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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り |2020年10月 tp://cnt.affiliate.fc2.com/cgi-bin/click.cgi?aff_userid=45871&aff_siteid=43545&aff_shopid=63" target
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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

早く来い来い黒コンポ!



 レーサーを引退するということでした。もちろんプロのとかではなくて、ロードレーサーに乗ることをやめるということらしいです。

 初老と言ってもまだまだ若い、同じ年で乗っている方もいっぱいいます。

 でも、小径車乗っているし、それと生活との相性もいいし、すでに数年乗っていないから、ということで託していただくことになりました。

 最後に家から当店まで、最後のサイクリングをした際、オヤ?!やっぱりいい自転車だな・・・と思ったそうです。

 そりゃそうでしょ、街道走らせれば一級のロードレーサーという車体なんだから。

 だったら、もう少し置いておいて、乗るという選択肢、乗る生活ということの再イメージ化でもされてみれば?とも提案してみたんですが。

 少し躊躇もありながら、それを断ち切るように、イエ、やっぱり今の生活と今後の生活を考えると、これに乗る余地はほぼないだろうということで、託しておいて行かれました。

 これは本体はアルミのレーサーなんですが、

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 前輪にしっかりしたカーボンフォークがついていてショックを吸収してくれる。

 と同時に、今はもう絶滅種、そしてそれがゆえに再開発されることはほとんど見込めないという意味で、大変貴重な過渡期の一台の象徴である・・・と随分前置きが長いですが・・・、

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 カーボンバックの車体でもあるんです。

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 アンタレス、有名自転車店のオリジナルとして、今でも作られてんじゃないかな?しかし、かのビアンキに続き、またしてもカーボンバックの希少自転車がやってきたとは・・・。

 こいつはどう、再生させてやろうか?と思うが、もうあれしかないね・・・あれ。

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 これだよ、これ!謎の黒コンポしかないでしょ!こいつしか!

 そろそろ、大量仕入れの時期が来るそうだ、今まで入荷したこともないやつもまた、来るんだって!さあ、楽しみだ、どんな奴らがやってきて、どんな展開になるか?ということだ。

 なので、

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 今付いている、旧型のティアグラは、全て外して、謎の黒コンピに一変させてやろうじゃないの!

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 決して悪くはないが、割に合わないコンポとしてのティアグラ。

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 クランク回りは鳥の巣クランクにしてやろうか?いやいや・・・もうすこしQファクターでも意識した、クランク長も意識したやつにしようか・・・?

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 オットット、流石にこのホイールはふるすぎる・・・。ので、こいつは組み換えかな?分厚いディープリムで組むのも悪くはないかもね。

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 ウ!暫く消えていた、ITMの懐かしいハンドル・・・、この辺はしっかリ残して使おうかな?

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 中心がしっかりアルミでできていて、前後にカーボンのしなりとショック吸収性が来ている、過渡期の設計思想そのままの車体、カーボンバック。

 この希少レーサーが、謎の黒コンポにて再生される・・・、もちろんできたら、好評発売中ってなもんで、発表いたしますぜ!

 もうすぐくるでしょう、早く来い来い謎コンポ、早く来い来い黒コンポ!
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狸市 ハロウィン 飲食編 すごい補給食あり!



天気に恵まれて、狸市ハロウィン複数の仮装、変装、コスプレさんたちとの間で、ワイワイやっておりますが。

飲食物も充実しています。米!茨城からやってきたマサエ農園。省農薬の手作り米なんだが、キロ三百円ちょっとと信じられない値段で出しています。

 それに手製ポン酢に、手製梅干しと。体の基本になる食物です。

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 当店のカーゴバイクを利用した、駄菓子屋さんも来ています。大体一個十円でやってますね。懐かしいものもありますが、自転車の補給食といったら・・・、

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 このチョコレートくらいかな?あとは口に入れた途端に消えてしまいそうなものばかり。

 そして、今回すごいお菓子作家の参加が話題です。

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 その名もアコペさん。手作り菓子を新宿ゴールデン街のクリシュナという店で出してもいるお店です、というより作家さんですね。

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 こちらがアコペ先生なんですが、この方の作るお菓子が日持ちして、高カロリー、つまり自転車乗りの補給食として、ほぼ最適なものと思えるものが並んでいます。

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 説明するまでもなく、ちゃんと書かれていますね、適度に硬くて食べごたえあります。詰まっていますね。

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 これも説明いらないね、ピスタチオの香りがいい、変なものも入っていないので、安心して背中にもっていけるよね。

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 さっきのは乾燥したものだったが、コチラはしっとりしたもの。喉の通りのことを考えると、こうしたものあっていい。日持ちするんだって、防腐剤なんてなくてもね。

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 これはひと粒で相当カロリーがありそうだ。これを食べながらハンガーノックを回避する、登山家の人なんかも大分買っていくんだと、なるほどだ。

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 お進物にも使える、パック入り。とにかく仕事が丁寧だよね、味もすごいうまい!

 このアコペ先生、狸市の常設店になってくれないかな?なんて思っているんだが・・・、自転車乗りのファンが増えれば、それも夢でないかもね。

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 そして狸市といえば、タブカフェさんのエンパナダ。これは人気ありありだ。置いて売ると大抵完売、そしてその誘い水になるのが、

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 このトウフドーナツ。このファンは根強い!安すぎでしょ、と思うが、まあこれで喜んでくれたらと、タブカフェさんは値段を替えない・・・。

 ということで、もっと休日自転車乗りの方々が立ち寄って、翌日、または当日の補給などに狸市を使ってくれるようになったら、この手は充実していくんだろうね、とも思う。

 夜の狸市は、かなり盛り上がってきている。これから冬を迎えるための準備もしていかないといけない、薪ストーブの季節が戻ってきたね。

 一年前からすると考えられない展開が起きている、コロナ・・・災い転じて福としなければ、生きてはいけない・・・。

 ますます展開していく・・・行かざるを得ない、生き残るためにはね。

中敷きって・・・多分相当重要かも



 何年ぶりか?レーサーシューズなるものを一足入手してみた。シマノものであります、そして・・・

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 はい、典型的な百姓足の店主としてはワイドもんしかないですな。海外もんは細くて怖い。リンタマンというカナダのシューズ、こいつはアッパーをドライヤーで柔らかくしてから、履いて整形するという形式を取るので、なんとか履けていましたがね。

 まあ、大抵の洋物はダメでしょうね、噂ではシディーは幅広もあるよと聞きますが、試したことはありません。

 なので、歴代はいてきたシマノもんにどうしてもなるんですね。

 そして、今までは手で締める三本のベルクロもんでないとこれまたダメだったんです。特に一番足元に近いところをカチッカチッとレバーで締めるタイプが苦手でね、あれってすでにベルトに刻まれた溝に沿ってのみ動くわけでしょ?つまりデジタルなわけですよ。でも締め具合っていうのは、無段階でアナログでないとそのポイント、ドンピシャにはならないと気持ちが悪い。

 なので、三本ベルクロがなくなっていく悲しい現状の中で、変わりに来るアナログ締めのもんがないか?と思っていたら、もうとっくに世間様には出ていたんですね、

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 このワイヤーじめというのが。これやはり無段階なのがいいですね、そして全面的に真綿でしまっていく感じも大変いい、しかも足元と足先2つに分かれているのがまたいいわけであります。

 もう出て随分経っているようですが、日進月歩っていうんですねえ。気に入りました。

 なにがいいか?というと、靴の中で足が動かない、当たり前なんだが、この動かないながらも痛くはない、締めに偏りがないというのがなんともいいですね。

 靴の中で足が動くようでは、レーサーシューズとしては全く意味はない、と思っております。なので、厚い靴下穿くなんてのは論外、本来ならレーサーシューズの中では裸足がベスト!だ!

 ただ、手入れを手抜きすると臭う・・・。

 妥協して薄い靴下だな。それもなんか知らんが最近、アームストロング以来か?ハイソックスみたいなのはいている人が多くなってない?

 くるぶしが出ていないと、なんか鬱陶しく感じるのは店主だけかな?なんか見た目も違和感なのは、もう古い人間なんでしょうな。

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 フレームのカーボンにはどうもこだわりませんが、シューズのカーボンソールには感動したな二十年くらい前か?イヤ、本当驚いた、軽いし、全くたわまない、だから歩きにくいしね。

 以来、シューズの裏だけはカーボン・・・ですわ。

 で、シューズ全体の作りに関しては、ほぼ問題はない、例えば足の甲と足首の間辺りに触る返し部分がちょっと多いなんてところはいずれ切ればいいんだし・・・。

 でも、こんなものが当たり前ですが、付いています。

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 この中敷きというやつね。この中敷きについても、それなりの研究がなされているんでしょうが、ちょっとまあ、おざなり・・・感なくはない。

 というのもこの中敷きに凝り始めたら、それはもう一つのジャンルと言ってもいいくらいの奥深さがあるようですな。

 値段も千円くらいから、下手すら平気で二万超えするものだってある。オーブンで温めてから、選手が実際に履いて、選手の足裏で最後の整形するなんてもの、その再真空ポンプまで使って、圧着させるのも過去にはあった、今でもあるのか?

 まあ、そのくらいやってもいいくらい、実は中敷きは大事なもんかもしれない。足が直で触れる靴と足の間にあるもんだから、それが合わないと、靴の持っている性能も引き出せない。

 イヤイヤ、隙間の隙間のその間に世界は広がってるし、そこの守り神のような中敷き専門家の人だってすごいノウハウ持っていそうだ。

 そこまで凝っていなくても、店主は気に入ってこいつを敷いていた。

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 これは硬くていつの間にやら店主の足に吸い付いて来るようにフィットしてきたもんだ。

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 なので、新しい靴にもこいつは忍ばせる!少なくとも下に関しては、慣れている状態が保てるってもんだ。

 ところが・・・、最近かかとの位置がもっと高いところにあったら、ペダルを踏む足の角度がより良いところに行くんじゃないか?という妄想が湧いてくるのであった。クランクを短くし、Qファクターなんてもんをいじりだしたら、ドンドンより最適なところはないか?と言うような流れになってきているんだな。

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 ちなみに先の中敷き裏はこうだ、なんで見えない所がカラフルなんだ?はいいとして、このかかと部分、

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 プラでコーティングされていて硬いのはいいんだが、薄い。なんか若干でもかかとがもう少し浮くポジションが取れないか?

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 ちなみに先のシマノの中敷きはその点からすれば論外、薄い、薄すぎる。では二枚敷く?っていう選択肢もなくはないかもしれないが、そうしたら中敷き自体が厚くなってしまい、厚い靴下を履いているのと変わらなくなってしまう。

 全体に厚くなる必要はない、かかとだけ厚くなればいいんだが・・・。

 と探していると、

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 自転車外で、こんなもんが見つかった。これは世に言われるところの、シークレットブーツ代わりの中敷きなのね。つまり、かかとだけが1.5センチ高く作られている中敷き。

 これがシリーズもんで、2センチ、2.5センチ・・・と4センチくらいまであるんだが、こいつのかかと部分だけを切り取って、慣れた中敷きの下に敷けば・・・、思い通りのかかとの高さになるかな?

 踏み込みは足の前半部分なんで、かかとは多少緩くてもいいかも・・・なんてこと考えながら、中敷きいじって走っては、色々感じ改良していく・・・、老境人間としては、少しでも快適に、フィッティングに幅の広い選択肢も・・・ということで研鑽中なんであります。

 と思っていたら、またまた、すごい隙間に入り込んでいるものを発見!!!

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 発見というより、こいつはいただきもんなんだが、なんと靴下ね。

 つまりペダルと足との間に、シューズが入って、中敷きが入って、そして靴下がある・・・ということなんですね。

 で、こいつの何がすごいか、

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 かかとが締まるのと、足裏のこのゲルが中敷きにしっとり食い込んで、足の移動を許さないという工夫。

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 まあ、詰将棋のように、より良き方向へ向かって、各隙間が連動し始めた時、すごい展開になりうる・・・。

 自転車とエンジンである人体、その間に来るものたちで、これだけ変わるのか?という話の入り口であります。

 スピード然り、長時間然り、長期間然り、ちょっとした工夫がすごい快走への切っ掛けになりうる。より薄い隙間を狙って!!!だな。

柄にもなく・・・



 ちょうど十年前、小狸が生まれたのがこの日だってんですね。

 昼前に分娩室に入って、暫くしていたんだが、どうも産気づいたカミさんが私の存在が鬱陶しらしく、出ていけ!ということで、回りを散策していた。

 そしたら、少数の子らが仮想みたいな格好でうろついていたんだが、その頃はまだ今ほどの馬鹿騒ぎにはなっていなかったように思いますな。

 そして前祝いと称して、好き腹にビール一リットル飲んで、また分娩室に戻ったら、何かそれでいいだよ!と妊婦に励まされたわ。
 
 それから、「ホユル」という呪文を教え、これは骨が緩むという呪文なんだが、まず骨の間の軟骨が柔らかく、伸びるようにしなやかになってから、骨が緩んでくる、ホユル、ホユル、ホユル・・・。

 すると、呼応するように小狸も数センチ進む、力は抜いてゆるくしてゆるくしゆるくしてから、中の小狸と呼吸を合わせるように、スーッと力んでまた数センチ・・・なんて言うイメージで、夜の10時、10月最後の子供として誕生した、という記憶が鮮明にありますな。

 と、そんな話とは関係なく、何やら10月最後の日に、当店内でイベントが行われるとか。

 もっと前に告知しろ!と怒られそうだが、なにせ狭い当店内でのイベントなもんで、御用とお急ぎでない方、ご興味のある方などがソロッと来て、楽しんでいただければ幸いであります。

 いくつかの模擬店が出ますね。そしてダンス、や笑っちゃうお歌など、昼から夕方まで、となっておりますので、何かのついでにでもお寄りください。店主は今別の作業で大変忙しいので、今回の出し物は一切ありません。

 お片付けと、会場設営などセコセコやっていると思います。

 場所がなくなるので、大仰な仕事はできなくなることもありますが、お預かり等には対応いたしますので、自転車関連で御用のお方、お急ぎでないお方もぜひご来店ください。

 ということで!

