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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り |2017年11月 tp://cnt.affiliate.fc2.com/cgi-bin/click.cgi?aff_userid=45871&aff_siteid=43545&aff_shopid=63" target
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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

友達のお父さんからの託されもの



 鉄のマウンテンがやってきた。

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 アラヤとある。年代物だわな。これは友達のお父さんから譲り受けたもの、という事だった。

 「君ならいいよ、大事にね」とか言われたんじゃない?と聞いてみたら、そうだったらしい。たぶんね、この手の車体には思い入れがこもるものだ、そんじょそこらのやつには渡せない。こいつなら・・・と思える子にじゃないと、託すことはできそうにない。そういう一台に見えたね。

 扱い方などはまだちょっと別にしても、大切にしようという気持ちは伝わってくるね。

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 第一の要件はパンクできたんだが、それ以上に、アチコチのメンテをも所望していた。

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 チェーン・・・赤さびだらけ・・・、これじゃあ、チェーンのコマが回らない、回らないから駒の間隔だけでギアを引き回すことになる、それじゃあ、重くて仕方ない。

 チェーンの一コマ一コマには、コロがあって、そいつが前へ前へと力をスムーズに伝達するから、チェーン回りがよく、かつ踏力が後輪に伝わって、車体が前に出るんだわな。

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 新しいチェーンとそれなりの、オイル、ムオンやケイテンなどいいオイルが出ているね。

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 ワイヤー類も悲鳴を上げている。この手の物を変えると、ブレーキの引きも、シフトもみんな機嫌良くなる。自転車の神経のようなもんだ。

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 このカンチもそれを知って使えば、問題は無し。早め早めに引きましょう・・・ね。

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 シフトワイヤーももちろん交換です。

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 スプロケの掃除もしておくと、いい回転に寄与しますね。

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 ライザーバーなんかつけているのは、その友達のお父さんの趣味か?それとも託されたご本人の趣味なのか?わかりませんが、なんとも街乗りには最適な一台であります。

 他にできることもありますよーなんてね、再塗装の薦め、ドロップ化の薦め、ツーリング仕様、何なら日本一周でも行きますか?できますよ、こいつなら・・・と、この車体が持っているであろう、いろんな可能性を提示してみました。

 目が輝いてきたね、自分の託されたものが、それだけの可能性を秘めているのか?という事を改めて知ったようだった。

 そうだよ、いいものを預かったんだよ、だから、大事にしてな、っていわれたんだよ。

 託したものはそれがどのように使われるかは、託された側の問題としておいていい、ただ大切に使ってくれさえすればね。

 店主にも個人所有・・・の自転車が何台かある・・・、下手すればその中の何台かは、もう数年後には乗れなくなっているかもしれない。そうなると、自然と託すべき者を探すようになるのだろうか?なんて考える。

 持つという事はどういうことか?かつて誰かに聞いたことがある。お堅くいえば、所有とは?という問いである。


 所有とは、そのものに対する自由な裁量を意味すると。

 なれば、処分する、という裁量もありや?

 普通であれば、もちろん!所有とは処分権も含まれる!とあるやも知れぬ。

 では?と反論してみようか?今店主が一億円を所有しているとしよう、その札束を前に、それに火を放ったとする(処分)、問題は無いか?たぶん現行法では、貨幣に関する毀損のような罪?があるんじゃないか?詳しくは知らないが。

 つまり、金は天下の回り物であるからだ。自分の一億円も実は回り物なんだ・・・と。

 自称仏教者である店主は、たぶんすべてのものは借り物で、所有とは一時の管理者に過ぎない、と考える。あたかも子供のごとくに、自分の子でありながら、それは一時の保護者に過ぎない、という。

 ものと人との本質的な関係でありたいと願うには、ものは他から他へと託されていくものとしてとらえなおしていけないか?ということな。

 一人の判断による廃棄や破壊というだけではなくね。

 少なくとも、店主らが関わる自転車には、この託しの輪の中に、自転車を入れていくことかも知れない、と思っている。

 単純なシェアリング、建前上みんなのものであるが故に、誰のものでもないが故に、愛着もかけられず、横流し的に消費されるそういうものとは別の、より高次なシェアリングの輪を構築していくこと・・・、そんなことの具体化なども、来年、再来年以降始まっていくかも知れない・・・、ゆっくりお楽しみに・・・と言っておきましょうか。
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近日発表!変なディスク車できるかも・・・



 この十月の台湾行きがデカかったな・・・。まさかこんな展開になるとはねえ。ディスクブレーキですよ、ディスクブレーキ。

 そもそもからして、マウンテンバイクにはほとんど興味を抱いていない店主。嫌い!なんて積極的反応すらない。乗りたい人がいる、もちろんどうぞ!それに対して何とも思わない。

 まあ、そんな感じね。なので、マウンテンバイクから来るものに対しては、やはり反応は鈍い。フラットハンドル?そういやあったね・・・。

 ブロックタイヤ・・・、雪道にはいいかもね。サスペンション?ハア・・・。

 そしてディスク?そちらでどうぞ!でもなんでロードにまで来るのか?なんて普通に思っていたんですね。扱って、メカニカルまで・・・、油圧?バイクじゃあるまいし・・・と、そんな感じでしたよ、ついこの前までね。

 でも、時代の流れというか、あるタイプの有力なメーカーが作っている流れなんでありましょうな。世はディスクに流れて行っているようだわ。

 確かに油圧のあの引きの軽さはヤバイよね。一本指でスーッと引けて、ガツン!と止まるんだから。むしろママ狸ん系、子育て自転車なんかでどうよ!とすら思えるよね。

 お母さんが前後に子供のせて、車体が電動で重い、買い物、送り迎え品で、100キロ越え?そんでもって、アシストあるから25キロまでは出ちゃうなんてね、そういう自転車にこそ、せめてフロントだけでも油圧ディスクなんじゃないの?という感じなんだが。

 まずは、でも油圧のなんたるか?くらいは知って置いていいだろうということで、このブログでもアチコチ書き散らしていた。中には非常にありがたいアドバイスや、関連ページなんかを教えてくれた方もいる。改めまして、ありがとうございますです!!!

 お陰様で、徐々にわかってきたぞ!なんで、減ったパッドがディスクを追跡し、最初の設定より内側の一定距離内で戻るのか?そのための機構が工夫されているというのもわかったな。そして、店主なりの設定方法も、調整方法もアイデアありであります。ちょっと工作して、調整用のツールを作らないといけませんがね・・・。

 わかってくるとそれなりに面白い、関与できると尚うれし。そして、サードパーティーのテクトロという会社。ここも、今まで思っていた以上の野心的会社だということもわかった。俄然応援したくもなる。

 面白いもの作っているしね・・・。

 例えば、今後、ベローチェ・・・、カンパコンポでディスク車体を作ることもできるんですぜ!旦那!しかもシマノホイールのママでね・・・。

 シクロ組む時カンパなんて今や選択肢にないでしょ?ところが油圧ディスクでできるのよ!テクトロで!こんなもの作りしているところ、応援しないわけにはいかない。
  
 確かにシマノは強い。ほぼ一強と言っていいだろう・・・、ウーン・・・まあね。そこに正面からではなく、脇からチョコマカ攻めていく、しかも痛いところをなんていう姿勢が面白いよね。シマノが特許で対応しているところは、コチラが別の工夫で克服できたら、これもまたやりがいというもの・・・。

 マウンテンバイクというのとは違う、別文脈からディスクブレーキ、しかも油圧ディスクがきたもんで、これはのらない手はない・・・という事になったんだがね。

 なら乗りましょう!でも普通にはのらない、というのがいかにも当店。

 冒頭の写真でありますが、これピストフレームなんですね。エンド幅120ミリ。このエンド幅に合う、ディスク用のピストハブって?あるの?と基本思われるだろうな?

 ディスク付きシングルハブは既に世の中にはあります。東京サンエスさんもお持ちだし、嗅覚の優れている、サーリーなんかも持っている。それ使ったの?ってか?

 いえ違います、それらは大概は135ミリものであります。マウンテンフレームもどきに取り付けられるような規格なんですよね。そいつらを写真でよーく観察して・・・、15ミリほどの幅サイズダウンできないか?と見たんだが、これは難しそうだ・・・という結論。

 130ミリハブの120ミリ化がいかに大変か?散々やってきた身としては、プラス5ミリ、しかもディスクなんてまた場所取る形式のあるものでなど、ほぼ無理だよね。

 あとは、ダブルコグに使える、アダプターのようなものはいくつかのショップがオリジナルで持っていたようだが・・・、それには手は出ない。

 そして、カタログ目の皿を繰り返している内に、変なハブを発見。取引どころに問い合わせたが、その質問の意味すら理解されなかったようだ。そんで、現物取り寄せてみると。

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 こうなった・・・。まだ改良の余地はあるが、とりあえずは装着完了!

 120エンドの車体をディスク化できる素地がこれでできたようなもんだ・・・。ハッキリ言って、中途半端な(それはそれでいいことも十分承知していますが)135ミリエンドのシングルディスクなんかより、ずっと締まって見えるはず!

 なんなら、NJSのピスト車をディスクシングルに変身させることだって、可能となってくる。

 ガチピスト車体のディスクシングル・・・なんて、多少マニアックなジャンルであるが、ジャンルであることには違いない!

 柳さんとのコラボだな・・・。そんなこんなで、近日中に油圧系、固定ピストディスク車体をお目にかけられるかも知れない・・・。

 という事で、ちょっと楽しみにね!

 だから言ったでしょ?ディスクに転んでも、ただでは起きないよ!

フリーが完全フリーになった・・・



 ヘエ、ジャイアントはこんな小径も作っているんだな。折りたたみではない、ミニベロに近い車体なのに、何でこんなハンドルつけているのかな?

 このたためるステムというかハンドル回りは、どうも動いていけないね。なんか店主は落ち着かない。折りたたみ自転車であっても、ここだけは逆に強度のあるステムにしたいもんだわな。

 ブロンプトンは大変優秀な折りたたみ自転車と思われるが、あのハンドルだけがどうも苦手なのだ。

 このミニベロだって、ブルホーンや、ドロップ系のハンドルにしたら、一定以上価値が出るんじゃないかな?などと偏見たっぷりの相変わらずなのだ。

で、何がどうしたか?と言うと、フリーが完全フリーになってしまったということだ。つまり進行方向にすら空回りする状態になったというのだ。

 確かに、踏んでみると、カラカラと空回りする。いっこうに前に進まない・・・。

 実用車系にはたまにある話で、そういう際には外から、洗浄の意味を込めて、安いオイルとジャブジャブかけてやること。そうなると、中はどうなっているか知らないが、たぶんおっ立たねばならないラチェットの爪が、硬化したグリスが溶けてかどうか知らないが、立つようになり、進行方向へは進むようになる、という事がよくあるんだが。

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 問題なのがこいつ・・・。これがシマノ製だったらなあ・・・。最悪でもフリーを交換すれば、難なく元に戻るようになるんだが。バラしてみるが・・・、

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 どうもシマノものとは機構が違うようだ。

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 通常なら、10ミリの六角を入れると、しっかり食い込んで、それを回すとフリーだけが抜けるという仕組みなんだが、抜けないので、交換ができない。改めてシマノのありがたさ・・・を知るね。

 でどうするか?そもそも24ホールとかでやんのよ。

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 20インチのリムで、24ホールとかはちょいと探せないわな・・・。特別な小径車屋にでも行けばどうか知らんが・・・。

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 仕方ないので、32ホールのシマノのどうってこと無いハブで、組み替えることにした。

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 リムはアレクシア、結構ものはいいよね。650cでもあるが、作りはいいそれの20インチ版だ。


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 小径専門店ではないので、一々黒スポークをちょん切っては、ねじ山を刻んで一本ずつ作成。

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 そうなるとなんてこと無く復活なんだわ。他はまったく問題ないのに、交換できないフリーの一点の故障により、完全フリーで前に出ない・・・という車体でありましたが・・・。

 なんとか再生です。ハンドル回りさえなんとかすれば、結構好みの乗り味になるかなあ・・・なんて、人様の自転車にも関わらずそう思うのでありました。

 好みのスタイルに持って行けるのであれば、小径も悪くはないかな?なんてちょっと思った・・・。好き嫌いは全く別で、小径には小径の奥深い世界はある、その入り口に立って、中をのぞき込んでみると、地底の奥底から、なにやら得体の知れない冷たい風が吹いてくる・・・、風に誘われて、穴に入り込んでいった者どもの、うめきのようなものが聞こえてくる。

 フン勝手にもだえてろ!たまにはつきあうけど・・・、たまなら確かに面白いかもなあ・・・。
 

オイルって?ホイールバランスって?



 ちょっと流行っているんだそうだ。ハンドスピナー・・・というものらしい。真ん中押さえて、回りを回す、つまりスピンさせる・・・というだけのおもちゃというのか?

 ユーチューブでも検索すると結構あるらしい。

 なかなか憎いところ付いているという気もする、確かに手に持って回しているだけでなんか知らんが飽きないのだ。いつまでも訳もなく回している・・・という風にね。

 で、どこかの縁日か何かで、あたったらしく子狸が持っていた。そいつをバラしてみると・・・、

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 こんな形になっている。中心には外径17ミリ、内径6ミリ、厚み6ミリのシールドベアリングが圧入されている。それを上下の蓋で押さえて、回すという単純な構造なんだな。

 そんなこんなで、よかれと思いこのベアリングの中心に比較的いいオイルをさして渡したんだが・・・。

 子狸曰く・・・、「回りが以前より悪くなった・・・」と言ってきた。なわけねーだろ!と、やってみるが、スルスルよく回るような気がする・・・。野郎もしつこく、前の方が回った!というもんだから、頭来て、ディグリーサーでオイルをすべて洗い流してやった。

 そして回してみると・・・、確かにカサカサに乾いた感じなんだが・・・、子狸のいう気持ちがわからなくもない・・・。カサカサなんだが、カサカサなわりにコロコロ回る感じがしなくもない。これは一体どういうことだ?

