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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り |2019年09月 tp://cnt.affiliate.fc2.com/cgi-bin/click.cgi?aff_userid=45871&aff_siteid=43545&aff_shopid=63" target
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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

材料調べ 調達



 単管パイプは旧店舗の時から使用しているものも多くあるので、なんか相当の数は持っていた。今のところに移ってきて、表まわりのやぐらを作り、そして残りの大半は裏の見えない所の棚として大分使った。

 その後、近くの人が引っ越すに当たって、単管何本か置いていきたいんだが、という事で、引き取った覚えがある。最初からいずれ屋根かけることに決めていたからね。そんなこんなで二年近く経っていたかも知れない。

 アチコチに点在している、単管パイプやそれにまつわる道具類をこの機に集めて、集計して足りない数など出さないといけない。

 さて、上の写真一体パイプは何本あるか?

 約30本強あります。アチコチのをかき集めたものと、プラス10本買い集めたもの。まあ、そんなもんか、と素朴に思われると思うが、これら一本一本を捜しては1箇所に集めて、大きな汚れを取るなど、かなりの大作業なのだ。運ぶだけでヘトヘトだわな。

 使われ方も色々なので、長さも色々、集計してみると

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 しかし4メートルものが16本もあるなんて、作業のしがいはありそうだ。

 ただし、もちろんこれだけではただのパイプにすぎない、コイツをどう組むか?なんだが・・・、
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 直行型のクランプ。真ん中に鎖のない手錠のようなものね。

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 こんなものが新旧合わせると、40個近くあるね。コイツは直行だが、自在といって、角度が自由なものがある、筋交いなどの三角を作る際に用いるんだが、構造の強度が出るわけだ。

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 あとこれね・・・。これもクランプか?と思われるかも知れない、そう一部クランプなんだが・・・、

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 単管にクランプして、もう片方のL字の部分に垂木をおいて、ビス留めするときに使う。この垂木にポリカの波板を固定していくという段取りになる。

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 あと今回こんなものも使います・・・、なんだか分かるかな?これは単管パイプに簡単に長いすや、板を置くための台の役割をするものであります。

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 コイツで棚を作ることもできるし、足場として上に上がって作業するのももよしだろう、利用法は色々と考えられる。

 さーて、段々と材料は集まりつつある。あとはポリカの登場を待つばかりだが、作業は骨組み作りからだから、明日からでも始められる、高所から落ちないように、しっかりとやらないとなあ。

 デンノコも健在で、パイプ切断も確認、あとは組み付けるべし!

 ちょいと足場屋と自転車屋兼業だわな。
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大恒例の狸祭 次回は十一月十六日だよ!

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 八月にまた大好評いただきました、狸祭ですが、飽きもせず十一月にも執り行うことになりました。

 十六日土曜日ね、その日が雨だったら十七日に順延。

 遊びに来られる方はもちろんのこと、出店希望者も募集します、もちろん物販でもいいし、マッサージ類の無形のサービスなんかもこれまた好評なんだな。

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 生ビールが出ましたり、近くのカフェがお酒出したり、アレックスさんのコーヒーや軽食がとびだしたりと・・・。

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 その他店主の出す、謎の食材、ラー油あり、豚足あり、軟骨ありの訳の分からない、それでいて「はまる」飲食なども出ますよ!

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 けっこう賑やかに昼間から夕方までやって、今度は会場を二階の響き床に移しての、ライブ、飛び込みライブのそのままお疲れさん宴会に突入するなど、昼から夜まで大盛り上がりの、狸祭。


 十一月だと少し寒くなるかも知れなければ、各所に七輪などを置いてもいい、というような話も出ている。年に四回ぐらいはどう?なんていう説も出ていた、そうなると十一月の次は極寒の二月か?そうなると七輪、薪ストーブなどが出る冬バージョンなんて祭りに発展していったりしてね。

 参加する方々のアイデアと熱意によって支えられ変形展開していく有り様は、まさに狸の七変化なのだ!
 
 遊ぶもよし、仕掛けて稼ぐもよしの狸祭、いずれの参加もお待ちしています!

屋根屋根大作戦 その二



 引き取りものも多くなってくる、預かり物もあるし、預かったはいいが取りに来ないものだって大分ある。それらをいちいち下に置いておいたら、いくら敷地があっても足りやしない。無かったら無いなりに、あったらあったで大変というのが敷地というものなのか?とも思うが。

 そこで、下から上へと店を広げていくことを断行。一定以上の高さがあれば、圧迫感は無い、頑丈に造れば、大抵のものは収まるだろう、もちろん重いものを高いところに置くものでは無いのは十分承知、その辺ぬかりなくやっていかないといけない。

 ただ、まるまる休んでこの手の作業をするわけにもいかない、途中で依頼が飛び込んでくることもあるんで、その辺に応えながら、やっていくしか無い、屋根かけ施工が大がかりなところになったら、休業状態にして、集中してもいいかとも思うが。

 そんなわけで、兼業状態で取りかかる、まずは下を空けて、水まきなんかして、気分を引き締める。

 今日の課題は、今建物下に収まっている単管群を建物の外側に出すこと、そのつき出た上に延長棒を噛まし更に上にパイプを載せその上に屋根をかける、という計画。

 すでに固く組んである単管パイプを移動するというのが今回なんだが、考えるだけで滅入るくらい、効率の悪い、高所ということもあり危険な作業でもある。

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 このように縦に設けられた単管はすべて建物の内部に収まっている、こいつを外に出すという作業、やることは単純だが、あっち緩め、こっち緩め、時に外れて強度が下がってかなり危ないことも起こりうる、慎重にやらないとね。

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 延長使っているところなどは、意外と助かった・・・。四メートル棒を一気に横抜いて、掛け替えるなんて作業、とても一人じゃできない。こうして短くなってくれるとズラすのも楽だ。

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 このように建物内に入っている、縦パイプを

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 こうやって建物外煮出してやる、もう上は空を差している、いくらでも原理的には延長出来る様になった・・・。

 これを一本一本やっていくんだが、アチコチを緩め始めると、当たり前だが構造の強度が落ちてくる。これはちょっと怖いことでもあるので、大分注意しないといけないが、一定以上緩めると、ドサッと動くことがある、大抵重力に従って下がるんだが、一回下がったものを戻すのがこれまた重くて大変。

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 この手の作業で精度を出すには、このような長めの水準器を一人一本持つこと。パイプ自身が曲がってない限り、こいつでかなり正確な組み付けができる。水平はもちろん、垂直も四点で図ればかなりイケます。ちょっと固かったり重いパイプはプラハンマーで叩きながら、水平垂直を出していく。

 もちろん設計図はないので、途中やりながら、他の構造体とどう連携させるか?見た目はどうか?強度は、収納は?などと考えながらの作業となる。

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 実にじみな仕事だが、暗くなってようやくすべての縦単管が建物の外に出すことに成功。なんか疲れたわ・・・。

 さてこの上にさらに組み付けをしていくという作業、手持ちの単管と、新入手10本、それにポリカの波板20枚、後は足りない小物類か・・・。

 今月中に、足りないものを調べ消費税が上がる前に仕入れないと、しかし来月から10%って・・・大丈夫か?

丁寧に これからも丁寧に



 走り自身には全く遜色のないマウンテンバイクながら、今やディスクが標準となってきている中では、なんかクラシックな感じすら受け取れますね。

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 今から十年くらい前の一般的マウンテンバイクでしょうか?アルミでしっかり造られています、これをある女性が街乗りとして使っているという、随分丁寧に乗っていますね。

 今回総メンテとカゴつけなんだが、実にきれいに丁寧に乗っている。

 当のマウンテンバイクとしては、拍子抜けしているんじゃないか?とすら思える。

 女性の乗る自転車にやはりカゴは必需のようですね。

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 前かご希望なんだが、立派なサスペンションが付いています。サスは上下に伸縮するので、カゴつけはこの伸縮内、つまりサスフォークの中だけに取り付けなければなりません。

 というのも、伸縮しない部分、例えばヘッドチューブに噛ませた金具などと留めると、サスペンションを殺すことになってしまいます。サスが縮もうとしても金具が突っ張るので、縮めなくなってしまいます。その内、金具が金属疲労を起こしてしまうでしょう。なのでサスなしの通常の自転車の取り付けとは全く異なる技を使うことになります。

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 このように普通に付いているように見えますが・・・、

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 このようにサス内のカンチ台座にまずキャリアを取り付けてから、

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 今度はそことカゴを取り付けることになります。

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 キャリア自身の幅があまりないので、金具の幅をでかくして、カゴの強度を出します。

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 後はシューや

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 ワイヤー・・・

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 チェーン・・・はもちろんのこと

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 スプロケなどを交換し、シフトとブレーキの調整をするといういつものパターンで行きます。

 ほとんど新車のように機能は戻りますね。

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 今度はカゴ付けて、より主婦に寄り添えるような自転車に近づきましたので、かゆいところに手は届いたんだろうとおもいますね。ただ、前三枚の後ろ九枚、サスペンションまで付いているので、たまには狭山湖周辺くらいまで行ってくれると、こいつの本領発揮してくれると思いますよ、多分驚くと思いますが・・・。

 でもまあ、出会って、大事にしてもらって、より便利になってと、この自転車にとってはこれでも十分役に立っているんでしょうね。

写真仙人 馬から駱駝に乗り換えるの巻

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 この黄色のアルミレーサー、ちょっとした年代物なんだが、持ち主と言えば、かの高名な写真仙人、土門拳賞を取ったこのお方の車体なのであります。

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 その名を鬼海弘雄さんと言います、知っている方は多いでしょうね。ペルソナなんていう、名写真集を出しておられます。

 この黄色いロードレーサー、まあ馬ですね。もらったそれを当店にてメンテしてお渡ししたのが昨年の一月のことでありました。それからちょっと月日が流れ、この馬で二万4000キロ走られたと言いますね、大したもんです、地球半周したことになりますね。

 それが今年の三月に体調を崩されてしまった・・・。ちょっと治療も必要なことになったんで、少しばかり自転車は乗れそうにない、とちょっと寂しそうな電話がかかってきた。

 しっかり養生してくださいよ、としか言えなかったんだが・・・。

 治療のほうも計画的に進み、気力も徐々にだが戻りつつあるようなある日、また自転車に乗りたいんだよね・・・というご希望。

 なれば、ともう少し楽に乗れる一台が出来ている、同じ黄色な一台が。清水さんが知り合いのマンションの管理人さんが捨てるというので、もらってきた黄色い実用車のフレームがあった、それで乗りやすいツーリング車をつくる、これでいいだろう。

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 まず一番は、フレームをスタッカートにして、跨ぎやすくした。狙い通り、硬化した股関節には優しかったようだ。こんなことだけでもより自転車に近づけるというものだ。

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 ハンドルも高い位置にして、エイド付きのブレーキレバーに、これでハンドルのどこを握っても止まれる仕様にした。

 フロントは一枚、リアは八枚、とても単純な機構にし。

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 フロントに明るいハブダイナモを取り付ける、ご自宅の近くには多摩川が流れている。河川敷を走る際には、路面をしっかり照らすライトでないと危ない、これが一番だという。

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 同じ黄色の車体ではあるが、馬から駱駝に乗り換えたような、乗り心地。決して悪くはなさそうだ。

 これを切っ掛けに、徐々に自転車生活が復活し、快方へと向かっていけたらと心より思う。そう、この自転車ができあがりましたよ、という電話をしてから、ほとんど毎日のように、いつになったらいけそうです、いや、予定が入りました、今日は天気ですから行けたら行きます、と連絡が来るようになった。

 心待ちにされているんだろうなあ、ということが伝わってくる。こういう気持ちがより張り合いを生んで、ひいては免疫力の向上につながって、回復に近づくんだとしたら、何という僥倖だろうか。

 たかが自転車にだって出来ることはある・・・と思われますね。

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 写真の大家、仙人の写真を撮るなんて、なんてまあ身の程知らずか・・・。でも、こんなことを切っ掛けに、ゆっくり回復していってください、もう少ししたら鍋でもつつきますか?

 まだまだ、仕事をし続けて欲しい、そういうお方なのであります、お大事に。

 

屋根屋根大作戦!



 先日の台風の千葉に与えた被害は、実態が分かるにつれて甚大なものであったと聞きます。何の役にも立ちませんが、お見舞い申し上げます。

 改めてこの国は災害大国だと思いますね。それらに対する対策はそれぞれ取られていることと思いますが、「非常時の時のために」という特別枠で対策を取られている方々が大半かと思います。

 それが悪いというのではありませんが、ただそうした特別枠というのは、ハレの対策であって、決してケの対策ではないと思われます。

 災害というハレが起きてはじめて発動される対策という意味ですが、それは当たり前ですが災害が起きるまで発動されません。それに対してケの対策というのは、災害が起きていなくとも、常に発動されるタイプの対策という意味ですね、つまり日常生活に既に折り込まれている対策ともいえると思います。

 その最大のものは多分、手前味噌ですが、自転車でしょう。災害対策としての自転車・・・なんであります。

 停電しても車は走れます、ガソリンがある内は。ガソリンが切れましたら、停電地域のスタンドに行っても、多分大行列でしょう。ポンプ類が動かないので、手動でするしかないからです。同じくバイクもです。

 非常時の効率的な移動手段のトップに立つのはおそらく自転車でありましょう。エンジンが人間なんですから、栄養補給と休息が取れればドコまでも走って行けます。あとはパンク対策くらいかな?

 これは一体何を意味しているんでしょうか?