買い替えなんて アラヤダ!



 二年くらい前かな?ちょいと手入れしたアラヤがやってきて、もう潰れる寸前まで乗ったんで、コチラで新車購入しますから、これはもう廃車に・・・といってきた。

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 たしかに、もう潰す気で乗っていたんだろうなあ、タイヤ元は黒かったんだが、もう少し、もう少し、まだまだ、どうせ廃車にするんだし、と乗っていたら、こうもなるだろう。

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 水に濡れたら、暫く大変そうなサドル。

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 サドルがあれなら、バーテープもこれだよね。

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 シューが減りすぎて、もう効かない。たぶん、止まらなくなったら廃車にしようと決めていたんじゃないかな?

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 踏む度に、ギシャギシャとする音が聞こえてきそうでしょ。

 で、もって廃車ねえ・・・。うん、廃車にしようと・・・。

 でもなんで?まだまだなんとかなるけどね。

 イヤ、いつもここで直してもらってばかりで、自転車買っていないから、悪いと思って・・・。

 ええ?うちに気を使っての廃車?

 まあ、もう随分乗ったし!

 じゃあ、予算は?

 三万くらいの中古で・・・。

じゃあ、その三万で直す!

 ええ?でも・・・

 うちに気を使うんだったら、新車購入よりも、再メンテ、総メンテだろ!!!!アラヤの頑丈なツーリング車だよ、まだあと十年は乗れる!!!三万で購入した新車よりもずっともつはずだ!だから直す!

 ええ?いいんですか?でも悪いから・・・

 帰れ!三日後に来い!

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 650Aなんて気取った名前があっても、その正体は26*13/8だ、実用車のタイヤと同じなんだよね、前後交換!

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 ブレーキシューも消しゴムのようなもんだ、減ったら交換、以上だろ!

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 この手のカンチのメンテ、調整なんてラクなもんだ、さっさと交換してしっかり止めろ!

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 あとはワイヤー類、wレバーなんて、調整も何もほぼない。ワイヤー繋いでおけば、あとは乗り手が勘で引っ張るもんだ、ISISはちょいと調整はいるが、ダメならその機構外せばよし。

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 シューを良くして、ワイヤー交換すれば、まああと細かいこともあるが、大体引きは軽く、ブレーキは蘇るもんだよね。

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 これからのチェーンとスプロケ管理は、ちゃんと心を入れ替えて、安くてもいいからオイルをふっかけてやろうナ、定期的に。

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 あとは破れたバーテープを交換して、

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 はい、サドルも新しいものに交換して、身だしなみを整える。そんでもって、再生だ!

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 どうだ!遠目で見ると新車のようだぜ!古女房を風呂に入れて、ちょっとプロ系のメイクと、スタイリストをつけるだけで、惚れ直すってこともあるだろうな、そんなもんだ。

 乗ってみたら、かつての自転車少年らがほっこり欲しくなるような、いい乗り心地のツーリング車に戻ったよ。

 彼は子供いじりの天才肌。各保育園や小学校に教員とは違う立場で入っていく仕事をしているようだが、聞けばどれも年契約やひどいものは半年契約という扱いらしい。

 子供との接触は継続ということも大事なのに、そんなぶつ切りの雇い方でいいのだろうか?

 職場が変わると行く方向も当然変わる、近所なので彼の背中はよく目撃するが、この時間違う方向に走っていくのを見るに、また職場が変わったかな?と思う。

 子供は君に任すから、その分自転車はこちらにお任せな。

通学用半年前・・・



 招き猫の鋳物はジャガーだとすると、この嘶き馬は・・・なんだっけ?

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 そうか、フェラーリか。車の名車と言われる車体の名前の付いた自転車って、なんであんなのばかりなの?というほど、車のイメージをぶっ壊すものが多い。

 名前を貸すんなら、もっとちゃんとした自転車にすればいいのに・・・。ジャガーにしろ、このフェラーリにしろ、メルセデスにしろ、超高級車のブランドでしょ?なんで自転車に関してはこの程度のものに名前を貸すの?というのがわからない。

 プジョー・・・くらいか?ひどのものあるが、かつてレースにでていたものもあった。

 そうだ!確かコルナゴとフェラーリの共同製作の記念レーサーなんていうがあったな、どうせだったら、高級車のイメージよろしくそこまでやれよ!と言いたいんだが、七不思議の一つだな。

 このフェラーリも、まあ街乗り以上以下でもない。どこからかもらってきたものをメンテしてほしいということだ。

 何やら、この秋の段階で来年春の高校入学が決まっているという、早いねえ・・・、半年前にもう決まってんだ。

 どうも特殊技能の持ち主らしいね、その技能を買われての、青田刈り?なのか?早々に行き場が決まっている。
 
 同級生が受験勉強のための準備をしている時に、その特殊技能の研鑽に時間をあてられる。成長期、色んな要素を吸収すべき時に、それだけでいいのか?ということと、特殊技能故に、そうでないとダメなのか?いやいや、特殊技能を深めることは同時にその他の要素も無自覚ながら吸収しているということなのか?

 成長期の子を持つ保護者は色々考えるだろう。色んなやり方、考え方があるだろうな。

 ただ、子供を完成させる必要はないだろうとは思う。ヤツにはヤツの人生がある。完成はその都度その子がその子自身の手でできるようにしておく、そのための仕込みはしておいていいだろうとは思う。

 親も子もほとんど思うようには行かない。その都度の細かい軌道修正と、ざっくりとした方向性を見定めること、と同時に、絶対に行ってはいけない方向性を示しておくこと、あとは親としてやらねばならないことは絶対にやり、やってはならないことは絶対にやらないこと、かな?


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アルミの溶接はしっかりできてますな。二十数年くらい前だったら、スゲー・・・アルミの溶接・・・だったが、今となっては、このくらいは当たり前。

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 駆動系なんかは交換してやると走りは戻りますね。

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 BBあたりは交換するまでもなかった、前三枚、これも今となっては過剰な装備にも見えてしまう。二枚もあれば十分、とこのころ誰も思わなかったのかな?

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 スポークが錆びている、これ張り替えたら、相当な手間なんだが、通学期間には期限があるそうで、そんなに長くはないという、よくわからないんだが、そういうことなので、このサビはこのままにしておいた。

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 リアもねえ・・・錆びてますが。

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 その特殊技能は膝が重要なのだ、なのでサドル高は自在にできるようにメンテ。

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 まあ三ヶ月のために、わざわざドロップにする必要もないか・・・、むしろその三ヶ月で火が付い他としたら、その後やっても遅くはない。

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 試乗すると、重くて硬いね。久々にアルミの硬さ!という感じだった。

 走って止まるには申し分はない、その特殊技能に、この自転車が少しでもプラスになれば、と思うが、まあ思うとおりには行かないだろうなあ・・・。

大事なピストのメンテ



 クーパー?聞いたことがないメーカーですが、メッキ調でよくできたピストですね。

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 この手のフレームは必ず一定のファンがいる、作っておいていいフレームです。

 元々、オークションで手にい入れて、今まで一度もショップに出したことがない、総メンテということで持ってこられたわけだ。

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 BBのメンテ、チェーン交換など部品点数の少ない自転車ほど、丁寧にというのが基本。誤魔化せないからね。

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 ヘッドにガタもあった、ワンが付いているからいいものの、インテグラルだったら大変だ。必ず乗る前に、前ブレーキをかけて、車体を前後にふって、ヘッド周りにガタがないか?点検する癖をつけてほしいですね。

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 ホイールのフレ取りも必要でした。足回りのメンテも中古車には必要で、そこさえとは言わないが、ホイールがしっかりしているか否かは、自転車の走行性能に関しては決定的だとすらいえるところですね。

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 ちょいと前乗りのようですね。後ろ乗りの店主からすると、ちょいとサドルをずらしたくもなりますが・・・。


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 ハンドルは、ドロップには見えますが、セミドロップと言っていいですね、ハンドル自身が外に開いている形式、ランドナーバーともいなくもないが、浅曲がりなもんで、セミドロップに見えてしまいます。

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 この総メンテ後に、実はわかったこと。

 トルクをかけて踏むと、カラカラという音が出る、特に左足にかけると音が顕著になる。

 一体原因はどこか?ということになった。

 通常なら、チェーンリンクの位置によるチェーンからの異音、ということで前側のチェーンリンクをいじって調整するのが定番なんだが、どうも後ろから観ても、どう観てもチェーンラインに不都合はない。いいラインをしている、これで音が出るなら、ほぼすべてのチェーンラインで同じ音がでないとおかしいくらい。そしてチェーンは厚歯。薄歯のチェーンだと狭いチェーンの摩擦から音がするのはよくある話なんだが。

 このラインで音が出ることはほぼない。とすれば・・・と観察を試みると、どうもこのシングルフリーのコグらしいんだな。全体に緩みがあって、踏むほどに回転体が緩い楕円の起動を描くのか?そこから音がするらしい。

 別のものに交換した際には、音が消えた。

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 ある意味はじめての見識だった。明らかに前のチェーンリンクから聞こえる異音だったのだが、まあ、音の出処を抑えるのは自転車の場合は大変難しい。狭い車体繋がっているので、出処と聞こえ処がずれるのが当たり前なのだ、が、しかし、今回の異音は経験上フロントしかありえないはずだったんだが・・・。

 ヘタったシングルフリーなのでありました。

 未だになぜ左の高トルクでなぜ音が大きくなるのか不明・・・なんですがね。

 もう暫く自転車屋屋やらねばね・・・。

Qファクターって結構大事かも スクエアはもっと大事かも



 老境にささしかかる店主、より長い自転車寿命を実現するためにできることは何か?
 
 まあ大したことではないが、消極的であっても、気づきにくくても、違和感があるとしたら、そいつを突き出しては対策を取っていくと、もしかしたら、それが劇的な変化に通じるようになるかもしれないから。

 料理をやっていながらいつも思うことが、これ。少しずつ、丁寧に工程を勧めていく、少しいい素材を使っていく、そうした少しの良さを重ねていくと、それが最後に連動すると、とてつもない大化けをすることがあるんだが、まあ、そいうこった。

 で、今回は、Qファクターというやつ。こいつは左右のペダルの距離という感じで取ってもらっていいんだが、それが気になってきた、しかも異様にね。

 その理由は、クランクを短くしたことかもしれないと思っている。今この車体で使っているクランクなんと140ミリこれも人体実験のようなもんだ。短くしたクランクで何がどうなるか?今のところいいことはかなりあると同時に、これだけやっていると170ミリとかいう「標準」ものが回せなくなる、回しにくくなる、特に車体を乗り換えたときなどね。

 なので、もうこの短いの専用でいいという方に対しては、ほとんど問題はない、と言ってもいいだろうな。

 ところが短くなると、短くなっせいでより回しやすくなったんだが、そうなるとより回しやすくなるためには、と足は考え始める。そこに違和感として気づくのが、このQファクターというやつだ。店主の場合はね。

 長いクランクの時にも多少感じていた違和感が、短くなると余計気になり始める。

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 うーん、どうにかならんかな?と。

 この辺に関してはマニアックに先に行っている、東京サンエスさんの取り組みには大注目だ。

 まずは30ミリという競輪規格にあった狭いレールのサドル、これは足を真下に踏むのに適している。そして市販のペダルよりも5ミリ短い48ミリシャフトのビンディングペダルも出している。

 そして、短いクランクの代名詞とも言える、ラクランク、これ自体はホローテックⅡの形式なんでBBまわりをいじってQファクターを狭くすることはできないが、ペダル穴の細工でより置くまでペダルを押し込むことができる設計となっている。

 まあ、唸るしかないね、このサンエスさんの自社努力の凄さに気づいて敬服しているショップがどのくらあるんだろうなあ、まあ、そんじょそこらでない商社・・・というか、企画力を持つ商社だろうな。

 ただペダルなんかも試してみたいが、使っているのがシマノだと、ルック式に変えるのは億劫ということもある、なので、できるところで考えてみようと、まずはBBシャフトを測ってみる。

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 これは最初軽量クランクをつけたときのもので、それ以来変えていなかった。

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 老眼の目を凝らして見ると、113ミリもある・・・。なるほど広いよね。

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 しかしチタンシャフトなんてもん使って、物自体は軽量で大変いいものだ。すでに二十年以上前のものだが、本当にいいものというのはすごいもんだよね。でもまあ、少しまた眠ってもらいましょうかね、登場の日が来るまで。
 
 さて、113ミリが幅があるとして、さてどうしたもんか?こうした場合やはり強いのは、規格としては古いし、定番といえば定番なんだが、やはりスクエアテーパータイプのBBってのは、改めて見てすごいなあ、と思う。

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 まだあるが、狭いもんから並べてみたんだが、手前が今までついていたタイプと同じ113ミリ、それが110.2ミリ、と107ミリ、そして最短は103ミリというほぼ3ミリ刻みで作られてあり、それが今もこの状態で購入ができるということね。

 タンゲさんとスギノさんには感謝だな。まあ、圧入というちょっと曖昧なところもあるんだが、まあそれは良しとしよう。

 それで店主としては、違和感を感じたQファクターを劇的に治すためには、一番極端な103ミリかつけてみようじゃないかとなるね、当然。

 もし途中でクランクや、チェーンリンクがフレームに鑑賞することがわかったら、次の107ミリにしてやればいいだけのこと。

 じゃあ、やるぜ!