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 そこで、実験!ハンドスピナーのオイルなしで、一体何秒回るのか?時間測定することに。同じ状態で十回は回して、平均を取ることに。そしたら大体1分ちょっとという、長さだった。

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 さて、そこにオイルを再度さして、同じ条件で実験すると・・・。

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 約十秒ほど長く回るじゃないか!!!何が回らないだ!このヤロ!とこの事実を突きつけようとしたが・・・ちょっと待てなんだな。
 
 というのは、確かに十秒ほど平均して長く回るようになったものの、その回り方が問題なんだわ。もう止まりそうなくらい、ヨロヨロの状態で回りなかなか止まらないという消極的な感じ、・・・という事で、決して、ビュンビュン威勢良く回っている、という印象からはほど遠いんだな。

 むしろオイルを差していない方が威勢がいいようにも感じられたんだな。実感としては・・・、または印象としては子狸のいう方が正しい・・・。

 改めてオイルって何だろうね?と。もちろん回るだけでなく耐久性という事にも大いに関わるところだから、一概には言えないが・・・。

 そして、実験はまだ続く。

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 この丸をつけたところが必ず下に来るようになっていたんだわ。つまりホイールバランスが取れていない・・・というハンドスピナー。回すたびに手に軽い振動が来ていたんだが。まあおもちゃだからいいが・・・と、でも回転するものとしてはダメでしょ!とばかり、お節介とは思ったが、子狸に頼まれもしないが、ホイールバランスを取って、驚かせてやろうと画策。

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 慎重に少しずつ、削っては、バランスを見て、削っては・・・を繰り返す。

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 結果二箇所をこのように削ったわけだ・・・。これに先と同じ実験をしてみることに。

 ほぼ完全にホイールバランスを取ったこのハンドスピナーなんだが、回転時間は長くなったか?それとも同じか?短くなったか?さてどれだ?



 答えは、これ・・・。

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 う、嘘!!!!!という結果に、何度も何度もやり直しても大体この時間。なんなのこれは?当初の予想では、もうインチキして、手で止めたくなるくらい、よーく回るんじゃないか?というものだった、皆さんの多くもそうでしょ?

 ところが、結果はこれでありました。

 確かに、まったくぶれなくなりました、振動もなし、ヒラヒラと紙のように回るようになった。でも、ある意味まったく覇気の無いハンドスピナーになってしまった。

 回転の精度に酔いたい人はこれでいいかもしれないが、おもちゃとして面白みに関しては、かえってつまらなくなってしまったかも知れない。

 改めて、ホイールバランスって何だろう?って思います。車軸に対しては、それはあった方がいいに決まっているが・・・。ウーン、ちょっとわからなくなったぞ・・・。

 逆にこのアンバランスって・・・利用できないか?って考えたりね。

 従順に回るのは悪くはないが、多少のアンバランスがあった方が一定条件下では、むしろスピードの維持に貢献するとか・・・ないのかな?

 ダウンヒルバイクのホイールって、完全にバランス取っているんでしょうか?むしろ、多少のアンバランスを利用しているなんてことは無いのかな?なんてね。

 例えば、クランクの上死点・下死点にあわせて、ホイールをわざとアンバランスにして、そのアンバランスの慣性を利用してホイールの方を回してしまう・・・なんてことできないのかな?それでアワーレコードを狙ったら・・・。

 今またチェーンリンクがかつてのバイオペースのような、楕円形が復活して来ていますね。かつてより、巧妙に、その楕円の種類も多いようでありますが、あれも真円リンクからすると、アンバランスを利用しているように見えるんですが、あいつとホイールのアンバランスを組み合わせて・・・なんて発想はまだ無いのかな?

 今ディスクブレーキの登場で、リムの外周を軽くする方向で動いているが、それとは逆の方向に、むしろ外周に移動可能なビー玉のようなものを仕込んで、一定の条件下でスピードを上げるとか・・・またその逆に、トレーニングの負荷にするとか・・・。

 まあ、どうなることやら・・・。本日のいたずらについては、もうちょっと長い時間をかけて・・・検討することにします。

 ちょっといい意味で、今混乱気味・・・ですね。では!

30万の落とし物・・・・



 bd1とかつては言いましたが、今はちょっと名前が違うようですね。フロントの特殊形状のフォークを「あんどんフォーク」なんてこと言ってました。

 そういえば・・・、こんな魔改造やったことがありましたね。この行燈がダメになったんで、通常のストレートフォークにして、ブレーキが届かない分、ディスクブレーキにして・・・。

 長いコラムにねじ山立てて、スレッド化して、その中にさらに長いクイルステムを入れて、ハンドルを上げて・・・と。まあ開発者だったら激怒もんだろうなあ・・・。そんなことを二台ほどやった。以来、依頼は無い。

 この度、久々にやってきた・・・。

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 革サドル、しかも立派なのね。

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 ほぼ完璧な状態なんですよ。で、話がすごい。

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 こんな状態のいい名車がなんと二台、捨ててあった!というんですねえ。こんな感じかな?

 いや、こんな感じに置いてあったら、これは駐輪しているだけのこと。粗大ゴミ扱いで、マジで捨ててあったそうですよ。

 それを、当店の古いお客さん・・・、この方も自転車の神様が付いているね・・・、それを見つけたんだそうだ。ただ、さすがにそれをただ持って帰るには気が引いたらしい。

 そのお宅のチャイムを押して、本当に捨てているのかを確認して、「ならもらっていいですか?」と許可まで得て、持ってきたと言うことなのだ。

 ほとんど完璧な状態だったんだが、一箇所気に入らないところを見つけた。

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 二台とも、ヘッド回りが悪い、ということ。行燈だけに、前ブレーキかけて車体をふると、ガタらしきものがある。それが行燈によるのか?やはりヘッド自身のものによるのか?

 こういう時は分解して、まずは洗浄して、新たないいグリスを入れて、一からヘッドパーツ類を重ねて静かに、徐々に力をかけていくことだね。

 ちなみにこのこのヘッドなんだが、通常とは上下がひっくり返っていたんじゃなかったかな?

 ダメなら交換覚悟だったんだが、二台とも、スルスルっと復活した。そのほか、メンテ状、ブレーキワイヤーを一箇所取り替えて、まあ後はいいんじゃない?

 しかし、現行のこの二台の値段を調べて驚いた、二台合わせて30万なんだそうだ・・・。30万の拾いもの、たぶんこの方だからこその拾いものなんだろうと思います。

 当店に何人かいる、自転車の神様の付いている方。不思議とその方々を中心に自転車が集まってきてしまう・・・、そういう星の下っていうのがあるんでありましょうな。

 集めるんじゃなく、集まってくる。追うんじゃ無くて、付いてくる。ちょっとした境地のような状況であります。

 でもそれには秘訣はあります、鉄則のようなものがあります。黙っていて、集まってくるもの、付いてくるものなどありません。集まってくるもの、付いていくるもの以上に、ばらまかないと。そして結果として、集まってきたもの、付いてくるものに対しては、倍返し。

 わかっていても、なかなかできない・・・、できたものからわかった気になる・・・という話なのかも知れませんがね。
 
 さて、この二台をどう使うことが倍返しになって、さらなる付きもの・・・憑きもの?がやってくるのか?楽しみだよね!

好きこそものの のり遊び



 センチュリオンのクロスバイク・・・かな?持ち込まれたんですね。

 自分で調整したら、ちょっと音鳴りなどがして、・・・あとシフトなんかも直してくれないか?という、よくあるタイプの依頼でありました。

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 トリプル・・・、もはや絶滅種指定だな。バカでかいスプロケとそれを許容するリアディレーラーができたお陰で、今やシングル一発で事を済ます傾向にいきそうだわな。

 ある意味スラムインパクト!とも言えるんじゃないかな?シマノは技術がありすぎるんで、三枚だって、へたすりゃ四枚だってかなり完璧に動かすんじゃないか?

 に、対して、スラムは不得意を切り落として、得意を思いっきり伸ばした形だろうね。かなり前から、リアディレーラーには金かけているが、それに比べてフロントは中学生の技術科レベルだったんだな。少なくとも店主にはそう見えた。

 比較するだに、実にフロントお粗末!レッドの名が泣くんじゃない?とすら思ったよね。そしたら・・・、早々に別分野だが、フロント切ってしまった。

 その代わりに、あの不格好なバカでかギア!(別に店主の好みなどこの際どうでもいい)とリアディレーラー、そして、フロントはシングル、思いっきり切り落としてきた、そしてナローワイドだ?どっちかハッキリしろ!というような形式を持ち出して、シングルでのチェーンの脱線をなくす工夫をしてきた。

 別にスラムが好きか嫌いかはどうでもいい、日本の代理店が悪いのか?本気で日本で普及させる気あんのかよ?と思えるような値段付けしかしてないよな・・・ブツブツ・・・、しかし、スラム自身のこの思い切った英断とすら言えるな、この判断はたぶんシマノは焦ったに違いない・・・。策士策におぼれる・・・、何でもできる器用さが中途半端さを「許容」したかのようで、その中途半端な故に、かえって防戦に回る事になるとはね・・・。

 そうなんだよね、シマノはスーパー企業だから、何でも抱え込みすぎている・・・、何にでも対応しようとするし、それができてしまう。そして捨てるに捨てられない、それだけの大容量があるとは言えるんだが、その容量のあれもこれもが、製品を締まらせる方向にもって行っているか?というとむしろ逆にふやけさせる方に行きがちなんじゃないだろうか?なんて思うな。

 まあ、この二社はどうでもいい、なんとかなるだろうから・・・。残るはあの一社だ・・・・、困ったもんだ・・・。大丈夫かよ?まったく・・・。後追いばかりしていると・・・、持ち前のセンスまでもが摩耗してしまうぞ、既にその兆候が出ている・・・・。

 もう軽量戦争は終わったのだ!各勝負車は分銅使って6.8キロをいじするまでに至っている!軽くする必要は無い!なれば、やることは、あのポリバケツの破片みたいなので数グラムの差をつけて、作る各コンポ類の必然性なんてものは本当にあるのか?

 スラムは得意を伸ばした、トコトン伸ばしたんだ!

 なれば、君らも歴史的にも、伝統的にも偉大な遺産である、センス、ハイセンスを伸ばしに伸ばして、優れてはいるが工業製品しか作れない、どこぞの会社が歯ぎしりするような、ヒャー!!!!!!カッケー!!!!!!と目の飛び出るようなくらいの工芸製の高いコンポ類でも作ってみたらどうだい?

 マジで路線を変えないと・・・、ダメな時期に来ている・・・と思うがね。

 で、何だ?フロントトリプルか?トリプルはもう主流から外れていく運命にあるが、完全に絶滅するまでには・・・まだまだかかるだろうな。

 セッティングも難しい場合と、意外と簡単にできてしまう場合とがある、トリムがあったり無かったりと、かなりその辺もいい加減だ。正直決まった!という感じがあまりないので、調整はあまり好きではないが、やることはやる。

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 アチコチから音がする、経年によるものプラス、調整ミスっていうもんだろうな。

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 こういう場合はワイヤー類の交換はお勧めだね。交換は張り替えなんだが、張り替えの時に調整が入るんで、重きは調整の方が大きい。張り替えだけなら中学生でもできるからな。

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 アルミのエンドだが、ここも大いに妖しかった。静かに修正しておく。

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 いくつか、注意点を申し上げて、持ち主さんにはお返ししたが・・・、自分でいじっていたこともあって、本当はすべて自分で面倒見てやりたいみたいだ、その気持ちはいたいほどわかる。
 
 この方は、会話の端々から、大分この自転車がお好きなようだ。話していると、確かにこの自転車の持っている、遊びのポテンシャルは決して低くはないように思えてきた。

 アルミで結構頑丈にフレームはできている。700cだがVブレーキなんでデカイタイヤもはけそうだ。そうなると29インチとまで行かなくとも、ダート系もけっこくいける車体に変身する。

 逆に、ホイールを細めでレーシーなリムで組んで23cなんて入れたら、舗装路はまったく違う乗り物に変身してしまう。ドロップ化とかもね。

 ホイールとタイヤ何種類か持っているだけで、一台なのに複数台に相当するくらいの乗り味をもっていることになる。この持ち主さんは、この自転車の可能性をそこまで見抜いて楽しもうとしている。自転車冥利に尽きるとも言えるだろう。

 なるほどねえ、複数台持つだけが自転車じゃない、一台をどのくらい楽しめるか?なんてとこで、遊ぶのも成熟の一つだろうな、おおいに。

 そんなことの提案なんかもじゃんじゃんしていかないとね。ちょっと裏では色々整いつつあるんでね・・・。

 乗っている自転車のポテンシャルを見抜く、それは乗り手にしかできない、いくら組み手がなんと言ってもね・・・。

EZと言えば得意分野だった・・・け?



 一見してバイクですよね。その見た目が好きで購入する方も多いかと思います。普通に乗るならいいんだが、これを子育て仕様にするとなると、かなり癖のある自転車と言えるでしょうね。

 通常お母さん用の電動ママチャリを購入すれば、打ち首する必要がないなら、そのまま使えます。たぶん、あの形というか、あまりに普通すぎる自転車には乗りたくないなあ・・・という方が、この形を選択したんだと思います。

 まあ、それはそうでしょうな。使い勝手を考えると、メーカー越えて、似たような仕様に、どうしてもなってしまう・・・。そうなると、みんなと同じようなやつには、私は乗りたくないなあ・・・という方が一定以上、必ずできるというのは、世の常なんだろうと思います。

 そうしたタイプの方がこぞってこいつを選ぶ。そういう意味で裏当たりの自転車なんじゃないか?と思います。ただ、ちょっといかつい系で男性的とも思えるこの車体を男性が乗っているのは見たことない・・・。当然かも知れないが、子育て仕様に、ともってくるのは女性なんだよな。

 ただし、冒頭でもことわったように、こいつを子育て仕様にするには、ちょっと手がかかる。今まで、何台やってきたか覚えていないが、その施工例を見て、我も我もと来るらしい・・・、このブログも集客の役に立っているということなんだねえ。

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 色々癖ありの自転車なんだが、その真骨頂は荷台部分にある。見ると、このようにしっかり荷台が付いているんだが・・・。

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 最大重量10キロという限定付き。確かに取り付けから見ても、重量に耐えるようには見えない。こんなものがあるので、子供とあわせて15キロを超えてしまうものをここには載せられない、という条件が一番に付いてしまう。

 どこかで、まさにここに、子のせをつけているのを見たが、長期間やるもんじゃない、すぐには折れないとしても、過積載に走行振動が加わるとこの手のアルミは徐々にやられていくでしょうね。そんでどこかの段差にドン!と乗っかった瞬間、パキン!と子のせごと地面に落ちないとも限らない。

 つまり、この荷台には子のせを取り付けることはしない方がいい。なれば、撤去して、より重量に耐えられる、別形式のものを取り付けるしかない。

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 この手の荷台を取り付けるのだが、シャフトに共締めできる一般タイプのものでは、もう一点止めのところと相性が悪い。

 そういう場合様々な形状に取り付けることを前提としている、スポーツ系の荷台がいいが、今度はその手の荷台はシャフトに共締めをしないタイプという・・・、どちらも一長一短なのだ。

