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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り |2017年03月 tp://cnt.affiliate.fc2.com/cgi-bin/click.cgi?aff_userid=45871&aff_siteid=43545&aff_shopid=63" target
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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

子供の成長 大人は?



 さあ、行くぜ!

 朝の保育園。じつは本日が最終日となった。三月の十八日に卒園式があったが、それから二週間卒園したにもかかわらず通っているというのが、いかにも保育園らしい。

 今日が年度の替わる最後の日なので、通園も最後になる。

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 こうやって、手をつないで一緒に歩けるというのも、そう長くはないだろうなあ。

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 これは毎朝やる、青い草踏まないゲーム!といっても、店主は腕をつかんでそれを邪魔する。大抵はひっくり返って、枯れ芝だらけになるんだが。しかし南の斜面は二月頃より草が青い。

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 よく見ると枯れているように見える芝にも、青草が混じっている、桜の花びらも写っているなあ、なんてわざとらしい春なんだ。

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 そして石垣バランスゲームも、毎朝の定番だ。もちろん邪魔するの店主の役。
 
 こうしてダラダラと遊びながら歩いても10分で着いてしまう。

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 あっという間に、最後の通園が終わってしまった。

 思えば、杉並のこども園、ラッコ組で入園したのが三年前。確か入園式の看板の前でお決まりの写真を撮ったと思う。最初は、何のことなく通っていたが、四日もすると「行きたくない・・・」が始まった。

 すると園長先生が、ようやくそう言えるようになったのよ、と、それはでは我慢していたのがわかった。帰り際に泣いていたが、それも一週間もすると、こども園のほうが面白くなったようで、朝早く行こうよ!というのりになったなあ。

 卒園式で、あるお母さんが思い出のスライドをやる前に「私たちは六年前小さい命を預かり・・・」という話の途中で泣き崩れ、周りでももらい泣きするお母さんたちが幾人もいた。

 それがここまで成長したということの、ある種の感激だったんだろうなあ・・・、共感できることでもあるんだが・・・。

 まだ店主は親になりきれていないんだろうか?そうやって我が子の成長を寿ぐ親御さんたちの脇で、店主は実は焦っていたんであります。

 というのはね・・・。

 あいつらあんな幼虫の状態で生まれてたにも関わらず、三年くらいの間で一カ国語マスターしてんだぜ!それりゃそりゃあいつらの内部では、恐ろしいほどの成長の論理が何を原動力にしているのかわからないが、すごい勢いで動いているんだということがわかる。

 だから、確かに驚くことではあるが、でも、それはそれがまさに成長期としては内部で起こっていることであって、ある意味当たり前といえば当たり前なんだとも、ともいえなくはない。

 而して、翻っての我が身である。あいつがこども園の前で写真を撮ってからのこの三年間、一体この店主には、どのくらいの成長があったのだろうか?とフト考えたのである。

 卒園式に集中していればいいものをいらぬひらめきが横切ったため、なんとも落ち着かなくなってしまった。

 やつらはいいの、子供なんだから放っておいても成長するんだよ。しかるに大人はどうだ?放っておいても成長するだろうか?愚問だ、するわけがない、むしろ放っておいたら後退こそすれ、成長など一切しかねるこの我が身、どうやって現状維持するのかすら大変なはずだ。
 
 この三年間で、1カ国語マスターしたか?まさか・・・。かつては多少聞けた英語も今では全く入ってこない。

 なんかこの三年間、達成したことや、不可能を可能にしたことがあったか?

 引っ越し騒動で、大変忙しかったし、あの年はそれなりに周りの多大な協力の中で頑張った感はあったが・・・、あれだって状況がそうだっただけ、しかもある意味そう自らが望んだのがきっかけだったので、大して偉いわけでもない。

 さて、マジで考えて・・・この三年間・・・、脂汗が出てきた。一方では、そんな店主の気持ちなんぞつゆ知らず園児たちは、「人生は~紙飛行機~」なんていう教訓歌を歌っていた・・・。

 果たして店主の成長のゆくへはいかにである。

 もちろん子供の成長と大人の成長は違う。同じであっていいわけではない。身体と脳のいわゆる成長が止まっての大人なんだから、同じく扱ってはならないのはわかる。

 だったら、大人なりの成長というのがまたあってもいいわけだ、それは何か?

 確かに店主は四十代の初めに霊力が備わった。それは確かに成長であったはず。で、この三年間には何かあったか?

 ふと考えることがある。大人にとっての成長というのは、何かに気づく、やっぱりそうだったんだ・・・と何かが腑に落ちる、というような悟りに関するような何かではないのか?と。

 ただし、そこだからこそ、気をつけなければならないこともある。

 人間何かが腑に落ちた時、わかった時、または悟った瞬間、パッと目の前が開かれたような瞬間を体験することが、人によってはあるんじゃないかと思うし、そういう瞬間、まさに何かが現前した瞬間というのは、まさに悟りの瞬間ということで、好ましい状況のように語られがちではある。

 しかし、勝負は勝った!と思った瞬間が実は一番油断しているんじゃないか?気が緩んでいるんじゃないか?なんて思うのは単に店主がひねくれているからなのだろうか?

 その現前の瞬間にこそ、本当にそうか?と多少は後ろに重心を保っておかないと、勢い余ってつんのめる、勇み足になることにつながるんじゃないか?と。

 一方で、悟りにあぶれるということもある。そういう方も散見する。ある悟りの視点から見ると、森羅万象がすべてそう謳っているかのごとくに感じ取られ、えもいえぬ幸福状態の中におられるという方。

 我が先輩に、野孤禅に当たった方がいる。すべてすれ違う人に握手したくなるような幸福感に包まれたと。座禅をするとあの幸福感にまた浸れると座禅に励むが、いっこうに来ない。つまり狐につままれたということなんでしょう。

 なれば大人の成長としての悟りとはなんぞや?ということでありましょう、変に盛り上がってもいけないということ、今はわかった気になってはいるが本当はどうだかね?という、冷や水も持っていることなんでありましょうか?

 さて冒頭のこの三年の自分の成長についてだが・・・。

 人生曇り時々晴れ、ところによっては雨なんじゃない?大半が何をすべきかしていいか?果たして成果はいかなるものか?の逡巡という曇りの状態で、時々晴れ間に盛り上がりもするが、あまりはしゃぎすぎると大雨を食らうことにもなる。

 どんより曇った空の下を背中丸めて、クヨクヨとああだのこうだの逡巡しては、時に仕掛けて失敗し、偶然当たれば舞い上がり、折に触れては反省す・・・。この全くうだつの上がらない、全く持っての地味な活動をどうにか引き受け続けていくことができるか?ということが、ナメクジ程度の成長といえるのかもしれない・・・。

 派手やかで夢にあふれたガキどもの輝く成長とは真逆にあるのが、大人の成長なんじゃないか?なんて思った瞬間、

 式の最中、「将来の夢はサッカー選手です!」なんて、子狸はみんなの前で公言しやがった!

 バカヤロウ!おまえは競輪選手だ!

 一気に回りに陽が差した!
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家も自転車もおなじ・・・かも・・・



 こんな自転車持ってくるなんて、たぶん、高い確率で当店の仕事見ているなあ・・・と思います。

 できる限り自分で外した感はある。外すものを外して、シンプルに、それがどうも自分流なんじゃないか?というようにね。

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 自分で外して、色々いじっている内に、なんと後輪が動かなくなってしまったらしい。見るとわかるねえ、ハブナットをいじっている内に中に入りすぎて、ボールベアリングを圧迫し、回転しなくなった。緩めたねじが徐々に締まっていってハブが回らなくなるなんてことは、よく考えられる原因なんだが。

 そして、この自転車を町の自転車屋に持って行ったら、さんざん怒られて、「自分でやんな・・・」と返されたらしい。自分でできないから来たのにね・・・。

 そんで、当ブログと出会って、ここしかない・・・というあるパターンにはまって、ご来店となったらしい。

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 フロントブレーキもなく、フォークも曲がっている。もちろん乗ってきたわけではないので、引きずってきた。

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 パーツ類もまあ、こんな感じだ。

 通常なら、直すより買った方が・・・の決まり文句の出るところかと思うが。あえて当店選んで、こういう自転車持ってきたということはだ・・・、それなりの覚悟があってきたに違いない。だから買い直せとはいわない、絶対に。

 とりあえず、まずは乗れるようにしてほしいということ、最低限安全に乗れるように、ということで始めます。

 では直すか・・・。

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 フォークは交換して。

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 前ブレーキを付ける、当たり前か。
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 これで前回りはほぼ完了、新しいフォークとブレーキだ。

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 さすがにあの傷だらけのシャフトは交換した、その他つぶれた玉押しや、ベアリング類も変えて、ホイールなので、ブレずにちゃんと回転するようにしておいたよ。

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 BB内の点検もね。この辺は特殊工具を使うんで、こちら任せにした方がいい、というか普通はできないでしょうな。チェーンカバーのステーもとっておいた、これもたいしたパーツじゃないんだが、場所が場所だけに外しにくいものなんだな。

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 チョッパーというよりは、ちょっと大人しめながらも、結構たっているハンドル。ブレーキレバーも付いたよ。引けば止まるよって、当たり前か・・・。

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 サドルはほぼめいいっぱい、膝には負担のかからないポジションは取れる。必要なもの以外はほぼ外したんで、それなりに快適に走れるんですよ。

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 あんなにガタガタに見えた自転車も、整備してやるとなんかスッキリ見えてくるから不思議なもんだ。

 なんかかっこよくも見えてくる・・・・ね。

 多分だが、これからこのお客は、この自転車をアチコチいじりながら、楽しみかつ大切に乗っていくんだと思う。仕事が建築系なんだそうだ。

 新車には全く興味が持てない・・・といって、お決まりのレトロのものでもない。建築でいうと、豪華ではないが、丁寧に建てられた古民家のような住宅に、手を入れていきながら、大切に住み続けていきたい、そういう感覚なのだそうだ。

 来た時から、そんな雰囲気は伝わっていたもんだ。アア、やっぱりなあ、と妙に腑に落ちる。

 考えてみれば、自転車も家、や住宅も同じようなものかもしれない。その主流が経済効率と量産を軸に作られてきているという点でも同じだよね。

 だから使い捨て自転車がこちらではあふれはじめ、あちらでは住み捨て住宅が町にあふれてくる。建物はその町の顔であるという自覚は、その手の方々にはないんだろう、残念なことに。

 店主は子供の頃より自転車に乗って、家を見て回るのが好きだった。特に南荻窪の近辺が最高で、好きな家の前では止まって、長い間眺めていたもんだった。

 自然と物語が紡ぎ出されてくるようでね、勝手に住んでいる人をこちらが想像してね。窓から見えるソファーやクッションの感触やニオイなんかも想像しながら、じーっと見ていたわけだ。子供だったから、よかったものの、今だったら、通報されかねない。

 この家いいなあ・・・と、ずーっと何十年も好きだった家が、突然更地になって、四分割され、合板と接着剤でできた家が建つ光景は、ある意味店主の憎悪の対象であったとさえいる。

 なんで、もっと前の建築、一朝一夕では作れないあの佇まいをなんとか活かした建物にできないのだろうか?

 かつての住居であった杉並も、まあ、みるみる安っぽいホンコンフラワーのような町並みに落ちぶれていったなあ。そして、それはこの西東京に来ても同じようなものらしい。

 建築は町の顔・・・、ある意味自転車だって町の顔・・・、町の要素なんだがね。

 家は男子一生の夢・・・など笑わせる。数世代にわたって住み続けられる家ならまだしも、三十年持つのか?という家にローン地獄?実際その家に子供たちは住み続けるのか?住み続けられるのか?

 いろんな事情があるんだろうが、その内部にいながら、そうした主流とは違う動きをしていきたい建築士がいる。そして彼が乗る自転車の第一歩として、まあ、いいんじゃないか?

 乗り捨て、住み捨ては、粋じゃあない。

 自転車と違って、アッチは建築法だなんだかんだでがんじがらめだろうから、そのクリアは技術やアイデアだけじゃあ無理なのかもしれないが、一軒でもそういう考えの基で、救われていったらと思うわけだ。

 その点自転車は、家とは比べものにならないくらい自由なんで、もしこちらの仕事にヒントになるようなことがあっ鱈、遊んでみてほしいわね。

 分野は違うが、広い意味で同業者の卵かもしれないなあと、自転車にはいくつか宿題乗せておいたので、その謎解きなどにまたおいで!

ボトルケージを付ける・・・あの車体に

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 この一瞬ホイールが三本あるのか?と思えるくらいの、70Tのどでかいチェーンリンク。まだまだご記憶の方も多いかと思いますが、こいつにまたミッションがやってきました。

 ボトルケージを付けてほしいというね。

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 ダウンチューブのここに、取り付けます。ただパイプに穴を開けてねじ山立てて終わり、とは行かない。

 そのくらい自転車のチューブは薄い、といっておきましょうか。レーサーなんかは特にね・・・。

 そこでこういうものを使います。

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 こういうかしめて取り付けるナットを使うんであります。

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 取り付ける位置を決めて、マーキング。

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 ポンチで後を付けたあと、周りを養生します。これはかなり厚くしていいですね。というのは、このダウンチューブに穴を開けるのというのが実は難しいんです。

 パイプに穴を開けるだけなら、ボール盤を使えばいい。ただ、すでに自転車のフレームになっているとなると、ボール盤は使えない。手で持ってドリルを使うしかない。

 ただし、前三角の中で使うので、刃を短くしてもパイプに垂直に入らないこともある。斜めから入れるとなると、これはパイプの上なので、滑る。ポンチで穴を開けても滑りうる。ドリルが滑ると周りに傷を付ける、そのための養生ということなんですね。これやらないと周りは傷だらけ。自家製をお考えの方は是非、採用してください。

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 小さい穴を開けて、徐々にデカくしていくんでありますが、最後の七ミリを空けるまでが相当大変です。ばたばたドリルがパイプの上で踊る踊る・・・。

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 ようやく七ミリ、三本の細さの違うドリルを使いました。

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 このように先ほどのナットをかしめて取り付けます。

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 なんとか付いたね・・・。結構な重労働です、神経使う重労働ということにしておこう。

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 これにて完了!

 今当店の井戸、自販機ですが半年に一度の、入れ替え時期に来つつあります。これから暑い季節に向けて、ホット系を減らして、コールドを増やす。その間に、ホットでもコールドでもいいやつを集めておかないといけません。

 三寒四温で、暖かくなったなあ・・・という翌日が寒かったりね。ホット系は四月いっぱいはあってもいいか・・・な?