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 じゃあ、使わしてもらうぜ!

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結果目視レベルでも、だいぶ中によってくれたな、というところ。理論的には全部で10ミリ減ったわけなんで、左右で5ミリずつ減ったということになりますね、これはすごい寄りようだ。

 まあ、実はポン付けではなかった事実はあったんだが・・・。ちょいとお見せすると。

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 インナーの一箇所がほんの少し、フレームに干渉していたんで、ずらしの技を使ったんだが、ちょっとこの写真じゃわからないかな?

 まあ、こうした細かい調整はスクエアテーパーのある種のものしかできないんだが、この辺が完成されているかに見えるホローテックやオクタリンクなどにはできない、微調整の極みかもしれないね。

 そして乗ってみたら、あら最高!あの最初の違和感がほぼふっとんだ、と言ってもいいでしょうね。シメシメなのであります。

 そんなこんなで、改めてスクエアテーパーの使い勝手の良さがわかったところで、困るのが、それに合わせた、そこそこいいクランクがすでに絶滅危惧種ということね。スギノは変に高いところあるし・・・、このへんは開拓の余地はあるかな?ともおもってはいるが。

 そして、いや、でももっと内に寄せることはできないか?なんてことも、考えておこう。

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 クリートの位置だ。こいつをより内側に寄せることはできないか?と考えてみるだけはしておこう。

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 靴をペダルに決めて、クランクとの間を見る。

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 三ミリくらい寄れる余地がある。さて、これはクリートを止める金具やネジの頭の加工で2ミリくらいは寄せられそうであるな、少しクリートのプラスチックの一部も削ることにはなりそうだがね。

 とまあ、既存物のまさに隙間を探ってはそこに産業はないか?と貪欲に探求する、中小零細の姿勢というのはこういうもんだ。決められたものを決めれたところにポンと付けるだけやっていると、いずれは、それすらも簡略化され、中学生でも扱えるようになったとき、失業しちまうぜ!

 実際、DI2なんて取り付けて、あとは電子設定するだけでいいもんな。

 ということで、老境者のための消極的違和感外しの探求はもう少し続くかもしれませんなあ・・・。隙間、隙間と。

ピストの載せ替え 山・・・じゃないな丘が動きそうだ



FUJIフェザーといえば、だいぶ当店を通過した車体でありますな。正確にはその前身のタイプであったピスト、一体何台売ったことか。

ある意味、今の当店の基礎になる様な車体だった、当時は吊るしておけば、売れる、そういう時代だったからな。

 そんな懐かしい車体を持ち込まれ、二点ほど改造依頼を受けた。一つはカゴつけ。ピストにかご付け?まあそういうこともありますね、ということで、黒指定で取り付けました。

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 ウォルドというメーカーで決して安くはないんだが、それだけ洒落た形をしていますね。

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 ハンドル形状がライザーでフラットの部分が少ないので無理かと思ったが、既設の金具で固定ができた。

 まずはこれでよし。

 で、もう一つの依頼なんだが、これがすごい。というか、ようやく山が動く?いや、丘程度にしておこうか?ちょっとでかい波が来るかな?という予感なんだな。

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 後輪の交換なんだが、まず、黒がお好きということで、オールブラックで組み付けた。リムブレーキのあたりも黒。黒に徹底したんだが、とまあそんなことはどうでもいいくらい、でかい仕掛けが施してある。

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 このハブを見よ!

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 このハブをよく見よ!そうあれだ!例のやつなのだ!

 そうです、こいつがあのスターメーアーチャーの内装三段固定ギアのハブなのだ。

 先日、こいつを使って六段ギアの固定山岳ピストを作ったばかりだったんだが、まあ、当店界隈ではよくある、当店周りのマニアック連には受けがいいが、その外部に行くと一体何やってんだか意味不明?という現象、まあある種そんなものだらけなんだがね、周りには受けが良かったんだが、どうも今回はその外部に飛び火したようだ。

 ようやく山・・・丘?が動いた感じかな?

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 今回はライザーハンドルはそのままなので、シフターは無加工のこいつそのままで大丈夫。こう見ると普通のシフターだよね。

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 そしてギア比のセッティングがまた注文がついた。そもそもが46*16のギアがついていた、ギア比2.88。これを真ん中にセットしてほしいという注文、つまり今まで使っていたギア比とその上の重いギアと下の軽いギアをセッティングしてほしいということなのね。

 ということは、もともとの歯数を変えなければならないということを意味する。先の2.88に、0.75で割るとそれが出てくる、3.84。前46でこのギア比を実現させるとなると12Tのギアを小ギアで当てないといけなくなる。

 これは、ちょっと重すぎる、というかそんな小さい小ギヤは殆ど無い。なので、13Tをあてがうことに。

 そうなると3.54、2.65、2.2というセッティングとなる、まあこの方が色んな意味で無難と言えるのではないか?

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 オールブラックスにするには、あとこのキャリパーブレーキのいずれの交換が必要かもしれないが、とりあえず、でかい改造、しかも丘が動くかもしれない、内装三段固定ギアの取り付けは終了。

 少しは火がついてくれれば、この来ているかもしれないシングル固定ブームに華を添えることもできるかもしれないね。

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 逆光の関係か?より黒く、より街道仕様になった内装三段固定ギアピスト、街道を行け!!!

タイ風自転車?



 実用系の自転車が出来上がった。スッキリとした印象だな。

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 街道走るには十分な多段、新しいチェーンが付いている。

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 まだ10月だというのに、五時にはもう薄暗い、そうあと二月で冬至だよね。釣瓶落としに、ツイ写真を撮る光を逃してしまう。

 そういう時に、オートライトは有り難い。もう点灯するんだ、という時間がどんどん早まってくる。ハブダイナモで700cを組めばレーサーにも付く、ハブダイナモは実用車のイメージが強いが、実は地方走るレーサーやツーリング車にももってこいなんだな。

 電池交換の必要がなくて、明るい、長持ちする。

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 ブレーキもちょいと気合を入れたよ。しっかりした前ブレーキね。

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 サドルも新調したし、

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 カゴも付いた、街道仕様、日常仕様にはほぼ完璧と言ってもいいね、はいよくできました!

 といってもこの車体の値打ちはこれらではない・・・。

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 ここであり、

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 ここでもある・・・。

 ンンン?なんだ、フレームってことか?と思われる方もいるだろうね、違います・・・、その表面です。

 はい、この自転車の一番の値打ちは、塗装なんであります。

 まだまだやっていますよ、自家塗装!

 やった方はといいますと、

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 このお嬢様。来ている服もどちらかというと地味で、好きなペイントの色を持ってきてといったら、とても渋い系統の色を選択、もちろんそれもありであります。女の子だからといって、ピンクだ、オレンジだでなくても全く問題はありません。

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 仕上げは一人でやっていましたが、数名友達も来て、三人くらいでワイワイやっていました。彼女はタイ出身、友達はニュージーランド人で、その男子がペイントの経験があったのか、テキパキと段取り良くやっていました。

 でも、かなり見事な仕上がりでした、本当よくできました!というところですね。

 八月に、ちょっとしたイベントを当店でやった時、シェアハウスの一段がどっとやってきた、万国から集まった色とりどりの方々が楽しんでいったんだが、その中で自転車が欲しいということで、今回の展開になったというわけ。

 まず値段いって、車体の好みなどを聞いたんだが、それだけじゃあ面白くない。

 シェアハウスだろう?所有者不明の自転車ないの?

 ア!あるある、じゃあ管理の人に許可もらって、使わせてもらう!

 話はトントン拍子だった。

 彼らが楽しそうにキャピキャピと作業している隣の棟では、休日フィリピンから来た大工見習いの若い人たちが、自転車整備しては出かけたり・・・。

 当店も海外からのお客も大分いる、ネパール人、ナイジェリア人、中国人、タイ人、韓国人、アメリカ人、イギリス人イタリア人、ドイツ人、フランス人、そうそう南米からもいたなあ。

 子狸の小学校にももう普通に、海外と有縁の子たちや家族たちがもう普通に混ざっている、店主の子供の頃には考えられなかった展開だ。

 しかし考えても見よう、言葉の通じない異国で暮らすことの勇気と不安。先のタイの女の子も、日本語はほとんど不自由なく喋る、ニュージーランドの友達とは英語、そして母国語のタイ語はもちろんだろう、店主が感じただけでも三ヶ国語操ることになる。それだけでもすごいわけだ。

 海外からの実習生という名目で、大分日本の現場で彼らにひどいことをしている実態が明らかになってきていますね。 
 入国管理局内で、不法滞在者、移民申請者に対して虐待的なことをやっていることも明らかになっていますね。

 日本人でないという理由だけで(いやそこに欧米人も加わるか?)、そういう対応していいはずはない。

 アベノミクス・・・などと言って無責任に礼賛してたって、基幹統計いじられて、パラメーター替えてごまかされている内に、韓国にGDP抜かれちゃったってよ。

 この展開だと、あと数年もすれば、日本から海外に出稼ぎに行くことだってありうることだ。その際同胞が行った先で、これまで日本が行ってきたような扱いされて、それは郷に行ったんだからそこの郷に従え、自己責任!でいいのだろうか?

 そんな展開は絶対に望まない。

 「昔私の祖父が日本に出稼ぎに行った時、そこの近くの日本人に大変良くしてもらったから、お返しにいま日本からの出稼ぎ者にできることやっているんです」という人を増やさないで、一体何をしているんだ?

 コンビニで外国人労働者を怒鳴りつけている小心者のお前だよ!

 イチローの引退記者会見の最後、イチロー自身がアメリカに行って外国人になったことで、人の痛みがわかり、人間としての厚みができた、という旨を語っていた。

 それからして、この国では、厚みのない、薄っぺらい人間の声がやたらでかくなってきたようだ。建て直さねば。



  彼女が住んでいるシェアハウスが今年をもって解散ということだ。彼女は職場の近くの北千住にでもこそうかということで、この自転車と連れ立って西東京を離れてしまうのかな?

 なんかちょっとした思い出になったかな?ただの二万円出して買った自転車じゃないからね、帰国する時もって帰れなかったら、誰かその意味が解る人に託していくかな?

 日本生活の一つの思い出にでもなってくれればね、それだけでも意味はあったかもしれない。

それでもロングゲージがお嫌いな方へ 下駄の次は高下駄だ!



 これは店主愛用の、ガチ系鉄ピストを街道仕様にしたもんで、足のあるやつがちゃんと踏めば、相当の車体なんだが、五十路を大分過ぎた年寄りが乗るには、この手のでかいスプロケがあると、何かと使い勝手が良い。

 これだって、なんと・・・なんと32Tがついているんですぜ。そういう意味で車体はレーサーだが、スペックは全くレーサーじゃない・・・、何故かトップが11Tというのが多く、そんなギア下りで七十キロとか出すわけじゃないので使わねーよ、ってなもんで高校生並みに本来は14Tトップくらいでも十分なんだがね。

 で、そんなでかいスプロケなんて、昔はそんなになかったし、そもそもこのディレーラーはなんだ?

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 もう型番も忘れたくらいの二十年以上前のアルテグラだ、もちろんショートゲージ・・・。レーサーのディレーラーはショートゲージだろ!とろくにギアもかけられなくなった年寄りが何をのたまうのか?という感じなんだが。

 まあ、ある種一人関戸橋でもって、手持ちのパーツを探しても、ロングゲージもんなんてねーよ、というところでもある。あるから、使うんだが、そのままでは当然32Tなんてマウンテンスプロケに対応できるわけがない、ということで、ある技を使ったのが・・・、

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 これ、ちょっとわかりにくいかもしれないが、シルバーのディレーラーが付いているのは黒の金具、こいつは通常のディレーラーハンガーか?と思いきや実は、これは下駄だったというのは、以前書いたかもしれないね。

 ディレーラーの位置を下につけると、ショートゲージでもまあ、別部分だがロングゲージになったようなもんで、32Tなんてスプロケを取り付けることができるようになる。

 まあ、昨今スプロケがドンドン肥大化しつつある傾向を先取りしての下駄作戦なんだと思うが、実に見事な先回りだ。

 そんなもんがあるなら、使わない手はない、何にか?って。古物自転車再生に決まっている・・・。

 かつての鉄レーサーなんてもんは、まあ、スパルタン仕様、当時はそれが当然だったわけで、今となってはという話なんだが。

 12−21の6枚、前52*42とかなんて当たり前だもんね。そしてそんな自転車たちが今やどこぞの物置や軒下で、出番は待っているが、持ち主がもう踏めねえよ・・・とばかり、再デビューするあてがないと来ている、それが現状だろうね。

 そういう、往年のレーサーにだ、この手の下駄を履かせて、リアのスプロケだけはでかくしてやる、それでもってギア比を下げて、ご老体でも楽しくサイクリングができるようにしてやろうじゃないの、ということだ。

 そのきっかけとなる実験を店主は自分の車体でやっているわけだ。

 で、またスゲーのが現れたよ。

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 右のやつね。左が従来使っていた下駄だったが、右はそれよりもまた一段と長い、もう高下駄、高歯もの、バンカラ学生御用達というやつだ。

 これなら、更にでかい40台の歯数も可能なんじゃないの?