 これは便利なものというのは、「人任せ」・・・という事なんでありましょう、これが原理でしょうな。逆に言えば、不便というのは自分便り・・・という事なんでありましょう。

 ガソリンは誰かに掘ってもらって、精製してもらって、運んでもらって、汲んでもらって、はじめて車が動くんです、分業の極致でありますね。電気も発電してもらって、引っ張ってもらって、ガスだって、水道だって・・・。

 みんな人様にやっていただかないと、自分では全く手のでないものであります。スマホなんて、操作出来るだけで、あとはすべてあずかり知らぬ他人任せ、これも極致だわな。機械自身についても、電波送信についても、アプリの内容についても、全く分からないブラックボックスの連鎖であります。

 人類の発展はまさに分業による便利さの拡張といってもいいのかも知れませんな。

 で、災害対策ですが、ここ原則が導き出せます。つまり、不便を、自分便りを日常生活の中に一定折り込んでおくこと、なのであります。もちろん自分便り、自分たち便りといっても色んな次元があります、まったくの自力から、他力を折り込んだ自力までね。要は完全他力に頼り切らない、という事でしょうね。

 例えばテレビ、コンセントさして、スイッチ押すとどうでもいい情報が流れてくるんでしょ?これをラジオにする。電池をストックしておけば、停電でも使えるよ、そしてラジオはなにより有意義なものがおおいですね。

 植木屋さんと知り合いになって、剪定材をもらっておく。カーゴバイクで取りに行ってもいいね。薪ストーブで週に一度ご飯を作る実習をやっておく、これなんかかなり高度かな?もう少し涼しくなったら、当店の昼ご飯は、薪でやろうと思います。

 そこまでやらなくても、米といで水入れてスイッチを押す炊飯器をやめる、土鍋で炊けるようにするだけでも、非常時鍋と水と米だけでうまいご飯が炊けるようになります・・・、これなんかは実行可能でしょうね。

 まあ、ついつい日常では便利なもの便りになるので、その分災害が起きたりするとそのギャップでより大変なことになりますな。災害時とのギャップを少なくしておく、というのが災害対策・・・なんでしょう。

 考えてみれば登山なんてわざわざ被災地に行って生活するようなもんだよね。

 長くなりましたが、千葉で大きな被害を出した台風ですが、実は当店にもけっこうでかい被害を出してくれたんであります。冒頭の写真は当店の敷地内の骨組みなんですが、昨年アレックスさんが、この骨組みを組んで、その上に、葦簀を載せてくれたんですね。その葦簀が今回の台風で大破・・・です。

 朝起きてみたら、デカイ鳥の巣が当店の敷地にできていました。風に巻き落とされた葦簀の渦ができていたんですねえ・・・。

 すべて集めてうずたかく積み上げて、それを薪ストーブで半日掛けて焼いたんであります、千葉の皆さんからすれば取るに足らない程度の被害かも知れませんが、大変でしたわ。

 そんなこんなで、屋根がなくなってしまいました。

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 店の外観もそろそろマジで考えないと・・・というプレッシャーもあって、まずはその第一歩として、ちゃんとした屋根を作ることになりました。といっても、単管、垂木、ポリカという自力でふく屋根でありますが。その屋根ができると、巨大な収納空間ができることになります。

 店の外観が片付くというすんぽうです。

 そのためにまずは、パイプ類の撤去とその再利用を考えないといけません。

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 残しておくパイプは、屋根かけの際に使うであろうもの、さて、暫く足場屋と自転車屋の二足になりそうです。

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 今簡易に付いているテントですが、これがポリカに変わります。それがあまりに殺風景だったら、内側にこうしたものを張ってもいいかもしれませんな。

 また、外観も含め、大いに変わる可能性のある狸サイクル・・・、その展開をお楽しみに!


最初の一台 上出来



 グレーでまとめられた、ちょいとハイセンスなレーサーがやって来た。
 
 といっても、このパターンは最近定着しつつあるのか?学生入手のパターンであります。

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 ミヤタものですね、細いパイプなんで鉄かと思いきや・・・、

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 初期型アルミの接着ものでありました。三十年・・・はいかないかな?でもそのくらいの年代物でしょう。

 驚いたのが、コンポ類

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 RSXが付いている、何に驚いたかというのは、どちらかというとエントリーモデルのコンポでありましたが、今からあげる写真をじっくりご覧ください。どう見えます?

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 これブレーキなんですね、見れば分かると思いますが。どうでしょう?これシール剥がして、大森社長の磨きなんかをしっかり入れて、銀スプーンの背中のようにして、イタリア車体に取り付けたら・・・。

 この母材のちょっとした加工や形状、デザイン・・・結構よくありません?この曲線の感じがかのカンパをリスペクトしていた頃のシマノ?なんて邪推したりして。

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 こんなクランクどうでしょう?決して悪くないと思いますね。どこか工芸色が入っている感じがいいなあ、と思うんであります。

 店主のかつて乗っていたツーリング車体にはこのコンポが付いていたんですが、今見ると、気づくこと多いです。

 この曲線・・・、物作りで多くをいただいています、金属工房錬の長島師匠の言葉だと「こういう曲線・・・セクシーなんだよなあ」と工芸家特有の殺し文句を持っています、最近はしゃぎすぎだか、混乱してんだか、正体バレバレの環境大臣?によって相当手垢の付けられる語となってしまっているようですが。

 しかし、問題に対してセクシーにというのもいいが、ならもっと徹底してやれ!文化庁だの、東電裁判だの、NHK経営委員だのと、どこにセクシーさの片鱗がある?義に背を向けた、姑息で臆病な忖度やろうどもの暗躍にしか見えないんだがねえ、なんとも裏でジメジメと気分悪い。

 ということで、かつてのエントリーコンポであるRSXについて思いをはせるんであります。ここで丁度いい対比があるんだな。

 この自転車一部のみ、パーツ交換の形跡がある。

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 リアディレーラーね、これ現行品のアルタスなんですが、ここに工芸調のみじんもないですね・・・単なる工業製品・・・、チャンチャン。

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 かつての定番のステムハンドルが普通に付いています。いいんでねーの?

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 相変わらず写真ベタなんだが、こいつはグレー系で統一されている、元の持ち主にそれなりに拘りがあった感がある。

 そう、もう学生君入手のパターンとなってきている、セコハン市場からの引っ張りもん。よくその値段で、引っ張ってきましたね・・・という代物です。

 ちょっとした年代物なんだが、カンパCレコ!というような過剰なもんではなく、今自分の持っている車体の価値に気づくのは多分数年先になるだろうなあ、そういう無自覚な仕込みもいい。

 もちろん、整備してみたが、基本問題なし。最初の一台としては、スペックも、値段も、秘める内容にしても、申し分の無い一台と言える。いいスタート切りやがったなあ・・・。

 ただ、一点・・・今後の課題はなくはない。

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 車種の年代からすると、よくある話なんだが、チューブラー。このタイヤ自身はまだまだ走れるので、暫くはこれでいいかもしれない。もしパンクをすると、それなりに大変なんだが、まあそれも体験かな?

 長く使い続けるなら、WOホイールに組み替えるのも一つの手かもしれない。いやいや、僕はチューブラーで乗り続ける!というのであれば、まあ根性のある学生とも言えるかもね、それなりにうれしくもあるが・・・、伝授する人がいなくなると、いずれチューブラーは絶滅するだろうなあ、この勢いじゃ。

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 まあ、考えられる限り、最良の一歩を踏めたんじゃないか?と思う一台、この学生入手は定着しそうだし、もしかすると・・・、後押ししていく展開になっていくかもしれない・・・ね。


理想の一台 クロモリシルバー



 今主流のレーサーからすると、対極にあるかな?という一台です。まずフレームは

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 クロモリフレームですねえ、カーボンからすると、対極かな?しかもこのパイプの形状・・・。ラッパのように広がって、溶接シロが増えています。そう、ブリジストンアンカーの名車、ネオコットであります。

 このクロモリフレームに、

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 シルバーのブレーキが付いています。コイツはシマノの105だな。

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 マイクロシフトのシルバーディレーラーが付いています。いい形状だこと。

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 フロントディレーラーもマイクロシフトのシルバーものです。そして、

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 クランクはこれ、分かるかな?ベロオレンジというところのシルバーのレトロ系のクランクであります。

 今のところコンポはオールシルバー、黒主流の昨今のコンポからするとこれまた対極にあるような内容ですね。

 さてシフターは?

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 デュラーエースのWレバー・・・仕様ね。これはわざとか、この形式が大分好きか、トラブルフリーを避けたいか?どれかかな?

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 ブレーキがディズナものです。まあ、ちょっと形式が古くても、手堅く使い勝手のいいものであるに違いない、確かにそうなんだが、やはり、ブレーキレバーの手元にシフトの機構のあるSTIなどの利便性にはとてもかなわない・・・。

 利用者の1人が悩むんであります、コイツを手元変則にできないか?と。

 確かにねえ、そう考えるのも無理はありません。変則時にわざわざハンドルから手を離して、Wレバーに持っていくことの難儀さとちょっとした危険性はこれは無視はできません。

 そろそろ、Wレバーから手元変則にしていくという選択肢は大いにありかと思います。ハイ、では、そうしましょう。と言うときでは一体このコンポ、シルバーの寄せ集めコンポにドンピシャの手元変則ものは見つかるのでしょうか?

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 ちなみに、スプロケットはシマノ式の10速ものが入っています。さて、シマノ式の10速にマイクロシフトの前後ディレーラーが付いています、而してその手元変則のできるものは何か?

 単純には、シマノ系だとすると、現行の10速なので、ティアグラのSTIを選択するという手はありかも知れませんが。確か、現行の10速もののSTIのワイヤーの引きシロと、旧シマノタイプのディレーラーとの互換性はなかった・・・ように思います。コンポの見た目がマウンテンに近いほど、旧型との引きシロの差異があるように思います。

 なので、ティアグラ断念・・・。

 といって、現行のシルバー105にすべて載せ替えるか?このこだわり?のシルバーコンポを、手元変則を交換するために、すべて総取っ替えする?もったいなさ過ぎない?

 できれば、今のコンポのまま、手元変則になったらいいですよね、ハイならそうしましょう!

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 これですね、コイツをシフターとして、手元変則ものとして選んだんです。

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 はい、久々登場のメトロン星人・・・、ことカンパのエルゴパワー君なんであります。ちなみに店主のほとんどの自転車にはこの手が付いています。店主は相当のエルゴファン・・・です。

 コイツは現行品なんで、11速です。つまりカンパ引く一で、シマノ系の引きシロを調整するという、古典的シマニョーロの施工法を復活させたというわけであります。

 ちょっと久々でしたが、なん・・・・とか・・・癖あり調整ですが、まあ、なんとか使えるくらいの変則精度は出せたかな?というところであります。

 実際相当ごねられましたが・・・。

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 赤いスエードのサドル、さすがデザイナーさんの一台だけはありますね。

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 鉄フレームとシルバーパーツを大事にする当店にとっては、かなり理想的な展開なんであります。このシマノのエルゴパワーを使った、手元変則可能な寄せ集めシルバーコンポ・・・、ブームには絶対ならなくとも必ず一定層の支持は、獲得出来るんじゃないか?と捕らぬ狸の皮算用をしているところでございます!

 エルゴがシマノのようにワイヤーの引きシロを度合いを新旧という形で変更しない限りは、この形式でなんとかやっていけるのかも知れませんね。まだまだ希望を捨ててはいけません!

バスケットのためのトレーニング



 ジャイアントの標準的なクロスバイク。ちょっと走りそうな自転車ないかな?という感じで、初心者の方々が購入されるんだろうなあ。

 中には高校生が通学に使っている場合もある。気軽なんだが、実用車よりは本格的、もちろんレーサーなどから見れば中途半端この上ない車体ではあるが。

 こいつがまあ錆錆び状態で入ってきた、前後のチューブもダメで、よくある学生が少しの間放っておいたが、これからまた乗るんで何とか、乗れるようにして欲しい・・・というようなね。

 近くの体育寮学生さん、まあ適当に駐輪場に放置していたんでしょうね。バスケットの選手だそうだ、身長はそれほどでもないが、多分超人的な動きをするんだろうね。

 そんな学生君が自転車おいていったんだから、店主の格好の餌になってしまう。

 バスケット?・・・ということは膝使うよね、周りに膝壊している人いる?
 はい、います、けっこう。
 膝壊している場合どうすんの?見学?
 見学・・・、後は膝にかからない筋トレとか・・・。
 心肺機能はどうするの?
 走れないんで、その辺は・・・。
 落ちるでしょ?
 はい、多分、大分。
 自転車で走る、ランニングの代わりになるトレーニングって考えたことある?
 自転車で?ですか?・・・ないですねえ、ランニングだけかな?
 試合や練習でいやというほど膝使ってんでしょ?その上、心肺機能向上にまた膝使うの?
 ・・・ええ、まあ・・・。
 膝使わないで、心肺機能が伸びたらいいと思わない?
 そんなこと出来るんですか?
 これこれ・・・(自転車を指さして)こいつで、適正サドル高にして、軽いギア設定にして、五十キロとか走ったらいいじゃない。
 そんなこと出来るんですか?・・・考えたことなかった。

 まだまだ、異種競技の中で、自転車をトレーニングとして役立てる、という発想がほぼないということが分かるわけだ。

 ボートの子達もそうだった、単なる移動手段としてしか自転車を捉えていなかった。
 
 バスケの他に、サッカー、野球、バレー、バドミントンと、テニス・・・と、比較的デカイ体で、ストップアンドゴーを繰り返す競技は少なくない、というより、そればかりだとすら言えるだろう。

 そうした異種競技の子達にとって、自転車がまだ単なる移動手段にしか過ぎないというのは、実にもったいない話である。

 普段の試合やトレーニングで膝を酷使しているなら、軽強度長時間でもって、リラックスと心肺機能向上の出来る自転車をもっと取り入れていけばいいのに、そうした競技からドンドン強くなってくるだろう。

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 そのために、錆び錆のスプロケを交換した。

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 そしてチェーンもね。しっかりシフトの調整をしてどの段でも快適に使えるようにする。

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 そして前後のチューブを交換し、空気を入れた。

 仕上がった自転車に、彼を乗せては降ろしを繰り返し、サドルの適正な高さを決めていく。ここは大事なポイントね、ここを間違えると、帰って膝を壊すことになる。

 そして後は、重いギヤを踏めることが偉いんじゃない、軽いギアをきれいに回して、いつまでも走れるようにすること、この二点を守って長距離長時間走れば、基本的な持久力はほぼ確実に増強されるだろう。

 いつもだったら、試合の後半集中力が切れてしまうなんてことが、最後まで、最高のパフォーマンスを発揮できるような体になっていったら、素晴らしいよね。

 元々スポーツ選手なんだから、基礎的な体力は申し分は亡いはずだ、後は先のサドルとギアの徹底、そしてあとはコースかな?走りやすいいい長距離コースを設定してあげられれば、動き出せる奴から乗り始めるんじゃないか?

 楽観的すぎるかな?でも試して、その効果を実感できた奴の感染力はそれは大変なもんだろうから、まずは一点に火を付けることかもしれない・・・そして、

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 この最近持ち込みから、組み付けたジオス。この持ち主も同じ大学の体育学の先生として勤務が決まっているようだ。こうした指導者にも効果を感じてもらえれば、それはまたチーム全体、部全体、ひいてはその大学の体育会全体に広がって行きはしないか?なんて夢想してしまうんだが・・・。

 トレーニング機器としての自転車、リハビリ機器としての自転車、クロストレーニングとしての自転車の認知、こうしたことを広めていく活動も大切だろうと、相も変わらず思うわけだ。

 まずは一人に火を付けること・・・だろうな。

 

切らないこと 伸ばすこと



 これ見て一発で何か分かる方って、ある種子供のいる人、モロ被害者・・・、後は戦後すぐまではそうだったよ・・・という古い方・・・なんじゃないか、と思います。

 櫛なんでありますよ。

 そう言われれば、そうなのかな?と思える人もいるでしょう。

 でもそれにしては、歯と歯の間が狭まっています。そうある種の櫛なんですが、独特の役目を持っている櫛なんです。

 それは、なんと・・・、シラミ駆除用の専門の櫛なんであります。

 昔は、つげ櫛の隙間の細いものが、使われていたんじゃないかな?こいつを髪に通すと、髪や頭皮に食いついているシラミやその卵が根こそぎ取れるという代物なんであります。

 驚く方もたいそういるかと思いますが、今子供の小学校でこのシラミが流行っているそうで、早速家の子狸がもらってきて、この櫛で駆除をしたんであります。

 これで実は二回目。保育園の時にも子狸はシラミをもらってきて、その時はスミスリンシャンプーなるものを使って退治した記憶があります。

 シラミと言えば戦後すぐのDDTですが、戦前戦後すぐまでに蔓延し、その後すっかり姿を消したと思ったら、また態勢変えて出現してくるんだなあ、と思ったわけでした。奴さん達も劇薬をかいくぐる生存戦略をもっている、ということなんだな。

 なので、今回の小学校からの件も、別に驚くには値しない・・・という感じで、シラミ退治をしていたんだが・・・。

 そうそう、保育園の時にはその感染源の一つとして、この店主が大いに疑われた。長い髪を碌な手入れもせずに、ゴムで縛っていただけなんで、怪しい・・・と。そこで徹底検証した結果、シロ。

 ざまあみろ!店主の頭には先客がいいバランスでもっているんだろうから、そんな新参のシラミなんざー入る余地はないんだ・・・とばかり思っていたんだが・・・。

 今回は、ちょっと事情が異なったようだった。

 子狸のシラミ話からか、なんか頭がかゆい・・・。神経かな?と思っても、かゆみで起きたりする・・・。あれ?もしかして?

