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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り |2014年09月 tp://cnt.affiliate.fc2.com/cgi-bin/click.cgi?aff_userid=45871&aff_siteid=43545&aff_shopid=63" target
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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

店内ブームといっていいですね!これは完全にブームなのであります!



 ルイガノクロスの持ち込みですが、要所を見ると、ちょいと拘りの金がかけられていて、持ち主の方が本車体を慈しんでいる感じが、伝わってきます。

 愛車なんですよね。この愛車を、ドロップ化したいということで、ご依頼がきました。

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 フラットバーにアシストバーがついている、よくあるフラットなんですが、ちょいとファンキーなところがありますね。

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 この角度落ちしている、アヘッドステム・・・すごいよね。競輪の58度なんて遙かに下回るかしら?調べてみると55度だそうだ・・・。

 もっと調べてみると40度なんていうのもあるくらい、キリンが川の水を飲むあの首の角度ですよ、すごいよなあ。

 ただ、この一見極端に見える角度落ちですが、店主としては多少理解できなくもない、という感触ありです。

 というのも、最近多くのフレームのヘッドチューブの位置が高すぎる・・・と思われるからです。

 店主も炭系のフレームを一本所持していますが、最初の内はなんともまあ、違和感アリアリでなんでだろうと、色々計測してみて分かったのが、ヘッドチューブの高さなのでありました。

 なんとも違和感、下ハンもっても、下ハン!という気が起きないくらい緩いんであります。そこでやったのが、こうした角度付きステムで、ハンドルを下に持って行ったという経緯がありまして・・・。確か73度くらいでしたか、そうしてようやく、落ち着いたという経緯がありますので、こうしたスローピング形式のクロスになると、ひょっとして、このくらい下げてもいいのかも・・・と思ったりもいたします。

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 ブレーキ自体が最初からショートリーチ系なので、交換の必要はなしでしたが・・・。

 やはりなんかしらが起きますね。

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 フロントディレーラーが、フラット用ですと引きシロが異なりまして、STIには不向き。ここは交換ということで・・・あとは特に困難はなしで、なんとか・・・。

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 下がりステムに、意外とマッチ!

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 持ち込まれたソラのSTI形式が、ちょっと古めのもので、下ハンから解除ができないタイプ、これだとツーリングにはいいが、下りでシフトアップができないという致命的な欠陥があると思いますが・・・だから無くなったのでしょうか?

 あとは全く問題なく、最初からドロップハンドルのような顔して、仕上がりました。

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 激下がりしているように見えても、冷静にサドルとハンドルの位置を見ると、まあ、こんなもんかなあ・・・?といえなくもない位置関係。

 さすれば、暫くこれに乗って様子を見るというところで、落ち着きました。ちょっとしたマメレーサーのできあがりなんであります。

 単純にハンドル交換しただけかもしれませんが、乗り味は別の車種、新車購入したような興奮を味わうようですね、大体皆さん顔を輝かして試乗されますもん。

 もうこの手の改造は、店内ブームであることは確実なんであります。

 よその自転車屋さんのことは分かりませんし、未だに自転車ブームなのか?そのブームは終焉してしまったのか?わかりませんが・・・。ついでにいうとテレビがないもので、言われるところの好景気不景気などということも、実はよく分かっていません。あっても分からないと思いますが・・・。

 確か4月頃は、デパートで高級弁当が売れて好景気な花見だなんだといっていたのを見て、再度テレビなど見るものではないなと実感して以来のことなのでありますが・・・。

 まあ、どうであれ、金の使い方については、より工夫して使っていく・・・べきだとは思います。これは外の景気動向には全く関係なく、そもそもそうしたものは工夫して使っていくものだと思います。

 そういう銭の使い方に関して、選択肢になるような提案をこれからどれだけできるか?そういうところが、これからはどんどん問われていくと思いますヨー。

 安ければいいって問題じゃないながらも、無い袖は振れない、さあ!どうする?!

 これどうです?またはこちらは・・・?なんてね、いくつかの選択肢がいつでも出せるように、しかもそれらすべてが魅力的だったりしたら・・・、いいですよね、なんてね。

 単に物を売る、という時代は終わったようであります。いや、終わってはいないか、限定されていると言った方がいいかもしれませんな、例えば価格コムとかいうような一円でも安い!というような領域に限定されているのかも知れません。

 そんなところと競っても何もいいことはありません。デカイ資本が、安く買いたたいたものを小さい一商店の仕入れのものとでやり合っても、勝てるわけがない。

 その辺の実力を見誤って、せいぜいネコくらいに自らを見せても、ライオンには爪一本で引っかけられて終わり。

 なれば、ノミになれ。同じネコ科になろうとするから、競争相手として弾かれる。なれば、自らのカテゴリーを変えるしかない。

 店をやりたい!と考える際、どんな立地条件で、商材は何でいくらで、集客はどのくらいで、収益の分岐点は・・・というようなノウハウは、あくまでも「一般」を相手にしてのことにしか、過ぎません。

 この「一般」を相手に商売をしたいのであれば、それでいいと思いますが。

 どういう人たちに、一体何を、どのような形で、提供したいか?というところから始めるとしたら、発想は全く逆でなければならない、と思います。

 まあ、面白い時代になってきた、と思いましょうか?ただ売っているだけではダメな時代が既に来つつあるわけです、さて、どうしようか?

 本当どうしようね?ウン、どうしましょうかね?



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※時代はフラット化でしょ?!なんて、ちょいと魔が差して、こんなフラットレーサー組んでみましたよ。これは走る!あたりまえだ、元々レーサーなんだからなあ・・・。

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模範走行 杉並区のお膝もと やってみました



 9月の半ば、杉並区役所の並ぶ中杉通り、ある意味杉並のシャンゼリゼ通りといっても良いかな?杉並区なのにケヤキ並木の通りですね、ここを自転車で車道を模範走行するという、イベントに参加してきました。

 杉並区の交通対策課と、杉並警察、そしてNPOなどの各団体と一体になってのちょっとしたイベントでした。

 店主は、知り合いのNPO関係の人に誘われての参加。

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 まあ、色々なことが分かったようなイベントでしたね。

 基本車道を自転車に走って欲しい、そのための模範として一時間半ぐらいぐるぐると決められたルートを走ってみたんですね。

 参加したライダーは、ヘルメット着用にスポーツ車。モロサイクリストばかり。

 ここに問題が一つ。サイクリストという人種は、一応自転車=車両という意識が高い。

 それに対して、一般の実用車を乗っている人といえば、自転車=歩行の延長・・・としか思っていない。

 そうなると、サイクリストが模範走行していても、アア、あれはサイクリストのための模範でしょ?一般の自転車は関係ないんでしょ?というようにとられてしまう。

 そうなると自転車一般の意識底上げとしてのイベントの意味が半減以下になってしまいます。

 そこで、こういう絵が必要になる。

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 モロママチャリでもって、車道を走ってもらう。この方は、区の職員さんの若い方でしたが、ティッシュなどを配っていた高齢のボランティアの方もいたので、こういう方にも是非自転車に乗って、車道走行の模範をしてもらいたいと思うのであります。

 あと、子どもを乗せた自転車でも、安全に車道を走ってもらう、という絵も大切ですね。

 で、いろいろ走ってみて思ったことは、これは本気でこうしたイベントを集中的に組んでいけば、光明は見えてくるだろうというものであります。

 横断歩道を渡ったら、もうその流れで中杉通りの歩道に入って、阿佐ヶ谷駅まで行く、という流れがもう習慣化していることなんであります。

 交通は流れ、そういう流れが流れるようにできているから、みんなそこを通ることになる。

 ということは、そこにたどり着くまでの流れをどう変えて、どういう新しい流れを作っていくのか?という考え方で、要所に交通課の警官をおいて、区民に流れの指導をしてもらい、且つ我々ボランティアが、「模範」というゼッケンでも付けて、その新しい流れを模範走行して、一般の方々を流れに入れていく、ような活動を連携していけたら、結構何とかなるんじゃない?なんて思ったりしました

 これを数ヶ月の間で、集中的に行えば、少なくともその地域での自転車=車両の走行パターンができてくるように思われました。

 そして、まだまだ改善点もあります。深夜料金から朝9時までコインパーキングができるような条件を、通勤・通学が激しくなる前の朝7時までに繰り上げる。要所に交通課の警官を配置して、模範にはそれこそ老若男女がヘルメット着用のもと走る。

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 とまあ、無責任な店主は好きなこといえますが、役所を始め多くの人を巻き込んでそうしたキャンペーンを打つなんて事は、本気でやるとなったら、大変なことなので、やり方として、どうやってどの程度で実現化して、成果を得るか?ということを考えながらやる必要がありましょう。

 印象としては、お役所ですからどちらかといえば、おっとりやって行かれるような感じなのではないか?と思われました。

 まあ、どういうやり方であっても、一人でも自転車を車両として乗る人が増えるようにし、そこで形作ってきた形式というものを区内の、他の場所にも応用しながら、適応していく。

 そういう地道な活動をやっていくことで、自転車も車もお互いにより成熟化していくんじゃないのか?なんて思いますが、どうでしょうね。

 インフラをどうこうするということと同時に、こうした自転車側のソフトを充実していく、しかも色々なやり方でやっていく・・・しかないかな?

 これから、こうした仕事も増えていきそうな予感がします。

 ゆっくりながら、自転車行政動いていくような予感・・・がしますな、ゆっくりと・・・ですが。

片手であってもなんとかできない? 技の共有 これありでしょ!



 今年の6月にいただいた仕事で、ちょっと特殊な施工内容になります。

 右腕は通常通りに動きますが、左腕に関しては肘まで動かせて、そこから先はブラーンとしてうまく動かせないという方からのご依頼です。

 今まで何度か、片方の手の握力がそもそも無かったり、限りなく0に近く回復の見込みが望めない方用に、ヨシガイさんが通常生産されている、前後ブレーキの二本ワイヤーを一つで引くブレーキレバーで対応するようなことをして参りました。

 そういう施工例を出すと、障害をお持ちで中々自由に自転車を乗れない方々への、いいヒントやアドバイスになることもあるようなので、今回も共有できそうなところを確認、してみたいと思います。

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 右に付けた、特殊ブレーキレバー一本で、前後ブレーキ二本を一度に引くことができます。これはヨシガイさんから、通常生産されているもので、例えば三輪車のようなデカイ荷物を運ぶ車両には、ブレーキもそこそこ効かねばならず、そういう際に利用することも想定されているようです。

 今回は片手の方用に、使用。これとドロップハンドルに付けられるエアロブレーキタイプもあって、この二種類があれば、本当最強ですよね。

 そして、シフターをこれもまた前後用のものを右ハンドルに付けます。

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 上がWレバー式のフロント用。下がフラットバー仕様のシフターで、ブレーキと合わせて三点であっても、ケンカせずにフラットハンドルに載せられることができました。

 これで、制動とシフティング機能がすべて右に寄ったわけなので、左ハンドルは・・・。

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 このように無垢になります。

 ここからが、個別的な障害、ある意味障害というのはすべて個別なんだと思います、一口で切断といっても、肩のすぐなのか?腕の中心なのか?手首部分なのかによって、全く異なってくると思います。

 で、今回の対応の仕方が、お見事なんであります。

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 これです、革手袋に細工がしてあります。肘から下が不自由でも、肘までは何とかいうことがきける、という状況であれば、こうした手袋をはめて、マジックテープで、ハンドルに手袋ごと巻き付けます。

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 この状態で、手首部分をしっかり締める。

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 こうすることで、左は肘を使って、右手のステアリングのサポートはできるという仕組みなんであります。これは握力のない方にも応用が効く方法だと思います。

 ビンディングといって、靴とペダルを一体化することは自転車では通常当たり前のようにやられていますが、手とハンドルを固定するという発想自体はありませんでした。

 いろんな上体ポジションをとるためには、手は自由でないといけないのでね。でもそれは自在に使える腕があるからで、そうでない場合は、やはりこうした発想を生かす大胆な工夫・工作というものが必要になってくるんじゃないか?

 こうした特殊なアイデアは、一人で思いついて、実現させるというのはやはりむずかしい。そうした場合は、共有とその応用ということが重要かと思うわけであります。

 多分、今回の場合については、参考にできる方は少数かもしれませんが、障害をお持ちの方であれ、そうでない方であれ、最終的に自転車のセッティングというのは、ワンオフなんでありますから、こうした発想がまた何かに生きないとは限らない、ということで公表していく次第なのであります。

 例え、一人でも参考になればなあ・・・。

働く自転車へのカスタム!



 着るもののリサイクル、をやっておられる方からの以来です。

 まだまだ30代でしたか?、ずーっと若くありながらも、その若い内から、縁の感覚で仕事ができるようになるなんて、なんと霊格の高い方か?と存じますが。

 当店のあり方との類似性も感じてくれたようで、これは嬉しい限りなのであります。

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 これが元々付いていた、かごであります。この規模でいえば、新聞屋さんのそれくらいありますが・・・。

 その方が、そもそも働くこの自転車をより働く、自転車に変えていきたいということなのであります。

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 というのであれば、働く自転車改造の当店としては真骨頂をみせたやろうではないか!と、燃えるわけなのであります。

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 支える金具は4倍規模で太くします。

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 カゴ自体も1.3倍にはなったかな?と思いますよ。

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 留め金の規模も、そんじょそこらじゃない!

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 太めの金具でガッチリ留めていきます。

 着るものを再利用含め、色々と手を入れていこうとするお仕事で、古着屋さんとの間で、かなり大きな衣類を運ぶ可能性もあるというので、思い切って、デカイものを付け体行きます。

 後もネエ。

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 ガラガラにあいているこの箇所に、しっかりした荷台を付けていきますよ!

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 公称27キロを乗せられる荷台に、さらにデカイ外周のあるアダプターを付けての展開です。

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 ママ狸んではありませんが、スタンドもデカクして、安定感を確保します。

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 アチコチでかくすると、重いものを乗せられる態勢が出来てまいります。そうなると、駆動の工夫もしていく必要が出てきますね。
 
 踏み出しを軽くしていくために、小ギヤをデカクしていきます。

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 これで、重い荷物を載せても、よっこしょ!とばかりに、作業場に運んでそこで手仕事で、チクチクとやっていける。

 まだ若い年齢ながらも、その都度勉強しながら、縁を感じつつ、衣類をいじって堂々と生きて行っている。

 嬉しくも衣類に関しての、狸サイクルのようなものだ、とも言ってもらっています。

 嬉しいねえ・・・。自転車という分野を超えて、共感してもらいつつ、その道での発展をしていく形が見えてとれます。

 家だって、衣服だって、楽器だって、その他、もちろん自転車だって、もっとこちら側に持ってくることができる、そのためにはそれなりのセンスと技術が必要なのだが、それを実際にやりつつ生きて行っている若い子がいて、当店のとの共感を感じつつ、こうして、自転車を仕事に合わせて大転換して行っている。

 こういう依頼をもらって燃えない自転車屋がいるだろうか?大いに燃えたし、今後も燃えるよ。

 がんばろうぜ!もっとがんばろうぜ!君は衣服で、こちらは自転車で!他にも大いにいるだろう?!おかしいと思いつつも、業界との関係もどうにかしたい、傍流でもいいから何かしたい!

 もっと大風呂敷広げれば、今の文明のあり方に、疑問を挟みつつ、どうにか、なんとかしつつ、居場所を確保しながらやっていきたい!・・・と思っている、技とアイデアと縁をもっている人たちがいるはずなんだ。

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 何かそんな思いを象徴しているような、働く自転車ができたぜ!

 これが象徴しているような生き方していかないか?日本を取り戻す?とかわけのわからんヤツが、たくらんでいるところとは別に、もっと深いところまで行き着くような、つながれるようなあり方で、自らを取り戻していくあり方を模索するための、一歩を踏み出さないか?!