 手なわけで、店主も頭に乗って、更にでかい36Tなんてもんをつけてみる実験をすることにしたんだな。

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 当たり前だが、更にでかいね・・・。

 このローが、よく見ると・・・

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 36Tと書いてある。32Tから一気に飛ぶね、間に34Tがあってもいいもんなんだがね。そんなものは、自分で作るしかないかな?

 でこいつを後輪にはめて、果たして付くだろうか?

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 すると・・・なんとまあ、実にあっけなく付いてしまったんだな。拍子抜けするくらいに。

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 手なもんで、まずは実験成功。こう観ても確かにスプロケはでかいが、あまり違和感・・・ないかな?

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 リアメカはショートゲージだしね、フムフム。

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 もうクレーンを連想してしまうこの手のものとは違いますでしょ・・・オホ・・・。

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 そして、最強のローギア比すごいよね、前38Tで、後ろ36Tでしょ、ギア比なんと1.05だよ!ペダル一周に付きホイールほぼ一周、まあ大抵の街道の坂には対応かな?というところ。

 そして、そして、更に更に!!!

 なんとクランクが

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 男ギアのまま!ファイブアームのサンツアーシュパーブプロPCD130ミリ165ミリクランク・・・、まあそう長長と書くもんでもないが、それが使われています、組み合わせが49*38というものでね。

 ショートクランクでも、フォーアームでもないのよ、イヒヒヒ。

 いるとすれば、古めのサイクリストが、この手があったか!!!・・・と膝叩いているといいですがね。

 もう老境に差し掛かっている店主からすると、ある種ギア比でカバーし、あとはポジション出しでカバーし、少しでも長い自転車寿命を実現させるにはどうしたらいいか?なんて考えたりもします。

 そして、事態はそれだけじゃあない。

 そこそこの年数自転車に乗っていれば、まあ縁のあるフレームやパーツ類がゴロゴロあるわけであります、それらをすべて放ったらかして、やれカーボンだの、やれディスクだの、やれ新生コンポだのに、飛びつくわけにも行かないんであります。

 アーッソ、私ら捨てて、新参パーツにうつつを抜かすのね・・・とそいつらに言われると、なんとも自分の無能さに辛くなるんであります。

 イヤ!!!そんなこたーねえ!!!オメーらだってまだまだ立派に使ってやるから・・・、なんとかすっから!!!というしかない。

 そういうご同輩がいるようだったら、もしかして、何らかの助け舟が出せるかもしれませんな。

 どんなにパーツやフレームが進化したって、エンジンの方はほとんど進化はなく、むしろ老化という退化を起こしているわけで、逆に古いパーツ共に笑われますわ・・・。

 それらの機能を延長して、今はも亡くなってきているシルバー、銀というパーツの色を大切にし、そして歴史的に形作られてきた、今の新参パーツ共にはない、各パーツの形や相貌を活かしつつ、老化を受け入れた自分らしい自転車ってなんだろう?と考える時、まだまだ選択肢はあるんじゃないか?とね。

 下駄や高下駄は、あんなちっぽけな金属片に過ぎないものでも、実はでかい可能性がある、少なくとも店主にはそれが見える、よーく見えるんだよね。

当店近く 絵描き仙人の展示会あり 今月25日まで!



 今を去ること約三年前、

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 こんな実用車をもってきた、仙人のような人がやってきた。この施工内容は、ブレーキが中心だったため、非常に神経を使って、かなり工作をして大変だったんだが、その施工内容を話して納車した際、大枚に対する釣り銭をこの方は一切取らなかった。

 イヤー、自転車愛感じたよ、だから取っておいて・・・。

 以来、当店回りを通ると、声を賭けてくれる間柄に。

 「これからちょっとお風呂(銭湯)に〜」
 「ちょっとお夜食食べに〜」
 「今多摩湖がいいから行ってきまーす」

 と、これが狸市なんてもんを始めたもんだから、その頻度が大分上がりまして、すると店の雰囲気にある小物、古物なんかをもってきては、おいていってくれるんですねえ・・・。普段よりお世話様なわけであります。

 その正体は絵描きさん。

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 この背負子を背負ってせっせと歩く、あの実用自転車に乗せて走る、そしてその風体とは

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 こんな感じ。仙人・・・、異形・・・、まあ一度見たら忘れないね。木村新さんといいます。画伯というと照れるので、たまに画伯と呼んでみたり。

 しかして、その絵は圧巻なり。黙って観よう

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 かくたる、実は空を描く作家でもある。空を広く取る構図・・・、新さん!ターナー好きでしょ?うん、ターナー好き!なるほど・・・わかる。

 しかし写真じゃ全く迫力が伝わらない、むしろなんだこんなもんか・・・という程度に縮まっている。すごい迫力なんで、ぜひ実際見に行ってほしいですね。

 そして、今回は掲載しませんが、光の作家である、リャド的な・・・。絵の具が発光しているかの如くの絵。

 こういうのを観ながら、フト、新さんは人は描かないの?

 風景がばかりを観ていると、例えば打楽器のない曲を聞き続けているような、物足りなさを感じてしまう。で、出た言葉だったんだが・・・。

 実は少ないがある!アパートが近いんで、留守番していて!今もってくるから!

 と言って持ってきたのが、フェルメールの模写、ただの模写じゃあない・・・。

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 新さんは戸籍上は男だが、中性・・・?というよりもアンドロジナス、両性具有なのでは?と思うところがあるんですが、これってまさか、若い頃の自画像?なんじゃないか?と思って観ていたな。

 さんざん絵を楽しんだあと、生意気にも店主は配置換えなんてことの提案までしてしまった・・・。

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 これは自転車に描く絵、輪画による影響なのかもしれない。自転車は単なるパイプの集まりに過ぎない、それを表面と見ると実に絵の面積が少なくなってしまう。逆にパイプだけを空間として描くと模様ならなんとかなっても、絵となると狭い小さい絵にならざるを得ない。

 それを克服するには、間に絵を描く必要があるんだが・・・。しかしパイプとパイプの間に絵を描きたくても、空間ですから、描けませんよね、普通は。

 でも描けるんです、こうすれば。

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 ね、空間に絵が見えるでしょ?

 二枚の独立した絵でも、作風によっては、勝手に意識が連動させてくれる、そしてあいだの空間も含めて、壮大なパノラマを展開してくれるということなのね、頭に感謝・・・。

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 これなんかもそう、二枚の独立した絵を並べただけなのに、広大な里山風景が広がっているように、脳は見せてくれている。

 まあ、そんなことして遊んでくれましたわ。

 そしてもう一つ。

 額縁。額縁は絵を絵画として演出するのに欠かせない仕掛けかと思っていたんだが・・・。たしかに山梨美術館で若い頃見たミレーの作品、覚えているのは、作品自身よりも鬼瓦のようにせり出した額縁の迫力の方であった。

 以来、畑から取ってきたスイカを千疋屋が一個一万円の商品にするのは、あの金のシールである!というのと同じように、絵を絵画として観賞用にするのは、額縁だと思いこんでいたんだが。

 それも絵によるもんだね、今回始めて考え直した。

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 少なくとも、少なくとも新さんの絵は、額縁なんかに閉じ込めちゃあいけない。絵が小さくなってしまう。そしてもっといけないのは、ガラスである。

 あの絵画を汚さないように、直接触れないようにしているあのガラスが、絵の迫力を大変現じてしまっている、額縁というよりもケースであるな、あいつは。

 ものはケースより出して直に観るもんだ・・・。

 だから、ケースから出してみると、

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 ほら、写真ですら、絵画が広々とイキイキしているのが伝わってきているでしょ?

 そういう意味で、新さんの絵には、額縁なんてもんはいらない、素のままで、土の匂いが伝わって、風を感じる絵なのだ。

 実際に足を運んで、肉眼で目撃してください!

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 この日曜日までやっています!もちろん展示と同時に、販売もやっていますんで、是非に!ご検討を!



 2018年10月、今の店主の格たるものをその方に認められることによって、ようやく確立できたかに思える、その師が亡くなられた。

 もし晩年長くあれば、再度ドイツ語の勉強しながら、フォイエルバッハを通読、そして懸案であった梅本克己の主体性論の指導も受けたかった・・・。

 いやいや、それよりも大陸にお連れして、中国の若手分析哲学者との間で、同じ分析哲学的手法で、直接の加害者でもなく、直接の被害者でもないもの同士の責任論はどのような形であり得るか・・・というような共同研究から、一つの光明を紡ぎ出す・・・なんてあり方もあったかと、念が残って余りある。

 その師と代わるかのように現れた方。

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 鬼海弘雄。

 冒頭の黄色いレーサーは、鬼海さんの残されたレーサーとなった。

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 深い思索が形となったその写真は圧倒的だ、一瞬を永遠に残す、まさに永遠に残りうる作品を残された方。

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 中でも一段と光る、ペルソナ。

 黙ってみる。

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 当店内の会合で、牛蒡と猪肉の煮込みをえらく気に入られていた、その勢いで、店主は求婚されたくらいだ。

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 晩年、はまたがりやすいように、同じ黄色のスタッカートフレームで自転車を用意した。大分調子がいいと、喜んでいただけたようだった。

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 ちょうど一年前。以来、電話で「今度の自転車屋は、チタンはどうですか?またがりやすいフレームはありますか?」と何度も話をされていた。とにかく次の自転車を乗ることを楽しみにしておられました。

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 「あんたの目を信用しているんで、次出す写真集の表紙に何がいいか、選んでくれないか?」と分厚いゲラをもってこられてこともあった。

 ほとんど雑談して、話して笑って帰って行かれた。

 しかし、なぜ、このようなところに来てくれたんでありましょうか?思えば、ただ、ただそれだけが有り難い、たとえ写真を撮る方でなかったとしても・・・。

 時間の長短を越えた師。

 黙


ジロからカブトへ



 遡ってめくってみると、なんと七年半前に、ジロへの嘆きの記事があったことを発見しました。ということは、こいつを被って八年近くなるということだったんだ・・・。

 ついに、お疲れ様、という時が来たようです。

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 その記事によると、まあ入荷したときから、アレレ?という出来だった。当時からまた遡ること十五年前のジロのヘルメットと比べて、大変見劣りのする内容でしたね。

 交換お願いしたんですが、調べてみると他のやつもみんな同じ出来。まあ鋳物ですから、型が悪くなったら、その他もダメになるのは当然かな?なので、交換は諦めたわけですが・・・。

 その取扱業者も、その後数年で取引をやめて、別会社に移ってしまった。店主の頭にはピッタリなんだがねえ、惜しい。

 そして、今の取扱商社との取引関係がないので、業販で購入するわけには行かない・・・、そう、さらばジロ、というわけだ。

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 別にこいつで事故ったわけじゃあないが、もうあちこちグズグズのために、交換することに、次はなんだ?

 色々探してみようとするが、やはりかつての経験が邪魔をして、別メーカーに手を出すのがどうもやりにくい。

 その経験とは、あのOGKだ。大阪グリップ工業さん。ちなみに最初に褒めておくと、この頃はいいデザイナーさんなどを使ってかなりハイセンスになろうとしている姿勢が見受けられて、大変好感持てるメーカーだと思っております。

 逆にいうと・・・、かつては・・・ねえもう、なんだかなあ・・・。

 かなり前・・・三十年とは言わないが、OGKのヘルメットを購入して被ったことがあったんだが・・・、まあ頭に合わない・・・全く合わない。でもまあ、最初はこんなもんか?と思って使っていたが、ある日、奥多摩の街道沿いで思わず、外して道に叩きつけようかと思う衝動に駆られたことがあった、突然来たんだな。

 もちろん帰りもあるので、それはしなかったが、ちょっとした違和感でも我慢して走っている内に、どうも閾値を超えてしまったんだな、突然。そんでもって、そんな衝動にかられてしまったわけだ。

 なので、ちょっとした不快でも距離と時間の長いロードにおいては、我慢は禁物ということを学んだわけだ。

 もう、日本人の典型的な頭に合わせたOGKはやめた!とその時誓ったものだった。

 それからというもの、ジロのフィット感に惚れて、もう何個目かな?かぶり倒したわけだが、今回どうもジロは諦めざるを得ない、さて何にしようか?

 で、決めたのがこいつ!

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 カブト!というメーカー・・・って。こいつ正式名はOGKカブトっていうんじゃなかったっけ?

 そうなんです、こいつはあのOGKから別れた?ヘルメット専門部門、それがカブトなんだろうと思います。

 ヘルメット叩き割りたくなるくらいの衝動を感じたのに、なんでまた?

 実は、随分前なんだが、このメーカーの最上級クラスのものを恐る恐る被ってみたことがあったんだ。そして驚いた。外側のシェルに依存させない内部のフィッティングというものを確立したな、これはスゲーな・・・と内心思っていたんだが・・・、それに今回賭けようということにした、あれからもうだいぶ経っているし、その辺はもうかなり研究がすすんでいるはずということで。

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 シェルよりも、このインナーのフィッティングすごかった印象があった、

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 悪い意味ではなく、真綿で頭を締め込んでいくような感じはいいねえ、外のシェルを意識させない、これもまた美味いやり方だわね。

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 そんなことで、恐る恐る試してみたんだが、勘はあたり、決して悪くはない。

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 ベンチレーションもそこそこで、不満はない、もしかして結構いいかも・・・、特に締め込むとピッタリくる・・・。

 そして、こいつにはまたもう一つ特典がある。

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 このような透明の風よけが付いている。しかも90%以上の紫外線をカットしてくれるというね。白内障の原因の一つに紫外線というのが指摘されているので、これはまあ若いうちからしておくに越したことはないだろうね。

 ちょっとイラッとするのは、鼻先がどうも干渉してしまう、削ればいいんだが。

 そして、こいつの別の使い方?