 なれば、どちらが加工しやすいか?という点を見るしかない。やはり後者だろう。通常ならダボに取り付けるところだが、このEZには、ダボがない。ないなら作るしかない。

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 幸いエンド金具が分厚いので、そこに穴を開けて、タップを切る。しかし、鋳物だわ・・・柔らかい。

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 このように、荷台の下支えを6ミリのボルトで取り付けたんだが、ちょっと心配になった。柔らかいので山がバカになったら、下支えがズクズクになってしまう。

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 裏からナットで補強。例えねじ山が崩れても、これで外れることはない。

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 この荷台に、アダプターを載せて・・・。

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 そこに子のせを取り付ける・・・ようやっと付いた・・・という感じだわ。

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 オヤ?イェップも所々進化しているようですわ。着脱が楽になっている。

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 子のせがついて、子供の乗せ降ろしをするようになると、この一本足スタンドではどうも危ない。より安定感のあるものに、となります。

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 両足スタンドというやつなんだが、こいつもポン付けはできない。通常の実用車にならほぼポン付けなんだが、この手の一般から外れた形式のものでは加工が必要になります。

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 ネジで締めるだけでは、ダメで、物理的な引っかかりを作らねばいけませんが、このようにエンドの形状にあわせて加工してやる・・・、両足スタンドは通常は実用車向けに作られているので、この手の加工は仕方ないのだ。

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 そして、最後はカゴ。この突き出しのキャリアに乗せればいい・・・と思いがちで、それも可能なんだが、このキャリアはハンドルと同期しないという取り付け方をされている。なので通常ハンドルと切ると、カゴも一緒に動くが、こいつは動かないので、ハンドル干渉が起きやすい。

 そもそのこのキャリアの形状には、お世辞にもカゴを取り付けやすいとは言い難い、というのもある。

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 大きめのカゴを取り付ける際には、

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 下支えと、

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 この手の金具が必要になるが、このフォークのコラムはオーバーサイズなので、一般自転車の取り付け金具では、径が合わない・・・、最後の最後までやってくれます。

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 癖ありの元凶である、こいつらが外れまして・・・、

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 なんとか、完成!確かに、どこにでも置いてある、子育て仕様車とは一味も二味も違う、ちょっと変わり物好きの人たちの趣味なんだろうなあ。

 こういうところにも小さい店、小さい小回り集団の生きる道は隠されている。爆発的ヒットなど、大手に任せておけばいい。そうではない、小回りが各地に、アチコチに点在していることの方が、その分野のバリエーションは増えて、よって個性も、成熟化も進むというもんだ。

 しかし、それもこれも大手ものの、主流のダサものがあってこそなのだ!ああ、やっぱり大手様々なのだ!ククク

異音がする 音がする・・・来たー!!!!



 テルンじゃなくて、ターンというんだそうだ。しっかりできた小径です。

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 ブルホーンのシフターにバナナなんて金具を使っているところなんか見ると、かなりいじれる方と存じます。

 そんな方が持ち込まれた、そこまでできる方・・・がね。いやな予感・・・、相当難し案件・・・なんじゃない?

 そう、異音であった・・・。音がするんですよねえ・・・と遠くを見るような目。回転に応じてするので、ハブかと思って、グリス入れたり、玉押しいじったりして点検しているんですが・・・、音がするんです。

 この異音問題は、最大級に難しい。まあ、ほぼ締められるところを、増し締めする・・・。あとは・・・、でもね。その前に、音の原因にたどり着くのが大変なのだ。

 というのも走っている時に大概は音が出るんで、走りながらチェックしないといけない。しかし、走りながらハブ回りに耳を持っていくなんて曲芸は、上海雑伎団クラスの技を持たないと基本できない。

 音の大体の出所はわかる気もするが、特定するのがまた難しい、自転車はつながっているんでね。

 この持ち主の方も大体やれることはやったようだ・・・。そんなもん持ってこられて、コチラがやるべきことあるんかね?

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 どうもリア回りが妖しいというが・・・。ハブ回りは調べたんだろう?だとすれば・・・?

 で、店主も試乗したんだが、どれが異音のたぐいなのかがわからない。これもまた辛辣な問題なのだ。その人が乗ると音がする、という場合があるんですね。もちろん他の人が乗っても音がする場合が圧倒的なんだが、その人しか音がしないなんてこともある。体重や、踏み方の癖なんかが影響するんでしょうな。

 今回がやっかいなのは、店主には異音すら感じられない・・・。どうしましょ?


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 じーっとホイールを見る・・・。

 ちょっとこの写真見てオヤ?っと気づいた人いますかね。難しいかな?

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 この写真ならわかりやすいかな?スポークの張りがちょいと弱いように見えませんか?ピンと張ってないでしょ?

 いきさつを聞いたら、この状態でショップに売っていたものを購入して、装着したとのこと。ハブはいじるが、さすがにホイールのテンションはいじらない。

 手でスポークをつかんでみますと・・・、好みはあるんでしょうが、当店では組まないテンションですね、絶対に。

 小径車の場合リムが小さいので、リム自体の持っている強度はかなり高いと推測します。なので、その分、逃がす意味でテンションを押さえて組むというあり方もあるのかもしれませんが・・・。

 それにしても、低いように感じました。スポークは走りながら、テンションをたらい回しにしながら回転するので、テンションにばらつきがあるときしみなどが激しくなるだろう、と推測はできますが。

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 もう一つあるのが、ブレーキの干渉、左右が同程度に開かないと、いずれかが引っ張られ、リムに干渉し続けることもある。

 まあ、この辺かな?まずは点検すべきところが見つかったので、良かった、それをやるしかない。

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 ホイール外して、振れ取り台にかけると、わかることあるね。

 まず、スポークテンションにやはり相当のばらつきあり・・・でした。とその際にわかるのが、ハブのガタであります。

 ガタのないハブの振れ取りは、振れがある場合、ゆっくり回すと必ずその箇所で、センサーと干渉が起きます。何度やってもそこで音がします、押しても引いても音がします。

 ところがガタがある場合、音の鳴り方は恣意的になります。鳴ったり鳴らなかったり。行きは鳴るのに帰りでは鳴らない。そういう場合には微量のガタがあるとわかります。

 もちろん手でシャフトを触ってもわからない程度の微妙なガタであります。

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 スポークのテンションを2周ぐらいずつ、増やして組み直し。そして・・・、

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 そして、その前にガタ取りを徹底して行います。

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 5800の105は以前のよくある形式とは異なる構造をしていますので、分解図を見ながら、調整します。

 こうして今回気づいた点の改良を行います。テンションもかなり増したなあ・・・。そして、一度持ち主さんのところに戻します。

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 そして自走していただいて、様子を見てもらう。これで異音がなくなれば、今回やったどれかが効いたんだろう、という事になります。そして、まだもし、異音が続くようなことがありましたら・・・。

 次の手は、この持ち主さんとは話が付いています。ホイールをハブを変えての組み直しというところに踏み込んでいこうということです。

 一つ一つ、気づいた要素、試せることを試しながら、原因らしきものを消していって絞っていく・・・、この地道な作業が異音対策なんだろうと思います。気長な話なんだよなあ・・・。

 でも、次の打つ手があるからまだいいんだわ。もうすべてやり尽くしたあとにも異音が残っていると・・・、これが本当のお手上げ・・・という事なんであります。

 しかし、こういう案件こそ、本当鍛えられるという試練なんで、成長のチャンスなんだよね・・・。めげずに食いついていきます!

 これにて、このターンが出てこなければ、音鳴り終了・・・。またターンしてきたら、音鳴り続くと思ってください。続く限り、本ブログでも追求して参ります!頼んだぜー!

塗って磨いて



 この自転車のいきさつといえば、コチラの記事にありましたね。再塗装して、ハイセンスに組み上げた一台なんであります。

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 一見黒かと思いきや、実は濃い藍色という事です。

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 こいつはメッキのフォークなんだが、この度、せっかく再塗装したものをすべて剥離して、雑多な感じで磨いてくれないか?という依頼が飛んできました。

 せっかく再塗装したのに?

 でもこれも大森社長の仕事と実績になるんで、もちろんやりますとも!使用感は多少あって、大森社長の真骨頂のようなまさに鼻の頭の毛までしっかり反射するような磨きでなく、剥離に毛の生えた程度・・・と言ってましたが、そう見せるのもまたテクニックというもので、今回はまた新しい技法をフフーンと試しておられたようであります。

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 磨いたあとは、つや消しクリアをかけるということです。ちょっとゴワゴワ感が出ているかな?

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 ちょっと見えにくいかも知れませんが、メッキフォークのメッキな感じを嫌って、そこも粗磨きにできないか?というこだわり。この方口うるさいには理由ありなんです、というのもちょっとばかしのハイセンス、根の張った美意識の持ち主なんですね。

 二言目には「見た目が・・・」とおっしゃるが、それが逐次あたっているというところが、無視できないところ・・・、ならいうこと聞いてやろう・・・という気にも少しはなるかな。

 このメッキは比較的柔らかいようで、大森社長もほっとしておられた。固いメッキの時には3日ほど作業に集中して口もきかなかったことがあったなあ・・・。

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 金属の地金の感じ、ある意味鉛色とはこのことかも知れないが、もちろんここにも仕掛けがしてある。店主のよくやる隠し技、シャドウ技法を少し使っているんだよね・・・。というのは、このダウンチューブに一つ問題があった。

 ボトルケージを取り付けるためのナット穴があったんだが、これを一つ前の再塗装の時、パテ埋めしていたんであります。それを今回剥離して磨くということなんで、そのパテうめの穴がモロ出てしまうが、どうするよ?美意識君?と聞くと・・・、どうしましょう?と本気で悩んでいる。

 なら、また穴開け直して、ボトルケージつければいいじゃんか?と提案してもこの美意識君は、首を縦に振らない・・・。まあ、こういうやつなんであります・・・。

 さてどうしようかね?荒仕上だろう?少しごまかす手はないか?という事で、ごまかすには気を散らす必要がある・・・、一点集中させないことなんだが・・・。

 そこで、細工とシャドウを試みてみた。

 近くに寄ってみようか?

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 さて、元穴の位置はどこか?いずれにしろ写真ではわかりにくいもんだが、この辺まで持ってくることはできた。

 問題がもう一つあった。

 トップチューブに、へこみがありここも前回の再塗装時にパテ埋めしたんだが、同じく剥離によってその部分が出てしまう。

 どうするか?シャドウで隠せる・・・ものではない・・・、使用感というなら、もしかしたら、そのままでもいいかもしれない・・・。

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 これなんだが・・・。

 これまた角度・・・なんですね。

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 上から見ると・・・こんな感じ。

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 ちょいと離れて見ると、気にならなくもなりつつ、一点集中すると、見えないこともない・・・。

 変に金属パテでも使いますか?

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 どこで探してきたんだか、こんな小物をサラッと使うようなところに彼のこだわりが見えてくる。

 さて、へこみ問題は、次に持ち越しかな?

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 うん、やはりスタイリッシュにまとまっている・・・、確たる美意識は現存なり。

重いー・・・重すぎるー・・・



 この手の子のせ自転車ですが、見た目のごとくに重いです。重すぎです・・・。だから電動アシストがついているのか?電動アシストがまた重量の原因でもあるというね、なんとも言えない車体なんですわ。

 そして、この手の車体によく起こる破損なんだが・・・。

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 これであります。スポーク折れ。重いということもさることながら、輪っか状の鍵をかけたまま、前後に子供を乗せてヨッコラショ!と出発すると、ガッチン!とスポークと激突が起こるわけであります。

 そんなことが何度か起きると、このように折れてしまう。しかし、それからが問題なのであります。スポークが一本くらい折れても気づかない、お母さん方が大半。気づかないまま乗り続けてしまう。折れたスポークが他のパーツに干渉して、カンカンカン!と音が出るようになって、ようやく気づくんだが、それでも自転車屋に持ってこない・・・、一本くらい折れたって・・・という事でしょうな。

 そのまま乗り続けると、ホイールテンションのバランスが崩れて、次の弱いスポークを直撃することになります。二本・・・。二本くらい折れたって・・・。そんなこんなで、今度はリムが曲がって、Vブレーキにまで干渉するようになって、ようやく、あのー・・・、こうなっちゃんったんですが・・・、直せます?とくる。

 ホイールを外して、破損スポークをすべて外してみたら。

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 エアロホイールかよ!というくらいのスカスカ状態。これであの車重プラス人三人分の体重を支えていたか?というとまあ見事なもんだわね。

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 しかし、このハンドル兼子のせも重いよねえ・・・。もう少しなんとか考えられなかったのか?もちろん重いことのメリットも全くないわけではないんだが・・・。

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 ステンレススポークで組み直し、リムも曲がっているんで、ハブ以外のホイール一式の交換という事になった。スポーク折れに気づいたら、即自転車屋へ!早い内だったら、スポーク交換で直りますが、リムまで曲がったら、もうホイール交換になりますぞ!

 重いこの手の自転車は、メンテも大変です。しかし、一つばかり光明がないとも言えなくない。

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 ほとんどの実用系自転車は、スタンド・泥よけ、荷台などがホイールのシャフトに共締めされているんですね。タイヤ交換などで、ホイール摘出する際には、その共締めをすべて解くことになるので、重い車体を支えるスタンド代わりのもの、重い子のせを支える荷台などの処理がとても大変なんであります。

 作業の間、この重い車体を垂直に立たせておくというのは、意外と大変なんですわ。上からつるすというのもありだろうが、つるすと浮遊するので、トルクのかかる作業はやりにくくなる。

 時によっては、それを手で支えながら作業し無ければならない苦行もあるんだよねえ。

 でもね・・・、

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 このように、荷台だけでも共締めから外されて、独立に取り付けられていると、ホイール着脱の際には大変助かります。重い荷台を片手で押さえながら、ホイールを引き抜くこともないんでね。

 これで、もしスタンドも共締めから外されるようになったら・・・これはラクだなあ・・・。究極的に楽になる!

 大手さーん!是非、荷台とスタンドを共締めから外して、スタンドで立たせたまま、ホイールの着脱できるような車体を作るなんて事、考えませんか?絶対に受けると思います!

