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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り |2016年04月 tp://cnt.affiliate.fc2.com/cgi-bin/click.cgi?aff_userid=45871&aff_siteid=43545&aff_shopid=63" target
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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

基本既設の組み直し・・・



 こういう形で持ち込まれた一台です。随分と乗っていなかったものを、引っ張り出してきて、これからまた乗ろうとする。

 何事も遅すぎることはない、というのであれば、この段階から再メンテしまくって、乗ればいいんです。

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 皮膚病のような表皮になったタイヤ。これはクリンチャーですが、まあどうやったら、こんなになるんだろう?と思いますが、なる時にはなるんですね。

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 パーツ類は、基本使えるものは使い続けたいとのこと。こうした一定以上古いもので作られたものというのは、それなりのバランスというものがあって、それを崩すようなパーツ選択はしたくはない。ものとものが使えれば、それがベストなんだが、イエイエ、それが古くなると難しい・・・というよくある条件なんですね。

 これだって、今のハブで組み直して8速以上に?という事もできなくはない。

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 リアディレーラーもシュパーブと来ています。当時の最高級のグレードなんですがね、これ使えるように、徹底洗浄と、各所調整をやると・・・。

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 まあ、なんとかこんな風になるんであります。まあ、中身をまた徹底して、メンテしてやるんですが、こうすると元が良い物はまた戻るんですね。

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 これもう諦める人もいるんでしょうね、でもやはり戻るものは戻る・・・。

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 ハブを直して、リムを摘出して、新しいスポークで組み直すと、こうなります。白いタイヤというのは、依頼者さんのご希望です。

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 後輪も同じくハブを磨いて、リムを摘出して組み直す。

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 これもまあ、通常なら、交換でしょうが、コイツを磨いてどこまで使えるか?をやってみると、

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 こうなるんですねえ、良い物使うと後で得でもありますな。

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 これも、まあ根気で、要所を交換してやると。

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 新品のようでしょ?一見ね。

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 横の顔でもあるクランクですが、これもてっていしてやると。

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 もちろんワイヤー、チェーンは交換してやりますよ。

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 ハンドル回りも、こうなります。

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 ヘッドパーツ類は新たなものを付けましたが、基本既設のものがよければ、こうして再生出来るんですね。

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 往年のアトランティスが、渋めのパーツ類をひっさげて、再登場ときた。

 これが街道を走る。頭の白くなった利用者は、またよろしくな、と。

 しかし、こういう自転車は1日にしてできるものではない。ある意味歴史が走っているともいえるかな?もっと出てこい!と思う。

もっと出てこい!物置や実家の片隅、屋根裏、軒下に眠っている、磨けば光る車体達、もっと出てこい!


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※5月1日、狸サイクルフリマ 黒カレー着々とできあがり中・・・なり。

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途中からママ狸ん



 もうすでに、ママ狸んに変身していますが。子育て仕様にした自転車です。

 ちょっと兄弟構成が面白い。十歳のデカイお兄ちゃんがいる。とうの昔に、母子で自転車には乗らなくなっている。

 そこにちょっと離れて、一歳半の妹ができた。離れた兄弟・・・まあ、あるでしょう。ただ、すぐにママ狸んには戻さなかった、色々忙しくって・・・。

 というのが、その妹のそのまた下に、またまた妹ができた・・・ということだったらしい。その子はまだ半年経っていないので、首も据わらず、お母さんの懐の中にいる。

 子供は卵で生まれてくるのではないから、二人目の子が生まれて、お腹が空いたかと思ったら、また宿って・・・ということなので、忙しかったというのは、慌ただしかったわけで、とても自転車を子育て用に用意するなんて余裕が無かったというのは分かります。

 とりあえず、真ん中の子は、自転車に載せて、首が据わるまで、下の子は懐で・・・ということに落ち着きそうなんですね。なれば、自転車は最強ということで、できるところから、ママ狸ん化していこうということになりました。

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 子供の乗せ降ろしには、こういうスタンドの方が向いていますね。

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 前輪のブレーキを、ダブルピポットのものへ交換。これで効くようになります。本人と子供二人、一家三人が乗っている自転車ですから、効くところで、シャキッと効いてくれないといけませんです。

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 あと、これ定番ですね。OGKのもの。当店は積極的にこれを売ろうという気はありません。どこでも売っているものですし・・・、センスもねえ、最近はいくつかがんばっていますが、まあ、もう少しなんとか・・・という気もありますので、イェップやポリスポートをおすすめする、という傾向になりますね。

 でも、これはどちらからかもらったものらしいです。ご近所で子育て号卒業となったらしいですね、ものを回すいいでしょうな。

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 ところが・・・、このテッペンのカバー部分が紫外線でやられて、ハゲハゲになっている・・・。これそのまま使うんですか?とも思いますが、当面これで行けるところまで行く・・・。子供が小さいと何かと物入りでね、分かります。

 で、発泡体なんで水は差して吸わないだろうから、これでいいとして、ここがこれほど荒れているとなると、命綱であるベルト系は?と見ると、もうボロボロ、ワレワレです、これは看過することはできませんな。

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 このベルトだけ新しいものを取り寄せいたします!OGKさんもこの手のスモールパーツは用意しています、さすが・・・。でもまあ、さして安くはない。兄弟が数人居ると、使い回すことが当然できてくるでしょうな、へたったベルトはこうして交換すれば、まあ安全。

 この手の深い子のせは、親の油断でもってベルトを掛けていない人が多数いますね。ヘッドギアなんかがあると安心して、ヘルメットの着用もさせない。

 止まっている自転車が静かに横倒れした、というのであれば、ヘッドギアなどまあ、ないよりはマシでしょうが・・・。

 通常事故は走っている最中に起こるでしょう?ということは、進行方向に子供は飛ばされるんです、十中八九。前にお母さんが座っていても、脇が空いているとそこからサッカーボールのように、ポーン!と子供なんて軽いんで、飛んで行ってしまいますよ!

 ベルトもしておらず、ノーヘルのお子さんがこうした事故でどういうことに陥るか?利口な親御さんなら分かるはずが・・・、日常に事故は希釈される・・・。災害もそうでしょう、日常によって希釈されているんです。

 起きた時、しまった!と思っても、もう遅い、子供さんの頭部が完熟トマトのようになっているのを呆然とみるしかない・・・、もう遅いんです。

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 まずは、この形式で、走ってください。下のお子さんの首が据わりましたら、またご相談くださいね。安全に、ご無事で!

※明日5月1日はフリマです。天気は良いようですね。出店は五百円、売りに買いに、冷やかしに、おいでください!
店主は黒カレーを仕込み中です。

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これが、この夕方頃に、黒カレーの素に化けて、一晩掛けて、とてつもないものに変身します!お楽しみに!

自分の自転車を作る



 こういう車体を見ると、イヤー、いじっているなあ・・・と思いますね。

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 ネ!ハンドルが逆になっている。より下を握りたくなったからでありましょう。ポジションを探している、そういう改造でありましょうな。

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 ニットーのステムに入れ替えています。しかも一番低くしている。これもポジション探しであると同時に、使っているものがよくなっているという意味で、自分の自転車の見た目とグレードにこだわりが出てきている・・・とも見えますね。

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 このサドルも早々に交換したそうです、やるなあ。見た目と乗り心地。そして外すものも外しているようですね。

 この一月、通勤自転車を始めて、ガツン!とはまったらしいですね、ガツン!とね。乗った距離がすでに1300キロといいますから、大したものであります。メタボ系だった体が、スッキリ締まってきたという。それはそれだけ走れば、そうなりますな。

 とにかく面白いらしいです。店主も経験があります。

 この自転車も車体として気に入っていながらも、ちゃんと課題を設けて、そこに向かって整備していこうということもお考えのようで、今回の依頼は、ブレーキ回りのいじりであります。

 しっかり走れるようになったら、ちゃんと効くブレーキが欲しくなったといいます。

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 確かに鉄板を打ち抜いてボルトで固定しているだけのこんなブレーキですと、たわみますね、だいぶ。

 そこで、

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 こういうダブルピポットという二本の軸を使ったものに交換します。これは子のせ自転車にする際にも、こうしたことはいたします。車体が重くなれば、それだけブレーキの制動力も求められますんでね。

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 はい、ちょいとどいてもらうよ。

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 今回はアルミ板二枚で、しっかり挟んで固定すると。これで車輪の着脱も楽になります。

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 フレームの形状から、下引きにするとワイヤーのラインも無理なく無駄なく描けますね。

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 とりあえず、今回はここまで。今後はちょっとシック系に、クラシカルな方向へ行くんじゃないか?という感じですね。

 しかし、通勤自転車から始めて、この短期間でのはまり具合は、すごいものであります。乗っている様子も、足がよく回っています。次の課題は?

 ホイールを700cに・・・とか、ハンドルのブルホーン化など色々あるかと思いますが、むしろ次は今のできつつあるポジションを完成形に近づけるために、ビンディングペダルはどうか?とご提案いたしました。

 かなり乗れているんですよ、見たところ。であれば、足を固めることで、サドルを決めて、その縦線を決めてから、今度はハンドル回りという、横線にいっても良いかもしれないと思ったからであります。

 まあ、今後の展開が楽しみであります。

 印象深かったのは、「自分の自転車にしたい」と言われたこと。メーカーサイド、ブランドサイドに絡め取られガチな自転車でもありますが、そんなものよりも、自分の自転車に!というこの価値観は大いに応援したい展開であります。

 それは自転車自身の展開ということだけで無く、この方が今後自転車とどういう関係を築いて行くか?ということ、そして、多分こういう方も、じっくりとゆっくりと、他者への感染力を持っていくのではないか?とね。

 しかし、いい興味深いお客さんに来ていただける店になったものであります、今後もおごらず研鑽していかないと・・・。まだまだ合うべき方々はいるはずであります、その予感と期待だけはいつも最大限に強いんであります!

 この自転車とその回りの今後の展開、何かあり次第公表しますんで、静かに注目しておいてください!

※5月1日は、通常営業プラス、フリマをやります、黒カレー作ってお待ちしています!
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※また連休中は基本営業しております。5日ぐらいは、子狸サイクリングしているかも知れませんが・・・決まり次第公表します。

妖怪博士に 黒カレーの フリマだよ!

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 今月4月のフリマも雨と風でつぶれてしまった・・・。結構雨にたたられる、当店のフリマでありますが・・・。

 今度は大丈夫だろう!5月1日日曜日、10時頃から開催です。

 連休の中なので、残念ながら好評のタンザニア館と谷澤農園の参加はないんだが、その聞気合いを入れて、自転車屋の黒カレーを作ります!

 そしてもう一つの目玉が、これ

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 妖怪博士の登場!妖怪DJともいいます。TBさん。

 何をやるかといいますと、妖怪折り紙講習。妖怪折り紙の加工品バッチ売りなどですね。まあ、本人が妖怪顔負けの妖怪なんで、一見の価値ありでありますよ。とにかく面白い。

 他には、もう出たとこ勝負なんで、出店料500円なんで、我こそは!という方は、なんかもって、参加してください。もちろん冷やかし大歓迎、自転車もののさんかもいいよ!

 いずれにしろ、遊びに来てね!

カンパのスプロケ スペーサーが豊か!?



 レーサーが持ち込まれまして、どうも変速がうまくいかない・・・。

 そういう場合、大抵はワイヤー調整で何とかなるんですがね。それで何ともならない時は、エンドの曲がりを想定してみる。ほんの少しの曲がりも、今や11速時代、ギアの歯どうしの幅が狭いもんだから影響が出るんであります。

 ただ・・・、今回はワイヤーでも無く、エンドの曲がりも無かった。

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 ということは・・・リアディレーラーか?まあ、年代からしても、少々疲れているのかも知れないね。でも・・・カンパだろう?

 あともう一つは・・・、

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 ここね、エルゴパワー。こいつは旧式のものなんで、メトロン星人ではなくて、単なる象牙の立派な象さんのやつであります。ここのコロが削れてへたってきたりすると、微妙なワイヤー調整ができなくなって、歯飛びが起こったりする・・・。

 さて、原因は何か?

 これはカンパ独自の形式によるものだった、ということが分かりました、シマノでは絶対にあり得ない原因なんであります。

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 これがカンパのスプロケ、見た目はシマノのそれとは全く区別が付きませんが・・・。

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 横にしてみると、一目瞭然!・・・ではないな。これ目視で確認できたとしたら、相当の目をお持ちの方かと思います。バラしてみます。

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 ベローチェのスプロケは、こうして一枚一枚が、バラけるようにできています。洗浄する時に楽ですねえ・・・。シマノのものは、大抵は三体が四体、プラス数枚、という形式(カンパにもあり)なんで、完全にこのようにバラけるようなものが今は無いんです、掃除には苦労します。

 そして、カンパスプロケですが、スペーサーをみてください。ざっと見分けられる違いは3種類ありますね。この見分けられる形や色の違いは、実はスペーサーの幅の違いを意味しているのです、しかもたちの悪いことに、その内の1種類は見た目が同じなのに、幅が違うんです。

 で、分かりました。バラして清掃しやすいとなると、利用者さんはつい洗浄したくなるはずです。埃と油まみれのスプロケが隅々までピカピカになるのは気持ちの良いものですから。

 その後戻す時に、スペーサーの順序を無視して入れてしまうと、上のようなシフトの異常が起きてくるんですね。均等のスペーサーを使っているシマノでは起こりえない現象でしょう。

 しかし、完全にバラして、元に戻そうとした時、スペーサーをどこにどう配置して良いのか分からなくなった時、一体どうすれば良いのか?これは大問題でありましょう。

 でも安心、そういう際には、ここをのぞけば良いんです!

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 カンパのパーツ類の詳細構造の公開は、ある意味シマノよりも徹底しているといって良いでしょうね。そこを開いて、その図を見ながら再組み付けすればいいんです。なんと驚くことに、さかのぼると1994年のものまで辿れます。


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 ホラね、スペーサーに4種類も使いやんの・・・。

 そんなわけで、
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 このように、一枚一枚きれいに洗浄して上げましたら。

 上の図に従って、スプロケを戻してやればいいんです。

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 皿屋敷ではありませんが、一枚・・・二枚・・・

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 三枚・・・、四枚・・・、

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 はい、完成!