 ということで、これからのサイクリングでは、飲料は欠かせなくなってくる。時々止まってコンビニで冷たいもの・・・というのも悪くはないが、集中して走る際には、定期的に水分補給しないと、知らず知らずのうちに足がなまってきますな。

 こういう依頼なんかがちょっとした季節を感じさせてくれます。

 本当陽気のいい時には、自転車の季節到来だなと思う。あと花粉が少し落ち着いてきたら、梅雨までは、最高のシーズン到来ですね!皆さん!色々と準備しないと・・・ね!

BB付近やチェーン周りあれこれ


 雨の中を走ってから、面倒見てやっていないので、メンテを!ということなので、あちこち点検しつつ診ることに。

 このBB自体には、ベアリングではなくてその受けだけがある。当のシールドベアリングはクランクの側に付いているんだが、そいつを外して点検する。

 ウーン、確かにシャキシャキ感はある・・・。サイズを調べる。何なら交換もありだということでね。そしたら、面白いことがわかった。

 通常、こうした自転車に付いているベアリング類は一般部品として、自転車メーカーだけではなくて、一般の材料屋からも仕入れることができる。そしてその方が安く、そしてすむということが大半なんだがね。

 シールドベアリング、シーリングのされているもの、外径37ミリ、内径25ミリ、こういう条件を入れて探すんだが残りの厚みのところに来ると7ミリというものしかない。

 あれ?カンパのシールドは6ミリを要求しているんだが、探せど探せど、7ミリしか出てこない。

 材料屋を変えて、再度探すが、まずない・・・。まだ数千と調べるべき項目はあったようだが、あきらめた。

 ということは、カンパのこのシールドに関しては、オリジナルなの?ということになる・・・。そうだとしたら、それはそれで、すごいことだわな。

 途中、上下でコンマ五ミリ削るということも考えてみたが、まあ精密なものなんで・・・、やめた。

 そこで、交換はあきらめた。仮にあふれんばかりの赤さびなんかが出てきていたら、それはもう直にカンパに取りに行くしかない。今回はちょっと細かい砂かんでいるかな?という程度なので。

 静かにシーリングを外して、中を完全洗浄してから、グリスを詰め直してみると、何のことはない、元のようなスルスルに戻っている。

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 ボールベアリングに比べて、シールドはやることは基本なくて、ダメなら交換・・・というのが定番なんだが、別にやれないことはないということでもある。まあボールに比べて、やりにくいには違いないが。

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 ちょっと前のカンパはこのように普通によかったもんだ。ケンタウロというやつなんで、ミドルエンドクラスなんだが、すでに高級感がある、品があると言ってもいいかもね。

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 リアにはわざとシングルピポットを用意するなど、実に伝統というか、本質を理解しているように見える。何もブレーキは効けばいいというだけではない。この辺も洗浄とトーイン、左右のバランスなど、結構神経使って調整するといい効果をもたらします。

 
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 この辺の部分カーボンというのも今見るといいねえ。あの今の全カーボンは・・・もう少しデザインのカンパさん、なんとかねえ・・・ならない?と思ってしまう。あれじゃあポリバケツの破片だろう?

 変速・シフト調整もしっかりとやりましたよ。

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 今回はチェーンの徹底洗浄なんかもやってみました。これで三回目の灯油風呂、汚れも落ちてきた証拠に、濁りも薄くなっています。

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 きれいになった風呂上がりのチェーンと、今度つなぐ時に使うミッシングリンク。これは着脱が簡単なんで、チェーン洗いフェチにはいいよね。

 さて、風呂上がりに何を差してやるか?

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 これケミカルとして、相当いいですね。ヴィプロスさんのムオンというチェーンオイル。これの姉妹品で、より粘度の低いのがケイテンというやつ。この二品で、相当いい!と申し上げておきます!

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 チェーンの一コマ一コマに、一滴ずつ垂らしてしませる。そして余分な油分を拭き取るだけで、本当マジでチェーンの音が無音になります・・・。

 抵抗がかなり減る、ちょっと驚きですよ。なので、これも当店常備にして、このケミカルと、ミッシングリンクとチェーン洗浄含めたサービスなんかもやっていいなあ、と思うようになっています。

 レースの前日なんか、いいんじゃない?ヒルクライムなんかも車重の軽さだけでない、踏み出しの軽さを体現できるというのもアドバンテージだと思うなあ・・・。

  とそんなこんなで、

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 カーボンチネリ君のカンパ載せの総メンテ完了!ということです。

 いじってみると、思うのが、カンパだけは時代を巻き戻していい・・・、そのくらいのものはすでに作っていたのに、と思う。小手先の新技術開発などというものなんかより、せめて、この泰然とした何かを元に戻してほしい!と思うのは、絶対店主だけではないはずだ・・・と思うんだがなあ・・・。

通勤ロード 事故に遭う



 大きな損傷は見られませんが、これ事故車なんですよ。

 通勤時に起きた事故。幸いにして、大きな怪我もなく大事には至らなかったが、なんせ古い鉄ロードなんで、各所の点検ということでお預かりした。

 こういう場合どうするか?見積もり作成をすると同時に、鉄フレームの場合は、すべてパーツを外して、フレーム・フォーク単体にして柳サイクルさんに測定を頼みます。

 今回はフォークとBB付近に数ミリのヨレが発見され、その場にて修正がかけられた。フォークがちょいと手間がかかったようである。

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 前輪周りに力がかかったらしく、ホイールにもそれなりのヨレが観測された。少しつぶれたリムをたたき出して、振れ取り修正をかける。

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 つい最近当店から出て行ったペダルだけに、今回の事故によると推測される。これも使用可能だが、被害者が傷が付いたものは交換してほしい、という場合と、傷が明らかに事故によるものと判別しないくらい古いものに関しては、そこまでの請求はいいという場合もある。

 どこまで補償として認められるか?というのは、その場合場合と相手との話し合いによって変わってくるので、本当事故処理というのはどうなるのか?というのは最後までわからない、というのが正直なところ。

 最近はかなり手厚い補償という傾向に行っている印象だが、以前は大変居丈高な保険屋もいたもんだ。まだスポーツ車というカテゴリーが公認されていなかった頃には、「ホイール一式壱拾万です」などと言おうもんなら、「エ!!!!」と叫んで、暫く電話の前で絶句していたもんだった。

 車の補償などは過去の膨大な事例から定式のようなものがきちんと決まっているようだが、スポーツ自転車の方ではようやく、そいう事例としてカウントされつつあるんじゃないのか?という印象だな。つまり、定式が決まっていくまであと十数年かかるんじゃないか?と思えるね。

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 車体はレオパルトとある。フレンドリーな店のオリジナルじゃなかったかな?しかしかなり乗りこなされています。

 ビルダーさんからの報告によると、内部の錆がかなりあるので、時期を見て防さび剤でも内部にうっておいた方がいいんじゃないか?というアドバイスが来た。

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 新旧のパーツ類を集めて組み付けているのは、ある意味通勤自転車としては正当なんじゃないか?なんて思います。

 わざわざ通勤自転車のために、一台組む!というよりも、余ったパーツ類を集めて足りないもの足して、一台組むというほうが通勤自転車にはふさわしい。

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 フロントメかがなくて、変速の際にはチェーンをつまんで移動させるしかない。このなんともつぎはぎだらけのフランケンな一台、これが通勤自転車だ!

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 まあ、今回はなんとか修正ですんだが、基本事故車のホイールは組み直しであります。外からの力で曲がったリムを、スポークテンションで直すというのは相当無理があります。たとえ一時は真円になったても、今度はスポークのバランスが悪いので、乗ったそばから狂いが出てくる、という訳ね。

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 フレーム修正が終わってから、組み付けの際に、この際だから・・・ということで追加施工なんてこともやりつつ、なんとか立ち直った通勤ロード。

 自転車としてもご老体なんで、気をつけて走ってくださいよ。

 事故と言えば、現在の段階で二台預かっています、そして本日の夕方も当店の前で一台自落ですが、縁石に乗り上げての落車がありました。

 男性が両膝と手を撲った。軽傷だと思うが、春になると確かに気も晴れて、外に出たくなる。冬で体も動かしてなかったから、体と神経のバランスもよくないのかもしれませんな。

 ということで、事故には気をつけてくださいよ!

 もちろん事故が発生した場合、体第一、自転車第二、まず体の目途をちゃんと付けてから、自転車ね。これ逆はだめよ。

 ある意味自転車なんてどうにでもなるの、交換がきかないのが身体と命ですよ。

 そして、検分から、見積もり、修理、調整、そして多少の保険屋との交渉なんかも被害者の立場でやってまいりますので、起きてはほしくありませんが、万が一のことがありましたら、ご遠慮なく、ご相談ください。

 正直事故処理というのは、色々なことが重なって、こちらも消耗することも多いんです。

 先日も被害者さんの資料のやりとりのために、「空メール送ってください」といったら、メールの件名だけの、本当に空メール送ってきた、現役の第二弁護士会所属のバカタレ弁護士とやりとりしたんですわ。

 「電話で確認して、空メールでいいというからしたまでだ」と、悪びれもせずに言ってきた。およそ空メールくれと言って、正真正銘の空メールを送ってきたバカは、お前が最初でたぶん最後であろうと、申し上げた。

 そもそも所属を書面で言ってこないような相手にお客の個人情報など流すわけがないだろう?

 そして言うに事欠いて「聞き違いであれば失礼」だと。

 「聞き違いではない、こちらは実際そう申し上げた、しかしあんたは謙譲の美徳というものすら解さないらしい、相変わらず協力しないので、あしからず」式の返事を書いて、その後一切応じずということもありました。

 大体弁護士と言っていたものの、どちらサイドの弁護士とも言わず、まあどうしようもない。大失敗した法科大学院だかで、弁護士を大量に作ってしまったせいで、こういうどうしようもないのが出てきたんでしょうか?サラ金の過払い金取り戻し、肝炎訴訟のとりまとめなど、ラジオでも広告費払って営業しているようで、どうも必死なようですな、まあ、そういうことの現れなんでありましょう。

 こういうことも事故の副産物というのか、やっていると本当色々ありますが、あえてやってまいりますので、万が一の時にはご相談ください。

ソーピーランドナー・・・か?

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 形式としても形状としても、まあほぼ完璧なはずのランドナーがやってきた?

 なんでまた?

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 なんか色を変えたい・・・。なら、理解できますね、ほかいじる必要ないもんな。

 で、何色に?

 これがぶっ飛んでいた。なんとラメ入り・・・。一部競輪選手に愛好家がいるようですね。もちろんできなくはないながら、絶対数が少ないので施工例が本当ないに等しいくらい。

 探せば、ラメ材は見つかった。確か・・・、ナガワサか何かの再塗装の際にやっぱり使ったような記憶がある。、ラメ自身がスプレーガンにつまらないように、いつも使っているのとは違う、面を塗るのに適しているデカいやつでやることになる。
デカければ、それは一度に吹く量が多いので、無駄が出る。

 普段の量の倍を使ってようやく吹ききれるか?というくらい、ガボッととられてしまう。おかげで塗装ブースはプラネタリウムか?と思うくらい、キラキラ星状態になる。

 ラメ入りで、ゴールドをイメージした、キャンディーイエロー。それって、風俗系じゃない・・・、スケベ椅子じゃん・・・。

 本当にそれでいいの?多少の抵抗はなくもないが、久々のラメ塗装に、興味もわく。

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 結構な量を混ぜて吹いたなあ。外れも大きかったが・・・。

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 本当スケベ椅子。ソープ的な展開ですな。でもこれはこれかな?と吹きながらも、だんだん思うようになるというのも、不思議なもんだ。

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 確かに再塗装して、化けさせるなら、このくらいやってもいいかもとすら思えてくる。

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 ほかのパーツアッセンブルは、基本中の基本、隙がない。

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 サンエイクシードのラージハブ。現行品の渋い奴。よく回るし、値段だけのことはある。

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 ホンジョの泥よけ。自らピカールかけているみたいだ。

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 ブレーキは少し古いが、タイヤも定番だな。

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 フロントのキャリアも、もちろんありな一品です。

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 ブルックスではないが革サドル。いかにも合ってます。

 
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 懐かしい、ダイナモライトに、胴長の懐中電灯。これに単3電池入れて、走っていましたね。よくやったわな。

 スタイル的にはほぼ完璧に近いはずのランドナーが、ラメ入りキャンディーイエローとなって、再生した。

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 本当にそれでいいの?と思いつつも、まあ、これはこれでありか?とどこかで納得している。

 ソーピーランドナー・・・。これもまた極マニアックで、ニッチな変なブームとなりはしないか?ちょっとワクワク心配しておこう・・・。

これも時代かな?しかしよく働くわ・・・



 元気のいいおばさんだったなあ。甲高い声で、「自転車盗まれちゃってさー、これ見つかるまで借りるんだけど、カゴが小さかったり、サドルが堅かったりね、その辺診てくれない?」。

 もちろんやりますよ!

 デカいカゴをご所望だったなあ。なもんで、

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 これかなり大きいです。仕事に使う・・・といってましたね。

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 サドルが小さいということでした。盗まれたやつはデカいのが付いていたので、そういうのないか?と。

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 見るなり、これ、これこれこれこれ!と即決でした。

 あとは変速ができない・・・ということだった。

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 シフトワイヤーがほつれています。これでは変速できませんね。

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 ワイヤーを新しくて、シフター内を洗浄して注油する。

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 あとは、調整・・・というか腕力での、力尽くでの調整となりますね、こうなると。でも、シフターの癖を覚えると、またなんとか使えてしまうというのがシマノのすごいところかな?と思います。なんとかなってしまう・・・実用車に必要な展開かと思います。

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 ヨシ!これで、とりあえずの自転車が、より自分に近くなったという感じ。もしラッキーで盗まれた自転車が見つかれば、それに乗ればいいし、しばらくはこれでいけるかと思いますね。

 実はまだ店主のメインのパソコンが復旧せず、仮ノートでやっているんですが、それも日々の業務に合わせて、ちょこちょこいじっていくことで、ちょっとは使い勝手よくなってくる。スペアを作るってことはこういうことなんでしょうね。

 一度でも本業に埋め込んで使っていかないと、やはり使い勝手がよくなることはない。もうしばらくメインを休ませて、このノートを育てることで、メインに匹敵するサブができる、そう、本当のサブというのは、メインに匹敵しないとサブとはいわないのかもしれないね。

 このサブ自転車も早々に使い勝手を自分のものにしているという点で、この方のとある使命感のようなものを感じるわけでした。

 聞いてみたら、未だ現役で会社で働いているとのこと。年齢が七十越え・・・?ええ?それにしては若い・・・と思ったが、そうだったんですね・・・。

 ある意味時代なんでしょうな。七十を超えても、現役の会社員として仕事をして、自転車を実用としてしっかり乗りこなす。気も見た目も若い。支払いにしっかり領収書を持って行ったところも、いかにも現役。

 高齢社会というのはそういうことなんですね。

 ということは、三十年後などは、店主らは八十を超えても、元気であれば何かしらやらかしているのかもしれませんね。そのころ自転車乗っているかな?