 ギルドの予感がする。ある方向性をもった職業者集団のようなもの。これからのあり方に決定的に影響を与えていくような、技を持った職業者集団・・・、その意義は決して小さくはないと思いますよ。しかも田畑を背景にしていたら・・・最強だよ。

 何やら、一段と気合いの入っている夜なのであります!

自転車は構成物 変えればまだ乗れる乗れる!



 いわゆるピンクの子ども自転車、といわれるものでしょう。

 店主は自転車に大人も子どももないと思っていますが・・・、まあそれはそれでいいとして。

 サドルがひどくやられています。または、子供の内から乗って遊んでると、フト、サドルが低いことに気づいたりします。

 子狸もこの半年で三センチ伸びています。小さい子どもも目立たなく成長しています。

 そんな時、サドルを上げてやろうと、ピラーのネジを緩めて、引っ張り上げると、スッポン!と抜けてしまうことがあるでしょう。

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 何だ?意外と短いなあ。これでは上げても・・・十分な高さにならない・・・。通常ならピラーの長い物に交換して・・・と考えますが。

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 ピラーとの一体型・・・ということは?ピラーだけの交換はできないということ?

 こんな調子で、自転車屋に持って行くか?相談すると、もうそれは自転車そのものが小さいので、ちょうどの買い換えどきですよ、なんて新車をすすめられるでしょう、普通は。

 でも、一見特殊に見えるピラー一体型のサドルも、そのサドルの径は25.4ミリという、通常の大人用自転車のそれと同じなんですね。

 と・・・いうことは?

 そう、こういう事が可能なんです。

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 下のものが、いわゆる大人用のサドルに、大人が常用している25.4ミリの径のピラーなんですね。これ完全に互換性があります。
 
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 ほらね、違和感なく、こうして付いてしまいます。新車など購入しなくとも、これでまた暫く行けますでしょ?

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 ピラーも長い文、しっかりシートチューブに深く刺さりますから、こうしてサドルを上げることもできます。もちろん限界はありますよ。

 ハンドルだって、成長に合わせて、形状を変えていけばいい。まだまだ、乗る気になれば、暫く乗れるのであります。

 自転車のタイヤのサイズと、成長期の子どもの体の大きさとシンクロさせるなんてあり方が、今も続いているんでしょうね。

 もう22は小さいから、24にしようか?っていうんで、26インチで打ち止め・・・というような。でもそんなことしたら、成長期が終わるまで一体何台必要なんでしょうか?

 お子さんをお持ちの親御さん達にこそ、是非覚えておいていただきたいのは、自転車は一台まるまるの完成物ではありません。

 様々なパーツ類が集まってできてる、構成物なんであります。ということは、互換性があれば、パーツ類は交換可能だ、ということなんです。

 パーツ類を変えることで、自転車はまだまだ変化していきます。成長に合わせて、用途に合わせてね。

 そういうことですので、もっと頭と発想を柔らかく、手持ちの自転車をよーく観察してみてください。

 まだまだ買い換えるには早い!コイツを十分に使い続けるためには・・・という発想を大事にしていって欲しいですねえ。

 で、この自転車を乗るお子さんのお父さんが、大の自転車好き!

 競輪場内で競争するほどの、鉄レーサーの大ファンなんであります。

 そうなると高学年のお子さんも、なんとかバンク内で走らせる、記録会のようなものにまで参加するようになる・・・。

 多分こういう事が高じてくると、子どもであっても、まだ成長期で体が固まっていなくても、それなりのスピードの出るレーサーなんかを買ってやりたくなるでしょうなあ。

 そこで商売チャンス!FUJIでいい子供用のレーサーがあるますよ!なんてね・・・。

 でも、そんなことをやっていたら、一体からだが決まってくるまでに何台必要になるんでしょう?これは大変な出費になってきます。そうなると、当然親御さんの中にも、自転車競技は控えよう・・・ということになります、金かかるしねえ・・・。

 つまりは、裾野が狭くなってしまいます、山は裾野の広さで高さが決まってくるといいます、ということは、自転車競技は新城君のような「特殊」な選手をのぞいて、裾野の狭い日本自転車競技界からは、世界の頂点に近い選手は構造上でにくくなってくる・・・ということになるでしょうな。

 相撲は校庭に円を描いて、ベルトしていれば、だれでもできた。

 野球はゴムボールがあれば、げんこつで三角ベースでできた。

 布でも紙でも丸めて丸くできれば、それがボールになって、サッカーだってどこでもできる。

 だれでも入ってこられるから、構造上裾野が広いんです・・・だから盛り上がる!

 では自転車はどうか?
 
 少なくとも日本では、子どもはほとんど誰でも自転車に乗ることができるという状況です、これは絶好の好条件です!

 であるのに、なんで新城君だけなの?

 まあ、いろんなカテゴリー上の区分けが在って、それがアチコチを膠着させて、いい流れを自転車競技に取り込めないのではないか?と思いますが、少なくとも自転車に乗れる!条件は揃っているのにねえ。

 話を戻しますと、なまじっか競技自転車などというくくりに拘るから、装備上経済的について行けなくなる状況に陥るんだと思います。

 もっと頭を柔らかく!今あるもので、どのくらい工夫してまずは楽しめるか?ということを考えないと、多分ですが発展性はないと思います。

 そういうときに、先だっての高校生たちなんぞはいいヒントになると思うんだけどなあ。

 いわゆる子ども自転車を使って、固定ギア車を作るなんて事は、簡単なことなのに。

 しっかりポジションを出してやれば、そこにドラえもんがプリントされていようが、ポケモンがくっついていようが関係なく、競争もツーリングもできるのに・・・。

 まずは、競技に夢中になりつつあるお父さん、いずれは倅やムスメ達も・・・と考えているお父さん達からかな?

 イヤー、放置自転車の可能性って、まあ、無限だね・・・。

 その内見ていて!あたかも手打ち野球をやるかのように、校庭で自転車レースを、しかも競技車両じゃない自転車でのそれができるようにしてあげようじゃないの!

 今東京オリンピックを前に、促成の自転車のいわばリトルリーグを作ろうとしている動きがあるやに聞きます。

 それは非常に大切な動きであると同時に、その前の草野球、軟式野球、手打ち野球という裾野も整えていかないと・・・とも思うのであります。

 
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※小柄の方用のツーリング入門車!150センチ以下でも乗れる!是非成長期の過ぎた方へ、届け!

すこやかともしび祭り 新潟長岡



 無事、帰って参りました。

 無事というのは、行き帰りの道中だけでなく、タンデムイベントも無事故にて終了いたしました。ホッとしています。

 土日にかけて、ご迷惑をおかけした皆様にはお詫びいたします。

 土曜の朝、タンデム四台をレンタルハイエースに積んで、出発しました。

 その日の2時過ぎに到着です。

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 アオーレ長岡という、立派な広場ですね、そこが今回の会場でした。

 この4月より、新潟県ではタンデム自転車の公道走行が完全にしろとなりましたので、今回はしっかり公道を走ろうということで、駅前の会場から出発して、信濃川まで行き川沿いを周回しながら、アオーレに戻るというコースを決めました。

 信号もいくつかあり、右折も左折もありますので、実地にて、相当タンデムの操作がきめ細かく身に付いたように思います。

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 二日間の会場も人でごった返していました。

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 相当の人手だったと思います。

 例によって、無事に乗ることに夢中になり、今回も走行写真など、店主はほとんど撮れませんでした。

 動画などを撮ってくれていることもあり、ちょいと時間が経てば、そうした映像なんかも公開できるかも知れませんので、それはそれでお楽しみください。

 今回もいろんな方々に、タンデム体験していただきました、と同時に、リピーターの多さにも、この活動を続けることの意義を感じさせていただいています。

 例えば昭和6年生まれの女性の方、とうに八十才をこえらえています。

 ほんの数年まで、目が見えて、老化やその他で見えなくなったということです。

 それまで活発に活動をしていた方だったらしく、目が不自由になってから、本当に色々あったようであります。

 で、今は、このイベントが楽しみで、さんかした。これからもとにかくある毎に参加したい、これからも、ということでした。本日も、悪いねえ・・・と繰り返しながらも、二回に分けて乗られて、楽しんでいってくれたようです。

 タンデムというのは不思議な乗り物で、足を通じて、いろんなことが伝わってくるんですね。本当にいろんなことが、です。いろんなこと・・・が。

 ですから、前乗りのパイロットも、もっと増やしていきたいと思いましたし、長岡というところを、ハードとしてのタンデムもふくめて、新潟のタンデムの拠点にできたらなあ・・・、なんて思うわけであります。

 東京電機大学の学生さんも、サポートしてくれたその他の皆さんも、有り難うございました。

 そして、ここ狸サイクルの地元でも、盲学校の皆さんと遊べたら・・・、パラリンピックを招致している東京なんです、もっと率先して、こういうところを開いて、いかないと・・・ね。




動画だ!T造ありがとう!

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 電大のみんなもありがとう!

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 そして、藤田先生も、感謝感謝なのであります!

この週末 ちょっくら長岡まで タンデムイベントにお出かけします!



 今年の4月から、タンデム自転車の公道が許可された新潟県。

 明確に禁止している県がどのくらいあるのか?法解釈として、禁止になるのか?何処の省庁のどういった法解釈なのか?今一よく分からないことだらけなんであります。

 タンデム自転車は、一般自転車よりも車体が長いため、特殊軽車両に属するということで、かつて警視庁の交通課の方に来ていただいて、計測した結果、当時シドニーパラリンピックの公道練習の許可が下りたという経緯がありました。

 タンデム普及協会の方に聞くと、黒に近いグレーのような領域、よく分かりませんわ。

 2020年に、東京でパラリンピックが開催されるそうで、それに合わせて、こうした部分も開いていく必要は大いにあると思いますな。

 憲法まで会社で通そうとする現政権からすれば、タンデム走行の解釈など簡単なのではないか?などと思ってしまいます。

 ということで、公式に許可が下りたという新潟県の長岡市で、ともしび祭りというイベントがありますので、タンデム車四台もって、参加してまいります。

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 いつものように、自転車ボランティアに熱い、東京電機大学のサイクリング部の皆さんの力をお借りします。

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 うしろに視覚障害の方を乗せるので、逐次状況を説明し、世間話や、景色の描写などもしなければいけない、という意味で、車でいえば二種免許ってとこでしょう。

 この輪をどんどん広げて行きたいですねえ。

 ということで、店の方は大森社長が代行していただけるそうで、土曜は夕方より、日曜は昼過ぎより、開店ということでまいります。

 こうしたイベントに多くのご理解をいただきたいと同時に、早々にこの東京でもグレーから真っ白へとタンデム走行の解釈が定まっていくよう、強く希望する次第なんですよ!

 では、行って参ります!

隙間見たり!車体は巻き込むアレコレと



  この手のミキストという貴婦人系自転車に関しては、店主は前から注目しているんであります。

 コイツはジャンルになる、いや、既にジャンルなんですが、埋もれすぎていますな。こいつを発掘して新たな意味を込めて、再度新古ジャンルとして、確立することはできないか?

 まあ、その前に車体が足りないんですが・・・。

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 こういう細めのパイプ二本の平行ラインなんて、フェミニンですよねえ。繊細にして、品があります。

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 まあ、ブレーキとしてのマファックはべつとして・・・、こうしたものには雰囲気というものがあります。

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 今は無きサンプレですが、使えるまで使い込む。その後は・・・何か無印でらしきものを付ければよし。店主はガチのビンテージ主義ではないので、といって雰囲気を壊すようなことはしたくはなし、現行でどこまで再現できるか?なんて事には心血を注ぎたいタイプなのであります。

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 こうしたシフターなんかは、ヨシガイさんなどを利用すれば、なんとか保てますね。ヘッドパーツなんかもまだまだ、現行品でいいものありなのであります。

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 この辺の小技なんかはまあ・・・・、何とかなるかなあ?長年やっていくと、いろんなものがたまっていくんでね・・・。

 こんな感じで、エレガントでありますが、内容や機構はもう老婆に近いので、その辺は手厚く、チョクチョク見てやる必要はありますし、必要ならば、キッパリ交換なんてこともね。

 そんなわけで、チョクチョクやってくるのであります。

 で、思っているだけなら、何も始まらないわけで、どうやってミキストを新古的復活させていくか?ということなんでありますが、まずハードに関しては、これは自転車屋をしてできることはあるかと思います。

 オリジナルミキストを作っていく・・・。これはまあ、別のシンジケート(大阪系)の方々と相談して・・・。

 で、仮にハードは整う段取りができたとして、それをどうやって広げていくか?

 宣伝すればいいじゃん・・・。いや、確かにそうなんだが、そのまえに、やるべきことってないか?

 どこに対して宣伝を打っていくのか?既にある層であれば、そこまで井戸を掘れば水の採取はできるが、そもそも、そうした層からして作ろうとしている中で、まずやるべきことって・・・あるんじゃなーい?と。

 以下の写真は、中野にある東京ビンテージバイシクルさんからの借り物なんであります。

 何かこんなところにヒントがあるように思うわけなんであります。

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 何か光りの使い方が印象派の絵のようですな。見るからに当店の主な客層ではありません。当世、当店には中高生を中心とする鼻クソ仮面達が跋扈しておりますので・・・。

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 田舎道をサイクリングするミキスト集団。いい写真であります。

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 時は初夏だったか?新緑の中をミキストで走る少女達・・・。

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 完全に一つの絵になっております。

 一つの世界を形作っています。

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 こういうのを見ると、自転車の新たな普及のために、あまり自転車屋が出しゃばってはいけないなあ・・・とつくづく思うのであります。

 というのも、こうした女子サイクリング会を仮に店主が主催するとしたら、まず、スカートって?自転車ナメとんのか!?

 あのねえ、自転車というのは空気抵抗との戦いなの、なんでわざわざ抵抗の激しいハットなんて被ってくるの?
 
 出発二時間後に繰り下げるので、全員着替えてくること!以上!

 となってしまうでしょう。つまり、既存の領域では自転車屋は経験に物言わせて、好きなこと言えたはずなんでありますが、新たな層の獲得、新たな層の確立ということに関しては、脇に寄っていた方がいい。出しゃばっちゃいけないんであります。

 自転車を自転車そのものとその周辺部分でのみ捉えて、あとは既に確立されたソフトの中でだけ回していこうとすれば、それは客の取り合い、毟り合いになるだけなんであります。せいぜいその範囲での「イメージ」戦略の巧拙の問題になってしまいます。

 そういう状況から自由になりたいと思うのであれば、そこから自転車をもって飛び出さないといけない。では何処へ?誰と?そんな風に?

 ここなんだと思いますよ。

 自転車というものを既存の文脈を超えて、もっと広く深く豊かなイメージ全体の中で捉え直していくこと、置き直していくこと、そういう中からこそ、そういう中からのみ、複合的な新たな層が生み出されていくんではないか?

 なーんてことが、こうした写真の中から、読み取れて来やしないか?と思うのであります。

 そのために必要なことは?

 自転車屋は、出しゃばらないこと、これなんじゃないかしら?

 ※写真出典は東京ビンテージバイシクルさんより。ありがとうございました!



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※こちらは機能重視・・・、小柄な方用のツーリング車です。クランクもハンドルも、小柄向き。キット乗ってすぐに分かるはず、試乗もできます!

六角なめたら あかんぜよ!