 あともう一つ。こうしたバラけるスプロケを複数お持ちの方は、

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 このように、購入する際に付いてくる、ホルダーに順番に入れて、保存することをおすすめいたします。

 もし、まずい!捨てちまった・・・という方は、

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 このように、タイラップや紐状のもので束ねておくことかと思います、もちろん順番通りにね。

 で、この車体のシフトの結論ですが、このようなスプロケの正規の取り付けと、ディレーラーの調整、ワイヤー調整、そしてもう一つ、エルゴパワーの癖の習得、この四つ揃って初めて快適に、動くということになります。

 この最後のエルゴの癖というのが、ある意味すこぶるカンパ的な展開かと思います。相当お使いのようなので、中に摩耗らしきものが感じて取れます。ただ面白いのが、それがすべてマイナスに作用する、というのでは無いことなんです。

 その摩耗・消耗に伴う何とも言えない、使い心地の良さが出ています。これは新品では味わえない感触ですね。もちろん、カチッとしたシフトのシャープさが無いところは、新品とは違うところでありますが、その何ともアナログなところが、エルゴの魅力、シマノのSTIには無いところかと思います。だからエルゴは辞められない。

 もちろんエルゴの癖というのは、その何とも言えないアナログ臭さの中にあるんですね。ちょっとしたタッチの違いで、ちょっと変わる。その辺を知り尽くして、使い倒せば、まあ、最高なんであります。

 言っていることが全く分からない方と、そうそう、そうなのよ!!!と膝を叩いているカンパファンがいるんだろうなあ・・・と思いつつ、工業製品としてのばらつきがるカンパにはメカニックの腕の見せ所がありますね。

 に、対してシマノは、コンポの方から「ハイセッティング終わり!」と言ってきます。すごい、と言えばすごいんですが、ちょっと素っ気ない気もします。

 店主にとって、カンパが何ともいい、というのは、そういうことなんであります!

北の大地をオーバーホール車が走る?



 メンテのために、北海道からやって来ました。

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 ピナレロ君であります。この業者にはお世話になっていますが、扱う商品分野が違うので縁の無い車体であります。

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 この雷(イカズチ)フォークが健在であります。それに・・・、

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 アルミからカーボンフレームへの過渡期のハイブリッド車でありますね。フォークだけで無く、あたかもカーボンフォークのようなシートステーが付いています。これがどういう乗り心地なのか?良いのか?悪いのか?分かりませんね。

 過渡期のものの典型で、今こういう形で出ているものって、あるのかな?アルミフレームの雄である、キャノンデール辺りなら、まだあるのかな?

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 今回北の大地に転勤している方が、これをしっかりメンテして、初夏の北海道を走りたい・・・と、目に浮かぶような光景ですねえ、まだ肌には冷たい風ながら、強い紫外線の北海道の、地平線に消える道をひたはしる・・・、なるほどなあ、できる内にそういうことはやっておいた方がいいので、強く共感。お引き受けいたします。

 この旧式、正確には旧旧式のSTIを一つ前の旧式STIに交換するということもミッションでありました。

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 一世代前のシフトワイヤー内蔵型のSTIです。今握ってみると、ブレーキは重いので、何ともなんでありますが、前がスッキリするという効用は大いにあると思います。

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 合わせて、ワイヤー類の交換。

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 チェーン類の交換、まあ定番といえば定番なんですがね、メンテのね。

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 ごねてくれたのが、前ハブ。相当ガタがありまして、ホイールの型番を調べると、アルテグラのもの。スモールパーツ類を見ると、しっかりあるんですね。ベアリングと、玉押し、ワッシャー、シールなど、すべてあるんです、ちょいと当たり前ながらも、感激しますなあ、さすがレーシングコンポを作っているという社会的責任を煩雑な事務的実務的手続きをおいても、実現させようとするその姿勢には、さすが世界のシマノ!と思います、ヨイショじゃなくてね。

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 そして、もう一つ大ゴネしてくれたのが、ここ、ヘッドパーツなんですね。ピナレロといえば・・・一般シールドベアリングを使用していた時代があって、こいつがまさにそれ・・・。かつて、同じく揉んでいただいたこともありましたがね・・・。

 今回も質の良い、一般部品から取り寄せて、圧入使用としたんでありますが、カーボンコラムが少し太っていたのか?まあ、色々と苦労させていただいたんですわ。手でギリギリまで引き上げができないので、たくさんのスペーサーを動員して、ボルトの力で引き上げようとしたら、そのボルトを支えて踏ん張ってくれなければならない、アンカーが抜ける・・・。

 そんなことを何度も繰り返し、再度クラウン回りをさらったりして、再チャレンジしてもまたアンカーが抜ける・・・。見るとカーボンコラムの内側に、縦線の道ができており、その道を通ってアンカーが抜けやすくなっている・・・、これでは困る。

 そこで、既設のアンカーを諦めて、より摩擦度の高い別形式のアンカーを埋め込んで、なんとか完成・・・となりました。

 しっかり入りますと、さすが一般部品ながらもかなり精度の良い物を選択しただけ合って、スルスル回ってくれます。

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 仕上がったのに乗ってみたが、ほぼ現役レーサーなんじゃないの?という感じでありました。現役のレーサーが跨がったら、レレレ?かも知れないが、店主の足ではそのように感じました。

 集団のスピードが上がって、五十キロを超えた時とか・・・このフレームでどう感じるかは知らないが・・・。

 まずは、北海道、北の大地の初夏を走ってくれたら、良いよね。菜の花の黄色が目に刺さるようで、あの酔うような匂いの中を走るなんて、この季節そのものですね。

 初夏は自転車にとっては最高の季節かと、日焼けに気をつけさえすれば、そう思いますな!

鶏でも卵でもどっちでもいい 要は掛け合いだもんな



 お客の発想がすごいから、店のこちら側が大いに鍛えられる・・・、今まで散々皆様方より勉強させていただきました。

 ウーン・・・・・、なるほどねえ・・・、そう来ましたか・・・、それは思いつかなかった・・・。って、それを実現するにはだ・・・。こういうきっかけを与えてくれる依頼は、本当大事であります。

 同級生で、それはもう車の方面では殿上人クラスのがいるんですが、そいつも基本、来た仕事は断らない・・・と言ってました。現役の親父さんからの伝言です。

 当店も、そこまでは到底行ってませんが、基本来た仕事は断らない、という方針は立てております。5月より、柳サイクルさんの本格合流で、それはそれはより断らなく、大混乱していく様が想像できますが、そういう過程を通じて・・・、いや、そういう過程を通じてしかスキルアップなんてものは起こらない・・・と思っています。

 なので、門外漢の気楽さから、ズバッと奇異なご依頼をいただけるお客さんというのは、本当に大事にしていかないといけないと思っています。

 と同時に、施工側のコチラも、自転車ってこんなこともできる!あんなこともできる!やろうと思ったら、ぶっ飛んだこともできる!という施工例をいっぱいに示していかないと、これまた利用者さん、依頼者さんも何をどう変えて、どういう形で依頼していいか分からなくなる、という側面もあるわけで、これが店側によって、利用者さん達が大いに鍛えられる場面なんであります。

 お客に鍛えられる店、店によって鍛えられる客、どちらが鶏か卵かは別として、そういう掛け合いがあるところには、何か活発で、硬化した形式を活性化していく、原動力のようなものがあるんじゃないか?と思っているんですね。

 当ブログをよく読んでいただいているか他には、全く新鮮みのない話かも知れませんが、一般の方、大して自転車に興味は無くとも、足としては使っているが・・・、ちょっと不便な点もあるにはあるが、まあ、どうしようもないだろうから、我慢していたんだが・・・、とうい方がいるとすれば、ちょっと目から鱗かも知れませんね。

 おなじみの無印号でありますが、これがシングル。

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 もうこのギアしかないわけで、どんな上りも下りも、これ一本で踏まなければならない・・・、もう少しどうにかならないかな?と思っても、コイツをギア付きに替えるなんて・・・、ある意味考えもしないだろうなあ・・・。

 なら、こいつはコイツとして置いておいて、ギア付きの自転車でも買おうか?なんて普通に思うんでしょうね。

 でも、こういう自転車にもギアは付けられますよ!という、施工例をこうした場で公表しておくと、それは自転車に詳しくない人にとっては、鍛えられるという、側面を持つでしょう。

 店主らにとっては、いかようにもなるように思えますが、知らない人からすれば、まさか!本当に?となる。

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 ネ!、本当でしょ?内装三段のギアが付きました。なんなら、外装式でもいいよ。台座になる板加工して、そこにディレーラーを付ければ良いんだからね。もちろんそれに伴うドミノ倒しは起きるでありましょうが、なんとかいたします、ハイ!

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 チェーンは張替、ちょっとしたけじめのようなものね。

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 ハンドルにシフターもついて、これにて完成!

 なーんだと思う方はもう、かなりの自転車通ということがいえると思うんです、自転車をパーツの集まりと考えられている方だからね。その組み合わせがちょっと変わっただけだろう?ってなぐあいに。

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 このように、後のホイール回りが変わっただけなんだからね。

 そうでない、自転車に明るくない方は、自転車というのは完成物だから、もうそれ以上は大してどうなるものではない、と勝手に思っている節がありますな。もったいない、もう一度いいます、自転車はパーツの寄せ集まりからできている、構成物なんですよ、完成物じゃあないんです!

 こんなちっちゃい、鱗がぽろぽろ落ちていくと、今度は店を鍛えるようなお客に化けていくこともあります、マジ?!そんなのに乗りたいんですか?!ってね。

 自転車は安全であればなんでもしていいんだよ!頭柔らかく、自転車に対してみてください、コチラも頭柔らかく、それにお答えできるように、日々研鑽して参ります!

その程度の者なり



 ちょっと特殊な自転車の依頼のせいか、電話口の向こうで奥歯に物が挟まったような言い方で、なかなか本題にたどり着かないような物言いだったのを思い出す。回りくどいぞ!

 つまりは工賃ですか?と単刀直入に尋ね、値段をいうと、ホッとしたように、「そんなに安くやっていただけるんですか?」とぶ厚い雲が裂けて、サッと日が差したような声になった。

 それからというもの、立て板に水のようにしゃべり始めてきた、それが毎日、翌日もまたその翌日も。

 体に障害があると聞いて、であるならなおさら、できることはやるので、現物をもって来てくれというと、車もないし・・・、動きも取れない・・・ということだった。

 そうなれば、ポキさんのジムニーを出動して、一路川口まで・・・。

 住所とその場所を何度も確認しては、ここで大丈夫か?という・・・、その意味分かる?

 狭い路地を入っていった、どん付き手前にあったその一軒家、何ともゴミ屋敷・・・だったのだ、少なくとも店主にはそう見えた。表札を見ると、合っている・・・、ヤバイここかよ・・・。

 恐る恐るブザーを押してみると・・・「ハーイ」という、電話で聞き慣れた妙に通る声が響いてきた、やっぱりここだったんで、マジかよ・・・。

 ドアが開くと、老人が立っていて・・・てっきりその本人の親父さんかと思ったが、あまりに声が似ているので、店主の頭の上には「?」マークがいくつか付いていたと思う。そうか、店主もよく電話でオヤジと間違われたもんだ、親子の声が似るなんていうのは、よくあることだよね。

 と思った矢先、その老人がなんと本人だったというオチ。確か聞くところによると、店主より一年か年上だったでしょ?それが・・・。でも声は若いよね・・・。

 玄関から見える家の中は・・・まあ、男やもめになんとやら・・・でありましたな。でもそんなことは意にかけないネコちゃん、犬ちゃんがわんさか、かけっこしてましてね、多分犬猫にまみえて生きてんだろうなあと。

 そこで、自転車を預かって、帰ってきた・・・。

 その預かった自転車のミッションがまあ、すさまじかったなあ。

 サンスターの電動ユニットをリッジランナーに載せられないか?しかも前ギヤを三枚・・・、できれば四枚に・・・、それにスラムの内装三段式、外装十段ギアを付けて・・・、とまともに聞いていたら、その発想はマッドサイエンティストそのものでありましたな。

 あなたは、本当にそれに乗りたいの?それともそんな自転車をただ作ってみたいだけなの?とまあねえ。

 そんなへんてこりんな仕事を請け負ってからのお付き合いでした。時間が合ったのか、どうだったのかは知りませんが、電話を随分いただきました。

 いくつかの分野については、学者並みの知見をお持ちの方だったので、確かに興に乗ると話は面白い・・・、ただコチラは仕事中のこともあってね、そろそろ切りの良いところで・・・と思っても、話が切れない・・・、なんてことよくあったよね。

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 こんなユニット見ると、また火事で消えてしまった、あの実験号、詳細はこちらの記事にあるんですがね、を再度復活させようと、最近また意欲満々だったのになあ。

 そうそう、火事になったんだよね、大変だっただろう?あのゴミ屋敷・・・失礼、ご自宅が焼けてしまった。かわいそうだったのは、焼け死んじまった、君の家族達だよな。

 電話が鳴るだろう?受話器を取ると、ガサガサッて音がしたとおもったら、ミーミーやら、ミャウミャウやら、まずはネコちゃんの声が聞こえると、オオかかってきたか・・・と覚悟したもんだ、それから約一時間は延々と、褒め殺しと、将来の展望と、過去の栄光や、愚痴やら、まあ、機関銃のようにしゃべっていたよな。

 ヘエ、なるほどねえ、と思うこともあったし、正直自分の爪のアマカワ剥がしながらうなずいていた時もあったわな。

 ちょっと心残りだったのは、例のあいつを早々に送ってやれば良かった、と思っているよ。そうすれば、腕のいい君のことだから、早速直して、ヤフオクなんかで荒稼ぎできたんじゃないか?なんて思ったりもする。

 そして、何よりも書き手の店主などより、ヘビーな当ブログの読者でいてくれたよね。最近では、この記事の内容に、えらく共感してくれたようだった、電話口で泣かれたのは、テレを越えて困ったわな。時にホメ殺しで、こそばゆくもなったが、こんな勝手気ままな駄文の連結をよくもまあ、根気よく読みつなげていってくれたと思う、ありがとう。

