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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り |2019年05月 tp://cnt.affiliate.fc2.com/cgi-bin/click.cgi?aff_userid=45871&aff_siteid=43545&aff_shopid=63" target
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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

好評につき 狸祭 6月 7月 8月と

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 一月は早いもので、先日5月5日狸祭をやったと思ったら、もう今月も終わりときている。この調子で一年も早いんでしょうね。

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 二年ぶりに、当店前でやりましたフェスでしたが、多くの方々の参加をいただきまして、ありがとうございました。

 模擬店、催し、夜のライブまで、てんやわんやの1日でした。

 これだけ遊んでいただけるのであれば、もう少し継続的にやっていくという案も出てきまして・・・、そして決定いたしましたので、お伝えいたします。

 まず、真夏の大狸祭、海のない海の家企画、夏休みのまっただ中にドーンとでっかいフェスを行うことにいたします!

 時は8月18日、お盆真っ盛りの日であります!

 この日は盛大にやる予定ですので、大いに遊びに来てください、今から暦に書き込んでください!

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 そうなると二ヶ月後ね・・・と、随分先だなあと思われるかも知れませんが、イエイエそうではありません。

 8月の大祭にあわせて、徐々に足並みを整えて、出し物、出店慣れ、等をしていくための催しをプレ大祭という事で設けることにいたしました。

 6月は23日日曜日!

 そして、7月は28日の日曜日!ということで。

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 6月、7月は規模は小さいですが、色々試して実験してみるにはいい機会かと思います。まだ、出店余地もありますので、是非8月に向けて、しのぎを削るというのもいいかもしれませんね。

 飲食、物販、サービスなど、世に問うてみたい事柄があるようでしたら、是非ご参加ください。

 出展費は、売り上げ五千円以内は五百円、それ以上は売り上げの1割、という事になっています。

 前回5月5日の模擬店で、意外と人気が出ていたのが、「足裏マッサージ」「手モミン」「ヘッドマッサージ」といった、サービス系のものでありました。今まで無かったタイプもの模擬店でしたが、これも大いにありか・・・という事で、出店希望などお待ちしています。

 近づくにつれて、催し内容が具体化するにつけて、本ブログ等でも公表してきますので、皆様の表現の場としても、ご活用ください。

 それでは色々と楽しみに!
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ブルベ君のリムを直す・・・



 ブルベなる、キカイな競技というか、イベントがあるんですね。とにかく時間内にとんでもない距離を走破するというイベントらしいんですが、聞いているだけで疲れます。

 まあ、せいぜい走って、店主なら一日200キロまでだね、それ以上なると、他何もできなくなりそうなんでね。

 まず参加はしないが、もしも店主が参加するとしても、最長一日300キロまでですね。それ以上となると睡眠、休息などを考慮に入れないといけないので、とても素人では対応できそうにない・・・。

 でも、そういう競技というか、イベントだからこそ、参加したいという奇特な方もいるというのが、この世の中という事なんでしょうね。

 そういう方から、持ち込まれましたのが、このホイール。一体何千キロ、いや、何万キロ走ったことやらなんですが、ちょっとしたトラブルが発生。

溝かなにかにおちたのか?リムの一部が曲がってしまったという。

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 上の写真と比較すると、デコボコ感が光の様子でわかりますね。重篤な状況ではないながら、ブレーキをかけるたびに振れる感じが気に障るらしい。

 確かにねえ。さて、コイツをどうするか?ですが、叩かれて凹んだのなら、叩き返せばいい・・・とはいえ、場所が場所だけに、叩いて戻す場所がない・・・。ここを叩けばもとに戻るという場所が無いんですね。

 このリムは一枚板ではなくて四角いチューブ状態になっているので、凹んだところに金槌を届かせるためには、その手前の壁を撤去しないといけないんですね、なので、基本的に無理。

 さて叩き戻しができないとすればどうするか?状態を見て臨機応変に対応するしかない。

 見ると、凹みと同時に、出っ張り部分がある。出っ張り部分は直に叩けばへっこむか?というと、相手はアルミ・・・。または精度を出すような叩き方なんて、ちょっと考えつかない・・・。叩いたら、そこを軸に全体が歪になってしまったら、大変だわね。

 まずは出っ張り部分は、ほんのコンマミリレベルだとすれば、削るか・・・。多少母材が薄くなってもね。削りには多少の精度は出せる。

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 こうした平面の出た部材を使う、ここに紙やすりをあてて・・・、

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 リムの削り出し部分に載せて、静かに前後させる。今回この当て板を使って良かったのは、金属板そのものの重さ、その重さに任せて、腕は前後させるだけというのがいい。

 無駄な力がかからないので、歪な削りすぎが防げます。あくまでも手は、紙やすりを鉄板に密着させていればいいだけで、あとは重さだけが正確に、出っ張り部分を削っていってくれます。

 時間はかかりますが・・・。

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 ここが削り終わったところ。円の中の左下側が、出っ張りが削られたあと、そして右上の方が、凹みの部分ということがわかります。

 これだけでも、ブレーキングによる振れの感じは収まりますが・・・。

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 まあ人情として、凹みをそのままというのもちょいと気が引ける・・・、それとどのくらい凹んでいるのか?目視できることも必要かと思い、ちょいと固めのパテをもってみる。

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 同じく、金属板の重さだけで、あとは口開いて、それを前後させるだけで、余分な部分を削り落としていく・・・。

 これはちょいと、加工の新境地のようなもんだね・・・。重さを利用して、変な手心は加えない・・・、もちろん手心加えないとダメな場合もかなりありますが・・・。これは応用効きそうな技術ですね。


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 タイヤはめて、まずは完成。このパテが、実際に摩擦に強いか否かはわかりませんが、まずは出っ張りによる振れの不快は取れるので、これで暫く行けるかも知れませんね。

 ただ、コイツでダメな場合は、このホイールの型式調べて、リム単体でのスモールパーツがあれば、取り寄せて組み替え・・・、無ければ・・・、お釈迦?なのかな?

 ブルベって、何が起きてもおかしくはないイベントだとすれば、できる限りトラブルフリーのものを使用するのに越したことはない・・・。またはトラブルが起きても、回避できたり、即対応ができるものが望ましいでしょうねえ・・・。

 そういう意味で、未だに手組ホイールの存在意義はあるということか・・・と、変わり身の早いこの手の完組ホイールを横目で見つつ感じるものは確かにあるなあ・・・と、イヒヒヒヒ。

マイナーチェンジだ

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 この状態で持ち込まれたのが、今から約二年前。それはそれは大工事を行った結果、とんでもない変貌を遂げたわけだった。

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 よくもまあ、ここまで・・・。というできだったんだが、実際走ってみないと分からないこともある。今回はその辺をちょこっといじり直すが目的だった。

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 まず、走ってみてよくあることだが、ギア自身が重すぎるという問題。

 古い車体がお好きで、パーツ類もソコソコお持ちのようで、これで十分かと思って、取り付けて乗ってみたら、平地しか走れない・・・ということに。

 で、道具箱をひっくり返して、こんなやつに取り付け直し。

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 さて、どうなることか?こいつも実際に乗りながら、確かめるしかありませんね。

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 あとは、こいつ。この青いラインは、塗装ということで入れたラインだったんですね。

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 けっこうマスキングして、大変だったと思いますが、どうも泥よけへのこだわりも相当のようで、この車体には、どうしても、亀甲系の泥よけを取り付けたいと思うようになったそうですね。

 なので持ち込みにて・・・、

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 亀甲フェンダーのお通りです!確かに様式美はありますね。

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 当然、泥よけ、フェンダーに全く愛情のない店主は、この辺については、大森社長に丸投げです。

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 リアにダイナモが付いているので、その配線も、泥よけ裏にするなど、見た目以上に、手の込んだ施工となります。

 ともあれ完成・・・

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 細かい嗜好の違いはあれ、ずっと乗っていたい車種とも言えますね。流し乗りには最高の一台かもしれないですね、それにこの風貌も好きな人にはたまらない。

 パッと売っているものではない、作らないと出現しない自転車は、それだけで重厚で、街にとっても財産なんじゃないか?と思えるんですね。

 こういう自転車が普通に走っている街って、決して悪い街じゃない・・・。そういう視点をも持って、自転車作りを考えてみるのもいいかもね。

 

サンプルがやって来た!今世紀自転車パーツ発明賞?アーマーの全容



 まだ日本では正式発売前の状況なんですが、無理を言って、アーマーのサンプル品を送ってもらうことができました。

 まあ、本ブログでは、あまり商品説明をしていない、というのも特徴なんですが、今回は商品紹介とその説明でありますね。そのくらい、コイツうまくいったら、今世紀の自転車パーツ発明大賞候補なんじゃないか?と思えるような商品なんですわ。

 単純にいって、タイヤとチューブの間に挟むクッション・・・といっていいでしょうね。今までは、タイヤベルトというのがありました、それも同じくタイヤとチューブの間に入れるもので、ケブラーだったかでできた帯のようなものなんですが、なぜかぱっとしないまま消えていった、イヤ、ゼファー当たりにはまだあるかな?

 発想としてはありきたりなはずなのに、なぜがズーッと作られてこなかった、この手の中で実現、実用化手前まできているということなんでね、これがいいものだとしたら、日々のパンクのストレスから、ほぼ解放されるかも知れないんで、期待したいところであります。

 昨年の酷暑でのなぜかパンク発生の多さに、辟易していた店主からしても、お助け商品となるかもしれませんね。

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 解くとこうなっています。この両ヒダの間に、既存のチューブが挟まるという形式ですね、一度取り付けてみましょうか。

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 まずホイールにタイヤの片側を入れます、普通のタイヤ装着と一緒ですね。

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 通常なら、ここにチューブを入れますが、ここにアーマーを差し入れることになります。全く問題なく差し入れ完了。

 更にこのアーマーの中にチューブを入れることになります。

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 こんな感じですね・・・、ちょっとわかりづらいかな?

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 わかりやすく見せるとこうなります、まあわかりますね、実に単純なj構造しているわけであります。

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 で、コイツをホイール内のリムに収めていくんですが、それが普通のタイヤ装着とほとんど変わらずです。

 自分で普通にチューブ交換や、タイヤ交換している人にとっては、なんの問題もなくできる、と思います、本当拍子抜けするくらい簡単ですねえ。

 専門工具と専門技術を必要とする、タンナスのノーパンクタイヤからすると、夢のようですね、売りっぱなしでスポーツ自転車に関してはいいんですから・・・。

 実用車系に関しては、着脱にはタイヤ交換と同じく、それなりの技術は必要になりそうですが・・・、今メーカーに秘策を伝授している最中で・・・、いい方向に転換できれば、なんて思っています。

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 これが宣伝用のチラシですね。

 オット!大事なこと忘れました、で、このアーマーですが、タイヤサイズに関しての種類をあげておきますね、これが発売予定のサイズとなります。

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 ありがたいのは、子のせ号によくある20インチのタイヤ用のものがあること、そして、実用車の主流である26インチのWOタイヤもあります。

 700Cに関しては、今のところ28c以上63cまでということで、25ミリ23ミリが無いということですね。開発を待ちたいところであります。

 三月に発売予定が、ずれ込んでいる、相当のプレオーダーで工場がてんてこ舞いだそうです。なので早ければ、6月中旬、から下旬ではないか?という予想。

 入り次第、乗り心地も含めて、レポートしたします。

 もしかしたらパンク回避革命の一助になるかも知れませんぞ!

 

当店オリジナル レーサー現る



 細い鉄フレームにラグ仕上げ、当店オリジナル完成車でございます。

 今回は、コラボでありましょうな。パーツ類はほぼ持ち込み・・・となっています。

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 自転車の横顔になるパーツといえば、ここ。クランク回りですね。クランク回りを高級感あるものにするか否かはデカイ。

 そして、これは隠し持っていた、今や絶滅種となってしまった、5アームものであります。ベローチェね。この頃のカンパは、新規格ものであってもこうした鉄フレームにもピッタリと来るものを作っていたんだな。

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 カンパクランクに対して、なんとフロントメカはシマノ105。シマニョーロと来るらしい・・・。

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 リアメカも105で来ています。これでシフターが105であれば、まあセッティング自体も簡単となります。

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 ところがシフターは・・・、なんとエルゴと来やがった・・・、ポテンザ・・・。となると正真正銘のシマニョーロということになる。

 シフターから変則系のメカに関してて統一メーカーであれば、セッティングは難しくはない。あとはカンパエルゴで、シマノキャリパーを引くのもその逆も大して難しいものでもない。

 いずれかのフロントメカで、反対メーカーのクランクへのシフトだって、ほとんど問題なくできるだろう。

 問題は、シフターと主にリアメカとが敵対するメーカーだった場合・・・これが大変なのだ。で、今回はそれが来たというわけだ。

 まあ、なんとかしないとね、なんとかしたけど・・・。

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 ブレーキキャリパーは同族なんで、これ問題なし。

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 今回できるだけリム高の低いシルバーリムで、シンプルに組んで欲しいという依頼、こうした時、手組は最強だね。

 で、今回前輪だけ、ちょっとアブノーマル組。

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 通常なら、6本取りか、ラジアル組という二本のスポークを交差させないで直に組むという二通りが、メジャーな選択なんだが・・・。

 こいつは、よく見てね、隣り合ったスポークを根元の近くで交差させている、いわゆる二本取りで、スポークはオール内がけ方式で、交差に少しショック吸収効果ありかな?

 交差のないラジアル組の機能面での利点はスポークが最短距離で直結できることで、スポーク長がみじかく、その分軽量化が出来るということなんだが・・・。


 この二本取りだとせいぜい2ミリから3ミリ程度の差しかなく、つまり軽量もほとんど確保され、と同時に、こうした交点によるかたさ強度という面もソコソコでているという点であろうかと思う。

 二本取り、今後静かに流行らせていこうか?

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 リムはアレックス。差して高額でなくても、精度が良い・・・。リムに精度が出てきた昨今、手組が絶滅種となるというこの皮肉な展開。かつてのリムの精度は、今思えば、ほとんど力尽くでホイールにしていた感があったが・・・、今や高精度のリムだけに、向こうの論理に従えば、いいホイールとならざるを得ない・・・。

 昨今こそ手組・・・なんだがなあ・・・。

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 モドロ流れの、サカエハンドル・・・、特徴有るなあ・・・と思いつつ、進呈しよう・・・。

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 というわけで、ほぼ完成!
 