 その手の作業が非常に楽になるところから、まず自転車屋自身がその車体を薦めることになるでしょう!さすれば爆発的かどうかは別に、ジワジワとそちらが売れてくるようになるだろうな。自転車屋によっては、うちはそれしか売らないよ!という店も出てくるかも知れません。

 そのくらい、特に重い自転車のメンテは大変なんだよね。

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 本当重量級、これに人が三人乗って、時速20キロで歩道走っていたら、歩行者にとっては、まあ凶器だね。うーん・・・、まだまだいろんな課題のある日本の自転車文化なのであります。

十年越しのメンテナンス



 この写真見て、オオ!と思う方は、相当古い狸サイクルをご存じの方と思います。

 今の店舗から数えて、三つ前の阿佐ヶ谷団地時代の店舗です。狸サイクル2店舗目の店先です。この記事は10年以上前のものになりますね。

 うれしいことに、再度メンテのご依頼をいただきました。

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 前後ホイールは、持ち込みで交換しました。かつての記事にあるように、16Bゴールドで組んでいたんですね。十年サイドも陥没せず、無事任務を終えました、お疲れさん。

 マビックのヘリウムかな?ポン付けですが(振れは取りましたが)、赤同士でなんとも相性がいいですね。

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 かつての山岳用のホイールですね。こいつのタイヤを見ると。

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 ヴィットリアのラリーです。昔は激安だったのが、今はそこそこの値段しますね。しかり、ラリーということは?

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 そうです!チューブラーです!特にこだわりは無いようですが、チューブラーを使い続けるということで、スキンサイドものがいいということでした。しかもリムテープでなくて、セメントでというんで・・・別の意味でのこだわりか?

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 かつてのはサンツアーの5速でしたが、ホイールが変わって、8速のスプロケに出世しました。もちろんチェーンも交換しています。シルバーのきれいなやつね。TAYAというメーカーです。

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 前後ともに、ブレーキシューを交換。普通に効くようになりました。

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 ワイヤー類もすべて交換。この辺までやれば、かなり、いい状態に戻ります。

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 サドルの革張りは別の機会にすることにしました。

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 8速のWレバーものに変身です。昔はこうした車体で、レースしていたんですね。今のレーサーとは形は相当違いますが、乗る奴が乗れば、今も負けないくらいの迫力はある。

 ただ、自転車の形状としては、これはこれで独特な雰囲気を残している。何も当時のウールジャージを着なくても、かなりカジュアルな服装でも、こいつとは合いそうだ。

 一歩現役から退いたかつてのロードレーサーは、カジュアルなレーサーとしての形式を既に確立しているようにも感じられますな。手元変則でないという意味で多少は不便ながらも、そんなに先を急ぐでもなし、ちょっと余裕をもって、と言いつつ切れのある走りを残す・・・。

 そういうジャンルの自転車として、さらに積極的に再生できないか?なんて感じるんであります。

 思われているほど鉄レーサー自身は古くはない。ナウでヤングな現代的スティールパイプで組んだら8キロ台のレーサーだってできる。足のあるやつだったら、しっかりそのレーサーで戦えるはず、今でも!

 と同時にこうした、別のイメージでのレーサーとしても再構築できるとしたら・・・、やはり鉄フレームは最強だよね。

 30年後、今のカーボンフレームがクラシカルに感じられることってあるかな?アラン以外のアルミフレームでクラシカルな良さを体現しているものってある?

 いや、あるかもしれないが・・・、即座にある!といえる鉄はそういう意味でも最強なのである!と思いますぞ!

 これで、10年後・・・それより手前にまた、おいでください!大切に大切に、レーサー乗り続ける方を、当店は大切に大切にいたします!

実験演習の油圧ブレーキ



 こいつを預かってから、正確にはこの二つ前くらいか・・・、油圧ブレーキに関するすったもんだが、始まった。

 旧疑問について、なるほど!と思うことと、さらなる新疑問の中で彷徨中というのが現状かな?そういうもんだと思えばそれなりに扱えるところまでは来た。だが、なぜパッドの減りを追いかけるようにピストンの幅が縮まるのか?未だにわからない。つまり、ローターとパッドの距離は変わらないという事らしいが、オイルが増えているわけでもないのに、なぜ、設定より前に押し出した状態で、止まるのか?

 未だにわからない。まあ、ローターとパッドの距離については、設定時にいいアイデアも浮かんだんで、それを実行していけば、きめの細かい対応ができるんじゃないか?とは思うが・・・。

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 シマノ製とは色々異なる、エイビッドの油圧ブレーキ。まずオイルからして違う。バイクのドットオイルを購入したほどだ。細かい違いはあれど、基本は同じ・・・それがわかっただけでも収穫だわな。

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 パッド交換は、油圧もメカニカルも同じ・・・、これはまあなんとかね。

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 左前ブレーキは、しばし現役でがんばってもらうことに。引きもいい感じだよ。

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 機械による圧送も試したし・・・、しかしこいつは便利だわ・・・。

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 注射器で圧入するという非常にアナログな方法もやってみた。原理は一緒で、手間は別だわ。なんかメンテというより、治療しているみたいだね。

 色々やって、エアもしっかり出したりしたが。どうも内部のどこかが漏れているらしい。古い錆びたネジなんかをこじ開けたりしたし、かなり使い込んでいたんだろうと思う。

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 右後ろのエイビットコンビは、この度引退してもらうことにした。お疲れさん・・・。

 変わりは・・・、オーソドックスで。

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 シマノの油圧ブレーキに交換。オイル交換の時には注意しないとね、コチラはミネラルオイルなので・・・。

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 キャリパーも当然新しい。しかし・・・、原理は同じながらもちょっとずつやり方が違うには、多少困ったが、やはりこれもまた経験。今はPDFで古いマニュアルも読めるんで、助かりますな。

 色々細かい違いがあるのは、確立されるまでの試行錯誤のあとのようなものかと思う。ウーン・・・この形式だと、オイルの圧送時にホースが抜けて、回りがオイル浸しになり得るなあ・・・なので主流でないんだな、これは?なんて考えながら、初めての形式のものにオイルを入れていく。

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 試乗はしたぞ!何度も何度もストップアンドゴー繰り返してね。やはりブレーキだからね・・・。

 油圧ブレーキの引きは、確かに軽い・・・。子のせ自転車のブレーキにいいんじゃない?なんて思うようにもなった。

 最強の子育て自転車・・・、そんなに遠くないうちに出るよ。

 前ブレーキは油圧ディスク。ハブダイナモが付いていたら、尚いいね。でかいカゴ、前子のせ、後ろ子のせ、持ち上げハンドル付きサドル、リアのタイヤはノーパンクのタンナス入れようか?ギアは外装でもいいな・・・。後ろブレーキはVブレーキでも、ローラーブレーキでもいいか・・・。

 などと、油圧マニアになりそうだ・・・。もう一月経ちますか、あの夢の台湾出張から・・・。

 この油圧については、ちょっと貴重な続報があります!相変わらず、十数年先を行く当店から、画期的自転車のご提案があります・・・。エエ?何だって?まだ135エンドなんて無駄に広いダッセーシングル車体乗ってんの?

 なーんちゃってね!というような企画であります!柳さんと当店コラボの大企画・・・。デモ車ができたら、もちろん公開いたします。当然テクトロも噛んでますぜ!

 お楽しみに!

事故車の扱い



これが事故車という事で持ち込まれた一台ですが、一見して無傷のようにも見受けられますが、車に乗り上げたという、レベルの事故なので、計測してみる必要はあるでしょう。

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 目視で判断できるのは、今回は前後ホイール。曲がっています。

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 ブレーキシューに干渉するところから、離れるところまで著しく曲がっていることがわかります。

 外からの力で曲がったリムを、中からのスポークの力で戻すのは不可能です。仮に真円が出たとしても、それは無理をかけている、つまりスポークのテンションにバラ付きがあることなので、体重がかかるとまたすぐに曲がってしまいます。

 そういうところからこのワンペアは交換となりますね。

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 サドルに傷が付いています。しかし、厳密に言うと、これが今回の事故でついたものなのか?それ以前からあったものなのか?については、わかりません。

 ある程度乗り込まれた車体には、常にこのような問題がつきまといます。その辺なんかもしっかり公開しながら、話し合いの場を作っていくことかと思いますね。

 で、今回はそれだけか?

 いえいえ、鉄フレームに関しては、まず計測して、もし狂いが出ているなら、それを治す・・・という事を行います。

 フレーム精度検査1_convert_20171120221544

 これは柳さんに依頼します。

 フロントフォーク制度検査_convert_20171120221556

 パーツをすべてバラして、柳さんに渡しまして、報告書を作ってもらいます。

 これをもとに見積もりを作るという事になります。ですので、見積もりを作る際には既に工賃は発生していることになりますが、これは仕方ないことかと思います。少なくとも当店の見積もりは、そうやって作りますということは相手に伝えることにしています。

 パーツを外すのも、計測するのも、修正するのもすべて手間がかかることなので。そしてそれをしないで作る見積もりはあまり厳密なものとは言えないでしょう。もちろん、元の自転車の状態や、乗り手の考え方などによって、そこまでするか?しないかの判断は分かれますが。

 保険屋さんは、元の値段より高く付く修理費は基本出しません。ただ、自転車に関しては、車に関するよりも慣例に縛られる割合は比較的低いようにも思います。そういう意味で、聞く耳を持つ保険屋さんが増えてきたとも言えるかも知れませんね。

 一昔前、またはタクシー系の保険屋さんなどには、そんなこと言っていいんですか?まとまる話もまとまらなくなりますよ・・・、と言うようなことも何度かありましたからね。

 車はかなり事務的な慣例的な処理がなされているようですが、自転車に関しては、その基本に人対人、という側面がまだ強いようにも思います。

 今までいろんな保険屋さんとやりとりしてきました経験からの実感に過ぎませんが・・・。

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 新しいホイールがつきました。

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 タイヤを古いホイールから移植したので、あまり新しい!感じはしませんが、真円の出た新しいホイールです。

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 今回ボスフリーの形式から、スプロケの形式に変わりました。ちょっとグレードが上がった・・・とも言えますかね。

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 サドルも今回は交換。

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 フレームにも曲がりはなく、ホイールとサドル交換で済みました。

 一般の保険常識からすると、今回廃車になる予定だったものが、なんとか持ち直して、安全に走れるような形として再生いたしました。

 事故はないに越したことはありませんが、起きるときには起こってしまう。そうした時には、公正を旨に自転車とその利用者の希望にできるだけ添うような立場で対応するのが当店のやり方かも知れません。

 事故を機に買い換えたい、というのであれば、それはそれ。事故に遭ったができればこの車体を乗り継ぎたい・・・というのであればそれもまたそれ。できる限り希望にかなうようにいたします。

 車はこれまでの慣例の数が多いので、形式的にかなり確立されているようです。それに対して、自転車は複雑でしょう。

 二万前後の実用車だったら、かつてのごとく「五年経ったら償却ですから」なんて形式が通ったかも知れませんが。今や一台数十万の自転車も、普通に街道を走っています。そして、その間にあたる自転車もまた相当走っているわけであります。

 そして重要なのが値段だけじゃあない、乗っている人たちの自転車に対する思いから何からして違うわけですから、保険会社も一つのスケールで事が済むわけがない・・・。大変だと思いますがね、ともあれ、事務的な処理よりも、話し合いをしっかりできるような環境作りが大切でしょうな。

 形式的に、というより、双方の言い分を聞きつつ、慎重に判断をする、そういうところに関わっていく訳ですから、当店も依頼者に寄り添いつつも公正にそうした環境に寄与できる動きをしないといけませんな。

 事故処理は大変ですが、被害者はもっと大変・・・、ハイ、真摯に向き合い、最後までおつきあいいたします!

名車中の名車・・・かも



 こんなところに無造作に置いてあると、ただの小径車なんだが・・・、

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 ラベルにはしっかりと、アレックスモールトンと書かれてある、しかもイングランド。お城製じゃない?(お城製ではないようです)

 ある意味一財産だよね。

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 ワイヤーがダメになったのと・・・、

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 ここ暫く放っておいたんで、メンテもかねて・・・という事だった。この名車は、いつもピカピカにしておかないとね。

 店主は正直小径車には興味は無い・・・が、折りたたみの雄が、ハンドル回りを除いたブロンプトンだとすれば、デモンタの小径の名車といえば、一も二もなくこれ、モールトンしかないだろう、と思う。

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 まずはキレイに面倒見てやろうじゃないか?という事でワイヤー類は交換。ブレーキから、シフトから、スゲー動くようになったよ、当たり前だが・・・。

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 チェーン交換に、スプロケその他も洗浄、名車なんだからもっときれいにしてやんな!

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 ブレーキシューとその他の汚れで真っ黒だったリム、大森社長が見過ごすわけには行かない、頼まれなくても、やってしまう。

 あとはBBも交換したよ。

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 トップチューブの中心あたりに、幅を取ったトラス構造がある、これがヨジレを完全に阻止している。そして・・・、

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 そして角度をかえて下から見るに先の幅広の横棒はなんと三角構造、強度が上がるわけだ。まるでクレーンのよう。まさにトラス構造というもんだわな。

 そういう意味で、自転車屋と建築屋、設計屋がコラボしたら、さらなる面白い自転車もできるかも知れませんな。

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 そうした剛性設計があるせいか、この辺のフロントフォークには弱いサスがある。このサスは神経に障らない・・・、微妙な良さがある。

 そして

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 サドルの裏にもエストラマー・・・とか言ったか?高分子か?の素材が噛んであり、これも超剛性をいい程度に緩和してくれているようである。

 これをドロップにして、本気モードにでもしたら、そんじょそこらのレーサーとは互角に走る・・・そうだ。

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 それにこれらが、本当か嘘か?イギリスの古城のなかで作られているという物語まで付いている。

 なるほど自転車を設計して、世に出すという一つのあり方が、ここに示されているんだろう。なるほど・・・、自転車を作るというのはこういうことか・・・とね。

 なんか変に納得しながらの、モールトンであった。これに続く、より画期的な、小径車の雄は、どうも当店回りから出ることになりそうだ・・・、数年以内に、世界をあっと驚かせる、そういう一台ができる、多分だが、その確率は大分高い。

 それこそ百年、二百年をにらんでデカイ、計画のうちのなかでの話ね、その完結にもちろん店主は立ち会うことはできないが、デカイビジョンと骨太の方針は、既に練りつつある・・・、気長にお楽しみを!