 そういえば、先日のピクニカを直したお方は、なんと御年九十・・・、昭和二年の生まれだったと。

 そういうことなんだろうなあ・・・、元気であれば、行けるとこまで行く、それができるのは、決して悪いことでもないのかもしれませんな。

 五十過ぎのハナタレ店主が老け込んではいられない・・・。

親子で直そう!自己点検



 この一本スタンドに子のせを付けている自転車に両足スタンドその他、メンテをしてくださいとやってきた。

 まあ、お安いご用なんでありますが、それにプラスということで・・・。

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 子供の自転車も持ち込んで、ブレーキの調整をしてほしいということでありました。

 普通に乗っているお母さんの自転車と、アッチぶつかりコッチぶつかり、それにいたずらなども含めての子供車と一体どちらが壊れやすいか?

 子供の年齢によるんだろうなあ、小学校のまんなかあたりから、特に男の子の自転車は、よく壊れやすいんじゃないか?と思います。高校生のヤロウどものは今回はちょっと例外・・・。ややこしくなるんで・・・。

 店主自身がそうだった。パンクは当たり前、ロットブレーキの棒が折れた、ハンドル曲がった、チェーンカバーのねじが外れた、なんてことがまあ連続で起こっていたわけでありました。

 そのたびに小銭もらって、当時小沢輪業だったかな、そこへ行っては、おじさんにソフトに怒られながら、直しにいってもらっていたわけであrります。

 あまり続くと、当然親から「またこわしたの!?」という叱責が飛んでくるので、その辺壊れ方の程度によって、親への申し出を考えていた記憶があります。

 なんか後ろブレーキのナットをいじっていて、ブレーキが突然効かなくなったことがあったんですが・・・。これは故意な訳で、走っていて壊れたならまだ申し開きもできるんだが、自分でやって効かなくしたなどということは、これはまた怒られるだろうからと、秘密にしていたこともあったなあ。

 耳鼻科の帰り、効かないブレーキの自転車で下り坂でヒヤっとしたことがあった。もちろん靴で止まったいたんだが、そんな経験から思うことがある。

 今回の親子でのメンテというのは、ちょいと大事かもしれないね。たとえ何にもなくとも、「お母さん自転車直しに行くから、あんたも一緒に行って診てもらおう」と言ってくることね。

 そういうところで、故障が見つかることもある。

 自分で壊してしまった自転車については、場合によって子供はそれを隠すことがあるんです。だってそうでしょ?素のまま「壊しちゃった・・・」と告白してきた子になんて言います?というか大抵の親はどう反射してしまうか?

 まあほぼ怒るよね・・・。親も悪気なく怒るんだが、怒られる子供もたまらない。ものを壊す・・・これはたいていの子供にとって重要なこと、大切なことなんです!確かに買ったばかりの・・・作ってやったばかりのものを壊されたら、このヤロ!と思う気持ちもわかりますがね。

 それでも、それにもまして、壊すこと、分解することは本当に大事なことなんですよ。なので、子供が萎縮しない程度のところで、注意する・・・というその辺でとめることはできないか?

 まあ、これも難しい・・・、つい「またやったな!」となるのが、通常の親という生き物の性のようなもんだからな。

 なので、子供たちの自転車、特に男の子の自転車のブレーキ点検は、時々してやってくださいな、くらいは言ってもいいでしょう。

 両手でブレーキレバー握って、本当に止まるかどうかを確かめるだけでいい。それで止まりにくい、止まらなかったら、怒らず、自転車屋に持って行きなさい、乗るんじゃないよ!とデコピンすればいいんです。

 まあ、そうした中での、ソフトな対応として、親子でメンテに行こう!は結構健全でいいかと思いますよ。

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 ここに両足スタンドつける。ディレーラーがあるので、それを迂回するタイプのものを、だいぶ加工して取り付けました。自転車のエンドの形もそれぞれで、それに泥よけのステーなんかがまた多様な付き方してくれているんでね。

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 そして、この必要のなくなった一本足スタンドは切り取って終わり。

 その他シフター周りもいじったかな?フレームが頑丈で、とても気に入っているんで、今回しっかり直すということでね。しかし、なぜか撮ったはずの写真がない・・・どこへ行ったの?

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 そして、子供自転車は、まずはシューを交換した。ここが硬化していて、まず効かない第一原因だったかな。

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 それからワイヤーを交換する。ブレーキレバーで握られた力がワイヤーを通して、ブレーキを閉じる方向に働くんであります。この力を運ぶのがワイヤーということなんで、アウターとインナーの抵抗は制動力を弱める第二原因と言ってもいいんですね。なので、オイルを入れてワイヤー交換するだけでも、ブレーキは引きやすくなります。

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 このレバーも子供の手の大きさによって、調整できるようになっている。大人用の自転車にも、そういう機構の付いたものはありますよ。子供用、幼児用の自転車にたいてい付いています。今錆びたスプリング付きのボルトがそれにあたります。

 これで調整して、実際に子供が来た時に、握って感想を聞きながら、また再調整なんかする訳ね。

 今回は合格だったようだ。レバーとワイヤーとシューという三点をよくしたことで、しっかり効くようになった。

 両足スタンドが付いて、シフターが自由に動くようになった自転車でお母さんは上機嫌、子供もこれで怖くはないと、これから自転車に乗る機会がもっと増えるんじゃないか?

 雨の中でも二人で帰って行ったわ。

 親子でメンテ・・・いいかもね。語呂もいいよね。

 親子でメンテ・・・、親子でメンテ・・・ときたもんだ。

道楽にて食いつなぎ・・・

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 当店が西東京に来てすぐの頃、まだ建物にあちこち手を入れていて、なかなか仕事に集中できなかった頃からお世話になっていたんであります。

 そういうときに仕事をいただけるというのは、何はともあれありがたく、印象に残るわけですが。それだけじゃあなかった。何度かご来店いただくたびに、自転車に関する話の精度が確実に上がっているんであります。

 そして、元々手仕事系の方だったということもあって、これは自転車いじりに相当はまるタイプだなあ・・・とにらんでいたんであります。

 そこで、自分の自転車を自分で作るところに集中するか、それからあふれて、まずは有縁の自転車にまで手が伸びていくか?に分かれるんですが、後者に行ったら・・・、まあセミプロ目指せ!指令が店主から飛ぶわけであります。

 なんかやらかしそうな方だわと思っていたんですが、やっぱり仕掛けてきたよ!

 今回、この頂き物の古い自転車を、ドロップ化してまず乗ってみる。そのドロップ化に関しては、プロの組んだものしっかり乗ってみたいという。

 自分で組めばそれはそれでいいんだが、模範となるような自転車にしてほしい・・・ということ。

 そして、できれば、組み付けの際には立ち会わせていただけないか?というね。

 これは来る時が来たようですね・・・。お互い自営というところから、その気持ちわかるんだよねえ。

 建築系、内装系の仕事が本職ながら、それ一本だけではない、もう一本何かがほしい・・・、保険という意味もあるが・・・、それだけではない、何かなんであります。

 店主も今裏でせっせとギターなんぞいじっているのと似ているのかもしれませんな。それでくえんのか?なんて野暮な質問はお断り。とにかく突き動かされるものに突っ込んでいって、それはそれでガキじゃないんで、セミプロ目指して(これはその方が、何よりも面白いからだよ!)やれるところまでとことんやってみる。

 もちろん途中で飽きたり、別へ方向転換することもないとはいえないが、とにかく推進力がある限り進めるところまで進んでみるだけだ!

 その結果として換金できる水準のもんがあるのであれば、換金も辞さない・・・というね。でも誤解してもらっては困るのは、副業を目指している・・・というよりも、それは結果に過ぎないんで、本質的には何にもまして楽しいからなんだなあ・・・。これを失っちゃ何の意味もないといいきれるかな。

 そういうわけで、自転車屋の屋号も決まったそうだ。道楽サイクル・・・。いいねえ、力抜けてて。こちらも数年以内に目立たなく、「道楽楽器」なんて看板が立つかも・・・ね。

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 ドロップ初体験と言うことなので、一番どぎついのをつけてみた。これぞドロップだよ、この落差とこの突き出し。

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 STIをつけてみた。これも体験してみたいと言うこと。しばらくは実用車系が多いと思うが、まあ、こうしたものにも手を伸ばしておくのはおおいにやっておくべきことかと思います。

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 ソラコンポでまずは組んでみる。基礎中の基礎・・・といってもいいかもな。ただ、フロントメかがそれより前のコンポ類と断絶してしまっているということなども覚えておくといいかもね。形状をしっかり見て確認だな。

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 こんだけ広いギア比があれば、まずはどこにでも行けるでしょう。今回は自分で長距離を乗ることも大切ですからね。

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 今回組んでるコッチが驚いたのは、アンブロの真っ黒リムね。これが多少は重いがカッコイイよね。

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 名作かもな、エクスクルージョンというやつ。ブレーキあたりまで黒い、使っている内にどうなるかは見物だが。当店オリジナルにも採用していいよね、たぶん。

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 全体をマットブラックに再塗装したりして、今回結構手が込んでいる。それだけ本気度が伝わってくるというもんだ。

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 一緒にワイヤーはったり、時にマニュアル見たりと、ああだこうだいいながらの組み付けでありました。

 これから、業者発注なんかもしながら、徐々に徐々にはじめて行くんでありましょう。65の時には、「こっちの道も二十年かな?」なんていえることを目指しての出発であります。

 店主も自転車屋を始める時に、本当に多くの方々のお世話になって、そのお陰様でもって今までなんとか続けてやってこれていると思っています、謙遜でなくてね。

 ですんで、そのお返しというのも何ですが、目指す方向が同じようであれば、できるだけのことは協力できればなんて思っています。

 いつ生業になるかは知らねど、末永く頑張ってみてください。こういうところから新しい何かが出てこないとも限らない。

 なまじ自転車なんぞを知っているなんていうのが、新しい萌芽を知らずに摘み取っていないとは限らない。知ってしまったことを忘れることは難しい。知らない時にこそ真剣に考え向き合ったことが、その後の財産になることだって大いにある。

 こちらが逆にいろいろ教わりたいくらいだわ・・・。

 ということで、狸サイクル周り、自転車屋だからという意味ではない、真の同業の気配がまた楽しからずやの、この頃である。
 

警視庁自転車機動隊・・・設立!を願って・・・



 これだけでも全く問題のない、ディスクロード。ジャイアントなんですわな。

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 おきまりのヘッドチューブが太い。高速で下っているときのガッツンブレーキをここで支えるためなのか?前回りが堅いということだそうですね。

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 そして当然時に体重以上の力のかかるBB周りも極太にできてますなあ。この辺はあまたあるカーボンフレームの定番といってもいいかもしれませんね。そして・・・

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 その分なのかどうかはわかりませんが、シートステーがやたらと華奢というのもよく見られますね。車体によっては大丈夫なの?と思われるくらい、細いのがありますね。たぶん相当下側の強度が高いんでしょうね、だから形だけ・・・に近いのかもしれません、本当に細いものは細いですからねえ。

 とまあ、何の落ち度もない、この車体なんでありますが、再塗装のご依頼と来た。

 今回は塗装・・・というよりは、再デザイン化・・・といった方がいいかもしれないなあ。二色塗り・・・なんだが、グラデーションで二丁拳銃方式、つまりスプレーガン二本で吹き分けるというのと訳が違う。

 しっかりマスキングして塗り分けるという、これはまあ手間が倍以上かかるやつであります。

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 こういう感じで白黒の塗り分けなんですね。ラインで分けるというね、そういうやつです。

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 フォークまでご丁寧に白黒との塗り分けね。

 で、ご依頼のコンセプトというとそれはズバリ!

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 これです!つまり、パトカーをイメージしているんですね。

 曰く、警察官が是非とも公務で乗ってみたいなあ、と思えるような、そういう自転車にしてほしい、というご依頼だったわけであります。

 警察官と自転車というと、あれですねえ、店主らの頭に最初に浮かぶのが、カトちゃんががに股で、ピンカラ兄弟歌いながら出てくる、お巡りさんと白自転車。荷台に四角い缶載せている例のやつですわ。

 あれはお巡りさんの歩行の延長としての自転車であって、彼らとて決して車両としての自転車という意識はない。その証拠に、平気で歩道走っていますもんね。

本来なら、道交法違反でしょう?だって自転車は基本車道なんですから。でも、ある意味無理もないというのが、日本における自転車の地位というか、成り立ちとの関係かと思うんですね。

 通常、ハイハイから、二足歩行に移り、三輪車などの遊具、そして補助あり自転車、最近ではストライダかな?そして二輪の自転車という流れをほとんどの子たちが赤ん坊から踏襲していくわけであります。

 この流れから自転車は歩行の延長、という意識が根付きます。歩行の延長だから、歩道を走るのは当たり前。車道に出ようもんなら、危ないから歩道走りなさい!というのが当然の意識なんであります。

 一方で、サイクリストといわれる方々は、自転車=車両という意識から来ますんで、車道は当たり前と言うことになる。

 意識としては、歩行の延長としての自転車と、車両としての自転車は断絶していると考えていいかと思います。そして道交法は後者に基づいて作られているんじゃないか?とね。

 ただ問題なのが、意識としては断絶しているものであっても、ものとして両者を区別するのは大変難しい、スポーツ車と一般自転車でよくない?なんてことはザッといえるとしても厳密な区別は、結論先にいうと不可能といえるでしょうな。

 だから自転車問題は難しい。車両と歩行延長・・・、どこで区別するか?ということになるとその境界線あたりで吟味しても、結論は出ないんでありましょう。

 こういうときは、境界ではなく、両極から考えてみるのはどうなんでしょうね?

 つまり、補助輪取れたてのヨロヨロ自転車という歩行の延長が一方の極であるとすれば、もう片方は下り100キロ越えもあり得るようなスポーツ自転車ね。

 この極端の白と黒の間の、幅広いグレーゾーンというものがありまして、自分は一体どちら側のどの辺に属するか?この時、自転車の車種だけでなく、ご本人の自転車運転の技術も含めての考察になると思いますな。

 年齢的には中学生くらいから、車両としての自転車というところに意識転換していくのが順当ではないか?と思いますがね。

 そうすると、次にそうした指導の根拠になる体制も作っていかないといけません。

 歩道を平気で走るお巡りさんがいくら「中学生になったら自転車は車道走ってね」といっても説得力ないわ。

 そうした時に登場するのが、車両として自転車にまたがる、警視庁自転車機動隊なんであります。車体としては、今回まさに取り扱ったこの手のものであります。

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 それなりの格好とヘルメット着用、機敏に車道を走る、車両としての自転車を象徴するような車体に、車両としての走りを体現させる、こうした体制作りも重要なんじゃないか?