 オリジナル車体も、徐々に、細々ながらも、浸透させつつ、続いておりますです!

極秘計画進行中 コードネーム 鳴門



 ただ今鳴門なるコードネームの極秘計画が進行中なんであります。

 極秘なもんで、サラッと流すだけ。

 さて、上の写真は何でしょう?

 というほどのものではありませんね。単なるハブだよ、しかも中央にNの字が刻印されているんで、ノバッテックのハブだよね。

 左右にネジ山が切られているんで、後輪のハブには違いない。

 左右という所から、ダブルコグのシングルハブということも分かる・・・、まあ大してもったいぶるような、内容のパーツではありませんな。

 ノバテックのピストハブ・・・であります。ピストハブはナット締めをしますんでシャフトが長いよね・・・。その長いシャフトに、いたずらしちゃおうかなあ・・・。

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 まあハブいじりは、この店主にとっては半ば執念のようなもんなんで、このくらいはお茶の子さいさい・・・。と何やったかというと、単に片方のシャフトにスペーサーを仕込んで、ナットで締め込んだだけ。といってもシールドベアリングなんで、接触部分にのみ少し気を使う。

 でもたったのこれにてちょいと完成・・・。こんなスペーサー入れていったいなに喜んでいるの?でしょうね。でも、分かる人には、ハハーン・・・、チトまたいたずらしかけるな?ということが分かるでしょう・・・。はい、仕掛けます・・・。

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 ジャーン!というほどではないながら、七速のボスフリーが入ったというわけであります。ほら、やっぱり・・・という人もいるでしょうね。

 もちろん極秘なんで、その理由は秘密。ただ、中空シャフトをもう少し短く切って、そこにクイックレバーを差し込むと、まあロード用のラージフランジ用ハブ・・・としても使える・・・というだけ言っておきます。

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 続きまして、こんなのをハブ箱から探し出しました、こいつは見た通り、ラージフランジのツーリング用のハブでありますね。特に加工入りません。リアがラージフランジのボスフリー、そしてフロントもラージフランジのハブ・・・。

 前後ともにラージフランジに拘っているように見えますね。これって見栄えの問題ですか?いいえ!極秘なんで、あまり突っ込めませんが、見た目より、強度重視ということを言っておきましょうかね。

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 フロントの軸にはスズエという刻印がありますね。スズエはかつて競輪パーツも作っていましたね。今でも細々とやっているかもなあ、サンエスさんがなんかハブ類を持っていたような。

 まあ、単純にラージだと強度は出るでしょうね、そう、今回の極秘には強度は重要なポイントなのであります。

 こいつに対して、13のスポークを用意する・・・。通常当店は14のスポークつまり2ミリ幅のスポークを使用するが、この極秘計画のおいては、強度を重視するので、2.3ミリ幅の13のスポークを使うことになるだろう、多分8本取り・・・でしょうな。

 そして・・・、

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 こいつも700Cでは、相当強度があるといわれている、リムですねえ。実際に使っている人が、太いしディープなんで、固い・・・といってましたよ。
 
 いいんじゃないの?強度が大事なんでね。

 そしてこいつには・・・、

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 これを内部に忍ばせようか?と考えております。こいつはもしかしたら、今世紀でのアッといわせる発明になるかもしれないという発明品であります。

 今年の初め紹介したと思いますが・・・アーマーといわれるものですね。

 タイヤの内側にこいつを詰め込んで、その下にチューブを入れて、空気を入れる。空気なんでより親しんだ乗り心地と同時に、この高分子体の素材がそのチューブを包み込むんで、外部から侵入にはすこぶる強い・・・ということが展開します。

 つまり、空気タイヤでありながら、パンクが非常にしにくいということ、そして、装着は慣れれば素人でも出来るということ、そして、タイヤの内側に入れるものなので、劣化がとてもしにくい、長持ちする、つまりほぼ半永久的に使えるなんていう代物なんでありますね。

 強度のあるホイールが組まれるということは、それなりの重さがかかるという事も意味しそうなんで、パンク問題はより深刻になるかもしれませんね・・・。その防止として、こいつを偲ばせておくという選択なんであります。

 そうそう、このアーマーは当初は三月発売という話でしたが、前評判が偉容に盛り上がって、プレオーダーが溢れてしまい、とうとう六月の半ばから、後半に発売はずれ込みそうだという報告が来ております。

 ただ、そんなに遠くないうちに、当店にサンプルが届くということなんで、その際には、この場にて、ご報告いたしますね。

 ということで、話があちこち行ってますが、とにかく強度を重要視する、極秘計画の鳴門。その全貌が明らかになるのは、多分来月・・・なんじゃないか?と思います。

 訳分からないながらも、お楽しみに!ということで! 

化粧直し



 奥様用の自転車を考えて、色々好みなどを載せまして、作りかえたい、化粧直しをしたいということで持ち込まれました。

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 チェレステ、くすんだチェレステなんで、ちょいと年代物のビアンキか?と思いきや、ブルーノであります。量産メーカーとしては、ちょいと独自路線、独自イメージを作ろうとしているメーカーという印象を受けます。

 まずは機能面より。

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 リアディレーラーを交換しました。それと・・・

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 フロントメカも替えまして、当然ワイヤーも新しく張り直し。あとはシフターブレーキなんかも交換なんですが・・・。そんなものはまあ日々の当たり前の仕事のようなもんなので、特筆するようなことは、今回はありませんでした。

 そんなことより・・・。

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 これ、亀甲の泥よけですね、これをしっかり付けてくれというのも大変なご要望だった。

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 泥よけには全く愛情のない店主。愛情がないどころか、ちょっと嫌悪に振れているか?と思えるくらいの泥よけ嫌いなもんで、この辺は、じっくり慎重型の大森社長にもう丸投げ。

 穴開けから、R付けなど、何度も機器と自転車の間を何往復もしていましたね、頭が下がります。

 そして、もう一つの大事なミッションは、奥様の自転車、女性の自転車なんで、どうしてもカゴがほしいという。

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 四角い籐風のカゴという指定、プラス黒い部分はタイヤだけというミッションもありまして、こいつに決まりました。

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 これは加工してものではありません、こういう形状で出されているものであります。これに対して、したから下支えというのが通常なんですが、

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 このように台座を取り付けて、下を支えています。

 これもカンチ台座を利用した取り付けで、他にも取り付け方はまだまだいろんな方法が考えられますがね。カゴつけは思っている以上にクリエイティブな仕事なんですぜ!

 なんせ星の数ほどある自転車という車体に、星の数ほどあるカゴ、およびその周辺パーツがあるんですから、状況を見定めて頭を柔らかく、柔軟性を持って取り組まないといけません、それがカゴつけなんですねえ・・・。

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 これなんだ?アレ?なんか見たことが・・・。そう、これも珍しくパーツを紹介する本ブログの記事で取り上げたものであります。後付けハブダイナモもどき・・・です。

 こいつを付けるとこの内側に付いているフィンがスポークと連動し回転するので、発電されるという仕組み、ハブダイナモよりも軽くて、後付けできるというのがいいんだが・・・。

 実は公式にはクイックレバーでは付かない・・・ということになっています。ナット締めの実用車ほぼ専用のジェネレーターということなんですが・・・。

 こういうのを見ると、本当に付かないかなあ・・・と疑ってしまいますね・・・、で、まあ色々やってみたんであります。その内容だけで一本の記事になるくらい、ナットやいろんなものを嵌めては外し、計っては加工しとまあ、ちょいと色々やりましたが・・・。

 なんとかクイックレバーものにも取り付けが出来た・・・というわけであります。

 そうなると、ハブダイナモ専用ホイールがなくともレーサーやツーリング車にも、この後付けでハブダイナモ並の電池いらずで、明るいライトを取り付けることができる・・・ということを意味しているんでありますがね。

 まあ本体と加工費などと、ライト含めて六千円くらいになるとしたら・・・、どうしますかね?あとホイールのセンター出しとかも・・・。

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 小さいが、LEDのかなり強力なライトです、回転の重さも対して気になりませんね。一つの選択肢になるかと思います。

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 そんなこんなで、奥様号一台が完成です。革サドル痛がるかなあ?とか、ちょっと気になることもなくもありませんが、まずは乗って、走ってから、何か起これが対策取ればいい・・・ということにしましょうかね。

 さて、どんな評価、なんだろうな?
 
 しかし、奥さんの自転車をあれやこれやと考えて、パーツ集めてと、なんと献身的なご亭主さんなんでしょう、一体店主が上さんの自転車にここまで頭を絞るだろうか?と反省するくらいであります。こちらも頭が下がります・・・。

ホルダーのネジつけ



 アマンダといえば、ちょっと前に、セミハンドルの車体を紹介したばかりですが。

 こいつはそれです。また戻ってきちゃいました。その理由が、このシートチューブにボトルケージのボルトを止める台座を付けて欲しいということだったんですね。

 付けることは可能ですが、実は結構面倒なんでありますの。まず、パイプという曲面に穴空けるという作業自体が大変。滑るしね・・・。

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 こうやって、ケージを取り付ける所を仮付けして、ボルト台座の位置を決めます。

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 決まったところで、ポンチを打ちますが、ここから困難が始まります。パイプは曲面ですので、滑る。いかにポンチの先が固くても、滑るものは滑る。一発で直角にコン!と打痕が付けばいいんだが、それがなかなか難しい。

 でもそんなこんなで、付いたら・・・、

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 今度はその回りを厚くマスキングします。ドリルの刃が暴れると、アチコチ傷だらけになりますんでね。しかしなんで暴れるの?ってか?

 先ほどからいってますように、パイプは曲面です、パイプの曲面に穴を開けるのは大変なんですね、滑って刃が暴れるんです。しかも、こいつはすでにフレームに組み付けられているパイプです。

 そうでない無垢のパイプなら、何らか固定して、直角が約束されているボール盤を使えば、垂直に穴を開けることは出来ます。

 ところが、フレームとなって三角に囲まれますと、ドリルなどの本体が入りにくい、入っても垂直を確保できないなんて事なんですよ。そうなると余計滑る確率が増えるわけで、全く最初からボトル台座ぐらい付けとけよ!と思うようになります。

 なので・・・、

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 なので、最初は細くて短い、ミニルーターを使って、ポンチのあとを手で固定しながら、探るように穴の位置を確定していきます。

 一定以上彫れると、次は、ミニではない通常のルーターに持ち替える

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 こいつですね、こいつでもって、次は貫通を狙います。最終貫通は7ミリなので、最低でも3ミリくらいの穴を貫通させたいんですが・・・、こいつアマンダのフレーム、一体何のパイプを使っているのか?実に固いんであります。なかなか歯が立たない。何度も先端を削っては刃をつけやりましたわ。

 そして、最後は・・・

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 こいつの登場です、ドリル。7ミリの刃を付けて、二回ほど外しては研ぎを繰り返しながら、なんとか・・・、

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 7ミリの穴が二カ所に空いたら、今度はこいつ、ナッターという工具で、このカシメ用のリベットを打ち込むことにします。

 元々は、

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 円柱状になっているナットですが、こいつをナッターで締め込むと・・・

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 このように胴体の一部が波状になって母材を挟み込む様に固定されます。

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 こうして穴にナットを打ち込んで、ナッターでもって中から本体を引っ張り上げると、胴体の一部がせり上がってナットの頭との間で母材を挟むように固定されるという形式なんですね。

 レーサーなどのパイプのようにカミソリのように薄いパイプには、ネジ山が立ちませんので、こうしたものを利用することになります。

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 ハイ、ケージが取り付けられるようになりました。

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 近くにボトルがなかったので、スプレー缶を差してみました。

 五月なのに、大分暑いですね、これじゃあ6月以降が思いやられますな、このまま行けば・・・。そういうときに水、水分補給は大事ですので、是非是非、ボトルケージが取り付けられるタイプの自転車を購入されることをお勧めします。

 後から付けるのは大変なんでね・・・・。

孝行息子



 こいつなんですが、作り置きしておくと、なんか評判がいいんです。いろんな体格のいい大人の方々が試乗しては楽しんでおられるようで、こちらとしても作った甲斐があるというものです。

 BMXのようで面白い。歩く感覚で乗れるのが楽しい。広い工場内での移動に使うに持ってこい。近くの支社や支店を回るのに便利。ボート競技場をアチコチ回るのに向いている。タウンウォッチングにいい、ビラ配り、ポスティングにも使えるかも・・・。

 と、まあいろんな感想が飛び出てくるわけであります。作り手の意図を超えて、とんでもない展開になりそうなところがまた面白いですね。ドンドン自己展開していってください・・・。

 とはいうものの、実はこいつを作る動機になった事があったんですね。元々こいつは、ちょっとした高齢者向けの自転車としてどうか?というのが事の発端だったんであります。

 具体的なお申し出があったんですね。家にこもりがちなお母さんを外に出すきっかけになるような、自転車ってありませんか?と、とある孝行息子がやって来たんであります。

 いや、もう本当に外に出なくなって・・・、散歩とかもいいんですが、自転車で外に出ないかな?ただ、全く自転車に乗らなくなって大分経つんで、そんなお母さんでも、楽しく乗れるような、一台ってありませんか?と。

 その一言がきっかけだったんですね。で、出来たのがあれで、全く別の評価まで飛び出て、あの車体自身の可能性を改めて気づかせてもらっているわけですが。

 ただ原点は、この孝行息子さんの一言からだったんですね。

 そこで、それからちょっと経って、その息子さんにこれを乗ってもらったら、まあ、面白がるわ。これ母にも奨めますんで!と帰ってから数日、お母さんを連れてやって来た。

 息子さんの話からするとずっと活発で、元気に溢れたお茶目なお母さんでした。そして、この二人の親子の丁々発止の会話がまた面白い。

 言葉の端々に、息子さんの愛情溢れる激励というか、叱咤というか、忠告というか、注意というか、心配事が飛び出してくる。

 それに対して、お母さんはいい意味で負けちゃいない・・・、ちっともシュンとならないで、言い返す、跳ね返す、まるで困った息子の様子を面白がるように・・・。

 試乗の時も、ずっと自転車に跨がったお母さんにつきっきり、肩を抱くように、自転車と併走します。まるで、小さい娘の始めて補助を外した自転車に付き添う父親のように。

 きっとお母さんにかわいがられて、育てられたんだね。

 一度、自転車から降りる際、足が思うに上がらず、フレームにつまずくように、地面に倒れたんだな、お母さんが。といっても、さしたる高さもないし、立ちゴケだったので、全く大きな怪我には結びつかなかったが、「ダメじゃない、黙って下りようとしたら!」と。

 膝の患部をしばらく押さえて、肩を抱くように落ち着かせてから、また練習。

 大分気に入ってもらったようなので、いくつか改良とパーツをくっつけることに。

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 サドルの高さを出先で自在に変えられるように、クランプをレバー式にしました。

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 そしてやっぱり女性だわ、こんな小さい散歩、ポダリング号にも、カゴがほしいということで、小さいバッグの一つ載せられるような子供用のカゴを付けてみる

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 下支えも、あまり思いものは入れないだろうということで、ハブからでなく、ブレーキシャフトの所から取ることに。

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 暗くなった時用のライトもということで、電池式のものを付けました。

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 あとベルね。けっこう見た目を重視するお母さんでもあるので、この黄色のやつで大丈夫かな?とちょっと心配なんだが。

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 はい、こうなりまして、お嫁入りとなりそうです!