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 ひっくり返すと、今度は風防に変身する。これから冬に入っていく時、これはいいかもしれませんね。できればもう一つ、オプションでいいので、この風防と先の紫外線カットを両立させるものがあるといいねえ、冬は大分暖かいんじゃないかな?

 しかもこの着脱は、

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 なんと三点の磁石によって可能となっているということね。先に、着脱式のカゴを強力磁石で店主は取り付けたが、今後自転車に関する固定と磁石との関係は、より深まっていくような気がするね、一定以上の強さがあるものは振動にも強い、特にものを載せるツーリングの方々には、磁石利用は検討の余地ありですよ。

 ということで、これから暫くこのカブトにお世話になることになりました。頭は店主のように鉢の開いていないタイプでも、OGKカブトはインナーのフィット感でカバーしてくれる・・・。

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 ジロ君今までありがと!セカンドとして後ろに引っ込んで、今度はカブト君に前線に立ってもらうことにする、今までおつかれさん!そしてカブト頼むぜ!

謎の黒コンポでの改造 フラットのつもりがドロップに



 ブリジストンのオルディナっていう、クロスバイク系の車体なんだが、当初の予定を大分曲げて、8月以降に入ってくる謎の黒コンポフラットバージョンを乗せませんか?ということで動いていたんだが・・・。

 どうも、まだ謎コンポのフラットバージョンが入ってきていないようなのであります。シマノの欠品のアオリを受けているという話もありで、まあゆっくり待てばいい・・・、使い勝手はすでに把握しているもんでね。

 で、話はまたひっくり返って、ドロップバージョンの謎コンポならあるんですが・・・という展開に、ではそっちにしましょうということになった、急展開ね。

 ならお手のもの・・・のはず。

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 ちょいとばかりもめたのが、この後輪。78のデュラエースが入っていて、

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 マビックのオープンプロという堅実中の堅実リムで組まれているんで、これは使えれば使ったほうがいいということで、エンドの調整・・・をしたんだが。

 その話については、後日また展開します。まあ、融通がきかないのがデュラエース、まあそれだけ頑張って日々開発しながら作っているんでしょうが。こいつを135ミリにはできたんだが・・・、まあ大変で。

 でもまあ、今回意地でも使いましたよ。

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 前もデュラエースだ・・・。前後にすごいはぶつかったもんだね。

 そして、例の黒コンポの登場と行きましょう。

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 作りは決して安っぽくない、むしろなんかメカメカしくていい。さすがスラムの系統だ。

 そして、スプロケは10速、これは78デュラエースなんで仕方なし。ただし、このコンポは11速、つまり一足消してシンクロさせているということ。このシンクロがどこまでできるか?ってことがかなり重要です、今後ね。

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 そしてリアメカからすると、ちょっと見劣りするのがフロントメカ。まあこれもスラムってかんじだよね。でも変速効率は悪くない。トリムができるところなんてのも、シマノ良いとこ取りをしている、さすが後出しジャンケンだ。

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 クランクは事故車から外したもの。まだまだ仕えますんで、部品取りでこちらに取り付けた。

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 同じVブレーキでもショートリーチを要求してうくるところは、ロードコンポだよね。シルバーを付けてみました。

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 そしてドロップ化成功!前2枚、後ろ11枚なんだが今回は10枚で使用というスペック。

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 なかなか評判の悪くないこのシフター。マイクロシフトよりは評価が高いようにも思いますね。上々のスタートじゃない?

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 ということで、最初からドロップハンドルのような顔をしているクロスバイクに変身しました。

 これなら気軽に相当乗れるという状態になりましたな。こういう自転車が盗難の心配が少ないといことも兼ねて、気がついたら一番乗られている車体になると云うもんだ。

 フラットバーコンポが入荷してきたら、速攻で、実用車改造に使ってやろうかと思っている。さっきまでただの実用車だったもんが、10速のコンポが付いて、快走してしまうんだとしたら、これはまた愉快だね。

 世の鈍重な実用自転車を、みんなこいつで、この謎の黒コンポで、快走車にしてやろう!

 後は、入荷を待つのみ!

練習機試作の試作その2



前後のギアの歯数と、チェーンのコマ数関係・・・なんてところから入った、実験機の試作ですが、まあ軽い茨の中にいる状態、それも一つの縛りを設けているからで、それがなければ意外と簡単かもしれないとも思うんだが・・・。

 前のチェーンリンクを二枚に、50.42にしたんだが・・・、ちょっと事情があって48*42の二枚に変更した。

 そしてリアの小ギアを14・22という二枚にした。そしてチェーンをかけてみる。

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 最初は外外でかけると48*14という組み合わせになる、ギア比は3.4、平地の街道練習には悪くはない。それに内装ギアのギア比をかけると、一つ引くと2.55というギア比に変わる、そしてもう一つ引くと2.1というギア比になる。

 この2.55と2.1のギア比を50Tのチェーンリンク換算すると、50*20と50*24に相当する。

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 裏から見ると外側にチェーンがかかっていますな。

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 とリアも外側にかかっています。

 と今までの内装三段固定ギアの使い方とすれば、これで終わり、この三種のギア比で走ってきなさい、ということで終わる。

 そこにひとひねりを加える。

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 指で押してチェーンを外すんですねえ。

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 インナーの42Tのところにかかります、当然歯数が少なくなるので、チェーンはたるみますね。

 そのたるんだチェーンを・・・

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 今度はリアの内側の22Tのところにかけなおすと・・・

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 こうなりますね。つまり

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 チェーンを交換しないで、賭けかえるだけで、ギア比が激変するということなんですね。つまり、1.9に軽くなります。そして、そこから内装ギアを利用すると、1.42とさらに、1.17の三段ギアに変更可能ということなのだ。

 ロードのインナー34Tに換算すると34*18、34*24、34*29という組み合わせに相当するということになります。

 つまり、この車体は内装三段固定ギアを載っけているんですが、チェーンのコマ数を替えずに、3.4、2.55、2.1、1.9、1.42、1.17という6つのギア比を実現できるスペックとなっているわけであります。

 これなら、ちょっとした山岳練習にも使える、相当使えるんじゃないか?と思います。しかも固定なんで、走っている行程で足を休める暇はない。通常の練習の1.3倍位の強度になるんじゃないかな?下りでも足を回しているんだからね。

 体も温まるし、これからの練習には最高なんじゃないか?と思いますが・・・、先行き過ぎ?

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 全貌はこれであります。

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 只今インナー同士にかかっている状態、坂上がれ!モード。

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 そしてこれがもう一つのモード。

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 アウターモード、平地で足回せ!または山岳筋トレモード、とでもいいましょうか。

 ということで、まずは練習機の施策としては、まあまあの状態で仕上がったといえますかね。

 でもまだ課題あり。

 というのは、これは工具を使わずに、手でチェーンを掛け替えることを前提としているわけです。もし15ミリのレンチを携行してもいい、というのであれば、セッティングはもっと簡単です。

 問題は工具いらずを実現することです。

 手でチェーンはずらせるが、と言って簡単には外れないというポイントがどこか?ということなんだが・・・。

 またそれ以上の現物合わせ上の問題もでてきている。

 機械の中の幽霊・・・じゃないが、足して同じ歯数の組み合わせなのに、なんで同じコマ数のチェーンで張りが変わってくるのか?という問題が発生しているんです。

 でかい円(フロントチェーンリンク)と小さい円(リアの小ギア)とでは、同じ歯数であってもそれには収まらない、アールの接触面の違いによる何かが影響するんでしょうな。

 そうなると、歯数をどちらか一枚減らしたり、増やしたりというような調整が必要になりそうです、そこがまあ腕の見せ所という事になるのかな?

 と、もう一つ、外掛けのギア比の最小(今回だと2.1)と、内掛けのギア比の最大(今回だと1.9)の差をもっと設けようとすると、そもそものギア比に差をつけないといけなくなります。そのためには、前後の歯数の差をつける必要がでてきます、そうなると先の問題、前後の円のデカさがでてくれば来るほど、チェーンの張りの差が出てきてしまう・・・。

 15ミリのレンチを傾向出すれば、この問題はなくなるんですがねえ・・・、クイックのような工具いらずの形式があればいいんですが、この内装三段固定ギアでは、無理そうです。

 ということで、まだ茨の中となっています。

 試乗したい方いませんか?まあ、その辺にはあまりない、車体であることは確実です!それ故独自の練習になるのではないか?な?

 アーア、また先生きすぎたかな?後ろ見ても誰もついてこない・・・。このままゴールならシメシメ・・・、イヤイヤ、レースじゃないんだからなあ。

練習機試作の試作その1



 この二組の組み合わせなんだが、それなりの法則に基づいてい入るが、視覚的にはどうということはない、その関連性や共通性のようなものは余り感じられないよね。

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 50Tの130pcdもの。

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 に対して、こいつは、反射して写っていないが14Tのもの。リアの歯なんでpcdもクソもない。

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 もう一組はまずは、42Tの130pcdもの。

 その相手が、

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 22Tのリアの歯となります、気づいた方いますかね?

 まあ、答えを知ったら、アッそう・・・程度で、だからなんなの?てなもんだろうなあ。

 で、答えですが、前後の歯数を足すと両者ともに、64Tになるというものなんですね。

 そんでももって、形式的理論においては、バックの三角が同じフレームの場合、足して同数になる歯の組み合わせの場合には、同じコマ数のチェーンで足りる・・・ということになるはずですわよね。

 ということであるなら、上の二つの組み合わせ、両者ともに足して64Tになる組み合わせなので、同じフレームに取り付けるかぎりにおいては、同じコマ数のチェーンで足りるということになりますよね、ハイ・・・。

 で、なにを考えているか?というと。

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 これなんであります。スターメーが作っている、内装三段の固定ギアという、全世界が瞠目してもいいくらいの大発明のはずなんだが・・・、こいつで組んだピスト完成車がなんと七年くらいかな?当店にぶら下がったまんまなんだよね。

 売れていない・・・。

 まあ、半分冗談と本気でもって、当店は十数年先行っている・・・と思ってんだが、道を間違えると、いくら待っていても、相手は着いてこない。

 そもそもどっちが間違っているんだか?という話でもあるんだろうが、まあ、固定ギアで指一本でギア比を替えられることの画期的な発想に関しては、まだピンときていない人類が多いということは言えそうだ。

 本当にうまく、強くなりたいのなら、内部からでない限り、機材を替えて時計が速まるなんてもんは、すべて錯覚に過ぎないんだが・・・、錯覚好きな人が多いのかしら?

 ホイールをカーボンにしたからといって、別に強くもうまくもなったわけじゃあないのにねえ。ということは十分にわかっていながら、機材に手を出したいという気持ちもわからなくもない。

 その辺の機材熱が下がったあたりから、練習方法だったり、練習コースだったり、練習機材だったり、サプリメントや、禁トレなんかに精を出す人間が何%かでてくる、まあそんなもんだろうなあ。

 そこを狙ったとしても、まだまだこの変速固定三段の練習機としての可能性に気づいている人は少ない・・・だろうね。

 でもって、その有効性をダクダクと述べることなんかよりも、もっと先行ってしまえ!!!ということで、もう当店は
20年先のトレーニングを目指して、やってやろうか?なんて開き直ることにした。

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 この横の鎖を引っ張ると、固定ギアのギア比が変わる!もっと驚いていいし、驚くべきなんだがね。そして、こいつも定着していない内に、更にその先を行ってしまおうという計画なんだよね。

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 このスターメーの、内装散弾固定ギアの小ギアを外すと、こうなっているんですね。あれれ?

 今までは通常の厚歯の小ギアを一枚入れていたんだが、何か大分スペースあるじゃないの。しかもこのセレーションを見ると、ナット式の小ギアだけじゃないね、別の手裏剣型のギア板も載せられるよね、ここに。

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 では、先の22Tの歯を入れてみて、そしてスペーサーを挟んでだな、

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 もう一枚の14Tの歯を入れてロックリングを締めてみると、あれ、二枚の小ギアが付きましたとさ!何だ、思っていた以上に、使えそうじゃない。

 そんでもって、前ギアがあったよね。

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 こんな感じで、50Tと42Tを取り付けてみたというわけだ。

 ここまでは、順調なんだが、実はここからが大変な茨の道を歩むことになる、そして実は未だに、茨の中で、チクチクとあちこちに刺されながら、抜け出ていられないんだが・・・。

 勘の言い方なら、もうお分かりでしょうかね?

 どうも、今再度なんだが、十数年ぶりというか、なんというか。シングルギアの戻り現象があるんじゃないか?と東京の東部の方からの報告がある。

 当方は、東京の正確には中部に当たるんだろうが、人口密度等を考えたら、西部ともいえるだろうね。まだその波というかブーム再来なんてもんは感じられないが、潮騒のように、次は固定だシングルだ、イヤ、次じゃあない、固定という自転車があるんだよー、シングルという選択肢もあるんだよー・・・という囁きのようなものだといいよねえ。

 どこかが仕掛けるブームとか、流行だとかはもういい。あっても傾向ぐらいでいい、成熟した社会に流行もブームもないだろう、あるのは傾向程度の湾内のさざ波程度でいいんだよ。

 とはいえ・・・、という囁きが聞こえる時に、黙ってシングル組んで、待ち伏せするほど屈託なくやってきた、当店ではない。常に逆張り!というほどでもないな、逆!なんていうのもそうしたブームや流行に対する一つのノリ方に過ぎないからネ。

 と言って独自路線というほど、硬くもないが・・・。

 とりあえず、選択肢の幅を設けて、何らかの一石を投じたい、とは思っているが・・・。そんな中で、生まれそうになる、次の固定ギア車の開発中ということで、その2につづく、ということで、この辺で!