 暑さもあって、髪もいい加減長くなってきた・・・、少し挟みでも入れるかと、雌狸に依頼。

 ちなみに、この店主四十の頭頃から、髪を伸ばし始めている。以来理髪店に出入りはない。何度か髪は切っているが、基本雌狸の裁ちばさみによる散髪だ。

 そう、かれこれ十五年近く髪は伸ばしっぱなしである。

 そして、当日、さて切るか?とはさみを持った上さんが「コリャダメだ・・・、切ろう」と一言。先の櫛でもみ上げ付近を持ち上げたら、卵だけでなく親までもいたという・・・。

 ヘエ、と何度かすいで見ると、確かにミジンコのような奴がいる。これを水槽に入れたら金魚は食べるだろうなあ・・・なんてこと考えながら、まあ仕方ねえや、とっととやっとくれ・・・と。

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 あっちに見つかり、こっちに見つかり、そこを重点的にチョキチョキやっている内に、かなりの短髪になってしまった。

 髪って意外と重かったんだね。切られるとやはりスッキリする。

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 そしていくつか気づかされることがある。

 まず、自分でも驚くほどに、男の黒髪への未練が無い。最初はなんかもう少し残らないの?とも思ったが、切り進むにつれて、なんかどうでも良くなってきた。

 むしろ不思議なほどに、周りの反応はいいようだ。人によってだが、どこの大学生かと思った・・・という人さえ現れた。もちろん夜目遠目なんだが。

 そして、続くようだが、周りの反応がまた面白い。

 分類するに三つの反応があるだろう、一つは単に短髪の店主に気づき驚く。二つは気づいたがことさらそのことを口にしない。そして三つ目が、短髪に気づかない・・・、以上かな?

 大半は一つ目で、どちらかというと高評価をしてくださる、みんな大人だ。二つ目と三つ目は、一見区別はつかないが、話してみると分かる。

 店主はけっこう二つ目だったりする。人の外見の変化について、どちらかというとあまり四の五の言わない方かもしれない。そういうことを指摘されたくない人も多いだろうから・・・。

 そして三つ目。いたな少数だが・・・。そして、かみ切ったんだけど・・・と聞いて、始めて驚く、目が下から上を向くようになる。調子の悪い選手などは気づかない。言われてハッとしている、ただ利口な奴はそのハッとした瞬間に、自分の精神状態をも把握したようだった。

 外が見えていない、周りが見えていない、棄権したレースも心象による印象がそのレポートの中心となっている。今自分いかに余裕がないか、余裕がないということがどういうことなのか、一瞬にして分かったような感じだったね。

 そして、大きな反省一つ。

 それは髪に対してだ。今までの店主の髪に対する態度は、伸ばしていた・・・のではなく、単に切らなかっただけ・・・という対応だったと思う。つまり髪に対して積極的なアプローチは全くしてこなかったに近い、ということね。

 伸びてきた、最初は鬱陶しいので、タオルか何かをまいていた。その内後ろで縛れるようになってきた。そうしたら・・・。楽!楽ちんであったのである。

 短い髪は手入れが大変だが、長い髪は手入れが楽・・・、もちろん洗髪は面倒だが・・・、その他が異常に楽なのだ。あの寝癖からも解放、適当に髪をとかしていれば、まあ何とか格好は付くし、金はかからない・・・。そんな程度だったな。

 これは髪だけじゃなくて、本業の自転車にも言えることかと思う。

 自転車なんて日常的な道具は、好むと好まざるとに関わらず、大半の人は関わらざるを得ないものとなっている。ある意味靴なんかと同じでね。

 いやも応もなく履かざるを得ないのが靴みたいなもんで、自転車も積極的選択などというよりも、仕方なく歩きたくないから、乗らざるを得ないという人が大半のように思えるんだがね。

 積極的に髪を伸ばすんじゃなくて、切らないだけ、という態度は、裸足で歩くと怪我するから突っかけで外歩く、適度に遠くなると歩くのがかったるいから、自転車に乗るという態度と相違はない。

 なれば、積極的に自転車に乗る人を増やそう、それをもって、自転車文化の成熟化を目指すことを目的とする店主は、この分野・ジャンルの違いを乗り越え、そうした対応を重要視する必要は十分にあるだろうという、反省なのである。

 では、そう積極的に髪を伸ばしていくか?

 高名な美容師さんに意見を聞いた。カッパの皿にあたる部分の髪を伸ばし、その周りはちゃんちゃんと手入れをすること逆カッパ作戦。バリカンなどを購入して、自分でやるのもいいかもね。そして、残した髪が少しずつ伸びて、いずれ束ねられるようになったらせいぜい拳二つ分くらいまで伸ばして、後はちょくちょく切っていく・・・。暑い夏の対策もでいきそうだし、寝癖等の手入れもいらない。

 全部が全部、異分野で積極対応は出来ないにしても、気づいたとこから、必要だと思えるところから、そうした対応しておくことは重要かもしれない。それぞれの分野の深い意味を知る、世界の奥行きを知るという意味でも。

どこまでやるか?フレームの甲斐性あわせ?



 イヤー、ごねたごねた・・・。しかしゴッツイ・・・。

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 持ってこられた時、どこまでどうしましょう?状態でしたね。というか、最近そういう案件が多いんですが、こいつは群を抜いていた。

 まあ、満身創痍とはこのことか、とにかくまともなところがほとんど無い。エンドは曲がり、BBは外すのもままならないほどのひずみ、オイルブレーキは片方は効かず、オイルもミネラルでない厄介なやつ。

 本気でやるなら、ありとあらゆるところをやらないとダメなんだが、ご本人は走れて止まればいいですと・・・。

 でもねえ、ガッチリしたアルミフレーム、ダウンヒルにもつかえかもしれない車体に対して、単に走れて止まれればいいっていう最低限の施工だって、ソコソコのことはしてやらないとねえ、と思うんだ。

 フレームの格のようなもの?どんなに安くといっても実用車の文鎮クランクを取り付けるわけにはいかない。

 なので、しつこく直せるところは直し、正し、整えてから、ソコソコのありものを入れていくことになる。

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 バッシュガード付きのありものクランク・・・。BB幅の関係から、もう少し研究も必要かもしれない。

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 チェーン交換、スプロケ交換、ありものリアディレーラー交換で、しっかり動かせるようにする。

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 使えるものは徹底して磨いて、ワイヤー類も交換。

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 元々は、ヘイズの油圧ブレーキが付いていた。それはそれなりなんだが、今後の管理のことを考えると、ワイヤー引きのほうがずっと楽なのであります。もちろんトラブルが起きなければ、オイル引きはいいんだが、事実片方のオイルが抜けて使用不可状態、もうどうすることも出来ないよね。

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 で大変だったのが、六つのボルトでとめるディスクローター。これがネジの頭が緩くなって、回らない・・・つまり外せない状態だった。こういうのが一番困るものだ。外せないと、取り付けが出来ないという単純な事実によって。

 そこで、六角の頭をなめたボルトに亀裂を入れて、

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 その平行になったところに、モンキーレンチを挟んで締め込んで、これをゆっくり回して、一本一本外していく。

 

 すでに柔らかくなってきているので、扱いは慎重に。一番まずいのは、頭は取れても本体がねじ穴に残ってしまうこと。こうなるとほとんど絶望的となる。

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 すべて外れた、こんなことでかなり足止めを食らう、まあいつものことか。

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 是にて新たなローターを装着。

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 街乗り中心なんで、カゴがほしいということで、ピラー直づけの荷台をつけて、そこに小さめの後ろカゴを取り付ける。こんなカゴでもあると便利なのだそうだ。

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 サドルも新たなものに交換・・・・結局、ハンドル回り以外はほぼすべて交換ということになってしまった。

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 まあ、それも仕方が無い、そもそもこの車体が持っている格がそうせしめている・・・という感じなんだな。もちろんと言って、無用に高級なパーツ類などどこにも使っていないことは、少し分かる人になら、わかるだろう。

 単に走って止まるだけでいいといっても、簡単ではない。その車体がそもそも持っている最低限の素質、可能性、そして格に合わせたメンテというものが、重要だと思う。その見極めは簡単ではないが・・・。

阿佐ヶ谷からやって来た



 阿佐ヶ谷からやって来た、鉄のマウンテンバイク。鉄のマウンテンバイクはもう絶滅種に近いですね、と同時に固定ファンのいる車体でもあります。

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 三角形が三つある・・・トリプルトライアングル・・・。

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 GTそっくりなんだが、そうなのかどうなのかよく分からない。

 そういえば、阿佐ヶ谷の老舗の自転車屋購入ということだった・・・、あのフレンドリー?アンフレンドリーなとこか?

 当店もまだ阿佐ヶ谷周りに店があった時、よくフレンドリーの尻ぬぐいをさせてもらいました、善福寺にも同じ名前の店があるようですが、大分雰囲気が違います。
 
 この年代物の自転車、リアのハブが完全フリー状態になってしまった。ラチェットが立たなくなったんでしょうね、前にも後ろにもクルクル回る、ではリアホイールを組み直して、ついでにアチコチ見ましょうか?ということに。

 長いこと、そのままで使われてきたせいか、一様に古い、交換可能性満載の一台なのだ。

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 リアホイールは、アラヤの26インチのリムで組み直す。今、あれほどかつてあった26インチが、もう見つけるのが大変。激変とはこういうことを言いますな。

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 スプロケ交換しました七速ものと。

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 ブレーキシューも交換。

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 後ろはユーブレーキもの。それだけでも、いかにフレームが古いかが分かる。シューも特殊、探せばBMXものにも付いているそうだ。

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 後は、チェーン、そして中心に見える銀の輪っか、BBもそっくり交換です。

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 ワイヤーもシフト二本、ブレーキ二本、交換。

 変速も、ブレーキングも全く問題なくなりました。

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 マウンテンバイクそのものにはあまり愛情のない店主ではありますが、鉄で、これだけ古いと、やはり少しは燃えるね。しかも、こうした自転車に乗っている人は、珍しい自転車=文化財くらいに思って大事に乗っていただけますよう、お願いしますね、とさえ思う。

 もうよほどのことが無い限りこのような車体は造られません、これが廃車になったら、再生し得ない・・・、そのくらい貴重な車体なんだという自覚のもとに大事に乗って欲しいと思いますね。

 確かに維持は大変かもしれませんが、せめて車検のない自転車、少々手間かけても、この手は大事に乗っていかないとね・・・。

シマノ展示会



 グラベルコンポなんかを作ってしまったシマノ。店主としたら、柳さんが同店内で展開しているので、その息吹は伝わってきます。

 が、世界的な展開として、シマノが無視出来なくなってきた潮流なんでしょうか?

 カーボンレーサーがもう席巻してしまい、その同じカーボン車体の中でなにやら、長距離快走型レーサーというのが出てきたようだ。
 
 それと、少しオフロードも太めのタイヤで入っていけるというカテゴリーとして、誕生したのがグラベルロード・・・というのらしいね。

 それってシクロクロスのレーサーじゃダメなの?とも思うが、まあカテゴリーは設定して、カテゴリーとして定着させれば、自ずと集金システムも安定するという意味で、またわかりやすいという意味でも有意義なんでしょうね。

 なわけで、シマノがカテゴリーを作ってまで開発したGRXなるものを見に行った、シマノの展示会といえばもう10年以上ブランクがある・・・。

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 全体の印象として、ごっつさを感じますね。なにやらリアディレーラーにはスタビライザーなるものが付いて、変則を安定させるんだとか。

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 シマノの意地なのか、前二枚のくランクも用意されていた。

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 多分主流はコッチになるんだろうね、スラム後追いシングル。

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 シフターもごっつい工業製品という感じ、工芸色はゼロ。まあ頑丈でトラブルフリーで高機能維持が優れているんでしょう、シマノさんのものですから。今後はこんなのをつけて世界一周だとかが主流になっていくんじゃないかな?

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 今回ちょっと面白い、さすが!と思ったのがこれ。エイドブレー気がついています。発送はワイヤーと同じ、本ブレーキとキャリパーの間にエイドブレーキが挟まれるんだが、もちろん油圧でのもの、発送は昔からあったが、それを油圧でやり抜いたというところがすごいところ、マジさすが・・・技術のシマノの意地がうかがえます、ここからフルードが漏れなければ・・・。

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 そして、お決まりのがディスクブレーキ。もう、多分シマノは数年以内にレースコンポから本気で従来のリム系キャリパーブレーキの駆逐を考えているんじゃないか?と思えるくらいの、ディスク、ディスク、ディスク・・・。

  今回のシマノ展示会を特徴付ける三つつのワードは、ディスク・スルーアクスルと、ごっつさ、そしてスラム後追い・・・というところかな?