 駐在さんがスクーター乗るのと、白バイ隊って全く違うでしょ?ある意味白バイ隊の自転車版を作ることなんじゃないか?と店主も思います。

 そうすれば、箱根駅伝の先導も自転車機動隊がやる、これはいいアピールになるぞ。選手に排気ガスを吸わせない、選手を先導しながらも息が上がらないスーパー自転車機動隊先鋭部隊を編成するなんて、夢のある話だわな。

 警視庁に先んじて、神奈川県警でやってしまえば、箱根五区で注目されるぞ!

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 なんてことなど夢想しつつ、ご要望にどこまで応えられたかな?なんて思う。

 最近は子供のうちから自転車ヘルメットを着用するなんてことが起き始めている。照れもなく、かぶるのが当たり前になってくれば、それは幼少の頃からの自転車=車両意識の芽生えにつながるんじゃないか?と思う。

 下流からはそうしたこともできなくはないが、上流?からは是非とも自転車機動隊構想なんかでかっこよくセンスよくやってみたらどうか?なんて思うぜ。

 大体公務員さんたちよ、特別公務員は白紙領収書でもよかったり、平気で国権の最高機関でうそつてもよかったり、一般公務員も国の財産を売るなんて大事業に、記録を一年未満で廃棄していいとか、これだけ騒がれている大問題に捜査機関である検察が何やっているのかも見えてこない・・・。道徳の教科書の検定する役所が率先して違法な天下りの斡旋をしている?

 ちなみに、人民は白紙でない領収書を集めてそれを日付ごとにノートに貼って、青色申告の場合、記録は七年の保管義務があるだって?


 上流での仕事は影響力が半端ないはずなのに、その本人たちに自覚があるようには見えない、全く示しが付かない。

 末端および各所でまじめに働いている公務員の皆さんにとっては、さぞや忸怩たる感情を持っていることだろうな。

 ちゃんとやろうぜ!ちゃんとよー!

 と自戒も含めてそう思う。

 この発注も実はある地方公務員の方の発想なんだな、それを形にしただけなのだ、ただ、そういうちゃんと考える公務員もまだまだいるぞ、ということが、救いになるよう、人民もしっかり動かないとな。

 締まっていこうぜ、締まって!

隣接で食いつなぐ 副業のすすめ



頭の上にあるのは、模造刀です。

模造だけに切れません。何に使うか?というとこのように頭に乗せたりいろいろして、踊りに使うんだそうだ。それはさておき、作られているとことがまあ、いい加減なところなんだと思います、すぐにあちこちが緩んでズクズクになる、作りがちゃちなもんでね。

 
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 ある意味インド雑貨のようなもんで、それ自体が安いんで、まあなんとか持ってはいるが、作りが雑、精度などほとんどないようなもんだ。

 だから使っている内に、あちこちだめになるんだが・・・。使っているのが大半女性ダンサーのために、これの直しがまた、ゆるい。

それはまあ、仕方のないことで、道具も経験もほとんどない子に直せっていっても、それは無理というもんです。

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 今回も刀身が緩んで、ズクズクだったところに、無理矢理接着剤なんてもんを流し込んで、固めようとしたがだめ、全体が落ち着かない。こういうのは柄から鍔、刀身を一気に固定しないとこういうものはうまくいかない。

 そんなわけで解体してみたら、刃に六ミリの全ねじがろう付けされていて、そこに鍔を差し込んで、パイプ上の柄を入れて、最後に袋ナットで止めるという、適当な作り。

 さてどうするか?まずは刀身と鍔を加工して、双方うまく物理的に食い込むようにして、それから柄を入れて、本来なら工具で閉められるナットで上から鬼締めしようかと思ったんだが・・・。

 はかってみると六ミリの1.25ピッチというこれまた珍しい規格でやんの。少なくとも当店には1.0ピッチもんは腐るほどあるが、これはない・・・。もちろんタップがあれば作れるが、ナットが珍しいのに、そんなタップ単体など・・・探したがなかった。

 そこで、まあいろいろ工夫して。

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 ワッシャーが見えて気に入らないが、大小二枚のワッシャーを挟んでこのいびつな袋ナットを万力で固定して、閉めるところまで閉めたということでした。

 後は、ここを隠すのに、黒い糸やら、房などをつけてくれればカッコは付くか?

 聞くところによると、この手の模造刀で困っているダンサーはゴマンといるんだそうだ。金属いじるのは、自転車屋の延長でできるんで、こういう関連は副業になるというもんだ・・・。

 模造刀、困っているダンサーさん、持ってきたら一振り二千円で直してやるわ・・・なんてね。

 それよりも、この模造刀の刀身にキャンディー塗装するなどして、装飾系にいった方が儲かりそうだわ・・・。これも塗装するこちらとしては、まさに隣接分野。

 衣装に合わせて、ダンスに合わせて、演出のイメージに合わせて、刀身塗装いたします・・・なんてね。

 今やっていることを延長していくと、自分の分野から出て行けることもある、それは副業への道なのだ!

 本業でパッとしないご同輩よ!頭絞って、自分のできることを客観的に集めて、何ができるか?考えようぜ!それでもって、多角的経営でやってみるのもどうか?なんてな。

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 これなーんだ?

 これだけでわかったらすごいなあ・・・。

 答えはこれ!
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 シャコ型万力、いわゆるシャコ万て言うやつですね。こいつを肉抜きしたんであります。いったい何に?

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 なんか知らんが、いつの間にかこんなことになっている・・・。数百円からのオンボロ楽器を集めている・・・というか集まってきている・・・といってもいいかもなあ。

 そんな中に、
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 相当のご老体もいてね、このようにブリッジが長年引っ張られて浮いている・・・なんてことになっているわけです。

 こういうやつはいったん外して、貼り直してやらないとね、ということです。その際には・・・。

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 こうやって圧着させてやる必要がある、その際の工具ってやつだったわけです。

 まあ、専門工具もあるんだろうが、まずはあるもんで・・・というね。

 今後の店主の使命は、うち捨てられているような楽器・・・、まあギターっていう奴がいたら、そいつの持っているポテンシャルを最大限に生かして、いい音で響かせてやる・・・というところにいきそうだよね。

 どうも五十年クラスの古い楽器には、磨けば光るような要素があるように思う。そういう再生楽器の精度を上げていって、後はどうなるか?なんて言うのを見届けてみたくなってきた。

 副業・・・になるかどうかはまずはどうでもいい、でもやるならセミプロ目指せというのが主義でもあるが・・・。

 人間四五十年生きてくれば、まあいろいろたまってくるもんだ。でもほとんど忘れていたり、または思い出したくない人もいるんだろうな?または、自己評価が著しく低かったり、おれなんか・・・なんてね。

 でも最後に助けてくれるのは、自分がやってきたことの総動員ということになるんじゃないか?と、つとに考えるようになってきた。あとはそれを支えてくれる関係、生かしてくれる関係なんだと思うんだがね。

 そのためには、自己評価を正しく、客観的にね。過小も過大もだめ。あとは何でも面白がれる機会を常に持つことかな?鬱になっている暇はない。

 あとは関係だ、関係!
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 これも副業の内だな。お世話になって半年、二つ目の瀧川鯉んさん。なんと二十五日土曜日、狸サイクル二階の響き床で、寄席が開かれます。

 その名も響き寄席!是非おいでください!

 まあ、自分だけではなく、こうした関係のある人、有縁の方に動いてもらうことで、これがまた副業展開になるかも・・・。

 ということで、なんだかわからんが・・・やっていきます・・・よ!っと・・・。

 

置物フレームにありもの組だ!



 この年度末という時期は、何かと人の移動がある時期で、アパートなどは自転車をおいて出て行ってしまう人などが多く発生するそうだ。自転車を割り箸と間違えてんな・・・。

 そういう感覚の人が増えているんでしょう、自転車屋が率先して割り箸売ってんだから世話ないわ・・・。

 割り箸だって、やったことないが・・・、きれいに整形して、それなりの補強して、上塗りして、塗り箸として再生してやったら、そんなに長持ちしなくとも、一回で捨てられるのとはまた違った、あり方もできるだろうなあ。

 そんなことで、困った大家さんたちが、当店においていくこと、多いんですねえ。

 今回のこの、頑丈そうなアルミフレームは、学生さんだったのが、就職が決まって引っ越しの際、二台ある内の一台を、ある意味泣く泣く当店に置いていったというものだった。

 なんで当店だったんだろう?なんかその後も生かしてくれそうだったから・・・、ここだったら大丈夫かも・・・と思ったらしい。

 なれば・・・としばらく置いておいたら、出入りの方々が、仕事の合間にアッチいじり、コッチいじりしている内に、なんかかっこよくなってきたぞ・・・とね。自転車の方も、そこまでされちゃあ、誰か乗っけて走るしかない、とやる気を見せてきた。

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 どっから外したんだ?ロックバイクスのシックスコンポーネントのクランクだ。なんかやたらとスラムに似ているでしょ?と彼らがニヤニヤ自慢していた・・・、もしかしてスラムのOEMなんかもやっている工場見つけたとか?ニヒヒヒヒ・・・と。さあ、知らね・・・。

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 ありものといっても、結構使えているんだよね・・・。悪くない・・・。

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 ソラのショートVが付いている・・・てことは・・・、もしかして?!

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 マジっすか?!手元変速のSTIが、ドロップハンドルに付いている?!しかも8速じゃないですか!とわざとらしく驚いてみせる。

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 タイヤは700cの32ミリというちょいと太めをはいている。23cは最初からだと不安定に見えて、怖がる人もいるからなあ。まあ、この太さなら、どこでも走れるよね。

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 これだけピラーがあれば、適正位置にサドルも付くことだし・・・、とりあえず、入門車としてはもったいないほどのスペックってことですよ。

 さあ、誰が乗るかだな?

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 立ち仕事の方なんてもってこいだよ!また研究含めて食べ歩きをしなければいけない方も最適!車で移動して食べて回ったら、まあどんなになるかは想像が付く。メタボだよメタボ。

 たとえば、80キロこいつで移動しながら、途中三回ラーメン屋に偵察勉強にいくなんていうのもいいねえ。自分の足で走って、適度の空腹で食に向かう・・・。

 まあそんなもんだ・・・。これは一般公開で売り出しに出ましたんで、春からのサイクリング、我こそは!という方はお問い合わせください。

 そうそう、かつては旧店舗近くにラーメン博士がいたんで、都内ラーメンツアーなんてこともやっていたなあ・・・。なんかいつもにまして、ラーメンラーメンとうるさい?

 ええ、当店近くに、麺屋野口さんという店ができてここがなんともいいんです!おすすめですよ!

 かつて、紅葉ラーメンというのを店主名物で作っていてね、これが白湯スープで、豚骨の本場の九州勢にも見事に受けたメニューがあったんですが、恐縮ながら麺屋野口さんラーメンはそれをより品良くした感じなんですね。

 で、この自転車と何が関係するのかって?まあ、そのうちわかるでしょう・・・ということで、今日は謎落ちってことで、ごめん!
 

母から子へ  じゃなくて子から母へだった・・・



 いろんな子供自転車がありますが、どうもこのルイガノは最強のようだ。フレームに手抜きがない。エンド幅もエンド金具も、各所溶接もほぼ完璧な強度を持っているんじゃないか?と思うくらい、まず頑丈にできています。

 そしてこの太いパイプに、小さい三角でしょ?自転車の中でも最強の部類なんじゃない?とすら思える。力士用の自転車なんて、これを体に合わせて組めば、いいかも・・・なんてね。

 なので、全国の親御さんの皆さん!どうせ購入するなら、この頑丈な子供車をおすすめしますよ!

 でも子供用の自転車なんて・・・、すぐに子供は大きくなるし、そんな頑丈な車体なんて必要ないんじゃない?

 もちろん、子供自転車を子供用としてのみ使うなら・・・ね、でもこうした頑丈な自転車は、子供の後がまた楽しいのであります。

 通常、伝えられるものって親から子へ・・・でしょ?それがものであれ、知であれ、伝統であれね。

 ところが、これは逆なんでありますよ、子供から母へ・・・という順序。

 娘が大きくなった・・・、お母さんの身長をだいぶ抜いてしまった。そして、お母さんは縮みこそすれ、デカくなることはない・・・。

 ちなみに成長というのは、当然お母さんもしますよ!ただ身体的成長がないと言っているだけね。成長真っ盛りの長身の娘から、その身体的成長のないお母さんへ、自転車が渡っていく・・・、子から母へなんであります。

 ちょっと関係ない話、先日子狸が保育園を卒園したんでありますね。途中引っ越しもあったので、今世話になっている保育園は一年ちょっとのつきあいなんだが、その前の杉並時代はこども園。二年通ったよね。その三年前の入園の光景も実によく覚えているんだが・・・。

 卒園式では、我が子の成長に感涙にむせぶ親御さんたちもいた・・・。確かに子狸はデカくなったし、成長もした。でもそんなことに感動している暇は店主にはなかった。全くなかったと言っていい。そんなことより、この三年、店主という人間がどのくらい成長したんだろうか?ということを真剣に考えていた。子狸なんて放っておいたって成長するんです、それは本人・・・というか、脳やその他の内的要因によってね、いやも応もなくあいつらは成長している・・・。

 この数年で1カ国語覚えているんだから、それはもう脳細胞の発達は、まさにモーターが仕込まれているかのごとき、早さで回転しているんだろう?

 一方で五十を超えている店主ときたら、モーターの精度はかなり落ちている。ほかに身体的性能もかなり落ちた。あちこちもうダメダメなんでありますが・・・。

 だとしたら、この三年子狸は成長し、店主はただ後退していたのか?とは思いたくはない。日々何かしているわけで、その何かが何かに添加されて、なんかにはなっているんじゃないか?と思うんだが・・・。大体石の上にも三年といって、三年しゃかりきにやったら、どうにかなることもあるだろう?

 そういう展開がこの三年間、この店主にあったかな?なんて真剣に考えていたら、卒園式は終わっていた・・・。

 未だに、成長した子狸に対して、成長した店主・・・ってなんかあるか?と真剣に思いつつも落ち込み寸前・・・なnだよなあ・・・。

 てことは横おいて、話を戻そうか?