 エルゴパワーといえば、まあ、店主一推しのシフターなんでありますが。

 何がいいって、ブレーキの引き。

 ただ、最近のシマノ11sシリーズがすごく良くなってきたので、ちょいと浮気心も・・・。

 ただ、シフトアップを一気にできるというところが、やはりエルゴが一つ出ているかな?というところ。

 電動シマノもソフトを変えると、押しっぱなしでシフトアップができるというものもあるそうですが。

 まあ、エルゴにしても、がんばっているSTIにしても、ダブルタップにしても、直接ライダーの手が触れて操作するところですので、ライダー本意に選り好みができるれば、それに越したことはない、と思うのであります。

 ちょうどペダルが、好みで選べるように、シフターも選べたら・・・と思うんですが、コンポ思想に塗り固められた現状からすると、その頂点=コックピットたるシフターが自由に選べるはずもなし・・・、というのが常識なんでありますが。

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 こんなものを考えて作っちゃう人がいるんですねえ。このちっぽけなコロをエルゴパワーのものと交換すると、なんとシマノのコンポが引けてしまう・・・という代物。

 シフター選択の自由がある意味実現してしまうわけなのであります。すごいよね。シマノとスラムの互換性はある程度前提にされて作られているようですが、シマノとカンパはある意味犬猿なんでしょ?それができちゃうということになると、まあ、それぞれの言い分はあるとしても、使い手の立場からすれば、それはそれで非常にありがたいわけなのでありますわ。

 好きなタッチのシフターでお気に入りのコンポを引けるなんてね、夢のようです。ペダルやサドルはそれができるのに・・・、直接触れるもう一つのシフターができないなんて、例え他パーツとの関係性が違うとしても・・・。

 と、大阪から来たんでありますが、お気に入りのカンパコーラスに、このアダプターを仕込もうとした方がいたわけです。

 そして六角レンチで、あるボルトをとろうとしたら・・・。

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 この小さいボルトの内部をなめてしまった・・・らしいんです。

 それをどうにかできないか?というご相談。

 送られてきたものを見ると、確かにしっかりなめています。もうほとんど円状態になっていまして、全く六角が立たない状態になっておったわけであります。

 そう、数日前のクランクのフィキシングボルトの状況と同じなのであります。あれは8ミリでしたが、なめたことに関してはおなじ。

 そして先日のフィキシングの際には、運良くアルミボルトだったため、中心にドリルを立てることができ、4ミリの径の穴を開けて、エキストラクターを入れて取り出すことができたわけですが、今回の場合は・・・。

 ネジが優れてるのか?実に硬くて、ドリルが入らない・・・。ということは?そうエキストラクターが使えないということなのであります。

 では・・・。どうしましょ?

 外すためには、円状では話になりません。引っかかりを作らなければ、回せませんのでね。

 今回はルーターの登場なのであります。回りを傷めてはいけないので、結構神経使います。

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 ルーターで、こうして平行を出してやります。斜め線のところを撤去。ここで引っかかりができましたので、そこを挟んで回せばいいわけですが、これが大変でした・・・。

 どうも緩み止め剤が使われているようでありますな。しかも、一定の力が掛かるとパキッとまわるドライなタイプではなく、ガムのように粘り着くようなものだと思います。

 しっかり挟んで、緩ませないように、緩ませると折角作った引っかかりのエッジが甘くなってしまいますので、慎重になのであります。

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 約半分近くが、ベットリとガム状の緩み止めがこびりついていました。

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ダイスをかけて、緩み止め剤をさらいます。

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 きれいにとれました。そして、外してからまた再度、側面を整えておきます。

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 今回イコールプーリーをとめるにあたっては、別ネジを取り付けました。

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 幸いハンドル等には干渉しないようですが、既設のネジも万が一の時、使えるようにという配慮であります。

 今後のカンパエルゴのこうした施工に関して、どうなっていくのか?このまま緩み止めを使っていくのか?どうか?

 これに関しては、新しいエルゴのこのボルトは六角ではなくて、星形トルクスになるそうで、今回の六角のようなナメはほとんどなくなるであろう、という朗報を耳にした次第であります。

 ある意味、こうした小さいところこそ、トルクスにすべきであると思います!他はイザ知らず・・・。

 ほとんど起きえないことでも、ひとたび起きたとき、どう対処できるか?ということがショップの、仕事上のカギなんだろうと思います。

 どこかの企業のように「想定外」で済ますことができれば、楽だよね。

 事故が起きないように、起きないようにと、如何に金を使って準備しても、それはあくまでも「想定内」でのこと。

 いや、それが悪いと言っているんじゃないんです、構造上、ある事態を想定して、対策を取る、ということは免れ得ないのですから。

 問題は、想定外のことが起きたときも、それなりの対応が取れるのか?ということなのであります。真夏の最中、全国のかき氷屋を集めて、氷やドライアイスを投入していたようですが、どうなったんでしょうか?対応が取れているとはどうも言い難いようです。むしろ打つ手がないんじゃないでしょうか?

 子どもがキャンプファイヤーをして、大山火事を起こして鎮火の技術もないのに、全国各地でキャンプファイヤーをやりたい!というガキどもがいるとしたら、認められるのか?恐ろしいのは、ちゃんと対応できる大人のいない世界だというのに・・・。

 何の話でしたっけ?そうそうネジのことでしたね。使い続けると機械や機構は壊れていく、それに対応する技を、例え地味ながらどこまで持ち続けられるか?ショップだったら、そこが踏ん張りどころなんだと思います。それにしても、地味だよなあ・・・。


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※最近通勤用として、試乗した方がボチボチ出てきました。いいと思うんだよねえ・・・、学生・社会人・・・、大学の先生なんかも、いいと思うんだけどなあ・・・。

持ち込み組み付けもやります



 サーベロの箱が届きました。

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 恐る恐る開けてみると・・・。何やらありますね。

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 カーボンレーサーが出てきました。

 カナダ出張の際に、色々あったらしく、購入されて持ってこられたということでした。サーベロってカナダの自転車でしょ?

 あとで詳細見るにしても、サーベロ・・・、特にサーベロはフレーム開発等にものすごく色々割いているなーと、感じられる車体なのであります。

 適当に設計して、かの国のラインで作って、ついでその隣のラインでは、最後に貼られるステッカーが違うだけで、複数メーカーが実は、同じ工場の別ラインで・・・なんてまことしやかな話が、なーるほどそうかもねえー、と思えるほど、似ているといえば、同じか?と思われるカーボンフレームなんて結構あるわけであります。

 真実は分かりませんけどね。

 何かある一定の値段とその周辺になってくると、似たようなものがアチコチにありますねえ・・・。

 ところがサーベロなんかはちょっとその辺の気位が高いような気がします。カーボンだけでなく、アルミフレームだって、その辺抜かりのないものを作っているような気がしますね。

 だからこそのこの値段・・・日本に入ってくるときには高すぎるきらいはなくはないが・・・、でもまあ、それだけ開発等にかけている、という気がします。

 なので、こうして持ち込んでいただけると、詳細をじっくり観察できるので、ちょいと嬉しい車種でもあります。

 一端7分組みのこのフレームから、パーツ類を外します。そして組み付けをしていきますが、この車種ちょいと面白いところがありましたよ。

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 このヘッド部分・・・。詳しい方はあれ?と思われると思います。

 というのは、こうしたフルカーボン系の自転車のアンカーが、埋め込み式のものではなくて、鉄のスターファイグルナットであるという点。

 これは通常、カーボンコラムのフォークには絶対にあり得ない話なんですが・・・なんで?もしかしてアルミコラムなの?

 イエイエ、正真正銘カーボンコラムのフォークなんですよ。

 種明かしすると、スターファイグルナットが打ち込まれている枠は鉄なのであります。・・・ということは、今時最新フレームが鉄コラムのカーボンフォークなの?という疑問が湧くのが当然でしょう。

 イエイエ、まさか鉄コラムがカーボンフォークに付いているわけではありません。

 では?

 確かに不思議な構造しているわけであります。実はこれカーボンコラムの中に鉄の枠が埋め込まれて、そこにスターファイグルナットが打ち付けられているのであります。

 んんんん?どういうこと?という感じでしょうか?

 まさに筒状の鉄の枠がありまして、その外側にエポキシ系の接着剤をよーく塗り込んで、それをカーボンコラム内に埋め込んで固着させるという形を取ります。

 すごいよね、大胆な発想なのであります。

 メリットは・・・、鉄枠が入る分、カーボンコラム自体の強度が上がるということがいえるでしょう。

 その逆のデメリットは、鉄枠が接着剤で固着されているので、あとで長すぎたと思ったコラムの切断ができなくなるということが上げられますね。

 ポジションが決まっていれば、いいですが、変更の余地がある場合には、こうした接着剤なんかを使う手だては、すべきではない・・・と思う次第であります。

 あとスターファイグルナットというものも、カシメで作られているので、そのネジ機構がゆっくりと回転してしまうこともあるんですねえ、となると・・・、スターファイグルの打ち直しですが、古いそれを撤去しなければいけない・・・、意外と大変な作業なのであります。

 ただ、取扱説明書には、多分今まで、トルク管理をせずに、カーボンコラムを締めつけ、縦割りしてしまった例が多くあるんじゃないか?

 それをいままで何度も注意してきても、一向に減らない・・・というような展開も、今回のこうした強攻策に出るに至る裏事情としてあったのかもなあ・・・なんて思わなくもない。もちろん真相は不明ですが。

 とりあえず、今回はこれ以外は、単純な組み付けということでした。

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 フロントのセッティングが、ちょっと凝ってきましたね。れも効率のいい変則のためだと思いますが。

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 アルテのキャリパーブレーキももいいですねえ。単なるダブルピポットを完全に超えています!

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 今まで、何かと引きの重さを感じられた、この手のSTIも、この11sバージョンからは見違えるように引きやすくなるのであります。

 店主も一台交換してみようかなあ・・・・?

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 さすがのサーベロ、青竜刀のように倫としていますな。

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 こうした窪みも、フレーム独自開発のサーベロらしさにも見えてきますねえ。

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 このダウンチューブの間隔!ヤッホーって感じですね。

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 このシートチューブと後輪との間隔の狭さも、正真正銘のレーサー・・・という感じであります。

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 完成!途中ヘッドだけでなく、ワイヤーワークなんかもビビリつつ手を入れていった店主らですが、ヘッドチューブの最新?の接着構造なんかものぞけて、たまにはこうした最先端の仕事もしないとな・・・・、と最近強く思うようになりました。

 常識の範囲での持ち込みはなんでもありありの当店。基本全バラしで再組み付けするので、施工責任代もそうした中に含まれます。

 今の世の中、いろんな購買の形式が広まっていますので、一律にどうこう言うのは当店のようなみせでは、むずかしいかと思いますが。
 そうした中で、できるだけ柔軟な対応ができればなあと思っています。

 あくまでも、常識の範囲での持ち込みは大募集いたします!



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※実はこれでもカーボン車なんですぜ、かなり渋い!詳細はこちらです!
中高年の方で、カーボン車体には乗りたいが、あの繊維まる見えのボディーやデカールがねえ・・・、なんていう中高年の方、向きに作った釉薬イメージのカーボン車体なのであります。

 一定の年来にならないと渋すぎで乗れない!というのがねらい。どうです?お父様達!


お助けエキストラクター



 このヘッドバッチが手作りだということで、それを愛車に貼っておられます。

 ヘッドパーツがクリキン。手を掛けてますなあ。

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 ホイールも質と拘りを載せて組まれているのは、一目で分かりますね。

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 大森社長の仕事かな?と思われるような磨き?メッキ?パーツ。練りに練って組み付けたことが分かります。

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 革サドル・・・。とまあ、愛車でございますモード満載で、どこまでかわいがっているの?というくらいの手塩がかかっていますね。

 三橋三智也の「達者でな」ではありませんが、まるで馬でも育てているようなくらいの、手のかけ様なんであります。

 それが・・・大変なことに。

 愛馬の一大事なのであります。

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 クランクのフィキシングボルトの8ミリ六角レンチ穴がなめてしまった・・・。ということ。今のところ乗ることには支障はないながら、着脱ができないということなので、これをなんとかして欲しいというご要望。

 最初、8ミリレンチを加工して、先を鋭利にしてハンマーで打ち込んで・・・とも考えましたが、六角のエッジがどこにも引っかからないところから考えると・・・、これは無理。

 最終手段は、クランクお釈迦計画。クランク自体をグラインダーのようなもので、刻んでスクエアテーパーからはがしてやる、そうすればフィキシングに平行出して、スクエアを押さえてエイヤ!で、とれるでしょう。

 フレームが第一を考えると、最大の犠牲はというと、クランクだということになります。ある意味、これが見えてくると、ちょっとホッとします。

 色々やってダメでも、クランク外しができれば、事は済む。

 あとは、車体・パーツへのダメージの最も少ない順で、試すことを考える・・・。

 8ミリの六角でなめた・・・ということは、ネジの素材自体は硬くはない?かも・・・。であれば、エキストラクターという手が無くもない。

 ただ、それを立てても、このフィキシングボルトには、通常すごいトルクがかかっているので、今度はエキスラクター自身がなめてしまうかも・・・なんて。

 とりあえず、ドリルを立ててみましょう。やはりネジ自体はやわらかい。クルクルッとキリコが出てくる・・・、よかった。

 徐々にドリルの刃をデカクしていき、最後は4ミリかな?そこでとめて、エキストラクターを立ててみる。

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 最初は小回りのきく小さいタップハンドルで。

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 逆ネジでねじ込むと、しっかりネジに食い込んでいる、手応えあり!

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 次に、タッピングハンドルを二回りデカイものに交換して、しっかり噛ませて固定します。何せトルクのかかっているネジですので、その辺は慎重に。柔で短いハンドルだと、エキストラクターの四角部分をなめてしまいますから。

 慎重に回していくと・・・。

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 パキッという音とともに、回ったとさ・・・。

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 イエイ!外れたぜ!

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 手間かけさせやがって・・・。

 今回、このボルト、アルミ製でやわらかかったから、なめたんでしょう。ところがこの柔らかいというマイナスが、エキストラクターの時には役立ちました。ドリルの刃がかなりすんなり入っていったからね。

 ここで、鍛造の硬いネジだったりした場合には、それはお手上げ・・・、近々にその例も示しますが、エキストラクターにはこの最初のドリルの命運が、明暗を分けるといっても良いでしょう。

 これができたんで、今回は外せたということで。

 で、もしドリルの歯が立たなかったとしたら・・・。例えば、より硬質のドリルを探して、購入後に試す・・・とか。

 それがだめだったら・・・、フィキシングの頭をルーターなどで掻き出すようにして撤去する。そうすれば、コッタレスが入るので、クランクは生きるが、BBシャフトにフィキシング部分が残るので、BBはお釈迦・・・。

 まあ、とれたんで、これ以上の展開はいりませんが、こうした作業には、こういうフローチャートのような図式が、当店所有の工具や手段などを巡って駆けめぐる・・・、というわけなんであります。

 最近のカーボンフレームなどは、局所的な弱さがあるのか、ある程度のトルクがかかると、ネジの方が折れるように作っているの?と思えるほど、ネジ折れ現象が見られるんですが、そうした際には、このエキストラクターは使えますね。

 今回も、特に高い技術が必要な施工ではありませんが、このように公表したのにはちょいとわけがありまして・・・。

 同じような問題で困っている方って、必ずいると思います。

 そういう方々、このブログなどを見て、少しでもヒントになってくれたら・・・と思うわけであります。

 前に、パソコンのセッティングなど、店主にとっては不慣れな領域で、困ったときには、項目入れて検索かけたとき、如何に他のブログ記事にすくわれたか?と思い知ったわけなのであります。

 そういう方に少しでも役に立っていただけたらということで・・・ご参考までに。

 と、比較的軽度の施工で直りまして、意気揚々と帰って行かれました、愛馬と一緒に。

 「イヤー、助かりました、もう先生ですよ・・・」

 店主が、獣医に変身した、月曜の午後なのでありました。

 そう、自転車屋は時には獣医になることもある・・・、なるほど・・・。責任重大なり。




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※固定といえば、コイツも最後のフジトラだ!