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 ロードコンポの最高峰デュラエースホイールも、スルーアクスルにディスクブレーキ。

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 ティアグラ・アルテグラにショートリーチ式のSTIが登場、それ自体はアジアの会社の発想としててきせつなんだが・・・、

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 握ってみた感じがこれまがごっつい・・・。これで華奢な手の人が負けるんじゃない?と思えるくらいのごっつさ、繊細さや工芸色は一切無い。

 そして、こちらの方にも力を入れいているようだ・・・、

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 Eバイク、つまり電動自転車のスポーツ車バージョン。

 ただ、コイツはコンポ単体では売り出さず、必ず、搭載許可の下りた実車に取り付けることになるようだ。

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 このようにダボスの完成車に装着して売り出されるということ。

 そこで、パーツ類をもって見たんだが・・・。

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 これ電池なんだが、激重!片手持つのがようやっと、という感じ、鉄アレーだね、トレーニングにも使えそうなくらい重い。

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 これが電動アシスト部分の本体なんだが、これも重い・・・エンジン。

 ただ、重さ以上にこいつらのアシスト力がさらに上回るから、搭載する意味は大いにあるんだろうとは想像つくが・・・。

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 この後、二つの講演を聴いた。一つが自転車の健康についてのもの。もっと突っ込んだ、絞り込んだテーマでやっていかないと、新鮮みはないかもしれないですね。もう一つは動画を使った、新製品のプレゼン、ハイ了解!という感じ。

 今回グラベルコンポが新たにできたという所から、参加を決めたんだが、何も製品実物をガン見するために行ったのではない。

 あの王者シマノがそこまでして、開発せざるを得なかったその背景のようなものを知りたかったからだ。ロードコンポもマウンテンコンポも並べられていたが、一様にごっつく、スラムの後追い発想を具現化されている。

 その一方少々強引とも思える、ディスク化とそれに伴うスルーアクスル化・・・、カンパニョーロが欧州という場で、百年近く形作ってきたキャリパーブレーキ、その他ロードレーサーの典型ともいえる各種パーツ類の機能的、美的、伝統的、工芸的なるものを、一企業に過ぎないシマノが、激変させようとしている。

 それを発展と評するのか、傲慢と決めつけるか?難しい問題であるかもしれない。好きなものは発展と評価し、そうでないものは傲慢、センスなし、と表するかも知れない。前者は発展的、後者が単なる老害にすぎないかも知れない。

 ただ、展示会全体を通じて、盤石に見えるシマノ帝国もその内部では実は戦々恐々としているのかも知れない・・・と思える片鱗が散見できたようにも思えた。

 たかだか1馬力にも満たない人体というエンジン、それを前提としてしか開発ができないという縛りが自転車業界にはある。ある意味もうこれ以上効くブレーキもいらないし、これ以上の段数もいらないのではないか?既に快適なんだから・・・。

 残るは個別についてのこだわりセッティングの追求や、乗り方・競技等の関しての新たなカテゴリー成立による展開・・・くらいしかこの店主には考えられない。

 まあ大手は何をどう考えどう打って出てくるのか、たまに知っておくのも悪くはない、もう暫くこの辺うろついていそうだからな。

ジオスがやって来た



 自転車を始めたい、というご要望。予算からいうと、持ち込み系でないと叶わない。そうなると、この店主は売り手から、コンサルに変わって、外売り物の相談を受けることになる。

 今では、ネット検索ですぐ探せますね。かつては・・・、自転車雑誌の隅から隅までよーく探して、一番怪しそうな店を訪ねていく、もちろんサイトなんて無いからなあ・・・、雑誌広告を頼りに訪ねていくというのが基本だった。

 翻って現在は、メールに内容を添付して送られてくるのを、色々とアドバイスを行い、決まったらこちらあてに送付してもらう、なんて段取りが取れてしまう。
 
 そして届いたのが、これ。

 開けてみる

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 もちろんですが、入っています。さてどんな状態か・・・?

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 あれま、シフターやブレーキは付いていない・・・。

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 クランク周り、チェーン、ディレラー類は付いていますが、肝心のワイヤー類は付いていませんね、神経がつながっていない状態で送られてきたわけですね。

 ショップに送りつけるなら、これでもかまいませんが、これをずぶの素人さんに送りつけるのはないでしょう・・・。

 シフトとブレーキという大事な二仕事が残っていますんでね。

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 ステムにハンドルをくっつけ、STIを設置し、バーテープも巻きます。

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 そして各所に神経をつなげて調整をしていきます、ソラが付いていますね、もはや不足のないコンポです。多少の硬さなどをのぞけば、勝てるやつはこのコンポでも勝てるんじゃないか?とすら思います。

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 フロントの変速効率も素晴らしいわ、この値段で。

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 難がもしあるとしたら、ブレーキかな?これは抜きのために、テクトロの格安モデルのキャリパーが付いていますね。効きは今一でしょうね。いずれは交換・・・かな?

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 ホイールも・・・半年から一年持てばいいかな?まあどのくらい乗るか?によりますが。

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 エントリーモデルでよく見るホイールですね。

 しかし、落とした価格を聞いて大驚きでしたわ。さすが大手!まあ、当店などには到底真似の出来ない値段です。もう勝負所が違うんで、喧嘩にならないくらい。

 なら張り合っても仕方が無い、分業と行きましょう。棲み分けです。

 こちらは組み付け完成とフィッティング、その後の改造や維持のメンテを担当いたします・・・とね。

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 ペダルは、まず標準のものを付けておいた。こうしたレーサーにはペダルの付随は珍しい、ないのが普通かな?

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 ステムはあてがい扶持の110ミリが付いているが、ちょっとサイズが小さめなので、120交換でもいいかと提案してみる。

 後は乗るだけ・・・かな?


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 よく締まって見えますね。ジオスの鉄です、その値段でよくここまで軽くしましたね・・・とも言えなくはない。だから大手はすごいんだな。

 元バスケットの選手で、近くの大学で教鞭を執るらしい、これは渡りに船だわ。

 というのは、最近とある会合で、自転車と健康について、なんていう講演を聴いたんだが・・・、確か二十年近く前か?教育テレビでバイコロジーとか銘打って、自転車と健康の話はすでに体系化されていると思いますね。なにを今更・・・という感じなんだな。

 時が経っているんだから、漠然とした「自転車と健康」から、もう一歩も二歩も踏み込まないでどうするんだ?と思った次第なんだがね。

 具体的には、トレーニング機器としての自転車、リハビリ機器としての自転車というような、より踏み込んだ内容の取り組みと研究が必要なんじゃないか?と思っているんだな。

 自転車を自転車だけでなく、各種スポーツ、競技のトレーニング機器として、もっとアピールすることは出来るはず。

 受け売りだが、漕艇競技で武田さんという四国の選手が、世界選手権で優勝しているレベルらしいんだが、その人が自転車をトレーニングに取り入れている・・・と聞きます。だったら、他の競艇選手がなんで、そうした情報を収拾し、自らの練習に積極的に取り入れていかないのか?その理由は色々あるんだろうなあ・・・。

 その一つに、トレーニング機器としての自転車の効果というものの研究が足りなさすぎるからではないか?とも考えられるんですよね。それだけの実績がありながら、まだその練習方法が広がっていないということの背景には、その効果の科学的裏付けが確立されていないところから、取り込みや、応用が利かない・・・となっているんじゃないか?想像します。

 そして、サッカーから、野球、バレー、バスケット、ハンドボール、バトミントン・・・と上げれば切りがない競技でありますが、これらは膝を痛めやすい・・・。では痛めたら、どうやってリハビリしながら、競技復帰を目指すのか?ということが大問題になっているはずだ。

 膝が使えない時期のトレーニングはどのようなものか?ランニングが出来ない中で心肺機能を維持または発展させることは出来ないのか?

 それって適切ポジションの、軽いギアの自転車が、ランニングに取って代わって出来るんじゃない?少なくとも完治する間に、心肺機能の低下を防ぎ、あわよくば心肺機能の向上だって狙える可能性のあるものが、自転車じゃないの?

 こういうことを実現していくためには、乗る人を造って、直にそうした効果を体感してもらうしかないかな?と思うんだが。

 そういう展開としては、今回は最適なのかもしれない。大学も近い、何ならタイアップだって可能だ、メンテから何から何まで出来ることをやることで、少しでもクロストレーニングの機器として、自転車が見直される時が来るんじゃないか?と思う。

 そしてそれが、大学内の各種競技で科学的検証を受けながら、競技能力の向上が裏付けられたら、自転車のトレーニング機器としての地位が確定されていく・・・可能性が高いし、一度そうした効果が科学的検証を受けたら、他大学等に飛び火していくのは、油紙に火なんじゃないか?と勝手に思って楽しくなる。

 そういう重要人物が自らの生活に自転車を取り入れるという、この後の展開がすごく楽しみ!

 応援しまっせ!

アメリカ横断終わり 自転車どうする?

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 今を去ること1年以上前、この自転車が持ち込まれました。
 
 アア、アイツか・・・。九州行ったり、北欧行ったりと、学生時代のサイクルツーリングをしてた子だが・・・、卒業の仕上げとしてアメリカ横断してくる・・・ということで、また持ってきたものだった。

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 行く直前に酒に酔って、足を怪我していたかな?危なっかしいなあ・・・と思いつつも、しっかりメンテしておいた。

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 こんな感じだったか。そして二ヶ月くらい行っていたのか?アメリカに友人連中と旅立っていった。工賃は帰国後、もし何かあったら香典代わりにやると約束、多分無事に帰ってきたんだろう・・・。

 その後就職活動やら論文提出やらで大変だったんだろうなあ・・・。

 突然1年以上経ってから、その親御さんが現れて、遅れましてごめんなさいの平謝り・・・。まあ若い子達には期待しない店主としては、そこまで謝らなくても・・・という感じだったんだが、精算も済んで、奴の近況なども聞き、一件落着。

 と同時に、置いていった自転車を今度はお父さんが乗りたいということなので、メンテということになった。

 アメリカ帰りから、ちょっと掃除した程度で、後はそのままだったらしく、まあかのツーリングの過酷さを物語るような、状態であったんですね、総メンテだな・・・。

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 そうそう、これまたビアンキだわ、三連続かな?

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 例によって、ワイヤー、チェーンね。

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 これだけでも走りは全く異なってくることは、もっと知ってもらっていいね。チェーン交換についてはある程度は想像つくと思うが、ワイヤー交換の効果については、地味すぎてを想像つかない人が多いんじゃないか?

 どうしても、派手なディレーラーや、末端のシフターに目が行ってしまい、半分以上が諦めている感じはするが、そうではない、その間のワイヤーがとても大事なんだということ、これは言い過ぎて言い過ぎることはないだろうなあ。

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 洗浄の行き届いたスプロケと、ディレーラー、機嫌良くなっています。

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 すごかったのがローター1ミリ近くのヘリがあった・・・。これがアメリカ横断のすごさを静かに物語っていたわ。ガッツリ削れていましたねえ。

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 もちろん前後二枚ともローターは交換、そして、もちろんもちろんパッドも交換、パッドはもうほとんど残っていなかった。

 イヤー、頑張ったんだなあ・・・、アイツ・・・・。

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 なんか新車みたいでしょ・・・。それは気合い入れたもんなあ。今度はお父さんが乗るらしい・・・、ただ、今研修中の奴が、それが終わって少し余裕を持てるようになったら取り返すかもしれない。こんな写真見せられたら、たまんないだろうなあ、社会人には社会人なりの走りがあるように、一度足に入ってしまったツーリング旅情というものは、そう簡単に抜けはしないだろう。

むしろ社会人にこそ・・・かもしれない。

 こうして、ほぼ完璧に再生された後、折り目正しいお母さんご見えになり、この車体を引き取って行かれた。

 その時の話。

 アメリカ横断からか帰ってきた、この子の第一声・・・、一体何だったと思います?

 何でしょう?広かった・・・、疲れたー・・・とか?

 いえ、・・・・アメリカ・・・ヤバイ・・・と。


 若い子のヤバイという語は、多義的すぎてヤバイくらいだ。さてどういう意味なんだろう?と思って聞いてみると、本来の意味でのヤバイ、ということだった。

 アメリカヤバイ・・・。

 彼が見たアメリカ、通過したアメリカはヤバかった。ものすごい貧富の差のある、格差社会を目の当たりに見、体験して、そのあまりのすごさに、彼は驚いた、ということだった。

 地方の落ちぶれぶりの半端なさ、絶望から来るドラッグの反乱・・・、荒廃した精神、トランプを押し上げる土壌・・・。

 まあ、よその国のことはいいじゃないか、と思う。あんな表向きには威勢のいいこと言っている国の国内事情が最悪だって?そんなこと話題としては面白い、でいいんじゃないか?なんてね。確かに・・・。

 今から三十年近く前、日本の社長達の年収は大体二千万くらいだった。それを指摘したある財界の人が、日本ほど成功した社会主義はない・・・と冗談を言ったのが忘れられない。当時アメリカは、例えばアイア・コッカなんていう経営者は年間一人何十億なんていう年収を取っていたんだが・・・。

 それから三十年経って、先に逮捕された日産のゴーン、彼の給与が十億・・・・になっていたよな。そして、四割が非正規で二百万に届かない年収の人が膨大に増えてきた。

 よく日本はアメリカの二三十年後をくっついている、といわれている。年収の格差、貧富の格差については、まさにそうなってきている。

 果たして、30年後の日本の地方がどうなっているか?彼の見た悲惨でヤバイアメリカが、そっくり日本の地方に移植されていないといいきれるのだろうか?

 超高齢化社会、年齢別人口のアンバランス、主要産業の没落と、新産業の兆しのなさ、教育や研究・開発に割かれている予算の低さ、どこをとってもこのままのこの国に光明は見つからない。

 まあ自転車屋が心配することじゃあないかもしれないがね。

 こちらは共助の安全網をつくるしかない・・・、若い世代を守るためにも、最も範を示す動きもしないと・・・。

 少しでもそういう現状を気づく動きを自転車通じてでも始めないとな、というわけで、自転車で海外ツーリングを希望する学生諸君、お題は帰国後だ、外に行け、その目で見て、体験してこい!もはや、それしかない!

 

アクティブ寝太郎 登場 なにやらかすか?



 どうします?ひきとりますか?

 なんて選択肢はなくて、取り壊すアパートからとにかく引き取ってくれ!と高齢者に懇願されて、ホレ見たことか!のような自転車しかない・・・、まあ引き受けたんだ、仕方ねー・・・とスゴスゴと引き取ってきた内の一台。

 でも見た瞬間、ジオスだろう?ギリギリクロスバイク、しかもアルミ・・・、教材としてはいいかもなあ、となんとなく思ったんだが、予感が当たった・・・らしい。

 先日の、マークローザ改造。五年寝太郎君がなんとわざわざ松戸からやって来た、自転車でね。こんなアクティブな引きこもりありかよ!と思ったが、寝太郎君だけに起きたらすごい・・・という事なんかな?

 大分、マークローザは相棒になったようだ、間違えたり、アチコチぶつかったりしながら、長時間掛けて松戸に着いたという報告。やはり寝たあとだけにアクティブ。

 そしたら、今度は自転車をいじりたいというようなことをいってきた、まあその前に、店主の方から散々やりたきゃやれば?式のお誘いをしていたんだが、それに乗ってきた格好だ。

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 しかし先のジオスはおあつらえ向きだよね、ちょうどいいんじゃない?

 ええ?なんにとってのちょうどいいのかって?

 さあ、知らねーわ、そんなこと、とにかく起きた子がなんかやりたいなら、やらせとけ!それだけだ。何も自転車屋になどなる必要は無いし、サイクリングを一生の趣味にする必要も無い、もちろんやりたきゃやればいいだけのことだ。

 起きてみて、チェなんか面白そう!それで十分だ。何かのキッカケ二なればそれで十分だろう?だって寝てたんだぜ?もちろん寝ながら悪夢も、いい夢も見ただろうが・・・。

 何かが成立していく過程を体験する・・・、優秀なやつは仕事や生き方の抽象度を上げて捉えることができる、その観点から見れば、いい仕事に共通するものは皆一緒なんだ。それは人によって、学問で、メガネで、建物で、歌で、踊りで、料理で、自転車で、車で、ボートで、・・・・なんかを通じて感得出来れば、あとはどんな分野に飛んでも、適応出来るということだ。

 そして何よりも重要なのが内発的な遊び心、行くとこまで行けば、仕事も遊びも区別が付かなくなる・・・、そういう境地があるんじゃないか?と店主は思っているんだが・・・。始めに遊びありきで、遊びで閉じる、そういう境地がね。

 さて、指南役は・・・、これは六月より自転車をいじりはじめ、いまや、小径車のスポーク折れをも直せる技術を身につけてきている清水先生にお頼みしようかな?