デカイスプロケに超ロングアーチ



 シマノブルー・・・なんていい方あるかな?シマノのパーツが入っている箱の色ですね。

 ちなみにこの大きさの箱だと一体何が入っているでしょうか?STIっていう、手元変速のシフター・・・かな?と思う箱の大きさですが。

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 これがなんと、スプロケットだったんですね。エエ?ウソー、だったら手のひらに乗る程度の大きさじゃないの?というのはもう古い人なんでありましょうな。

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 まあ、手のひらには乗っていますが、ほとんど手は見えませんね。大きさというのは11ー42Tというもの、今までは最大34Tぐらいでも、デカイなあ、と思っていたんですが、上には上がいるもんですねえ。

 もちろん頭では理解していたつもりですが、実際に目を見ると、冗談でしょ・・・とくらいの大きさです。

 そういえば、台湾で電動システムが後輪に付いているんだろうと思って、近づいたらなんと、最大52Tだったかな?もうチェーンリンクのアウターのデカさだよね、そんなものが付いていたのを見たことがある・・・が。

 イヤデカイ、デカ過ぎる・・・、世の中こうなってしまったんだ・・・、フロントトリプルはもう過去のもの、せいぜいダブルで止めて、そこでほしいギア比はすべてスプロケで対応します、という姿勢がもう鮮明と見ていいでしょう。スラムの戦略勝ちということですね。

 で、このでかいスプロケをつけてほしいという依頼なんだが、こういう極端なものが出てくると、それを支える回りのパーツにも、その影響がドミノ倒しのように起きてくる。通常は大変だよー・・・、今まで12−28Tが付いていたんだよ・・・、

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 通常ならそれプラス、14枚デカイスプロケが付くなら、ディレーラーから、チェーンからドミノ的に交換しないといけなくなる、それは当たり前のこと・・・となるんだが・・・。

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 ところが・・・、この謎の黒コンポが付いている、超ロングゲージのディレーラーを付けたんだがね。この長さがあれば、もしかしたら・・・、そのまま無加工で付くかもしれない・・・と思って付けてみる。

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 ゲゲー・・・、少なうともチェーンなど全くいじらず、当然ディレーラーも全く変えずちょっとした調整だけで付いてしまった・・。

 そして乗ってみると・・・。やはりスプロケがデカくなると、それだけデリケートにしないといけなくなるところはある。そこさえ押さえれば、そこそこどころではない、大分使える・・・と言えますね。特に最大の42Tなんかにかけて使ってみると、まあペダルの床が抜けたような超軽いギアの実現ができる・・・。

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 元々この130ピッチの枚一枚クランクが付いていて、これをも含めて、交換してみたかったらしいが・・・、それほど乗り込んでいない人に、ギア比の話をしても、頭がついていかないというのが現実だ。

 ピスト初心者に、ギア比を聞くほど無駄な話はない。街道で使いたいなら、大体2.5を軸にその前後をまずはこちらで設定して、渡して、そして本人に街道で実際に踏みながら調整してながら、決めていくというのがほぼ定石だろう。

 そして、こちらは多段だ、それも想像を超えるワイドレシオをカバーしている。なので、スプロケと、チェーンリンクを同時に変えるなんてことをすると、一体何がどう幸いして、使えるギアを持つ愛車になったかを把握しにくく、いつまでも狐につままれた状態から脱することはできないだろう。

 ということで、今回最初に設定した44Tだったかな?そのチェーンリンクは交換せずに、スプロケだけを交換して、その効果を走りながら体感してもらおうという作戦だったのだ。

 これで走ってみて、登りはまあ、相当というか、想像を超える軽さを実現できたと思うが、むしろトップに近いところに来た時、例えば街道の鉄道下をくぐる下りを車に追い抜かれないで下る際、この前ギアで十分な踏みごたえ感じられるか?なんてことが、基準となってくるでありましょう。

 その辺がしっかり足を通じてわかるようになるまで、このチェーンリンクで行きましょう、ということで、前はいじらず。

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 ということで、通常のようなクイック簡単ホイール着脱から、チョチョイとスプロケ交換のできない、ちょいと複雑な機構を持つ改造車だったんだが、何とか謎の黒コンポの超ロングゲージにも助けられ、パーツ類は全くいじらずに、ギア比の大幅変更完了でした。

 あとは・・・、

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 これですね、一見ディスクと見間違える、排熱版の付いたローラーブレーキなんですが、こいつをいずれ正真正銘のディスクブレーキの交換したいという、念願の希望があるようですね。

 そのためには、もう少し乗りながら、

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 このフォークを交換したい・・・、ということなんですね。台座を溶接という手もなくはないが・・・、このフォーク事態にもこの変速ローラーブレーキを取り付けるための機構があるので、それをすべて撤去してとなると、これまた大変な手間がかかるということですわ。

 できればメッキ系の台座付きのフォークがあれば、いずれ交換・・・ということらしいですね。

 自分でもいじりたがる、そして、どこにもない自分の一台、今あるこの一台を相当気に入っているようです・・・なので、これを基体で暫くいじりながら乗るんでしょう、そして真の自分好みのスペックがわかったら、行く行くは特別な自分のための一台を実現していく方向に行くんだろうな・・・という感じがします。

 自分のあり方、という中に、走り方や用途などの身近な要素があると同時に、自分らしいスタイルという抽象度の上がった基準も加わり、それがまた自分の走るコースや走り方により磨きをかけ、それがまた機材にまで反映し、機能面の強化やその逆の抑制などが加わり、人車ともにその人らしいスタイルが自然と演出された時・・・、昨日今日ではない成熟した乗り手が醸造される。

 いかにもその人らしい・・・というにじみ出てくるような何か、でありましょうし、またそうして集積された自転車にには一見するだけで、どんな人が乗っているんだろう?と想像力を刺激してくる何かにあふれている・・・。

 それは値段の高低などには還元できない、何か・・・なんでありましょうな。

約一年 ようやっと思いが叶うかも・・・・



 約一年ほど前、灯油を安全に運びたいということで、自転車にカートを引かせて、その問題を解決したことがあった。

 重いものを自転車に乗せると、その重いものの重心をも取らねばならず、速度が遅くなると、グラグラと不安定になり、安全な走行ができなくなってしまう。

 そこで、カートを牽引することで、自転車から重心を取る労苦を取り、後は引きづる力だけを必要とする形式にするほうが、横転の危険などが著しく下がるであろう。そこで提案して、実際に作っては展示なんかしていたんだが、人目をことに気にする日本人には、目立つカート引きはどうも倦厭されがちのようだ。

 人がどう思うと関係ないのに、恥ずかしいからと、重い肥料をカートにではなく、わざわざ荷台に積んで、グラグラと危なっかしく乗っていく輩を見ると、本質を見極めようとしない、浅薄さに軽蔑心すら湧いてくる。せいぜい人目を気にして転ぶがいい・・・・。

 と、そんな輩は放っておいて、いずれこの辺の高齢者は自転車にカートを牽引して走るようになるだろう、密かに企んでいるんだが。

 約一年にして、ようやくその時が訪れたようだ。

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 今回のご依頼のもとは、何と米屋さん。ちょっと前までは三十キロのコメを、実用自転車で運んでいたというから恐れ入った。年齢も七十はとうに超えているだろう。

 最近は流石に、二十キロに減らしたというが、それでも相当重い。

 うーん、二十キロね・・・。相当重いものを引くということになるな。相手にとって、不足なし。いや、願ったりかなったりの相手だろうね。

 よし、取り掛かる、運ぶものは重い、そこを念頭にだな。

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 こうした新聞配達用のデカイカゴを取り付ける頑丈な金具を使うとしよう。そこを加工して、十ミリのボルトなんかを差したりしてね。

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 以前はいろいろあって、金具を縦に付けたんだよね。荷台の一も色々あるんで。ところがこれだと重いものの影響を受けて、金具自身が曲がってしまったり、金属疲労しかねない。

 そこで、今回は重いということを重視して、この手の距離を短くすることで剛性を出そうと狙う。

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 このように、今回は縦ではなく、横に金具を配置して、五点留で固定してみた。これなら曲がったり、変形したりすることもないだろう。

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 そして牽引のカートは、市販の単純で頑丈なもの。五十キロまでの耐荷重があるとか、頼もしい。

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 この取っ手のところに、このような金具を取り付けます。かなりいろんな加工がされています。

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 金具の間に、丁度いい厚みのボルトをスペーだー代わりに置くことに。これで歪みなどが極端に減ります。

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 そして、荷台に取り付けたボルトに、カートの金具の穴を合わせ、この上から、蝶ネジなんかで、ちょっと外れ留などをして、完成!

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 はい、早速ビールケースをおいて、走行実験。ゆっくり動いて8の字に走ったりしながら、カートの曲がりや、カートと自転車の干渉などをみていく。

 一通り、見終わると、今度は走行距離実験。やはりちょっと良くても実際三キロとかをしっかり走らないと、わからないことも多い。そこで、当店を中心に約五キロほど大回りしながら商店街等を走り回り、部分調整などをして、完成度を上げていく。

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 うーん、なかなかいい絵でありますね。働く自転車という感じがしみじみしますな。

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 後は、実際に乗ってもらって、感想や調整などをする必要がありますね。なんといっても二十キロのコメを運ぶんですから。

 あと、このカートは簡単に取り外しもできるので、駅までこの状態でいって、そこからカートだけを引っ張って、電車に乗ってもいいわけです。ミュージシャンなんかいいんじゃない?

 また、この状態でスーパーに行って、カートを外して、店内で買い物してそのカートに積んで、それをそのまま自転車に取り付ければ家までもって帰れるんですね。

 そういう意味で、米屋さんだけでなく、もっと幅広い用途があると思いますんで、この施工これからドシドシやっていこうと思います。

 しかし、逆に考えれば、七十をゆうに超えて、背中の丸まった高齢者が、まだ二十キロのコメを自転車で運ばないといけないの?と素朴に思う。

 さんざん働いたんだから、もう少し楽な老後はないのかね?と少し腹立たしく感じることもある。

 海外から来る観光客が、日本は年寄りがよく働く国だと、うつるそうだ。さて、これがいいことか悪いことなのか?色んな意見があるだろうが、仕方ないとだけで済ませたくはない・・・とは思うんだがね。

 第三段に続け!カートの牽引は、多少重いが、重心を取らなくて言い分、楽で安全です!

金属いじり たまには奥さん孝行 剣を直す



 こういうものがある、模造刀である、当店には何本もあるんだが。もちろん刃が付いていないので銃刀法違反にはならない。何に使うか?というと。

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 これって・・・。これじゃあなんのことかわからないな。頭に剣をおいて何してんの?ってなもんでしょう。

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 これならわかります?そう、この濃い化粧に衣装なんていうのはとても日常の姿ではない、はい、店主の奥さんはダンサーなのでありました。

 しかし、剣を使って踊る?剣の舞?

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 まあ、そんなもんですね、中近東近辺の舞なので、この手の小道具を使って舞うというのが定番なんだそうですよ、世にいう、ベリーダンスというのであります。

 なわけで、小道具としての剣というのが数本あるんでありますが、まあ、これが・・・。不器用な中学生が技術家庭で作ったような雑な作りのものだらけ・・・。

 ほとほと呆れる作り方なんであります。

 たとえば・・・、

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 特にひどいのが、この柄の周り、もう無茶苦茶ですよ。

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 これが、正常な状態だとしましょう。刃の向きが変わらないのに、

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 柄や鍔が一周ぐるりと回ってしまう、程の出来の悪さなんであります。大体がそう、回らなくともグラグラだったり、安定してないものが大半。

 頭に乗せて舞ったりするのに、可動部分があるとバランスが取れにくい。まあ、今まで見たどいつもこいつもひどいものばかりだったんだが。

 こいつもその中でも相当のもので、知り合いがエジプトから輸入したものの、あまりの使い勝手の悪さと、まあここまで来ると不良品だよね、でもまあ、あまり良品と不良品の区別がないところがこの辺のものだそうなんだが、捨てても構わないが使えるなら使って、と置いてったものだそうだ。

 さて、金属ものだし、何とかしないとね。

 とにかく観察から始まって、最小の手で、どうやったら固定できるかを考える。こいつは切り欠きもんだな・・・と、早速作業に。

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 まずバラす、構造は単純。しかし真鍮臭い・・・。

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さて、鍔の方に、切り欠きを入れて、その溝で剣が回らないようにする。

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 よし、まずは無加工の剣を鍔に通す、この段階でもう回転はしない。

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 そして、この柄の方にも同じく切り欠きを入れて、剣の根本を差し込んで、刀身と鍔と柄を一体化させる、いい考えだなあ・・・。

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 真鍮なんで、日頃ステンレスなどを扱っている身からすれば、柔らかいねえ。

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 そして、刀身、鍔、柄が一体になったら、それをねじ止めするが、その間にスペーサーを挟んで固定する。

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 よーし、刀身の根本が鍔と柄に食い込んでいますね、これでは回りようがない。

 反対を見てみると、

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 上だけでなく、下からも食い込んでいるので、まあ通常の動きでは絶対に回ることはない。

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 と同時に、刀身にも少し切り欠きを入れたので、鍔と刀身が十字に食い込んで、鍔自身の固定もされている。

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 これにて完成!全く動かなくなった剣で、ダンサーたちは安心して舞に集中することができるようになるでしょう。

 さーて・・・。10月になってサイクリングにはとてもいい季節になってきましたね。気温も低くなって、空気も乾燥してきました。

 気持ちは、もう散々コロナ我慢したし、もう・・・なんとか、集団免疫かなんかできちゃって、意外ともう大丈夫じゃない?なんて気にもなりそうでありますが、一体どうなんでしょうね。

 コロナ以来、ダンサーさんたちはショーのスケジュールも全て潰れて、なすすべもない。仕方ないのでこの時期にでも道具類の調整等をするか?なんて動きになりそうと同時に、やはりそろそろダンサーとしての活動をしだしてもいいかな?というところに来ているのかな?

