがどれほどの僥倖であるか、ということ。

そして、今度はじぶんが励まし、祈れる人間になるために・・・。

有り難うございました。

鬼のかく乱 いかがお過ごしですか?




なんか下が騒がしいと思ったら、こいつが作業してました。

で店主はというと、原因不明な体調不良。背中痛いし、頭はボーッとする、食欲はないし、いわゆる風邪というやつかしら?

最近年に一度くらいかかるようになりましたね。

気の緩みという奴ですね、しっかりしないと。

明日からは本格始動ということで!たぶん。

皆様もお体気をつけてください!

プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
TEL・fax042-445-0487
携帯070-5083-6962
アドレス to.ke@mx1.ttcn.ne.jp

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