皆様にご報告 アイツらが全員無事で帰ってきました!



 金かけない改造車も、こう並ぶと、マッドマックスのようでカッコいい、といっていた本全日本選手権出場選手がいましたな。

 確かに、なんだコリャなのでありますが、こう堂々ともたれると、それなりの迫力というものがあります。

 それというのも、これらはそんじょそこらのオタクが組んだものではない、これで東京-箱根間を移動するという、バカまでやってのけた車体であるからこそ、堂々と見えるのかと思います。

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 エエ、毎度お騒がせな、こいつらなんであります。正式名都立産業技術高等専門学校、ママチャリ同好会の面々。

 アチコチから、励ましのお声を掛けていただいた彼らですが、全員無事、箱根の宿舎までたどり着き、且つ無事に各自の家に帰ってきた、という報告を受けたんであります。

 しかも、この写真で一番右に写っている、少年、この同好会の団長なのでありますが、こいつは帰ってきてすぐに、今度は舟で神戸に行き、関西の親戚を回ってなんと、大阪から3日掛けて自転車で帰ってきたということなんであります。

 自分で改造した自転車で、メカトラ一度もなく、パンクすらなかったそうであります。

 そんなこんなで二回りはでかくなったかな?

 で、今日は、お帰りの報告と、貸したヘルメットの返却、ともう一つの用事があったんであります。

 実は先日、ある雑誌から、パパチャリ云々の取材を受けてまして、まあ、その中心は改造実用車のことだったので、最近のトレンドが、中学生、高校生に火がついたようで・・・と、ごく当店周りの話をしていたんですが、当然高専の子達の話に及んだとき、「それ面白い!」と編集の方がのってきたんですね。

 なるほど、某全国誌の有名雑誌にこの子達の活動が載ったとしたら・・・・、これはアピールポイントとしては、決して悪くない。今は同好会に落ち着いてはいるが、正式な部への昇格をねらうこの子達からすれば、これはのらない手はない・・・。

 そこで集合をかけて呼び出したんであります。

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 で、こういう感じ。はじめてプロのカメラマンさんに、撮影してもらったんじゃないのかな?

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 それぞれが、当店前で編集の方々より、取材をうけてます。ご近所の皆さんにはご迷惑おかけしました・・・。

 まあ、でもそんなに期待はするなよ、まさか表紙になんぞはならないし、全員集まって、どこだ!どこだ!在った!・・・、なんだこれだけか?・・・という可能性も大いにあるからな。

 でも小さかろうとなんだろうと、全国誌の編集者が興味を持って取材してくれただけでも大きいことなんだぜ!

 例えどんな小さい記事でも、コピーをして、親戚縁者に配って、もちろん現顧問、学年主任、なんなら校長先生にも配って、しっかり昇格のためのアピールをしなさい!学校内新聞なんていうのもあるんじゃないのかな?そこへもね。

 あと都庁の、中等教育関連の部署にも送ってみるのもいいかもな、「僕たちはこれからも、都立高校生として、全国、いや世界にアピールできる活動をしていきたいと思います!」とかいうわざとらしい一文沿えたりしてな。

 大受けだと思うぞ!「勝手に自転車改造して、箱根行って、なんで世界にアピールなんだ?!」って?!

 まあ、意義は何でもいいが、その年頃にしかできないバカを思いっきりやることだと思う。

 果たして店主はどうだったかな?ここまで積極的バカはやっていなかったようにも思う・・・、ただ、今となっては読めなくなっている中上健次とかを真剣に読んでいたなあ・・・、今はもう読めないという意味で中上バカだったと思う・・・。

 ワイワイとこいつらが来ると、こうなります。

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 当店井戸販売機の当たりくじ付きなぞなぞ缶が、売り切れ。

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 あと、ボソッとこんなものを渡されました。お土産です。

 ヘッドロックもんだよな・・・。

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 アー、うるせー!またなー!

 ということで、オヤジ達の夢をものせかねないこいつらの、今後、辛くも温かく見守ってやっていてくださいませ。

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※これは乗るのといじるのが好きな方向けの一台です。見る人が見れば、寄せ集めの面白い自転車であります。七万しないヨー・・・。

スタイルはいいんだが・・・締めるとこ締めないとなあ



 これもまた、一見カテゴリーを拒否しているような車体ですよね。シングル、スタッカートフレーム、そしてなぜかドロップなんであります。

 スタイリッシュではあります。この手のママチャリ快走車は今後も量産・・・はできないまでも、作り続けていっても面白い車種だと思います。

 と、これは当店発のものではありません、別の店のもののようなんですが・・・、どうも要所に締まりがない。

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 また、ふざけたところにリアブレーキが付いています。まあ、とっさに引く気はないですな。ここに何かアイロニーのなんたるかがあればまた、それはそれなんですが、ウン・・・・、そうは読めません。

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 へなちょこブレーキですねえ。とまりますが、スピードアップの改造だとしたら、制動も効かさないとなあ、なんて思うわけであります。

 そして、極めつけはここ。

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 フロントホイールなんですが、よく見るとフロントに使われているこのハブ、コイツにはコグを取り付ける溝がありますでしょ?ということは、リアハブをフロント用に使っているという、ちょっとわけのわからん仕様になっているわけであります。

 そして、フォークのスリットとの関係からいっても、しっかり入っておらず、ナット締め。

 要所は締めないとなあ。

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 フロント用のハブで、しっかり組み直しをします。

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 走る車体にはこのくらいのブレーキを付けましょう。ダブルピポット・・・。

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 スピードアップに関しては、クランク交換でいきます。

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 この赤いチェーンと赤さびの風合いはいいですねえ。赤さびの進行を止める施工をしていればなんですが。

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 デカイギアにして、金チェーン・・・。成金にはならないように。

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 ブレーキレバーも正規の位置に戻してやります。

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 リアブレーキも、フレームのパイプに沿って、取り付けネジを前後入れ替えて、ワイヤーのラインを自然に沿わせるようにします。抗すると、引きも軽くなりますしね。

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 こんな感じで、安全且つ高速で走れる、ママチャリ改造ピスト車の完成というところでしょうか?

 この車体は、どこかで、それもそこそこの値段で売られていたそうです。錆とステッカーとか発想は面白いし、スタイリッシュであることは確かですが、自転車としては中身はダメダメといっていいでしょう。まあ、そういう仕事は自転車屋がやればいいんで、ある意味コラボ?ということかな。

 自転車盗難の多い都心を走る車体なんて、こういのでも十分だと思われるし、むしろこういうスタイルをどこまで独創化していくか?なんて事がこれからの個別化を深めていく上でのカギになるような気がしますな。

 何の気無しに作られ、乗られているいわゆるママチャリも、一皮、二皮、三皮むくとどう変身するか?どこまで変身するか?これは店主が思っているよりも、ずっと多様性のある世界なのかも知れません。

 ママチャリ改造、実用車改造、今老若男女の鋭い人たちが気づき始めてきたような気がします、アチコチで覚醒していくような、そしてその覚醒は、多分・・・ママチャリ云々では終わらないよ。へたすりゃ、今までの資本主義を部分的に終わらせていく方向へ行くかも知れない。

 大きな堤もアリの穴から壊れていくといいます。別に大上段から、資本主義をぶっ壊す!なんてこと言うつもりも煽るつもりもありません、むしろもっと恐ろしくもっと興味深い現象かと思うのです。

 壊すつもりでやっているんじゃない、ただ面白いからやっている内に、壊れてしまうかも知れないという現象なんです。ゲバ棒も火炎瓶もイラネーよ、レンチとドライバーといくつかの工具をいじっている内に、それはおさらばしてしまうかも知れない・・・。

 相変わらずの、身の丈、誇大妄想なのでありました。


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※まあ、これが街道用ピストってわけで、最後のFUJIトラックだよ。さあ、資本主義が終わらない内にセールなのだ!

くノ一現る ノッポの次はチビかいな?



 なぞのくノ一が、当店にフレームその他を持ち込んで現れたんであります。

 このところ、中学生やら、男子高校生やらの出入りが激しく、実用車改造はこうした若い子世代の大受け傾向か?と思いきや、一気に性別と年齢を飛び越えてしまった・・・。

 年齢不詳です。もちろん女性ですが、活発なお姉さんという印象です。後ろ姿ですが、この写真を見ても、そう見えるでしょ?

 今回友達の自転車をつくってあげるために、できないところをお願いしたい、というお達しだったんですが・・・。

 まずは、体が大きくはない。そのことで、自転車に関して、深いところでの違和感を感じていたというんですねえ。よく小学生の自転車というのは、車輪の径が大きさを象徴しているところから、小径車にも手を伸ばしてみたんだが、フレームが平均的なサイズの作りをされていたところから、その違和感は当然払拭されることはなかった、ということです。

 まあ、当然といえば当然ですね。こうした問題は、もちろん店主は予感していたわけであります。

 旧店舗近くのご隠居おばあさま、26インチの自転車をサドルを一番下げて、ハンドルにぶら下がるように乗っておられました、アシストがついているので乗れないことはないが、自転車を御して乗っているのではなくて、自転車に乗られている、という印象があったんですねえ。

 この日本、150センチ以下の方なんて、イッパイいらっしゃいますが、本当にそうした方、向きの自転車って、本気で作られていると思いますか?

 あるのは、カテゴリーとしての大人の自転車と、子供の自転車。どんなに体が小さくても、大人であれば、大人の自転車をすすめられてしまいます。

 当たり前ですが、体の小さい大人に、お花とキャラクターの印刷されたカワイイ、モロ子供車をすすめる自転車屋はいないでしょう。

 このカテゴリーというのが、実は曲者なんであります。子供であっても、体が大きい子供は、大人用の自転車を勧められることはある、しかしその逆はない。

 おかしくはないですか?

 では、体の小さい大人は一体何に乗ればいいのであろうか?ここに大穴があるんです!これに気づいている、自転車屋や自転車メーカーってどのくらいあるんでしょう?いや、問題自体の意味すら分からない状況なのではないかしら?

 今まで、いわゆる子供自転車のフレームで、大人用に組み付けたことのある当店にとっては、ここがまた大きな隙間があって、そこに入るべき新たな隙間産業がある!とずーっと思っていたんであります。その隙は誰が一体埋めるのか?

 この反対の例については、かつて言及したことがあります。

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 このお方。ヤナギサイクルさんとして、フレームマターに関して、大変御世話になっている方ですが、このお方191センチの長身。やはりノッポの悩みはノッポにしか分からない!ということで、ノッポ専用の自転車屋は勝算があるよ!と焚きつけたことがありました。

 実際ヤナギさんは、自分用として、

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 このような巨人自転車をビルディングしているわけなのであります。

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 これもデカイヨー・・・。

 自転車をクロストレーニングとして利用する方法が確立されれば、膝を怪我している、サッカー選手、野球選手、バレー選手、バスケットボール選手などが、そちらに流れてくる可能性がある。サーテ、今の市場に190センチの人用のフレームがあるのか?といえば、ない!わけであります。

 ここにも、隙間産業への芽があるわけであります。

 ということは、その真逆、ノッポの反対のチビにだって、隙間があるということは十分に言えるわけなんであります。

 アジアの日本で、体の小さい人用の自転車は充実しているか?本当に充実しているといえるか?という問いを正面からぶつけてみるとどうでしょう、それこそ当の体の小さい方に聞いてみるといい、否なのだそうです。

 もちろん店主も、そう思う一人なのであります。

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 何やら、ホイールをいじりたがっているようで、ご指定、赤ニップル!というご要望をいただきました。まだ、ホイールは組めないながら、その内組めるようになるでしょう・・・何てったって、くノ一なんだから・・・。

 20インチ、22インチ、24インチなんていうホイールは、一部のマニアックな小径車ファンをのぞいて、小人と大人の間、つまりは中人用の、成長過程に過ぎない年齢の子達のものとしてしか、考えられていないのではないか?タイヤやリムの選択肢が著しく少ない。

 こういうところに切り込むのは、非常に大変かと思いますが、だからこそ、やり甲斐はあるんじゃないか?

 「元々、人の持っているものを持つのがいやなんです。」

 なるほど・・・、同感であります。デザインの心得があるようなので、センスはいいねえ・・・。この背丈でも、ホリゾンタルに拘ったり・・・。何かオークションにも手を出しているような・・・。なんか同じ道を踏むものなのか、恐ろしいほどの酷似。

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 自分で塗っているし・・・。自分の自転車を作りつくしたあとは、知り合いに・・・、これもみんな同じ・・・。

 さあー!!!!!くノ一が来たぞ!数年かけて、何かやらかしていく・・・に違いないね、きっと!ゆっくり下支えだな。

 何か、老若男女が一丸となって、ある方向へゆっくり動いていく力が見えますねえ・・・店主には。その流れは決して悪くはない、と思う。



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※くノ一の勢力が伸びる前に、体の小さい方!買いだよ!

フレーム磨きも もちろん大継続!



 最近は、デュラ05だとか、79デュラの78的磨きとか、どちらかというとコンポ系のコマイ小宇宙系の仕事が目立つ、大森研魔なのでありますが、もちろんドドーンと一本フレーム磨きの方も継続中、大継続なのであります。

 ちなみにあのデュラ05ですが、こちらもね、当店からのコンポにプラス15000円にて、前後ディレーラー、前後ブレーキ、クランクの五点セットの製作が可能となりますので、人とは一味違うものが持ちたい!という方は是非、発注などよろしくお願いいたします。

 さて、こちらはヘアライン系統ということで、大森研魔の手が入っていきます。

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 こういうルイガノが、一気に大森研魔に変身します。

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 トリャ!

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 こんなところも・・・。

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 ウリャ!

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 そして構造上の変更といえば、サスペンションフォークをリジッドに変更。コイツも磨いてスックと取り付けましたよ。

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 それと、もう一つのミッションが、それがカゴ付けなんであります。

 延長系の留め金に。

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 これ注目!大森研魔の社長の隠れた特技、ステー曲げ。全部が全部ポン付けできるとは限らないわけ。大体この手のステーは実用車向けに作られているとすれば、こうやって調整してやれば、美しくつくのであります。これを称して、大森ラインといいます、美しいラインですなあ・・・。

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 浅めのカゴが付きました。

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 カゴに違和感があったとしても、これで便利に毅然と乗るライダーさんがいれば、それはそれとして形になってくるものだと思います。

 ジーッと見ていると、これはこれでまた、いいんじゃないの?と思いますなあ。何かバランスが取れているように見えてくるから不思議なのであります。

 いつでも何かしら見つけては研磨をしておられる大森社長。

 そんなに遠くない内に、オリジナル大森研魔レーサーが登場するかもなあ・・・。

 デュラ05製作依頼もお待ちしています!


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※バラクーダ大森研魔号です・・・。これをデュラ05でなんていうご依頼も、受けてしまうかも!

荷台の取り付け・・・むずか楽しい



 複数自転車を持っていると、その内の一台をこうして荷物車専用にする・・・なんていうことも起こるでしょう。

 立派なGTのマウンテンなんですが、それをブルホーン化して、前にトレーを置いてなんて事、やる方はいらっしゃいますね。

 となると、後ろにもカゴを付けたくなる、であればまずは荷台だ・・・という展開

 通常であれば、こうしたマウンテンバイクに荷台を乗せるなんて事は、簡単にできるのであります。

 モロ競技系のものでない限り、高い確率でダボの類がついているので、まあ、スポーツ用の柔軟性のある荷台であれば、ほとんど問題なく付く、のであります。

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  ネ!こうしてシートステーにダボがついているでしょ?ここに前止めの金具をとめられるんであります。ここまでできればあとは本体の最底辺にある箇所を車体のダボに留めればいい・・・、はずですが・・・。

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 ところが、エンド回りの何処を見ても、ダボが見あたらない・・・。なんで?