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 まずは、外そう・・・、外すことが再生の基本中の基本なのだ。外せない車体の再生は難しい・・・、そこを飛ばさないといけないからだ、不十分となる。

 しかしどんなに汚くとも、外せれば、再生はできる、必ず!だから外すことだ!外すことが蘇生につながるんだ!

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 まあ、強敵だぞ!

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 ぱっと見、再生に使えるパーツは・・・見当たらない、いや、どのレベルの再生を目指すかにもよるんだが・・・。

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 どういう扱いしたら、すべての鋲が抜けるような状態になるんでしょうね。もうほとんどパーツ類は全滅に近い。そういえば、持ち上げなければ運べませんでしたよ、こいつは。

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 フレームもこのような状態。アルミなんで、塗装の浮きも激しい、仮に外せたとしても、再塗装・・・、表面加工等が必要かも、前途多難だね、楽しんでいこうぜ!

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 ところが三時間ほどでかな?なんとほとんど2人で、フレーム単体にしてしまったのだ・・・・、恐るべし吸収力・・・。店主引退か?

 何度か尋ねられたことはあったが、ほとんど工具の置き場所くらいかな?

 いやいや、もし当店が当代一の売り上げを誇るような大店舗、繁盛店なら、間違いなく2人を雇うよね・・・。そんなことができるように、頑張らないといけないんだが・・・。

 確か、BBの所は苦労していたが・・・、

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 なんとタッピングまでして、ここまで仕上げてきた・・・、店主緊張・・・これは近い将来乗っ取られるかも・・・ドキ!

 いずれの2人も寝太郎だった時期があった分、色々調整した今のところは自転車にたどり着いているようだ。何でもいい、キッカケ二してくれれば。

 これがキッカケで、何か持ち場を持つようなことが起きたら、連携出来ることを楽しみにしているぜ!決して乗っ取らないでね・・・、ウソ・・・。

 さて、フレームフォークにしてしまってから・・・今後はどうなるのか?ちょっとビジョンを聞いてみたんだが。

 なんか再塗装よりも、磨きたい・・・というようなことを言っているぞ・・・。そうなると大森社長の登場か?彼からの指南なんて受けたら、ドはまりするんじゃないか?なんてね。

 大森社長の出勤は、最近遅めなので、泊まり覚悟で来るのもよしかも知れない。

 とにかく何でもいいんだよ、内発性と、面白みがあれば、それをキッカケ二すればよい、あとはまたキッカケがまた別のキッカケを呼んでくる、そういうもんだ、なんとかなる。

 次ぎも意外と早く来そうだぞ!その後の展開も逐次当ブログにて公開することになろう!

 アクティブ寝太郎、寝た子を起こすの巻だ!


 

 

音なり対策



 またビアンキかよ!というくらいビアンキもんが続きますね。

 ただこいつは珍しい・・・。

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 なんと幻のカーボンバックもの。まあ過渡期の過渡期、彗星のように現れては消えていった、アルミとカーボンのハイブリッドでありますね。前後にカーボンフォークを付けているようなもん、ということで売り出されたが、そんなケチらなくたって、オールカーボンで・・・なんてもんが流通し始めたら、潮を引くように消えていった。

 そういう意味では、博物館もんだよね、まず復刻はない、ほとんど考えられない・・・、やるとすれば・・・、アルミに拘るキャノンデールか、裏張りの名手ロックバイクス、この二社くらいしか思いつかない。

 そういう意味で、責任もってのってください!何なら徹底して再生してドロップ化なんてどうでしょう?なんて口説きを入れたりしてね。

 と、今回の重要案件は音なり・・・。来たよ。アア、困った・・・、永遠のテーマになりそうな音なり。軽微で済んでくれればいいんだが・・・分からない時には徹底して分からない、対策取れない音なりなんであります。

 クランク回すたびに音がします・・・、そこまで特定出来ていれば、これは十中八九BBかな?と推測がつきます。コリャいいかも・・・とお引き受け。

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 外しに一苦労。BBソケット内には、泥状の錆が積もっている始末。アルミなのになんで鉄さびの色なんだろう?多分シャフトが鉄だからかな?毎日通勤で使っているために、水がしたたり落ちる。雨にも負けず、風にも負けず、自転車通勤なんでしょうね。

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 タップも立てて、113ミリのBBを入れ替える。トリプルものにしてはシャフトが短いですね。

 そんでもって、自信を持って乗ってみると・・・。音の軽減は確認出来るが、完全に消えてはいない、しかも・・・。

 なんとハンドル周りからパキパキ音が出てくる。ぐいっと踏み込む反作用をハンドルで受ける時に、パキパキと。

 大抵増し締めすれば音なりは解消するが、今回はどうもそれが効かない。

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 クランプ部分を締め付けても、なんとも乾いたパキパキ音が消えない。この特有とも思えるほどの乾いた音・・・。

 これは潤いが足りないんじゃないか?と、スプレーオイルを吹いてまた増し締め。悪くはないがまだ音がする。しかもステレオだ。

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 こういう可動箇所が怪しい。ここもバラして、今度はスプレーグリスを充填する。そして増し締め・・・。

 結果はドンピシャ!音なり完全解消・・・。つまり接触部分の潤いと増し締めが重要・・・というある種初歩的な、原点的なメンテの自覚をすることに。やはり基本は大事ですねえ、同業及び隣接業界の皆々様よ、接触部分は潤いと増し締めにて、音なり解消!と参りましょう。

 そんでもって、自信持って乗ってみるが・・・大事なポイントを忘れていた。

 つまりクランクを回すごとにする音、これはハンドルと全く無縁ではない(踏み込むと反作用としてのハンドル引きがセットになるので)が、完全直結でもないわけだ。

 やはり静かに乗っても、音は小さいがするんだな・・・。サク・・・サク・・・サクと。

 いつものように音なりは乗りながら、走りながら確かめることになるので、注意しながらやらないと事故になる。なので、集中するのが難しい。自走で音がするのに、ローラー台にかけるとしなくなる例など山ほどある・・・、この辺が困ったことなのだ。

 注意しながら踏んでみると、どうも右足トルクの時に音が顕著なんだな・・・。そうすると考えられるのはBBの右側の緩みか、ペダル。

 BBに関しては取り替えたばかりなので、しっかり止まっているはず、となればペダル・・・か?

 三ヶ島のソコソコのもの。手でガタを確認しても、ない・・・・。ガタがないのに音なるか?いや困った・・・・。

 ところがよく考えてみる。手と足の力の差って、どのくらいだ?8倍とか言うね・・・。そう、手や腕を使ってガタを調べても出てこないのが、足だと若干出るなんていう例はあってもおかしくはない、なんたって8倍なんだから・・・。

 そこで外して、ここでも立った今実感確認しました「潤いと増し締め」を実践すべく、グリスと増し締めを励行。

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 結果は音なり完全解消!

 潤いと増し締めの二連発!イヤー勉強になったわ。

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 まだまだメンテべき場所はあれど、ダンシングしても、踏み込んでも、全く各所から音が出なくなった。グイッとため込んだ力をグン!と静かに前に出してくれるスポーツ自転車に戻ってくれたわけだ。

 踏むたびに四の五の言ってくる自転車は小うるさい・・・、しっかり乗る人ほど、こういう所に拘っていいんだが、やはりショップにとっては音なりの特定とその解消は難しい・・・。積み重ねること、忘れた基本を再確認することを怠っちゃいけないね。

 これからより、一台の自転車を大事に乗り続けることが増えてくると思う、自分の自転車を乗り続ける、人から譲り受けた自転車を乗り続ける、そういう要望が増えてくるんじゃないか?

 ある意味世の中に自転車は溢れている。そして世は未曾有不景気に突入するやに思えます。ますますこうして小難しい、細心の注意と繊細なメンテを要求される要素が増えてくるんじゃないか?と勝手に思っているんだが・・・。

 まあ、一台を乗り続けることのサポートはある種当店の変わらない店是のようなもの、この路線は譲れませんな。いや、時代がついに当店に追いついてきた?と思うようにしよう。

学生入手のパターンか?



 おじさんから譲り受けまして・・・、ダメなところ直して乗りたい、ということでした。学生さんです。ただでもらったものだけど、ものは悪くないから、しっかり管理して乗れば、大分乗れるよ、大事にしなさい。

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 チェレステブルーじゃないが、ビアンキもの。しかも・・・

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 当店で何度か過去に施工例のあるローマ・・・。すでにかなり手が入っているようにも思えますな。

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 まあ、こんなハンドル、市販車にはまずはないね。これはそのおじさんが自分で付け替えたようですね。肩の下がったやる気のあるハンドル、ただし流して乗るにはチトせわしない。ただ、まずは乗れるように・・・ということなので、このハンドルでワイヤー交換や、シフトの調整をやっていくことに。

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  ブルホーンに変速付けされている、STI本来の角度とかとは全く違うものであります。ワイヤーの取り回しも独特と言えば独特。

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 STIで引くだけに、しっかりとショートリーチもののVブレーキが付いています。相当前の持ち主さんはいじり好きだったのではないか?と思われますね。

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 予算に縛りがありますから、それに従いつつ・・・、まあ褒められたタイヤではございませんが、タイヤチューブ交換ということに。

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 チェーンの交換に、ホイールの振れ取りなどもして、ほぼ万全にして、受け継ぎましょう。

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 こいつはハンドル形状をドロップに変えれば、ほぼ瞬時に改造が可能です、元々はフラットだったんでしょうね、それをブルホーンにして、次はドロップのような予感がしますな。

 昔から・・・といえばそうかもしれません。学生は昔から銭のないのが当たり前、金使えない分頭使うのが学生だったんだが・・・。それにしても、最近ではアルバイト代で遊べず、それを生活費に回しているなんていう、かつての苦学生のようlな学生が本当に増えているらしいですね。

 まあ、大昔と、その昔、と単なる昔・・・ていうのも変ですが、今の学生さんは大昔の学生さんのようなのかもしれません、少なくとも店主らの世代の昔とは異なります。

 そういう中では、情報収集して、手持ちの予算をどのくらい効率的に展開出来るか?俗に言うコスパっていうんですか?そんな方向に動きつつあるようですね。

 オークションなどの中古市場も充実してきている。親類縁者からの譲渡、中古市場を駆使した資材集めなど、この手の入手法に今の学生はドンドン手慣れていくのかもしれませんね。

 当店でもすでにそういう事態なんだろうな、という動きはあります。もう、店に行ってつるしの自転車をそのまま買う、買えるなんていう時代じゃないのかもしれない。

 ちょっと前までは、銭のない学生のために・・・なんて用意した格安プランものに、当の学生よりも、小遣いギリギリでやって来ているお父さん達が食いつくなんて現象が多々あったんですが・・・。その頃くらいまでは、バイトの銭を趣味や遊びに費やせたんでしょうなあ。

 ここ数年で、また学生さん達の対応が変わってきたように思いますね。

 なので、学生が来店してくると、最近ではサイズを教えてあげて、後はアプリ等で自分で探して、ここにとどけなさい。なんて展開になっています。

 ご来店されると、店の片隅で学生君がスマホにらめっこでオークションサイトを閲覧してる絵とも、バッティングするかもしれません。

 善し悪しは別として、どうもそういう時代に突入したみたいだな。当店もある角度から時代に対応していかないと・・・と強く思う次第であります。

プロジェクト名 鳴門 走る!

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 これちょいと前に作った一台ですが、憶えておられますかね?

 車体名、デイブ。あるプロジェクト用に作られた特別号であります。

 そのプロジェクトとは、その名を鳴門といいます。三桁から二桁へ!というスローガン。

 何か?というと、ダイエット、減量自転車プロジェクト用に開発された自転車なんであります。

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 一見普通の三角フレームのように見えますが、このフレーム自体トップチューブがなくとも通常の人なら難なく乗れるフレームなんですね。普通の人が難なく乗れるフレームにわざわざあとからトップチューブを溶接して取り付けているので、その強度の上がり方といったら、相当のもの・・・といえると思います。

 そして・・・、もちろんそれだけではない。

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 わざわざラージフランジのハブで組んだ、現行ほぼ最強クラスの強度を誇るリムだと思いますね、そいつに13という2ミリを超す太いスポークで組み付けた、ホイールを前後に履かせています。

 そして、まだそれだけではありません・・・、

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 タイヤとチューブの間に、このアーマーという、対パンク性を最大限にあげる新製品をかましています。つまりランドナーというただでさえパンクのしにくいタイヤの中にこのアーマーが入っている。このアーマーは内部にあるので、摩耗することはおきません、うまくすれば半永久的にもつというものです。

 フレームの強度を上げて、ホイールの強度を上げてできたこのデイブ。

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 色んな人に試乗してもらったんですが、ノーヒントで乗せても、とにかく頑丈そう、自転車全体が固い・・・という印象を持たれたようで、ほぼ狙い通り!

 こいつに

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 デカイ前カゴつけて・・・、

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 デカイ後ろカゴもつけて、完成です!

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 わざとピンぼけにしているんじゃなくて、展開上そうなってしまいましたが。元鳴門部屋の正真正銘力士、今は別の道で活躍という事なんだが、三桁ある体重をまずは二桁に持っていく!急激にではなく、無理などせず、この自転車を日常生活に折り込んでいきながら、期間をかけてまずは二桁にもっていくこと。

 この自転車なら毎日の自転車通勤も楽しくなりそう・・・と、こういう静かにともった灯が大切。

 そして各所点検のために、二週間から一月に一度は当店に立ち寄って、車体の具合と体重の計測まではしませんが、写真撮影なんかもしていきましょう、という事になった。

 一般の自転車を強度を上げて、過体重にも耐えられるよう作り替えながら、三桁の体重を二桁にしていくこと、このプロジェクトを鳴門と名付けて、まずはその第一号の完成出発であります!

 この経過を見ながら、この趣旨に賛同される方を募集します。また、当ブログ内で、その成果を公開することによって、頑張りたい!というような展開もしてまいりましょうか?人を巻き込んでいくと、意志の弱さをカバー出来るかも知れない、と思われる方をも募集いたします!

 新規格プロジェクト 鳴門! 走ります!