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 そして、なんか最近こうしたサンスターの電動ユニットの出没が多くてさ。このユーザーさんが、コイツでもう少しスピードを上げたいなんて言った時、この特殊なギアは、市販はされていないはずだよね、なんて話の時、ソウソウそういえば、君は得意の人脈を活かして、町工場に作ってもらったとか言ってたよな。

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 それを持ち込んで付けたことを思い出したよ。しかもな、000 IMG_20131229_151553_convert_20131229174624

 ご丁寧に、インナーサイズまで作ってもらったんだろう?今となっては、どうやって付けたのか?すら覚えていないが、全く楽しませてくれたよね。

 そんなあんたの話をして、お客さんと盛り上がっていたんだよ。その夕方だったっけな。
 
 どうも偶然が重なってね、おかしい・・・おかしいと思っていたんだがな、だってそうだろう?この二ヶ月の間に、なんでこんなマイナーな電動キッドが三台も当店周りをかするんだ?しかも、話には出ていたが、電池をつないで、実際の乗ってみたのもこの日だったんだぜ。

 コイツのスペックの中で、君の計算によれば、60tのデカイチェーンリンクを付けて、足のあるヤツに踏ませれば、誤動作を利用して60キロは出るはずだ・・・なんて言っていたよな。

 そうすれば、競輪場内に持って行って、バイクペーサーの練習ができる・・・、トラックラブに売り込めば、蔵とはいわないまでも物置一つくらいは建ったかも知れないよな。

 そんな、捕らぬ狸の皮算用しながら、これがサンスターか?と初めて乗っていた、その矢先だった・・・。

 なんかね、川口市は個人情報だから、詳細は教えてくれないんだって。まあ、そうだよな、身より頼りでもない店主にそうベラベラ話ができるわけでもない・・・らしい。

 だから、今君がどこに居るのか、わからないんで、今訪ねていくことはできないんだよね。スマン・・・。

 数週間したら、居場所が決まるっていうじゃないか?そうしたら、有志でな、自転車でアンタに会いに行くよ。大阪の仲間達も、店主らに思いを託してくれたんで、その思いも一緒につれてな。

 今一編の詩が胸に突き刺さる、仕方ねーと思うが、突き刺さる。それは生きているものの傲慢なのかも知れないし、行き残された者の無念なのかも知れないが。



「なぞなぞ」

「生きてる時はいかないで、死んで慌てていく者だーれ?」
答え: わたし



店主は逃げも隠しもしない、この程度の者だった、それ以上以下でもない、この程度の人間だったんだよ。「手短に」なんて言ったりもした、時に接客のふりして、電話も切ったものだった。本当にその程度の者だった。申し訳ないが、その程度の人間だったんだ。

 ただ、今は、君とのことが懐かしい、誠に身勝手ながら、懐かしい。

 切れた関係の彼方に、耳を澄まして待つ、のみか・・・。

 合掌

事故車の検分も仕事の内



 一見何ともないような自転車ですが、よーく見ると。

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 フォークが後ろにずれていて、前輪が自転車のダウンチューブに接触しそうであります。

 そう、つまり、これは事故車なんでありますね。正面から車にぶつかって、その衝撃を前輪とフォークが吸収してしまったということなんですね。

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 よほどの振れ、ポテトチップ状になるよう振れであれば写真で確認できますが、そこまでとは行かなくともかなり重篤な振れというのがあるんですね。ブレーキシューが、リムに干渉してしまう。これも程度の差なのでありますが、衝突のような外から力のかかった振れというのは、一見小さく見えようとも、それを内部のスポークテンションで直そうとしても、すぐに振れとなってしまう。

 リム自体が曲がっているものをスポークで仮に「真円」にしたとしても、そのテンションのばらつきはすごいものなので、ちょっと走るとまた触れてくる。

 結論かろいうと、外からの力による振れは、内部のテンション調整では取り切れない、つまり長く乗ることを考えるなら、リムの交換で組み直すか、ホイール自身の交換をした方がいい、というのが当店の見解なんであります。

 なので、そのようにして参ります。

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 フォークは別物に交換しました、もちろん単体の新品にであります。その際、ヘッドパーツも部分交換および全交換した方がいいことが多いですね。

 フォークの歪みはヘッドパーツの歪みにもつながりますので。

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 前輪もハブダイナモにある同じタイプのものに交換します。

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 接触したシュー交換と、ブレーキアーチも修正して、ほぼ元の通りとなりました。

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 これにて何度も、手放し運転などしましたが、フレーム自身のセンターなどはズレておりませんでした。普通に元に戻った・・・、フォークの色を除いては、となります。

 通常なら、これにて完了なんでありますが、事故検分の場合には、この後、またはこの前後に、保険会社との接触がありまして、見積書・請求書、検分内容を書いた書類などの作成なんかも当然ながら、伴ってくるんであります。

 保険の担当者の方と、電話で説明したり、丁寧なところは直接ご来店いただいて、説明したりとね。

 かつては、相当無礼な対応もあったりしましてね、カチンときたものでしたが、最近ではそういうこともなくなってきましたかね。

 ただ、補償内容のひな形はどうしても自動車であるようなので、修理費用が自転車の原価を超えているか否かなど、細かく聞かれることもありますね。

 そういう所は、自動車など高額のものはかなり事務手続き的に完成しているんだと思います。「事故に巻き込まれたあの車にはな、マイケル・ジャクソンが乗ったことがあるんだぞ!」といって、補償額を上乗せしようとも「それほど大事な車であれば、是非お座敷に飾られればいかがでしょうか?」で終わってしまうでしょう。

 まあ、今まで理不尽なフッカケや、様々な前例の中から、より抜かれるようにして、練られて練られてこうした形式が作られてきたんじゃないか?と想像いたします。

 自転車がそうした車の補償形式をひな形にしつつも、完全にそれらをスライドさせることができるのか?というと、そう簡単にはいかない事もあるかと思います。実際にそうした例もありましたしね。

 簡単に言えば、形式上では修理に費用がかかるので廃車にして、それに準じた新車を代替にということらしいんですが、どうしてもその廃車にしたくはない・・・直せるものなら直して乗り続けたい・・・という愛着などにまつわることなんでありますが。

 そういう話となっては、当店も被害に遭われた方、その自転車の方に思い入れしてしまいますね。どうにかして乗れるように戻してやれないか?ってね。

 そういう時には、ちょっと時間をかけた対応が必要になるようです、すでに半年近くかかってようやく動きつつある事案もあるくらいですからね。そういうことを考えると、こうした事故検分や保険屋対応というのは、割に合う仕事ではありませんな。まあ、間に入る・・・というようなことで神経使いますしね、廃車とも付かない事故車が店の片隅をいつまでも占拠している・・・というのもねえ。

 でも、どうしても諦めきれない愛車に関してのことであるなら、少しでも良い落としどころを見つけられるように、踏ん張りはしますよ。もちろん理不尽なフッカケ要求などには応じませんし、今までそうしたことは一度たりともありませんでしたがね。

 そんなことで、当店をかすっていなくとも、事故車でお困りの際には、ご相談だけでもどうぞ、お待ちしています。自転車を愛しておられる方を支援するというのが、国是ならぬ、店是なのでありますから・・・。まあ、その前に事故は起こさないことであります、おこさないこと!であります!

親父の夢・・・かも知れない・・・ロードマン1973年



 これも因縁のフレームの一つかも知れません、ロードマンが入って参りました。しかも1973年物。店主が、中学生の兄ちゃん達カッコいいなあ・・・と思っていた時代、ドンピシャのロードマンであります。

 これみると分かりますかね、700cの足が付いています。かなりご自分でやろうとした形跡ありなんですが、断念してもってこられたようです。

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 あとは手持ちのパーツ類、ありったけをもってこられて、この中から使えるものは使ってください・・・ということでした。

 ただ・・・、強敵が。

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 ピラーが固着して・・・抜けない。しかも思いっきり入っている。ピラーすべてが焼き付いているとしたら、これはものすごい抵抗だわな。

 ただ、持ち主の方もただものでは無かった・・・。しっかりラスペネを入れておいてくれた。でも固着・・・・。

 かつてロードマンでこの手の焼き付きで、フレーム自体の溶接が負けたという苦い経験がある店主。ちょっと気は引けるが、万が一のことがあってもいいですか?という確認をいただいて・・・。

 当店のスーパー万力の登場で・・・。

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 なんとか引っこ抜けたぜ!!!

 あとは、洗浄とグリスアップ、ホーバーホールできるものはして、使えるものを集めてつなげて、乗れるようにする。

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 このザッツロードマンクランクは、意地でも使いたかったので、しっかり磨いて戻してやる、クランクは自転車の横の顔でもありますんでね。BBは新品が入ります。

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 入っていたんで付けたのがカプレオのディレーラー。元々は小径車用に作られているようですが、まあ流用可能なんですね。

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 チェーンはモチ新品を使います。

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 抜けたピラーの代わりに、別ピラーを。サドルが上下できるなんて、なんて良いんだ・・・と普通のことながら、思ってしまいますね。

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 このブレーキは、元々ついていたものを流用。ホイールが700cになったことで、影響を被るのがこういう所なんですね。

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 オーバーホールや、シュー交換などをして、しっかり効くようにします、もちろんワイヤーなども交換でね。

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 ヘッドパーツ類は新しいものに交換。下に見える、wレバーは現行の八速用のもの。バンド式になっているものは、スモールパーツるから取っておく。台座が溶接されていないので、こうした小物があるとすごく便利なんであります。もしないとすると、横穴を利用する別名山田式というのがあるんですが、ご老体のフレームに横穴はないですからね。

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 ハンドルは曲がっていたので、丸ハンを取り付けて、革風バーテープを巻いて・・・終了かな?

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 思わず、ジャーン!!!!と言いたくなる風情であります。そしてまた、乗ってみるとこれがなんとまあ、懐かしい。

 懐かしいだけじゃないのが、ホイールが700c化して軽くて硬く回ってくれるので、緩いフレームにしたをカチッと決められた感じで、何ともこのヤロ-!な乗り心地なんであります。ツーリング車とロードの間・・・と言えば簡単かも知れませんが、新旧という時間軸での間というのもまた、面白いもんだなあ・・・という乗り味であります。

 こういう自転車、新車で探せといっても、まあ、無理でありましょう。無理・・・。それには時間という要素がやっぱりある、1973製ですからね。そして、オヤジ達の思い入れがまたどっさり載っている。
 
 なんかうれしい、子供の頃憧れのロードマンが、形を変えて、また街道を走っているなんていう、その絵が、その志が、何ともうれしいんであります。

 丁寧にメンテしてやればあと三十年は走れるよ・・・、と店主はその時、80だわ・・・。少年の頃の車体を皺だらけの手で触るイメージがありありと浮かんできた・・・。

チョッチー待った!なんだがまあ、走るぞ!



 クロモリフレームでパイプそのものに加工してあるものっていうのは、そう無いですね。まあ、パイプ自体の種類もあるという意味では加工してあるんでありますが・・・。

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 このように、パイプ自身に物理的に溝を切って、杉の柱のようにしているなんていうのは、あまりない。コルナゴ・・・、ネオコット・・・他にあるかな?

 というイタリアのチョッチー、鉄フレームなんであります。先日コイツのエンドをサイド二ミリずつ広げるなんていう芸当をお見せしましたが・・・。

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 フォークのクラウンにも彫りが入っているなんて、優雅な時代の産物であります。

 こいつについにコンポ類がつくという・・・話。

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 その前に足として選ばれたのが、アラヤのポリッシュ!SA730なんですね。ここ最近続きます。当店内のマイナーブームですからね。しかもカンパ系との相性で出ているというのでありますから、不思議なんであります。

 そしてまた・・・、日独伊の三国同盟というのがまた奇異なんでありますね。

 この前はアラヤ、ミケ、カンパという組み合わせでしたが、今回はアラヤ、コンチネンタル、カンパという組み合わせなんですね。

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 多少のディープリムであっても、この妖艶なポリッシュの魅力には抗しがたい・・・、クラシカルな車体にもひっつく魅力がある、この辺が金属磨きの魔物なんでありますね。

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 では見ていきますと・・・、コンポ類はまあ、基本がカンパ!カンパ祭りであります。ただ面白いのが新旧の取り合わせがねえ、何ともなんですね。企画者曰く、集めるのに十年かかったということです。まあ十年かかれば、新旧の入り乱れはしかたない、いや、むしろ面白いんであります。

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 その最も真骨頂なのがこれ。カンパがチラッと出した・・・、そういえばデュラもチラッと出したよね、最上級コンポでありながら、トリプルをチラッと出した時代のクランクなんですよね。

 最高級グレードといえば、一流の選手クラスが使うものですから、なんでトリプルがあるだよ?となります。確か、ジロがマニアックに急坂を集めたコースレイアウトをした時、「なんだこのコースは?スキー場の紹介か?」と選手から皮肉られるくらいの急坂があった時、中にはトリプルで踏んでいる選手もいたという話は聞いたことありますがね。まあ、ほとんど無い、といっていいでしょうね。プロにトリプル・・・。

 もちろんスクエアテーパー時代のクランクです、新旧の内の旧を代表とするパーツなんですね。

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 エルゴのこの形なんていうのは、新しいわな。ちょっと下位コンポのトリプルを有するところからの引っ張り。でもまあ、賛否はあるが、このエルゴの握りは良いよね、握手返されているような感じがたまらない。形状は一昔前の方が、断然良いんだがね。

 この形状、ウチの子狸が、ウルトラセブンのメトロン星人・・・に似ていると言っていた。

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 今爆笑している人いるだろうなあ~、確かに言い得ていると思う・・・。
 
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 まあ、こいつはモロ新しくはないが、カンパがいい時代の頃のブレーキアーチだよね・・・。

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 この形状のピラーなんかも普通に作り続けてくれれば良いのにねえ。

 あと、撮り忘れていますが、前後のハブがまたいい、ベローチェもんなんだが、高級感アリアリでね。アルミのポテッとした表面張力的な金属の曲線なんかがまたいいんだよねえ、一体何処へ行ったのやら・・・。

 そして、最後に一つちょっと待った!問題が勃発したんであります。

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 件のものがコイツなんであります。あまりにも当然のような顔して付いているんで、このようにアップしないと、よほど性格の悪いカンパフリークでない限り、見抜けないかも知れない・・・なんて思うのね。

 実はこのフロントディーレーラー、シマノのなんと下位グレードの2300直づけトリプル用のFメカなんであります。

 でもなんで?でしょ?