 しかし、一体この秋から冬・・・、どうなるんでしょうね。

 どうも、新政権はアカデミックなご批判がお嫌いなようで、回りに御用学者を配置しているようですな。統計を改竄したり、隠蔽、廃棄とやりたい放題の前政権を受け継ぐようなんで、コロナの実態もよりわかりにくくなっていくんじゃないか?と思いますな。

 自助だ共助だというのなら、せめて情報くらいまともなものをよこせといいたいが、それも期待できない。

できることを自転車以外でも広げておいて、とにかく生き抜かないとね。そんなわけで、全国の剣でお困りのダンサーさん、この程度で良ければ、直しますよ!

 なんなら自転車乗って、剣でも振り回すか?

Iチューブと言うんだそうです!



 もうご存知の方々も多いのかしら?こんなヘビちゃんのようなチューブがあるんですよ。これは・・・、同業者?または自分でやりたがる方々への朗報となるかもしれませんね、地味な内容ですが、要チェックです。


 これ通常は輪っか状態のチューブをはさみで切ったものではありません。ちゃんと最初からこの形をしているチューブなんであります。

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 切り口・・・というか両先端がこんな感じになっています。この垂直というのが加工的に難しいのかな?なんて勝手に思いますが・・・。

 で、勘のいいかたはもうお分かりですね。

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 しかし、まあ、なんていうのかね?実用車というのは、作っているうちにこうなっちゃった・・・・的な出来で、できたらもう知らん・・・という感じがもう伝わってきて腹立たしきこと、この上なしなんだな。

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 とりあえずは、原型としてまずこういうものができたとして、さて実用上は・・・といって、たいてい作り直されながら、改良改善というものが行われるんじゃないか?と思いますが・・・。

 もちろん実用車でもそうした過程は少なからず通ってきたと思いますがね・・・。大切なのは、どの視点からの声を取り込んで、改善改良したか?ということでありますがね。

 「スカートでも乗れるようにして!」なんて声を取り込んだもんだから、後輪にスカートガードなるものが付いているでしょうね。そんなこんなで、使い手の声と、後は作りての採算なんかとか、デザイナーの視点とか入れて、今日の形になってきたんだろうねえ、多分。

 そこに、メンテする側、街の自転車屋の声が入っていたか?というと、まあないね。メーカーは街の自転車屋のメンテ側の視点などほとんど見ていないね。自分の工場のラインのことばかり考えていたんじゃねーの?
 
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特にいくつかの電動自転車なんかはひどいね・・・。もうタイヤ交換なんてことも想定していないんじゃない?と思える作りをしているものすらある。

 複雑な方が工賃取れて、お前らの仕事になるんだろう?こっちは作るので精一杯、あとはそっちでやってくれ!と言わんばかりに見えるぜ。

 愚痴はこの辺にして、レーサーなんていじっていると、もちろん乗り手の快適さと、機能向上を狙っているのはわかるし、そして、メンテしながら乗り続けることを前提としているため、メンテもしやすくできている。レースに勝つことを原則としているレーサーには、乗り手と管理者との両立が図られている。

 実用車ももう少しどうにかならんのかね?あのクソ重い電動自転車をスタンドから荷台から泥除けからすべて共締めして、チェーンの外しにくいカバーとエンド、複雑な変速機構に、ハブ連動のバンドブレーキ・・・ちょっと勘弁してほしいわ、マジで・・・。

 共締めだから、一度外したら、自立しない、補助スタンドで立てても重いからグラグラしやがるし・・・、危ないよね。本当、少しはメンテしやすさということも考えろよ!重い分だけタイヤ交換の頻度は短いんだよ!

 再度愚痴はこの辺にして、つまりだ、後輪外すのが非常に面倒で時に危険も伴いうるということ、なんとかしろって話なんだが、先のチューブがパーツとしてこの大問題に挑んでいるともいえるんで、朗報といいたいわけだ。

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 これ見ればわかるとおり、通常チューブ交換は後輪を外さねばならないんだが、このチューブは外す必要がないということ、これだけでも相当作業は効率化できるよね。

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 タイヤを開いて、この一本棒のチューブを入れていく。その際の空気を借り入れするんだが、その量はちょっと問題というか、気をつけないといけません。

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 ちょうど先の垂直の輪切りの面をピッチリとくっつけないといけないのです。この際に、空気を入れすぎると、チューブが余って途中どこからかはみ出てしまう。

 逆に少なすぎると隙間があいてしまう。この取り付けの段階でぴったりくっつけるというのが大切なんだそうだ。

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 あとは通常の工程と同じく、タイヤをリムの入れてエッジに引っ掛けていくことを繰り返せばいい。

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 あとは普通に空気を入れると完成ということだ。

 これ昔の緊急対応のテクニックからヒントかな?とも思います。もし山の奥でパンクまたはバーストしてしまい、代わりのチューブがなければどうするか?なんていう過酷な条件が起きたとしたら・・・。、皆さんどうします?

 もちろん極限状態でなければやってはいけませんぞ!

 その上で、いうと。まずそのパンク箇所を特定して、その位置をチェーンリンクに押し付けて、切断する。そして切断した両端を硬結びする。硬く結んで、空気がもれないようにする。それをまたタイヤに戻して、空気を入れる。結んだ拳骨が二個あるところはゴロンとするが、それで人里まで静かにふんでいくという緊急対応ね。

 もちろんチューブのどこでパンクが起きたか?ということによるんで万能ではありませんが、ちょっとどこか覚えておいていい方法かもしれませんね。

 ということで、作業効率を考えると、このチューブはいいかもしれませんね、大変。まあ暫く特殊な製造ということで当然ながら割高になるでしょうが、まあどちらをどう取るか?ということかと思います。

 ちょっと検討する余地はあるかもしれませんね。実用自転車で遠出をする人、通勤する人なんかにも朗報かもしれませんね。

七色のホイール!



 七色のホイール・・・。正確には七色のニップルのホイールといいますか?

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 全部で、大体七色ぐらいににはなったかな?ということで、組んだホイールなんですが。まだ癖ありですぞ。

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 通常ではよくやる一ネジリ、をもう一ネジリして、二ネジリにした組み方です、別に大意はありません。

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 で、すごいのがこれ。このハブはあのスターメーの、固定内装三段ギアという、大変珍しいタイプのものであります。

 当店でもまだ、ほんの数台しか出ていない・・・。もったいないね、固定ギアでペダリング修正なんかをしっかりしながら、多少の丘陵もこの内装ギアで、そこそここなせる。最高の、練習機として、やる気のあるロード乗りの方々からは引っ張りダコになってもいいはずなのに・・・、まだほとんど受けていない。

 なんでだろう?まだまだ固定ギアの真の良さというものが、伝わっていないのかしら?

 予告です。

 今度この内装固定三段ギアを使って、画期的な山仕様の六段固定ギア練習機を作成する予定ですので、好ご期待。といって、まだ内装固定三段ギアだって、ブレイクしていないのに、その先行ってどうするの?と思われるかもしれないが、まあ、未来の選手の練習方法の多様化というか選択肢を広める意味で、そいつを作ってみることを誓います。

 相当すごい山岳仕様の固定ギア六段車ができると思いますので、お楽しみに!

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 ハイ!というわけで、ピンクのリムに七色のニップル、そして内装三段固定ギアなるハブを中心に一本組み上げたわけであります。

 そして、こいつのペアとなる相方を紹介しましょうか?

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 こいつもピンクのリムに、七色のニップルが付いています。そしてスポークまでもこいつはピンクときている、凝っているねえ。

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 あれ?こっちもねじっていますね、ハブは前輪のハブダイナモかな?

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 二本取りの一ネジリ。ネジリスポークは過度にスポークに負担をかけないようにするためには、取る本数を少なくしてやるということも重要です。

 この場合は二本取りですね。隣どうしを交差して一回ねじっている。理にはかなっているかな?先の二ネジリも今回はスポーク長の関係で六本取りにしたんだが、あれば四本取りでも良かったはず。

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 さて、この前後のピンクホイールが、どんな車体に付くのでしょうか?楽しみというよりも、怖いもの見たさに近いかもしれないね。

 多分、このホイールを前後に取り付けた、ぶっ飛ぶような、完成車できたら見せに来てくれるんじゃないかな?と思います。楽しみ・・・というより、オドオドまちましょうかね?果たしてどんなのが?かな?

老化現象か?ケツがうるさくなったのか?



 こんなサドルを試してみる日が来るなんて・・・、何かもう普通のサドルじゃないのよ。店主は生来ケツがうるさくない乗り手の端くれで、サドルは何を乗っても、それなりに適応できたんだがね。

 ただ、柔らかいのは勘弁だな、あれは腰の位置が決まらないので、ダメだ。その分逆に硬いサドルなんて、ほとんどなんてことなかったんだが・・・、ところが、どうもよる年波か?堪え性がなくなったためか?ちょっと倦厭したいものが出てきたことは事実なんだなあ、残念ながら。

 そんで来たのがこれ。でもこれ普通のサドルではありません。

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 ほらね!っとこれだけで、ア、本当だ!とわかる方は相当マニアックな方でしょうね。なので、比較させましょう。

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 これと比べてどうでしょう?もうわかったかな?

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 こうして並べてみると一発で解ると思います、レールの幅が違うんです。左のレール幅約40ミリが標準で、右のやつが30ミリという特殊系のサドルなんですね。

 でなんで?なんでまたそんなどうでも良さそうなところにこだわるのか?

 それが、またどうでもよくないところなんで困ったもんだったわけだ。

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 こいつが店主が長年愛用した、競輪用のサドル。俗にいう鰹節という非常に固くて丸っこいサドルなんですわ。硬いのなんのって硬い。ただ、かつては全くへっちゃらで、200キロ近いツーリングのときにも、これで走っていたんで、本当なんてことなかったはずなんだが、どうも最近コイツだと五十キロ超えると、何かあまり仲良く慣れない感じなんでね。

 だったら、普通のサドルに変えればいいじゃん、と思われるでしょうが、それがこいつ競輪用サドルって大きく分けて40ミリ幅と30ミリ幅のものがあって、こいつは後者だったんですわ。

 ということは、こいつを支えているピラーも当然30ミリ用のピラーなんであります。

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 ピラーの金具を外してみると、こんな感じで、こいつが30ミリ溝でできている。

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 ということは、新参でやってきたサドル幅を30ミリにしなければいけない理由がわかるでしょ?でないと、サドルだけでなく、ピラーまで総取っ替えになってしまうからね。

 ところで、通常のサドルが40ミリの中で、競輪規格以外で30ミリ出しているとこなんてあるのか?というと、それがあるんですね。

 それが奇跡の問屋、東京サンエスさんなんであります。ここはまさに奇跡的な品揃えというか、品づくりからはじめて、それを営業ベースにもっていっている、奇跡的な商社さんでもある。

 あのオフセットをいくつかの中から選べるフォークなんてこと、よく考えるし、作るし、そして売るよね。

 クランクもラクランクといって、130ミリから5ミリ刻みで170までのクランクを作ったり、実にポジショニングのなんたるかを心得ているところでもありますが。

 このレール幅を10ミリ狭くする規格も良くまあ採用したよね、大感心なんであります。

 ペダルを真下に踏みたい人って、結構いると思うんだけど、サドルが狭いとそれが一歩またいい位置に近づける感じがするんです、これ本当。

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 長年ありがとな、少し寝かせて、君の行く末を考えるから、おつかれさんでした。

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 次はお前さん、よろしく頼むぜ!とはいえ・・・

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 少々柔らかいんだよね・・・、まあ、店主のケツも高齢になってうるさくなったようだからこれでいいのかもしれないな。

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 ちなみにこいつが街道使用のピストね、リアが19T。

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 フロントが44tなんで、ギア比でいうと2.3てなもんだ。固定ギアなんで、ケイデンス計なんていらない、スピードメーターがあれば、24キロから27キロぐらいでているとケイデンス80〜90という数値が計算上はじき出される。安いサイコンなんて今二千円しないよね、ワイヤレスも。

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 街道仕様なんで、前後ともクイックレバー式、15ミリのレンチは持ち歩かない。

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 カンパがリム単体を作っていた頃のもの、アトランタ96といえば、色々と思い出のあるリムだよねえ。

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 そんな感じで、高齢者用の街道ピスト、ペダル矯正号が完成した。体も温まるし、これからの季節いいよね。ロード乗りの方も秋冬から、固定ギアに乗り換えて、荒れたペダリングを直していくなんてことするのもいいですぜ!