 で、乗り方なんだが、再発見という感じだな。通常なら、足を上げて、フレームに跨がるようにして乗るものだが、試乗の時思った以上に足が上がらず、立ちゴケした経緯があったため、この通常の乗り方をやめることにした。

 幸いなことに、子供自転車基体なんで、自転車自身が短く出来ている、さらにそれに対して、大きく後ろに戻るハンドルが付いているので、サドルの後ろに立った状態で、ハンドルを握ることができるのね。

 なので、まず自転車の真後ろ、足を開いて後輪の真上に経って、体かがめてハンドルを握ります、そのまま下手な跳び箱とのように、後ろからサドルに被さるように乗るという方式。

 下りる時もこの逆で、足を着いて、サドルからちょっと腰を浮かす感じで、ハンドルを前に押してやると、自転車だけが前に行って、サドルから自然と下りている状態になる。

 これって意外と安全で快適かも・・・、この乗り降りを徹底させれば、この車体を高齢者の方々に普及するいい理由と切っ掛けになるかもしれませんね。

 ということで、試乗も終わって一息ついて、息子さんがトマトジュースを渡すと、それおいしくない、もっとおいしいのがあるのに、とわがままを言うお母さん。だったらそう言ってくれれば、それ買ってきたのに、と息子さん。

 オギャーと生まれた時から大分時は経って、今がお二人の一番高齢の地点なんだが・・・。でもそれも、また数十年後か何かに、あの時は、まだ自転車に乗ろうなんて気力もあって、体力もバランス感覚もあったんだけどねえ・・・、なんて時が来るかもしれませんね。今後を考えると今が一番若いお二人、とも言える。

 お母さんは楽しそう、そして息子さんの心配の種が一つ増えたかな?とも思うが・・・、それは息子さんがまいた種だよね。

親から小学生の君へ



 車体の頑丈さなどは全く問題はないながら・・・、もうアチコチが大分痛んでいます。

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 シフターのケーブルは破れて、スプロケ錆錆、チェーンも錆び錆び、リアディレーラーもやれてやる気なし・・・。

 でも車体自身は頑丈なんで、こいつに多少銭かけても、しっかり走らせるようにしてやって、小学生の男の子に渡してやりたい。そう、確かに消耗部品を替えてやれば、まだまだまだまだ大分走るでしょうこいつは、その代金で新車ももちろん買えるでしょうが、そいつは手を掛けたこいつよりもたないはず・・・であります。

 なら直すぞ!

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 ね、やる気出てきたぞ!

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 アチコチガタだらけだったが、締めるところ締めると、使えることが判明。当初はシングルにしてやろうか?という案も出たんだが。

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 ちゃんとしてやると、ちゃんとするもんだね。シマノがすごいのか?

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ワイヤー類もボロボロ。でもワイヤーチェーン交換てのは、思われている以上に効果がありますね。もちろん単に張り替えるだけでなく、その時に調整ということが入るんでね。

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 まあ、このくらいの破損なら、全く乗れないことはないんだが・・・。雨が降って、ここから中に水が入ってたまると、数日は抜けないよね。翌日が晴れて、自転車に乗ろうとした瞬間、ズボンにジューッと水がしみ出てくる・・・・、よくあるなあ。

なので、ここは交換した方が、ずっと使い勝手は良くなる。

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 ここに座りなさい、とサドル側で指定してくる形状なんだが・・・まあ慣れるだろうね。

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 何のかんのと、シフターも交換したな。かなり総取っ替えという感じになった。

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 そうそう、あとブレーキシューも前後とも交換・・・。

 少年が持ってきたんだが、僕が乗りたいということだった。ただどのくらい銭かけていいの?と聞いてい見ると、ちっこい携帯電話を取りだして、親に確かめていた。

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 確かにその値段だったら、新車一台は優に買えるでしょうね。でも、その値段で買える自転車と、その値段で直したこの自転車とは、格が違うはずだ、そして値段には替えられない何かもそこにはあるんだよな。

 たぶん相当快適だと思う。今の腕の長さだったら、プロムナード系のハンドルもありだろうね、とは思うが、まずはこれで乗ってみなさい。あとは乗りながら、成長を見ながら、考えていきましょう。

 最近、徐々になんだが、こうした大規模メンテをして乗り続けようという人も増えてきたような気がする、もっと施工例を見せて、自転車の再生というジャンルというのを確立していかないと、とも思う。

 直すより買え、だけじゃなくて、買い換えよりも直そう!という発想の方を豊かにしていくこと・・・かな?

 頑張れ小僧!高学年!

ピアノ調律の日 持ち込まれ自転車に代車になにかと・・・



 相当ガタの入った自転車がやって来ました。普通の修理の依頼、とはちょっと異なります。

 というのは、当店二階の響床でちょっとしたイベントがありまして。

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 ピアノの調律があったんですね。面白かった、自転車の修理なんかとほとんどシンクロします。現状の把握から、予算の中での優先順位的依頼まで、まあほとんど同じ、なので嘘言っているかいないかすぐに分かりますが、この方は嘘はなしでしたね。

 で、この調律師さんを紹介してくれた方がいるんですが、その方が冒頭の自転車で乗ってこられたんですね。

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 イヤー、パーツの要所に錆がビッシリ、まあここまで来れば黒さび添加剤などでやった方がいいかな?とも思いますが。

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 まあ、まあ、なんともねえ・・・どうしようかな?というくらいのもの。

 一方二階では、

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 もの自体はいいピアノです、と褒められながらも、ハンマーのシャフトの交換とか、フェルトの研魔とか、まあいろんなことを屋っていただいているわけであります。

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 鉄のパーツというパーツほとんどが錆。これはまた別の機会に、錆の表面処理など使って、じっくり直すことに。

 それで、帰るための代車を用意しておこうか?そう、ちょうどこの朝、いらないので置いていきますよ、という一台があった、けっこういい車体なもんで、そいつからバラすか・・・と。

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 まあ今回はこの程度で許すことに。しかしこの袋系のチェーンカバーを外すのは面倒だ。

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 それだけのための専用工具が、なんとまあ、立派なこと。でもこの工具を見つけた時はちょっとした小躍り状態でしたね。それまではねじ切るように外していましたんでね。

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 メンテに面倒なチェーンカバーを外します、スッキリ。

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 二階は二階で、ハンマーの動き、特に戻りに関しての調整をやってもらったようです。

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 荷台と前輪の泥よけを外して、注油、その他の調整をしっかりやって、できたのがこれ。

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 当店のしては、おしとやかな改造・・・というか取り外しだったんだが、たったのこれだけでも大分違いますね。走り出しが軽いし、三段内装が付いているので、通常自転車としては、もう十分でありましょう。

 まずはこれを渡して、あとは先の一台の行方をじっくり考えよう。完全に交換してもいいかと思ったが、どうも捨てられない、と持ち主の方は思っているらしい。そういう方に代車進呈するので、こいつを廃車にしましょう、というわけにはいかない、それなりのメンテというか、あそこまできているなら、ちょっと別の形で渡してもいいかな?と思う。

 もう少し考えてからにしよう。

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 さて調律完了として、今回この調律師さんを紹介してくれた、先の自転車の持ち主の方なんですが、実はかなりのピアニスト方だったんです、ジャズ系。

 お名前は、石田幹雄さんという若手のピアニストではかなりの位置にいる方、だそうだ。




 この動画を見ても分かると思うが、すでに狂気を孕んでいる、並のプレーヤーじゃない。そして、驚いたのが、このドラマー。店主が高校生の時、日比谷の野音で感じた、世界で三本指に入ると確信した当時の坂田明トリオのドラムを叩いていた、藤井氏が参加しているではないか・・・。

 とまあ、こんなお方から、紹介してもらい、実に丁寧な調律をしてもらった、響床のピアノ。

 もうこうなったら、ピアノを使ってのライブをせざるを得なくなりますね。

 そして、すべてが終わって、外しものの代車に乗って石田氏は帰っていった。狸サイクル、響床、一階と二階のコラボな一日でありました。

 展開するぞー・・・。

旧車に乗り続けるなら・・・



 ぱっと見ると、古い自転車には見えないと思いますが、イエイエ、二十年は経っている、いわゆる旧車の一種ですね。といってもクロモリフレームのイタリア50年代・・・なんてほどの気合いは入っていませんが・・・。

 キャノンデールの初期型、アルミフレームの車体です、本ブログでも何度も登場しているので、オオ!元気でやっているなあ・・・と思われる方も多いかと思います。

 ホイールをカーボン系に替えて、老いてなお盛んで頑張っています。乗り手の方も、当店回りから、都民の森、風張り峠なんて普通に行かれているので、人車ともに盛んなんであります。

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 先日こいつでもって、ホイールバランスを取ってみた。

 前後ともに、三カ所に鉛を薄く叩いて仕込ませるというやり方を採用しました。

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 ホイールバランスを取ると、アンバランスによるホイールのあばれが取れますので、単なる回転に徹するホイールに変貌するわけで、暴れずにただ回っているだけのホイールがいかに安定感があって、快適かということが分かります。

 これもある意味消極的な不快感を取るという部類に入ると思います。取ってみて、いかに不快だったことに気づくというやつですね。

 ただ、こいつがチューブラータイヤということで、鉛の仕込みには苦労しました。通常クリンチャーなら、リムテープのしたに忍ばせますが、チューブラーの場合は薄くのばした鉛の板の裏表に両面テープ貼って、リムに直に圧着させ、その鉛の上の両面テープが、今度は同じ両面テープであるリムテープと圧着されてタイヤを乗せることになります。

 薄くのばしても、厚みはありますので、タイヤの縦ブレに影響でないように、リム表面の溝に押し込むようにして落とし込んでいきます。そんな施工がようやくできたところで、一月してから、新たなチューブラータイヤに張り替えて欲しいというご要望。

 サイクリングの季節で、近いうちにエンデューロの大会に出場するとのことで、その時には新しいタイヤで参加したいというご要望があったからであります。

 恐る恐るチューブラータイヤを剥がして、それでもタイヤに張り付いてしまった、鉛部分を計測し直して、不足分をまた両面テープで挟んで、チューブラータイヤを履かせました。

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 大会に向けての、メンテもしていきます。持ち主の方自身、この車体が旧車であることを熟知しておられるので、メンテに対する関心は高いですね。ちょっと何か気づかれると、持ってこられます。

 まあ、これが旧車に乗る方の一つの作法・・・かと思いますね。車体へのいたわり、常に観察して、走りながら自転車の様子をよく見て、走る。細かい配慮を忘れない、旧車にあえて乗る方にはかくあっていただきたいと思いますね。

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 8速のスプロケを、ツーリング大会に合わせて、少しギア比を下げたものに交換しました。8速ものでも今色々歯数はありますね。

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 このSTIも古いですね。作られてからの時間を考えると、アチコチ不具合が出てもおかしくはない、古さであります。

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 実際、完全に中を開けることが出来ないので、このネジの調整をして、注油を十分にしながら、癖を見抜いて、壊れるまで使い続ける努力をします。

 戻りが悪い、戻すためにはちょっとひねるなんていう癖がありますが、乗り慣れるとそこがかわいいなんてことにもなってくるでしょう。

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 このヘッドパーツも癖ありなので、締まりすぎると、ステアリングに影響が出てきます。ガタの手前、ほんの手前で止めて、締めるという調整もちょくちょくやってやらないとね。

 あと、カーボン用のブレーキシューも交換して、トーインして音消しをする。

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 これで、また馴らしで走らせて、気づいたことが出来たら、また当店というピットに戻ってくる、この細かい繰り返しが、長く乗り続けられるところにつながっていくんでしょうな。

 旧車に乗るということは、こういうことなんだ、とこういう丁寧なお客さんからまた教えられる。

 なので、いつでも店は開けて待っていないといけません・・・、出来るところまで、それを続けるしかない。まあ、必要とされている内がはなでありましょう、うれしい限りであります。

未完ながらのお手入れ・・・か?



 やはり、固定ファンというのは少なくなっても、薄くなってもすでに層が出来ている、と思える状況ですね。

 こうして不定期ながら、来る時は来るんです・・・。

 まあ、あのピストブームはちょいと異常だったかもしれません、功罪はあるでしょう、どうも罪ばかりいわれがちですが、いえいえ、功だって十分あったと思います。

 そんなこんなからすでに十年以上が経って、まあ、薄くても固定ファンというのが確実にいる、居続けている、ということの確認は出来ますね。

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 すでに何台か扱ったブランドですが・・・。まあ、店主好みでいうと、ピスト、固定車はマジなロード乗りの練習機として定着していく、またはバンカラ風なフリーは軟弱で乗ってらんねー・・・的な展開として定着してくれるといいなあ、なんて思います。

 まあ、いずれにしろツウですな、自転車のツウとして、あえて固定ギアが好き・・・という大人が少しでも増えてくれるとかっこいいでしょう。裸足に革靴で乗ってくれてもいいし・・・。

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 今回の最大の依頼はここ、ブレーキレバー。店主一押しのディズナのエアロブレーキ。こいつはどこから引いても、引けちゃう、人間工学を大変意識した、優れたエアロブレーキと言えると思いますね。形の好き嫌いはあると思います、まあ、欲を言えば、旧カンパ系の形状で、この引きだったら最高かな?と思いますがね。

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 あとは使われているもの自体はかなりいいもの、こいつもデュラエースですしね。

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 このチェーンも凝ってますね・・・。

 そして、何よりもホイールがけっこう贅沢なんだが・・・、途上の選択も見え隠れしている。

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 重厚で、頑丈、高級感で知られるフィルウッズのハブですね。回転も安っぽいスルスル回りではなくて、少し粘りのあるヌルヌル回転で、高級感を演出しているのかしら?