 まあ、河童の川流れ?弘法も筆の何とやら・・・というのではないが、苦節十年で集めたフロントメカはしっかりトリプル用のものであったんですが、なんとバンド式の・・・ものだったわけなんですね。

 そしてご覧の通り、チョッチーは直づけ台座が付いています・・・。ガーン!!!!

 なわけであります。もちろん、バンド式のものをよーく観察して、バンド部分を撤去して、直づけ部分にねじ山切って・・・くっつかないかなあ・・・なんても考えました。二つあるテンションボルトの真ん中に穴開ける・・・なんて構造に影響しそうなんで、断念。

 では・・・・、チョッチーの台座取り・・・という手も考えます。でも、しっかり蝋付けされているところをグラインダーかなんかでこそげ取っていくなんて、神経戦も大変なことになりそうだし、万が一手が滑ったら・・・なんて。

 そこでそれも断念ということで、ありもの探しで、仮付けしようということに。

 そしたら思いの外、シックリきやがって、俺いて当然でしょ?なんて顔してくっついて、普通にシフティングしているんだから・・・まあ、どこでなにがどうつながっているんだかねえ、わからないよね。

 こんなメチャクチャな取り付けや組み合わせでも自転車動かせんだぜ!なんて、よい子の皆さん達が知ったら、もっと自転車自体は面白くなる・・・かもね。

 そんなわけで、今あるのはカンパトリプルフロントメカバンド式のものなんですね。そこで、これを読んでおられる方の中で、実はワシはカンパトリプル直づけフロントメカ持っているんだが、バンド式のものと交換して欲しい!なーんて方が居ましたら、ご一報くださいませ。

 まあ、一台組み付けるのに、十年パーツを探していられる根気の持ち主なんで、ご自分でも各古物市、オークション系を目を皿にして探すと思いますが・・・。

 それまで無償の貸与と行きます!

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 と、一部にズッコケがありましたが、それもまあ、こうした寄せ集めの際にはよく起こるハプニングなわけで、そうしたことも遊べる余裕が無ければ、こうした芸当はできません。

 でもまあ、ご覧になってくださいな。遠目で見て、フロントメカが!!!とかいえる人はまあごく一部を除いてはいないでしょ?

 それよりもこうした、デコボコクラシカルな、よーく近くでみるとフランケンなんだが、離れてみれば、タレント並みの整形美男なわけで、これはこれでいいと思うんですよ。

 こういう自転車が、街道を走っている、上にはちょっと年配の人がカスクかなんか被って、乗っていたら、オオ!と思うでしょうね。

 色んな年齢層が、相応のそれぞれの自転車に乗っている、そしてその成り立ちもまたそれぞれで、十年かかってようやっと世に出てくるものもある、なんてまあ、奥行きの深い話なんでしょうか?

 ということで、一部を残してのチョッチーの完成であります!

アサヒの実用車をTTバイクにしてやる!



 まあ、太めの厚いパイプで、頑丈そうですなという、実用系自転車であります。コイツを久々に大胆に手を入れて、TTバイクにしてやろうかと思います。

 というのも、イギリスのデービット・ミラーのような長身のライダーさんが来たからであります。こういう人には、本人のやる気をしのぐような、むちゃくちゃな仕様の自転車にしてやる方が、車体とライダートにデットヒートが起こって、結果的に面白くなると勝手に思っているんでね。

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 テコの効いた長い足で踏むので、ここはデカくしても良いなあ・・・。

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 48tにしました。大丈夫でしょ!

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 赤さびの6速ボスフリーをこの際一枚上げて7速にしてしまおう。

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 一枚増えたから、なんだということでもないんだがねえ。多少スペーサー調整など面倒なんですが、7速!

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 フラットハンドルにカゴ?まあ、TTバイクには必要はない、これをより前傾のできるアレに交換しましょ。

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 ブルホーンです、ギドネットのブレーキレバーに、先端にバーコンのシフターが付いています。スッキリです!

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 スピードも出るようになりましたから、ブレーキも効くようにしないと、ということでダブルピポットで行きます!

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 後輪の泥よけなどいらないものは外し、このボッテリしたサドルもダメ!それ以上に短いピラーはもっとダメ!

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 ステッキかよ!と思えるくらいに長いピラーに、ロードサドル。何せデービット・ミラー並みの足を持つ方ですからねえ、このくらいないと・・・ネ!

 とスピードに特化していくしようなんでありますが、実はこれは通勤にも使いますので、多少妥協しましょう。

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 スタンド・・・。これないと不便なこともありますしね。

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 これもチョコンとかけるには、便利といえば・・・便利かも知れませんね。ただ、あの長いピラーを見て、出来心で盗もうなんていうヤツは、まあ・・・いないでしょうなあ・・・。

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 これも通勤自転車には必需品ですね。ハブダイナモなんで、ほとんど費用がかからない。暗くなったら勝手に点灯してくれるし、良いとこずくめですね、こいつは。

 ということで、速さをメインに、ちょこっと普段仕様に妥協した部分も残しつつ、やっぱり大胆に実用車の改造をしてみたんであります、まあ、どうせやるならこのくらいしないとねえ。

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 本当、通勤TTバイク、というジャンルを作ってもいいんじゃない?というほどのばっちりな出来なんであります。これに、デービッド・ミラー並みの長身・長足の方が跨がって、悠然と踏み始め20秒後には、時速四十キロ・・・なんてなっていたら、まあ、カッコいいわね。

 こうしたブットビ系の特選中古車なんていうのも、今後やっていきますよ・・・。盗難の危険性をできるだけ軽減しつつも、走りを妥協したくない、人向けの通勤TTバイク、やっぱりジャンルとして確立していこうかね!

 次は700c化・・・だろうなあ。

新店舗でもやりまっせ!軒先自転車



 この新店舗の前の前の、その前から始まった、軒先自転車なんでありますが、新店舗でもこれは続けて参りますよ。

 お姉ちゃんが乗っていた、この自転車をその弟が乗る。ただこれじゃあ、あまりにもお古だし、女の子っぽいから、どうしようか?というご相談をお母さんからいただきました。

 なら、軒先お貸しするので、ご自分でやってみませんか?というコチラの提案に、すっかり乗っていただきまして、新店舗で第一弾となります、軒先自転車の始まり、始まり!

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 フレームとフォークとにバラして置いたものを、親子で、洗浄して、足付けして、塗装するというもの。もちろん、色んな指南はいたしますし、基本の道具などもお貸しします、もちろん場所もね。

 洗浄ができて、足付けしたら、塗装と行きましょう。

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 すぐやりたがるが、すぐ飽きる少年を中心に、お母さんが音頭を取って、お姉ちゃんはそのサポートしながら、進めていきます。よくある展開ですが、お母さんの気合いが入ってきて、施工内容にかなり細かいチェックが入ります。良い傾向・・・。

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 フォークの方もやるのよ、こうやって!とお母さんの模範吹きが始まります・・・。

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 もちろんタレが出たり、埃が付いたり、乾く前に触ってしまったり・・・・なんていうのはもう織り込み済みです。

 もし失敗しても、同じ工程を辿れば良いだけのこと。はい、乾くのを待って、ヤスリで足付けして、再度吹く・・・、それだけ。

 でもそんなことが大切なんですね。施工に自分が携わっておくと、以後使いながら、乗りながら傷が付いたとしても、へっちゃら、また足付けして、マスキングして、再度吹けば良いだけでしょ?となる。

 人にやってもらったものは、そうは行かない。アア!キズが!どうしよう!!!!となってしまう。

 今周りにあるものって、ほとんどがそういうものでしょ?技術や内容がすべてメーカーによって独占されているってことですよ。何にも携わっていないから、詳しいといってもせいぜいソフト的に詳しいだけで、中のハードに関しては全くお手上げなもんで、スマホ落として、タブレット落として、キャー!!!って狼狽えるしかない・・・。

 技術や内容をもっと身近に、自分たちで管理できるようにしていくという、時代に逆行するというのもいいもんだ・・・、たかが塗装と思うなよ・・・。

 なんかやってはすぐに飽きる息子を叱咤激励しながらも、全体的にはホノボノと作業は進んでいきました。

 お母さんとしては、どうも、ツートーン、スリートーンにしたかったようですが・・・、本人が乗りたいので、早く塗り終わろうということで、塗装終了。本当よく頑張ったよねえ、親子三人でね。

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 こんなだった、車体がね。

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 真緑になった!初めてというところからすると、大したもんだよね、全く。

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 自分で手を入れて、きれいにフレームをしていくと、それまで付いていた、汚いパーツ類はどうしても使いたくなくなってくるようで・・・、何色のサドルにする?とまた親子でバトル。まあ、結局は子供が乗るので、お母さんはいつも大人の対応でした。

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 お母さんはオレンジのサドルにしたかったようですが、子供がどうしても緑の差し色が欲しいということで、これになりました。

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 ハンドルも、男の子らしく!ということでね。

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 黒ハンドルに、黒グリップ。ブレーキレバーだって、良い物使ったんだぞ!このハンドル回りは、中学生になっても、そのまま移植できる代物だよ、だから長い目で見るとかなりやすい買い物となるはず!

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 両足スタンドの片方を切って、曲げて一本足スタンドにする。この方がスポーティー・・・だよね。

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 親子三人の力と、当店の協力でできあがった、再生子供自転車、その名を「走れ!コウタロウ!」と言います。

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 この新しい乗り手の名前が、コウタロウ君というのでね。

 フレームに輪っぱが二本とハンドル、サドル、ペダルが付いていれば、自転車って言うんだが・・・、こいつはそんじょそこらの自転車じゃあない。なんてったって、親子三人が一丸となって作り上げていった一台なんだからね。

 こういう自転車を渡す時、言うだけ無駄な一言があるんですね、それは・・・。

 「大事にしろよ!」

 んなこた、言われなくたって、オイラ分かってラー!!!!ってか。

 施工に携わると、修理することもできるし、自分の実力も分かるし、知らずに愛着もくっついてくる・・・。「ものを大切にしなさい」などと言うお小言は、物を作らなくなってきたところから出てき始めたんじゃないのか?

 なれば喜んで時代に逆行しようではないか!小言を言う以前に頭と手足を動かしておくことだよね、そしてそれでも足りないことがあるとすれば、一言添えれば良いわけだ、それは小言ではないだろう、そういうのを大言・・・って言うんじゃないかな?

ちょっとお色直しと行きましょう

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 かなり古めのミヤタ号ですが、これをトコトン乗ろうということで、もってこられましたが、こいつが機能的に大分アップされて、こんなになった、というの先日のブログの内容でした。

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 多段化をはじめとする、かなりの機能的大改造を行ったわけでありますが、今度はちょいとお色直しと行きたいという事であります。

 ある意味、自転車いじりに関しては、大方二種類の方向性を持つといっても良いかもしれませんね。

 一つは、機能を上げるということ。それまでは子供を載せてのサイクリングができなかった自転車に子のせができるようになる、とか、きつい坂では下りていたのがそれがギアの編成を替えることでゲキ坂が登れるようになったとか。

 スピードが出しやすくなった・・・なんていうのも、軽量化・・・なんていうのもこれまた自転車自身の機能を上げる改造ということがいえると思います。

 それに対して、見た目を重視する、という改造。別に機能上は問題なくても、なんかダサイ・・・、汚い、・・・かっこわるい・・・、統一感がない・・・などの理由でパーツ交換をしたがる傾向のもの。

 多くは、機能もアップして見た目も良くなれば最高なんでありましょうし、それが両立するものもありますね。また、全く両立しないものも・・・確かにある・・・。それ本当に付けるんですか?確かに子供はのせられますが・・・、マジそれでいいんですか?なんていう案件も無くはない・・・。

 自転車を移動と運搬というところに絞っていくと、最後は乗れれば良い、動けば良い・・・となりますが・・・、確かにそういう方もいらっしゃいます。そういう意味で、機能的な改造にも、それを盛り込んで楽しんでいる方と、ないと仕方ないから依頼しているだけ・・・という二種類にも分けられますかね。

 それからすると、見た目を重視する方に、きれいになればなんでもいい・・・と言う方は少ないですね。それなりにパーツ一つ一つになんか一家言ありますな。最終的に分からなくなって、お任せしますなんて方も居ますが、持ち物に愛情を注ぐという意味では熱い方・・・とも言えますね。

 自転車屋としては、機能にも見た目にも熱い方の方が、仕事は楽しい・・・と言えますな。なんでもいいや、動けばいいや、汚くても中古でもいいよ・・・という冷めた方には・・・ヘエ・・・となるだけ。まあ、色んな方が居るということでね。

 さて、第一回目は機能を中心に自転車を磨き上げたが・・・第二回目は見た目重視ということで、ちょっと統一感を整えてみる、なんてね。

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 真っ黒だけのサドルから、青一色差しましょう。

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 ペダルにも青を差します。

 そして・・・、

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 グリップにも青。それぞれメーカーはバラバラなんでありますが、ほぼ偶然か同系色の青が揃ったということです。

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 カゴもプラから、黒網系の物に替えます。別にプラが割れたから・・・というのでは無く、この自転車を黒と青のツートーンに・・・というところかな?

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 前カゴも黒ということになりました。

 今回一つだけ、機能を上げた改造がありますが、ここ。

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 どうしてもスタンドの入りが浅くて、すぐに下りてしまうことにちょっと戸惑っておられたようで、そこを解消するために、若干ながら内側にスタンド自身を折り込んで、入りを深くしたということなんであります。

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 機能も色もすべてそろって、こういう形でお色直し完了。

 色というのは、思っている以上に、人間に影響を与えるようであります。機能は好きでも、色が合わないとどうしても自分のものとは思えない・・・、良い色がないからそれを使わない・・・なんてことも大いに選択肢としてありますでしょ?そのくらい色の影響というのは大きい、また色だけで無く見た目の影響というのもね。

 そうした見た目を重視するというのは、自分の持ち物に対する愛情の深さを示すものなのか?または反転するところの持ち主ご自身の見栄というか自尊心の方を本当は重視しているのか・・・というような問題は置くとして、一般的にいえるということは、ものの成熟化には、こうした見た目的なことが非常に大きなウェイトでもって、絡んでくるということ。

 多くの運搬・移動用自転車利用者の方が、それに対して、ちょっとでもかわいいとか、カッコいいとか・・・感じるような選択肢を用意することも、自転車を面白くしつつ、自転車文化の成熟化を図るものとしては、大切な布教活動でもあるなあ、などと多少面倒な色物の入荷など考えつつの毎日なのであります、ハイ・・・。

あのエピキュリアンが放蕩息子に変身!