 娘は伸びて母を追い越し、追い越された母はもうそれ以上身体的にデカくなることはない。そして目の前に、パイプの丈夫な、当分壊れそうもない娘の乗り残した自転車がある。・・・どうする?乗るか・・・となるでしょう?当然!

 なので、体の大きくないご両親が子供に自転車を買ってやるとしたら、一も二もなくルイガノでしょ!数年後には、こちらがいただこう!っていう下心で、十分なんだと思います。

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 お母さんが使うなら、カゴは必需品。でも前がサスペンション。道によって上下してしまうので、カゴ付けは難しい。そこでフロントキャリアをつけてそこにカゴを載せることになる。

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 こんな感じで下のメッキの部分がキャリアというわけで、そこにカゴを挟み置く。

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 見た目としては、ヘッドチューブ側と下からがっちり止めていないということで、ごそっと落ちるんじゃないか?と思えなくもない。まあ、それは大丈夫でありましょうが、あまり重いものを恒常的に載せるのは、それは正規のカゴの付け方のものとは区別して使ってね・・・ということになりますね。

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 それとギアの意味にいまいち明るくない多くのお母さんたちのために、フロントメカは取り去ってしまった。リア七枚だけ。

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 フロントのシフターもなし、取り去ってすっきりです。

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 この下後ろギアのスプロケ周り、チェーンなどは新しく、やりやすく調整。こういうのって、意外と大事かな?と思います。

 たぶん後ろ七枚すらも使いこなすのが難しい方々に、プラス前三枚なんていうのは、もう頭こんがらがりギアっていうことで、たぶんあってもいじりはしないでしょう、なら外してしまった方がいいんじゃないか?

 本当につらかったら、フロントメカの代わりに指でチェーンを変えてやればいいんですよ。

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 いくらお母さんが小さいと言っても、大人なんで、このくらい以上のピラーは確保しないとね。むしろ子供自転車という余裕から、適切なシートの位置なんていうのに気づいて、乗ってくれたら、これまた自転車に対する対応も変わる・・・ように思います。

 この自転車、体の小さいお母さんも前傾になるので、今までの自転車とは違うよ、きっとね。

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 そもそも自転車に大人用も子供用もない。一定の体の人がいて、それにあった自転車に乗るだけ、それが基本なんですね。

 そういう意味で「子供用」自転車だって、これから体の小さい方や、高齢者の方々にとって、より快適な自転車環境として役立ってもらうという潜在的可能性は決して低くはない、と思うのね。

 まあ、さっきの話ではないが、こんなことを考えながら、思いつきながら、それに伴った自転車を実際作っては乗ってもらい、よりよい自転車環境を整えていくこと・・・、こういうことがどこまでできるようになったか?ということが、店主にとっての一義的な成長なんだろうなあ・・・と思うことにしようかね?

カッコイイ自転車って・・・・



 一本棒のこのスタイルは、結構有名な無印の自転車であります。あの無印良品ね。

 これがカッコイイか?といわれれば、すぐにそう!とは言いがたい。ウーン・・・、カッコイイかは別として好き好きなんじゃない?ってな答えで濁したくなりますな。

 でも、それが・・・かっこよくなる・・・。



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 通勤ということもかねて、ハブダイナモ、そんでもっての700cにしてしまった。これが一番原因として大きいかな?

どんなにデカい人でもレースでは700c、一時それより大きな規格も考えられたこともあったようだが、長続きはしなかったようだ。人類と700cには、黄金比のような特別な関係があるのだろうか?機能的にも美的にも。

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 前後ともマビックオープンスポーツで組んである。

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 仕様は至ってシンプルなシングルフリー。

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 前ギアも男ギア過ぎるが、シングル。まあ乗りながらギア比は決めていけばいいかな。

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 ブレーキは着脱も簡単にキャリパーを取り付ける。26インチから700cにするとショートリーチですむことも多い、すべてとはいかんがね。
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 リアもキャリパー、こうすれば後輪の着脱も格段に簡単になりますわ。シートステーの裏に忍ばせる、鍵の関係もありますがね。

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 ハンドルもまあどこにでもあるようなフラット系のもの。シフターもいらないのでブレーキレバーだけで、これも至ってシンプル。

 そういう自転車なんですが・・・。

 今の内容だけ見て、これはカッコイイ一台だと思われた方は、断片を総合する力に長けている方、とお見受けいたします。シンプルであるのはわかるが、カッコイイ・・・とはねえ、これが大多数の実感なんじゃないでしょうかね?

 では、ご開帳!

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 こうですよ!どうです?シンプルでカッコイイでしょ?色もグレー系で渋い。華奢のようでありながら、実はゴッツイ感もあるなんとも不思議な佇まいの一台に仕上がってますでしょう。

 これは驚きだわ。当店初の改造実用車系は、こうした系統だろうと、前々から思ってはいたんだが、これで決定だな。

 足回りも、できるだけ惜しむことなく700cでいく。そのためのカラフル系シングルハブも確かあったな・・・。

 これは新たな職場へ向かうための通勤号となるんだが、今のところ、カゴの予定もない。快走して、どこでも駐めて、また乗ってという実用的にも優れた一台になりそうですね。

 しかし、このカッコ良さはいったいどこから来るんだろう?こういう一見とりとめのなさそうなことをしっかり考えておくと、後で何かにはなっているような気がする、もちろん結論の出るようなタイプの推論ではないが、言葉は単に論理を磨くだけでなく、審美系の感覚を磨くためにもある、というのが持論でもあるんだがな。

 だから、言葉は大切にしないとね。いわゆる表現者と言われる方々の中に、言葉を軽視されている方もずいぶんおられるようでありますが、まあ、その大半は大したことのないものなんじゃないかと経験上思います。

 何も饒舌たれ!といっているわけではない、言葉で表現し尽くせ!ともいってない、ただ言葉の軽視は何事につけ、大成し得ない、ということは、一部の例外を除いてほぼいえると思いますな。

 音を使おうと粘土を使おうと体を使おうと、一つの表現に対して、言葉は常にメタの立場にことを持って行けるものなんだろうなあ、その代わりをできるものはない。だから言葉は大切なんだよね。

 こういう自転車を見ながら、そのカッコ良さの神髄を考える・・・、そうすると数年後にまた何か出てくるかもしれない、もちろん何も出てこないかもしれないが。

小径あちこち変えてこうなった・・・



 なにやら安くオークションで落としてきたらしい。フレーム自身は頑丈そうで、パーツ類をどうにかすれば、なんとか面白い自転車になるんじゃないか?ということでやってきた。

 ホイールが赤いね。かわいいんだが、足回りは重要というこことで、新たに組み直すことに。

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 20インチWOのリムがあるんですねえ。ラジアルで組んでいます。

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 アレックスであるんですねえ、ありがたい。同じ20インチでもHEという規格もあるんだが、そちらもしっかりある。こういうメーカーはありがたい。種類はないが全くないのと比べると天と地の違いだわな。

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 後は結構持ち込み系のパーツで組んでみる。ソラと来た。

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 これは当店のありもの。小径なんで男ギアにしてみた。走ってみて後は決めるしかない。

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 ソラのSTIが付いているが、このハンドル、よく見るとなんかちょっと変ですね。

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 このハンドルあのレモンのパクリ系ですね、あれはスコットだったがこいつはモドロもの。アナトミックと来ている。モドロって面白いパクリ、独創的なパクリをやるところじゃない?らしいものがあるんですねえ。

 このハンドルを面白くつけたい、とはいえ・・・癖ありだよね。ひっくり返すことも考えたんだが、アナトミックがどうもいけない。STIの角度が出ないんだな。

 ただ、楽に持つということもあったので、

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 この上向きステムでハンドルを上方につけた。これも使ってみて・・・決めていく方がいいな。

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 STIということで、フロントブレーキをロングVから、完治に変更。ショートVでもいいんだが、まあこういう選択肢もあると言うこと。

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 買い物にも使いたいということで、荷台もつける。スポーツ系の荷台は応用が利くようにできていて、素晴らしいね。

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 この大きさなら結構な買い物だってできる。さて、こいつはどういう風に使われてくんでありましょうか?いかようにもなりそうなんだがな。
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 まあ、これから使われていく中でいろいろと決まっていくんでありましょうな。

 しかし、ちょっと前まで、ヤフオクで二束三文だったのが、こうして手をかけてやれば、また街道で一端の働きをするんでありましょう。こいつは働くよ、頑丈そうだしね。

 そういう意味で、ヤフオクの存在価値というのは、あるといえる。ただし、修復、修正、およびそれを支えるアイデアがあれば、なんだがね。

それもあって、ヤフオクものの持ち込みも、勉強かねて、常識の範囲で受け入れてやっていきます。

しかし・・・、実は今メインのパソコンがだめになっていて、実に使いにくい。ノートパソコンはキーボードがなんとも合わないなあ。自転車にあってはブレーキの引きと、パソコンにあってはキーボードにはちょいとうるさい。

 物書きの端くれだったときに癖で、これはどうも妥協ができない!ああ、打ちにくい!

 早く復帰しないといけないんだが、修復ディスクを作ってやってみても、問題を検索中・・・・って二時間動いていないわ・・・。

データとって、再度インストール?こりゃ大変だ・・・。発注もできるように、まずはこのスペアノートをちゃんとやらないとなあ・・・。

 ということで、いろいろと支障も出るかと思いますが、なんとか復旧頑張ります!


女性イメージ・・・女子力?



 菊をイメージした・・・ということにしておこう。花だけに、女子系を意識して作っているんであります。

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 仕掛けうちでの研ぎ出しという、やつであります。

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 ウーン・・・むずかしい。日本の女子力とか、女子的な扱いというのはかなり好意的に捉えられているようでありますな。先日、なぜかドイツからの女性がいたんで話してみると、ドイツでピンクや赤を女性色として使うと、「なんだあいつ?」的な扱いを受けるという。

 確かにそのドイツ女性、黒と灰色で衣服を決めていましたな。

 なわけで、女性だからということで、日本の水準でいってしまうと、海外では白眼視される可能性もありますなあ。そう、こいつはまたも海外に渡っていく一台なんでありますね。なので、手探り・・・、さてどう判断されるか?

 仕様の方で見てると。

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 650cのホイールを使いました。

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 30ミリハイトのリムであります。650cでは珍しいかな?多少のカラーなんかもありますね、ポリッシュもある。最初は赤でやろうかと思ったんだが、ウーン・・・、ということで黒で合わせてみた。

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 シルバーを基調にパーツ集めしています。

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 スケルトンブレーキ。女子か否かは、まあ関係ありませんが、黒と比べるとシルバー・・・かな?というね。

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 このクランクなんだが・・・スギノさん。ミドルクラスの値段の割には仕上げが良くない。これでもカンパベローチェよりも高額だっていうんだから、もう少しどうにかならないの?という仕上げ。

 こいつは165ミリだからということで、これにしてみたんだが、手に取ってみてちょっとガッカリだぜ!逆に言えば、カンパベローチェで165ミリを作ってくれたら、それなりの需要はあるとおもいますよ。是非!ってなもんだ。

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 ハンドルはプロムナード。走りは犠牲にしたくはないながら、戦闘的ではない見た目・・・、これが今回の控えめ女子的な中での一番かもしれませんな?

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 Wレバーを手元に持ってきたというのも、ただでさえギア変速しない女性を想定してのこと。ダウンチューブなんかに付けたら、変速どころか、その存在すら気づかないんじゃないかな?とね。

 外見で女子的・・・とかいうより、この辺の配慮でやった方が・・・海外はいいかもしれない・・・などとも思う、まあ賭けでありますな。
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 革サドルは・・・ちょっとした高級感?かな?あまり深い意味はない。

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 さて?どうなることやらです。快走はお約束、ものすごい走る・・・。あとはふたを開けてみないとわからない・・・。どうなることやら?
 

高速山登り 山下り



 チネリが来たぞ!そういえば、あの岩井商会さんが勇んでチネリと契約したそうだ。まだピスト車体とパーツだけだそうだが、その内ロードフレームも行くのかしらね?

 そうなると、当店からコルサが出る日も来るか?なんてことはないだろうなあ・・・。

 まあいい、チネリが来たぞ、アルミなんだが。

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 今や絶滅種のカーボンバック。といっても堅いフレームだよー。

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 その名もウニカ?これがなんとヤフオクで激安でぶら下がっていたんだそうだ。

 フレームも女の子向けという感じで、小さくて、誰も手を付けていなかった。まさかなあ、と最安値を入れて寝て起きたら、自分が落としていた・・・ということだった。

 さて、どう使うか?

 前トリプルのクロモリのんびりヒルクライム号はすでに当店で組ませてもらった・・・。そう、自転車が勝手に寄ってくる自転車の神様のような人。この方が、のんびりもいいが、ちょっと気合いを入れて走れるところまででいいから、高速山登り下りをやってみたい・・・と思うようになったんだと。

 まあ、真相はだな・・・。

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 このギザロとかいう完成車に付いていたカーボンフォークが、道具箱の中から「親方ー!!!おいらを使ってくれー!!!」とうるさかったんだと。

 うるせーな、お前に会うヤツ探してやるから静かにしろ!とヤフオクを冷やかしているウチに、先のウニカ嬢に会い、ついでに高速山登りなんかも思いついて、一気に形にしてしまった・・・。

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 この往生際の悪いスプロケは何だこりゃ!だ。何が高速だー!!!と突っ込みたくはなるが、自転車で行ったら、やはり自転車で帰ってこなければならないという大原則を体にしみこませている神様だけあって、これもまた慎重な選択だ。

 持論が8速以上はみんな一緒、つまりなくてもいいという主義なんで、現行品ではこれしかねえし、仕方ねえや・・・ということでクラリスを持ってきた。しかし、かつてのトップグレードの8速をお持ちの方は苦労するね、まさか現行品のクラリス合わせるわけには行かないだろう?最近は前後ディレーラーなんかも引きシロいじってきたし、だんだん8速はあっても現行品すら使いにくくなってきている、いろんな意味で危ねーよ・・・これは。

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 前回は、前3枚にWレバーなんていう、すこぶる少年時代をレトロに楽しんだつもりだったが、苦しい時にはレバーには手は届かないもの、ヤバイと思った時にはもう遅い・・・。だから手前で引いとけばいいんだがすでに遅し・・・・。降りるか、止まって後輪上げてギア下げるか、そのまま踏ん張るか・・・。

 手元変則はその辺の問題を一気に解決してくれたよね。スタートは軽く、徐々にギアを重くしていって、一定スピードに持って行くなんて、今では当たり前のことなんだが、かつては重いギヤから、ヨッコラショ・・・と足で上げていくしかなかった・・・。

 今回の神様のミッションも、手元変則自転車どもにであおられた時、ヨッシャ!けんか買ってやろう・・・という姿勢ですね。

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 神様らしくありものがイッパイ詰まっていそうな道具箱から、持ってきたんだろうなあ。下りも高速で行きたいらしいんでね。ブレーキは大切です。ただクラリスとの相性は知らないよー!