自分のにおいをつけていく



 購入した状態で乗っていたものが、使っている内に、より自分の用途に合わせて自転車を変えていきたくなることが起きてくる、至極まっとうな展開だと思います。

 大半は機能的だったりもしますが、ブランド的だったり、非常に趣味的だったりなど色々あるでしょうな。

 今回は機能的な展開が主なもの。もう少し山に行きたいがもっと楽にできませんかね?という。

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 このコンパクトクランクをトリプルにできないか?ということでありました。着眼点をギア比に置くのは間違いではありませんが、トリプルですか・・・。

 かつては立派な選択肢でありましたが、今やトリプルは風前の灯火のような状態。

 フレームの中心からペダルまでの距離をQファクターなんていいますが、これは基本狭い方がいい。真下に踏む方が効率いいんでしょうな。

 そういう意味で、ツーリング車で使っていた経験は店主にはありますが、それ以外ではあまりおすすめはしたくはない・・・ものであります。

 そのためのコンパクトクランクなんですからね。とすれば・・・、

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 コチラをいじる方が、今や現実的な選択と言えるでしょうね。

 12-25のスプロケを交換する方向。今は遠目にホイール電動車かよ!と思えるほど、スプロケの巨大化は止められない傾向にあるようです。先月の台湾でも40台のスプロケがありましたよ。お盆並だよね・・・。

 前シングルのリアスプロケの巨大化というのが流れらしいね。その流れは好きか?と言われれば、好きではないが、その路線でいいものがで始めてくると、使わざるを得なくなる・・・。

 5枚上げるか・・・。

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 12-30なんていうのに交換。かつてはせいぜい27くらいまでだっただろう?ロードコンポとしてその上もまだあるって言うんだか、スゲー時代になったもんだ。

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 この流れで、よりデカイスプロケに交換する可能性もあるので、ロングゲージのリアディレーラーに交換。

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 この調子で登りがうまく行けるようになると、峠行きが多くなる、登るということは、同時に下るということもつきまとってくる。下りで重要なのはブレーキ。

 こいつは、お客さんの要求通り、グレードを上げた。

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 現行105に交換であります。

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 このブロンズのブレーキってどこから来てんのかな?わからないが効かないわ。

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 交換します。まあキャリパーでもこのくらい効くようになると、メカニカルディスクの必要はまあ当分はない。レーサーにはキャリパーで十分であります。

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 あとはご本人は、下ハンドルはあまり握らないとおっしゃってはいたが・・・。下りを安全に下るとなると、どうしても下ハンは重要なポイントになる。下ハン握っていれば、下りの段差などで手が外れることはない、ブラケットだとヒヤッとすることあるからなあ。

 下ハンから、このSTIはシフトアップができない構造になっている。ブラケットポジションしかできないツーリング仕様といってもいいんだな。これはある意味ドロップハンドルの性能を引き出すには今一だよね。だからか、この形はなくなりつつある。

 なので、今回山登り、そして下りに向けて、この辺を交換してみた。

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 このタイプのSTIなら、どこからでもシフトアップ・ダウンが可能であります。より距離が伸びて、乗る時間も延びるようになると、こういう細かいところが重要になってくる。たぶん早々にその意味がわかってくれるんじゃないか?と思いますがね。

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 より機能を上げて、再生完了!

 あとはポジション・・・かな?機材は整ったので、今度はエンジン=人体の取り付け角度としてのポジショニングだね。持っている力をどういう角度から入力したら、効率がいいか?最初は乗ることで精一杯で、そんなこと考える余裕もないかも知れないが、最後はそれがすべて・・・というくらい重要になってくる。

  一定乗れるようになってくるとしよう、もし自分の自転車以外の車体で長距離を乗らざるを得なくなったとき、車体選択の基準は、一体何が優先するだろうか?コンポか?フレームの素材か?ブランドか?ポジションか?といったら、乗れるやつはほとんどポジション優先するだろうね。

 ポジションのでないデュラエースのカーボン車体なら、ポジションの出る、ハイテン、ソラコンポだろう・・・極端なことをいうとそういうものではないか?とすら思えてしまうのであります。

 なので次は、その辺を軸に少しずつ調整して行けたらなあ、と思いますね。

 車体は整えた、次は乗り手のポジションだ、その両者がピタリとはまって、距離が伸びる。足もできてくる、自分の自転車のポテンシャルに気づいていくる。その内ポテンシャルを超える領域に人体が移行することがある。そうなると、また車体を整える必要が出てくる・・・。

 こういう車体とエンジンである人体のデットヒート状態なんていうのが、自転車の理想的な展開なんじゃないか?なんて思ったりもする。もちろんそのデッドヒートも、その人なり、自転車なりなんだがね。

音がする 音が鳴る



 もらった自転車なんだが音がするんだ。確かにする・・・。

 その異音をとって欲しいという依頼。来たよ・・・。しかもどこからか?というと。

 同級生の青山君からなのだ。彼は知る人ぞ知る、青山自動車工業という、非常にマニアックな施工依頼も断らない、非常の希有な自動車屋さんなんだよね。

 引っ越しの時も軽トラ貸してもらったりと大変世話になっている古い友人なのだ。

 二人とも杉二小出身。なんと親同士も同じ小学校の同級生同士という仲なのだ。青山君は、小さいときから絵が上手、歯と歯の間からスーヒー音出しながら、サッサッサと描く絵がもう学年を越えていたね。

 絵だけじゃない、冗談のセンスもあったなあ。お絵かき帳をもじった「とえたぴ帳」というのを作っては、連載で学校での出来事をパロって描いた漫画は大受けだったのを思い出す。

 なかでも、星ピュン(星雄一君)と音楽教師木山先生とのからみをいじった作品は最高だった・・・。

 そんな側面を持つ彼だったが、お父さんの家業を継いでエンジン・機械の方に行ったというので、最初は驚いたよ。てっきりイラストとか漫画家になるかと思っていたからね・・・。

 そんなこんなで、結構年いってからまた絡むようになって、彼は彼で、店主が自転車屋をやっていること自体が不思議でならなかったようだ。確かにねえ・・・、末はサオ師かエロ作家・・・のはずだったが。

 でも分野もレベルも、向こうは車でこっちは自転車で違うんだが、ちょっとした機械の話なんかで今結構盛り上がるし、彼から学ぶところは非常に多いんだが、まさかこんな話をできるようになるなんて、お互い驚いているとろこはあるなあ。

 先日も、例の油圧ブレーキの件では、随分時間を使わせてしまった。ペーパーロックの話なんてすべて彼からのパクリなのだ。

 彼がフェイスブックなどで上げている仕事ぶりは、既に板金では超人的だわ。車というより、カエルの遊具の修理かと主ったら、イタリアのなんとかっていうスクーターだったかの修理とか。アチコチ回って結局杉並の青山自動車に来るということらしい。

 そんな彼から音鳴りの依頼ときたら、コチラもなんとか沽券をかけてと気合いは入る。なんとかより良くして戻してやらないとな、と。

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 しかし何度も書いてきたが、音鳴りというのは難しい。まずどこから出ているか?というのを走りながら特定するのが難しいのだ。大体はわかるが、押さえるのが難しい。走りながらだしね。車体はつながっているしね。

 そういう時は、締めるところを締めて。交換できるもんは交換するに限る。チェーン交換。音鳴りは少し収まるが・・・なれば・・・。

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 ボスフリーか?この手の柔らかいボスフリーを変速しないで使い続けるとピッチの関係で歯飛びや音鳴りの原因になり得る。高くもないので、交換してみると。なんか静かになったような・・・・ね。

 今回はクランク回りのBBのグリスなんかも入れ替えてみた。そうしたら、静かになったような・・・・。。踏み方によっても、体重によっても音鳴りは変わる・・・、厳密にいえばなんだが、でも普通に乗る人にはほとんど関係ない、音鳴りはしないに超したことはない。
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 シフターもリアディレーラーも緩いといえば緩いんで、その間のワイヤー交換して、両サイドを締めてみる・・・。音鳴りはまあ多少は・・・。

 ちょっとした原因がアチコチに点在している場合には、一気に激的に解消するのではなく、徐々に徐々に静かになっていく様な場合もある。

 そうした場合困るのが、どこで落としどころとするか?ということ。通常なら、まあこんなもんか?で済むもんも、青山君のものとなると・・・。誤解を避けると、彼がクレーマーのようにうるさいやつでは全くないということ。むしろ受け入れタイプ。

 だからこそ、有無を言わさない解決を見たいところなんだが・・・。

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 仕上がって、何度も乗る。急ブレーキかけたり、荒めにシフトしたり、体重かけて踏んでみたりと色々やってみて、まあ、合格ラインかな?というところで、終了。

 彼が乗って帰って、「調子よかったよ!」というメールでホッとする。いわゆるクレーマーなどの対応なんかよりも、機械を知り尽くしているやつの無言や、OK!の方が数倍脅威であり、うれしいもんだ。

 本当良かった・・・、車でお困りの時には、杉並の青山自動車へ、自転車でちょっと困っている人は、西東京の狸サイクルへ、これを称して、杉二連携!といいましょうか?

思えばヘイズ・・・から



 ヘイズ、なんかハーレーのブレーキを作っているんだそうだ。

 油圧ブレーキネタが続きますが・・・。このヘイズの調整から始まりました、今回の油圧騒動、まあ一台で終わるかと思いきや、いきなり台湾のテクトロ工場見学までやってしまい、テクトロテクニカルサービスセンター(仮名)にまで一気に上り詰めるに至るとは・・・。

 マウンテンどうでもいい派の典型的な店主。ディスクブレーキ?な・・・なんで?ってなもんでしたよ、今でも半分・・・かもね。

 それが今は、いくつかの油圧コンポで何組もうか?と画策している、しかもそれ楽しんでいるのだから、その変わり身が自分でも面白い・・・。

 まあ、できなかったことが、できるようになるになるというのが一番刺激的か?その内、サスペンションの調整にまで手を出したりしてね・・・。

 まあ、あんまり好きじゃあねえけど、やってやるよ・・・なんてちょっとかっこいい・・・かも。

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 パッドの交換はメカニカルも同じ・・・、油圧のデメリットと言われるように、調整がきかない・・・とか、その辺にもっと食い込んでいきたいね。

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 ディスクは使っている内にキャリパー自身が高温になる、摩擦でね。そうなるとオイルが沸騰して気泡ができる、ブレーキが甘くなり、聞かなくなることもある、ペーパーロックというのだそうだ。

 車で下りの峠で、エンジンブレーキかけないで、ブレーキ踏んでいると起きる現象なのだそうだ。となれば、沸点の高いオイルが高級という事になる。

 そういうことがあるとすると、例え、止まった状態で最高の引き調整をしたとしても、下りに入るやいなや、ブレーキが甘くなってしまうのはどうしても避けたいわけだ。

 となると、空気を絶対に噛まさないというやり方が、王道となるのはわかる。だから、調整がきかない・・・というのだろうか?

 他にやり方無いのか?しつこく考察は続くのであった・・・。

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 チェーンの交換・・・。

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 スプロケの掃除など、ドライブトレインをちょっと調整。

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 シフトワイヤーの交換・・・。もし油圧ブレーキと、電動シフトになるとワイヤー類は一切いらなくなるんだね。

 まあ最先端はそうなるんだろうが、自転車が身近な乗り物である限りワイヤーが滅びることはないな。

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 今回は小技があった。最初に言っておくが、これはアンテナじゃないよ。

 これはクランクの部分なんだが、ペダルと共締めになっている。

 こいつを下ろすとどうなるか?

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 はい、スタンドに早変わり!という事です。でもあくまでもこれは簡易ものですね。ちょっと力をかけたりすれば、即破損になりかねないくらいに、華奢であります。だから、粋に見えるということもありますが。

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 パープルならぬ、グレーンヘイズのクラインなのであった。ちょっと、フロントブレーキなんかの調整の実験もさせてもらいました。原理は一緒でも、細かいところが違う、それをいくつ消化したかで、今後のキャリアが変わってくる・・・、ありがとう!その分最初より大分良くなったよ!

一進一退とはこのことね・・・



 相変わらず、楽しく油圧ブレーキに忙殺される毎日です。

これはテクトロ工場から解体用に持ってきたブレーキとレバー。しつこく内容を聞くもんで、自分でバラしたいと言ったら、快諾してくれた。

 なので、内部を知るためにバラす。構造を知らないと、本当に応用というものができない。ブラックボックスは嫌いなのだ。だから電動はいじらない・・・。

 いやも応もなしに、これからはロードだって油圧式になるだろうな、キャリパーブレーキだって油圧になるかも・・・。なので、構造はどうしても押さえておきたい。

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 こいつがレバーで・・・、

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 その反対がディスクのキャリパー、こいつがディスクを挟んで制動するというしくみ。

 まずは、キャリパーをバラそう。

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 ブレーキパッドを外してみた。これに関してはメカニカルも油圧も同じだね。真ん中にあるやせた金具は、多少ともこの二枚のパッドを開く様に作用しているが、いかんせんその力は小さい。

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 高級なものにはワンピース構造のものがあるようだが、こいつはツーピース、二本のボルトを外すとこんな具合に簡単に二個に分解される。この銀のピストンが裏からオイルで押されパッドを通じてディスクを挟むという構造だ。実に単純。

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 ピストンを抜いてみる・・・といっても簡単に抜けるものではない、半端のない密着なもんでね。キャリパー本体にブルーのシーリングのようなものが見える、この間からオイルが漏れたら、ブレーキは効かないのと同じなので、その密着は厳密なのだ。

 因みにこのピストンなんだが・・・、

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 直径22ミリ程度・・・。そして、

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 ホースの穴が直径2ミリほど、面積の差は約120倍なのだ。正確にこのホース穴と比較すべきか否かは別に、この断面積の差と、オイルの移動距離との間に、あたかもテコの原理のような法則がある、つまり小さい力で、大きな力を生む形式ね、それを称してパスカルの原理というそうだ。

 パンセのパスカルなら多少はわかるが、あのパスカルはホモ・ウニベルシタスの典型のような人、つまり普遍人、超人的何でも屋なんで、店主のまったく預かり知らん側面があってもまったく不思議でない。ほぼ同時代のデカルトしかり、ライプニッツしかり、ニュートンしかりなのだ。

 かつて気圧の単位をミリバールと言った、今でも自転車の空気圧にはバールが使われているのもあるが、最近の天気予報なんかでは、ヘクトパスカルという言いますね、こんなところにも生きてますな。

 人間は考える葦である、という名言を残している、それを言ったら、自転車乗りは考える足を持っている・・・。

 話を戻すと100キロ近い速度で下っている自転車を指一本で止めることができるのは、このパスカルの原理を応用した、油圧ディスクのお陰という事になる。何トンというトラックを足一本でとめるのも同じ・・・。

 キャリパーは意外に単純な構造をしていることがわかる。では今度はレバー側と行こう。しかし、バラすには新しいものに限る・・・。古いものはどうも、ねじ類やブッシュらがさび付いたり劣化しているため、一度外すと、以後元に戻らない、から、そもそも外せない、などと言うことも起こる。

 ここで一つ変なことに気づく。オイルを抜いているはずなんだが、つまりブレーキ内部や、ホース、レバー内部に圧はかかっていない状態なのだが・・・。

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 このように、レバーを引いて・・・離すと

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 レバーが戻るという現象が起きている。これは最近悩まされている、AVIDとはまったく異なっている、あいつはオイル抜いたら、空気の抜けた風船のように、押したら押しっぱなし、引いたら引いたっぱなしなんだが・・・。

 よし、分解を進めよう!