 カラビンカ、もう素人にはフレームは作らない・・・という話だったはずなんだが、確か・・・、意外とそうでもないかもしれない、というフレームを最近ガラス塗りしたっけね。

 でも、あの例のブームの際にはサンレンショウだかと人気を分け合ったとかいう伝説クラスのフレームですね。エッジにピンストライプが入っています。

 フレーム自身の内容は、詳しく乗っていないのでわかりませんね。

 比べて、マキノのピストフレームはすごかったなあ・・・、単に好みだったというのかも知れませんがね・・・。ブルブル震えながら、前へ前へと、街道走ってないでとっととグランドに行け!と言ってくる迫力があったなあ。

 そういうわけで、ラバネロ、マキノ、ネオコット・・・こいつらが店主の三本鉄フレーム・・・といって良いかもしれませんね。

 でカラビンカです。

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 ピストフレームですが、これを街道仕様として組み付けるという事であります。ご依頼は・・・、あのエピキュリアン・・・。足るを知るはずだったはずのエピキュリアン氏でありますが、ついに禁断の領域まで足を踏み込んでしまったようであります・・・。当店の責任ではない・・・と思う。

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 もうここまで来ていますぜ!エピキュリアン転じて、放蕩息子に変身!イヤー、すごいよねえ、ここまで来るとは、しかも短期間で・・・。

 ちょっと前までは、無名ななんちゃってマウンテンフレームを固定化して泣かずに走っていたのに・・・。これじゃあ、一端以上の街道ピスト乗りじゃあないですか!!!まったくもう!

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 まあ、持っているパーツ類を回している感はりますね。

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 ハンドルも本格仕様で、下ハンしか握らないポジション・・・。その辺はストイックでいいですねえ、上ハンに腕を寄せて、ダッチューノ!乗りしているのとは違う、かなりストイックに踏んでいる。

 そして、コイツで、なんとか群馬の桐生まで行けないか?なんてことも、お考えのようだ。

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 このうつろな目の先には一体、なにが見えているのだろうか?これからどこへ向かって歩むのか?

 もうすでに、京王閣で行われた自転車フリマでの目撃証言もあるほどで・・・、もうこうなったら、文字通りのエピキュリアン=快楽主義者となって、行けるところまで行ってもらいたいものであります。

 でも、これは当店の責任ではありません!また、別の話によると、競輪自身にもはまっているとも聞いています。乗ってもよし、いじってもよし、そして見て、賭けてもよしの自転車という・・・、完全に取り返しの付かないところまで行ってしまったらしい、そう、もうこうなったら、行けるとこまで、トコトン言ってください!

 できることは、お手伝いします!地獄のそこまでも・・・



イヤー、メールの内容からそこそこの年配者かと思ったら、現役の高校生だった。しっかりした、丁寧な文章でありました。

 自分である程度、マウンテンバイクのドロップ化をやろうと、パーツ類を集めて、できる限り自分でやっていこう・・・と思ったようだが、色々と頓挫して、当店にもって来た。

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 レーサーのパーツでドロップ化を狙ったようでありますが、ねらい通りにはどうも行かなかった。

 リアディレーラーは大丈夫!これで良かったものの。

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 クランクもソラクランクを取り付けようと試みたがんだが・・・、チェーンステーブリッジと干渉してしまい、頓挫・・・。ダブルのクランクで、マウンテンに合うものはないか?

 結論から言って、2300のコンパクト系クランクが付いたんでありますが・・・。これにはちょいとコツ・・・とはいわないなあ・・・、ちょっとした技がかくされています。

 当初付けようと思ったソラクランクは、ホローテックⅡの形式のため、フレームにチェーンリンクが干渉してしまったら、諦めるしか方法がありません。調整もクソもない、そういうクリアランスなんですマル・・・というものなんですね。

 ところが、スクエアテーパータイプのBBシャフトだと、シャフトの軸長によってチェーンリンクの位置を調整できるという特徴があるんですね。今回それを利用したということです、ちなみに軸長は113ミリを使用しました。

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 持参したフロントディレーラーは、ソラコンポ、レーサーのものですから、下引きのものなのでこの上引きのマウンテンフレームにはちょっとした加工をしない限りは、装着は難しい。

 加工するか?ディレーラー替えるか?どちらを取るか?

 手間などを検討した結果、後者、ありもののフロントディレーラー上引きものを使うことにいたしました。トリプルのディレーラーなので、ダブルに使うには、ちょこっとまたコツがいりますね。設定のコツもありますし、利用する時のコツもいる。

 コツというよりも、癖というのに近いですね。それは利用者さんと十分に共有していくこととなります。

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 シフトとブレーキレバーはソラのSTIを使います。なれば・・・、

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 Vブレーキは当然ショートスケール・・・ではないところが、高校生。潤沢な資金があるわけではないので、できるだけ手持ちのパーツを使いたい・・・ということで、細かい調整して取り付けます。ちょっと引きシロがありすぎなんですが、しっかり引くとしっかり止まります。
 
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 リアのブレーキのほうが大変でしたねえ。リムにシューを近づけようとすると、リアのホイールの振れがまた邪魔してきて回転が止まるので、、振れ取りなんかもしっかりやらされます・・・。めんどくせー・・・。

 なんとか良いところに決めます。

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 しかし何度も巻く時確認したんだけどなあ・・・。ピンクに水玉・・・ほんとにいいの?と何度もねえ確認したんだが、決意は固かったわな。

 なんとか、かき集めたパーツで、使えるものを使い、使えないものは交換し、使いにくいものは調整・・・とやりながら、なんとか一台完成!となりました。

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 イイェイ!とばかり、生まれ変わったドロップ車で、千葉まで風の中を帰って行った。無理すんなよ!

 ハイ!ダメだったら大泉学園辺りから輪行します!って早すぎだろう?と思いつつも、こういう自転車の改造が、若い子にどんな影響与えていくんだろう?なんてことを少し考えてしまった。

 大それたことは起きないながら、ささやかな何かが動くかも知れない・・・という期待はちょっとかけてもいいだろう、と思う。

 しかし、変な店だねえ・・・と、主催しながら思う店主なのであった・・・。

※本日、開催予定でありました、フリマですが、雨と強風のために中止になりました。タンザニア民芸、谷澤農園、妖怪博士など事前の盛り上がりがすごかっただけに、大変残念であります。近い内にまた、開催いたしますので、その際もまた、多くの皆さまのご参加をお待ちしています!

仲間がやって来た・・・



 ミシンのような存在感・・・・、中にはかき氷機という人もいるが、古いが新しい仲間が当店にやって来た。

 年代物のベルトサンダー・・・。これが重い、だからいい、安定感抜群なのだ。

 当店のお客さんで、倉庫系のお仕事をされている関係上、こうした預かり物などが出るのだそうだが、有難いことに当店にやって来てくれた。

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 改めて点検。ブロワーで積年の埃を飛ばして、グリスを入れたりね。そして、消耗品であるサンダー部分の交換・・・をしてみる。このレバーを引くと、一瞬ローラーが寄る、つまり帯状のサンダーが緩むということ。

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 外れた・・・。調べると100ミリ幅の915というヤツ・・・ということは、今現役で動いている当店のヤツと同じであります。

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 まずはフンドシ、ひきしまったわな。

 それから、駆動系でいうと・・・、

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 このベルトは、時間の問題ね。星の数ほどある型番から、調べて取り寄せる。

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 来た!働く気満々、引きと柔軟性が非常に良い感じ。

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 装着完了、ヨーシ!それではスイッチを

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 動画ではありませんが、しっかり回っています。実は色々と、手入れをしてから、反回転にしてみようとか色々したんでありますが、とりあえず、現役生として当店でしっかり働いてもらえる状態になりまして、仲間として今後もまたガンバッてもらおう、ということですので、ご来店の際にはその雄姿を一目ご覧になってください。なかなかの存在感です。

 ということで、壊れかけの機械もなんとか直して使えることができるようになります、自転車と同じでありましょう。

 こういう機械はいいですね。壊れてしまってから、修理に近寄れないようなもの、これはいけません・・・。

 今九州では、オオナマズが、複数匹、大暴れしているようであります。被災されている皆様方には、お見舞いを申し上げるしかありません。

 この数時間おきに揺れる地震・・・、こんな地震など今まで体験したことありません。今までの「地震」の「常識」が全く通用しない事態が来ていると見て良いのではないでしょうか?

 我々は地震について、ほとんど全くといっていいほど知ってはおらず、対策などというものは実はたてようがないのではないか?とすら思ってしまいます。

 地震自体、ひいては噴火にしても、人間では全く制御することはできない・・・、残念ながらそれを受けるしかない、その受け方が重いか軽いかの違いはあっても、受ける時には受けざるを得ない、という覚悟が必要なんでしょう。

 もうそれだけで十分でしょう。その上に、深刻な事故が起きたら決死隊以外、近寄ることのできない、またその後の後始末に関しても、決定的な対策を取ることのできない、原発などというものは、この地震国のどこにも置く余地はない!と言い切ってもいいかと思います。

 それにつけても丸川、元アナウンサーは川内原発は止める必要はないという判断らしい。

 分からないなら、再度教えて上げよう、機械は壊れるものであり、人間はミスをするものである。この逃れることのできない二大要素にあって、制御できないものに、人類は手を出してはならない!

 この今まで「地震」の「常識」を覆すような事態の中で、再度自転車屋としてできることを考える、真剣に考えよう。

事業拡大 大森研魔!



 今まで、自転車本体および、自転車パーツを中心に、磨きに磨きをかけてきた大森研魔の社長でありますが、今後は事業拡大をしながら、自転車外のものにまで、その食指を伸ばしていく!という展開になって参りました。

 それまで自転車外の磨きといえば、セロテープホルダーのような小物はチョクチョク引き受けていたようですが、今回依頼が舞い込んだのは、上の金属の葛籠のようなもの・・・、古い世代は給食のパンを入れるアルミの箱を思い出すかも知れませんね。

 この依頼が来たんであります。

 さて・・・、どういう形で引き受けたら良いのやら、直接依頼の方と社長との話し合いの中で、折り合いが付いたようであります。

 今までは自転車フレーム一本でいくら・・・という勘定でしたが、こういう箱のものは初めてとなると、何とも値段の決めようがない。今後その形や大きさ、そのものの状態においての料金体系もできてくると思いますので、何か磨きの依頼のある方、もちろん自転車外であっても何かある方は、安心してご依頼できる体制を整えていくと思います。

 そして、未知のデカさの磨きが始まりました。

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 こうした依頼が来ると、無心になって取り組んでしまう大森社長・・・。

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 こんなものを磨きだしてしまいました・・・。これは何気なく置いてあっても、金属の妖艶さを伝えるには十分すぎるくらいの存在感を示しますな。

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 やりましたなあ・・・、身内ながらお見事と思います。

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 そして、今回の強敵はコイツであります、どうもキャンプ用品らしいですねえ・・・。コイツを磨くんですが、剥離したあとのサビの状況などがかなりきておりまして、大変苦心していましたねえ。

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 背中から殺気が漂っている・・・。昨夜はなんと徹夜作業になっていたようです。店主が上がってから、子狸を送りに出そうとする朝、夜会った時と同じカッコウで作業が続いていました。

 ある意味恐るべし・・・であります。引き受けた値段で、そこまでやるか?とね・・・。

 大森社長は、自分の地位も、名誉も、立場も、手間代すらも何とも思わないような、最強の強敵なんであります、その意味分かりますか?西郷隆盛も言っていたそうであります、金にも、地位にも、名誉にも関心のない奴が一番怖いヤツだとね。

 こと磨きにはいると、事柄そのものしか目に入らなくなる大森社長は、そういう意味で最も怖い相手であります。できたものが、良いか不出来か?それしかないんですから・・・。ある意味商売には向かない方かもしれませんが、何かを残す方、であるには違いないと思います。

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 搾りたての牛乳が入っているような、牧場に似合いそうな器ができましたね。

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 新品の軽薄さ、使い古しのみすぼらしさとは、また一味も二味も違う味がにじみ出ていますね。

 大の男が3日掛けて、そして最後は徹夜までしてし上げた、作品といっても良い物かと思います。

 このように、大森研魔はすでに始まっています。それも自転車フレーム・パーツだけでは無く、磨きの範囲は止まるところを知りません。

 自転車以外にも伸びていく、大森研魔。

 なんじゃこりゃ?!!!的物品の磨き依頼、お待ちしています!

人車一体の 調整?ポキポキ



 フレームの色合いや角張ったところなどみると、まるで折り紙で作った自転車かよ!と突っ込みたくなる、車体に乗ってヤツがやって来た。

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 自転車の横顔には、しっかりデュラエースのクランクがついていた。53*39・・・、久々に見る男ギヤ、こんなにデカかったっけ?

 しっかし、フレームもカーボンで硬そうなんだなあ。

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 クランク回りも、コンクリでも打ったのか?というモリモリ状態。

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 どこか華奢で、可憐な雰囲気など、みじんもないほどのガチガチガチ。

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 まあ、これが兵器というやつなんだろうなあ・・・、兵器には兵器の無骨さというものがある、それが過酷な条件下で使用されるものの迫力はすごいもんだよね。

 だもんで、このフレームも先端のレースで使われる機材・・・なんでありましょうな。通常なら、ちょいと貸して・・・と来るところ、今回はまあ、いいや・・・という遠慮モードになりましたな。珍しく、店主が萎縮しておる。

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 折り紙でしょ?コイツには曲線美は無縁なんでありましょうな。まあ、とことんかわいくない車体、そう、勝てば良いの、勝ちゃいんだよ!ってなもんだ。

 まあ、これはこれだ、それなりの足をもって、しっかり踏んでしっかり勝てば良い、以上!