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 リムはまあ、あの一時期なんでか理由が分からず、流行っていた40ミリくらいのディープですね、まあこれはどうでもいいんだが・・・。あとタイヤもまあ、通学用と揶揄されがちな、パナレーサーの・・・・ってやつであります。

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 前輪のハブがまたプロ仕様というのがいいんだが・・・。

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 リムがチューブラー用途、チンバな状態となっている・・・。どうせなら、リアもチューブラー・・・という選択肢もありかと思いますが・・・。昨今ピスト車を固定として好んで乗っている人で、且つ前後輪ともチューブラータイヤなんて履いている人がいたら、マジ酔狂な人物と思われること確実でありましょうな。

 その不便さをあえて選択しているのだとしたら、渋い、渋臭い、渋すぎであります。尊敬に値するくらいの好事家でありましょう。

 そんなバンカラピストオヤジなんて出没したら応援するねえ・・・。別にオヤジじゃなくてもいい、お姉ちゃんでも、熟女でも、自らピスト選んで乗ろうなんてものは、今やなんか孤高の雰囲気が漂っていていいように思うんだがねえ。どうです?

 まあ、前がチューブラーで、後ろがクリンチャー・・・、まだどうやって完成させようか?という途上のような気もするが、徐々に完成の持っていくというのでも十分いいもんだ。時間をかけてね。

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 この手の物なら、サンダルでも革靴でも、履き物は問わないでしょうね。普及にはこうしたセンスは必要でしょう、何も自転車屋だけが自転車を扱うべしということもない。いやむしろ、自転車を自転車屋に任せてきたことが、今日のあり方の一つの答えなんじゃないか?とも思うわけだ。

 反省点は大いにあるだろう。そして先のピストブームの功罪の功については、そんなところにも感ずるものがある。つまり、自転車を巡るあり方に、自転車屋だけでなく、あらゆる業界の美的センス、スタイルのセンスというものが、一気に輪界に流れ込んできた・・・ということでもあるんじゃないか?と。

 自転車を自転車としてだけでなく、生活のスタイル、もっといえば、人生のスタイル、生き方に通じる選択肢として、自転車というものを予感させたということが、最大級の功なのではないか?と思っているんだが・・・、相変わらず的外れかな?

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 まあ、車体が単純で、シンプルで簡素な美というピスト車だけに、車体による限定がきわめて少ないとも思えるのがこのピストなんであります。だから、今までの文脈と切り離された、新たなピスト乗りが現れうるし、予想を超えて現れてくるかもしれないのもピストの持っている潜在的な魅力なのかもしれない。

 そういう意味で、根強く、次回のピストブームとやらをしつこくそっぽ向きながら待っている・・・というのが店主の現状なのかな?もちろん指をくわえて待っているだけではないんだが・・・・ね。
 

何年ぶりだろう?柴田式



 このBBのワンを外して、こいつで再生自転車作って欲しいと言われましてね。

 で患部をよく見るわけですよ。これほとんど円状態で、引っかけるところがないね。通常なら小判型しているのでそこに工具を引っかけて、力尽くで開けるんだが、こいつは・・・・何だろう?角が取れてしまったのか?なんだかよく分からない。

 まあ、このままではほぼ絶対に外せないので、再生は諦めてください、というのが一番手っ取り早い。

 だが、こんなワン一個のために、他はなんともないフレームが使えないというのも、なんか情けない。さて、どうやったら外せるんだろう?

 引っかけがなければ、この穴の内部を使うしかないだろう・・・、ということは・・・、柴田式・・・しかない。

 この柴田式というので検索しても何も出てこないでしょう、当店だけのローカル工法というか、符丁の一種ですね。

 もとを話すと、昔々有るところに柴田さんというお客さんがいました。その方も方ワン付きの古いツーリング車のフレームを持ってきて、再生して欲しいということだったんだが。

 そのワンがどうしても外れない。さて困ってやったことが、功を奏して、なんと外すことが出来たということで、それを記念してその工法をそれ以後、当店では柴田式と呼ぶことになった。

 この柴田さんというお方は、マルイか何かのデザイナーさんだったかな、非常にユニークな方だった。そういえば、そのツーリング車になんと、当時は絶滅種だった650Bのタイヤを履かせたいということで、持参してきたことがあった。

 今でこそ27.5とかいって、いつの間にか主流のような顔していますが、当時はそうだった、まさか650Bこんなにまで発展するとは、当時だって思いも寄らないことだったなあ。

 では、数年ぶりの柴田式の手順を公開しようかな?というほどの工法では亡いんだが・・・。

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 まずはこの引っかけのない円状態のワンに、十字に亀裂を入れます。BBソケットにまで刃を届かさないように、慎重にやります。

 そこにだなあ・・・

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 こんなやつらの内のどれかを打ち込むんだが、極太系のタガネだな、さてどいつにするか?

 選んだそれを加工する。

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 このようにサンダーにかけて、エッジを出す・・・ことだな。かなりキンキンに立てる。

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 こいつをさっきの十字の亀裂の角に合わせて、力で打ち込むんだな。タガネはもちろん焼を入れていないので素材が少し柔らかい、見た目は大仰だが意外とチョロいんだな。なので、その柔らかいぶん、素材のワンに食い込んでくれるという利点があるというわけだ。

 かなり奥まで打ち込むと、タガネとワンが一体になる、

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 裏から見るとこんな感じだかな?タガネの食い込みがかなりの所まで・・・きている。


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 タガネの幅のあるところをこうして万力に、鬼挟みをする、もちろん延長棒で回して親の敵のように固定する。

 そして、フレームをつかんで、外す方向に回していくということを繰り返す。

 何度かフレームを動かそうとすると、打ち込んだはずのタガネから、フレームが外れそうになる。そのたびに、再度タガネを取り出し、エッジを立ててからさらに、ハンマーでワンにまで打ち込んでは、数回を繰り返すんだが・・・・。

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 なんと外れてくれた・・・。まあ、外れなかったら、ワンをダメにして、フレームの再利用が不可になるという、最悪の結末になる所だった・・・セーフ!

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 しかし外しても、この外周、ほとんど円じゃないか?どこを引っかけろっているんだろう?


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 でも本当外れて良かった。このワンが外れなかったら、こいつを使わざるを得なくなる?でも亀裂入れたしねえ・・・やはりダメか。

 外れてからだが、責任重大だったことに気がついた。

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 次使う時はまたエッジを立ててやっていかないと、当分ないだろうなあ、それまでお休みだな。

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 この名前のフレーム?聞いたことはないが、とりあえず、すべて外せた訳なんで、思うような改造が出来ればいいなあ、と思います。どんな自転車になるんだろう?

 また追って、ご紹介すると思います。静かに期待しておいてください。

四十年乗ってきて これから多段に



 中学生か高校生の頃から乗っている自転車と聞きました。四十年乗っておられるとか。

 そうなると店主の年齢とあまり変わりはないか?と思うこの頃なんでありますが、モロレトロではなくとも、今では絶対に作られていないという意味で年代物であるとはいえるでしょう。

 もちろんのこと、四十年も乗り継いでいる自転車を買い換えろ!なんてクソ野暮なことは絶対に申し上げません。口が裂けてもね。

 最初、どんなことができるか?ということをとことん話まして、予算と内容についてはまたゆっくり考えて、おいでくださいという事になった。急いで焦って決めてもね、あとで本当に良かったと思えなければ意味はありませんから。

 そして後日お見えになった。シングルだった自転車を多段にして欲しいんだが・・・、三段くらいでいいということに。

 あとは・・・、何分古いのでできる範囲で今後乗り続けられるように・・・ということだった。

 三段ギアといえば、こちらでスペーサーでもって作るアレだな。ということは、ホイールは組み替えないと。

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 七段クラスのフリーハブを持ってきて、それに15、17、19、の三枚を載せて、アルミパイプから切り出して作ったスペーサーを入れて完成。

 といってもパイプカッターはつぶして切っていくので、幅が細くなるに付けて、形がいびつになるんで、それをまたノギスでは借りながら、サンダーで調整など・・・けっこう手間だわ。

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 大森社長の手を借りて、ちょいと磨いた、無名のディレーラー・・・まあ、見当は付きますが謎のリアメカとしておきましょう。

 まあ、ミッションはこれにて完了なんだが、さすがに四十年乗っているところから、交換した方がいいものは、替えてみた。

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 クランクとBBは交換。BBソケットの中は大分荒れていた。もちろんタップはしっかり切って、迫り出ていた錆の山はすべて削り出した。さすが四十年の齢は感じたな。

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 ここぞとレトロ系のペダルを使う。

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 チェーンカバーも欲しいというので、珍しく当店としては取り付けた。このチェーンカバーは一般パーツのものなので、もちろんポン付けは出来ない、大分工夫させられた。あとカバーにもかかわらず、上部にスリットが見えるが、こいつはどうもフロントディレーラーを取り付けるためなのか?

 そう、今回宿題も用意していたんだな。

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 シフターは、ダウンチューブのバンド式のものにした。レーサーでないので、そう頻繁にシフトはしないだろうということでね。元々四十年シングルで乗っていたんでね。

 で、その対岸にあるフロント用の台座部分が欠番となっている。万が一フロントを二枚にしたいという時のため。

 そして

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 その際に必要になる、アウター受けなんかもちょいとレトロ系を取り付けておく。こいつも前二枚にしたい時のため。まあいつになるか分からないし、ならないかもしれないがね。

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 こんなハンドル、今はないよね。プロムナード系だが、幅が狭い。足を中に入れるとペダリングにいい癖が付くかもしれない。逆にこのハンドルより開いてしまうと悪い癖が付く。

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 これはブルックスだった。四十年物かどうかは分からないが、大分使い込んでいる、座り込んでいるとでもいうのかな?多分持ち主の方の腰にピッタリと収まって一体化するんだろうね。

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 あとはダイナモライトを取り外して、このなんちゃって系ハブダイナモを取り付けた。やはりこいつはいいね、後付けでハブダイナモのような働きをしてくれるのでね、全く回転は重くはありませんよ、いいねえ、明るいし。

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 ライトも自然とつく設定と常燈の設定どちらも出来ます。砲弾型のライトもあっていいね・・・、欲を言えば。

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 これから三十年とか乗られるのかな?出来るところまでおつきあいしたいですね。そういえば、店主も12歳の時今から四十年以上前だが、FUJIの実用車を中古車で購入してもらったことがあった。

 二回盗まれたが、二回とも自力で探し出し、二十歳過ぎまで乗っていたが、姉に貸して、区に持って行かれ、回収しに行かなかったことから別れ別れにあってしまった。

 アイツ今頃どうなっているんだろう?とこいつを見た時思い出した、防犯登録番号が51352だった・・・。

 もし今も近くにあったら、どんな形で乗り続けていたんだろう?それはそれは誇らしく乗っていたに違いない。なので、当然それなりの思いと敬意を込めての施工となる。

 間違っても、口が裂けても、買い換えを勧めることなんて出来ない、そんなクソ野暮なことが出来るようになったらおしまいだ、そうまでして自転車屋などやっている意味などない、少なくとも店主には。

 こういう自転車が来てくれることで、引き締まる。なんと絵になる自転車だ、それも人車一体で。それを街の顔といってもいいだろう。それは歴史の一部であり、分厚い文化そのものにまで昇華しうるやもしれない。

 家を作ること、衣服を作ること、車を設計すること、それらすべて街の顔であり、歴史の顔であり、ひいては文化のそのものでもあり得るんだが・・・、少しはそんなことでも考えて、新車でも売ってみやがれってんだ!

レレレの出戻り君 これで最後だぞ!



 真っ黒ホイールに、ねじりのスポーク?アレ?どこかで見たなあ、と思われる方も多いかと思います。

 そうわずか十日近く前、この事故からの生還という記事で触れた車体なんであります。

 乗りかかった船は最後までってなわけで、事故車の対応は、自転車のある生活に戻れるまで、という当店基準に合わせて、とことんつきあう、という基本方針なんでありますが、事故車として持ち込まれて、実はまだ係争中ながらも、いろんな意味で回復し、もう直すところは直して、乗り始めたい、という強い希望から再生したという車でした。

 そしたら、その十日後、またやって来たんであります。

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 これね、見覚えあるでしょ?もう今は亡きアンブロシオのエクスペディアという名リムで組んだんであります、DTのクロスポークに、ノバテックの黒ハブでね。

 ところがこいつが曲がって帰ってきた。聞くところによるとガードレールに寄せられ、ぶつかってしまったことによる、ということなんですね。ちょっとした交通事故であります・・・。

 再生から十日でまた事故かよ!体の方は大丈夫なんだが・・・、

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 外してみたリムがこの通り・・・。わかりにくけりゃ、こう置くか?