ブツブツ交換経済・・・

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 数年前、着物でもちょいと乗りやすく・・・できないか?という事で改造承った一台でございます。

 このフレームは、スタッカートでないので、正直乗り降りには向かない・・・が、このフレームで一番実現しやすい形を取ったという所まで持っていったということ。

 それがまた時が経ち、二回目メンテ・・・、一回目メンテも二回目メンテにも、コイツには面白い清算の仕方がおこなわれている。

 それは・・・ブツブツ交換という形式取ってます。

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 ご相手は、小平の城主(東京城)憤頭氏であります。

 この写真では怪しいカッパ野郎・・・にしか見えないかも知れませんが、会えば分かります、ますます怪しいカッパ野郎であります。着物の古着を中心に卸、販売、改造、買い取りなんかもやっていましてね、まあ・・・古着版で当店と共通する動きなんかもやっています。

 着物・・・。これも旧勢力の呉服屋さんというのがありまして、 一生に一枚の晴れ着を売ることで生き残りを図ってきたが、少子化でもって青息吐息なんじゃないか?とお察し申し上げます。

 対して、新勢力のこの城主、戦略が全く異なります。晴れ着じゃなくて、普段着としての着物、または着物的要素を持ち込もうという無理のない戦略をとっているやに思えます。もちろん晴れ着もやるでしょうが、晴れしかないぶっ飛んだ、一生に一度しかないようなド晴れじゃなく、ケとバランスの取れた晴れ着なんでありましょうな。

 そもそも、かぶり物よりも、合わせ物が好きだった店主からすると、モロ着物は無理として、着物的要素というのは大ありだったわけで、ある意味渡りに船のような人物であったわけであります。

 以後、この城主の自転車に関することについては、城主の着物についての知見とセンスとブツとの交換ということにしようと、相互了解を得たよう展開でやっています。

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 今回は、かっこいい半纏の一枚でもあったら、持ってきて・・・ということできたのがコイツ。

 店主は斎藤じゃないんで・・・、この辺は細工しようかと思いますが、少し涼しくなってきたら、羽織りたいですわね。

 あとは・・・、

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 これね。刺し子でございます。白なら柔道着?という事だが、藍色なんで・・・、そうコイツは剣道着の上なんだそうです。

 刺し子は暖かいので、これはいい。動きやすいしね。作務衣は寒い時期にはちょっと不向きかな?なので、これからの季節は活躍していくかも知れませんね。

 と、もう一つブツブツ交換を取っているブツがある。

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 これ・・・。これは柳沢の名店でしょうね。西武柳沢に来た方は是非に!といううなぎ屋さん、浦安さんね。西東京市なのに浦安さん・・・。

 ここのウナギはもちろんタレは付いてきますが、ポタポタ程度でいい、山椒はしっかり振る。

 そして食べると、ウナギの味がします、当たり前なんだが、タレに邪魔されない、ウナギ自身の味がうまいし、こんなにウナギという魚が上品な味と香りだったのか?と思うほど。

 ここのウナギを食べて分かったことがあります、世にウナギと言われているものの大半は、タレでごまかされている・・・。タレの味八割で食べているといっても過言ではないと思いますね。今までナニ食べてウナギと思っていたんだろう?と思ったほど。

 ここの御曹司も自転車が好きで、ラレーの鉄レーサーなんか乗っている。今回は実用車を持ってきて、カゴつけ、ライトつけ、チェーン交換などチョコマカメンテをだったわけであります。

 今回も、納車の時にメンテ代を告げて、ウナギで欲しいと!了解!

 これで何回目だろう?もちろん普段、ウナギなんて高級魚、希少魚など食べられませんし、食べていません。

 こんな時ぐらいの大盤振る舞いなんだが、なんかブツブツ交換となると、正規の取引という感じで、あまり奢った尊大感が伴わないというところが、不思議でいいんだな。

 この日はお客さんからもらったビールと、巨峰なんかもありまして、なんとも豊かな食事ができたんでありますが、出費は?なんて野暮な計算は無用なわけで、再度豊かさ・・・という事について思いを巡らせてみることもありでありましょう。

 もちろん限られた範囲でしかブツブツ交換は、今はできません。こちらも業者との間では現金商売しているのでね。家賃も米と野菜で払うわけも行かず、いわんや公共料金をや・・・ということなんだが。

 今、新たな決済の形式が色々と開発され、当店もペイペイだか、微信だか、AUペイだかと、まあ当店のような所でさえ、それなりの導入の準備をしていないわけではありません。

 あれは、現金から、完全ポイント制になっていくような展開ですね。

 現金に裏打ちされた、ポイントのやりとり、それが新たなデジタル決済なんですが、現金兌換ポイント経済?っていうのか?じゃあ、その当の現金は一体何によって裏打ちされているのでしょう?

 もう金の量によって発行する通貨制度はとっくに終わっていますんで、不換紙幣に世は溢れています。この不換紙幣という日本銀行券ともいいますが、一体何によって裏打ちされているんでしょうか?

 国や日銀への信用によって?裏打ちされている?なんだか怪しい感じもしなくはないね、そもそも国家なんてもんは完全に信用に値するもんじゃない、くらいに思っておいてちょうどいい、しかも今や私物化されつつある国家などになんか。

 さすれば、個人同士の裁量の余地の大分ありそうで、ミクロな信用の産物であるブツブツ交換なるアナログ経済形式の余地なども、残して置いていいのではないかと思うのであります、先端の決済形式と両立してね。

 そもそも、すべて要所をあずかり知らぬ技術などに任せきりにさせておく必要は無いし、それは危険なことだ。

 むしろ、原初的技術は手元に置いて、日々少しずつでも転がしておくくらいでいいのではないか?イヤ、そういう姿勢が生存には必要なのではないか?と思うんだがね。
 
 車に対して自転車を持ち上げすぎることはしないが、まあ災害等ではやはり自転車は偉大であると気づくこともあろう、制御出来る不便を日常に織り交ぜておくこと・・・、自転車的だ、なんたる自転車的な!

車は体を表す 愚直にて候・・・



 レーサーなのにちょっとした重厚感がある。

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 いつも思うが、チューブにパナソニックのロゴは、なんとも電池を彷彿とさせられる。長持ちの高級電池・・・。

 チタンフレームながら、激軽ではない。むしろ重厚感がある。ホイールはデュラエースというロゴが貼ってあるものだから、それなりの軽量は図られているわけだが、持ち上げて、思わずオオ!という声の出るほど軽さは全くない。

 で、乗ってみると・・・。柳さんが一言言ったように「いい自転車ですねえ」という感覚なのだ。全く派手さはない、むしろ愚直である、君それでもレーサーか?と思えるような落ち着きがある、逆に言えば走りへの渇望感がないともいえるが、いいじゃないの焦らなくても・・・と逆に説得される感じかな?
 
 もちろん今回が初めてではなく、ありがたいことに何度か当店にはドックとして利用していただいている。今回のミッションの典型がこれ、

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 あるイベントに参加する際求められている、ショップにより診断書の作成なのだ。

 もちろん、書くだけ書いて、終わりではない。メンテも含めての診断なんだが。

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 お決まりだが、ワイヤーの交換。ということは、シフターと末端であるディレーラーを丸ごと診ること意味します。何に、張り替えるだけじゃあないんだな・・・。

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 歯飛びする前のチェーン交換。飛ぶ前が重要、いや正確には、伸び前の交換が重要って事ですね。新しいチェーンにして、スプロケが歯飛びするようでしたら、時すでに遅し、であります。スプロケも、下手をするとチェーンリンクの交換にも食い込んできてしまいます。

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 後はベタベタだった、ブラケットカバーの交換も・・・。かつてはそういうことあまりなかったんだが、最近ではチラホラそういうことが起きる、夏が灼熱化してきたからか・・・?カバーゴムの組成が変わってしまったからか分からないが・・・。

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 体の大きなライダーを支える革サドル。こいつの調整は普通のサドルとは異なります。通常のサドルだったら、ピラーとの角度か前後移動くらいなんですが、この革サドルにはもう一つ調整ポイントが付いている。

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 革の張りを調整するボルトです。革なので当然伸びますね、その伸びてたるんだ分を伸ばす機構がここなんです。当然伸びればその分サドルは低くなることを意味しますので、ポジションへの影響も。と同時に、そのたるんだフィット感との相性が重要ということもあるので、この辺は難しいですね。

 ちょっとだけたるみを取って、お返ししつつ、後はまた乗りながら、ご自身で調整されることをおすすめしました。

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 しかし、まあ、名は体を表すと言いますが、車も体を表しますな、そういう一台です。派手さなく、傾いてもいない、愚直にて候、しっかり走ります、そして今も走っています、という質実剛健とでもいいますかね。
 
 かつて横浜の押さえピッチャー、今も大活躍だそうですが、その選手の乗っているトレックを持ってきてくれたことがありました。メンテしてお返ししたんですが・・・。

 本人は自転車好きなようなんですけど、球団から乗るのは禁止されたようです。

 まあ、落車して大事な肩でも怪我したら、何億円の損失・・・にもなりかねない。

 しかし球団関係者でもないにもかかわらず、選手から高級自転車メンテをまかせられるなんて、その選手との信頼感、人柄の分厚さが忍ばれる話でもある。

 忙しい合間を縫っての、ウナギを求めての孤独楽なサイクリング、まさに人車一体、今後とも陰ながらサポートさせていただきたいですわ。

ドミノの末のほぼ総取っ替え

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 今を去る・・・8年以上前かな?アルミで組み付けた一台なんであります。

 通勤でほぼ毎日使っているのか?ほぼ毎日の利用であれば、半年に1度、最低でも一年に一度は、メンテに来てもらいたいもんだが、なかなかそうはいかないようだ。まあ、ツイ・・・というやつなんだろうな。

 そんな長い年月、全体が平均的に劣化しているもんで、なんか一つ飛び抜けて調子が悪いところが出現し、それをこちらが見ようもんなら・・・、それだけじゃあ、済まないよー、ということになる。

 今回もその典型的な例。

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 案件はタイヤ、正確にはパンクで来たんだが、もう当然そんな小細工では済まないところまできていることが判明。安全に走って、止まれるようになるまで、こいつは見てやらないといけません。危ないので、そうしましょう・・・ということで預かり。

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 さてと、交換の嵐が吹き荒れるぞ。

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 よくまあここまですり切れていて、切れずにいたよなあ、と思うチェーン。

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 見た目も含めて交換したが、もうここまで伸びているものだけを交換しても、他がもうダメダメだ。

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 床のコンクリと保護色になっている・・・。

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 ほぼ、平地使用なのだそうで、クロスレシオのものだった。

 チェーン周りが締まってくると、今度はBBの緩みがより目立つようになってきた。ので、交換・・・。

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 シールドベアリングの内径部分がすり減っていた、まあ使い倒したわけだ。

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 113ミリのシャフトのスクエアテーパーものをしよう、毎度思うがタンゲさんが6種類ぐらいのBBを作り続けていてくれる、これは再生ものを扱う当店としては実にありがたいものだ。

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 ブレーキも片ぎぎそのまま使っていたようなので、左右四つとも交換。

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 というわけで、消耗品に関するところはほとんど交換でありました。

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 ほぼ一年前に亡くなった、お父さんから受け継いだ一台で、一生のりたい・・・というようなことを言っていた。なれば、ご指導いたしましょう、毎年一年に一度は持ってくること・・・だね。

 そして、掃除、洗浄のやり方を覚えてもらおうかな?それだけでも全く違ってくるんでね。


 

機動力は最高のカーゴバイク オムニアム

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 前二輪、後ろ一輪、合計三輪で動く当店発のカーゴバイクであります。今バック機構を考案中・・・、これが出来れば頭取るねと、勝手に思っているんだが・・・。

 ただ、ものをはこぶというのも用途というのがありまして、ただ運んでいればいいってもんじゃない・・・。運び方にも色々あると思います。

 当店発のものは百キロは全く問題なく運べます、前の箱の木枠を工夫すればちょっとした長物、車椅子等も運べます、もう工夫次第ですね。ドッシリしているので、止まればちょっとした店舗としての機能もはたします。

 ただ、難を言えば、三輪という意味では二輪ほど機動力が無い。動きが鈍重であります。俊敏、機敏といったところからすると対局にありますね。まあ、それはこいつ持ち味として活かせばいい。

 ただし、輸送にスピードの要素が必要だというものに関しては、これまたスゴイカーゴバイクが登場していますな。



 こいつであります。デンマーク製なんだと。

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 オムニアムという名前が付いています。デンマークのメッセンジャーから発祥しているということで、スピードと機動力に関しては、こいつはほぼ最高なんじゃないか?と思いましたね。

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 車体は二輪、前に荷物を置くということで、アレックスさんのカーゴバイクと構造はほとんど同じといえます。ただ、こいつは重心が高い、その分機動力は飛び抜けている。

 この前輪とハンドルの間が長く造ってある。この台をはぐると、

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 こうなっています。ほとんど特殊パーツは使っていませんね。

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 このロットぐらいかな?後はほとんど既存の自転車パーツで組み付けられます、そういう意味でありがたいですね。特殊パーツだらけだとメンテの際大変ですからね。

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 この辺も自転車のヘッドパーツですね。

 ここに、台を取り付けているのが、このカーゴバイクの特徴です、

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 サドルの上から見るとこんな感じ。重心が高くて、前に付いていると、大した重さは運べないんじゃないか?と思われるかもしれませんが、お荷物を載せて試乗してみました。

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 この台に子狸荷物、約30キロ、米袋一袋の重さがありますが、こいつを乗せて走り回りましたが、全く問題なし、さしたる重さを感じないし、ステアリングにも影響がない、倍くらいでも大丈夫じゃないか?と思えるほど。

 ただ、あまり縦の丈のある荷物は苦手のようで、その重心が崩れると、車体自体持って行かれる可能性もなくはない。なので、荷物をしっかり選べば、問題は無い。

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前輪は二十インチ、油圧のディスクブレーキが付いている、申し分ない。

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 前シングルで、リアのスプロケが仰々しいが、試乗してみると、このくらいは必要だね。実に快適、多少の坂もスイスイと、前シングル・・・・シマノの思惑とは逆に行ってしまったと思うが、何も考えずに、単に重く、単に軽くしたいというだけの乗り手になら、前シングルは悔しいほど優れている、と思うね。

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 ハンドルはフラット系のものが付いているが、これはもう少し後ろに引いてもいい、プロムナード系のハンドルでもむしろいいかもしれない、そんなものは後からでも何とでもできる。

 そして、この手のカーゴバイク最大の難点と言えば、保管場所をどうするか?ということだ。それについても、こいつは頭一つ出ている。

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 一般自転車と同じとまではいかないが、このように立てて、ちょっとした治具で固定してやれば、驚くほどの場所は取らない、一般家庭、または集合駐輪場に置くことは可能・・・と思われますね。

 この世界でも、まあ、色々な工夫があるなあ、と感じさせられました、一台であります。

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 今流行のウーバーなんて、最適かもしれませんね。メッセンジャーには色々縛りがあったらしいですが、もっと立体的なものまで含めて総合的なもの運びということを想定すると、この手の選択肢はありがたい展開になるでしょうね。

 路上店舗としてドッシリ構えるなら、当店型三輪カーゴバイク、スピードと機動力を活かしたいなら、オムニアム・・・と棲み分けも出来そうですね。

 残念ながら、当店にサンプル号は置いてありませんが、希望者がいるようでしたら、試乗会など催しますので、ご連絡お待ちしています。

 これからのスタートを切る仕事は、この手の自転車からかもよ!

沈没はボートのみ?