 で、一体誰がこんな兵器を踏むんだ?

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 一回りデカくなった、コイツである・・・。古潤!

 で、今回は遊びにではない、事故に遭ったり、古傷を手術したりと、意外と満身創痍なヤツ。今日は、ご機嫌伺い・・・よりも、ちょっとした体の調整にやって来たのだ。

 どうも、事故以来首由来の、腰の痛みがあるらしい・・・。

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 早速当店一角で、ポキさんによる、ポキポキ診断が始まった。

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 仰向けになったり、うつぶせになったりしながら、癖の付いた体を見ていくと・・・。

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 こうして左右の歪みによって、足の長さが異なっているというようなことが、次から次へと、分かっていった。

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 トリャ!ポキキキ・・・。

 まあ、時間ができたら、6月末の全日本選手権に向けて、何度か調整に来るように・・・ということになった。今は、某有名チームに休学して所属しているヤツ。
 
 ただでさえ弱肉強食の世界に、満身創痍と来ている、そして社会的身分も暫くは宙ぶらりんで、コレ!という先など全く見えてこない、不安定さが続くこととなる中で、不安が無いわけがない。

 でもね、後で考えると、そういう不安定な時期になにに対してどう臨んでいたか?ということが、その人間の地金を鍛える良い機会だったということが分かるんだよね。今はつらいかも知れないが、まともな男になりたいなら、しっかり励むしかない。

 でも励んでも、励んだなりの人生、サボってもサボったなりの人生、逃げても逃げたなりの人生・・・てなわけで、それなりの人生ってもんがあるようなんだよね。だから、悲観的になってもいけない。塞翁が馬、なのだ。

 まずは、小さい目的を建てて、それをクリアしていく、その意味と理由を常に考えて、イメージを豊かに、まずは走れ!かな?食事については、また教示するんでな。

 なんか、不思議とヤツが来ると親父連中は、ウキウキワクワクする。自分では絶対に到達できないところに、行くかも知れぬ若者には、なんか知らんがワクワクするわな。

 また来いよ!

当店の真骨頂 ありもの交換再生術!



 アレ?最近みた・・・ような・・・、デジャブのような自転車です。そう、ちょっと前に外装多段化したミヤタの古い自転車がありましたが、これもほぼ同時代のミヤタ号です。

 同じく、買い換えようかなあ・・・ということでお持ちになった自転車ですが、例によって、例の如くのコチラの誘導口説きの流れから、こいつも再生させることになったんであります。

 でも、限られた予算の中で、新品集めて組み付けたとしたら、これまた結構バカにならない金額になってしまいます。

 そうなると・・・、手持ちの中古在庫などが俄然頼りになってくる・・・、いかにも当店らしい展開になってくるんですねえ。

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 前輪、スポークがサビサビ・・・。錆落としというやり方もありますし、張替というのもある、またより程度の良いものとの交換、新品との交換・・・予算によって、できることは色々ありますな。

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 こんな感じですね、タイヤは新しい、ブレーキシューも新しい、あとはオーバーホールなどで、性能を戻してやる。

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 全くもっての新品ではなくても、より程度の良いものをグリスを入れて調整してやれば、変な新品などよりもよく回るようになります。

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 ギヤも何も付いていない後輪ですが・・・、近所を買い物するだけとはいっても、田無の駅の周りには坂もありますしね、ギヤと銭はあっても邪魔にはならない・・・という鉄則から、できることなら内装三段ぐらいがある方がいい、でしょう。

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 ギアの歯も19tの大きめのものにしているので、踏み出しや、ちょっとした坂にはかなり対応できると、いうことになります。

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 そしてシフターは、ハンドル回りに付けましょう。

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 クランクの錆は、もう安定しているといっていいほどなので、外見はこのままで、

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 軸にあたる、BBの部分にはベアリング交換して、グリスをしっかり入れてやると、土台がいいとまたヌルヌルと動き出すんですねえ。

 多分80年代の日本製ミヤタ号・・・なので、その再生力たるや・・・。

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 相当なものだと思っています。試乗していただきました。

 年配のその方は、跨がるやいなや、オオ!軽い!・・・と、そして戻ってきては、やっぱりギアがあると違いますねえ!と目を輝かせています。

 ご本人もご年配ながらも、そのお父様の介護もされているようで、買い物は必需だとか。あの晴れやかな顔を見ると、買い物はもちろんのこと、それ以上の関係をこの自転車と結んで行けそうな予感があります、この快適な自転車によって、何かが多少でも解消されて、日々新たな気持ちで介護へと臨まれることを祈っております。

 やるねえ、ミヤタ、推し甲斐があるぜ、まったく、もの作りはかくありたいものだわな。

小学生から そして大学生になっての再会のようなものか?



 今年の春から、晴れて大学生になったという若者。店主もその辺のことは鮮明に覚えていますね、三十年以上前のことですが。

 学業に関しては、本当の意味での自己管理ということが身にしみましたね。確か教職課程のガイダンスが3時間後だったので、待つのもなんだしと帰ってしまい、翌日資料をもらいに行ったところ・・・、非常に冷たく、今年は履修できません・・・と言い渡された。

 なるほど、そういうことのなのね・・・と納得。なれば、とその手のモードにスイッチが入った感じがしました、そういう意味でも、中学校入学、高校入学というのとは全く違った、アチラから、コチラに来たような感触でしたねえ。

 施工依頼の彼も、多分そうしたある種の段差のようなものと同時に、何とも言えぬ解放感のようなものを感じているのかも知れませんな。たかだか就職ごときニンジンに一喜一憂せずに、ドカンと一発バカかませ!これが贈る言葉かな?

 思うところ、食指の動くところに、足を使って接近し、五感フル回転で没頭せよ!これしかねえよ!

 何をやったら、就職に有利か?将来に有利か?なんて小賢しいことなど考える必要なし!思うところに進むべし!

 で、コイツをどうするか?もちろん通学の足にしたいという、なるほど。聞くところによると、小学校の高学年の頃に購入したものだということです。

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 FUJIのオデッサというマウンテンバイクですね。多少重いが、フレームなどはガッチリしていますので、完全に生き返ります。
 
 しかし、まあ、よくここまで放って置いたなあ、というものでもあります、ここで一発自転車も再生すると同時に、利用者の意識の覚醒も同時にねえ、起こさないといけませんね。

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 普通の人から見れば、この状態ではもうダメだ・・・と思うかも知れませんね。または、こんな状態のもの持ち込んできてごめんなさい・・・なんて腰が低くなっている方もいますね。

 でもまあ、このくらいなら何とかなりますし、なんとかしますともさ。

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 洗浄できるものは洗浄して、交換するものは交換していく、基本です。

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安くても、構造はしっかりしているシマノものは、ワイヤーなどの消耗品を交換して、洗浄と注油、調整をしてやると、またちゃんと動き出す。そういう所はすごいよね。

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 これどうにかなるの?なんて思われるでしょうね、フロントメカはお釈迦だったので、それは交換です。

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 その他は何とかなるものなんですね。
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 ブレーキもシュー交換して、これも洗浄と注油ですね。天下のVブレーキですから、蘇ります。

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 小学校高学年の時からのサドルとピラー。さすがに体の大きくなった今となっては、ピラーはより長さが必要になります、あと破れていないサドルね。

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 このサドルは軽いので、ダンシングした時にその意味が分かるよ。

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 ワイヤー、シフター、ハンドル、ステム、グリップ、全くどいつもこいつもしまらないよね、こいつらもエイヤ!だな。

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 シャッキッと戦闘モードに入った感じでしょ?そしてこれが全体像・・・。

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 アー、よく寝た・・・、サーテ、そろそろ俺の出番か?ってな、佇まい、感じられませんか?

 これで、新入学の学校までの通学が始まる。自転車だけで無く、本人も通う気満々のようですね。4月の頭に、半年定期買ってしまった・・・というお母さん、なれば、さっさと自転車通学慣れて、払い戻しさせれば?なんていらん提案したところ、親子で、そうだね!モードに。

 まあ、話はそううまくは進んでいかないまでも、夏休み前に、「なんかコイツと北海道一周したくて・・・」なんてきたら最高だね。そうなったら、普段の通学モードから、ちょっとした旅仕様に格上げしてやって、大いに走ってもらおうか?

 そういえば、お前さんとの出会いは小学校高学年だったな、途中ほったらかしにしてしまったが、大学でまた再会して、なんだ?今は一緒に北海道に来てんだぜ・・・。こんな風に、自転車に独り言言うようになって一人前だわな。一緒に走りながら、人と物の潜在力、そしてその関係なるもののダイナミックな展開に暫し酔え。

 オットまだまだ、北海道一周は未定に過ぎない、店主の一人妄想の酔いすぎであった・・・、そう、いつものヤツね。 

 励め、若造!

子供自転車だってかっこよくしたい!が!

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 子供自転車の持ち込みがやって来ました。

 でも、事前に相当いじられているようであります。



 お父さんも相当の自転車好きとお見受けしますね。多分そうとうセンス良く仕上げた一台を大事に乗っているんじゃないか?と思います。

 そういうお父さんですから、なんか息子の乗っている自転車もなんとかかっこよくできないか?と、一緒に走る度に自転車見てるんでしょうね。

 なんかできませんかね?

 すでに、サドルは準バナナ並の長めのものが取り付けられている、それにハンドルもお父さんが率先して交換したようだ。他にできることはないか?というのをお探しのようですねえ、なんかいじってやりたくてしょうが無い、そういう気持ちが伝わってきます。

 ブレーキレバーなんてかえられませんかね?

 まあ、ポンと取り替えるだけならば、できることはできますが・・・。

 ワンフィンガーなんてカッコいいですよね、できませんか?

 でも仮についたとしても、子供の握力で、一本指でブレーキ引くというのはちょっと酷な環境でありましょう、それに・・・、ワンフィンガーは高い・・・。

 とにかくポン付けはできるが、問題は、子供の小さい手と弱い握力にどう対応するか?ということのほうが問題で、物自体ではない・・・という感じですね。

 仮にこんなブレーキレバーがあるとしましょう。

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 この黒い柄がお父さんはえらく気に入ったようなんですね。

 でもこのまま当ててみると・・・。

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 元のレバーよりも相当外側にこのレバーはきてしまいます。これでは小さい子供の手と弱い握力では引くことはできません。

 規格として取り付けることはできても、このような現実的な使用に照らし合わせると、このままでは付かない=使えない、と判断せざるを得ませんな。

 このままではね・・・。ということは、他に何とかならないの?という事であります。

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 このハンドルと、ブレーキの柄の距離を調整するイモネジがあるんですが、既設のイモネジでは短すぎて、子供の小さい手をカバーするには及ばない、なればそんなもの外して、別のこんなネジなんかを用意して実験してみるのも悪くはない。

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 長いネジをあてがってみる、これがデフォルトの柄の位置なんであります。コイツを回して、奥へ、そのまた奥へとねじ込んでいくと・・・。

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 少なくともこのネジでは、ここまでレバーをハンドルに引きつけることができると判明。なれば、小さい子供の手にも応用できるかも知れないと、実戦配備してみます。

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 おお、相当グリップ側に近づきましたね、これなら小さい子供の手でも引けそうだわな。

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 もちろん左右、同じく引きシロを短くします。

 そして、レバーが引けるようになったので、今度は今まで効かなかった、ブレーキのシューの交換もします。

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 この白い硬いシューを

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 廉価ながらレーサーのシューに交換しました。

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 ちょっとリムに対して、曲がってついていたせいもあって、癖ありな変形を起こしていました、これもまたよく効かない原因の一つになっていましたね。

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 安くたって、レーサーのシューだからね。ブレーキレバーの調整して、手に馴染んだところ、実際に走らせて、急ブレーキを何度もかけさせると、お父さんも驚くほどの制動力発揮。

 単にパーツの組み合わせだけではなくて、それらをどう組み合わせて利用者含めて調整していくか?というところが大切なんですね。

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 トリコロールで、センス良くまとまって、いいんじゃないか?と思うんですが、まだどうもお父さんはどこかいじりたいらしい。

 他にないですかねえ?

 であれば、いっそのこと再塗装なんかはどうです?親子でシューってね。

 あの様子では、そこまで行きそうですね。とんでもないほどのハイセンスな、子供勝りな一台になるんじゃないか?とちょいと楽しみですね。

 好きこそ物の上手なれ、と言いますが、自分は好きでなくても、それを好きな人が近くにいるだけでも、何かが上手になれる・・・、そういう感染力を持った人が増えることが、何よりもまず、自転車を成熟化させていくということかと思います。ユーザーが賢くない文化領域なんて、多分領域としてすらも成立しないんじゃないか?

 どこかの国には政治が文化領域として存在していない・・・、なんてというのと同じだろうな。
 

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 今年の初めから始まった、鉄の箱作り。

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 窓が付いてきたりしながらも、ようやっと完成というところまでやって参りました!

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 工房の入り口なんですが、なんと一見民家風であります。創作とリサイクルの合わせ技、いかにも当店らしい展開であります。

 そこにですねえ、ちょっとした仲間が加わりました。

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 コイツなんであります・・・。しかしてその実体は?

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 鉄の机・・・イエイエ、精度の良い物を作る際、絶対に必要な定盤なんであります。

 これが、仲間入り。なんとなしにヒョイと置いてありますが・・・。ここまで運び入れるのが、どれほど大変であったことか?