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 スローピングだが、仕上がってみると結構様になっていますね。これに神様がまたがると、なんか悔しいがかっこいい。ご自分をよく知っているんでありましょうな。

 ただ、試乗したら堅かったわ・・・。神様も大いに自覚して、まあ、これで行けるとこまで行って帰ってきますわ・・・と、高速山登り!!!と息巻いた割には、謙虚というか、弱気になっています。

 あとは花粉だな・・・。これさえなんとかなれば、三寒四温でこれから四ヶ月、梅雨入りまでは最高のサイクリングシーズン到来です!そろそろ持っている自転車なんぞも、調整、交換、改造とシーズンに合わせていきませんか?なんてたまには営業なんぞをかけてみます!

ありものドッチャリと!自転車も人生も!



 自転車がお好きなようで・・・。当店の非公式グループ、マークローザ友の会の会員のような方。

 いいんですか?そこまでいじっちゃって?

 なんて質問何度もしましたが、笑みを浮かべてはまたなんか持て来て、ちょっと申し訳なさそうな顔しながらも、これ付きますかね?と来る。そう言われて、付きませんとは簡単には言いたくはない、そういう意味で宿題をくれる方でもあるんですね。

 当時の仕事はホテルマンだったかな。観光業系のお仕事の中で飲食もやっておられたんで、これは渡りに船だなあ・・・と店主は密かに思っていたんであります。

 そう、当狸サイクルは行く行くは観光業へと事業拡大を考えているんであります!!!一大発表か?過去やったかな?ちょいと記憶が曖昧で、言ったかもしれないと推測できる(ケッ!)・・・。

 今エアビーアンドビーというような、一般宅宿泊のような動きも盛んになっているようで。狸サイクルも海外からの主にサイクリストに温かい宿・・・のような展開も・・・、そうではなくて・・・。

 観光手段として、ハトバス・・・の自転車版かな?なんてことを考えている訳なんですわ。自転車からしか見えない東京を見てもらおう!ということでもある。自立型の旅人向きがいいな、手取り足取りはやらない。

 自転車貸すから行ってきな、というね。丁寧な人がいたら、東京自転車観光ツアーのためのマップでも用意してやってもいい。利用者の情報集めて外国語でのHP作成なんかもいいよね、そうすると外国人から見た東京の自転車事情なんていう感想が、いい意味で外圧になってくれることもあるかもしれない。

 で、具体的なやりとりなんだが、ここで観光業の人たちとの連携が重要になってくるんじゃないか?と思うんであります。宿ごとに希望者を集めて、集金等を含めた管理をしてもらう。

 コチラは自転車屋として、希望者の体型や好みに近い自転車を用意して運ぶ。基本実用車の改造号で行きたいね。捨てられる寸前の自転車を再生して観光利用に転じるなんて、成熟した国の方々なら、そこからしてすでに面白いはず!

 パンクのアクシデントをなくすためにタンナスで統一。気に入ってくれたら、売ってあげるよ!というのもあり・・・。劇的に流行らなくても、東京観光の一つの柱として定着してくれればいいよね。

 そうすると、例えばカヌー系から、今度は水路から見る東京観光なんていうのが出てくるかもね。多角的に東京を見ていただきましょう、どの角度からでも堂々とね。

 あの、コチラから日本すごい!だの、クールジャパン!だの・・・ていうのだけはやめようぜ!実にみっともない、そもそも謙譲を美徳とするはずの我らからして恥ずかしい。即やめたほうがいい。

 むしろ、多角的に重層的に見てもらえるように状況を整えて、彼らに彼ら自身から探求してもらいましょうよ。そしてそれをフィードバックしてもらいつつ今度はコチラがそれから学ぶ、ということなくして何の進歩もないだろう!

 内輪の自画自賛と愛国ポルノ、ひいては他国への侮蔑と罵倒に明け暮れているものになど、何の光明もないでしょうな、残念なことに。

 かには甲羅に合わせて穴を掘るといいますが、人もそうですね。自らの器に合わせて他人を見切った気でいる・・・。「あいつらは・・・」という実に傲慢なステロタイプは、その方の認識の器の軽重レベルを物語っているに過ぎない。実に単純な理屈なんであります。

 その辺、もっとオープンクエスチョンにしておく方が人間は多くを学べるのにね・・・オット、そうか・・・、学びたくない人達なのかもしれないね、そういう人たちは・・・。

 そんなこんなで、観光業の方々とタイアップすることで、自転車の持っている可能性もまた、ドーンと開いて行くんでありましょう、実にいいことであります。

 そうそう、で、何の話かというと、この依頼者の方は観光業から、なんと自転車屋に転身し数年そこで働いてから、今はパン屋という飲食に戻っておられる。

 もちろん、適当に転職しているわけではありません!観光業、飲食、自転車屋・・・、これらが将来どのような形で、彼の下でそれらが結実されていくか?大変見物なんであります!ありとあらゆる可能性を考えるだけでも楽しくなりますな。

 彼の下で、観光も、飲食も、自転車も実に多角的な相貌を見せていくんでありましょう、楽しみです。

 そういうわけで、彼の持っているものをすべて寄せ集めて、子のせ号を作りたいということだ。

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 このクランクも是非使いたいとね・・・。

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 はい、お望み通り!

 ただし、フロントディレーラーはなし。手で暫くはチェーン移動するようです。

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 今回はここが入り組んでいる。シャフトを入れ替えて、両足スタンドなんだが・・・。この車体にはディレーラーハンガーが付いていないので、外付けをしなければならないという意味で、この辺がやたらと重層的に入り組んでしまっている。

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 できればもっと密着させたいんだが、工夫の余地は納車するまで続くであろう・・・。

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 ポリスポートが付いた。なんか大分窮屈のようではあるが・・・。

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 こんな感じ。お父さんはデカい人で、腕も長いからこれでも大丈夫・・・だと思うが、奥さんもということになると、プロムナード系で、ニギリをもっと手前に持ってこないと子供の頭があごにささる結果になるかも・・・ね。

 まあ、一時であっても自転車経験があるので、あとは調整よろしく・・・かな?

 自転車もありもの集めて、ただそれだけでは組み付かないが、ある種の全体的アイデアとそれを実現していくためのちょっとした技術や道具があれば、実に面白い一台に仕上がっていくようにだ・・・・。

 人生だって、ありもの経験と出会いと関係・・・ただそれだけでは収拾付かないが、人生全体を貫く生きる原理をしっかり持つことで関係をより強靱にし、それを前提にそれまでの経験や技術が結集していくことで、より数階上の段階にいけるのではないか?と夢想するんだがな。

 バラバラのパーツが、自転車という形にまとまって走れるようになった瞬間というのは今でも、ハッとするほどの驚きがあるものだが、人生だって、たぶん・・・ハッとするほどの驚きの連続なんだろうと思う、走っている限りはな・・・。

大森研魔の魔の手は パーツに伸びる・・・の巻



 とある遠い地方から、こういう荷物が届いた・・・。

 空けてみると、ボトルケージと、シートクランプが入っていた。メールには、雪国なので、ゆっくり磨いてくれませんか?と。

 そうか、雪国で冬の間は自転車に乗れないので、ゆっくり工期をとって磨いてください、ということだったらしい。

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 工房の片隅で、早速無言で磨きを始める大森社長。こうなると、普段から無口系が、全く口をきかなくなる。背中で磨く男とも言われる・・・。

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 まずは外側の塗膜、皮膜をはいで、素材そのものを出していたようだったが・・・、その細かい過程は、堅い口からは聞くことはできなかった・・・。

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 そして「できました」と差し出されたお盆には、銀の指輪が・・・。

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 と思ったら、磨き上げられたクランプが。

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 王冠と見間違うくらいの、ボトルケージ。

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 実にシンプルに、丁寧に磨きがかかっていますね。

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 これが二つつく、自転車ってどんな姿なんだろう?と思ってしまいました。

 もうすでに、大森社長の中には、磨きに区別なし、の心境なんじゃないか?何でも磨きます、自転車に関するすべて、いえ、自転車以外のすべてに磨きがかかっていきそうです。

 口数少ない大森社長が言います。

 「磨きもの募集・・・・」

応用BMX ブレーキは効かないと・・・



 なんちゃって・・・なのかもしれませんが、メッキのBMX風自転車がやって来た。これには子供が乗っているということなのだが、結構メッキでかっこいい一台になっています。

 これは子供自転車として走らせているんだが、どうもブレーキの効きが悪い、ということらしい。

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 これが前後に付いていますが、まあこれでは効かない・・・でしょうな。アーチ本体が長い、これは利点でもあると同時に、長くなるとその分たわむということが起きる。たわめば、挟む力が逃げるので、制動力は弱まる、うん、なるほど。

 どこから手を付けるか?

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 まずはこのシューを変えてみる。

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 これはシマノ600の血を引くものなんだが、満足のいく効きが得られない。これはアーチ全体の問題か?ということで、アーチを交換することに。

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 ダブルピポットのものに交換したんだが・・・惜しいことに左側が多少タイヤを噛んでしまうことに。長さが足りないんです。

 色々探してみたが、今あるダブルピポットはこれしかない・・・。

 なれば、いじる・・・か。

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 ブレーキを取り付ける際に挟む金具をこのように非平行に削ります。あとシャフトにも加工加えて・・・。

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 非平行の金具を間に挟んで、シャフトに加工をした状態で締め込んでいくと、黄色いラインのようにブレーキ本体がほんの少し前にお辞儀をする形になります。

 この数ミリが、先のタイヤ噛みの下にブレーキ本体を持って行き、無事リムをつかめるようになる・・・ということなんですわ。
 
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 とりあえず、前ブレーキはこれにて装着可能に。やはりアーチの強度が上がった分、制動にはそれなりの効果は出ましたね。

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 リアのブレーキですが・・・。

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 シューだけ、こちらは600系のものに交換。コチラも少し制動が上がる。

 あと子供の握るブレーキなので、ちょいと微妙なワイヤー類の調整をして、レバーの間隔もいじって、なんとか前よりも制動を上げた感じで、お渡ししてみた。

 試乗してもらったところ、大分効きが上がったということで、OKがでた・・・。

 ブレーキだけに、多少神経使います。

 これは当店だけのトレンドかもしれませんが、BMXの本来以外の目的利用というのがなんか来そうな気がします。先日の子育て仕様にするなんていうものや、車体の小ささを利用して、今回みたいに子供用にするとかね。

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 そうした、様々な用途に合わせて改造していくとなると、特殊規格というのが一番その弊害になり得るんですね。

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 BMXでいうとこのクランクの軸に当たるBB部分が、いわゆる特殊規格なんですわ。

 そうなると、より小さい子このために子供用の短いクランクを付けたい・・・なんていうご要望には・・・、今あるクランクを短く切ってねじ山たてるとかいう荒技をしない限り、中々対応できない・・・んじゃないか?なんてね。

 ところがなんであります、そういう点には、先手を打てるんであります。

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 こういうアダプターがあるんです。こいつを両サイドから入れてかまして、このねじ山に通常の形式BBが入ります。

 ということは、この手のBMXにデュラエースなんてものだって取り付け可能になります、まさに盆栽・・・。

 こんなこと書くと、中には自分の高級BMXフレームに74系のデュラ組み付けて・・・なんて要望が来たりしてね。

 まあ、そんなわけで、こうしたアダプター類を駆使すれば、普通車のようにかなり自由な発想の下で、自転車改造なんかもできるという朗報であります。

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 こういう自転車なら、大人だって乗りたいですよね。我慢してサドル低いままで乗ってもいいし、逆にピラーをガーンと伸ばして、見たことないような新小径車仕様にしてもいい。

 BMXの持っている新たな可能性、開いてみるのも面白いかもしれませんな。

夫婦自転車 通勤仕様って・・・これかも・・ね



 ほぼ同じ仕様の自転車が二台、やって来ました。

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 日産の車の名前ですね。スポーツカーでしょ?確か。この車を中古時代から受け継いで、二十年近く乗っていた。もうパーツもなくなり、さらに乗るとなると、今度は在庫切れのパーツを一つ一つを削り出しで作らねばならない、というところまで乗られたらしいです。

 そして手放すことになるんだが・・・、その先がまた、絶対に廃車にしない主義の引き取り手、よりマニアのところへ渡っていったのかな?車の世界にもそういう方々がいらっしゃるんですね。

 その記念に、同じ名前を冠する自転車を二台購入して、ご夫婦で乗っていたというのがいきさつ。

 で、それがこちらに来て、さらなる通勤仕様として、乗り直すということでやって来た。

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 まず前ホイール。こいつを組み替えて、ライト問題を解消。

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 つまりハブダイナモ化したというわけ。これは走りながらの発電ということ、そしてライトも今やLEDなので、半永久とは言わないが、かなりもつライトが搭載されたということ。しかも暗くなったら勝手に点灯ですからね。

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 通勤ということで、これほどのギアはいらないだろう・・・ということで。トラブルの少ないやつに交換・・・。

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 内装三段です。シマノのこいつは見た目の味はスターメーほどないものの、まあ癖がなくよく働くヤツですわ。面白くもおかしくもないが働き者ってやつですね。

 そして・・・その下には?

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 なんとテンショナーが・・・。というのは、ストドロエンドだから・・・という理由もありますが、実は前の多段もちょいと活かした。

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 前3枚はさすがにいらない・・・が、2枚だけ残そうというね、そういう仕様にしたんです。東京は坂が多いからね。それに、盗難の心配のない快走車って、ひとたび乗ったら、実は乗りっぱなしという傾向が強そうなのだ。

 ある意味、高級車に乗っている人って、自分が思っている以上に、車体に気を使っているようなのね。その静かな反動でそれから放たれることの自由度というのはそれなりらしく、気づけば、かなりの頻度で、こうした盗難の心配ない自転車に、つい足が伸びてしまうということらしい。

 わかるな・・・その気持ち、よくわかる!