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 イモねじを外すと、レバーは簡単に外れた。中にレバーを押していたピストンが見える。その奥にはCリングがあって、それを外さないとその奥にはいけない。

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 なんとかCリングを外すとピストンを押す棒と皿が出てきた。

 さらに外すと・・・

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 小さいピストンの本体が出てきた・・・そして・・・、

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 そしてその奥から出てきたのが、このスプリング・・・やはり、オイルの無い状態でもレバーが戻っていたのはこいつのお陰だったわけだ・・・、一つわかってスッキリ!

 ただし、このスプリングがないと、油圧ブレーキは機能しないのか?というと、どうもavidはそうじゃないんじゃないか?とも思えるんだが・・・。

 このバネ外して実験してみるか?

 水の入った風船を外から押せばそこだけへこみ、へこんだ部分はその他の容積に加算される、つまり中の量は変わらない分、へこんだ分、他へ移動しているはずだ。このように加圧されているものは、押した分、他に作用するが、押すのをやめると、元に戻るという性質はあるだろう。

 テクトロはそれプラスバネの力で戻している元の考えられるが。それがなくても戻る・・・じゃないか?とすら思えてくる。

 そしてまだ疑問は残る。油圧ブレーキはパッドが減っても、調整いらずという。確かに、挟む物の厚みに応じて(反転するに、挟む方の厚み(パッドの減り)に応じて)、一定程度後退してくれる性質があるようだ。

 実際、挟む物の厚みを変えてやってみると、薄くなったらなったに応じて、ピストンが追いかけてくる様に見える。そして最初の厚みの物を挟もうとしても、ドライバーなどで広げてやらない限り、挟むことはできない。ある意味薄くなるものに応じて、自動的に、ブレーキをオープンにした際の、パッドのとどまる距離まで狭まってくるようだ。

 しかし、中に入っているオイルの量が変わらないのに、ブレーキをオープンにした際、なんで最初にセットした位置より前で、とまる様になるのかわからない・・・。オイルが増えたのならわかる、その分ピストンも前に出ざるを得ないからね。増えてもいないのに、なんでピストンがより前に出た状態で、とどまることがができるのか?

 リザーバータンクというところに秘密があるのかな?ダイヤフラムという風船のようなものが、加圧時、ぬけたオイルの空間を埋めるという働きがあるようなんだが・・・。

 または戻りに自体に一定の距離を決める構造があるとか?とか?

 基本を知らないと、応用が利かない、ましてやブレーキなんて勘所中の勘所なんで、この独り言、八つ当たりは、当分続くかも知れないが・・・、退屈しないでね!

 それなりに辿っていくんで・・・。

 何より老化防止じゃ!

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 しかしこぼしたオイル、捨てたオイルの上をサンダルで行き来するものだから、床はまあ、こんな調子。暫く続くぞ、潤って悪くない!と思おう・・・。

修行は続くよ オイル引き



 この秋、ひょんなことでお誘いを受けて、台湾のテクトロ工場見学なんて行かせてもらったもんだから、それまでディスクブレーキといえば、ワイヤー引きのメカニカルディスクが主だったんだが・・・、いきなりオイル引きのブレーキに手を染める展開となってしまった。

 まあ、どんなに拒否ろうと、時代の流れはオイル引きディスクに行くんだろうから、覚えておいても損はない、くらいに思っていたんだが、なかなか重い腰はあがらない。

 こんなご縁でもないと、ディスクへの関心は行かないだろうなあ、と店主という人間を熟知している店主は思うのであった。

 でも開いてみると面白いもんだ、自らの面白がりや的性格も手伝ってか・・・、後そうだなあ、テクトロという企業自体の面白さも存分に思い知ったこともあってね、今や、店主はオイル引きブレーキに関しては、かなりオープンになってきている・・・。

 まさかそれでも、店主自身がディスク車に乗るとは今でも半信半疑なんだが、オイル引きシングル固定なんて、いつの間にか乗っていたりしてね・・・、気づくとディスク台座付きカーボンフォークなんかを探していたりして・・・。

 あとディスク用のそこそこハブって何だ?なんていつの間に疑問に思っていたり・・・変な兆候だな。

 それはともかく、狙ったわけでないが、不思議と関連の仕事なんかが来るようになる。

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 パッドの交換と、ローターの音鳴りの件でやってきた。

 パッドの交換だが、種類あるねえ・・・。パッドがすり減ると、通常ならローターとの間が広がるはずだが、ローター自身が曲がることもあるので音が鳴る。

 ローターの曲がりを矯正するいい方法・・・、振れ取り台を使ってできそうだよね。別にセンサーを取り付ける台座を作れば簡単にできそうだ・・・。

 あとはパッド交換の時に、調整もかねてオイルの入れ替えもしてみる。

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 オイルの圧送、循環器。ただし、ブレーキオイルには二種類があるんだそうだ。一つの機械で二種類は扱わない方がいいだろうなあ。

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 この手の機械を使うと時間の短縮は相当のもんだ。
 
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 ただ、当店の今後の扱いから考えると、ドットオイルが主流にはなりそうにないので、この機械だけではない、別の方法もしっかり身につけておかないとな。

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 練習もかねて、何度かやってみることに。

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 今度は自分の手で圧送する。注射器ってなんか遊んでいるみたいだな。水鉄砲ならぬ、油鉄砲だ。

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 押した分コチラは引くはずなんだが、最初は注射器自身も固いのか、動いたり止まったり・・・。

 できるとこまで分解したり、原理を先輩格に習ったり・・・。

 そもそもなんでオイル引きのブレーキ、握りから手を離すと戻るんだ?という疑問があったんだが、テクトロの製品でわかった!と思ったことがエイビッドでわからなくなったり。

 高校の物理か?パスカルの原理なんてのを教わったり・・・。

 もうちょっとしっくりくるまで、チト時間はかかりそうだが、とりあえず、取り扱いのイロハはわかってきたような感じだ。

 これからが調整の妙をだしていくとこだろう、挟む板、厚みの違いを何枚用意するか?なんてことがね。それこそコンマ何ミリの調整なんだがな。

 老化しつつある頭には、こうした新たな分野は、刺激になる、そういう意味でも取り入れていくことに怠慢にならんようにしないとな・・・、次はサスペンションか?いや・・・そちらは・・・、中国語・英会話くらいで勘弁してくれ・・・。

あっぱれ!進化形!このつぎは・・・?



 つい最近の改造例で、こいつが・・・

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 こんな風に変身したという、話はちょっと前ですが、やりました、覚えておられる方もいるかと思います。

 まあ、暫くはこれで行くか?次はホイール・・・あたりかな?半年後?なんて考えていたんでありますが・・・。

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 レレレてなもんで、もうすでに交換の要求がやってきました。それまでと同じギア比だったのに、この形に改造してから、距離を乗るようになった。

 西荻から、浅草まで・・・。途中であまりの軽さに、足が疲れたと・・・。

 なるほどね、回りすぎた訳か。回転技が身につくまでにちょっと時間がかかるが、それまで待てない・・・というのであれば、クランク交換かな?という事で話が進んでいたんだが。

 後日こんなものを持ってきた。

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 ジャイアントをシングルで乗っていたらしいが、こいつに付いている、クランク。

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 これを移植できないか?と相談にやってきた。いやいや、すごい進化形だよね。自転車パーツの移植という発想は、自転車を完成物ではなく、構成物としてみられるようになったということを意味します。これからの伸びしろが楽しみだよね。

 なので、その発想を体感させるため、改造実用車のクランクと、こいつを入れ替えてやった。

 つまりジャイアントに実用車のちっさいクランクが付けてだ・・・、

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  こうなったという訳なのね。材料費がほぼかからないという、掛かるのは手間代だけ・・・。いいぞ!いいぞ!その調子だよね。

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 ただ、クランク形状が変わったことで、リアブレーキと干渉を起こしたので、別物に交換です。

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 後はチェーンをちょいと長くしないとダメでした。

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 中心に金のクランクなんて、ちょっとかっこいいよね。

 これで、一踏みで前に出る距離はグーンと増えるんで、進む!という感覚は得られると思いますよ。

 西荻から浅草まで、少林寺拳法の修行にどうぞ使ってください!

 やっぱり、異分野であっても体を使っている人に、自転車を伝えるのは、非常にやりやすい。

 乗り手としても、いじり手としても、改造主としても、今後この人は伸びていくよー、すさまじい展開をしそうだわ。そう、こういう方をどんどん増やしていけば、自ずと自転車も成熟化していくだろう、店主一人がどうこうではない、人を増やすこと、人が増えていくこと・・・だな、これからは・・・。

掃除と異音とメンテ



 チタンレーサーをしっかり乗っている方なんだが、こいつは普段使い、ヘッドチューブを見るとわかるようにでかい自転車ではある、がたいがデカイからなんだが。

 これがまた異音がする・・・、暫くメンテしていないんで、という事で持ち込まれた。異音問題か・・・、これがまたやっかいなんだなあ・・・。

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コーヒーの後かな?使い込んでいるんでしょうな。

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 雨の日も乗っているんでしょうな。

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 確かに先月は連日連夜の雨でしたわね。ではまず掃除から始めましょう。

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 自転車に関しては・・・、正確には自転車に関しても、なのかも知れませんな、掃除はメンテの基本です。きたねー自転車から、メンテのしどころは見えてきません。

 きれいにしてはじめて見えてくる、本当汚く自転車乗るやつら、数名いるが、あいつらは直らない・・・。よって変なトラブルがたまにだが起こる。

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 店主は性格的に片付けられない人間なんだが、実はきれい好き。汚いのでも我慢はできる・・・、だって片付けられないんだから、我慢するしかないんでね。でも、キレイであるに超したことはない。

 いわんや自転車をや。自分の自転車のメンテするとき、かつてだが、結構至福の時だった。

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チェーン、スプロケもそこそこ汚れいてる。

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 灯油作戦にて、うまれかわる。これでいいオイルをつけると、すごいよ。

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 アウターは結構いい状態だったんだが、シフト調整などで、インナーのみ交換。アウターにはいいオイルを染ましておくこと。

 そして最後に残る異音なんだが・・・、店主が最初乗ったときにはそれがしない・・・。

 理由は乗る人が異なると、異音も異なる、という事は十分に起こりうる。シフトにしてもそうだ、アチコチにサスのある車体だと、乗る人の体重によって、サスのしなりがこことなる、それがシフトに影響することがかなりある。

 やせた人なら大丈夫なものが、デブが試乗すると、シフトしないなんてこともね。

 今回も店主よりも大柄な方故・・・もしや体重等の影響ではないか?なんても考えた。

 とすると・・・。

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 この辺もあやしい・・・という事になる。

かつて、あるピストの異音問題で持ち込まれたが、各所増し締めして、大抵は直る、異音問題が直らない・・・。何度も何度も確認しても、異音は止まらず・・・。

 まさかのピラー回りに、その原因があったということがあった。

 その点を指摘して、購入元の問い合わせると、確かにピラー付近に問題があり、矯正金具があるから取りに来い、という事だった。指摘される前に、広報しろよ!と言いたくなるが、そんなことよりも、考えてもいなかった箇所が異音の原因だったことの方が印象としては残っている。

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 とりあえず、ご本人に乗ってもらいつつ、再度異音調整と持っていきましょう。なので、今回はここまでであります!

 まさに腫れ物に触れるような異音問題・・・。でもこれを越えてなんぼなんだろうな、とは思う。

激緩!サイクリング・・・の下見完了!



 やっぱり秋は、色々なイベントが続くようで、皆さんお忙しいようだ。

 東伏見保育園の虹組卒業生、東伏見レインボーズという名前になったそうだが、意外と卒園後も仲が良く、忘年会や新年会、夏休みのキャンプなどと、一緒に動いている。

 このレインボーズで、秋の紅葉キャンプもいいねえという話は出るんだが、職場の行事などが目白押しのようで、なかなかスケジュールが合わないんだよね。

 なら・・・、その予定日だったこの日に、ちょっくらサイクリングにでも行きませんか?という事に急遽なった。参加できる人集まれー!

 サイクリングといっても、激緩もんだ。
 
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 あたしこれしか無いの!と電動アシスト付き自転車で来られたお母さんもいた。本来なら、足のあるやつ集めて、タンデムで連れて行くのもいいんだが、それも間に合わず、とりあえず、出発して行けるとこまで行こう!という事になった。

 もちろん店主はそれでも気合いを入れて!

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 ピラーの高い、実用車で参加することに!

 イザ出発!と店主先頭に、走り出す。

 ガキンチョ3匹は、まるでカルガモのように、後を付いてくる。

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 都心ではないが、まだ紅葉なんか・・・と思って走ってみると・・・、色々目に付くね。

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 既にアチコチで始まっているようだ、あと一ヶ月がこの辺の紅葉シーズンだろうなあ。

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 しかし、走って二十分もしないうちに、「のど乾いたー!!!」「うんちしたい!」と・・・。

 あのねえ、なんで出発前に、チョロッとでも飲んで、クソひり出さなかったんだよ・・・。まあ、ガキンチョなんてそんなもんだ・・・、いい勉強させていただくわ。

 コンビニで水買ったり用を足したりして、また出発!

 多摩湖まで続く、サイクリングロードがあるんだが、ここは乗りたての子供を訓練するには最高の場所だね。大人は五十メートルおきにある車よけにうんざりするが、子供には安全で、対面もあったり交通ルールを守るには本当いい場所だわ。

 その終点が多摩湖、多摩湖の周回はいると、これまた車からは安全でいい。おすすめです。

 その途中にふるさと村というのがあります。

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 江戸時代の建物を数軒移築した公園になっていて、無料では入れます。なんと家屋の中にまで入れるというもの。なかなか無いよね。

 そこで古民家を見学・・・。その内、広場で竹とんぼ、駒、ベーゴマ、剣玉なんかをやって遊びました。

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 竹馬なんかが結構はまった・・・。

 その民家の前に、和菓子やさんが出店をしていたもんで、そこで赤飯、山菜おこわ、団子、羊羹なんかを買って、みんなで食べたよ。

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 それぞれの予定なんかもあったもんで、今回はここまでで終了。

 来た道を戻って帰ってきました。全部で三時間くらいかな?でもこれで口火がついた感じです。

 まず、実用車しか乗ったことのないお母さん達が、しゃべりながら結構遠くまで、疲れずにこれたという、自転車の機動力を知ったということ。

 この調子でいけば、約倍の距離の先には、多摩湖があるよ!という事に既に大反応、次回は行く気満々。多摩湖に到着したら、コンビニで休憩して、それから、一周15キロを走るでしょう、なんてことなくね。

 それから、鳥山という、離れのある料理屋で、ちょっと贅沢な昼食とって、しっかり休んで、ボチボチ帰ってくればよし!