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 この土台付きの定盤ですが、一体何キロあったのか?正確には分かりません。200キロではきかなかったと思います。体感的には300を越えていたような気もします。

 コイツを同級生の青山君から借りた軽トラで、はるばる神奈川から運んできた。軽トラに乗せたのは、フォークリフトという文明の利器なので、ここまでは問題は無い。

 問題は、当店に到着したところから・・・ということになる。軽トラに載せられたゲキ重定盤。まずはバックで新居の近くまで持ってはきたが、さてどう下ろすか?が大問題。

 あおりを開いても、土台付き定盤は60センチほどの高さの軽トラの荷台にあるわけで、まずここから下ろさない限り、車すら返せない・・・という状態なんであります。

 まずは土台下に、ツーバイ材を縦にして神輿の横棒のように通して担いでみたが・・・、材が重さでミシミシいってしまい、全く役に立たない。

 それより何より、二人で持ってみようと思って、ビクともしない、一ミリも持ち上がらない、そちらの方がショックだったなあ。

 適当な長さの単管パイプはないか?それが適当な長さのものがない・・・、なれば、使わずに横にしてある、c型鋼はどうだろうか?でもそもそも、そいつ自身がやたらと重いのでは?でも、定盤の重さから比べれば大したことは無い・・・ということで、色々やってみるのだが、何とも動かない。

 その内三名ほどの援軍がやって来た。

 四人で持ち上げて、一人が軽トラを前に出す・・・という案も出た。ただ、浮かんだ定盤をゆっくり腰を下げならがら下まで下ろす体力は無いだろうと却下・・・。

 軽トラと同じ高さの馬があれば、少しずつ軽トラからずらすことはできるだろう、そうすれば少なくとも軽トラを青山君の所に戻すことはできるようになる、でも、今度はどうその馬から下ろすか?なんてことが問題に。

 なれば、一回り小さい馬を用意して、少しずつ下ろしていく・・・。一回りの、そのまた一回り小さい馬を用意して・・・これを繰り返せば・・・、想定からすれば、それで可能なはず、でも、そんな馬をその時用意することはできない、実現不可・・・そういうのは、クレーンがあれば下ろせるねという仮定形と同じ・・・。

 じゃあ、今からドイトでブロックかなにか買ってくる?

 イヤイヤあるものでどうにかしないと・・・、つまり狸サイクルにあるものプラス五人の男達の力だけでできることをしないとね。

 実際設置ができたということなんで、めでたしめでたしだったんだが、終わったあと一人もケガもせず、よくできたよねえ・・・ということになりました。一々書くとすごい分量になるので、省きます・・・。

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 これが定盤の肌。まあ、なんとか限られたものでよくできたよなあ、と感慨ひとしおなんであります。ここからこの上で、一体どんなフレーム達が誕生してくることやら、であります。

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 この窓から、通行人が中をのぞき込んでは「お兄ちゃん、何作ってんの?・・・ヘエ、自転車のフレームかい?ホホー、それは大したもんだ・・・」なんて会話も、すぐにやりとりされることでありましょう。作業を見るのが好きな人達の常連さんができたりしてね。

 窓枠に肘ついては、たばこを吸いながら、「昔はねえ・・・・」なんて与太話まで・・・ね。

 そんな常連さんの中から、「俺も一本組んでもらおうかなあ・・・」なんてことが起きないとも限らない、ここがまたなんかの拠点になるんでありましょうな・・・イヤ、なってくれなきゃ困るよ、重かったんだからなあ・・・。

マイナーブーム到来 三国同盟が続く



 抜けば玉散る小売りの刃・・・とはよく言ったものだよね。

 アルミも行くと来いけば、ここまでポリッシュがかかる。気合いのポリッシュであります。

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 その名もアラヤ・・・。ブレーキがあたるところまできれいにポリッシュ。そこまで磨いてしまっては、ブレーキが効かないんじゃない?と思いきや、キュキュッとシューがキャッチをする・・・。これって、ざらつきの抵抗よりも、むしろ平面対平面の吸着なんじゃない?というくらいに効きます。

 まずはアラヤということで、日本製。

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 しかして、銀ハブときたら・・・、これはミケなんですね、ドイツ製。

 このミケハブ、まだ店主にとっては謎が残っているんですが、なかなかいいハブでございますよ。ただ残念なのが、カンパしかないよ!ということで・・・、

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 カンパのスプロケが付いています、ということで、イタリア製。そんなわけでの三国同盟ホイールなんですね。

 あれ、前紹介あったんじゃない?とご記憶の方もおられるかと思いますが、そうですね、少し前に発注いただいての今回となります。二回続けばマイナーブームの到来ということで、この後もポツンポツンとオーダーが続く傾向にある!と思います。

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 アラヤのSA730という30ミリのディープポリッシュリムにミケ、カンパの組み合わせ。どうしてもカンパ系のパーツをチョイスすると、ホイールも欧州系?というのが定番かと思いますが、いえいえ、アラヤの名リムもここの一角に食い込んでいく傾向を見せています。

 実は、長野県のお客さんからのご依頼、よくもまあブログだけで信用して発注いただけたと、感激なんであります。ものがそろって、組み上がったのは数日前、遠方ということで送付するとなると、それなりの段ボールと養生が必要なもんで、そんなことにも時間を取られてしまいますが、これが無事到着するとなると、初夏の長野県の街道を走るのか?と思うだけで、ワクワクします。

 どうです?もう正直手組ホイールは青息吐息だと思いますが、それなりの見栄えというか、何かあると思われませんかね?

 先日、どうしても105のハブが欲しくて、片っ端から近くのプロショップに在庫確認の電話をしたんですが、どこのショップも持っていない。

 ア!そうだ!と老舗中の老舗、善福寺にあるマジな意味でフレンドリーなショップに確認したんでありますが、その老舗のアイアンマン店主さんが「いやねえ、今はさあ、完組が当たり前の時代なんでねえ、ハブ単体でなんかなかなか置かないんだよ」と、一客に諭すように説明してくれたんですねえ。

 そうか・・・、あのオヤジまで手組から完組へという流れにあるのねえ・・・と。

 そこで、店主は思うのです、なら、手組じゃん!とね。壁紙全盛の時代になって、左官業はほぼ壊滅的に廃業に追い込まれたわけであります。でも、今残っている左官業は、ほぼ永久存続・・・でしょう。

 当店も、手組に関してはその路線で行きたいですね、ほぼ永久存続状態でやっていきたい。そのためには、マイナーでもハブと、スポークと、リム単体は作り続けて欲しいですね。岩井さん!カワシマさん!よろしくねー!

 ということで、いつでもあるとも限らないアラヤSA730ポリッシュリム、あり続ける限り、手組はやり続けますよ!ということです。もちろんDTもね!

4月17日日曜日 フリマだよ!

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 今月の17日、朝十時くらいからフリマやりますよ!

 前回3月では、初めて自転車系のお店が出ましたね。このフリマが終わった翌日、出展されていたピクニカという自転車、左脇に写っていますが、アレ売れましたか?なんてお問い合わせがあったり、なにがどうなるか分からないのが、フリマですね。

 もちろん自転車関連のフリマ出店、大歓迎にて、出店者大募集であります!ちなみに店主は自転車系統でお売りできるものはないんですねえ・・・。

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 そして大好評だった、タンザニアブース。今回も出展依頼の最中です、是非来てくれるとうれしいねえ・・・。

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 そして、売り切れ必至の半田改め谷澤農園の無農薬、省農薬の野菜、西東京市も野菜の生産地ではありますが、埼玉にある谷澤農園も気合いの入った農産物が出てきます!

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 この手の焼き菓子も好評でした。陽気もよくなるでありましょうから、飲んで食べて、売って買っての大賑わいにしたいですね。

 そして、この日の予告・・・。

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 おなじみ・・・、自転車屋のカレーですが、今回は欧風の黒カレーなんぞを出してみようか?なんて思います。

 実は、駅の近くの喫茶店がありまして、そこで黒カレーがあったんですが、一口して、出来合いの炒めタマネギパックを使っているな・・・というもの。ちょっと薬品くさい・・・。あれで800円かよ!と怒りのリベンジであります。

 今回は一杯500円でアッと言わせます!自転車屋の沽券にかけて、黒カレー、意地でも黒カレーで参ります!

 出店、ご来店いずれにしても、ご参加お待ちしています!

愛着というのは 資本主義を越える



 多分80年代の実用自転車だと思います。

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 その名をミヤタ・・・といいます。この時代の自転車は安くは無かった。店主の記憶にもありますが、昔は自転車というものは決して安いものではなかったんですね。その当時の貨幣価値からしても、ちょっとしたお買い物・・・だったと思います。

 ですので、それなりの作りだったんですね。この一台もいい作りしています。乗っておられるのは六十代の女性、親から受け継いだ自転車ということです。

 コイツを乗り続けたい!という強い希望をお持ちで、これから年を取っていくばかり、家のまわりにはそこそこの坂があって、それらに対応した自転車に作りかえていただけませんか?ということでいらっしゃったんですね。

 で、ご予算はどのくらいでお考えですか?とお聞きいたします。すると・・・

 100万まではかけられませんが・・・と。まさか・・・。

 近代経済学ではこのような方は非合理なプレイヤーということで、埒外に置かれるんでしょうね。でも、全く冗談でもない様子、とにかくよくして乗り続けたい、という強い意志が感じられました。

 ではやらせていただきます。

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 内装段々のシフターがついているフラット系のバーなんですが、これを完全フラットにして欲しいということなんですね。

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 こんな感じになりました。

 そして、内装だったギアなんですが。

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 これを外装六段にしてみたんです。

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 イヤー、複雑に入り組んでいるように見えますが、大丈夫です。

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 外装ですので、どうしてもディレーラーが必要になりますが、それを迂回するように取り付けられる、両足スタンドです。

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 よれた前輪を色々とね。

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 スッキリしゃっきりさせてやる。

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 この袋式のチェーンカバーというのは、メンテが大変でねえ。ひとたびチェーンが切れたりすると・・・結構大変なんですね。後輪外すにも、また大変。一体何でこんな形式のものが発達したのか?理解に苦しみますね。

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 こういうチェーンが部分的に露出しているだけで、管理は断然楽になります。元々裾に気をつければチェーンカバーなんていらないものですしね。

 スカートで自転車に乗る?確かにそういう展開はありかも知れませんが、ジョギングする時スカートでしますか?

 自転車をいつまでも歩行の延長、と考えるのでは無く、車両であるという意識に転換していくべきだと思う店主からすれば、そろそろ自転車に乗る時には、スカートからズボン系のものに履き替えていただきたいなあ・・・なんて思うわけであります。

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 一見新車みたいでしょ?そう、走りはもう新車、イエ、新車以上かも知れません。

 これで行けるところまで、走ってもらいたいですね。

 しかし、大きな堤も蟻の穴から崩れる・・・といわれますが、このようなご依頼をしていただける方々が増えていくようでしたら、今の資本主義という形式は大いにゆがんで来るのでありましょう。

 大きな流れに見えるグローバル資本主義なるものをセーノ!でひっくり返すんじゃなくて、中に居ながら、制度にいたずらをしていく、制度をくすぐっていく、制度に内在しながら変なとこ取りをしていく・・・なんて活動が散発することで、何かが変わっていくかも知れませんね。

 愛着が経済学的合理的判断を越えていく、その内資本主義なんかも意外とヒョイと越えていったりして・・・ネ。

ヨレヨレからピシッと再出動!



 まえにも書きましたように、自分が自転車に大はまりしてしまったばかりに、回りにまでその害を及ぼす、強い感染力を持っている方というのはいるもので、いい言い方をすれば、街角自転車伝道師・・・ともいいますが、店主などもその典型だったと思いますもんね。

 そんなに自転車って楽しいの?

 これからはねえ・・・、自転車ですよ・・・。

 飲みに行った先でこんな話をしている内に、一台いくらくらいで買えるの?と質問が変わる。

 当時は大体十万ちょっとで、そこそこのレーサーが購入できたかなあ・・・。その値段をいうと、そうか・・・。と沈んでしまう。

 話には乗るが、実車に乗るまでにこの十万ちょっとというのはどうも高いらしい・・・、ではと、当時の持ち合わせのパーツを寄せ集めて、なんとか一台なるかも・・・なんてやってみると六万から、七万で組めるようになるなあ・・・。

 七万くらいかな・・・というと、そうか・・・なら次のボーナスで買いますから、一台組んでください!

 そんな展開が五台ほど続くようになった時、いつの間にやら自転車業が数ある副業の一つに加わってきた・・・というのは二十年弱前の話・・・ということなんであります。

 今の狸サイクルなんていう店というかなんというかは、実際街角自転車伝道師から毛の生えたようなもの・・・だったわけでありますの。そんなもんなのよ。

 ですから、お客さんの中で、そうした感染源を持っている方がいると、ついワクチン・・・じゃなくてその逆か?たきつける方向に持って行きたくなる・・・、そんな方々からまた変な自転車屋が生まれることもないとも限りませんし、そうした開業に関しては、かなり協力したりしてね・・・。

 このお客さんも伝道師ですね、立派な・・・。まず親戚に一台・・・、そして同僚、後輩にと感染ルートを広げている・・・、なにがすごいって、自転車にはまってから住居を多摩川近辺に移してしまうというほどのはまり具合です。

 で、この一台も自らが乗っていたものを後輩にということで、この状態で渡すので、あとのメンテは自分持ちということでもってこられたんであります。

 まあ、上の写真、見ると自転車としてはヨレヨレ感満載、花見で酔っ払っている自転車のようであります。

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 なんだ?!こっち見んな!・・・という酔っ払いモードですが、コイツをシャキッといたします。

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 どうだ!シャワー浴びて、スーツに着替えてスッキリしていますでしょ?エイドブレーキなんて洒落臭いものは外す・・・、いや、別にお好きな方は付けてもかまいませんよ、ただレーサー入門という事であれば、まずはなしで乗ってみよ!ということですね。

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 ブレーキの調整もしてみます。

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 分解掃除もしてもらい、シューもあらたに、再出発です。この掃除というのが、握りを柔らかくするんですねえ。

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 チェーンなどは、定番ですが、伸びてないもの新品に替えます。

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 そして目立ちませんが・・・

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 要所のBBも交換です。ということは当然、タッピングにフェイシングも入っています。こういうのをしっかりやっておくと3年後の大改造?(あるかないか分からないが・・・)の時、苦労しないで済むんです。

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 この辺も調整でありますね。

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 ハブは、洗浄グリスでもって、新品時よりもいい回り、しっかり玉当たりの調整していますからね。

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 バージョンアップされて、今や古き数世代前のティアグラだって、まだまだ現役ですよ、しっかり作られてますもんね。

 イヤー、最初に乗るレーサーとしては全く不足なしでしょね。

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 目覚めたレーサー、ブラシを掛けられて上機嫌になった乗馬馬のようにも見えませんか?自転車自身が人を乗せる気満々にもみえますね。最初の酔っ払い自転車から比べるとね、まさに再生号なんであります。

 しかし、再生というのは面白いねえ。

 今、徐々に新店舗もお陰様ながら、地元に根を下ろしつつあるのか、実用車系のご依頼もいただくんですが、ことごとく新車購入を阻んでいるのは、当店のいらんアドバイスかも知れませんねえ・・・。

 そういう意味で、近くのアサヒやヤマト?だったかな?新車販売の大手さんがつぶれやしないかと、心配でしょうがない・・・。

 亀田輪業さんがまた、いい車体のものを販売して、メンテしていたんで、買い換えなんてする必要の無い車体が多いんであります。最初は、再生費のほうがかかるようだったら、新車購入・・・という方も、話している内に(感染して?)、ではお願いします・・・と来ると、俄然こちらも力が湧いてくるものなんであります。

 再生、リメイド、リビルド、リサイクル・・・、今後の粋なあり方の方向を示す、重要な概念なんじゃないかしら?もっと頭と手を使おうぜ!という事であり、関係をつなげて行こうぜ!という事でもある。

 もう下品な資本主義は終わってもいいじゃないか?と思うんだがね、本気に。

信念のパーツ選び その結実

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 昨年暮れにほとんど持ち込まれたパーツにて組み付けた、チタン号であります。ご記憶の方も多々いらっしゃるだろうと、推測します。

 これは元はライトスピードのマウンテン型チタンフレーム。それにポールっていうアルミの削り出しを得意とする高級パーツ類をちりばめつつ、さりとてイヤミにならずに、劇走り・・・とは真逆で、自分のスタイルを乗せて走る、一台として誕生したんであります。

 ちょっと珍しいというのは、高級パーツが随所に仕掛けられてはいるんですが、本当イヤミが無いんですねえ、むしろセンス良い・・・、という方に振り切れている。
 
 本当にこれは微妙なところでありまして、例えば金(ゴールド)の使い方なんかでありますが・・・、うまく使えばハイセンス、下手に使うと成金趣味になる・・・その境界線というか、イヤ、境界線ではないなあ・・・、むしろ根本的な下地からの違いなのかな?