 そうなると、ギアが3枚しかないよりも、プラス前2枚があると、ちょっとしたところへまた行けちゃう!より便利になってしまうということなんですわ、困ったことに・・・。

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 なので、ハンドルには、リア用のピアノタッチ三段シフターと、既設の前用三段シフターがついているということになります。

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 そして、ザッツ通勤用タイヤとして、賛否はあれど、パンクは一切なしという、タンナスノーパンクタイヤを装着いたしております。

 ハードの方なので、堅い・・・。段差にはゴッチンという感じはある。ただ舗装路を走っている時には、なれる・・・と思います。もちろん中には一週間で交換した方もいますが、パンクしないというメリットと、耐久性というメリットは条件によっては代えがたいものになる、と思います。

 考えようですね。防災自転車なんて作るとしたら、これは必需だな。瓦礫が刺さっても前に出る、という意味でね。

 しかし、はめるには大変だ・・・。その分外れないんだろうがな。

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 一度に二台、まずは奥様仕様!

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 そして旦那様仕様!

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 また新たな門出にて、睦まじくサイクリングが始まるとしたら、また楽しからずや。

 この二台の自転車はすでに、語っているでしょ?ご覧になって、すぐ感じ取れるでしょ?このお二人の関係が。

 持っている自転車って、見る人が見れば、どんな人なのか?っていうのがわかってしまうこともあるんですね、それは単に自転車に対するセンスの善し悪しだけではない、人柄の素地のようなものが乗り移っているような自転車って、実際にあるようです。製品としていい自転車に乗っているからといって、必ずしも良い方とは限らない、怖い話でもあります。

 でも、こちらからは見えるでしょ?この二台の寄り添う自転車から、このご夫婦のたおやかさというようななにかが・・・。

通勤仕様 たとえば・・・



 6年前は確かに揺れたが、まさかあれほどの被害になるとは・・・。というのもテレビのない家だったので、情報はラジオのみ、夕方になって初めてパソコン画面で、流される車の数を見た時、手の力がダラーンと抜けたのをおぼえている。

 そのあとも情報の偏りはひどく。ラジオではビートルズを流し、合間に「どこそこの大学が一時避難者を受け入れます」というような情報を流していた。

 あの日は、近所の妊婦とその兄弟やら、出入りの若い子やらと、避難食などつつきながら、余震に不安を感じつつ、みんなで床についたことを思い出す。

 うかつだったのは、あの日自転車を全く活用できなかったこと。ちょっと五日市街道まで出れば、歩いて帰宅する人に、ほんの数台でも自転車を貸し出すことができたのに。また、若い足のあるヤツ集めて、タンデムタクシーなんかも・・・今考えれば、やっておけばよかった。

 ただ、ただ余裕がなかった・・・。

 あれから、ガソリンが底を突き、自分の足の意味を取り戻した人たちは、暫く徒歩や自転車通勤した方もいたんではなかったか?

 六年の月日は、何をどう変えて、何がどう戻ったというのだろうか?

 この国の首相は、六年ということで目途がついたかのごとくに、記者会見をしなかったようだが、福島は収拾が付かないことだけが明らかになったにもかかわらず、再稼働を撤回していない。もんじゅは諦めたようだが、廃炉の技術すらないことも明らかになった。

 一体何を学んで利口になり、何を忘れて元に戻ってしまったのだろうか?

 一つだけ自分に釘を刺しておこう。国家なるものを信用しきってはダメだということ。国家はその同一性と自己の生き残りと、メンツのために平気で虚偽をはき、時に人民を切り落とす、ということ。これは政権の如何に関わらず、民進であろうと自民であろうと、国家というものの本質と思った方がいい。

 なればどうするか?

 その国家のより内側に、「自分たち」というつながりの共同体を日々怠ることなく営んでおくこと、これが一義的に大切なことかと思う。公などに頼り切ってはならない、できることは自分たちでやっていく、そしてそれを何者にも邪魔させない気骨も重要だろう。

 そんなわけで、自分の足を軸に自転車通勤、というのも実は自立のための一つの実践といえるのかもしれない。確かにあの日、自転車で移動していたものは、あふれんばかりの歩道を行く歩行者の脇を「悪いねえ・・・」と思いながらも、快走していたという話を多く聞いた。

 自分の手の届くところに、有意味なものを配置しておくこと、そしてそれを日常に織り込んでおくこと、これが重要なんだよね。

 間接的な被災は忘れやすい、そしてそれは忘れた頃にやってくるからだ。店主が自販機を置いているのも、非常食を日常確保しておくというちょっとした戦略なんだよね。

 あの乳幼児に水道水を与えられなかった、三日間というもの、東電よ、忘れてはいないぞ!たかが電気とは思わない、ただたかが発電施設だとは思う。そんなもののために兵糧攻めにあってはかなわない。

 水や飲料の買い置きは重要だが、新陳代謝しないと、消費期限切れになる。そして大抵の非常食は消費期限切れになっているのではないか?

 被災状況を日常に織り込んでおかないとそうなるのだ。

 しかし・・・、あのさなか、乳幼児がいるだろうと、当店まで水を届けていただいた方々の、恩義は一生忘れない。

 色々あった6年前であった。

 だから自転車通勤。

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 内装でもいいが、多段であること。都心は坂が多い!下町は橋で、山の手は坂で覚えよ、というくらい坂が多いのだ、東京は。

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 坂が多いが長い坂はあまりないという意味で、前シングルでいいんじゃない?

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 ハンドルは・・・まあ、何でもよし。前傾とれればね。

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 一番大事かもしれないのが、これ。しっかりちゃんとサドルの位置は確保しよう!そうでないと快走はできません。普段レーサーに乗っている人なんかは、この辺は絶対に妥協したくないところでありましょう、そう絶対に妥協してはいけません。

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 荷物置き、カゴ類はほぼ必需。ただし、その仕事にあわせてというのもあり。帰りの買い物用というのも大いにありでありますな。

 今回は鞄がちょいと引っかけられればよし、というご依頼なんで、この辺にしておきました。これでゴム紐系でしっかりくくれば、落ちないでしょう。

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 しっかりオフセットして付いていますね。そう、欲を言えば、ハブダイナモ・・・もいいねえ。特に冬などは夜が長いので、電池系は消費量増えるんでね・・・。

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 駐輪の環境がよければ、レーサーで通勤してもいいが、それが悪いと一気に盗難の危険性が増えて、安心して仕事に集中できませんね。

 といって、スポーツバイクのポジションを知ってしまった今、あのダラダラママチャリで十五キロとかはかったるい。

 快走できて、かつ、盗難の心配のいらないヤツ・・・といったら、これでしょ!

 初めて組んだのが・・・もう十年くらい前になるかな?それがなんとか定着しつつあるという実感・・・かな?この春から新生活送る人たちのためにも、この手を作っておいておこうかな?

 日常使いにはたぶん、最高・・・だと思います!

突然ですが!三月工房飲み 十一日に決定!



 仕事場はきれいにしないとね。

 そんなことはわかっていても、つい、気づくと散らかっている。さすがに工具は元に戻すかな?といっても、行方不明のものもなくはない。

 お片付けは難しい・・・。

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 でもこうして、きちんと片付いていると、気持ちいいよね。

 そんなことはわかっている!でもできないこの身が情けない。

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 ということで、ちゃんちゃんとお片付けする外部環境を整えるということで、急遽、工房飲み決定いたします!

 いつも突然ですが、この11日、土曜日、8時頃からかな?やりましょう!

 そう、3月11日ですが、あれから六年の日ですね。ですから、献杯ですわ。本来なら、薪ストーブで・・・というもありかとも思いますが、外で声がデカイと・・・ね。

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 なので、石油ストーブでまたやりましょうか?

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 厚揚げなんかも焼きましたね・・・。

 例によって、会費千円、お一人様一品もちよりでいきます。

 工房で、ゆったりと、工具パーツなどを眺めつつ、いろんな話いたしましょう、そして偲びましょう、お待ちしています!

ブルックスの後ろに着脱式サドルバッグホルダーを付ける



 確かにいいものなんだが、高いよなあ・・・、この高値安定というのは一体何だ?と思いつつも、まあ少し頑張れば買えなくもない値段ともいえる、その辺が狙いなのか?

 メーカーが高いんだか、代理店が高いんだか知らんがね。

 そういうこともあって、店主が使う革サドルは基本ブルックスは外す。別もんでその半額近いものの中から探したいと思っているんですわ。

 もちろんブルックスが好きで使いたいということに全く文句はありません、基本いいものですしね。

 で、今回はこいつに着脱式のサドルバッグホルダーが付かないか?という依頼。

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 すでにブルックスオリジナルのサドルバッグのホルダーは付いていますが、これは着脱が面倒ということでつかわない。その下に付けてくれないか?という。

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 これなんですが、果たしてこいつのつく余地がこのサドルのどこに一体あるんでしょうかね?

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 ひっくり返してみると・・・、少なくともホルダーの幅で取り付けのできるところは、そのままではないことはわかります。さて、どうすんべ?

 で、ご依頼の方がヒントをくれたわけです、どこかのサイトに載っていたようなヤツ。

 そう、まずバラすか・・・。

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 ブルックスの何周年記念モデルらしく、金属パーツはすべてブロンズ。やるね。

 外してみるとわかるのが、こいつを取り付けている、突き出しボルトというのが見える。このボルトを利用して、金属板でホルダーに噛ませる止まり木を作っているというやり方ね。

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 自転車カゴを取り付けるための金具を持ってきて、真ん中の穴を中心に、左右に47.5ミリずつのところに8ミリの穴を空ける。正確には7.5ミリなんだが、こういうのに関してはちょいと大きめ、いわゆるバカ穴を空けておく方が後々楽なんだな。几帳面な人は耐えられないかもしれないがね。

 こうするとサドルの突き出しボルトに金具が引っかかるので、この上からバネをナットで共締めしてやれば、いいんじゃないか?とね。

 発想はこの路線で行くんだが、まあ実際に完成までの道はちょいと遠かった。やはり小さくても金属、譲らないところは、譲らない、コンマのズレなどが恨めしい。

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 左右のいらないところを切った止まり木金具に、ホルダーを噛ませてボルトで固定する、そして、再度サドルの飛び出しボルトにくっつけるんだが、若干スペースに余裕がない。こんな薄い板1枚の?と思うが、ないものはない。

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 左右ワンペア分のスペーサーを外して、再度固定を試みる。

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 スペーサーを取り去ってもなお足りない分は、下支えの金具をちょっと曲げて、下側にオフセットさせるなど、まあ、色々工夫させていただきましたわ。

 イザナットを締める段階になっても、バネや金具や革本体に工具が邪魔されて、動かせやしない。あっちを緩めて、バネ角度を変えて、こっちを締めてまた角度を変えて、戻して・・・となんとかかんとか。

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 きれいに付きましたよ!

 そもそも、ブルックス自身にホルダーがあるのに・・・と思いますが、この取り付けた方にはバッグ自体をワンタッチで着脱できる仕掛けがあるので、貴重品などを入れた際に簡単に取り外せるというメリットがあるようですね。

 レーサーのサドルは単純構造のために通常は分解できにくいものの方が大半ですが、ブルックスくらいになると、一生もんだけあって、分解メンテが比較的やりやすいようにできている。
 
 分解できれば、なんとかなることもあるといういい例かもしれませんね。サドル分解、いい経験になりましたわ。やはり仕事は断らないに限る、日々勉強・・・といえば聞こえがいいが、本質的には日々イタズラ・・・、回復できるレベルでの・・・といった方が実感にも合っているなあ。

スゲー一台がやって来た・・・



 小径なんだが、思わず二度見してしまうでしょうな。

 ホイールが三つついている!!!

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 どこで手に入れたの?というくらいバカでかいギア板・・・、なんと70tとのことです。スゲー迫力。

 当店最大は60tなので、さらに10枚デカイ・・・、探せばあるもんなんですねえ。

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 あまりにデカいためチェーンステーに干渉しないように、BBシャフトが長い・・・。こういうのをビルダーさんに頼む時には、ステーを内側にオフセットして・・・ということができるんだが、市販のフレームでは仕方がない・・・。

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 74デュラが付いています。小径車ファンの中には、盆栽系統の才能のある方が多いらしく、レーサーに付けるようなパーツをさりげなく付けて喜ぶという方もいらっしゃいますな。

 しかし、この自転車自体を慈しんでいるという感じは伝わってきますね。

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 オット!ここにもいましたか。わざわざ4枚のギアにしています。当店でも、ギア板は好きな数で!というキャンペーンをやっております最中。何も11枚を付ければいいってもんじゃない・・・、自分のコースと使い方で、自分に合った最小限のギアを自分で決めるということなんですね。

 メーカーにではなく、利用者にイニシアティブを持って行くということね、いつまでも消費者扱いされてたまるか!ということです。

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 Wレバーをシングルに使用する。ご自分の用途を十分熟知している感じがしますね。

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 ギドネットに、ハンドレフト。見ているだけで、イヤー、お好きなんですねえ・・・とほほえましくなりますな。

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 ただ、ピラー交換なんです。この付いていたのは25.4というよくあるタイプの径なんですが、どうも下にずれる、シックリこないということなんですね。

 そこで調べてみるとなんと、コンマ二ミリ刻みで持っている業者を発見。25.6ミリのピラーがあった。

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 これにてピッタリ!

 で、そもそも持ち込まれた問題というのが、どうもこのフレーム自身のセンターが出ていないじゃないか?というところからでありました。

 なんかまっすぐ走らない感じでぎこちない・・・。

 柳さんもいるので、総出て、どうするか?検討。まあフレーム計測から始めましょうか?と。

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 ところが、ホイールのセンターを出してみたら、ピタリと決まった。まあ、各諸調整はしたんだが、まずは今回はこの辺で再度乗ってもらうということに。それでもなおかつ、まっすぐ感、または何らかの違和感が残っているようであれば、今度はフレーム自身を徹底検証いたしましょう!ということで、今回は段階的にこれにて終了ということになりました。

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 しかし、やはり二度見してしまう迫力がある。だからといって、スピード狂というのとは全く違う感じだが、自分のセンスでアッセンブルしている、自分の自転車に乗っている、という満足感が伝わってくるというのはいいもんだ。決して嫌みもなく、他は他、自分は自分という泰然とした感じがまたいいもんでありますな。

 皆さん各人各様、自分の等身大の自転車に乗って欲しいですねえ・・・、できることがあれば何なりと!

完組ホイールのベアリング交換 レーシング7?

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 こういう写真は通常載らない、いつも店主本人が下手なシャッターを切っているんでね。たまたまプロ級が撮るとこういうことになる、なんとも仕事している感満載だな。

 ある意味いつものやつでありますよ、完組ホイールのベアリング交換。当店は言わずと知れた手組ホイールの拠点なんですが、だからといって完組ホイールに冷たくつらく当たるようなことは基本いたしません。

 たぶんですが、完組しか置かない店は、ホイール自身をいじる機会が非常に少ないんじゃないか?とね。そうなると売っていながら、ベアリング交換やスポーク交換といったスモールパーツ交換もあまり積極的にやらないんじゃないかしら?