 主点の当店で、ビールでも冷やしておけば、お疲れさーん!カンパーイ!とね。

 そんなことが自転車と体とちょっと銭があればできてしまう・・・。そして今は一年ポックリのガキンチョ達だが、四年生ぐらいになることには、たぶん、奥多摩キャンプ地ぐらいまで、みんな自転車で行くようになるだろうな。

 そして中学生くらいになったら・・・。

 そんなことの地ならしの第一歩ということで、ユルユル、激緩サイクリング第一回目終了!

 第二回目も当然あるでしょう、ここで募集してもいいかもね・・・。いっしょにどうですか?

荷つめはつらいよ!



 この秋、ツールド能登に参加のため、当店で梱包して、現地まで送る手はずをやりました。

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 エンドに損傷を与えないように、130ミリの物を挟みます。外からの力で、リア三角が折れないように。

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 エンドを守るだけでなく、ディレーラーを浮かせ、ワイヤーの「く」の字折れを防ぎます。折れてしまうとシフトに影響しますから。

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 フロントフォークもこうして補強して保護します。これは全ねじとナット四個で作れますんで、どうぞご参考に。これが無いと、外から押されたり、横になって上に荷物が来たときなど、フォークが折れかねませんから。

 こうした処理をして、段ボールに入れて、緩衝材などを挟んで、箱の中で自転車本体が動かないようにします。

 この荷物は、無事能登に運ばれて、ツールド能登については、見事完走されたようです。

 雨の続く、結構ひどいコンディションだったようですよ、でもよくやりました。

 大会が終わって、また箱詰めして、送り返したそうですが・・・、問題発生。

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 箱に入れる際、通常なら、ピラーごと外して、緩衝材に包んで、箱の底に置く、それが基本なんですが。なんと緩めて、フレーム側に力尽くで押し込んでしまったということ。

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 ピラーの先端が、シートチューブの内部に刺さって食い込み、抜けない状況になったんです。これだけ太いピラーですから、ただでさえ抵抗はすごい、抜き上げるのに大変苦労しました。また相手がカーボンというのも大変気を遣う。

 そもそも、この異形のピラー、これは一般的な径のピラーとは異なるので、このフレーム専用ということが言えます。万が一、破損した場合、いくらで入手できるのか?こうした専用品のアフターについては、ちゃんとショップに釘さして置いた方がいいと思います。

 それに、この後ろ二点止めの形式も、なんか不安だな。カーボンはねじれなどには強いが、衝撃や、強い力でジワジワ押されるような力には弱い。この二点ボルトのトルク表記がない、最悪・・・。

 これ締めすぎる、つまりオーバートルクになると、ほぼ必ずピラーのとんがりの部分にボルトが食い込んでつぶす形になるでしょう。これは数ミリの調整しながら上げたり下げたりしたら、このとんがり部分はのこぎりの歯のようになってしまう。そうすると、今度は数ミリの微妙な調整が難しくなるんじゃないか?と思うんだがね。

 仕方ないので、今回は5ニュートン位で締めておいたが、同業者曰く、「トルク管理を素人にさせる物なんて売ってはダメ!」名言だね。

 確かに形はかっこいいが、サドルなんて非常に微妙な調整をするところなんで、気持ちコンマ何ミリでもスーッと上下してくれるようなものでないと、不適切・・・と思うなあ。どうもこいつは抵抗がデカくて、引っ張ると抜けすぎていけない・・・、大変ポジション出しにくいピラーですわ。

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 雨の中は知ったためフレーム全体、そしてチェーンとスプロケの汚れが半端なかったわね。

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 あとは、ホイールの着脱をする際に、キャリパーブレーキにホイールをぶつけてを曲げてしまう。

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 曲がっていようが何だろうが、リム挟めば、ホイールは止まる・・・。が、ブレーキごとに、偏った方向のホイールがふられ、ちょうどセンターでパシッとリムをつかんでいるような感覚がとれないのは、ブレーキングには最悪のセッティングといっていいね。

 パンパンパン!とブレーキはリムを挟む、その際、挟まれたリム・ホイールはさようにコンマミリも振れない、これが理想なんだよね。

 輪行したり、輸送したりするだけで、ロードのベストセッティングなどは見事に壊されてしまう。それだけ微妙なところがあるんだが、それでも走れないことはないので、走ってしまう、そしてこんなもんだろう、と勝手に思うというのが、良くないパターンね。

 結構走っている選手だって、細かいところに気をつけて、セッティングして、好みを先読みして、オイルにいいものつかって、アチコチしかけて・・・やって、驚く子がいるんだよね。車体に敏感なのは大変いいことなんだが、一体誰の整備の自転車乗っていたんだ?と聞きたくなるわね。

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 レースやイベント前に見ることは多くあるが、輪行・輸送あとに再点検というのはある意味あまりない。ある意味、一番痛んでいる可能性はあるんだが。

 そういうことで、レース・イベントの前後には、是非、一度お持ち込みください!と言っておきましょうか。できうる限り、その自転車のベストに近いセッティングで乗ってやるべきであります!

定期検診ははやり重要かも・・・



 今ある自転車の中で、最も単純な構造と思われるのが、ブレーキなしのピスト車(つまり競技ピスト)でありましょう。

 フレーム、前後車輪、BB、クランク、ペダル、チェーン、サドル・ピラー、ステム・ハンドル・・・あとはヘッドパーツくらいか?そんなもんで組めてしまう。

 シフトがないので、その調整もいらない。

 公道走るには前後ブレーキをつけて、レバーとワイヤーを張らねばならないが、でもそんなことぐらいで走れてしまう。

 なので、少しの専門工具と知識と経験を持てば誰でも、解体組付けできるようになる・・・はず。

 なんだが、組付けはできて、乗れるようになったからといって、それがベストセッティングであることとは違う。大体でも乗れてしまう・・・というのも自転車なんだなあ。

 単純なこともあって、自分でいじる人が大半のピスト車なんだが、たまには定期点検に出した方がいいんじゃない?というお話であります。

 今回いくつかあったんだが、ヘッド回りがちょっと変・・・、ある角度に来ると勝手にゴリンっと動いてしまう・・・と。

 あしますね、リテナーが曲がったり、ヘッドの締め付けが強すぎたりです。そういう時は、外して、洗浄して、新鮮グリスを入れて、調整してみる。

 やってやって、それでもダメなら、スモールパーツの交換か、それでもダメなら、本体自身の交換・・・という事になる。

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 灯油入りの風呂に入れて、汚れをしっかり取ってやる。

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 グリスの敷き布団に寝かせ、グリスの掛け布団を掛けて、ガタ取りと、なめらか調整を行う。今回はこれで解決した。

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 リアホイールから異音が出る・・・。出た、最大級難しい異音問題・・・。何が原因でどこから音が出ているのか?特定するのが大変難しい場合が大半なんだが、こいつは、異音以前に回転に大いに問題があることが判明。ちょっとほっとした・・・。

 自分でコグを何度か交換してから、音が鳴るようになった・・・と。

 コグ問題だとしたら、コグとチェーンのピッチやライン上の問題が大半だが、まずハブが回らないのでは話にならないので、開けることに。

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 デュラエースという、初期投資がでかかったが、こういうときいいものを使っておくと、いいことはある。はい、ダメだ、全交換・・・という事にはまずはならない。

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 オオ大分、ベアリングが疲れている・・・ようだ。グリスの形跡が消えている。

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 まずは床を洗浄する。

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 最大の問題はここ、玉押しに虫食い傷がある。これでは回転はダメで、ことによっては音は出るだろう。しかし、設計上よくできている。

 つまり、玉押しのみに傷がつけば、玉押しのみの交換で事は済む。もしハブ本体に虫食いができたら、これはもうハブ交換をするか異音をごまかすしかない・・・。

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 こういう時、シマノさんはありがたい。右はスモールパーツで取り寄せた、新品玉押し。これ単体で購入ができる。そして、当然ボールベアリングも交換した。

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 リア三角の塗装を剥がして、磨きをかけクリアをしたが、多少さびが出たという事で、今回再度磨きをかけた、もちろん大森社長のお仕事です。

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 そこにクリアをかけて、さらにさらにガラスコーティングをしてみた・・・、どうなることやらでありますが。

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 基本、自分でいじれるほど単純なピスト車、なので、自分でいじりたい人は、自分でいじるべきかと思う。できれば、自分の車体は自分で管理できるに越したことはないからね。

 ホイールの調整・・・くらいかな?難しいといえば・・・。

 ただし、多少の自己流なんかが徐々に、徐々に集積されていったり、乗り続けることによる劣化に気づかなかったりが重なると、やはり車体は徐々にダメになっていく。乗れなくなるほどでないと、そのまま乗り続けることになる・・・、そうすると、ある日あることをきっかけに、ドッと症状が吹き出すことになる。

 音が出たり、最悪動かなくなったり・・・と。

 まあ、そんなこんなで、たまには生業にしているところに出してみるのも、いいんじゃないか?と思うんだが、ね。

 そういうわけでお待ちしています!

おデブっ子スペシャル これで30キロやせろ!



 鉄フレームを選択、まあ頑丈そうだから?

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どこで聞いてきたのか、ドロップハンドルがいいなんてな。まあ、暫くは腹が邪魔で、下ハンドルはおろか、ブラケットも握れないんじゃないか?

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 そんなわけだから、エイドブレーキぐらいはつけてやる!

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 その体重じゃあ、ギアは使わざるを得ないだろうから、エイドブレーキの近くに置いておくぞ。

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 ボスフリーの7速、これぐらいあれば十分だろう?

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 クランクなんだが、今流行から外れるが・・・、

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 三枚にしてやろう。インナーに落とせば、大抵のコースは上れるんじゃない?歩行者に抜かれるかも知れないがな。

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 とりあえず止まれるということで、予算もあるし、ここはこのままにしておく。

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 重くなる車体をとめるのはこのくらいのブレーキはいるだろうな。ということだ。

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 さて、今の体重は恐ろしくて聞けねえよ。年々肥えてきて、今や樽のような状態だもんな。固太りとかなら、まだ動けるが、どうも不健康のなれの果てのような、その体型はいただけない。

 四十手前、まだギリギリ若い。理由はどうであれ、その体型は自分に対する管理上のミスだぞ!

 という事で、こいつを渡すんで、一年で30キロ・・・、減量だな。

 こいつは、来月、コチラに越してくる予定の、義理の弟の話であります。減量の励みになるなら、ちょっとこのブログで定期的にやせ具合なんかを紹介してもいいかもしれない、写真付きで?

 本人さらされるのはちょっととかいっているが・・・、そんな悠長なことは言ってられるか?!

 というので、近いうちに当店ブログに、減量計画中なんていう小記事が入ってくるかも知れません・・・。下手すると好評になって、「私も減量したいんで、さらしてもらえませんか?」なんていう希望者も出てきたりしてね・・・。

 そういうのもありかもなあ・・・。

 デブはやせるべし・・・

ヤフオクからやってきての点検



 ヤフオクから落としてきた車体が来る。最近増えたなあ・・・。

 考え方は色々あるが、その人にとって使用価値のなくなったものが、他の人にとっては非常に有用であるようなことはよくあることで、それを制度として結びつけるオークションというのは、決して悪いものではない。悪用している奴らはいるとしても、それ自体は悪いことではない。

 もう乗らない、捨てようかと思ったものを出展してみると、なんでわからないが高値が付いたなんて話はよく聞く。射幸心をあおる話でもあるが、やはり適材が適所に行くことで、それが再度活かされるという効果は絶大なものかと思う、その点において、いや、その点においてのみ(と言っておこうか?)、オークションの価値は大いにあると言っていい。

 そういう意味で、リスクはあれど、もう一度繰り返すとリスクはあれど、オークション機縁のものについて、どこかしら回していくこと自体には影ながら協力していく気も無くは無い・・・。

 曖昧な言い方しているが、これはリスクがあるから全面的に推しているわけではない・・・くらいに考えてもらっていい。

 素人から素人へ渡るということ自体、自転車は乗り物であるところからすれば、リスクはなくはない。その間にショップが入ることで、少しでも安全性が上がれば、と思う。

 今回もあった。もとは送られてきたもののフロントディレーラーをいじっている内に、わからなくなったということだった。

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 トリプルというのは曲者がある。トリムできるやつとそうでないやつ、手のかかるやつとそうでないやつ・・・などなどね。

 でもまあ、そもそも消えゆく存在なのかしら?トリプルは?スラムの影響か?スプロケが異常にデカくなってきている昨今ではね。

 色々いじってみるが、この頃のフロントメカはご覧の通り、実に華奢。剛性が不足していると言っていいだろうね。特に今のものと比べるとガクガク、グラグラしているといってもいい。ちょっと音鳴りがする・・・、ボルト調整しても出るねえ・・・、手で押してみる、グニャと動く、そうすると音鳴りは消える。しめた!と思うが再度何度かシフティングすると、戻ってしまうのか?またちょっと音鳴りが。

 いやいや、難しい。ちょっと緩めて、バンド調整、プレート調整などして、音鳴りの出ないところに持っていく。さらにシフティングをすることで、徐々に音の出ないところに追い込んでいく・・・ウナギをつかむような話なんだな。

 とりあえず、音鳴りは・・・止まったかな?というのが調整。スキッと決まるもんじゃない、そういう時もあるがね。

 そして、落札者がいじった問題は解決したんだが、やってくれている・・・。

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 シフトワイヤーのアウターにブレーキアウターが使われている。インナーの太さが違うので、中で遊びができる、というのも何かの原因になるかも知れないね。見た目が似ているから、間違ったのか?シフト用のアウターがなかったんで、仕方なしにやったのか?わかりませんが、これが素人対素人の中で起こりうる、普通のことかと思います。

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 トリプルなんで、このスプロケで十分でしょうね。荷物積んで日本一周だってできるでしょうな。

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 カンチレバーなんで、ロードレーサーでなくて、シクロ車の部類だろうね。

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 エンドキャップがない、なんていうのもいかにもヤフオク的だよね。

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 ボトルケージのボルトもない・・・こんなことも、当たり前ですね。

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 とりあえず、これでいけるよ!というところで止めておきます。まあ、程なくフロントメカは交換した方がいいかもねえ、というぐらいっておきますが。

 ネットの影響もあってか、自転車に接近する方法も実に様々になったもんだ、そんな中であくまでも「正攻法」を守っていくというのもあり、当店のようにほぼ何でもアリアリというのも、一つの考え方かな?と思っていやっております。色々あるんだろうけどねえ、色々と・・・。

実用車を固定化するの巻



 この自転車を持ってこられて、ブルホーン型の固定車にできないか?というご依頼。できますとも!