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 平らなところに置くとこのように隙間が空いてしまうほど曲がっている。

 ホイールは、スポークによって振れている場合と、リム本体の曲がりによって振れている場合の二種類が単純には考えられるが・・・。前者なら修復可能、後者なら、少なくともスポークでの調整は不可能・・・といっていいでしょうね。

 一見振れ取りが出来たとしても、曲がったリムの矯正なので、スポークのテンションのばらつきがありすぎて、一度体重などがかかると、またすぐに振れてしまう、その繰り返しでしかない・・・、つまりリムを入れ替えるしかない、という結論なんだな。

 このリムは諦めて、同種類のもので組み直すことに。

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 まあ、これでホイール問題は解決なんだが・・・。

 一緒にフレームの矯正もしてもらった、柳さんの目が光った・・・。これちゃんと見た方がいいね、元々の曲がりと、前回の事故による曲がり、そして矯正があったんで、万が一ということもあるので・・・、

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 まずはクランクを外して、定盤の上での計測をすることになった。

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 シートステーのあちら側に、塗料の割れが見える、あれが前回の事故によるもの、そして矯正の跡でもある・・・、そして計測の結果、リアのホイールが曲がって付いていただけであって、フレーム自身には曲がりがなかったということだ。

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 うん、良かった・・・。前輪のホイールの組み替えと、リアホイールの振れ取りで今回は済んだということだ・・・。

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 再再生号となってしまった・・・。

 事故というものは同じ人で続くことがある。また前回の事故で、心的な何かが影響したとも考えられなくもない。

 いずれにせよ、三度は絶対にないようにと、願を掛け、送り出す。

 次回は別案件で、この緑の出戻り君と会いたいもんだ、事故の世話はもうこれで終わりにしよう。

新旧取り混ぜ組



 元はレーサーというよりも、ツーリング系なのかもしれませんが、新旧パーツを集めての組み付けのようになっています。

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 アマンダですぜ!といっても、今まで真剣に乗ったことはありません。悪い噂は聞かないが・・・。

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 これは持ち主の方がこのように組んだというよりか、こういう形で売られていたものを購入したらしいですね。

 新旧パーツの入り乱れというのは、例えば上のブレーキ。センタープルものの、あの効かない例の何、というような古いものが使われていますね。

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 これもソコソコ古いもので、TAのクランクです。

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 これなんかも使い込まれている佇まいで古い部類ですね。ところが・・・

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 これ・・・、Wレバーというのは古い形式ですが、ちょっと前まで、最高級コンポとしてラインナップされていた実績があるという意味で、実はさして古くはない。

 そしてあと・・・、

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 このホイールのハブなども、もろ新しくはないが、比較的新しいモノ・・・ということが言えるでしょう。

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 そして、極めつけはこれ。マウンテンコンポのほぼ最新ぽいものを付けている。なんでだ?たまたまあったから?

 それともこいつを特別に気に入って、取りはからおうという目論見でもあったんでしょうか?しかし、あまたあるディレーラーから、わざわざこいつが選ばれて、ここに取り付けられた・・・ということの意味はわからないまま、メンテは終了となる。

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 最後にこのハンドルは、どうも持ち主の方の好み・・・なんじゃないか?という意味で新旧とは関係はなさそうだ。

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 セミドロップの影響かな?あとはダウンチューブの空気入れの雰囲気なんかも関係するかもしれないが、なんか学生くらいがかつて乗っていた自転車に見えてならないんですね。

 それにはちょっと高級すぎるか?イエイエ、でも、こいつに電飾系のモノなんかが付いたら、ちょっと化けるかもしれないね。かつてのデコチャリ風にも化けそうな来もするね。

 最後まで、正体の分からない、進級寄せ集め自転車でありましたが、こうした仕様の分からない、出所謎の自転車というのは何かいいもんだなあ、と思う。

 もっともっともっと、頭柔らかく、柔軟な発想で、もっと独特で自由な自転車があってもいい、イヤ、ないと面白くない。

 今日も高校生が来ていた、五万で自転車ないか?と。そんなこと量販店に行ったら、店にあるその予算付近の自転車数台を見せられ、その内からかうハメになるのが落ちだろう。

 人が作っただけじゃない、自分で少しは手を入れた自転車、自分なりの面白自転車を作らないか?と、オークションサイトなど二週間から一ヶ月、ちゃんと値段とものを見て、目を鍛え、予算案を具体化してきながら、作っていくという方法を伝授。

 アア、また自転車屋になり損ねてしまった・・・。ちゃんと商売しないといけないのに、一体何やってんだろう?でも、それでもつまらない自転車が売れるくらいなら、変な自転車作りの近くにいたい、断然いたい、何よりその方がずっと面白いからだ。

ネット社会 ポンとは付かないものだらけ?



 以前も似たようなものの取り付け依頼を受けたことがありましたが、今回もやって来ましたね。雨よけのためのカバーのようなものかな?
 そのものの意味はわからなくはない、上部にビニール製のなにがしかを構えることで、雨をよける・・・、発想自体は至極簡単なもんなんだが・・・。こうした特定のものが、星の数ほど種類のある車体全般にいかに簡単に、広範囲に取り付けられるか?という工夫が大分なされているわけであります。

 中には、お見事・・・と思える工夫のものもありますね、なるほど・・・その形式なら9割方の自転車に取り付けられるわ・・・というものもありますね。

 ところが、取り付けにくいものだって中にはあります。また作り手の用途とちょっとずらして使えないか?という人もいます。どうせなら、そこだけじゃなくてもここも出来ればいいなあ・・・とかね。

 で、そんなモノなんかを、実物を見て・・・ではなくて、パソコンの画面、下手すれば、スマホの画面だけで見て、良さそう・・・と、ポチってやってしまうことだってある、というのが現代なわけであります。

 さあ、送られてきたぞ・・・、さっそっくなかあけてみると・・・・、まあいろんな期待外れ、想定間違い、勘違いなんて事が起こるのは、もう誰しも経験済みなんじゃないか?と思いますね。

 イヤー、帯に短したすきに長し・・・、どうしよう・・・捨てるわけにもいかないし、といってこのまま使えるものでもなし・・・、なんてモノ、一つや二つ家に転がっているんじゃないでしょうか?

 上の雨よけシートも、元々は用途違いのモノだったんです。

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 本来なら、このカバーは赤線の位置に設置するように作られています。まあ、取り付け金具なんかを見れば、なるほどと納得できます。大体が後ろの荷台の半分くらいの所から、ハンドル越しちょっと前ほどまでをカバーするようにできています。

 つまり、一人用の雨よけとして作られているんですね。

 こいつを見て、この広さなら、後ろ子載せまでカバーできれば、親子で濡れずに済む!と思って、個人輸入の会社からネット経由で購入・・・となったんだそうです。

 まさに今風の入手法であります。

 ところが、事はそう簡単にはいきません、当然です。だって、一人用に作られていたわけなんで、取り付け金具の形状なんかも、使い方も向きからしても、何から何まで全く違う装着の仕方なんですねえ。

 そこで持ち込みがされて、是非とも親子両者をカバーできるような設置の仕方ってないか?と当店にやってこられた、という訳なんですね。

 まずは想定内での装着の形式を見て、この子載せの形に応用できるか?を徹底して考えます・・・。あっちを見、こっちを見、裏を見て、表を見ながら、どこにどう付けられるかを考えます。出来れば大幅な加工しないで、また既存の自転車およびその周辺への大幅な加工もしないで、取り付ける方法を考えます。

 まずは本来なら、後ろに大の真ん中当たりで取り付ける、後ろの金具を荷台の一番後ろの所に引っかけることに。

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 まず荷台の後ろの部分、これから取り付けようと思われるところに、輪っかの鍵がありましたので、こいつには移動してもらおうということになりました。

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 元々付いていた金具固定のためのものだけでは弱かったので、このようにトーストラップを利用することにしました、二本分です。

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 まずは仮止めですが、意外と強度が取れそうなのを確認。あと取り付け角度などを何で調整するか?なんてことでリアは決着。

 そして前は・・・となると。

 前用の取り付け金具は、本来はヘッドチューブに固定して、地面と平行に倒して使うという形式だったんですね。ハンドルよりも大分前に固定するように最初の設計では出来ていた。ところが、子供をぬらさないために、子載せの裏の最後尾から固定しなければならなかったので、当然前のより前に伸びた金具への装着は不可能となった訳なのであります。

 じゃあ、どうするか?前に倒すことでカバーが届かなくなるんなら、前を倒さず、立てておくことで、そこを利用してカバーを掛けることにすれば良いという事になった。

 では、どのように固定金具をハンドル回りに立てるか?ということなんだが・・・もう面倒なんで、直接ハンドルに固定してしまえということになった。ではなんで固定するか?

 タイラップ・・・、極上のタイラップを使って、巻き方も工夫すれば、大分強く固定することが出来るようになります。

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 この白いチューブ状のものが取り付け金具なんだが、ステムの部部に二重に止めてみる。そして・・・、

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 今度はハンドルの両サイドに、立てた取り付け金具を強く固定することに、合計四点プラスαでもって金具を固定することが出来ました。

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 それでできたのがこいつだったというわけなんであります。大した資材も使わずに、観察と工夫だけで取り付けた・・・ということなんだが、課題はまだまだありそうだ。

 たとえば・・・

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 中に入って、正面を見ると、こんな調子だよ。もちろん雨は降っていません、晴れであります。晴れなのに、こんなに雨が降ったような、土砂降りの外を見ているようであるなら、ちょっと視界として問題だなと思います。

 仕上がって、夜のサイクリングで試乗したんでありますが、向こうから人が来るのは分かるんですが、それが一体誰やら見当が付かないという感じですね。

 改善方法とすれば、頭でこのシート裏から頭突きをして、ビニールを伸ばすと、まあよく見えるようになる・・・という裏技。

 ただ、新品でこれだとねえ、二日も張って置くことで、ビニールのしわが伸びるのだろうか?

 または、このしわを厚いタイルとアイロンなどで直すことが出来ないか?っとその前にこの商品が不良品であるか否かの確認はしておいた方がいいですねえ、そうなら工夫いらずの即交換で、事が済むんじゃないか?

 ご依頼の方には、購入先に、写真などを送り、公正な判断をしてもらうしかないね、と釘を刺しておきました。ネット購入ではこういうことはよくあることかもしれませんのでね。

 明るい内に、この車体にどこまで慣れるか練習をして、とくに視覚状問題がないようだったら、交換要求などと同時に乗り続ければいいし、どうしても慣れず、後ろに子供を載せて乗る自信が付かなかったら、これは諦めた方がいいかもしれない。
 
 とりあえず、バトンは渡して、自分で判断してもらうことにした、まずは慣れだね・・・慣れ・・・慣れだなあ。

当世 メッセンジャー事情 多段化?!



 持ち込まれたときには、シングルギアの街道ピスト車だったんですね。

 それが・・・。

 来月から、メッセンジャーをやるそうで、その面接に行った際・・・。うちではなんのメリットもないシングル自転車の使用は一切認めていない・・・と、注意を受けたと言うんですねえ。

 シングルに一切メリットがない・・・?なんの話だ?

 一定のものを自転車で運ぶ仕事でしょ?運べれば何でもいいんじゃないんだ・・・。でもなんで?

 メリットがない・・・というのもよくわからない話だ、使う人がそれで良ければいいんじゃないの?シングルではとうてい通用しない何かがあるとでもいうのだろうか?

 かの国で、メッセンジャーが流行った際、シングル固定車が主流になったらしい。メリットは、故障しにくい、管理がしやすい・・・という事だったんじゃないか?と思う。それにその地では、平地がほとんどなので、シングルで十分だったでしょうな。

 それに、乗り方などが、ファッション、スタイルと連動して、一つの形を作っていったということなんだが・・・。

 まあ、それから比べれば、東京の町は坂が多い、シングルよりも多段の方が走りとしては便利なのかも知れない。でも数キロ続く坂はなし、シングルで乗り切れないこともない、とも思う。

 やはり、どう考えても、東京でシングルで走ることのメリットなし、という理由がわからない。

 わからないんだが、それを直さないと、採用されないということらしいので、わざわざネットで探して当店にやって来たということなんだな。

 120エンドを多段化する。今まで最高11段入れてみたことはある。今回は・・・、多段になりさえすればいいので、そこまでストイックな改造とはならない・・・が。でもなんと言ってもプロのための一台となるので、その辺は、ちょいと気合い入れてやらないとね。

 まず、リアのホイールをどうするか?ハブを選定してみる。

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 色々あったが、こんなのはどうだろう・・・と、ちょいとアイデアが降臨。

 見る人が見るとわかると思いますが、コイツはボスフリーなんですよ。しかもできが大変いい。いいハブの回転を持っています。かつてピストがはやり始めたとき、まわりからピストハブが消えて事があった。

 どこ行っても、何を捜しても、全くピストハブが出てこなかったときがあったんですねえ。それなのに、リム持ち込みでホイール君でください!という要望の嵐。

 なんかないか・・・と、思ってひらめいたのがコイツ、ボスフリーハブだったわけでした。もう時代遅れのこの手のハブで、焦げ付いたところが近県の知り合いの業者いたのを知っていたので、そこに問い合わせて、持ってきた中の一つだったわけです。

 今や、シングルハブが品薄と言うことはない、なので、コイツが在庫箱の下で眠っていたのを知っていた。

  オーイ、君の出番だぞ!

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 たったの6ミリ縮めればいいだけなんだな、今回は大した技は使わない。ピスト多段化は、このハブ改造に大抵忙殺されるんだが・・・。

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 ヨッシャ!ピッタリだ。これでホイールを組んでやればいいんだが・・・、なんとコイツ28ホールときている。先程、なんと言ってもプロの道具なんで、それなりのものを使わないといけない、という課題を課した。

 いいのがあるじゃん・・・、暫し眠っていたがねえ・・・。コイツも起こすとするか・・・。

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 既に32ホールは絶滅種になってしまった、名リムDT585の28ホールバージョンだ。まあ、言わずと知れた名リム、プロの道具としてはもってこいだわね。

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 コイツをまたやってしまった・・・、狂いにくいという最大のメリットをもつ、ネジリで組んで完成。これぞプロの道具・・・といってもいいだろうね。

 ちなみに、黙っていたハブだが・・・。

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 なんとここだけの話、サンツアーのスプリントのものだったのよ・・・。ハア?という人がほとんどでしょうが、中にはエエ!という人もいるだろうねえ・・・。

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 シマノのスモールパーツから、正爪用の台座を持ってきて、そこに加工します。

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 で、旧式の105をつけて、ボスフリーはエネシクロの5速、14-28なんてもんをつけてみた。

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 仕事中のトラブルフリーを願って、BBはシールドのものに交換。

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 チェンリンクは46のものへこれも交換。ギア比3.2から1.6まで、いいんじゃね?