 上をとめるダボがありながら、なんで下をとめるダボがないの?ミステリーなんであります。

 持ち主の方が、ダボなしエンド金具に変えたのか?どうもそういうことはないらしい。その証拠に反対のエンドにもらしきものがない。

 下ダボが無く、且つコイツはディスクブレーキ、ディスクブレーキということはこれまたエンド付近にドカンとありますから、その分下支えが外へオフセットしないといけない。

 ダボ無しオフセット・・・二重苦なのであります。

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 赤い楕円で囲っているのがディスクユニット、これが邪魔になるのでその分外に下支えを持って行かないといけません。

  で、オフセット荷台というのは、実は市販されています。そういう意味で、二重苦から一重苦になります。ただし、この場合はポン付けできませんでしたがね。

 サーテ、どうするか?ダボがないとすれば、クイックか何かと共締め?実用車でもないのにねえ。

 こういうときはよーく観察するしかない。
  
 そしたら、光明がみえた。エンド部分の手前に、フレームの一部分として、シートステーに恐らくデザイン的な意味での円状の穴があった。そこを使って取り付けができないか?

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 オフセット部分が確保されており、かつ、ちょうどフレームの分厚い部分にスペーサーを入れて取り付けができたんであります。

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 反対側もオフセット部分をちょっと延長するスペーサーを入れて、フレーム部分の円状の箇所に通してとめる。それにて完了、ということです。

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 水平に取り付けられた荷台の両脇に、何やらカゴ?が?

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 折りたたみ式のカゴなんで、一気に開くと、かなり荷物の入りそうですよ。

 なんか四、五年前の日替わり居酒屋、北の閑古鳥を思い出しますね。すべてこちらから仕込んだものを自転車に積んで、遥か北区まで、エッチラオッチラ行っていたわけでした。

 ビールと5キロの米を載せる・・・?カゴがそこまで持つかな?荷台は大丈夫でしょうがね。

 そして・・・

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 久々のノーパンクタイヤに履き替えです。荷物をいくら積んでも、パンクしないというのはある意味最強の買い物号かも知れませんね。防災とか、こういう使い方に関しては、ノーパンクタイヤの推奨はできますね。

 ある種無敵の買い物号ができたというわけであります。山の上まで、大量のキノコを買いに行く・・・なんていうミッションにはもってこいの自転車になりましたね。

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 しかし、カゴ付けスタンド付け、そして荷台付けというのは、ちょっとやそっとではできませんなあ・・・。やっている本人達がいうんだから、これは間違いないと思います。まあ、多分こんなものはBAAだかTSだかには、絶対にないでしょうな。そんな必要もなしか・・・。

 それほどクリエイティブなんだ、ということは申し上げていいかと思います!ザマミロ!



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※コイツも通勤、通学、買い物号に変幻自在。ツーリングにも入門ロードにも化ける!

パン切り包丁のならし 隣家のソンカ



 パン切り包丁なのであります。下の波波が、硬いパンの上皮を切るのにちょうどいい、よく研いだ万能包丁で、引いても、よほど高速で前後しない限り、上滑りする感じがあるんでね。

 でこのパン切り包丁の峰に当たる部分は冷凍食品を冷凍のまま切るというもので、完全なのこぎりの状態になっています。

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 こんな感じね。ただのこぎりなんで、当然キリコが出るわけで、その分食品に無駄が出ます。それに、解凍する前に切らないといけないものって・・・、この数十年ほとんど一度もない・・・と言っていいかも知れません。

使わない刃物が峰にあるということは、そこにてをおいて両手できることができない、という不利な条件になっている。ということならいっそのこと、この刃の部分を撤去してしまうなんていうのは、いいアイデアなんではないか?とやってみる。

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 まあ、いつもの金属加工の一環ですから、そんなに難しくはない。

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 こんな感じに仕上がったのであります。こうしたはものイジリなんかもちょっとしたアルバイトになったりしてね。

 で、なんでこんなパン切り包丁に目がいったか?というと。

 かつて店主は、本ブログにおいて、マウンテンバイクと、パンとコーヒーにはどうも愛情が持てない・・・などという生意気なことを申し上げたことがありまして・・・。

 そして、その主な状況は今もさして・・・変わることない・・・と言っていいんじゃないかなあ・・・。

 まあ、愛情が持てない・・・というのは強過ぎる言い方で、無くてもいい・・・、という感じかな?

 今も真剣にマウンテンバイクを組む気にはなりませんし、仮に自分のために組んだとしても、いつまで経ってもオレの自転車にはなりそうにはない・・・。

 コーヒーもそう。これも人生に別になくてもいいものなんです。まず中毒ではない。朝飲まないと・・・ということは絶対にない。それにコーヒーのうまいとこ、というか狡いところというのは、あの香り。コーヒーを味だけで飲んでいる人はまずいない、嗅覚と味覚を総合した食品、むしろ嗅覚に味覚が占領された食品とも言えるんじゃないか?

 焦げたパンの焦げ部分をナイフで削り落とした焦げ粉を集めて、それをお湯で煎じて茶色いお焦げ水をつくって、それにコーヒーの強烈な香りをかぎながら飲んだとしても、多くの人はうまい!と思ってしまうんじゃないか?人類数千年の詐欺なんじゃないの?なーんて思ってしまったりもしなくもない・・・。

 ただ、コーヒーの名誉のためにいうと、世の中にはスゴイ水準のコーヒーというのもありまして、イルカ屋さんのあれはまあ、すごいわな・・・。もうブランデーやウィスキーのレベルにまで持って行ってしまっていたと思います。

 パンについても、かつてはそうでしたね。ある意味無くてもさして困らない食品でした。そば、うどんなどの麺類はないと寂しい。米はそういう発想以前のもの。パンはもちろんあればあったでいいんですよ、でもうまいそれを求めて、わざわざ買いに行くということはかつてはなかったですねえ。

 かつてはというと言うことは、今多少変わってきたということはあります。

 数年前、こんなことをつらつらと書き連ねたあとに、立川のパンの神様が現れたんでした。知る人ぞ知る、ゼルコバの小野さんでしたわ。

 あの鎖骨折りレーサーが回復するサイクリングに、よく一緒に行ったものです。神がかっているパン屋さん。これぞ本物!というやつでした、マア、いやいや。

 ところが、実は当店の隣家にスゴイパン屋さんが引っ越してきたんですよ。

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 「フランスパンと、ジャムとジャズ。」看板が文章になっています。

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 当店のすぐ近く、五日市街道沿いです。こういう店構え。ソンカさんという店名らしいですね。

 まあ、四の五の言う前に、パンをお見せいたしましょう。

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 こういう水準のフランスパンがなんと二百円前後なんですぜ・・・。

お店のホームページはコチラです。店を施工している間、手書きでコピーされた通信のようなものがありまして、それがまた読ませてくれます。何となくですが、一脈通じるものを感じたわけであります。

 これからお店を開きたい、いずれはお店を開きたいと思っておられる方も多いかと思いますが、その際どこに?どういう建物で?どういう間取りで?商材は?利益の分岐点は?というところに、どうしても目がいってしまいがちだと思いますが、その前に、店を出す者として、確認しておかなければならない、非常に大切なことってあると思うんですが、こちらにはそうしたものが綴られているように思われました。

 若いご夫婦で始めたばかりのお店で、これから二転三転、色々と転がって行かれると思います。

 その核となるパンといえば・・・、まあ店主にとってですが、ゼルコバ以来のショック!とでも申し上げておきましょうか?

 10月か11月に、当店二階の響き床でイベントやる際には、是非・・・こちらのパンで大展開できたらなあ・・・などと今から色々考えて参りたいと思います。

 大事なこと、それは自転車自体そのものが大事なのではありません、自転車というものを通じて・・・というところなんだと思うんですが。もちろん、その際自転車は安全でかっこよくなければなりません、パンがうまくなくてはならないのと同じように。

 当店ご来店の際にでも、一度お試しアレ!その内、パン屋のついでに来たヨー・・・なんてね。



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※コイツにリアカー付けての行商なんていうのもありかも~

どうせやるなら!銭かけるなら!アッと驚きましょうよ!



 無印系の頑丈自転車でしょう。

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 BMXを彷彿とさせるハンドルに

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 ステムも完全もどき系のものですよね。

 太めの鉄パイプで、しっかり組んであるフレーム、それに26インチのタイヤを履かせて、ハンドル周りがBMX系・・・、コリャ完全にもどきでしょうな・・・。

 拡大版のBMX、まあこういうギミックもあるのかしら?

 で、これをハンドル交換して欲しい・・・と。

 何にしましょう?かつてこれでブルホーン化何てやったこと在りますなあ・・・そんなんでどうでしょ?

 イヤー、それもいいんですが・・・・、奥さんと共同で使おうかと思うんで・・・。

 なるほどねえ、旦那さんが勝手にいじりきれる車体ではないか・・・。通常に乗りたいであろう奥さんにも違和感をもたれない、そういうハンドルに・・・。

 なら交換しないで、このままでいいではないか?

 でも、もう少し速くなるようにしたい・・・。とはいえ、奥さんにも・・・。

 まあ、ちょっとした板挟みでしょうな。ではその間を行きますか?

 実用をメインに改造したい・・・ということになると、徹底的にどのような実用なのか?という点に視座をおいて、そこからできることを考えるというのが、筋かと思うんであります。

 ところが、こと速さ・・・ということになると、ある意味それへの道は決まっているところがあるので、それと背反するような条件が出てくれば、当然速さは犠牲にならざるを得なくなります。

 速さを求めて銭かけて改造しようとするも、それを自らの条件で抑えてしまう・・・、とすると、結果的にはかなり中途半端なもに落とさざるを得なくなります・・・。それではもったいない・・・折角銭をかけるなら・・・、速さを犠牲にしないあり方はないだろうか?

 そして、やっぱり銭かけて変えただけあるわ!と思っていただきたいし、それを機により自転車に愛着を持ってもらえるようにもなってもらいたい。

 では・・・。

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 ハンドルは、フラットとかではなく、やはりブルホーンにしてやって、レバーを・・・・。

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 ギドネットにする。ということは・・・?そう、ブルホーンのフラット部分を奥さんが握り、そこからも楽勝にブレーキがかけられると同時に、速さを求める旦那にはブルホーンの先端を握って、大いに前傾になってもらい、そこから小指を引っかけブレーキングというのではどうだい?

 ということにいたしました。

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 引きシロを要求してくる、Vブレーキをショートリーチに変更してみます。

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 こいつらを、お助けマンのソラVに変更します。

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 エヘヘヘ、笑いが止まりません、コイツでカッチリ効いてくれるようになります。シマノのソラVは人気があるのか、生産数が少ないのかは分からねど、前後どちらかが欠品になりがちなので、どうかお願い、安定供給路線で行って欲しいですわ。

 当店のような改造系の店には、値段と性能からして、非常にありがたいパーツなんであります。

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 チョイとぼけつつある駆動系を、エイヤ!とばかり変身させてしまう!

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 今回はこの辺でありますが、走ってみて、足が付いてくるようでありましたら、よりデカイのに・・・変えるというのもありだと思います。

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 オウ!ロバが一気に闘牛になったような印象持ちませんか?さすがにブルホーンなのであります。

 試乗は旦那さんオンリーで・・・、でも相当気に入っていただいたようであります。当初の予算よりオーバーしていたと思いますが、納得していただいたようで・・・。

 そして何よりもなんですが、傷だらけのフレームを手でなぞりながら、コイツも錆を落として、きれいに塗り替えてやったりしたら・・・と、なんかとても愛着が湧いたようなご様子で、それが何よりも嬉しい限り・・・という感じなのであります。

 つまりは、惚れ直し・・・なのであります。何だ、お前本当はすごかったんじゃない・・・、今までご免ヨー、という感じなんであります。今後はもっと大事にするんで、よろしく頼むは・・・、今度いい化粧してやるからな、それまでこれで我慢していてくれ、ナ、頼むわ。

 まあ、亭主も、女房も自転車と同じってわけですな。

 惚れたはれたの、死ぬの生きるのって、散々騒いで一緒になってほんの数年で、そんな気すら何処吹く風になってしまう、多くのご夫婦が、まあそりゃ仕方ネーや・・・と諦めているところじゃないじゃないかな?

 なんて、分かったようなことをいう店主なんであります。

 かくゆう店主らも・・・。

 多少は予想していたとはいうものの、ここまでなるとは・・・・。あんなにかわいいと思った嫁さんが、いうに事欠いて、そこまで言うか?!

 お前ねえ、それをいっちゃーお終いよ!

 なんて寅さんみたいな台詞が飛び交って、冷静な視点からはみっともねえ、大人気ねえ、と思いつつも、ツイ熱くなって低レベルの応戦なんかしてね。どこでもありそうな・・・。

 もし子がいなかったら、テメエ・・・なんて、子供を思いっきりカスガイにしきっている・・・、まだこれが効く内はいいが、その内、お互い豆腐にでもなっちまったら・・・、目も当てられない。

 仮に店主にそんな時があったりしたら、あの子狸出産の前後を思い出したりして・・・。あん時は、店主はさておき、嫁も子狸も必死だったよなあ・・・なんてね。

 店主はいい年を既にしていたもんで、そんなことになるなんてのは、織り込み済みで一緒になったようなものなのに、さーて、イザなってみると、やっぱり思う通りにゃーいかネーや・・・と諦めの境地、なのであります。

 でもね。もし実際に、仮に、夫婦や家庭環境がそうだとして、冷めちまったものは一体どうすればいいか?ということなんですよね。もうかつてのトキメキなんて、完全に何処吹く風なんですわ。日常生活でお互い醜態見せ合っているんですから・・・。そんなものを取り返すっていったって、ほぼ無理でしょ。

 だからって、トットト取り替えるわけにも行かない。

 ある意味、ここからが夫婦の力、潜在力ってもんじゃないのか?とも思うんですわ。ダメなら別れりゃいい・・・。そんなことは簡単だ。だったらそもそも夫婦になんかならなきゃいい。何かあったから、夫婦になったんだ。

 まず、その何かを思い出すってことだ。店主の場合は・・・、オットあまり披瀝しすぎるのも何だ、公開しないが、それはしっかりとどめてある。

 それと次は、この世で最も甘えているのが、相手の亭主であり、女房であるということの自覚をだな、キッチリ認めることなんじゃないか?

 その甘えというのは、当然イチャイチャのかわいい方あじゃない、最もかわいげもなく下品で配慮も欠いた甘えの方ね。こんなこと、他人様には絶対に見せられない・・・・そういう自分の最も薄汚いところを見せていること、自分の女房や亭主というのは、そういう醜態を唯一見せられる相手であるということをキッチリ認める、ということ。

 その二つを押さえた上でだ、冷え切ったものをどうやって再加熱していくか?ここなんだなあ、多分。

 この惚れ直しということを一緒にいる間なんどし合って、如何に苦境をくぐり抜けてきたか?ということが、まあいってみれば夫婦の力ということなんじゃないかと、店主は思うのであります。

 何の話でしたっけね?

 そうか、自転車の惚れ直しと夫婦の惚れ直しは一緒だってことか?まあいい、実際何処の夫婦も、半分冷えながらも、お互い別々に、再加熱のタイミングなんかを見計らっているわけだが、それがその内なんでオレだけ?私だけ?ってまた僻んじまったり、お互いの惚れ直しのタイミングがピッタリ合えばいいが、それがまたズレちゃったりして、中々うまく行かないわけだ。

 大きな天変地異かなんかで、そうした外部の事情による惚れ直しなんかが起こると、ピッタリ来ることなんかもあるんですが、まあ、むずかしい・・・。

 で、何の話でしたっけ?