 そもそも、その前に、漠然と固定ギア車に乗りたいというご希望があった。

 何度か当店に来ていただき、いろんな選択肢があることを説明。まだ十分、固定車事態を把握していないこと、自転車の段階的な発展に興味があることなどを考慮して、今回はその初期段階中の初期、基本いらないパーツを取り去って、固定ギア、ブルホーンバーを装着する、というところで止めておくことにした。

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 荷台や、泥よけなどは取ります。

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 どんどん外していくよ!

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 カゴもいらない、、もちろん前の泥よけも。

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 ただ実用性ということで、ハブダイナモが付いていることもあるので、ライトはそのままにしておいた。

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 チェーンカバーも外す!

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 今回は、クランクはそのまま、当然BBも。

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 見せどころと行ったら、ここだろうな。あのバンドブレーキの付いているところを外して、そこに固定ギアをはめる。

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 このようにね、当然対岸にはフリーのシングルギアが残っているので、万が一、戻したいという事があっても、ホイールを外して、ひっくり返してチェーンを張れば、元のフリーに戻ります。あまりそうした例は聞きませんがね。

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 で、前に元もついていた、ブレーキを後ろに移動、バンドブレーキ外したんで、これやらないといけません。

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 前傾ポジションになり、軽量化もするので、スピードは出るでしょう、なので、前ブレーキはちょいといいものに交換。

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 今回の改造は自転車そのものだけでなく、ポジションの変化も織り交ぜているので、こうした足の長さに合ったピラーの選択は欠かせません。サドルはそのままだけどね。

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 そして見た目のインパクトとしては、最大級な変化、ブルホーンギドネットかですね。これで前傾を確保!

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 意外とかっこいい!初期型固定車のできあがり!

 まずはこれで固定になれることです。そして気をつけなければならないのが、固定になれた頃・・・ドキッとすることが連続するんです、大抵は。

 そのあとは・・・、前後ホイールの700c化はありかもしれませんね。手組の固いホイールにかえると、まあなんだこれ?今までなんだったんだ?になるでしょうな。

 そのあとはクランク回り。ギア比・・・今言っても、実質軽いも重いも、その意味自体がわからない。だから乗るだけ乗って、ギア比の実質を理解することですね。

 その後、クランク交換などして・・・。

 もし、数年以内に、いいフレームとご縁があれば、一気に載せ替え!というのもありでしょうな。これを称して、段階的固定化計画と申しましょうか。

 乗っていない実用自転車があるなあ・・・というロード乗りの方、乗っている実用車でもいいんで、こうやっての固定化なんてやってみない?通勤なんかで固定乗って、週末ロードに乗り換えたら、驚くよ、きっとね。

 という事で、固定化自身は意外と難しくない、手間はかかるが、手持ちの自転車でできるというわけなんで、この入り口はよーく覚えておいてな!
 

マニアックなシールドベアリング・・・



 今から20年以上前でしょうか?彗星のように現れて、すぐに使用禁止されて消えていった、スピナジーのバトンホイール。

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 角度を変えるとこうなっているんですね。一体型のバトンではなく、帯状の薄い板状のものが裏と表の二枚構造になっている。当然当時のエアロ効果から、この板自身はもうカミソリか?と思うほど薄い。

 それが高速で回っているから穏やかではない、集団で走るロードレースで落車が起こると選手も自転車もゴッソリ絡み合うことになる、高速回転しているカミソリに頭ごと突っ込んだら?考えるだに恐ろしい。

 実際に事故が起きたと記憶してる、それをきっかけに使用禁止なったと思う。同じ時期にスピナッチという似たような名前の、取り付け系のハンドルがあって、短い期間だが、逃げ屋がドロップハンドルにつけて、腕を折りたたんで使っていたんだが、こいつもすぐに使用禁止になった。スピナッチにスピナジー・・・。

 すでにプロレスレベルとしてしか見ていないロードレースなんだが、最近ディスクロードも出ているのかしら?

 ちょっと前、やはり集団落車があって、ディスクのローターが落ちた選手にけがを負わせたという事があってから、確か使用に関して制限か何か付いたんじゃなかったか?その後どうなったかは知らないが、ロードとマウンテンの競技の違い、使用状況が異なるところでの応用的スライドは、よほど気をつけないとなと思うね。

 複数のスペアホイールを持ち歩いて転戦するロードレース、そのホイールにすべてローターが付いているとすれば、移動や何かで接触しては曲がって、音なりとか・・・あり得るんじゃないか?

 懐かしいスピナジーのホイールなんだが、どこかから落としてきてみたものの、ガタがあるのでベアリング交換という依頼をいただいた。
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 交換するにはまず外さないといけない。ベアリングプルハンマーというので、叩き出すが、できれば一気に出したいね、ソケットに傷をつけないためにもね。

 そんでもって、左右外したシールドベアリング、外径、内径測って、探して取ってくれば、あとは装着のみだったんだが・・・。

 なんとはなしに重ねてみると、微妙なんだが、大きさが異なる、実に微妙なんだがね。試しに逆に入れてみると、片方がガタが、もう片方は入りもしない・・・。内径もなんと異なっている・・・。

 どういうことだ?測ってみると一方は外径28ミリの内径12ミリという端数なし、もう片方がなんとコンマミリの端数あり・・・。どういうこと?

 なんで同じ内径・外径にしないの?テーパヘッドのように露骨に径の違うものには、それなりの設計思想というものは理解できるが、コンマミリの違いをわざわざもうけることの合理性って一体どこになるの?

 そんなことより、そもそもだ、端数のあるベアリングなんかあるのか?

 ベアリングの種類と検索が優れている、ミスミを訪ねていった。

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 当然ながら、端数のない径のものは、すぐに見つかった。が・・・、端数ありは、開けど開けど、出てこない・・・。もしや、インチ系の単位なのか?と思ったが、見当たらない。

 天下のミスミにないものが、モノタロウにあるだろうか?と見たが、ページは山ほどあるが検索機能がダメなので、これ本気にやったら一週間かかるかも???

 諦めかけていたときに、なんと海外にあることを発見・・・なんで?もクソもない、すぐ送って!と、二週間待ってやってきた。こういう場合、期待半分にしておくのに限る。大体が際物だし、万が一のことがが多いからね、海外物は・・・。

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 恐る恐る測る・・・、ちゃんと端数ある・・・。

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 このシールド専用の圧入工具はないが(当たり前だ!コンマミリまで精度を出した治具など通常は必要ない!)ので、応用工具でゆっくり圧入。曲がらずに・・・。

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 入った・・・。

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 大した施工でないが、驚かされて、考えさせられて、大分探して、諦めかけて、待たされた分、ちょっと感慨にふける。

 シールドだからといって、調整は侮るなかれ!いいよ、というまで正直に締めていったら、回りは緩くなる。グリスを入れてのそれではないので、これは締め付けすぎ以外の何物でも無い。

 店主は本来の(シマノ的?)ボールベアリング的な、ちょっと粘りのある回転が、ハブには最適かと思っているが、シールドの回転は素っ気ないほどよく回る、重厚感がまるでない、回るに越したことはないのかもしれないが、なんとも安っぽい・・・。

 故に、この回転もまた好き嫌いは別として、安っぽくスルスル回るようにしないといけませんね。なので、調整、調整!

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 この写真で気づかれる方もいると思われますが、こいつピストのホイールだったんです!ロードでは何度も見たが、ピストホイールも作っていたのね・・・。でも集団落車の怖さは、ロードの比でない、トラックレーサーでよくこれが一時的ではあれ、使われていたなあ、と思うな。

 若干だが、センターが出ているのか?120エンドよりちょいと広いなあ・・・、という事で、これを物好きにも落としてきた子の自転車見てから、修正してもいいかもしれないね。なんか全体が緩いなあ、もしかしてパチモン?まさかねえ・・・。

 しかし、コンマミリのシールドベアリング・・・、それをあえて使うということの合理的な理由・・・、スピナジーの謎だね。今更解明されなくてもいいが・・・。

自転車の再生って例えばこういうこと・・・



 当店に共感いただいている、ご近所のお方。知り合いで自転車好きがいてね、なんかフレームにヒビが入ったとか言うんだよ。

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 そんでもって、たたいて折ってしまったらしい。

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 残ったのは、さっきまで乗れていたパーツ類があるんだが、いらないか?と聞かれたんで、もらってきたんだ。という。

 フレームを変えて、パーツ類を載せ替えれば、まあ、乗れるでしょうね。こんなことは自転車屋なら普通考えることですが、近所のおじさんが既にそういう発想を持ってくれている、というのはちょっとすごい。しかも、当店を見込んで来てもらったようだ、ならやるしかない。

 いつ何をバラしたかわからないようなフレームなんてものが、当店にはアチコチにある。既に出所もわからなくなっているようなものまでね。

 どうやら、組み上げた自転車は背丈のある孫の就職祝いにあげるということだそうだ。通勤自転車になるのかな?なれば、丈夫なフレームを選んでやろうか?

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 しかり盛られたビード、これで行こう、元々はなんちゃって系のサスが付いていたが、これも当店に転がっている同色系のリジッドフォークに交換しておいた。

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 ホイールタイヤはそのままだが、振れなどはしっかり取っておいた。

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 洗浄して注油して、シュー入れ替えて取り付ける。

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 リアも同じく。こうしてやると、今まで、引いて戻らなかった奴らが、機嫌を直したように、ヒクヒクし始める。

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 チェーン交換、スプロケ・リアディレーラー洗浄でこうして取り付けてやると、なんかこれからも働く気満々に見えてくる。一個一個のパーツのやる気と、それらがつながってみせる連動とはまた、違った躍動感があるね。

 そういう意味で、自転車も生き物、といえるかも知れない。

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 ハンドルもほぼそのまま使える。アンドロイドのように、頭をすげ替えて、スイッチ入れるとカチンと目が光るような、生き生き感があるねえ。

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 クランクBBも、洗浄グリスでもって、そのまま使える。考えてみれば、フレームにヒビが入っただけで、その前までは、普通に走っていたんで、当たり前といえばそうなんだが。

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 やはり、このように走れる自転車に付いているときのパーツ類と、割れたり折れたりしている、鉄ゴミのような形でさらされているパーツ類とでは、まったくその相貌が異なってくる。

 同じものを見る目であっても、ゴミとしてみるか?再利用可能なものとしてみるか?という事でそのものの将来はもちろんのこと、見る人の持つ、技術と経験とアイデアの厚みが違ってくるんだろうなあ、と思う。

 当店の出す鉄ゴミや、回収自転車を一緒に回してくれている方に、タンザニア出身のマリックさんという方がいる。この方の名言を紹介しておこう。

 「日本にゴミはない」

 彼の持っている、また彼のバックにある文化・国の持っている、活かす技術・経験・アイデア、そしてそれを受け入れるマーケットの厚みがどれほどのものか?この一言に現れている。

 店主らは、自転車においてはまだ、この国において、踏ん張っている方か?とも思えるかも知れないが、彼の一言にはまったく及んでいないレベルであることは認めざるを得ない。上には上がいるもんだ。

 そして、彼は日本からの廃品をさらに活かして、母国を豊かにし、その基金でモスクを作っているという。店主らから見たら、ゴミでしか見えないものから、再生を作り出し、さらに精神のよりどころへと昇華されているようだ、さらに、さらに、さらに、霊格として上の方なんだろう・・・と思う。

 まだまだです、本当店主などはまだまだ・・・、まだまだ・・・。

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※さて、十一月四日、日本屈指のベーシスト、早川岳晴さんを巡る、舞踊家達と、チェリストのライブが、狸サイクルの二階、響き床にて行われます!ちょっと無い組み合わせでもって、ちょっと無いライブですぞ!という事で、是非、おいでください!お待ちしています!

半年間の練習機 オリジナルロード



 あまり大きな宣伝はしておりませんが、当店にはオリジナルフレームというのがありまして、店の片隅に展示しているわけですが、様子を見て、試乗して購入を決めてくれるお客さんというのはチョコマカいるんであります、ありがたいことに。

 あるのはオリジナルのフレームなんで、どんなコンポを載せるか?によって値段は変わりますし、手組ホイールも様々なんでね。

 今回出たのが、鉄フレームエントリーモードだったんですが・・・。いや驚いたわな。

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 コンポはオールソラを載せています、前々から新ソラはイイ!という事を申し上げてきましたが、改めて、イイ!と言っておきましょうかね。

 ある意味、基本不足なしであります。

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 しいていえば、STIのレバー倒しがちょっと重いかな?という事と。

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 ブレーキ剛性が、105以上のものとは多少異なる・・・という事ぐらいでしょうか?気になるブレーキレバーとしての性能ですが、一つ前の105などより格段にイイ、といってもいいかもね、あくまでも店主の好みということなんですが。

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 フロントギアもかなりクイックに、インナー、アウター行き来できますね。

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 シフティングの性能もほぼ申し分ありません、何度も言うがレバーはちょっと重いぐらい?あと9速でも十分ですねえ。
 
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 前後は手組ホイールで、ほぼトラブルフリー・・・。スポークが折れたくらいなら、30分ぐらいで街道復帰できます。

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 逆に珍しくなっているのが、一インチのヘッド回り、ステム回りといいますか。今も現役で競輪車体は一インチですから、だからどうした・・・という感じでイイかも。

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 適性の高さにできるなら、好みのサドルは乗ってから決めてね、という感じですね。

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 実にクイックな動きをする独特の乗り味のあるオリジナル車体、せわしない感じもなくはないが、ドッシリと腰で乗れるようになったら、じゃじゃ馬ならしということで、多少訓練すれば、優雅に乗れるようになると思います。

 このフレームで、これから約半年間目指せ1万キロ!をフルタイムのサラリーマンが目標としています。

 目指すは四月以降の自転車ロードレース。三本ローラー、固定式ローラーなども試したいと意欲満々。土台の体力が半端でないので、これは結構いけるかも知れない。

 鉄フレームが並み居るカーボンをぶっちぎったらかっこいい、そういう展開になっていくかも知れません。まずは練習機として、長距離を乗りこなす、それから徐々に色々考えよう。

 彼にも言っておいた、鉄フレーム自体に疑問を持ったら・・・、



 こんなかつてのフィルムでも見てくれ。すべて鉄フレームの勝負なんだが、今のツールと遜色なし!とね。そんなわけで、隠れ当店オリジナルフレームの重要な展開、ちょっと注目です!

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 ※十一月四日土曜日 日本屈指のベーシスト 早川岳晴さんと四人のダンサー+チェリストという演目を狸サイクル二階、響き床にて開催します、是非おいでください!
 

プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
TEL・fax042-445-0487
携帯070-5083-6962
アドレス to.ke@mx1.ttcn.ne.jp

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