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 元々はエイドブレーキレバーしか無かったんで、あれはかなりアチコチでハードな使用ではへし折れているんで、エアロブレーキに変えてみた。こちらの方がずっと安定感はある。

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 シフターはブルホーンの突先に取り付けた。やってみるに、5速のゆったりシフトなんで、まあフリクションで慣れるでしょう、すぐにね。
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 あとそうだ・・・、フロントのホイールは基本触らなかったんだが、ナット止めの形式を、クイック式に変えた。よく見ると中空シャフトだったので、両サイドを切り揃えて、クイックシャフトを差し込んだ。

 仕事中パンク修理もあるだろうから、一々15ミリのレンチを携行するのは大変だろうという配慮からである。

 店主も固定車で練習をしていた頃は、こうして前後ハブ改造をしてクイック化をやったもんだった、15ミリのレンチは重いからねえ・・・。

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 という中で、完成!プロのためのお仕事自転車でもある多段化の完成なのであります!

 メッセンジャーといえば、かつては町のアチコチで散見していたが、最近では大分減ったと聞きますね。有印書類が減ったとか、まあ色々な仕事を巡る状況が変わることで影響を受ける、ある話であります。

 それにかわってというか、デカイ箱を背負ってのウーバーとかいう仕事が、自転車仕事として出てきつつあるといいますね。ただし、こちらにはスタイルというものがなさそうだ・・・、その仕事をしているという事が、その人の生き方にも通じることを予感させる形式等にはまだ整っていないらしい。例え生意気であっても、多少とんがっていたも、そうしたものの有無は小さくはない。

 もちろん、そんなことはウーバーが考えることではない。あんなものは仕事の形式だけしか考えないだろうし、それでいい。

 あくまでも乗り手が、働き手が、自ら考え出さないとね・・・。そしてそれをスタイルにまで昇華するのはこれまた難しそうだが。

 店主はまた別の角度から提案ができそうだと思っている、もちろんスタイルまではいかないが。ヒントはこれ・・・、

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 書類やDVDなどの小物だけではなくて、こうした牽引を利用した、高速小物運搬サービス・・・なのではないか?なんて思ったりね。

 あれ?牽引といえばクロネコがやっているじゃない・・・と思うかも知れないが、「高速」小回りを重視するなんていうのが違うところかな?

 まあ、何はともあれ、当世のメッセンジャーの車体ができたわけだ、こいつを使って、町を走り、人を見て、人に届けながら、頭をフル回転して、次の隙間を見つけて欲しいもんだ・・・。その際の車体、こちらも頭フル回転でバックアップしましょう!

 励めよ!若人!
 
 

疲れたピストをシャキッとします



 見るからに疲れていますね、このピスト。

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 パナソニックです。このロゴが円柱の上に描かれているのを見て、電池を連想するのは店主だけかな?そんなことはいいとして、申し訳なさそうな顔して持ってこられたんです。

 ちゃんと乗れるようにお願いします。
 
 ちゃんと・・・ね。どこまでちゃんとしましょうか?どこまでもちゃんと出来ますよ・・・などと意地悪なことは言いません。大分反省しているようで、これからちゃんと乗っていきたい、自分の足として復活させたいということらしいですね。なら、その願いでちゃんとしましょうか。

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 クランクにいいものみっけ!かなりいいものとお見受けしますよ。なのにこのチェーンはないわ・・・。

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 クランクがいいと、BBだって悪くはない。

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 グリスアップのできるBBですね。今は珍しいんですが、やはり長く使うものであったら、半年に一度、最低一年に一度は中開けて洗浄とグリス充填はやったほうがいい。かつてはこのカップアンドコーン式というのが当たり前だったが、今やシールド系のガタが来たらハイ交換式のものが圧倒的増えてしまった・・・。

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 グリスの四点セットは、先のBBと、フロントハブ。

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 リアハブね、そして

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 ヘッドセットもですね。ここもシールドが多くなってきたんで、お手入れの率が少なくなってきたところ。単にガタ見て、確認して、あったら取る・・・ってとこで終わってしまう事が多くなった。

 確か一インチのデュラエースのヘッドが出た時、どんなに締め込んでもスルスル回るのには驚いた記憶がある・・・。シールド恐るべし・・・と思った。

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 あとは前後のタイヤも取り替えて、基本的にちゃんと走ることが出来るようになった。

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 うん、やっぱりシャキッとした。乗ってみても、隙がないのがわかる。無駄のない、逃しのない力の連動が推進力に変わる時、自転車の機嫌がいいという感じが伝わってくる。
 
 特にこのクラスの自転車の手入れはする価値は大だと、乗った瞬間に分かるもんだ。もちろんどんな自転車も力の連動をしっかりつなげてやれば、それはそれは走るようになるんだが・・・。

 いい自転車のそれは、各々のパーツ連動の総計・・・、それ以上の大化け感がある・・・ということかな?やっているこっちでも、アレ?なんだコリャ!?というくらい総合された時の力の倍増を感じることがある。

 料理でもそうだ。一つ一つの素材にちょっとだけ丁寧に気を使って対処し、ちょっとずついいものを重ねていくと、あるところでその総計以上の成果となって、ドーン!と一皿としての存在感が増す時があるんだが、自転車のそれと共通したイメージがある。

 それらのどこかの行程にちょっとでも手を抜くと、そうした大化けは起きない・・・。

 今回もちょっとその大化けが来たみたいだ。試乗してもらって、それが伝わったらしい。

 これから大いに乗るそうだ・・・、そうでしょう、人車一体でやる気満々なんだからね。

これも因縁の車体かな?



 これも当店の因縁の車体の一つかと思いますね。EZという電動車体であります。いかにものお母さん風の電動自転車でないところから、一部に人気の出た、スクーター、バイクライクな一台だと思います。

 ちょっと普通のお母さん達とは一線を画したい・・・というタイプのお母さんに多かったような気がします。それをこのように、子育て仕様にということで、相当施工を承りましたね。

 こういうのを公表すると、また、ア!ここがこんなことやっている、じゃあ依頼しよう!となるんじゃないか?と思いますよ。

 でも、ひょいとすぐに子育て仕様にできるほど甘くはない、いや大分辛いといっていいでしょう、大辛です。

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 まず、こんな一本足スタンドが付いているんですよ。これで子供載せともどもを支えるのは、無理というモノです。なので、こいつを両足スタンドに代えていくわけでありますが。

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 こんな頑丈そうで、安定感のあるスタンドに交換ですが、もちろんポン付けなんかできるわけがない。

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 取り付けるエンドの形状に合わせて、スタンドを削るなどの加工して、必ず二点以上の物理的な固定点を作って15ミリのナットで締め付けます。

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 これはフレームに直に取り付けられていた、フロントの荷台・・・といっていいでしょうね、フレームに付けられているので、ハンドルを切っても、こいつは動きません。デフォルトの状態でならかまいませんが、そこに子載せを付けるとなると、ハンドルと連動して動かない荷台は、邪魔でしかありませんので、撤去するしかありません。

 そして取り去った後に、カゴを付けます。

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 このカゴはハンドル子載せと連動しますので、何ら邪魔になりません。

 ただ取り付け金具は、もう加工品使うしかありません、なかなか説明も難しいので、写真でご覧ください。

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 こうして上からつるしつつ、下からハブからの下支えで固定しますので、強度は保てますね。

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 オフセットゼロの、ステムとハンドルです。前子載せは、このハンドル部部に取り付けますので、この形状のままでは当然子載せを付けることが出来ません。なので、一式交換して、アヘッドタイプのステム等に変更してから、そこにアダプターを取り付けて、子載せを載せることにします

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 この辺のものはイェップが天下を取っていますね。他の子載せでの取り付けは大変難しいか、不可能か?というくらい困難かと思います。このアヘッドタイプに順応させたというのがイェップの強みかと思います、なのであの強気値段なのか?とさえ、思えるんですが・・・。

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 この辺のチューブガードも、ハンドルの可動域に対して、ちょいと影響有りそうなので、外します。

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 むしろスッキリしていいと思うんだけどなあ・・・、こっちの方が。

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 そんなこんなで、完成したやつがこいつ。なかなか乞う見ていくると感慨深いものがあるもんだ。よくぞまあここまでやったもんだよねえ、とわれながら感ずるところありだ。

 メーカーは決して、こんな使われ方は想定していなかったんだと思う、なんかスタイリッシュに電動をちょいと引っかけるようなイメージだったんじゃないか?なんて勝手に想像する。

 でも、この手の電動で子育てしたいという方々は少量だがいるということだ。確かに、五台も並べれば、ほとんど代わり映えのしない電動自転車しかないところに、こんなのが紛れ込んできたら、目を引くだろうねえ、そしてなんとかして子育て号に出来ないかしら?と考えるんじゃないか?

 今思えば、このあえて使いにくいEZをわざわざ購入して、当店に持ってこられた方々のこだわりは、並々ならぬモノだったようにも思えますね。だから、知コラも必死になって、それに応えるようにやって来た。

 リアに子載せを付けたこともあった。幸いエンド金具が分厚いので、それを構造として、穴開けタップなどして取り付けたりもしたもんだ、それもこれも、どうにかこの一台でなんとか改造できないか?という強い熱意に動かされたんじゃないか?と思われますね。

 ものの選択に個性なんて事、言われなくもないが、そもそも有限の中で、用途も限られたモノなんて、どうしても似たり寄ったりしてくるモノだ、しかもそこに官製の号令がかかっていたりしたら、とにかく安全性だけを異常に重視した、面白くも、おかしくもない、利便性さえ後退させる自転車ばかりになるのが手に取るように分かる。

 よくもまあ、どいつもこいつも似たような電動自転車しか乗ってないもんだね・・・、それに一矢を報いたいという、少量だが強い思いが、こうした大胆な改造を切り開いていいったんじゃないか?と思いますね。

 ママ狸んだけじゃない、他の分野にだって、多分同じような潜在的な可能性があるに違いない。

 それがどこからの指摘であれ、そうしたモノへの感受性は磨いていきたいと思うね、もうつまらない仕事なんてやりたくもない、ドンドンそんな年齢になってきているんだと、思いますわ。

ハンガー残りのディレーラー壊し



 イヤー、珍しい事案でありますね。かつてリアディレーラーが比し折れたという例はありましたが・・・、ハンガーも同等の損傷だったような・・・。

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 ハンガーに残っていたのはこれだけ、サメにでも食いちぎられたの?と思わず言いたくなる惨状。当然ハンガー自身もかなりの損傷・・・だと思ったんだが・・・。

 見た感じ、多少の曲がりはありながらも、亀裂や破断はなし。アレ?むしろディレーラーを守るために、逆にへし折れるところがハンガーなんじゃないの?と言いたくなるが、今回はハンガーが生き残って、ディレーラーが見事この通りということだった。

 単純にコストのことを考えると、ハンガーが折れてくれる方がいいに決まっている・・・。この場合のコストというのはスペアを持っている時、と限定できるでしょうな。

 逆に、ハンガーのスペアもなく、有名なメーカーのものでないとすれば、今度は前回のカーボン車体じゃないが、ぴったり合うハンガーを探すのに大変な時間と労力を投ずることになる。

 それに対し、ディレーラーは代替が効きますんでね、手間や時間などを考えると、ディレーラーが折れてくれる方がいいともいえる。

 今回も、ある意味ラッキーだったんじゃないか?持ち主の方はこの車体をシルクのものだと言ったんでありますが、少なくともこの車体の、デカール等でそれを確認することが出来なかった。それが正しければ、現シルクサイクルに問い合わせること出来ますが、それがもし異なったとしたら・・・、ちょいとゾッとしますな。

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 ディレーラーが引きちぎれる力がかかって、よく無事だったよなあ・・・と見ると、やはりそれなりの力がかかっていたせいか、曲がりはありました、当然だよね。

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 修正工具を入れて、ホイールを目安に、曲がりを直していきます。

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 修正には気を使います、修正中にポキリと折れることだってなくはないからね。アルミの曲げは一度きり・・・なんて言いますが、俗説かもしれないが、それは守った方がいいかもな、と思っています。実際折れることありますしね、アッチャー・・・と暫し呆然でありますよ・・・。

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 代わりのディレーラーを探してきました、10速時代の105でしたが、偶然あったですね、ラッキーです。

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 無事付いたんでありますが・・・、

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 すべてのギアに滞ることなく入るようにするには実は大変だったんです。

 その理由が・・・、

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 ホイールにあったんですね。ロウの調整の時、一部スポークと接触して、音が鳴りました。その音なりをなくすところまで、ディレーラーを手前にセッティングするんですが、今度はそれでシフトを見ると、どうしてもかかり切らないギアが出てくる・・・。

 そんなことが続いたんですね。

 色々やってもダメで、もしかして、ディレーラーのプーリー回りが狂っているのか?とゲージ当てて、垂直だしたりと、色々やってんですが、接触がやみません・・・。

 アレ?でもなんでこの接触ってホイールのごく一部のスポークからなんだ?通常なら、カララララララと続いて当たるはずなのに、カラン・・・・カランと一部と接触しているんです・・・、なんでか?

 なるほど、ディレーラーがかなりの力でチェーンに引っ張られ、その結果へしおれたんであります、へし折れたディレーラーはどこに飛んだか?・・・なるほどここか・・・。

 そう、つまり、へし折れたディレーラーが、フレームのステーとホイールの間に挟み込まれたんでありましょうね。そして、一部スポークを強度に曲げてしまった・・・。

 ホイール外して、振れ取り台に置くと、ホイール全体の狂いと、一部スポークの損傷が見て取れました・・・、これが原因だ・・・。

 なんとか修正を入れて、干渉とインデックス調整を繰り返し、なんとか音なしまで持っていったんであります。

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 ちょっと寄せ集め的なコンポでありましたが、ディレーラーが105になって、かなり整ってきました。

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全体的にアルミフレームで、コンポも古めとは思いますが、足があれば、もちろん進む一台でありますよ。

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 マラソン歴は長そうな方でしたが、この手の自転車は始めてということで、かなり楽しんで、嵌まりかけているようですね。これで自転車の目鼻が付いたら、トライアスロンもいいなあ、なんておっしゃってました。

 まあ、マラソンのための身体能力向上に是非自転車を利用してください!膝への負担が少なく、心肺機能を鍛えられますよ!なんてアピールしておきましたわ。

 その内、実は自転車レースにも出てみたいと・・・。ただ、マラソンと違って、自転車レースでの落車の怪我は次元が違いますよ、と忠告。レースに出るなら集団走行等にしっかり慣れてからでないと、危ない。

 また、店主自身もそうでしたが、四十を超えると動体視力がかなり落ちるようで、ちょっとスピードに乗ると、足に余裕があっても視界に不安を感じてしまうことがあったんですね・・・、そんなこんなで、レースに出るにはそれなりのスキル的な所も十分に学ばないと危ないですよ、とは言っておきました。

 まあ、エンデューロのようなツーリングイベントに参加してみる、または登り専門のヒルクライムレースならいいかもなあ・・・。

 いずれも、意欲満々の自転車に嵌まりつつある紳士、今後のいろんな展開が楽しみではあります。出来るとこまで、おつきあいできたら・・・と思っています。改めて、自転車って奥深い・・・と、逆に気づかされる場面でありました。

半年かけてのほぼほぼ完成・・・かな?