 そうか、時が経てば劣化してくるも、それを上回る向上があれば、再度惚れ直しながらも、愛着なんてものがわいてくる、そういうのは自転車も人間関係も同じだ、なんていう暴論だったわけでした。

 自転車については多少分かりつつあっても、未だ女房のことなんて分かっちゃいない、ほぼ猛省の日々なんであります。なんて、ウソ!ポーズだけ・・・。

 自転車もむずかしいが、人間に比べれば、まだ簡単なのかも知れない。人間はむずかしい、だからそのむずかしい分、面白いのかも知れません。

 そう、自転車自体が面白いんじゃない、その背後に人間がいるから面白いんだ。最後は人間、最後は人、そう、これは新潟にいる菩薩様の言葉だったはず・・・、人にも自転車にも、もっと精進せねば。

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※小柄なお母さん!たまにはこれで家庭から自由になんなよ!

乗り続ける意志 エンドが折れている・・・ゼ



 ウワ、スゲーのが来た・・・とこの距離から、これだけ見ても思いますよね。

 確かにすごい乗りふるされた車体なのであります。

 通常のメンテなら、チェーン・ワイヤー交換はあたりまえで、しかも各所グリスアップ、その他消耗部品総トッカエ・・・の大騒ぎになりそうな、車体なのでありますが、そのくらいであれば、まあいつもの茶飯事なのであります、当店にとっては・・・。

 ところが!

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 これ・・・。きたねーボスフリー?チェーンもすさまじい?

 そんなもんじゃなりません、もっと致命的なんであります。

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 後輪を取り込んで支えるエンド部分に破損が見られます。ぽっきり折れて開いているのが分かるかと思います。

 大変だコリャ・・・。メカニックの集まりである店主らにはすでに手の届かないところまで、問題が進んでいるというわけなんであります。

 これはメカニックマターではなくて、ビルダーマターだと・・・。

 これ直して乗りますか?

 いくら掛かります?

 ビルダーさんに外注かけますんで、即答はできませんが・・・。
 仮にすべての修理に5、6万かかるとして、どうされますか?

 もう少し押さえられませんか?

 お気持ちは分かりますが、こういうのは本当にやってみないと分かりません。ですから、どのくらいできるかは分かりませんが、できるだけ付いていたものが使えるようであればそのまま使って、押さえていこうとすることはできますが・・・。

 いつもながら、こうした際の概算は概算すら出しにくいのであります。といっても、依頼するお客さんとしては、いくら掛かるかが死活問題・・・この辺はいつも難しい問題だなあ~と思うわけであります。

 でも・・・、もしまた乗れるようになるなら、是非乗り続けたいんです!

 まあ、この一言でしょうね。最後は意志の問題でしょう、金の問題ではなくて・・・。とは言い過ぎかと思いますが・・・、意志が重要! こういう強い意志があるのであれば、なんとか協力したいと思うものであります。

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 反対のエンドには、特に損傷はなし!とはいえ、片方だけを直すというのは、むずかしい。全く同じ形状のものがあればそれも可能かも知れないが、こうしたメーカー品と同じものをビルダーさんが所持している確率はほぼ0。

 なれば、両方のエンドを差し替えるということになります。

 登場していただけるのは、いつものヤナギサイクルさん。片方で仕事をお持ちでありながら、プライベートを削ってビルダー系の仕事もしてくれまして、何かと助かるんであります。

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 無惨にパッカリ割れてしまったエンド金具が、見事厚みを増してリッチーのエンド金具となって戻って参りました。

 途中、エンドの位置はホイールの前後に関わってくるので、ブレーキとの距離の問題など、かなり神経を使ってもらいまして、こちらとしては、何が来ても安全に乗せてやろうという気満々なんですが、一方でビルダーさんからすると、メカニックには基本的に迷惑をかけないよう、デフォルトに仕上げたい・・・。

 ちょっとした緊張感のあるやり取りが、緩くも執り行われたりと、これぞ仕事の連携!という感じで、なんか一端になったような気分なんであります。

 ボスフリーも交換。

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 チェーン交換、ワイヤー類の交換、パーツ類の内部に至までの洗浄やスモールパーツ交換など・・・イヤー、やることアリアリ。

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 ホイールの交換もします。今回はハブは流用しませんでした。

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 もちろんリアハブも・・・なんですが、よくまあボスフリーの126ミリエンドが当店に在庫していたなあ・・・。そんなんで再組み付けしています。

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 予算の関係もあり、いくら内輪とはいえ、外注にも出しているということから、今回は基本ありもの流用しつつも、要所の優先順位を考えての交換等になりまいた。

 やはり損傷していたリアエンド付近がキッパリと生き返ったように見えます。試乗しても、まあ、今後の課題は残しつつもまた暫くこれでの続けることはできる、と思います。

 もう少し定期的に、メンテしてやる気遣いさえ起きれば、鉄フレームですし、まだまだ行けると思いますよ。

 しかし・・・、お客さんの自転車でありながら失礼を承知でいうと、よく冒頭のような状況になっても、乗り続けたい!という意志が働くなあ、と思ってしまいます。

 基本当店はあまり買い換えを勧めないことをもって、国是ならぬ店是としているようなところがあるにもかかわらず、この店主すら、そう思う次第なんであります。

 店主は丁稚からたたき上げて自転車屋になったものでもなく、従いまして、まだまだ自転車というものの奥深さを予感はできても、それを把握できるような位置にいるとは思っていませんが、通常、お客さんなどにご指導なんかをしている立場上、なんか分かったような気になってしまうことって在るわけなのであります。

 自転車っていうのはね・・・などと、ついつい軽口を叩いてしまう・・・。

 仮に上の自転車を個別のA号ということにしましょうか。このA号はその上のより普遍的な「自転車」というカテゴリーに属すわけであります。自転車という一般名詞に包括されているとも言えます。

 そもそも自転車屋が語れるのはこの包括的な自転車についてのことでありまして、そこから下って、個別の自転車、特殊な自転車にどれだけ接しきることができるか?というところが勝負なのでは?と日々考えておるわけであります。

 個別対応をどこまでお客さんの立場として、且つ生業として、且つ技術屋の端くれとして、重層的に対応できうるか?そこがキモ!!!とばかり思っていましたが。

 イヤー、今回のことを通じまして、個別、または特殊には、そのまた個別中の個別、特殊中の特殊というような領域があるようで・・・、そしてそれはもうカテゴリーの域を突き抜けた個別中の個別・・・というような領域があるんじゃないか?と考えさせられるようなことがありまして・・・。

 その領域については、全くもって外部の人間は不可侵なもの、立ち入ってはいけないもの・・・というのがあるような気がして参りました。

 まあ、簡単に言えば、その自転車が親からの形見のような特殊中の特殊領域を内包するのであれば、もう例え自転車というカテゴリーに包括されるものであっても、自転車屋としてはその点に関しては不可侵・・・。

 考えてみれば、当たり前のことかもしれません、自転車屋のメカニックなど、せいぜい技術的な側面からのみ自転車という多面体に接しているに過ぎないわけでしょうから。

 まだまだ、お客さんやこうした事態というところから、学ぶことは多いようであります。この秋で店主は五十になります。そして、世間様では四十、五十はハナタレ小僧だと・・・。

 口ひげに青っぱなくっつけて何を偉そうに・・・。五十のハナタレとして、せいぜい精進いたしますわ。


※乗ることもしたいし、自転車イジリもしたい!という方にムキムキ!7万しないんだから・・・。
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これは中高生ではありません!紙加工をやってみた



 もうここまで来ると、半分くらいは不感症気味かも知れませんね。アア、またか・・・。

 ハイ、改造ママチャリなんであります。

 もうこのところ次から次へとやってくる、中学生、高校生のママチャリ改造を見てみると、徐々にその形式が見えてきているんじゃないかしら?

 そう、まずは徹底して外す。徹底して。

 それから、ホイールを残すか否か?残すとしたら、ギアの形式を見て、ハンドル形状の検討へ。

 ホイールごとドラスチックに変えるということになると、ある意味なんでもありありになっていく・・・。

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 コイツは多段なんで、シフターは・・・。

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 ブルホーンバーに直結。ひねりシフター。慣れればなんて事無し!先日の高校生もこれでやっていた。

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 ブレーキもフラット時代のものをそのまま流用。

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 ブルホーンに変えるのも、段々当たり前になりつつあります。もっと過激なハンドルを!!!と叫んでいる声が聞こえるような気がします。そろそろ隣接分野から・・・行くかな?

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 で、今回はフレームのこの紙細工の方が、画期的。自分で染めた厚めの紙をちぎっては接着させて、フレームにしっかりと密着させるなんて事やってました。

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 で、その上から、あつーくクリアをかけます。

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 かなり吹くというより、垂らすに近いくらいクリアをかけて。よく乾かす。

 クリアにコーティングされた紙がどういう経年変化をするか?これからちょいとその経過を見ていくことにしていきます。

 紙が自転車に使えれば・・・、それはそれでまた、広がる世界というものです。和紙でコーティングした自転車なんて、結構活かすかも知れませんね。

 というわけで、今回はママチャリ改造が霞むほどの紙コーティングな技なのでありました。

 この紙仕掛けをしたのは、高校生ではなくて、歴とした成人女性なんであります。しかも・・・

 今をときめくこのバンドのメンバーなのであります、紅一点。



 向かって左の女性なのだ!

また品川から?学校法人とれないかなあ・・・?



 まあ、普通の実用車なのでありますが・・・。

 変なものがついています。

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 タイラップでとめられた、箱のようなもの。何入っているの?

 電池・・・。

 なんでじゃ?

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 ア、光っている・・・、ダウンチューブ。ただそれだけなんだが、おもしろい。

 そうも、自分の持っているモノに手あかを付けていきたいタイプのようであります。そういう意味で店主と同類かな?

 また、品川から、今度は中学生が、自転車イジリにやってきました。予算をキッパリ告げて、この範囲でできること、お願いします!

 そうか、なら、・・・外せ!

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 店主らの指導の下、工具を貸しだし、何やら外し始めます。

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 特に前の泥よけなんかは、スゴイ風の抵抗を受けているんじゃないかな?

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 荷台もスタンドも使わないというから・・・、といわせた感じだが、リアの泥よけとともに外します。

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 脱力系、ハンドル。上体起こして、視界は広くなるかも知れないが、大腿四頭筋のみを使うことになるポジション故に、長距離乗るのには向きません。

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 アララ、途中から雨が降ってきた・・・。大森先生とポキ先生の指導が飛びます。

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 外すもの外して、クランクデカクしてやったぜ!

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 その辺に落ちていた、フラットハンドルに交換。もう少しステム低くしたかったなあ、まあ、雨が半端なく降ってきたので、今日はこれにて終了!

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 まあ、劇的に変わったか?といえば・・・そこそこ変わったかな?という感じですが、ギア比が変わったことで、乗り味は相当驚いたんじゃないかしら?

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 イイェイ!なんか慌ただしくて、名前も聞いていなかったなあ。中二だったっけ?品川からフラリとやってきて、さっさと外して、取り替えて、大雨の中を帰って行った・・・君は、一体誰だったんだろう?

 自転車自治国の王子さんだったのかもなあ・・・。

 しかし・・・、ママチャリ改造なんてやり始めたのは確か6、7年前頃だったかなあ。絶大な自信がありながらも、非常にコアなところにしか受けてこなかったやつらですが、ここら辺でようやく若い子供達のハートを射抜きつつあるのでしょうか?

 銭がないところで、一体どうやったら、自転車を速くすることができるか?この問いは、少年達には確かにデカイ。

 親が、いいよロードレーサー買ってあげるよ、などというご家庭はどうでもいい、買ってもらえば?

 そうではないところから、来るから面白い。銭使わないで、頭使え!縁を使え!


※こういうフラットレーサーは、大人になってからでよし!といっても、学生価格だよ!
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多段からシングルへ



 エエ、前回の続きとなりやんす!

 この状態で入手した車体。

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 一時バカ売れした、アブソリュートですね。こいつをシングル化して欲しい、そしてそのシングルパーツ類がついていたのが、前回の改造ママチャリのもの・・・という少々ややこしい事情となっています。

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 この辺のリアディレーラー、ホイール回りが一式前回の自転車に移っていったわけであります。そして代わりに来たのが、あの前回の自転車からのこれらです。

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 ストドロエンドということで、引きシロがない、ぴったしのチェーン調整をしないといけない、というところが大変なんですな。

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 クランク回り、これは前回のものとの交換はありませんでした。付いていたものをそのもの使いました。寄って、フロントディレーラーのみ移植。

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 チェーンリンクはちょっと内部に移動させて、ラインを取って、奇跡的にチェーンがピッタリとなりました。

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 前回のハンドルとなりました、堅気のフラットバー。

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 代わりに来たのが、バーテープボロボロのブルホーンバー。

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 果たしてこのブレーキレバーで、ブレーキは引けるか?

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 前回の車体には、Vブレーキの台座がないので、できればこれが使いたい。ただレバーとの相性が・・・と思って見てみると、なんとかショートリーチということで、ちゃんと引けることを確認した次第。

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 ディープなフロントホイールもアチラからやってきました、完全な交換ですね。

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 もちろんリアもディープなヤツであります。そしてもう一つ、向こうについていて移植ができないもの、荷台なのであります。

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 ということで、可能な限りの移植というか、二台の間のパーツ交換が終了ということで、できあがったのがこれ。

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 ちょいと乗ってみましたが、前回の元シングルの感覚からいうと、非常に硬くなっています。固定ですので、逃げようがない分余計にそう感じるのかもしれませんが、この硬さがなんとも面白いわけなのであります。

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 これが前回の一台、上の車体とパーツ交換をした相手なのであります。

 一方が多段で、もう一方がシングル固定、機能だけでも180度異なる車体でありますが、フレームやホイールの性質なども入れると、まあ、全く違った二台なのであります。このあまりの違いは、この二台は二台として乗り続ける価値は大あり!という判断ができるくらいに面白い。

 しかも見た目が二台揃って素っ頓狂。片方は一瞬判断の付かない固定車、もう片方も一見分類感覚が止まってしまうようなママチャリクロス・・・。乗っている方だけ、してやったりのイッヒヒ・・・。

 でもよくまあ、こんなパーツの入替を思いつくと思います。何がやりたいんだろう?という感じですが、出来上がってのを乗ってみると、ホホー!そういうことだったのねえー、と。

 やはり一番怖いのは素人さんの発想です。そして、仕事のマンネリを壊してくれるのも、こうした発想や、隣接分野からの刺激かと思います。

 自転車に関して、こうした発想の下、自分の自転車を自分の構想の下につくって乗り続ける、ショップやメーカーの言いなり、広告屋の戦略に乗っかって、付和雷同するのとは全く違う、これこそまさに自転車自治だよね!

 オ!いい言葉が飛び出たぞ!自転車自治!これ当店のスローガンにしていこうかしら?