 今を去る10年以上前かな?元漕艇競技選手ご来店がきっかけで、そのご縁が広がりつつ、店主と漕艇競技とは全く接点がないながら、ありがたいことに各要人とのおつきあいにより、その競技事情などお聞きする機会が大変多い。

 他の競技の事情を聞くことが、自転車競技等の比較や参考などに大変役に立つことがある。また、トレーニング方法など、自転車のもつ汎用性などをもっと利用しながら、トレーニング機器としての自転車の可能性なんかの話も聞いてもらったりもする。

 そう、何年か前には、戸田のボートレース場に行って、全日本選手権を見に行ったこともあった。

 その前には、変な自転車造って、漕艇競技のトレーニングに使えないか?なんてことやったっけね。関東学院大学のコーチが、もしかして・・・、ボートのインナーマッスルに効くかもしれない・・・などというコメントをもらったこともあった。

 なので、競技経験ゼロの店主にとってもなんか漕艇競技は変に身近に感じてしまう傾向ありなんだな。

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 と、どうも来年東京では世界各国から運動選手が集まっての大運動会が開催されるらしい。今のこの日本という国に、そんなことをやっていられる余裕があるのか?と真剣に思うんだが、どうも強行されるらしい。

 このこと自体に大変な違和感を今でも持っている。もっと国を挙げて、いや、それこそ世界各国の協力と技術を知恵を結集して、取り組まねばならないことが、この国には有るんじゃないのか?今でも原子力緊急事態宣言は撤回されていないんだろう?と思うんだが、アンダーコントロールなどという嘘っぱちを並べて、運動会のほうを優先してしまっている・・・。

 なんか変だ、どこかおかしい。

 では、百歩譲ってその運動会だが、それぞれの競技について、それなりにしっかり運営され行くのだろうか?という疑問に対して、なんとも言えない、変な状況が続いているように思えて仕方が無い。

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 変わった依頼をいただく、地方からわざわざ当店に仕事をくださる方も、その漕艇ラインの方なんだな・・・、しかも中核を占める年齢と地位をお持ちのようだ。開催時期の期間など、会場に流れる解説なども一手に引き受ける、まさにミスター漕艇競技といってもおかしくはない方なんだが・・・。

 話によると三、四百億かけた、海上の漕艇会場なんだが、なんと予算の関係上、観客席の半分に屋根がないことが発覚・・・。

 仮に気温が三十五度になったとして、まさに日陰のない炎天下、一体観客席は何度になってしまうんだろう?下手すれば、素材は何か知らないが、座席に座ってしまうと火傷だぞ。いっとくが気温25度の「炎天下」に置いてある、単管パイプは素手ではつかめないよ、熱くて・・・。

 そんなところに、たとえ笠かぶって水分を補給しながらいられたとしても、熱中症続出だろうなあ・・・。予算が足りなくなった?一体どんな計算をしていたんだ?どんな想定外が起きたのか?そして、なんで真夏の炎天下の日陰作りという優先順位の高いところを削ったんだ?責任者は誰?

 まずはこれに応えないといけないだろう・・・。

 まだこれだけなら良かったんだが・・・。なんと競技委員会は、この灼熱の会場を冷やすために、雪を降らせる・・・とまでいっているらしい。まじで降雪機を導入検討しているんだと・・・。

 あのー、真夏の炎天下でしょ?仮に雪を降らせたとしても、空に放たれた瞬間から、雪は溶け始め、そのほとんどは霙にすらならず、ぬるい雨のようになって降るのが関の山なんじゃない?

 ということは、晴れにもかかわらず、屋根無し席が当たった方は、わざわざ傘を持参しないといけないわけ?

 逆に溶けるに決まっている雪を部分的に溶かさないで、降雪し積雪しようとするとそこは簡易な冷凍庫状態にしないとダメなんじゃないか?その分の80度クラスの廃熱をしないといけなくなる・・・。

 仮に部分的に降雪したとすると、逆に真夏の格好で来た客はそこで真夏の運動会会場で、今度は凍えることになるんですか?

 屋根がないだけでもダメダメなのにも関わらず、ゆうに事欠いて雪を降らせます!だと?!

 一体真夏のボート会場の降雪をどうイメージすればいいのか?全く分からん!

 全くバカすぎやしないか?!バカがこんがらがってはいないか?かつて北京オリンピックの際に、中国が人口雨を降らせるなどといった時、小馬鹿にした輩は少なからずいたはずだが、当の東京の運動会の人工降雪話はとう捉えんだ?

 当のボートの重鎮も、全くねえ・・・と困り顔、周りのボート関連の方々も、大分呆れておられるようであります。

 ウーン・・・・・。



 一体どうしちゃったの?この国は?なんか自分の国のことをいうのは憚られるが、かつてのこの国はもっとずっとましな国ではなかったか?何のかんのといっても、要所は締まっていて、時に丁寧に、しっかりと、ちゃんとやっていた・・・、もちろんまじめすぎて面白くもおかしくもないところもあった、余裕なく、呆れるほど真面目なところもあったが・・・。

 でも、なんかもっとちゃんとやっていたよね、この国、日本という国はさ。

 ところがどうしちゃったの?

 この数年見ただけでも、東京の真夏の暑さは東南アジアの人たち、インドの人たちにも辟易されるほどの異常さを呈しているでしょ?だいたいなんで十月頃にやらないんだよ!

 最大スポンサーのアメリカのテレビ局の秋のスポーツイベントの都合上、押し切られての真夏開催だろう?やめちまえよ!選手や観客、ボランティアのことどう考えてんだよ!

 それで笠だ、打ち水だ、気合いだ、早朝開催だ、あげくには雪降らせるだと?!

 そのボートの重鎮もさすがにこれはない・・・、明日その辺の会合があるので、しっかり意見は言わせていただきます、どこにも所属しないので、はっきり言います!

 そもそも国際運動会なんて、ゼネコンのためにやっているんだから・・・と別の重鎮は言い捨てた。

 頼もしい、もしも今のこの国に救いがあるとすれば、こうした当たり前の常識と、良識を持った毅然とした方々がまだいるということだ。それしかない・・・。

 来年の運動会は、店主は思いっきり無視しようと思っている、もし古潤当たりが出場していたら、ロードレースの沿道くらいには行って、一声かけてもいいか?というくらいは思っているが・・・。

 それ以外は無視。パラリンピックだって、このままタンデム公道走行禁止の状態で入るのなら、完全無視。なきがごとくに過ごします。東京の郊外に出てもいいかもね、ご勝手に・・・。

 そして、各方面に熱中症や過労にて、死者など出ないことを祈っています・・・。そして人の振り見て我が振り直せ、じゃないが、老害には気をつけないと、自らが若者にとっての老害にならないように細心の注意を払おうと思うだけである。

 しかし真夏に雪か・・・、どうせなら黒い雪でも降らしてみろ!それこそそれでおしまいだ、炭=済み、なのだ!

デローザ?マークローザ?



 その前日、デローザの改造をしたいんだが、700Cとか付けられますか?という電話がかかってきた。

 デローザに700Cを付けたい?じゃあ、今一体どんなホイールはいているのか?ちょっと疑問だったが、その翌日事実が判明。

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 マークローザだったわけだ。もしかして650Cとか来るのかな?と思ってちょっと期待していたんだが・・・。

 そういえばこのマークローザの改造例はちょっとばかり豊富だった。掘り返してみると、けっこうあるでしょう、中にはコルナゴにまで偽装したやつもあった。

 それで皇居を走って、他の名だたるレーサーを出し抜いた・・・。あの車体はなんだ?と抜かれた奴らが見に来ては、無言で立ち去っていった、なんて話も聞いた。

 要は車体じゃなくて、足だよ、足。ということなんだが・・・、改造ホリゾンタルマークローザがいかにすごかったか、という逸話でもある。

 そんな記事に刺激されたか、なんと松戸からエッチラオッチラ自走で、持ち込んできた車体がこれだった。さすがに疲れた顔をしていた。

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 まず外せるものを外す、ということに、チェーンカバーも外します。

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 リアの泥よけも外す、もちろんフロントも。

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 特にフロントは、進行方向に向かって空気抵抗になるだろう・・・と思いますねえ。

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 カゴも外していいそうだ。そして、優先順位1番が、700C化ということ。

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 いい足を付けてやったぞ。高級完成車から外した、ホイールをあてがう。

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 軽いし、固いし、精度もいいし、よく回る。試乗した際、ちょっとはやまったかな?と思ったくらい、いいホイールね。

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 フロントブレーキは、シューの位置調整をする。

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 リアは、元がローラーブレーキだったんで、キャリパーブレーキに交換。ホイールの着脱も楽になり、いいことずくめだろうな。下引きにして、スタッカートフレーム形状にワイヤーを沿わせる、いつもの手だ。

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 とりあえず、ハンドルはそのまま、すぐにドロップ化を希望するかもしれないが・・・。

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 ポジション出しに、シートポストとサドルを交換、これで足をたたまずに踏めるようになる。

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 組み上がった車体がこれ。実によく走る・・・。

 こいつも分類出来ない、一台になった。ある青年が、情報収集している内に、構想ができあがり、そしてついに形になった。

 僕5年間引き籠りしていたんです。

 その割に、松戸から遠路はるばる自転車でやってくるなんて、なんともアクティブな引き籠もりだ。何か次への切っ掛けになるかもしれないものが、たまたま自転車だった。そしてマークローザ、検索かけたんだろう、そうしたら、当店の改造ブログが出てきたらしい。

 どうにも走る自転車になってしまった、帰りは大分楽だろう、自信も付くだろう。何のかんのと、自転車と自分と休みと補給が出来れば、どこまでもいける!大した自信じゃないか。

 別に引き籠もりだって、最近始まったことじゃない、だろう。落語の与太郎、昔話の三年寝太郎なんかに、それとなく隠喩されているではないか。

 何も近年、級に同性愛者が増えたわけはない、表明出来る機会が増えただけだろう。引き籠もりだって同じだ。そして、引きこもった分、そこからまた起き上がって、何かしでかすやつらも当然出てくるだろう、集団的無意識が支えている、昔話にそう書いてあるんだから。

 まずは申し分の無い改造車が出来た、この改造車に追いつけ、追いついた先はまた、先だ。何とかなるよ、きっと。

バランスとって



 このホイールが載っている台は、振れ取り台ではありません。

 自作というか、改造版のホイールバランス取り台とでも言いましょうか。

 ホイールバランスというのは、大抵のホイールは、ホイールを浮かすとバルブ付近が下に下がるようになっている、どの位置で、ホイールを止めても、またアンバランスならば必ず同じところが下に来るようになっている。

 その状態で高速の下りなどをすると、ホイールがアンバランスなために、ホイール自身が振動を起こし、自転車がちょっと不安定になる。試しに作業台などに自転車を固定し、アウタートップにしてホイールを最速で回転させてみると、その振動の大小がよく分かる、ひどいものは外れるか?と思うくらい上下に車体が揺れる。

 このバランスが取れると、この車体への振動がほとんどゼロになり、ホイールは静かに高速回転しているだけになる。

 そのバランスを細かく取るためには、ホイールの回転がなめらかでなくてはならない。ホイールは、フリーのラチェットや、玉当たりの調整などで、実は意外と回転が重くなっている。

 多少の重さぐらいでは、微妙なバランスを取ることができない。

 なので、ハブの精度とは別に、バランス取り台のシールドベアリングをより軽くなめらかにすることで、微妙なバランスを取れるようにするのである。

 そのための改造バランス取り台ということなのである。

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 アンバランスの対局におもりを付けながら、釣り合いを取っていく。

 まず1番重いバランスから取ることになる。それが取れることで全体のバランスが取れるか?というとそれがまた難しい。一対のバランスが取れると、次のアンバランスがごく少量だったりするが、出てくることの方が大半だ。

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 なので大体三四カ所を巡って、全体のバランスを取ることになる。

 バランスが取れるとどうなるか?というと、ホイールは回転力の切れたところで止まるようになる、そして止まったら、ほとんどそこから動かない、これが全体のバランスの取れた状態といってもいい。少しでもバランスが崩れたら、1番重いところが必ず、下に来ることになる。なので、またその対岸に重りを置くことになる。

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 今回は二カ所と判明。

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 バランス取りに使った各所の重りを精密計りの上に置いてコンマグラム単位まで計測します。

 そして計測出来たら、鉛を使って、その同じ重量のバランサーを造ります。

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 このように、両面テープで内部固定して、その上からビニールテープで固定します。もちろん、サイコン用のマグネットセンサーのようなものもあらかじめ位置決めをして、こいつもバランサーとして協力させます。

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 上から、しっかり止めます。超高速で回転させても、全く車体に振動は来ません・・・、完成であります。

 ちなみに、最近の造られているのリムは、それ自体がかなりバランスが取れているように感じます、なので、かつてのように神経質に取らなくても、乗り手は気づかれない、なんてことになって、ホイールバランス取りもかつてのような依頼は少なくなりつつありますが・・・。

 でもなんとなく取られているよなものと、完全にバランスの取れているものとはやはり違います。後者は本当素直に回るだけに徹してくれます、なんともありがたい足回りになってくれますので、ちょっとしたものでも取っておいた方が断然いいとだけは申し上げておきます。

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 翌日が本番かい?もうロードレースはスタートに立った時点で、よほどのことが無い限り勝敗は決まっているもんだ。

 怪我や落車しないように、まずは復帰レースおめでとう、無傷で学んで帰れ!

 
 

新車種登場 ピストクルーザー?



 全くまたヘンテコな一台ができてしまった・・・、どうしよう?

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 ホイールベースの長いダイヤモンドフレームだな、変なステッカーがアメリカン?

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 いかにも当店らしくはないが、仕方が無い。ダイヤモンドフレームながらも、このボケボケ感はもとはビーチクルーザーだったみたいですね。あの砂浜をスピード気にせず走るコースターのぶっといタイヤ。

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 700Cのちょっとレーシーなタイヤを履かせました、かなり軽快になりますね。

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 リアも同じく、そして細いタイヤをつけると、それなりに見えてくる、締まりの無いしゃれたピストにみえるかな?