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 適材を求められているところの適所に、という意味では、オークションという形式は有意味かもしれない、と思っておりますが。

 もちろん積極的活用を進めているわけではありません。一定の知識と技術によって、大抵のものが来たとして、対応出来る能力および関係を持っていること、これは前提になると思います。そうでない場合は単なる賭け・・・のようなものでしょうね。詐欺まがいのものもありますから・・・。

 そんなこんなで、こういうビンテージがやって来たのが半年以上前だったか?

 Wレバーの旧式な車体でしたね、シルクです。適正の体格は170センチ台じゃないか?と思いますが、落としたのが180半ばという方。まあそれでもいじるところいじれば、なんとかできる・・・とはいえ。

 一気に出来ない状況というのが各家庭におありのようですね。この方は何回に分けただろう?

 優先順位の高いところから、徐々に徐々に手間と銭をかけて、整えていくというやり方を取りました。

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 足回り、ブレーキ回りなどの走りに直接関わってくるところが終了したんで、ほぼ最終段階に入って参りました。今までたたんでいた上半身を伸ばす所へ持っていく。

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 ステム交換で40ミリ以上前に突き出ました。大分楽になったということです。

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 狭かったハンドルも、左右二20ミリずつ出しましょうか?

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 しかも、ドロップもリーチも大分深い、昔ながらのマースバー、大分楽になったんじゃないかな?しかしよく在庫していたもんだ・・・。

 そして、最初の最初から目を付けていたものが、実はあった・・・。この持ち主の方は、料理人であり且つ、パーカッションを操る人でもあったんですねえ。

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 特にラテンパーカッションが得意分野なんでありますが、そのジャンルにボンゴ、コンガなんてものが有るんですね、基本木枠で作られていて、革が張ってある手打ちのタイコですね。

 そのイメージがずっと合ったわけですが、そのイメージとぴったり合ってしまったものがあったんです。

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 これです、木枠の泥よけ・・・。

 まあ、言わずと知れた店主は泥よけ外し派なんでありますが、車体にとって泥よけが持つ意味を重くしたい方々がいることは重々承知しているわけであります。

 そして、自転車としての発展性を探る際、この泥よけをどんな種類、どう取り付けるか?ということが、どれほどそのバリエーションに影響を与えうるか?ということにも熟知しているつもりではあります。
 
 でもあえて外す派なんですが・・・。

 そんなわけで、あまり表には出さないまでも、泥よけにはちょいとばかり目を光らせている。自分には使わないが、取っておこう、というものが実はなくはないんですね、この木枠野郎も取っていた内の一つであるんです。

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 これを最初に見せた時の顔は忘れませんね。出会うものに会ってしまった・・・という顔、これだ、これですわ、と。打楽器系にも当然ビンテージなんて分野があるようで、それは新品と違い、使われ、やれて、やけ、傷、風合い、光沢などの味わいといえる領域のものも多数有るとか。

 そういうものをこの泥よけを見て連想したようなんですね。

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 一通り手入れを終える最後にこいつを付けたい・・・というご希望だったんですが、満を持して、ようやく取り付け完了となったわけであります。

 ブレーキも良くなり、ホイールもクリンチャーとして、取り扱いも楽になり、ポジションも出て乗るのも楽になり、そしてボンゴ系木枠の泥よけが付いたので、まあ、ちょっとこの辺で完成形?といえるような状況に大分近づいたといえると思います。

 約半年、お疲れ様でした・・・。

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 まあ、あとはこの辺のディレーラーなんか、もう少ししまった奴を使ってもいいかもしれませんが・・・、まずはよくここまで時間を掛けつつ、来たもんですよ。
 
 量販店で売られているだけが自転車じゃない、高級ビンテージだけが自転車でもない・・・・、独自のルートと時間とと手間を掛けて、独自の自転車を少しずつ練るようにして作っていく、こういうあり方もあっていいんです。

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 近くで見ると、かなり雰囲気ありすぎの嫌みなきビンテージとして、再生中という所かな?白いバーテープには、染色され、最後にはセラックというニスで締めて固めるというそうで、それが出来たらまた店に来てほしいものです・・・。

 オフザフロントがなくなってから、店主の気に入ったバーテープがなくて困っている。このニスの形式だったら、もしかして・・・という予感もありありなんで、なんとか、やってみようか?とも思いますな。

 あとはちょっとしたこと・・・、これにてほぼ完成形ということで、よく出来ました!

タンナス・・・まさか最後の?



 こんな色のガム有りそうですね。オレンジ味・・・。

 でもこのチップは違いますね、何度か紹介していますが、タンナス、ノーパンクタイヤを固定するチップなのであります。

 こいつをですね・・・、

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 このようにタンナスの脇に刺していきます。何本くらい刺すかな?

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 こんな感じなので、すさまじい数のチップを一本のタンナスに刺すことになります。これをすべて今度は頭の見えるギリギリの所まで、押し込んでいきます。

 それから、リムに載せるんですが・・・。

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 このように、まず二、三本のチップをリム内に固定します。そうすると基本そこは外れなくなるので、そこを起点にタンナス全体をリムに嵌めていくことにします。

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 バイク用の長いタイヤレバーが役立ちますね。それ使ってテコを利用して、タンナスを載せます。andチップの向きを下に持っていきん、リムの溝にタンナスを落とし込み、そこから浮いているチップを力でリムのカエシに押し込んでいきます、あの数全部・・・。

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 チップを押し込んだあとですが、まだリム枠から、このようにタンナスの下駄の部分がはみ出ているんですねえ・・・。こいつをまた全部リム内に押し込んでいく・・・。大変な労力と作業なんですね。

 一本やると、クタクタになりますわ。

 これはパンクの許されない通勤自転車に使っていきたいという要望で今回やったんですが・・・。

 もしかして・・・、当店でやる最後のタンナスになりはしないか?なんてことも考えますね。

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 理由はいくつか・・・。まずパンクはしなくなりますが、へたするとスポーク折れが発生する可能性が出てくるということです。空気のタイヤと違って、固くなるタンナスは衝撃をもろスポークに伝えてしまうため、折れる現象がおこる、ということです。

 パンクもいやだが、スポーク折れもあまり会いたくない事故であります。自分で直せる人の方が少ないでしょうね。けっこう厄介です。

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 パンクと違って、スポーク折れは避けにくいということもありますね。

 そして、先月発売になったと聞く、同じメーカーの出すアーマーという商品、こいつにタンナスはおされるじゃないか?とも思います。

 まだ現物を十分に見たわけではありませんが、そのアーマーというのは、タイヤの中に仕込み、その一番底のチューブを包み込む形を取るのだそうです。それ自身も高分子系のクッション性のある素材で、相当の力で釘でも刺そうとしない限り、その下のチューブに損傷を与えることは難しい、らしいんですね。

 こいつを常用すれば、自分でチューブ・タイヤ交換時にアーマーを装着出来るというメリットがあり、多少のパンクでも自らのクッションで走り続けることも可能だそうだ、また、タイヤに守られているところから、サイズが変わらない限り、そのアーマーは半永久的に使えるということもできそうです。

 まだサイズのバリエーションは少ないようですが、取れるものからとって実験してみようか?なんて考えているんですね。なので、そいつが出た時、タンナス使用の必要性が本当にあるのか?これほどまでに装着に手のかかるタンナスを選択し続けるメリットがあるのか?なんてことも考えてもいいかもしれませんね。

 あとこの通勤に使われる自転車ですが、

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 ヘッドに大分ひどいガタがありましたね。インテグラルの形式なんで、ヘッドチューブ内部に傷が付いたら本当にまずい、要注意点ですね。

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 普通に街道を走るには、ちょっと固いかな?くらいでほぼ変わりなく走ることは出来ますが、一度段差に来たら、ゴツンという固い感覚が来ます・・・。という中で、乗り続けている人が大半ですが、最短で一週間後、「やっぱり空気のタイヤに戻してくれません?」というご要望も過去にありましたな・・・。

 さて、アーマーやって来ましたら是非、報告方々、実際の使用にどのくらい耐えるか?なんて実験もやってみようかと思っています。

 もちろん最高の実験台を用意しています!もと鳴門部屋!

ズノウ系オールシルバー まずは第一弾



 何でもかんでもブラック主流の昨今、逆張りして、オールシルバーでなんか出来ないか?ということで、やってみたのがこれ。

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 この複雑なラグ・・・、どこか見覚えありませんか?

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 これなんですが・・・、分かった人はマニア系かな?

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 この辺はよく特徴が出ていますね、モノステーに、その方には刻印が・・・。

 そうあの幻のズノウのフレームのみの復刻版なんであります。それをオールシルバーで仕上げてみました。このブレーキだって、ロゴが見えなく外側に大森社長の磨きが入っています。

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 ディレーラーもそう、出所不明の謎のディレーラーなんであります。

 そして見せ所はここかな?

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 フォーアームのシルバーものを磨いたんで、こうなっています・・・、まあ形状から105というのはばれてしまったでしょうな、そうコンポ類はシルバー系の105をもとに磨いたものであります。いいなあ・・・。

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 デダのステムも磨かれています。バーテープまでオールシルバーで、メッキ調を帯びています。

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 そしてこいつもポリッシュ中のポリッシュ、例のアラヤの730のアルミリムを使っています。

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 夕日に置いてみました・・・。これ室内で置いてあって、照明や光のぐあいによっては、まあドキッとすることがあります。サイズは530のみです。この復刻ズノウシリーズは、これ以外はフレーム売り・・・にしようか?などとも考えています。

 ペイント等も含めて、ボチボチ店内ディスプレイなんかしていこうか?と思っています。

 まずは第一、こいつを出していきます、この後をフレームとして、数台続くかな?乞うご期待です!

洗浄効かずのシールドベアリング



 シールドベアリングの中にボールベアリングが!へえ、シールドにもボールが入っていたの?なんて思う方いるでしょうね。

 通常ほとんどのこれは、ボールベアリングが見えないように蓋が嵌められていますね。まさにシールドされている訳なんです。使う場所によっては、このようにむき出しのものもありますが、大抵は蓋がある。

 だから中身がよく分からない。ものによってはボールベアリングではなくて、円柱のニードルベアリングものもあるかもな。高級?なんじゃないか?とも思うが・・・。

 事の発端は、回転が良くない、どうも回転自体に偏りがあるということで持ってこられたもんなんですね。

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 こいつです。アレ?と思う方もいるでしょうね。四月の初めに近くの小学校でこいつを12台メンテしたという事があったんですわ。全部外して、洗浄して、グリス入れて、またはドライ系のオイルを入れてね。

 その記事を読んだわけではないようなんだが、近所の親御さんが持ち込んできたわけだ。聞いたら子狸の同学年の子だったようだ。

 確かに回転に問題があった。あるところに来るとゴロンゴロンする。単純な構造なんで、まずは外してみるんだが、もしかして単純なだけに原因が分からないとなったら実に厄介だ・・・と思いつつ分解、そしたら意外と簡単に発見出来たのが、片側ベアリングの不具合、スルスルと回る正常なものと比べると、ゴリゴリとしか回らない件のベアリング。

 時は大型連休に入らんとする時期、さて、取り寄せとなると十日間近く待たねばならないかもしれず、もしメンテでどうにかなれば・・・と考えダメ元で、洗浄開始。

 ディグリーサーでアルコール噴射を大分やったなあ・・・。ゴミやチリなどは飛ばすことはできたかもしれないが、でも一度付いていしまっているやもしれない内部の傷のようなもの?はもう修復しないのか?

 次に、灯油を浸したボウルに沈め、届く範囲を刷毛で落としてみる。

 ウーン・・・、油分はないので当たり前だがギシギシ感はどうも解消されない。エアで吹き飛ばしてもみたがかわらず、本来のスルスル感の土台にすら戻っていない。

 諦め半分でグリスを充填してみるが、確かにキシキシ感はなくなるがその奥になるゴリゴリ感については、やはり解消されていない。

 こう考えると単純だが、カップアンドコーン式ボールベアリングはメンテは楽だし、ある意味メンテ前提の設計だといえるんでしょうね、あちらは洗浄してグリス充填、そして回転の戻りを感じられるあの充実感はなんともいえないものだが、やはりシールドは使い捨て前提のならざるを得ない・・・のでしょうか・・・ね、やっぱり。

 まあ、もう少し調べると、シールドベアリングのメンテ方なんていうのもあるのかもしれませんね。

 今回はこれにて諦めました・・・。

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 予感は当たり、出荷は早かったが、出荷指示の問題だったらしく、途中で取り置き状態だったということだ。前回学校用のは、必要な数しか取らなかったが、今回のような件もなくはないと思い、複数とって在庫することにした。あそこの自転車屋、一輪車も見てくれるよ・・・、こんな噂は存外早く伝わったりもするかもしれないからね。

 休み終了直前に届く。

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 大概の状態は、このようにシーリングされている。埃や塵などが入りにくいように出来ているわけだ・・・。件のベアリングもそうだったんだが、なんでゴリゴリだったんだろうね?前回の小学校のものの方が、使われている期間も長かったし、ところは校庭なんで、砂砂利埃はもう当たり前の状態なんでね、へたっている理由も納得のいくものだったが。

 今回のゴリゴリものは、状態もきれいで、使っていた期間も三ヶ月くらいだけだったらしい・・・、初期不良かな?