 そして、琴線に触れた方は、業界を超えて、服装自治、お食事自治、鳴り物自治(楽器屋)、芸事自治、等々○○自治という流れをつくって、それを元にギルドを形成し、グローバル化に抗する、開かれたローカル化への道へ・・・・・・。

 なんて妄想がふくれあがってくると、テング熱罹ったんじゃないの?なんて、どこぞの首相のことは言えなくなりますんで、この辺で。


※最後のFUJIトラック!秋なんでそろそろ固定の季節でありますよ!
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シングルから多段へ



 これ一目見て、改造ママチャリと分かる人は、かなりコアな方かな?とおもいます。

 そう、もうかれこれ2年ほど前に、このような変わり果てた姿になって、走り始めたんですね。

 これを、多段にして欲しい・・・というご依頼。ある種の移植組なんですが、移植というのは、それこそポン付けのできないもので、これはこれで非常に大変なのであります。

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 このシングルが、フロントディレーラーがついて、二枚になります。そしてブレーキに注目です。

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 二枚になりまして、クランク形状が変わったこと、クランクとフレームのクリアランスが変わったことで、リアブレーキ本体と、向きが変わってしまいます。

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 この状態から、台座を取り付けて、多段のためにリアディレーラーを付けます。当然ホイールも組み変わっています。

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 手持ちの自転車からの移植ですから、かなり総トッカエとなります、前輪も変わります。

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 ディープ系のこれから、まあ比較的ノーマルのものに。

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 そしてハンドルも。

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 シングルですんで、スッキリ系のブルホーンが、

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 なんか堅気のフラットバーに変わりました。

 こんなことを日々やっていると、アア、やっとできた・・・という感じですが、実際には

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 ママチャリクロスの誕生なので、それなりに劇的な展開なんだけどなあ・・・。

 こんな例を挙げておくと、また、例の高校生らや中学生どもが、おれのでママチャリクロスってできませんか?とか言ってくるんだろうなあ、大変だが、できないことはないと、お答えしておこう・・・。

 で、一応の完成なんですが、こうしていくと取り外したパーツ類は一体何処へ?という疑問・・・湧く人とそうでない人がいるかと思いますが、そう、やはり気になる方へ、続編とまいります。

 実は自転車二台持ち込まれて、エイヤ!とばかりパーツ交換という過激なご要望だったんであります。取り替える二台ともに、ポン付けができない・・・という厳しい現実がありますが、なんとか・・・やってみたんであります。

 続編は、またこうご期待ということで!


※コイツもフラットだが、そんじょそこらのクロスじゃないよ。レーサークロスといいますよ!走るったらない!
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レジャーを自転車屋として考える・・・



 夏休みと、冬休み頃ですか?この特別切符が発売されますな。

 通常世話になっている新潟に鈍行で出入りすると大体4300円クライかかります、片道。

 それがこの切符と使うと、約半額で行けるんですねえ、ありがたい、ということで、8月の農作業に一枚購入したんですが、スタンプ2個が残って、期限の9月10日を迎えようとしていました。

 なら、2個使うために、チョコッと長距離電車で出かけるか?ということで、出たんですね。

 柄にもなくレジャーというのでしょうか。店主はどなたかに雇われていないので、それからの解放という意味でのレジャーへの欲求は限りなく低い・・・といえると思います。

 さーて、この夏休みは何処へ行こうか?リフレッシュ!

 なーんていう、通常の方が持っておられる感覚が著しくない。毎日が遊んでいるようなもんだから、時間を作ってまでわざわざ遊ぶ必要がないんですね。んで、定休日もないんです。

 あとはもう性格の問題といいますか、観光ということが、何が嫌いと行ってこれ程嫌いなものはない・・・といっていいかな?

 大体観光地って、映画のセットのようなものに見えてしまい、それだけで興ざめ。日本の観光地で売られているお土産のほとんどが名古屋産(今では中国産?)・・・とか言う噂がまことしやかなように、あのお土産というのも、そういうところで売られているものって、まあ、興味が湧かない。

 これ見て、これ買って行けよ・・・というのが見え見え。

 まあ、単にひねくれているだけですが、エジプトいってもピラミッドを見に行かない自信があります!

 だったら、エジプトのおばちゃんとバザールを一緒にデートして、買い集めてきた食材で、調理の手順を見ながら一緒に飯作る方が、ずっといい!

 イタリアに行ってもピサの斜塔を見に行かない自信があります。

 だったら、イタリアのおばちゃんと・・・、これ延々続きます。中国行っても万里の長城に見に行かない自信あり、ブラジルいってもイグアスの滝を見に行かない自信あり、インドに行ってもタージマハルを見に行かない自信あり、だったら、現地のおばちゃんと・・・というわけなのであります。

 でも、まあ、子狸との因縁上、水族館というのがありまして、そこを訪ねて、電車で遠回りして来たわけなのです。

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 結論としては疲れつつも、楽しかったわけですが、3人で水族館が5千円弱・・・ってなんだよ!何処入っても、ちょいと一杯なんて引っかけたら食事代も5千円・・・。今回は足代は先払いだったんで、直にはかからなかったものの、ちょっと外でて何か見てくるだけで、こんなにも銀行券が出て行ってしまう・・・という現実にはちょっとビックリね。

 逆に言うと、わが親たちは、店主らを成長せさせる過程で、よくまあ、アチコチへと連れて行ってくれましたわ。あれも、大変散財かけたんだろうなあ。

 観光地へ行くと、もうどうやってか銭を使わせようという仕掛けが散見できて、ちょっともううんざり・・・という、なんかやり方変えないとなあ・・・と、思った次第なんであります。

 皆さん大変でしょ?3歳児から六百円取る水族館・・・。小学生の6年間は半額とはいえ、電車賃もかかる、中学生からは大人料金・・・。

 自転車屋として、なんかできないかね?

 やっぱり足は自転車だ!これで行ける範囲にするだけでも、まず足代がかなり助かるんじゃないか?ある意味自転車、および輪行ノススメなんであります。

 ただ、これだと、今回も考えたんですが、子持ちの場合、家から現地まで、オール自転車ということになってしまいます。輪行はむずかしい・・・。

 子持ちで在りつつ、且つ輪行することはできないか?輪行バッグ二つ持つだけでも結構面倒なところに、ハマックスも子供の数持たねばならない、というのはちょっとねえ。

 もう少し折りたたみ形式の子載せができれば、家族レジャーの足としても、もっと自転車が活用できるんじゃないか?なんてね。

 過去のものとしては、ボバイクの折りたたみ式のものこういうタイプで、着脱が楽な発展系が出てくると、これはレジャーのあり方が、少し変わっていくかもネエ。

 最小限の足代で、あとは自転車で回るレジャーなんて、どうかなあ・・・?まあ、両親は二人なので、二人以上となると、上の子に、かなり踏んでもらうことになるかも・・・。

 限界はあるとはいえ、もう少しレジャーのあり方、全般を考えないと、なんかプランナーの手のひらで楽しんでいると思っているゲーマーと同じく、いいように扇動されて、金使わされて、休日すごした・・・と思いこまされているだけなんじゃないか?なんて思うのね。

 うーん・・・。

 店主もフェイスブックか何かやっていましてね、お一人で、ご夫婦で、ご家族で、この夏をどうすごした、なんていう記事なんかを見るわけですが、皆さん結構工夫して楽しんでおられているようで、それは見ていてすがすがしいんですね。

 そういう方々って、大体自転車が絡んでいる・・・と思われるのは、店主のひいき目・・・だけではないような気がします。

 だって、ローカル線の駅を降りますでしょ。バスの時刻表には、シミ程度の運行しか見られない。脇には暇そうなタクシーの運転手さんが・・・。

 半日いくらかで契約して、あちこち連れて行ってもらうわけですが、いつも人を待たせているという意識は慌ただしいね。連れて行かれた飯やも、実は運転手さんと結託していたりしてねえ・・・。

 そんな地方であるからこそ、自転車組み立てて、自分たちのペースで、観光とはちょっと違う、ご当地の方々が普通に食べている店に好きに入って、会話をゆっくり楽しんで、自分たちで道を決めて、地べたを走るような、旅はまた格別なんではないのか?と思うんです。

 そこで見る景色は、自転車がなければ見られなかった景色なのであります・・・。

 なんか「日本を取り戻す」とか、意味の分からない内容にうなされているテング熱にかかっている方もおられるようですが、「レジャーを取り戻せ!」といいたいですね。

 ワンパッキングされた企画=仕掛けだけに頼り切らずに、なんか一工夫できませんかね?それに自転車絡めようというのであれば、何かお役に立てることもあるかも・・・、そんな程度ですが、自治・自立化するための方向性であれば大いにご協力させていただきたいと思いますわ。

 「青い海と、白い砂浜と、広いベッドルームと、エビ食わせておけば「癒された~」とかで、大喜びなんですよ、オプションでエステでもつけとけばもう完璧・・・、日本のOLなんてチョロイですよ」なーんて、旅行会社の企画会議など、さておいて・・・、自分で自転車からめてレジャーを組み立てませんか?


※こいつは正真正銘、最初から終わりまで、アタシの旅!なのであります、甘っちょろい癒しだけを求める人は、近寄らない方がいい。寒いも暑いも、善し悪しも全部含めてアタシの旅!という学生に送る!
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あれがこうして、また入院して、そして退院!



 この春当店にやってきて、大手入れして、ちょいと話題になりましたなあ、コイツ。別名ベトナム帰還兵と名づけられたくらい、日本では考えられない湿気のためか、錆が深部にまで浸透して、焼き付きも含めて、ほとんど手が付けられないような状態、まさに満身創痍でやってきたわけですが。

 脅威の外し、脅威の磨き、厚めの塗装ということで、なんとか生き返った・・・というやつでした。

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 こうなったんでした。

 そして半年弱、なんか足回りがおかしいということで、みるとなんかBBが脇から飛び出ている、ということらしいのであります。

 状況を見ると、右ワンと左ワンが右に飛び出てしまい、まずはBBを取り出さない限り、再生工事は進まないと分かりました。

 右クランクを抜いて、右からBB本題を引っこ抜きたいのだが、当然左クランクがついているままなので、それも外さなければならないわけ。

 そして、左ワンも同じくソケット中心部くらいまで来ているので、どうしても左クランクを抜くことに。

 すると、クランク自体の強度がないためか、コッタレス抜きのねじ山が崩れてしまい、通常の工具では抜けないことが判明。

 となるとかなり荒療治で外さなければならないという面倒な結論へ。と同時に、もう二度と同じくランクは使えないということにも・・・。
 
 なんとかぶっ壊して取り外して、ありものでも、そこそこのものを取り付けました。

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 白クランク、サカエものかな?

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 当然左もであります。

 これでまた、再生号として、日本国土を駆け回ることになれる・・・はずであります。

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 もうこうなったら、トコトン面倒見て、どこまでも付き合ってやる!

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 とひとつ、処理したはずの黒錆を中心になんと塗料の下で、赤さびが発生しておりました。

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 私らが言う、いわゆる線虫サビというヤツです。

 下塗りにインクララックというさび止めを厚くかけたにもかかわらず、こういう事が起こりうる・・・わけであります。

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 この辺も進行具合を確認して、こうして記録しながら、息長く見ていかないとダメですね。

 一定の時間が経ったら、この辺を部分的磨きで落として、再塗装で封じ込めの必要も出てくるかも知れませんね。

 でもまあ、ベトナムからの傷痍軍人のような一台ですから、どこぞの国のようにそうしたものを見捨てることなく、トコトン付き合って行っていこうと思うのであります!



※秋が来るという気配。秋といえば固定なんであります!他にも潜在部隊が後方にて大挙しておりますので、そろそろ固定のろうじゃないの?自転車乗りなら、一台はないとね・・・と強く思うのよ。バカ高いレース機材買うくらいなら、まずは内部から強くなろうと思いませんか?外部=装備による強さなんて、錯覚ですからね。
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因縁の車種マークローザ 今回が完成形か?



 本題の前に、例の高校生軍団ですが、土曜の早朝に東京を出て、午前10時半の段階で小田原着、そして、なんと日没前の五時四十五分の段階で、九名全員が箱根の宿舎に無事着いた、という連絡を受けました。まずは・・・よかった。

 まあ、清水から飛び降りた経験は今後への自信になっていくでしょう、中には慢心へと展開するかもしれませんが、それも若さ故、こちらも心おきなくスッ転ばしながら、見守って行ってやろうと思いますわ。

 しかし、土産話が楽しみだよね・・・。

 で、マークローザです。

 当店にとっては、因縁の車種でありまして、今までお持ち込みいただいた方々は、思い思いのやりたい放題を押しつけては、楽しく乗っておられるようで、この車体もその中でも引っ張るような一台なのであります。

 上の状態から、七月の段階では、以下のようになりました。

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 何でー、あんまし変わっていないじゃないの、と思われる方は、こちらをご参考ください。それなりに自転車の下半身がかなり変わったんですよね、ホイールを中心に。

 そして、今回はその完成系という仕上げに入ります。

 ある意味今回は上半身を中心に、整えてまいります。

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 前輪が完組みホイールになっていますね。赤いスポークなんていうのも渋いですね。本車体のコンセプトも黒赤ですし。

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 そして、マークローザの唯一の弱点といえば、フォークだと思っていたんですが、それがロードのストレートフォークになりました。

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 ただ、ロングアーチ系の101しかつかないとなると・・・、お前本当にロードフォークか?だったらリアと一緒に105ブレーキがつくはずだろう?なんちゃってロードフォーク・・・なんでしょうな?惜しいけど・・・。

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 そして、上半身の象徴として、ドロップハンドル化!これで車種は変わったといっても良いでしょう。

 おめでとうございます。ブレーキはエアロブレーキで引いて、シフターは・・・・?

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 何処だ?

 ・・・・よく見たら、止まり木が反対に着いています。通常なら、ハンドルの外側につけて、メーター類やライトなどを取り付けるはずなのが、なぜか内側に・・・。

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 なに?!!!!止まり木にシフターがついているではないか?!

 止まり木の径が22.2だとすれば・・・、ということは・・・、今までのドロップ化でのシフター変更問題にも、これまた一つの選択肢として、これが使えるというわけですね。

 イヤー、しかし、驚いた。この手がありましたか・・・。

 これは大いに応用させてもらおうと思いますね。素人の方から学ぶこと・・・これも非常に大切で、こうして開きっぱなしでやっていると、こういういいことも事もありますな・・・。

 まあ自転車に限ってですが、あんまり難しいことはわかんないので・・・、自転車に限ってのことですが、こういうのをみても排外主義にいいことなど決してない、ということは、自転車に限っては言い切れるね、自転車に限ってはね。日本自転車会議より・・・。

 早速止まり木の、いろんなタイプを収拾かな?

 そんでもって、シフターが一個ということは前ギアは・・・?

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 やはり一枚・・・、いいクランクに交換ですねえ、ジモンティーかな?

 というわけで、これで暫くは完成形となりました、マークローザなのであります。

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 オオ!完全レーサー風情だこと!まあパッと見、わかんないね。うん。クロモリレーサーだ・・・で終わりだよね。

 こういう施工例を出すと、他のマークローザ所持者から、もしかしてオイラのマークもこうなるの?ということにもなりかねませんが、、そうです、ロードーレーサーもどきになりますよ!と申し上げておきましょう。

 来週これでクリテリウムのレースに出るとか。まあ、車種車検があっても、何処のメーカーなの?という質問はあっても、レギュレーション違反で取り消しにはならないんじゃない?

 というわけで、またしても因縁の車種マークローザ君の出世物語なのでありました!とさ!

 さあ、全国のマークローザ所持者のどよめきが聞こえるぜ!何、オイラの自転車って、そんなにポテンシャル高いの?そう、高いんだよ!


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コイツもいじってよし、乗ってもよしのレーサーだぜ!若い子向けかな?イヤ初心者だったら、まずはこれで十分だね。

君もか? しかしいまどこ走っているんだ?



 3人目になりますか?ママチャリ同好会の有志。今頃箱根に向かっては知っているのだろうか?

 しかし、コイツも典型的な通学用自転車だな。

 6段ギアはあるが・・・、やはりこれだけで十五キロの登りをやるには、むずかしいでしょうね。まあ、そんなことは織り込み済みで、できる装備を仕掛けてやるしかない。

 まずは外せ!