 まあ、それぞれの店の考え方があるので、いいんだが、そのせいか、どのせいか?そうした仕事の依頼が来る・・・ということですわ。

 持ってきたのは、旧店舗・仮店舗近くの常連さん。じっとしていられない人。民俗学的冒険家兼カメラマン、登山家ブルベマンといったら、知る人ぞ知る彼しかいませんね。

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 ベアリングはすべて持ち込み。二種類必要です。ハブ本体とフリー本体の二種類。このフリー本体の交換に手を焼いたわいな。

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 これフリー本体です、裏側から見ているんだが、中心にシールドベアリングがありますでしょ?これを手前に出すわけには行かない。ラチェット構造は取り外すことができないのでね。

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 だからコチラから取り出すしかない。手前に見えるのがCリング。こいつを外さないと行けないようだが、奥にあるので、手持ちの工具では届かない。こじるしかない・・・。

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 なんとかとれた・・・。あとは中を掃除して、新しいベアリングを戻して、グリス充填してという手順なんだが、あまりベアリングは叩きたくはない。

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 なのでできるところは、こうしてシャコマン圧入。ゆっくり確実に入っていく感じは悪くはない。ただ、すべてそれでできるとは限らないというのが、難しいところ何だよね。ハブ単体ならまだ万力等が使えるんだが、ホイールとなると、そもそもが挟めないですね。

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 各所新品ベアリングを圧入していきます。

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 トラブルフリーの過酷なブルベに出るんだから、シーリングはしっかりしているものの方がいい。

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 こうしてシャフトを通してね。中にはスルーアクスルという、新規格・・・といってもマウンテンの方では相当出ているようですが、ロードにとってはまだ今一な規格が一般化してもいいような、仕掛けがすでにしてあるものなんかもありますね。

 ディスクブレーキになったら、ハブの中心回りに力がかかるので、絶対に外れないよう、スルーアクスルは合理的かもしれませんが、ただそもそもロードにディスクブレーキって・・・どうなの?

 レース中のホイール交換はほぼ確実に遅くなるでしょうな、またフォークのエンド先が虫眼鏡のように丸くなっているので、ホイールなしの状態で落としたりしたら、その丸いエンドが楕円につぶれてしまい、スルーアクスルが通らなくなるということも考えられますな。

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 ま、そうなった時考えよう、暫くはクイックでありましょうか?

 とりあえず、元に戻して、軸の周りを見ると、確かにスルスルとよく回ります。変えた甲斐はありました。

 これで今月中に行われる300キロのブルベに出るんだとか・・・、本当にじっとしていられないお方なんだ。五月にはチェルノブイリ、七月にはロンドンエジンバラ・・・と、まあ多動だな、土産話の上澄みをかっさらうのはまた楽しい。

 本当いろんな人が来てくれるなあ・・・。

アア スタンド付け!



 施工にはちょっとしたトレンドというようなものがあるようで、ある珍しい系統の施工をすると、それが続くことがあるんですね。

 今回も、BMXにスタンドを付けるなんていうのが続きました。

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 是非とも黒で、ということでこれが付いています。

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 チェーン引きが特殊で、太いエンドのスリットにピタリとはまり、かつリアホイールのシャフトを固定するという抜くことのできないパーツなんですね。

 こいつが外側に出っ張っているので、スタンドを共締めするとどうしても本体が浮いてしまう。固定力も弱いしみた目もダメなんだが、外すことはできない、さあどうする?

 っていうんで、思い切ってチェーン引きを内側に付けてしまった、それに伴うドミノとして、ハブシャフトを固定するボルトを薄いものに変えて、内側に来る厚みに対応しておく、そうすることによって可能とした。

 ただ、スタンドを付けるだけでも、こういう裏の工夫が大変なんですね。

 もう一例をご紹介。

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 先日出て行った、BMXのスタンドなんでありますが、エンドを取り付けているこちらに出っ張っているパイプに沿うようにスタンドをカットして、その沿いとボルト止めの二点で固定したんでありますが・・・、立たす時にはよかったものの、スタンドを蹴って走る状態にした時に固定が弱いということが発覚。

 さて、別の二点を確保しないと行けなくなりました。そこで、持ち主の方に許可をもらい、エンド金具に穴を開けて引っかけ形式にすることを考案。

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 まずスタンドを再度奥より部分曲げをします。ここで噛ませるためにね。

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 そしてこの分厚いエンド金具に穴を開けます、穴というかスリットね。ドリルと鉄ヤスリで気長に開けます。

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 そして、再度取り付け、スタンドを折り曲げたところを空けたスリットに押し込んでボルト止め。

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 それを左右に施して、完成。

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 裏から見ると、スリットにしっかり曲げの部分が入っていますね。これで暫くは大丈夫かと思います。

 まあ、このようにBMXにスタンドを付けるというということでも、一台一台細かい形状や素材なんかが違う、それらに合わせて、自分たち手持ちの道具類で何ができるか?を割り出して、実行していく。

 これがまあ、実にクリエイティブな仕事なんでありますよ、確かに面倒といえば面倒だが、面白いといえば最高に面白いんであります。スタンド付け、カゴ付けは実に奥深い。ママ狸んなんかをやり始めたところから、ここまで来てしまった。

 まだまだ未知の、深みのある仕事ってあるんだろうなあと思うと、自転車屋も面白いもんだ、誰がポン付けばかりなどやるものか!同じ柄パズルを何度もやることが面白いか?つまらんことはやらない、これが仕事を続ける一番単純なコツというもんだ。

再塗装だよ より身近に



 これもまた雰囲気ありありの一台ですよねえ・・・、それもそのはず・・・、

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 出たー!「旅するのにマウンテンバイクで、いいのですか?」というような、挑発的なコピーで、マウンテン最盛期ランドナー没落期に突っ張っていた、アルプスさんの一台だったんです。

 こいつを再塗装と、消耗品交換と、快適化・・・かな?そういう依頼です、燃えないはずがない。

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 基本使えるものは流用ということなんですが、まさかこのままではねえ、せっかく再塗装して新品ライクになるんですから。

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 チェーンももちろん交換ですね。

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 ティアグラがついている・・・、ウーン、相談してくれればなあ・・・。でもまあ、今回もこいつ流用。

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 もちろんワイヤーも交換してあります。

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 ワイヤーといえば、ブレーキのアーチワイヤーも交換です。ヨシガイさん感謝・・・。

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 もともとの黒から、茶系に変わったんですが。この茶系を作るのには結構ミーティングしましてね、それはそれで面白かったですよ。色そのものも大切ながら、この自転車という細いパイプに吹き付けた時の「色」が本当は大切なんですね。ということはいい意味でも悪い意味でも錯覚を利用している人類ですから、その辺の話なんかもしてね・・・。

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 あとは、フラット系のハンドルを、今回は大胆に交換しましたね。

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  プロムナードです。これってやっぱり、店主の営業力かな・・・、嫌いじゃない・・・それが強く出るんでしょうな。気づくと在庫ないじゃない・・・、慌ててこいつのために発注かけたりしているんですが、やりながらもなにやってんだろう?と思うくらい。

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 タイヤなんかも変えていいかな?とも思いますが、まあこれで十分走れますんで、この雰囲気をも乗っけて、走ってくださいな。

 自転車一台が走っているんじゃない、これが利用されるということは、こういう自転車の走っている街になるということなんです!

 このことの意味は軽くないと思いますよ、嫌らしくないビンテージに大切に乗っている人がいる街、何なら国っていう字に変えてもいい。国を作るということはそういうことでもあるんです。

 わかる人にはわかると思いますが、全く今のこの国のやっていることといったら・・・、再塗装するしかないな。

この説明できなさ 古いものには福がある



 ピクニカというと今まで何台か扱ったことがある。目立たないが、相当のファンがいるようだった。ヤフオクなどでめざとく見つけては、購入して、取っておく。もう作られていない旧車に惚れると、そういうことになるんだろうなあ。

 今回のやつはまた古い、より古いといっていいかもしれない・・・。持ってこられた方も古い方でありました。

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 この手にお決まりのコッタード式クランク。このBBの半分が飛び出てクランクが回らなくなっていた。もうほぼ新品は作られていないし、ソロソロBBだけでも交換したら・・・と思いつつもそうなるとクランクも変えないといけません・・・が。

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 ただ、これに代わる雰囲気のあるクランクって・・・、短時間で探すのは大変そうだな。ということはメンテして使い続けることを考える。その間に新たな組み合わせなんかを考えておく、というのもありかな。

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 スターメー系の内装ギア。このシフターもねえ・・・。

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 使えるようになったんですよ。グリップをカチンカチンとひねるこの感じもなかなかなもの。

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 今回電装系もやられていましてね。ちょっとした接触だったようですわ。しかし、この電球もまた味があります。

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 リアホイールにダイナモが付いていて、リアのライトも同時に照らします。

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 一度トップチューブがやられたのを鉄工所で溶接してもらったようです。執念の車体、といってもそれほど、持ち主の方は構えていないようです、飄々としておられます。

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 ハンドルの形式も、何なんでしょうね?今まねして作っても、こういう佇まいになるんでしょうか?味がありますなあ。

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 これが、こいつの全貌ですよ。なんかザリガニ君・・・というあだ名を付けたくなりますな。

 しかし、なんとも言えない味があります。全く嫌みのないビンテージです。こういう形式というのか、雰囲気というのか?学ぶというより、吸収すべき何かがあるように思えるんであります。

 当店出入りの方の名言がありまして、「今の時代、これからの時代はビンテージのなくなる時代になるかもね」と。

 百円ショップに代表されるものなんかは典型的でありましょう。あれらが封を切らずに30年後出てきても、それに高値を付ける好事家は果たしているのでしょうか?

 一万ちょっとの値段で売られている自転車がいずれビンテージとして扱われる時代が来るんでしょうか?

 今の建て売りが古民家として、大事に住み続けられる時代は?

 まあ、それはそれとして、今回のような雰囲気というか、存在感というか・・・、こういうものは意地でも街道を走らせ続けたいですね、いつでもどうぞ・・・お待ちしていまっせ!

色々迷って 最後はランドナー?



 もらったフレームやパーツ類、手持ちのパーツやホイールなど一式持ち込んで、一台組み付けたいというご依頼。

 よくあるタイプのご依頼なんですが・・・。

 さて、どう落とすか?というね、ご本人もまだ決まっていない、希望は・・・。

 ロードはすでに二台持っている・・・、だったらツーリング車、もっと気軽に長距離乗れるような一台にするという手も大いにありだ。

 さして誘導尋問した記憶もないが、なんかそういう方向に話が進んでいった。ホイールも手持ちのレーサーもどきでやると、まあ、半端な、組み合わせ号になってしまう。子供から脱出しそうな年齢の子であれば、それもいいが、または自転車のことはある程度以上お分かりの方が、盗難回避号!とかわざとダッセー一台を作るというならいざしらず、それ以外ではねえ、あまりおすすめできないんでありますな。

 なれば、同じ700cでも銀輪のちょいと雰囲気のあるやつでスキンサイドのタイヤで、ちょいと粋なヤツなんていかがかな?

 そういう方向性に決まった。大体の予算の上限は決まって、それを大いに上回る様だったら、事前に連絡するということで、話が決まった。

 さて・・・。700c・・・ね。と色々考えて、ありものなど引っ張り出しては検討した結果。意外な一台へと変身したのだ。

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 Wレバーはそのまんま、ちょいと磨いてワイヤー交換。
 
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 クランクのみ活かし、110ピッチだったのでチェーンリンクは男ギアからツーリングタイプのギアに変更。ありものチェーンリンクがまたピッタリだ。

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 まあ、このスプロケは、ツーリングの際のワイドなギア比をということで付けただけ。使い続けるうちに、シルバーがいいと思えば、交換すればいいだけのこと。

 リアディレーラーは、サードもの。メーカー名消してもいいか・・・。

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 このフレーム癖ありだったのがこのブレーキ台座。Vはもちろん、カンチも載らない。センタープル用なのね。ただし、ヨシガイさんがこういうところはカバーしてくれている・・・。バネの角度をちょいと曲げれば、これは付くんだが。

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 ここでクリアランスの問題になったのね。ただのクリアランスだけではない、ホイールを何にするか?それに当たって、予算をどう組むかにまで発展・・・。

 なぜか?同じセンタープルのブレーキなんだが、クリアランスの違いによって、実は偉い値段の開きになるということがある。

 ショートリーチのセンタープルは、確かに削り出しのいいものなんだが、いかんせん高い!それにショートリーチにするには、ホイールは700cと決まってくる。

 一方で、今ついているタイプのセンタープルは、お手頃値段と来ている、ただしロングアーチとなると、700cでは余ってしまう。ということは・・・。

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 必然的に650Aのホイールを選択することとなった。これではモロツーリング車ではないか!
 
 でも、700cのロードを二台お持ちになっているということから、なれば、それとは違う、大分違う一台があってもいいんじゃないか?ということもあり、また乗る人には、このなんとも少年くさい・・・、一部では童貞くさいといわれるヤツの方が、いいんじゃないか?とね。

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 ハンドルも、外に開いた羊ドロップに飛び出しブレーキ。

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 ジャーン!やっちゃったよ!これ見て結構ドキドキしている親父連中がいるんじゃないか?と推察いたします。

 泥よけがない・・・とか、陰口聞いている声もちらほら聞こえます、いらねーし・・・。付けたきゃ自分でやれ・・・。

 なんかやたら凝っている、本当に走ってんのかな?という金ばかりかけた「ランドナー」なんていうのが一方であるようですが、こいつは実を取って、よく走る子向きだね。

 以前、大分以前、筆が家計の半分近くをカバーしていた時期があったが、典型的な雑文書きで、何でも書いていた・・・。

 その中で、まさにこんな童貞一号にまたがって高校の夏休み、山梨の山奥の峠をエッチラオッチラ登っている童貞高校生の脇をヘルメットから長い髪をなびかせて脇を抜いていく一台のバイク。

 そこから登って10キロ先の古びた温泉宿に到着すると、駐車場には一台先ほどのバイクが止まっている・・・。もしやあの姉さんが?と期待と股間を膨らませるこの童貞君の顛末やいかに・・・。

 続きを知りたい方は・・・、古本屋に走って、昭和エロ伝説・・・だったかなあ・・・なんて本を片っ端から探して立ち読みすることだね。

 そんな短パンムキムキの童貞高校生が三本足で踏み倒す、そういう童貞一号になってしまった・・・。だーかーら言っただろう、店主らに任せるとこういうことになるんだな・・・。

プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
TEL・fax042-445-0487
携帯070-5083-6962
アドレス to.ke@mx1.ttcn.ne.jp

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