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 新ベアリングをあてがい、こいつを圧入する。

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 この辺は調整もクソもなく、ただ圧入するだけで、あとはこいつを包むようにサドル部分と結合させるんだが・・・。

 調整はここにあった・・・という感じだな。

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 10ミリのレンチでナットを締め込んでいくんだが、締め込みすぎると、ペダリング・回転に影響する事が分かる。基本はずれちゃいけないので、しっかり止めるべきなんだが、程度はしっかり止める、その線上でないとダメですね。

 それ以上に用心しすぎて締め込みすぎると・・・、それもまたかなり締め込み出来るんだなあ・・・困ったことに・・・、乗り手に気づかれるくらいの抵抗になるでしょうね。

 遊び程度なら、それでもいいだろうが、これがもしレースとなったら、この辺の調整はシビアだろう・・・などと勝手に夢想してみたんだが・・・、同時にこうしたメンテものにとってレースというのがいかに重要な課題を与えてくれるか?ということを思い知るね・・・。確か世界のホンダはレースによって精度を上げていったという話を聞いたことがあった・・・なるほどね。

 課題としてのレース・・・。

 当店は、それに課題としての素人の思いつき・・・というのを付け加えて行こうと思うな。レースが課題を与えてくれる機会であるのと同じように、素人さんの思いつきは大いなる課題の宝庫でもある・・・ということだな。はい!

今回は固定だぜ!手加減しねーよ・・・



 実用車だって、全く、全く捨てたもんじゃない。むしろなんで、よってたかって、高機能?あれもこれもと持ち込んで、結局走りを犠牲にしてんじゃないの?ということが、こんなものを作ると立証されてしまうようなんだな。

 カッコもシャープでしょ?走る気満々に見えるんじゃないかな?

 これは依頼をうけて、載せ替え等をして作り直したやつなのでありますが、このご依頼の方も、人生の楽しみ方を知っておられるようにお見受けしますね。

 年?そんなもの関係ない、面白い!と思った感覚に年なんて関係ない。
 
 一定のイメージがある、それに対して面白い!と思うものに対しては、とりあえず邁進してみる・・・。そういう生きる意欲満々で、力をいただきますねえ・・・全く。

 最近、自らの老ということで、より疲れていた店主にもちょっとした勢いをいただいたような思い・・・でありますな。

 まあ、そこまでやろうとするなら・・・、こちらも悪のりさせていただきまして・・・、

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 固定ギアにて、拵えましたよ!

 今ちょこっと当店回りに固定が来ていますねえ・・・。生き残ったのか、静かな再生か・・・。変ないい方ですが、一台は持っていてもいい車体であると思います。

 複数台お持ちであるなら、一台は固定を持っている方がいい・・・。そういう自転車の存在を知り、出来れば乗った体験とか、乗れる技なんかも身につけておくと、一層自転車の奥行きが深まると思います。

 アイツは、別格だよ・・・、といっておこうか。

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 小ギアには18の歯がついています、前が46T。ギア比2.55555・・・・街道仕様としては、まあいいかな?

 走りながら、もう少し重く、または軽くと、自分のわざとコースで折り合いを付けていく・・・、本当に身でのギア比、直に感じるギア比の意味というのは、まあ固定によってはじめて意識されるんじゃないかな?なんて思う、そういう意味でも別格なんですわ。

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 白フレームに白リム、700Cなんで、何かといいです、今後とも。

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 持ち込みのセミドロップハンドル、こいつは、もっとジャンルとして、多くの人の選択肢の中に入ってきていいハンドルだと思いますがね、前傾とりながらも戦闘的でないという意味で守備範囲は広いと思いますが・・・。

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 持ち込みサドル、デカイ猛禽類の頭のようなデザイン・・・意外と乗っかるところ自体は柔らかそうだが・・・。

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 乗っても面白いよー、大分面白い。まず走るしね。ピストフレームでなくても、固定ギアで走れますんで、まず固定ギア自身を試したいという方は、こうした実用車の改造で、かなり事が足りる。

 ホイールをソコソコのものにしておいて、まずは乗ってみる。ホイールがソコソコだと、フレームのソコソコのものが手に入った時、クランクをソコソコにすれば、エイヤ!とばかり載せ替えもできるよね・・・。そうすればソコソコのピスト車が一台出来ちゃうと言うわけだ・・・。

 家人をだますこともけっこう出来るかも・・・。

 なんて悪知恵でありますが。

 でも、固定ギアは別格名一台となりますので、今後とも当店は静かに、しつこく推していこうと思います。いろんな選択肢の中から、固定ギア車体を実現化させましょう。そして行き着くは、固定三段とかあのスターメーのなんかもまた静かに、確実に流行らせていきたいと思います!

五月五日の狸祭 成功・・・



 文字だけでインパクトは薄かったですが、その割りにご注文ありがとうございました。五月五日の狸祭、大勢の方々のご来場ありがとうございました。

 まあブログで有名な方々、遠方よりの方々、実に多くの方々に来ていただき、ビールに、ご飯に、雑貨に、自転車にと楽しんでいっていただけたなら、この上ないことかと思います。

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 ビール、ハード、ソフトドリンク、コーヒー、スナック、ケーキ類・・・

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 食事組も久々の展開に一所懸命にやりました!今回を基礎に、徐々にその内容を練って、会場作りも込みで、よりよいものにしていきたい、と思っています。

 出店メンバーとも連絡を密に、メニューをかぶらせず、時に対決メニューなんかもいいかもなあ、などと喧々囂々やっていきたいですね、と思いを新たにしましたわ。

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 午前10時頃からボチボチ始まった祭でしたが、十二時過ぎには大勢の方々の入れ替わり立ち替わりの参加、本当にありがたい。会場から溢れ、公道まで広がった人たちが、通行の妨げと通報されないよう、気をつかいつつやってました。

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 途中、皆さんが一斉にイカのポーズのようなことをし始め・・・、なんだ?と思って見ると・・・

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 青空ヨガ教室が始まったり・・・。

 今回は、足裏マッサージ、手モミン的な物売りでない出店もありまして、そちらも大変受けてましたね。今後もこの手を増やしていくという計画もありです、腕に覚えのある方、次回・・・は未定ですが、意外と来月とかにポーッと決定するかもしれませんね。

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 今回新しかったのが、剣劇の余興ですね、地元の殺陣師の皆さんによる演舞が有りまして、子役に注目が集まりました。

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 タケミツをもっての演舞は結構迫力あり、ご夫婦でやってらっしゃるようですが、最強の夫婦げんかを見せられた思いです。やはり、日本の殺陣は見栄文化ですねえ、要所でしっかり決める!というのがなんとも小気味よかったわけであります。

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 途中、歌あり、音楽あり、踊りありのまあよくある展開です。適度に地元のクラフトビールが回り、地元カフェの泡盛カクテルが心をほぐしてくれました。

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 あと出張駄菓子が子供達の垂涎の的、そして和物屋・着物屋さんが大人達の垂涎の的でした・・・。しかし、なんとも緩いながらもプロが固めてくれましたね・・・。

 西日が差してきても、なかなかお客が引きません・・・、その内、夜の仕事のある店から撤収・・・、三々五々でした。

 ただ・・・、

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 その後も、今度は二階の響床に会場は移り、相当数の芸人さんによる宴会が続いたそうな・・・。

 さて、今後の狸祭ですが、好評につき、継続的に開催・・・となる可能性高いですね。多分八月あたりの大開催を目指し、予行も含めた狸祭を六月、七月とやるんじゃないか?という憶測が関係者の中から出ています。

 もちろん決まり次第、当ブログにて、公表いたします!

 内外と、参加していただきました皆様、本当にありがとうございました!


事故からの生還



 事故に遭ってから、その補償の対応に時間がかかり・・・、もう直すところ直して、乗ってしまおうということになった。

 補償交渉というのは、時に忍耐力のいるものですね、持ち込まれて店として見積もりなどを出すという関わりをするということは、その忍耐を共有するという覚悟がなければできませんし、なければするものではありません。

 この事故車を預かった時、相手の保険会社の方の声と対応を聞いた瞬間から、これは長丁場だ・・・と覚悟したわけであります。実際まだ、遅々として交渉は進んでいません。

 でも、体も回復したし、このまま乗らずにずっと待たされていては、心も落ち込むので、まずは自腹でやるしかない、ということで作戦開始というわけであります。

 フレームはリアの三角がかなり曲がっていたのを、柳さんに修復してもらい、あとはパーツとしてクランク回りと、ホイールに損傷があるということなので、その辺は新しくという展開で話が始まりました。

 続々と、依頼の方からパーツ類が送られてきます、共同作成のようだな。

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 パーツを悩んで選んでは送られてくる中に、被害者の心的回復が見えるようです・・・、ちょっとホッとします。

 事故は事故、起きてしまったことは起きてしまった。あとは交渉でまだまだ続きそうだが、心機一転、乗れるところから乗り始めて、気分だけでも一新したい、そのためのパーツ選びを実に楽しそうにやっているようだった。中にはもう怖くて二度と自転車には近寄りたくない、という人も出てもおかしくはない、事故とはそういうものだ。

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 クランクはおごったねえ、ミケものだ。ホローテックの構造しているんだが・・・、ちょいとここに問題があった・・・。詳細を説明するのは大変だが、少しBBソケットを削って、1ミリほど右クランクを外にオフセット、そうしないとクランクの干渉があったのだ。

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 そして、ホイールは手組・・・。もう絶滅種だが、当店はやり続けますぞ。

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 一ねじりで今回も組んでます、ちょっとしたトレンドですね。

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 リアも同然。

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 ちょっと手が込んだのも、ニップルを金にしたんですね。この金、結構品のいい金でした、今までのものは山吹色的な金でしたが、このDTの金ニップルは真鍮的な金でいいですね、色抜けしないことを願いますが。

 真っ黒リムに黒ハブ、クロスポークに金ニップルとなかなか重厚感のあるいいリムに仕上がりましたね、これぞ手組ならではというやつで、完組とはそもそも、根の違うもの・・・といっていいでしょう、これからの手組の強みとして、完組とは別物・・・ということで売り出していこうかと思いますね。

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 クロ金チェーンを使ってみたんですが、もちろん成金手前でやらないと、下卑ちゃいますね・・・、これは成功。

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 このバーテープも、きっと夢中になって、探して選んだんだろうなあ・・・という思いが伝わってくるようです、事故で心身共に痛い思いをした事からの回復が、こうしたパーツ類を通じて見えてくるようですね、・・・良かった。

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 もう事故は二度と起こさない、二度ともらわない、という強い気持ちと決意で、走っていただきたいと思いますね。

 消耗な交渉はもう少しばかり続くかもしれませんが、やっぱり走りながら・・・だよね。

 

珍客万来!兄登場



 このばかでかい、チェーンリンクといえば、当店出入りしてくださっているあの有名兄弟のお兄さんのもの、ということで。

 有名兄弟・・・、小林兄弟ですね。兄は無類の自転車好き、特に小径車が大好き。一方弟さんはというと、兄ほどではないながら・・・、自転車に関しては、正面からではかなわないので、四方八方からいろんなことを思いついては、試してみたい、そして兄貴をギャフンと言わせたい・・・という負けず嫌いな所を持っているようですね。

 二人で来たことが一度あったらしいが、店主はその時はいなかった。いつも別々に来ては、チョコマカご用をいただき帰って行く・・・という感じ。

 そして、双方が双方とも、当店になにを依頼しているのか?これまた別々に偵察に来たりもします・・・。

 ホホー、弟のやつ、この色選んだのか・・・かっこいいなあ・・・、でも弟が見る前に、俺が見ちゃおう・・・、と。

 大人になっても兄弟というか、お互い距離を保ちつつも、相手の動きをよく見ているようですね、今回も・・・。

 アイツ(弟)は教自転車車に積んで、上野かなんかに行ってるんじゃないかな?その辺の美術館とかを自転車で回るとか言ってましたね・・・と、兄。

 通常お互い何やってんだか知らないのが大人の兄弟の標準のように思えますが、このご兄弟は、互いに冷めた振りして興味津々なんでしょうな。

 そんな休日の日、通勤用ではないポダリング用小径車でやって来ました。

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 ブルックスのスワローなんて、ちょっと凝ってますね。

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 74デュラエースなんかワンポイント・・・。

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 ギドネットに、ステムシフト。自転車知ってますね、そして自分のセンスという型を持っていますね。小林兄の自転車は見るとなるほど、兄らしいと分かります。

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 弟さんは、全日空自転車の撮影の際には、ちょっと伏し目がちでしたが、しっかりご尊顔を公表されていましたが、兄は照れ屋さんなんでしょう、顔はご勘弁と、初登場ながら、帽子のみ・・・。まあこれもまた兄弟それぞれってやつですな。

 そうそう、それより何より、今回の目的がこれでした。

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 先日紹介した、「子供」自転車基体の、サンダル履き自転車・・・ですかね。つまり突っかけとして、大変使い勝手の良い自転車。もちろん長距離には向いていませんが、一体の距離内で、用途を絞れば、これほどいい車体もないですね。

 なんて散々ふかしていたら、小径好きの兄の琴線に触れたようであります。

 もつなり、ニヤ~と、しばらく泣かずに遊んでました。

 そして、下りてから、しばらく自分の自転車と「子供」自転車との間を行き来していたんで放っておいたら、しばらくして、アッ!という大きな声を上げたんですねえ。

 何だろう?と思い外に出て行くと・・・

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 二台並べて、ポジションを計っているんですが・・・、それがなんとほぼ一緒ということに気づいて、暫し愕然としたらしい。

通りで、この店主の体格でも辺に気持ちよく乗れると思っていたんだが、どうやら、ユニバーサルな「大人」のサイズの範囲に両者ともに入っていたということなのかしら?

 でもまあ、自らドンドン探求していくタイプの人にも、ちょっと受けるというのはうれしいもんで、今後もこんな変な自転車を作っていくこと、作るだけじゃあなくて、売っていかないとね・・・と思います。

 さて、五日は、狸祭、ご用とお急ぎでない方は、是非おいでください。遊びましょ!

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プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
TEL・fax042-445-0487
携帯070-5083-6962
アドレス to.ke@mx1.ttcn.ne.jp

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