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 カゴ外しは躊躇していたが、軽いに越したことはない・・・というこちらの提言・・・というか脅しに屈したのか、荷物は送ることにして、身軽作戦開始、カゴ取り決意なのであります。

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 泥よけなどであります。

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 やっぱりスッキリするよねえ。パンク修理も楽だよ。

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 前泥よけとカゴ。

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 ダイナモは優れているので、とっておく。

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 今回の一番の機能向上ポイントはここです。シングルだった前クランクをなんと・・・。

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 前三枚にしたんですね。

 シフターはいわゆる、サムシフター。親指シフト。つまり、指でつまんで、チェーンをかけかえる。登に入る前は、センターかアウターにしておいて、入ったら、インナーに落とす。ちょっとその度止まらないといけませんが、高校生なら、そのくらいがちょうどいいんだ!

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まあちょっとは戦闘モードになったかな?

 で、今回はハードだけではない!集団走行の勉強もしたんだよ!

 手信号と、声かけ、ひっつき走法、先頭交代・・・・。

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 全員ヘルメット着用で、当店周りを何度も周回。最初はへっぽこ隊列だったのが、大体5周目くらいから、段々と形になっていく。

 若いからか?自転車が好きだからか?元々筋がいいのか分からないが、短時間で驚くほどうまくなっていくんだよねえ、こいつら・・・。声かけなんかも最初はテレながらも、時々店主らが、「ちゃんと声出せ!」「慣れかけたときが一番危険なんだぞ!」などという叱咤が飛んで引き締まりながらも、やっていたなあ。

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 先頭が脇に外れての、先頭交代。短い距離でコンパクトに交代できるようになりましたね。

 なんか自転車が整っていくのもさることながら、こうしたソフト的な向上が見られるというのが、また非常に嬉しいねえ。しかも、競技者なら当たり前なんだが、ママチャリ同好会でこうした高度なテクができるようになる、というところがまた重要かも知れない。

 今九人の高校生が、曇りの中、降水確率五十パーセントの中、箱根に向かっている・・・はず。九人なら、3人ずつで、三分線で行くように、一分ほど時間を空けて、決して九台が龍のようにダラーッと走らないこと。車に嫌われるぜ。

 今どの辺踏んでいるんだろうな?アイツら・・・。

 無事に、とにかく無事にだ。

 帰ってきたら、それを経験に今度は九人の中から数名が、この9月大阪行くんだって・・・。やっぱりアホだわな・・・。


※ハイ、アホは放って置いて、よい子の皆さんは、こういう自転車でツーリングを満喫してください。学生限定、鉄のマウンテンから作ったツーリング車、買いだよ、マジで!
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がんばれ骨太くん!箱根を目指せ!



 例の仲間の一人の骨太君であります。なんで骨太君か?

 高校生でありながら、体重が四十キロ前後というんですから、雨で溶けちゃうんじゃないの?というくらい、細いです。

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 この彼が、例の高校生君たちの一団に加わりつつ、今週末箱根を目指すと言うんですから、体力的に大丈夫かな?なんて思うんですが・・・。

 まあ、平地やそこら、パワーが必要なところでは、ヘイコラいうかも知れないが、残りの十五キロに入ったら、もしかして、コイツ、いけるかも・・・なんてことも。

 とりあえず、軽量化だ!

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 当然自分たちでやれー!というほったらかし術。

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 イヤー、外した・・・重たい、と。やはり体力はない・・・。

 では、見てみましょう。

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 フロント泥よけよーし!カゴよーし!

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 リア泥よけ、スタンド、チェーンカバーよーし!

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 まずはこの状態にして、一日目は終わり。当店のある杉並から品川まで帰ってもらいました。

 で、このシングルだけで箱根五区を走りきれるか?いかに骨太君といえども、これは・・・無理でしょうな。

 ということで、内装三段のホイールに交換する・・・ということに。

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 後日来店。ポキさんに内装3段ギアの構造と、小ギア交換の講義を聴いて、はい、また自分たちでやれー!

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 バンドブレーキ等があると、いかに後輪が外しにくいか?なんて事も体験してもらいましたわ。ママチャリ同好会なんで、善し悪し含めて、よーくママチャリを観察し、体験することなんであります。

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 イヒヒヒとばかり、20tの小ギアがデカイ!これで箱根の登りもひょっとして激ヤセ骨太君なら、いけるかも・・・・なんて夢想したりね。

 でも、実際どうなんだろうなあ?

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 ピアノタッチもついて、でもまあ、重量には大して変わらない、3段でもギアが入る方が、いいに決まっているでしょう。

 試乗してもらうと、軽さに驚いていました。これがどこまで箱根に通用するか?土産話が楽しみなのであります。

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 ハンドルの変更もせず、まずはこれにて今回の完成形といたします。サドルの高さなどを調整しながら、何周も何周も当店のまわりを回っていました。
 
 で、雑談の中で、ひどい事実が発覚!

 出発当日までヘルメットを取りに来られない部員がいるかも・・・とのこと。

 それと品川からの出発は、七人で、なんと団長ともう一人は品川合流だとか。こういう合流なんて技は、旅慣れてからやるもんだ!

 大体、実用車でどのくらいで小田原つくのか、わかんのか?お前・・・。

 今までやったこともない、未経験だらけのなかで、なんで待ち合わせをなんてできるんだ?

 これは、ある意味、携帯世代の甘さだろうな。

 生まれたときから携帯があって当たり前の世界では、行った先でまた連絡取り合えば、何とかなると思ってしまう。

 まあ、それは無事なときはな・・・、何かあったとき、お互い携帯前にアタフタするだけ、という緊急時への想像力がなさ過ぎ。

 それに、立ち上がったばかりの同好会風情で、なんで最初からみんなで力合わせて、無い知恵合わせて、いこうという気がないのかが、不思議なくらいだよ。

 ということで、再度計画やり直し!!!!

 んでもって、いるやつで手分けして、部員全員にヘルメットを渡すように!という強いミッションをもって、送り出したというわけであります。

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  本当に高校生お持ちの親御さん、ご苦労様でございます。本当こいつら大穴だらけ・・・でどうしようもない・・・連中なのでありますが、まあ、それが高校生だということで諦めつつ、親父の夢と羨望と願いをも託しつつ、送り出すしか在りませんな。

 なんかあともう一人いやがったかなあ・・・。なので続く・・・なのであります。



※高校生達の自転車を見ていると、こんな自転車が高級車に見えてくる。確かにて、手元ですべて変則と制動ができるなんて、これはスゴイ!当たり前なんだが・・・。高校生のがぶっ飛びすぎか・・・。これも学生限定。たよりになるツーリング車だよ、これ本当。
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ブレーキ問題 とりあえず解決!



 昔の実用車に見えますが、実はクラッシクライクというか、そうしたものを模して作ったモデルらしいです。ビアンキらしいです。

 でも、よくここまでやった・・・はいいが、使い続けるには、かなり大変なんじゃないか?という仕様です。

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 ワイヤーで引かない、棒ブレーキであります。実用車でお馴染みなんですが。これはこれで懐かしいですね。

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 レバーなんかもよくぞここまでと、それなりに品があっていいんですが・・・。途中の棒部分が外れるという事も起きて、それを即交換できるものがない。

 そして当のブレーキ自身がまた古い形式に則っています。

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 リムのサイドではなく、リム内部をシューで下から押し当てて、とめるという昔の形式を取っています。
 
 まあ、ここまでやるか・・・というのは良いとして、消耗品のブレーキをこういうものにして、果たして交換やメンテなんかをどう考えていたんでしょうね、メーカーさんは。

 今実用車のパーツ類は、ポツンポツンと出てはいますが、すべてが揃うというのは、少なくとも当店出入りの業者ではちょいとむずかしいものがありまして、普段使いにはかなり躊躇するわけであります。

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 そしてドミノ倒しは続くのであります。下あて式のリムなので、サイドが狭い・・・。今のブレーキの主流はサイドあてなので、これで十分にキャッチしてくれるかな?とちょいと実験なんかも繰り返し。

 行けそうだということと、次の改造は前後リム交換かな?ということで、通常のアーチの長いブレーキを取り付けることにしました。

 本当なら、元々付いていたハンドル・ブレーキ一体型を使いたかったんですが・・・引きしろなんかの問題で、これはまあ、一式交換・・・かな?ご免ヨー、ということで。

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 クラシカルの意識があるので、前はセンタープルを付けます。このロングアーチは、ありがたい、またヨシガイさんだ・・・。
 
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 センタープルはクラシカルでよいわけなのですが、アウター受けを作らなければならないという設備上の難点がありまして、そこを確保できないと、取り付けは難しいんですね、そういうところも配慮して、リアはサイドプルものにしました。

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 そんなわけで、ハンドルもプロムナードにクラシカルライクなブレーキレバーと突き出し部分の短いステムで、極力前のものに近いイメージで組み付けた、というわけであります。

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 パッと見はさしてイメージはどうかな?変わらないかしら?どうしても施工側から見るとひいき目なので、まあ、なんとも判断は付きにくいですが。

 何度も試乗した結果、サイドが狭くとも、制動には大きな影響はない、と判断、これで行けそうですね。

 と、もう一つミッションがありまして、これがライトのコードがチューブ内で切れいてる・・・というヤツ。

 こういう電気系のトラブルには、当店内のポキポキ電装工房に外注であります。

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 前輪のフォークはハンドル切るごとに動きますので、コードが硬化したりすると、プツンと切れやすいこともあります。

 それがなんとチューブ内でおきて・・・。まあそれらを引き出して、ハンダで繋げて、まあ色々とやっていました。

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 前のライトだけでなく、後の尾灯も同時につけるというのがミッションで、こういうのは作る方はいいとして、ひとたび切れたらどうなるのか?と本気で考えているのかな?と思うほどの作りっぱなしの構造なんであります。

 もう少し、後々のメンテのことも考えての工夫もあっていいかな?と思いますが・・・なんとかつきました。

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 イイェイ!地味な施工でありますが、一台の自転車を乗り続けるということは、こういう地道で目立たない施工が必要なんでしょうな、と思います。

 次は、前後のリムの交換・・・かな?そうすれば、もうほぼ完璧でありましょう!



※元々ストラトスという車体なんで、ちょっとクラシックながら、メンテは楽チンなんであります!通学、通勤用にはいいんじゃないのかな?
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エエ!それで箱根行き!!!!!



 本当に、困った高校生どもが集まったもんであります・・・。ママチャリ同好会、まだ正式な部活としては認められていないながらも、形だけの顧問はいるとのこと。

 そいつらが、今週末、箱根のてっぺんまで行くというのであります。

 実は・・・、そんな話は春前から聞いておりまして、この真ん中のリーダー君からだったんですが、自分の実用車を軽量化して、当初は大阪まで走る・・・という計画だったんであります。

 ところが、ラグビー部に所属したことから、そんなに長距離を悠長に走る旅はできない・・・ということなので、急遽箱根行きでとめた・・・とまでは話は聞いていたんでありますが・・・。

 店主は当初、単騎で行く、とばかり考えていたんで、まあ自転車整備と、ペース配分、道の様子、天候の内容など、彼に伝授できるものはしておけばいい・・・と簡単に考えていたんですが。

 蓋を開けてみたら、なんとママチャリ同好会、総勢10名ほどで箱根を目指す!というのではありませんか!

 一人で行くのと、10人を背負っていくのでは、これは全く違うぞ、早くいわんか!この!とばかりの展開なんであります。

 ざっとの計画を聞きますと、これが笑える・・・。品川にある学校に朝の10時集合で出発とか・・・。当然ママチャリ同好会なので、基本ママチャリで集まっての出発・・・。

 なんだか、とても悠長だよね・・・。

 今週末くらいには、暑さがぶり返す・・・ってくらい聞いてネーのか!このヤロウ!

 最低朝6時出発だろうが!イヤ、大体高校生風情、朝4時集合!かけてようやく6時出発できるくらいじゃないのか?

 暑くなるなら、暑くなる前に、どのくらい距離を稼げるか?これが勝負だっていうのに・・・10時出発だと?

 早速計画変更なのであります。

 そして、本当に暗くなる前に、暑い中、不慣れな高校生、体力にバラツキのありまくりの高校生10名が、最後の10、4、5キロ、箱根駅伝でいうところの五区を登り切って、宿舎までたどり着けるのか?

 こればかりはやってみないと・・・なのでありますが、まあ、最初の一歩なんですよねえ。無理な計画・・・というよりは、立てた計画は、何か起きたときにそれを回避できる再計画を込みにしておかないと、やはりダメで、それを初体験の高校生だけで取り仕切る乗っていうのは・・・どうなんだろうなあ・・・?まず難しいんじゃないのか?

 というわけで、店主の提案。まずは初日は平地のみ攻める。

 そして、運が良くて明るい内に、箱根湯本に全員集合、ダメなら小田原。そこに自転車を置く。

 そこから公共交通機関を使って、まずは箱根の宿に入る。しっかり食って、風呂はいって、寝て。それから朝登山鉄道で降りてきて、リフレッシュした足で、再度、箱根の山チャレンジというのはどうだい?と。

 まあ、どうなるか分かりませんが、その辺の選択肢を言い聞かせつつ、まずは一台の軽量化、高機能化をしていきます。

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 これぞ!通学用自転車だよね。

 ただし、外すのは、テメー達でやんな!とばかりのほったらかし。

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 高専の子達だけあって、筋はいいかな?

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 重てー!!!とばかりに外したパーツを抱えます。

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 前泥よけよーし!

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 後泥よけよーし!

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 チェーン交換よーし!

 今回の一番の贅沢はここ!

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 シートとピラーは新調ときたもんだ。

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 イヤー、これでもだいぶスッキリで、大喜びだったんであります!

 ところが一日おいて、ハンドル取り替えたい・・・と。

 なら、やるしかない!

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 ステムを小さく、低くして。

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 ブレーキレバーを突先に移植!フラットバーようのを繰り広げて、長いネジでとめる。プラスチックだけに柔軟性あり。

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 右ブレーキは、突先から少し後退、それには理由あり!

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 ダイヤル式のシフターを右の突先に付けるための、理由なのでありました。

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 ブルホーンが着きました。これで相当の闘争モードに変身。

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 通学用自転車が、訳の分からぬ戦闘的自転車に変身。なんかスゲー走る気満々の車体ですわ。

 まあ、パッと見分類不可能な、変態系自転車にであるには違いない。これでどこまで平地を迫れるか?チャレンジングな企画なのであります。

 本人としては、もう少し前ギアのデカイものを・・・という感じですが、最後の登りを考えると、ある意味これでもつらい、まあ、これをしてまず第一基準として、行って無事帰ってきなさい!ということなんですが・・・。

 話を聞いている内に、何?全員ノーヘル?だと?

 100キロ近く走るというのに、ノーヘル?車道かっ飛ばすのにノーヘル?

 その場から、即、リーダーに電話をかけて訳を聞くと、自分はもっているんだが、部員達は持っていない・・・と。

 いいか、自転車はな、ヘルメットを購入して、余った金で買うもんだ、コノ!残りの3日で、全員着用するよう、努力させよ!

 確か、イベント用のヘルメットが何個か合ったから、今回に関してのみ、無いものは、貸し出す!

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 部員全員!自転車整備と、ヘルメット着用は義務なり!

 まあ、でも楽しませてくれるぜ、高校生共は。

 少なくとも店主は、こんな高校時代は送っていなかった。高校生だからこそのバカさ加減は・・・、別の見方すればそれなりにはあったかな?でも、体はってのこんなバカはしていなかったような・・・。

 ある種羨ましいが、もうそんな年ではないとすれば、こいつらをいかに邪魔して、成就させるか?しかないよな。

 お前ら、本当に気をつけて行ってこいよ!

 と、話はまだまだ続きそうなのであります・・・・。


※公立学校などは夏休みも終わったようですが、まだまだの学校もあるだろう?ちょっと涼しくなってきたこの感じ、いいツーリングのシーズンだよ。これも学生限定、かなりワイルドに乗れるツーリング車だと思う!
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プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

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〒202-0014
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携帯070-5083-6962
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