 高いパーツも使いどころで、うまく良いとこに配置しているなあ・・・と思えるものとそうでないものとの差というか、次元の違いというものがどうしてもあるように思われますね。まあ、自転車愛・・・の有無ともいえるのかも知れませんがねえ・・・。

 と、今回ほぼ完成形とみられていたこのチタン号に、またミッションがいくつか送り込まれて参りました。それもまた、渾身のパーツ選びのあとがみられるんですねえ・・・。

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 結果的にはこうして、きわめて自然に付いているんですが、この荷台ですね。これも一見チタン製?とも見えますが、本当のところは分かりません。
 
 スポーツ自転車の形式、形状には色々ありますんで、ほとんどポン付けはできません。その辺がショップの腕の見せ所なんですがね。

 このチタン号にもそうした、ダボ系のものが一切無い、無愛想君なんであります。そこでね、

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 ステンレスの、外付けダボにもなる金具を使って止めることにしました。ステンレスというのがいいでしょ?その辺の生鉄だったら、質感でバランスが劇落ちしてしまいますからなあ。

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 荷台に載せるものは、夜釣りに必要なもの・・・。まさかクーラーボックス?

 いえいえ、釣った魚は放しますんで、ルアーなんかの小物と、釣り竿・・・くらいですかね?

 なれば、軽量荷物ということですね、強度はこれにて十分と判断。

 こうしてしたは2点、後付けダボにて止めて、残りは?

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 リアのブレーキ台座に共締め。こうしたパターンもよくあるものであります。他にも固定する方法は無くは無かったが、そして何よりも、多種多様なスポーツバイクに取り付けられるように、キャリア事態も大変そうした状況に対応できるように、作られているということですね。

 そして、取り付けられた荷台の裏には、

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 テールライトを取り付けます。もちろんこれもポン付けではできないもので、ライトの幅に合わせて、穴開け加工して付けます。

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 コードをまえにもって来て、既設のハブダイナモに取り付け、なんとか完了・・・。なんだ、ただの取り付けだろう?と思われるかも知れませんが、それは結果論・・・。その途中がまた色々ありましてね。

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 あとは内装ギアのワイヤーの取り回しを改良して、チェーンとの干渉が起きないように、した・・・というところでしょうか?

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 ちょっとゴッツくなりましたが、これで趣味の夜釣りのお供ができるようになることで、ますます愛着が湧いてくる・・・はずであります。

 まずは乗りたい自転車のイメージを渾身のパーツ集めの中から、具体化していく。その姿勢には妥協がない厳しさがありますな。

 そして、何より人を動かすのは、そこに虚飾がないこと!一切無い!というところ。ともすれば、商業主義やブランド志向にからみ取られがちになる虚飾のわなに全く引っかかっていないところ。

 こういう自転車におれが乗りたい!だから、しっかり働いて稼いだ銭で、それ相応のパーツ選びをして、あとはショップと相談して、よりイメージを具体化していこう!という本気な感じがいいですよ。そして、そういう方に、該当ショップとして当店が選ばれたというのも、誉れなのであります。

 例え素人であっても、初心者であっても本気でかかってこられれば、本気で対応する、迎え撃つとかではなくてね。

 当店レベルを自転車屋ごっこ、と揶揄してくる向きもあるようですが、そう、まさにごっこレベルなんでありますよ、正統の「自転車屋道」からすれば遊んでいるに過ぎない。マジで神様レベルの仕事をしている神々しき諸先輩方からすれば、児戯にすぎないのだ。

 そうなんだ、否定しないよ、ただな、存続をかけて本気で遊んでいるんだよ。だから、遊び心を活かしてきたり、ウィットに富んでいたり、本気で来られると、こちらも本気で遊びたくなるんだな。

 もっと、自由に自転車遊びしようぜ!乗るのもよし!いじるのもよし!見るのも食うのもよしだと思う。

これぞ打ち首!大抵のことは実はできてしまう・・・



 車体はマルイシ、なのでか頑丈そうなので、買い換えずにこれを子育て後の買い物自転車に替えていく、としましょう。

 独特に見えるのは、このハンドル回り。

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 このハンドル子のせ一体のもの、見た目からして特殊な印象を与えてしまうので、この手の自転車は特殊な車種、特殊な規格を使っているので、改造などは無理・・・と思われているようですね。

 ところが、特殊なのは見た目の形だけで、実は一般の実用車と同じ規格なんですね。

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 こうやって、スッポリ抜けるんであります・・・。抜いたあとは、一般自転車と同じ規格。

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 ドン!これを称して打ち首。軸の上に子供を載せるのでハンドル操作には安全・・・ということで子育て号からカゴを取ってしまうと言う、いかにも安全だけしか配慮していない役人的発想の車体、使い手のことをトコトンまで考えていない、中途半端さがトホホな、子のせハンドルなんであります。

 そこに、普通のハンドルを取り付けます。

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 普通のハンドルでしょ?そして、
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 そこにデカイカゴをつけます。ハンドル回りが劇的に軽くなりますね。

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 まあ、これもお役御免ということで、通常のカゴにいたします。

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へたったブレーキをちょいと良いものに。

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長く乗るのであれば、この手のパーツ交換はしておいた方がいい。

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 肉厚のアーチで、ガッチリ止まります。
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 こうしたクランク回りや前後ハブの回転部分にグリスを入れて玉当たりを調整します。

 前後タイヤも履き替えて、再出発であります。

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 子育てから、今度は買い物日常号へと変身!

 元のフレーム等がいいと、こうした大胆な改造をしても乗り続ける価値は大ありなんであります。新店舗の回りにも、そうした方々増えていきそうな気配、良い傾向なんじゃないか?いや、今後の傾向ってもしかして・・・と思ったりもします。

 現在の日本、そしてこれからの日本、どうなるんでしょうか?もう必需品というようなものはほぼ行き渡り、爆発的に売れる物、爆発的に求められる物もなくなって、経済という意味では減速状態になってきているんだと思います。そういうのを称して、成熟社会というのだそうですが、そうなってくると、ハードだけで無く、ソフトの方も成熟・・・とは直結するとは限りません・・・。

 衣食足りて礼節を知る、といいますが、果たしてハード足りてソフトを知るのでしょうか?これからはよりソフトを成熟させて、バランスを取っていかないとねえ、と思いますが、その道は単純ではないでしょうな。

 成熟させるべき様々なソフトへの一つの提案が、メイドインジャパン、ではなくて、リメイドインジャパン・・・かもねなんておもったりします。

 作り直す、作りかえる、「ある」ものを利用して、より高きものへと昇華させていくようなソフト。もちろん古に学ぶことは必需かと思いますがね。

 そういう意味で、買い換えばかりをおすすめしない、むしろ作りかえること、作りかえながら使い続けることを推奨する当店・・・、さて、この先どうなることやらですが、命がかかっているだけに、ちょっとだけ真剣なんであります!

ガラスをかける



 鉄フレームですね、ホッとします・・・。今月から、柳さんもビルダーとして当店と合流いたしますので、是非とも鉄フレームの持っている魅力なんかを全面に出して行ければ、なんて思うわけであります。

 でもねえ、何とも商業主義というのか・・・、最新ものに足をすくわれている?方もいるようで、鉄ってカーボンからしたら遅いんでしょ?なんてこと平気で言う方もいるみたいですね。
 
 エンジンの付いていない自転車なんで、鉄やカーボンだけで、早い遅いは決まらないんですけどねえ。

 確かに比重からいえば、鉄のほうが重い、そして重いものと軽いもの、どちらを速く動かすことができるか?と言えば、軽いもの・・・なんではありますがね。

 それでも鉄は古い=遅い・・・というのは、イメージが先行しているように思いますよ。たとえば・・・、

 

 こんなフィルムがあるのでよーくご覧になってください。走っている車体はすべて鉄であります。おっそろしく感じられるほど速いでしょ?

 つまり、そういうことなんですよ、鉄だから、カーボンだからという前に、足!足なんですね!当たり前なんだけど、その当たり前のところがスッポリ忘れられてしまう、というのがイメージ戦略の怖いところなんであります。みんなイメージにやられてしまうのね。

 むしろ、よく分かったビルダーさんと、好きな乗り味なんかをすりあわせて、ミリ単位で、バッッチリしたものを作れるなんていうのは、ちょっと鉄以外には考えられないでしょ?皆無とは言わないまでも、ほぼね・・・。

 今また鉄のパイプには色んなものがあるんでね、出来合いの金型抜きカーボンだけではなくて、鉄フレームの奥深さなんかにも、触れていって欲しいんですよね。

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 というわけで、カラビンカなんですね。よくできている、車体ですわ、やっぱりね。

 まずしっかり乗ることから始めて、好みの乗り味を絞っていって、これぞ!というフレームができたら、まあ、一生もんだよね。これなんかもまさに一生もんの域に来ているものだと思います。

 だもんで、コイツにガラスコーティングをしていこう、ということになりました。

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 まず細かい泡を立てて、なでるようにゴシゴシではなく、なでるように洗います。それから・・・、

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 パイプの密集しているクランク付近、施工のためにクランクは外します。

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 それから万力に優しくセッティングして、アルコールをかけて・・・

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 よーく脱脂してやります・・・。それから、

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 コイツを薄くのばして、全体にかけていきます。そして、軽く絞ったマイクロファイバーの布で、拭き取る・・・というのかな?正確には水と反応させる・・・といっていたっけね。

 その後、乾いたマイクロファイバーの布でから拭きして完成!ということなんです。言葉で書くとただそれだけなんですが、自転車は結構入り組んだ構造体なので、多面的すぎ、結構手間かかりますね。シフトワイヤーなんかを下拭いたり、色々細々しているところもね。

 本当なら、パーツをすべて外してやるのが理想なんでしょうがね。

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 元々状態の良いものなので、比較が難しい、しかも写真となるとなお難しい・・・。

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 確かに潤んだようにも見えるんですが。

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 でもまあ、このガラスコーティングも、今後の再塗装などのオプションにも入れていこうか?なんて思いますね。

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 また当店発のオリジナル系完成車には、ほぼ全てコイツをかけて出荷していこうかと思います。

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 まあ、いずれにしろ・・・、鉄は永遠なり・・・と思っています。

 メーカー筋、同業筋から、今後のスポーツ自転車の展開の噂などを聞きますと、まあ、すさまじいですね。フレームの規格が全く異なったものになっていくようです、ほとんどオートバイの規格かよ・・・という展開になってくるんじゃないかな?

 もうそうなってきた場合には、当店はスポーツ自転車の第一線から、喜んで下りていっても良いなあ、と思ってしまいます。とにかく目新しい物を作る、目新しい規格を設定して、それまでの形式と断絶させて、消費へと向かわせる・・・。もちろんそれだけでは無いとも思います、そのための技術的な研究開発なども大変だろうし、各社努力もされることかと思いますが。

 所詮エンジンは人力ですので・・・、未だにアルミフレームで作られたパンターニの記録って、カーボンで破られていないって聞きますしね、そういうことなんであります。一定レベルで完成された美しい形式であれば、それ以上進化などいらない・・・、とすら思ってしまいますわ。

 あまりにも使い手・利用者のことを忘れて、メーカーサイドの都合だけで、新企画と新製品で市場を埋めていったとしても、その筋とコッチの筋とで乖離が起きるだけで、決して良い結果にならないいんじゃないか?なんても思う。

 店主が年寄りになった証拠かな?でも40年前の鉄フレームでのあのスピードで・・・いんじゃない?あのちょっとした延長で、十分なんじゃない?てね。

 鉄フレームは、永遠なんだよ・・・、そんなところに拘って例え時代から取り残されてもね、例えば今残っている左官業は食えていけるように、自転車屋だって時代から取り残されても、永遠の形式を持っている鉄フレームにいれば、なんとかやっていける・・・、マイナーブームを消せずにやっていける・・・と思うんだよね。

 電動が出てきて、オイルブレーキが出てきて・・・、ディスクロードが出てくると聞く度に、自分らがドンドン下りていくような、気にもなるのだが、イエイエ、まだまだ終わっていませんわよ!よりディープな世界に沈潜していくんです、潜るんですよ、下へ下へとね!

プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
TEL・fax042-445-0487
携帯070-5083-6962
アドレス to.ke@mx1.ttcn.ne.jp

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