 今を去る十数年前のピストブームの頃だったら、飛ぶように出て行ったでしょう?そして、予約が入っていたかも知れません。当時は、やはり自転車そのものに対する好奇心の大変強い時期だったようにも思います。普通に自転車屋につるされている自転車にはほとんど興味が無くて、人が走って乗りつぶしているような、そういう車体に目が行っていたようにも思いますね。
 
 自転車愛好者自身が、面白かったともいえると思いますな。

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 当時だったら、こんな反対ブレーキも大受けしたでしょう。

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 Vブレーキの台座がありますが、カンチでも良かった・・・かもしれませんが、ショートリーチがなぜが付いてしまう、700Cはリムがデカイ分フォークに近いんですね。

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 こんな左右につぶしたような、セミドロップハンドルなんかも、当時なら、受けたかも知れない。こういうものが今ほど無かった、むしろブームが、こうした様々なパーツや色合いなどを捜して、作らせてきたのかも知れませんな。以来、カタログがカラフルです。

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 この手になりますと、クランクが大変なんです、通常のBBソケットではない、アメリカンサイズというの?ビーチクルーザー特有のばかでかいBBなんでありまして、通常のBBがそのままでは使えません。なので・・・

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 見えるかなあ・・・?このように、オーバーサイズのBBソケットを埋めるためのシムのようなパーツが必要になります。アルミの削り出しで、左右からソケットを挟むように装着します、ちょうど鼓をいれるような感じですね、そうしてダウンサイズしたところには通常のBBが使える様になります。

 通常のBBが使えるにようになると、今度はクランクの選択肢が一気に星の数ほどに広がります、なんならスギノ75でも装着可能になりますね。

 という事で組んでみましたピストクルーザーですが・・・、

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 なんかホイールベースが適度にあって、競走馬というより、観光地で一周千円で乗れる常用馬のような感じで、なんかこれはこれでいいんだよねえ・・・。

 という事で、ちょいとお薦めします・・・変な自転車に乗りたい方、試乗にお越しください、悪意無く、そのまま家に帰ってしまうこともあるかも・・・常用馬じゃなくて、それは牛・・・かもしれませんな、モー・・・。

決戦用ワッパ ケッパの整備



 ボントレガーのカーボンチューブラーホイールです、決戦用のワッパ、略してケッパですね。

 今時決戦するような選手と言えば、あの古潤くらいなもんだろう、そう古潤のケッパなんであります。

 それにチューブラータイヤ履かせている、それはそれでいいんだが、なんとリムセメントでハッ付けてんだよね、そして今月7日のレースもリムセメントでハッ付けて欲しいという。どうも両面のリムテープで、剥がれた例がいくつかあったらしい。

 こちらは聞いたことはないが・・・。まあ選手がそうして欲しいというのであれば、貼るしかあるまい。

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 このように主に使っていない、振れ取り台に取り付ける、こいつは見た目は大仰な振れ取り台だが、精度が今一、色々試してみたがどうも気に入らないので、こんな役目しかない・・・見た目はそれなりなんだが・・・。

 さて、貼り付けるか・・・という前に

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 こいつをどうにかしないといけない、前のリムセメントの後だ、この状態では接着力は無いと判断出来るので、撤去しないといけませんね。

 今時こんなことやるショップ、ほとんど無いでしょうね。そういう意味でも貴重な記事になるかもしれないなあ。

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 色々やり方はあるが、まずは物理的に剥がしましょう。金属の特殊工具にて、ゴリゴリと。

 この特殊工具、

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 もちろんこんなもの売ってませんので、ガム剥がしを利用して、造ります。三種の歯型があります、平面用、凸面用、凹面用と。これがまた便利なんだな、今回凹面用は使いませんがパイプ状の剥がしには役に立ちます。
 
 平面はリムも両サイド、凸面はリム内部をこそげ取る際に大変役に立ちます。使っている内に刃は惚けるので、時々研ぎながら使っていきます。

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 こんな感じで物理的に落とすというやり方、その他にはリムセメントリムーバーなんていう商品名の付いている、その実洗浄用シンナーだと思いますが、そんなものでふやかせて拭き取りなんていうこともありますね、化学的に剥がすといいます。

 もちろん両者を使ってやってもいいです。

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 店主の場合は、足付けの意味を込めて、60番の荒い紙やすりを掛けていきます、カーボンリムなので削りすぎないように気をつけないとね、縦ブレになってしまう・・・。

 それが終わると、今度は脱脂作業、

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 これも洗浄用シンナーで何度も何度も拭き取りながら、キュッキュというほどになるまで、徹底して脱脂をしていきます。

 次に登場するのは、

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 リムセメント、これも絶滅危惧種だね・・・、ソニーボンドといっても今でもあるのかな?そんなものでも流用は出来そうだが・・・。かつては下地にソニーボンドをわざわざ使っていた時期があったが。

 知っている限り、リムセメントはパナレーサー、ソーヨー、コンチネンタル・・・ビットリアはどうだったかな?位しか思いつかない、多分みんな同じ工場で作っていたりしてね・・・。

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 こいつを最初は薄目に全体に塗って、下地を造る。これもソーヨーなどは下地専用のセメントを出していたと思う、今はどうか知らないが。

 下地を塗って、乾かしてから、再度上塗りをしていく。

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 そしてチューブラータイヤなんだが、マキシスのレース・練習用のものを用意した。まあ値段はソコソコいいもんだね、ゴムもしっとりで、グリップも良さそうだ。

  しかし、・・・チューブラーなのに25ミリなんて・・・有るんだね、今時・・・。トラックなんかでは21ミリとか、最細で19ミリとか付けていた時があった、もう小指の太さだよね。それからすると、25ミリ?これってチューブラーを真似したWOで勝手に決まってきたサイズだと思ってんだが、本家のチューブラーでは23ミリでいいんじゃないか?と思うんだが・・・ね。

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 リムが厚いので延長バルブをシーリングテープとともに仕掛けて・・・、

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 タイヤの布面に少量ながらリムセメントを塗っていく、最初に吸わせて、飽和にしておくという考え方かと思う、確か・・・。

 少し乾かす。

 リム側が二三重のリムセメントの下地が出来たところに、少し空気を入れたチューブラータイヤを合わせて貼り付けていく。

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 センター出しの際など、タイヤを前後にもんだりするし、高圧をかけて圧着させるので余ったリムセメントが脇からはみ出たりする、少しはみ出るくらいが丁度いいのかもしれない。

 ただブレーキングの邪魔にならないように、リム側にこびりついたリムセメント、タイヤとの間からはみ出たセメントは撤去しないといけません。

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 ガムテープでとる人もいるとは聞きましたが、店主は同成分であるので、このようなはみ出しセメント団子を丸めて、これに余分なリムセメントを叩くように吸収させていきます。

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 はい、このように根気よく、はみ出し部分を取り去って、さらに高圧をかけて、タイヤを固定していきます、最低一晩はこのままで、ということでね。

 次にホイールバランスでも取ってやろうかと思いましたが、なんと計測用センサー磁石がこのホイールにはまだ付いていなかったので、それでは折角撮れたバランスが壊されてしまう、ということで、バランス撮りは後日ということになった。

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 10気圧以上かけて、一晩待とう。

 しかし、チューブラタイヤ貼りなんて、何年ぶりかな?かつてはレース前に自分でやっていたもんだが、懐かしい作業でもありますね。

 多分トラックレースではまだチューブラーが主流なんだろうが・・・、後はパンクした際に自分でレース復帰させるトライアスロンなんかもチューブラーのほうがタイヤ交換は楽(もちろん相当の準備はいるが・・・)かもしれませんね、そんなところでまだまだ生き続けるんでしょうな。

 なもんで、こんな記事でも、誰かの役に立つかもしれませんね・・・、チューブラータイヤの貼り方でした。

リノちゃんの置き土産



 シンプル且つ、カラフルな一台であります。

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 リノマークが貼ってあります、ということは・・・。あのリノベーションサイクルでおなじみだった、リノさん作品であることは分かります。一体何台くらい組み上げたんでしょうね、デザイナーという独自のハイセンスから、中古車体を再生させてきた、あのリノさんであります。

 毎回、毎回、ホーそう来ましたか・・・と唸るセンスの持ち主ではあります。時に大分時間を掛けつつも、時にもう出来た?とその辺も自由な展開をしていたように思いますね。

 そもそも当初来たのが・・・何年前でしょう?旧店舗の頃ですから七八年はゆうに経っているでしょうね。来た時から、自転車作家を副業にしないか?と店主は誘ったようだ。それから半年くらい掛けて、組んでは外し、またパーツを変えては組み直しなんてことを繰り返していました、そして出来ました・・・と来たのが赤いリノ一号だった。

 自分でも驚くような軽快車で、そこから、知り合いへと作り始め、その輪が徐々に広がっていった・・・。仕入れ先を横浜方面に求めて買い付けに一緒に行ったこともあった・・・。

 その後、作品が貯まると、今度は展示会を谷根千のギャラリーで数度開いたかな?そこでもまた輪を広げ、映像や、ラジオの媒体にまで注目を得るようになった・・・。

 仕事の仕方知っているなあ、元々はプロデューサー気質というか、なにをやっても頭を取ってしまうタイプなんでしょうね、製作から広報、宣伝、販売、さらなる企画へと全体的に統括出来てしまう才能の持ち主ともいえるでしょう。

 その辺は、面白がって造って終わり・・・という店主とは月とすっぽんだ。

 そのリノちゃんも、食品系の軽快な会社に再就職すると、察しは付くと思うが引っ張りだこ状態でまあ忙しいらしい。副業だった自転車作りもじっくり時間はさけなくなったようだ、その代わりに、陶器のビールタンブラー作りなどをやっているらしい。

 そんなこんなで、手持ちの自転車パーツなど有効利用して欲しいといって、持ってきた一台がこれ。これは完全に売り物になるもの。

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 どうもこの辺の色やペイントも含め、知り合いの作家さんを巻き込んでの製作となったようだ。

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 シンプルなものだが、使っているパーツ類もカチッとしまっている、700c。

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 やはりレーサーにも付けられるホイールの快走感は圧倒的だろう、変えるなら足回り・・・である。

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 とりあえずのシングルフリー、もちろん固定にだって変更出来る。

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 キャリパーがチェーンステーに付いている。ホイールの着脱は楽。

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 ロングアーチだが、ブレーキのききは申し分なし。

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 削り出しのステム、要所に金のかかっている車体でもあるのだ。

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 ブレーキレバーには、かつてピストブームを牽引したダーティーハリーなんてものまで付いている。ワンフィンガーとか、まあいろんなパーツを発掘させてもらいましたね、ヨシガイさん大活躍の時代でもあった、今もだが・・・。

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 メッセンジャーと言えば、当時の定番クランクで、凝るやつはスギノ75なんてあまりあるものなんかを街乗りで付けていた。決して街乗りとしては悪くないクランクですね。

 ということで、

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 リノプロデューサーが、デザイナーを巻き込んで作り上げた一台、当然かつての展示会でも会場に彩りを添えていた一台でもあります、パーツが要所を締めている分、締まりのある快走をしてくれます。

 試乗ありの49800円でまいります!

 よろしくご検討ください。

あのエチオピアの流人 チャーシュー君 帰国す



 本当久々の登場のチャーシュー君なのであります。

 といっても、この写真は二年前のエチオピア渡航前の写真で、最新の写真は当然今回のブログのために撮影していたんですね、今のチャーシュー君のまさにその姿そのものを撮ったんですが・・・。

 ところが最近、子狸のカメラ熱がありまして、なんか知らんが大事な写真を消されてしまったようなんです・・・。

 でも安心してください。インスタなどで彼のエチオピア時代の写真は拝めるんですが、髪とひげは伸ばし放題の、精悍な野人という風貌なんですね。

 そして、この七月に帰国して二ヶ月が経ちまして、彼はどう変わったか。

 面白いように、上の写真と同じなんであります・・・。なので、これでいいや・・・という事に。

 まずは元気です、これは良かった。

 そして、基本は変わらずも、成長していましたね。話が面白かった・・・。積もる話は尽きません。まあ二時間ほどの会合でありましたが、ここだけで終わってしまうのはもったいなさ過ぎるなあ、と思ったんで、企画を一本。

 日時は10月後半から11月頭にかけて、「岡田真治君帰国報告会」として、一席設けることにいたします。詳細の詳細は追々決まっていく程に、この場にて公表していきますが、ざっとの内容は・・・。

 岡田君と同期でエチオピアに行ったもう1人の若者と2人の講演を考えています。来月の頭頃に、彼らはJICAで帰国報告会をするということなので、その時に写真や動画などを整理すると、それを利用して、こちらの報告会でもつかってもらうということに。

 形式は店主が事前に話のポイントを絞って、ざっとの流れを作って、あとは2人と参加者との間の丁々発止形式かな?二時間弱やったあと、懇親会なんかで締めようかと思います。

 エチオピアの現状、スポーツ事情、実際の活動報告、コーヒー話、タンザニア・スーダン難民キャンプ訪問、停電話、ネット規制、アフリカ・エチオピアに食い込む中国状勢と日本、自転車競技事情と機材管理、食事の話、エチオピアの歴史と宗教、そして待ってましたの色恋沙汰・・・など、どの切り口から行っても面白い話ばかりであります。

 開催日などきまりましたら、当店二階の響き床にて、行います。懇親会では店主渾身の帰国歓迎コース料理などもでるかもしれません・・・、是非是非お楽しみに!

 そして、今回色々あった話の中で、特に印象に残った話を一つばかり触りだけふれとくことにいたします。

 エチオピアは北東アフリカの歴史ある、大変プライドの高い国という事でも知られています。彼もそれを事前に承知していると同時に、現状の白人を頂点とする人種偏見を自ら絶対に持ち込まないように、という事を心に決めて、エチオピア入りしたそうです。

 ところが、町を歩いているとアチコチから「チーチャンチョン!」と声を掛けられる、その目は大半が人をばかにしてような目であったという。今アフリカには中国が深く喰いこんでいるらしく、それはエチオピアでも例外ではないらしい。

 高速道路から鉄道などの大インフラを中国が率先して作っているというんだが、当然国内にも中国人が大勢いることになる。それも、リーダー格、技術指導者、施工管理者というだけでなく底辺の労働者も含めて中国人が多くいるということだ。

 そういう色んな事情が絡んでか、アジア系を見ると大抵は「チーチャンチョン!」という軽いからかいから、侮蔑的、差別的な意味合いを込めてのかけ声がかかる、それも一度や二度ではない、もう場合によってはケンカ寸前になるようなこともあったとか。

 そこで彼はあれ?と思った。アジア人として、アフロ系、黒人系の人々を差別してはならない、と心に決めてエチオピアに入ったはずが・・・、自分がマイノリティーじゃない・・・と。

 その時感じた不安と、じわっと迫るような恐怖感を彼は忘れないといっている。

 これどこかで聞いたことがないか?そう、あのイチロー君が引退する際の記者会見で、最後に述べた見解とほぼ同じ感覚を彼は彼なりに感じていたのではないか?ということだ。

 つまり、アメリカに渡ることで、イチローははじめて外国人=マイノリティーであることの自覚をし、その自覚から、人の心を慮り、痛みを考えるようになった、そしてそのことが何よりも重要な体験になった、というような主旨で会見を閉じていた。

 折しも9月の2日だった、前日は9月の1日防災の日であった。関東大震災の話は、もう遠く昔のことのようだが、ここ近年今までからすると考えられないようなデマが跋扈しはじめ、あろう事か都知事までがそれに賛同するかのような動きをしているようだ。

 朝鮮人が井戸に毒をいれている、というデマによって、一体何が起こったか?

 店主は、今生きていれば114才になる祖母に育てられたので、関東大震災の惨状は、その祖母から直に口伝えで聞いている。あまりに生々しいのでここでは触れないが、そこで起こったことについて、されにそれこそがデマだという、デマが幅をきかせ都知事が共鳴している風だという。

 95年神戸の震災の祭には、そうしたデマは一切出なかった、これぞ誇れる日本の姿ではないかったか?中華街でもどこでも、多くの市民が一丸となって、神戸の復興を目指していた。それが誇れる日本の姿だろう。

 差別発言や差別行為というのは、タオルにスポイトでガソリンをポタポタと垂らして染ましていくような行為なのだ、ただそれだけが続けば、タオルはガソリン漬けのタオルに過ぎないが・・・、そこにひとたび極微細な火花でも飛んだとしたら・・・。

 一部とは信じたいが、この腐れる日本の現状に、1人の青年が外国人=マイノリティーであることの不安と恐怖を体感したことの意味は決して小さくはない。

 こんな話も含めて、楽しくのびのびと、岡田君らの帰国報告会を開いていきたいと思う。

 詳細は、決まり次第!盛大に帰国をそして、これからの彼らの歩むであろう道を祝いたい!

プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
TEL・fax042-445-0487
携帯070-5083-6962
アドレス to.ke@mx1.ttcn.ne.jp

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