 ということで、柔らかいので若干不安ではあるんだが、暫くこいつで、30ミリ幅のこいつで行こうかと思うわ。

 そして乗りながら、まだまだできるポジションパラメーターについて考えよう。最近、チラチラしているのが、いわゆるQファクターというやつ。ペダル同士の距離ということなんだが、こいつが狭いのはアドバンテージがあると思う。

 クリートの調整、そして、それもまたサンエス系にあった、クランクのペダル雌ねじ回りのザグリとスペーサーという方法があるんだが・・・、これを無段階でできないか?なんてこと考えるね。

 自分にあったQファクターをミリ単位で調整できたら・・・ちょっと天下取れるかもね。そんなこと考えながら走ります!

秘密兵器登場 すごいことに・・・



 こんなやつが入ってきた。

 
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 メーカーなどはもうどうでもいいんだが、重い鉄フレームね。

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 デザイン専攻で作られたんでしょうな、そういう意味で学ぶところありなんだが、内容としては色々いいたいことはある、振れ取りする必要がある重いホイール。

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 ブレーキレバーはそれ専用、手元変速ではない。

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 シフトはステムの首元に付いていた、Wレバーもの。本気のレーサーでないこともわかる。

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 ボスフリーに、まあ変速できるディレーラーが付いている、そこそこ、そこそこ動くものね。

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 このクランクもデザイン重視なんでありましょうな、新車の時にはインナーは金だったのではないか?アウターもそうだったのかもしれませんね。

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 一見カンパのスケルトン?まあみ間違える人はいないと思いますが、なんとか止まれるブレーキが付いている。

 と、何もかも、手前手前のパーツ類が付いているなんちゃってレーサーに過ぎない車体なんだが。

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 ピラーが抜けないで、大変苦労した。タケノコ掘りして、何とか、ここまで持ってきた。

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 シムのように見えるのが、前のピラーのエッジが残っている。スゲー手間のかかった施工だったのだ、でもその必要があった、それをする必然性がこの自転車にはあったのだ。

 実はこの、自転車の持ち主は。まあ、自転車については、ほとんど何もわかっていない方で、すごい状態で持ってこられたんでありますが・・・。

 でもその方、ちょっと違う。いや、大分違う。何がって、体が。

 体が常人はとは大分違う、相当なにかをやっているとすぐわかる。

 聞いて驚いた、店主の想像を絶していたんだな。店主としては、相当レベルの高いアスリートであろうとは思っていた。
 
 ところが・・・、何とフルマラソンを二時間半で走りきってしまう、身体能力の持ち主だったのだ。

 そういえば・・・、当店にはあの男がいたんだな・・・あの男が。

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 ニシキのアキラくんという男。この男は四十半ばの、大変働き盛りのフルタイム労働者でありながら、何とフルマラソンをあと数分でサブスリー、つまり三時間を切るスピードで走る期待のランナーだったんだな。

 自転車好きの彼がサブスリーとなることで、四十過ぎでも自転車絡めたトレーニングで、サブスリー夢じゃあない、ということが立証できたら・・・。

 ランナーという無尽蔵の海に網をかけられることにならないか?ということね、その希望を持ちつつ、ニシキのアキラくんサブスリーを今か今かと待っているところだったんだが・・・。

 まあ、彼の活躍は今後も当店の楽しみと、実益のためにとっておくことにしておいて・・・。

 いきなり来たのが、何とすでにフルマラソン二時間半だというんで、ぶっ飛んだね。

 そこで、彼に膝に負担をかけないで、心肺機能を伸ばすトレーニングとして、自転車を使わないか?ということを提案したんだな、例によってね。

 そのために、直せるところをすべて直して、さて完成という時、ピラーが変だぞという事になり・・・、これは取り替えないと・・・となり、大変だ固着して外せねーということになり、今回たけのこ掘りで何とか回復ということだったんだな。

 膝に負担をかけないという触れ込みで、再生させているわけなんで、ピラーが動かないなんて、話にならない。そこれもって必死だったということだ。

 さて、まあ、何とか、すべてのギアを使って、走れるようになったこいつ。

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 自転車としてのグレードだとか、何とか細かいことは抜きで、まずは二時間半の足をより速く、そして心肺機能をより高くするために役立てよな!

 そしてそれだけの足をもっている選手からして、すぐに自転車トレーニングの功罪というか、効用がわかってくると思う。それでもしこの選手が積極的に、自転車をトレーニングに取り入れながら、かつ自己記録が伸びてくることがあるとすれば、これはまあ、すごいことになるだろうね。

 ニシキのアキラくんにも刺激になるだろうし、トレーニング法として公開したら、少なからずのランナーの反応することとなるだろう。

 マラソンの成績向上に役だとしたら、他の持久力を使うすべてのスポーツ選手が反応してもおかしくはなくなるはずだ・・・・かくして、クロストレーニングとして、自転車に注目が集まるかもしれないね。

 漕艇競技ではすでに実績はある、四国の武田選手が世界選手権で優勝しているっていうじゃんか。

 そして、最近来た元プロボクサーも、必ず自転車にハマるはずだ。まだスパーリングにも呼ばれるという彼だったら、自転車の可能性を引き出してくれるだろう。

 そして、二時間半のランナーがやってきた・・・。

 もうこの際自転車の細かいスペックなどはどうでも良い、膝を壊さず、一定のポジションが取れて、シフトができて、ブレーキで制動できれば、まずはそのすごいエンジンをより高い次元にもっていけるか否かに賭けるだけだ。

 面白いことになってきそうだ・・・。自転車はそれだけじゃ走らない、走らないんだよ。人と結びつくことによって初めて走るんだよ。その人が星の数ほどあるから、自転車は面白い、自転車あるからじゃない、乗り手がいるから自転車は面白いんだ。

 つまらんライダーの乗る一級のレーサーと、スゲーライダーの乗るどうでもいい一台と、一体どっちが面白い?物語は後者が紡ぐ、前者の出る幕などないんだ。

 いやー、面白いことになりそうだ・・・。 

カーボンフレームリスク



 最近は他のショップには行っていないので、その割合はわかりませんが、カーボンフレームの割合も大分増えてきたんだろうと思います。

 車種と価格帯によってはカーボンの方が多いかもしれませんね。エントリー系はまだアルミなのかな?

 カーボン車体の値段も大分下がってきているようです。ネット専門で、店舗を持たないメーカーのものは、その分かなり格安価格で出していますね。

 いろんな状況から、カーボンの車体は買いやすくなっていると言ってもいいでしょうね。

 世代によっては、最初からスポーツ自転車はカーボンなんて方々もいるんじゃないかな?鉄から、アルミ、アルミからカーボンという段階を踏まないで、最初からカーボンという人も大分いそうですね。

  と言っても、子供の頃から乗る自転車、実用系のものは大方鉄なんで、その辺を乗りまわしながら、自覚的に自転車を取り入れようとしてカーボンにまたがった時には、それはそれは衝撃を得たんじゃないか?とは想像つきますが。

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 読みにくいですが、フォーカスというメーカーの、

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 カヨというんだそうです。これ実は事故車として入ってきたんですね。もちろんカーボンです。

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 横断中に右折してきた自家用車と接触、乗り手の勘がさえていたため、「アア!当たる!」と判断して、逃げるように一踏みを踏ん張ったため、ガツン!という一瞬の衝撃から踏み逃げられ、危うく落車は免れた、という状況だったようです。

 まずライダー自身に怪我はない、それは第一に良かったこと。そして、それから補償交渉が始まります。

 相手の保険会社が、見積もりを要求。当店が引き受けるという形。

 鉄、アルミとい金属系なら目視でかなりのことがわかる、そして、フレームの曲がり歪みなどはジグにかけて計測すればわかるし、その段階で修正できたりもするので、扱いやすいんだが。

 カーボンとなると、素材とフレーム設計という二重の難しさから、目視での判断ができにくい、という状況があります。

 カーボンフレームのリスクというと、まずはこれであります。事故にあった際、フレームが安全に乗り続けられるのか?どうかの判断が、目視ではできないということなんであります。

 もちろん折れてしまっとか、陥没しているなどという明らかな損傷があれば、別ですよ。問題なのが、目視で事故の形跡が確認されない場合があり、その際の安全性を判断することができない、ということなんであります。

 その場合どうするか?というと、パーツ類をすべて外して、フレーム単体にして、それをカーボンフレームの検査会社に外注に出さないといけなくなります。

 その費用が馬鹿にならない。すべて外して、箱に梱包して、送料払って送る。外注検査に出して、それがまた戻ってくる。仮に安全性が確認された場合には、それをまた完成車組み付けないといけない。多くの場合その際にはチェーンやワイヤーなどの消耗品は交換される・・・。

 となるとこれら全部を含めると、七万から八万ぐらいはざっとかかってしまう。

 これは結果が安全と出た場合で、もし使用不可という判断がくだされたら、それプラス新車、代車の費用がかかってしまう。(使用不可の場合はそれ以上組み付けないので、七八万はしませんが)

 今年になって、この手のカーボン車体の外注案件、三件ほどあったかな?その三件とも、その結果がどう出るかわからない外注検査については、見積もり止まりで、一度も受けないという判断になりました。

 受けてダメなら、補償させられる新車代に上乗せされるから、というのが理由のようですね。

 保険会社が難色を示す、または事故の相手方が難色を示すということだと思います。補償交渉も難航するんでありましょうな、何がどうしてどうなったんだか知らない結論が、いきなり出てきて、驚かされることもしばしばある。

 事故車を当店に何週間、何ヶ月と預けっぱなしで、見積もりだけでも何度も取らせて、一定の補償金額が取れた暁には、「手数料お支払いします」で終わってしまうこともかつてあったなあ。もちろん大した額など請求できるはずもなし。

 ただねえ、見積もり作るんだって大変なんだぜ。一々細かいパーツの値段調べて、それを十幾つと見積書に手書きして、計算して・・・を繰り返す。

 保険会社から検査員が来たりして、その対応だってコチラがするんですぜ。一時間以上は取られることはザラ。

 そして店の片隅には、事故車として下手すれば一年以上おかれることだってある。

 そんなことがあってもだ、理想を言わせてもらえば、事故に遭う前の自転車生活にまで戻せるよう、見届けたいもんだがね。特に若い子たちには、ひと回り太くなった自転車生活に戻せるまでね・・・。

 まあ、自転車屋にしかできない面倒な実務的作業さえ終われば、後は用無し、その先はお客様扱いしてくれるところに任したい、といお気持ちはわからないでもないんだが・・・。まあ、当店は普通の店ではない、イヤ、店ですらないのかもしれないからなあ・・・。

 実際のやり取りは妻子にやらせておきながら、電話だけ威勢のいいどこかのオヤジがいたなあ。「一体お前んとこ、どんな商売しているんだ?!」と怒鳴りつけてきたことがあったが、今答えてやろうか?

 ガキや、若モン相手に商売なんぞしてねーよ、と。

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 「もうこれで長距離乗るの辞めにします」と。ブルベなど盛んにやってらした、成熟したライダーさんは言った。

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 常に患部に気をつけながら、静かに街乗り専用にします、と。

 今回は最低限の補償にすら届かなかったようだ。最初の電話対応から良くなかったと。それでもだいぶ食い下がった、自分のためだけじゃあない、スポーツ自転車補償のための基準確立のために。

 「五年以上乗っていますと、定価の10%ですから、3万円上限ですね」と即決されたとか。いまどきそんな杓子定規な会社もあるんですね。有名な保険会社でしたが。

 流石にそれはないということで、担当者が変わって、交渉は続いたそうですが・・・、先の担当者さんは派遣の方だったのかしら?

 入手しやすくなってカーボン車体を選ぶ際のリスクがあるとすれば、事故にあった際、損傷が目視で確認できない場合、ショップに持ち込まれたら、どうしても外注の非破壊検査に出さねばならないだろうということ、これが補償交渉の足かせになってしまいうるということ、これは頭に入れておいてもいいかもしれませんね。

 まあ、新車購入の時、事故に遭うなんてことまで頭に入れて買う人はいないのかもしれないが、これが現実よ、ということだけは指摘しておきますわ。
 

再生号にカゴが付く



 鉄道研究者ができれば一生乗りたい、ということでもってこられた自転車が、先々月この形となって再生され、引き取られていった。

 アルミという金属にも、もちろん耐用年数はあるだろうが、まあ、できるだけ長く、できれば一生こいつに乗っていきたいということで、この時もだいぶあちこちいじったもんだった。

 そして、納車の際、カゴを付けてほしいというご要望もあったんだが、まずはこの車体自身がもっている性能というものを体感してもらいたいということもあって、まずはこれで納車した。

 そして、数ヶ月体感してもらいながらも、実用としての用途も重要ということで、カゴの取り付けというご要望を実現するために持ってこられた。

 学者さんだと、荷物に本類は大分あるだろうと推測すると、そこそこのデカさと丈夫さがあるに越したことはないだろう。早速取り付けよう。

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 カゴを取り付ける前に、それを乗せる台座を用意した。十キロ以上のものでも大丈夫という前のキャリア。

 このように下から支える形式、まあ最強に近いかな?

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 マウンテン系統ということでダボが多い、それはまあこの手の取り付けには有利に動く。

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 下から支え、そいつが前に移動しないため、金具で止める。この金具の止めるだけの役目なので、さして頑丈である必要はない。

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 フォークにキャリパーブレーキ取付用の穴が空いていたので、そこを利用して、ボルトナットどめ。

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 このキャリアにデカ目のカゴを取り付ける。

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 ただし、取り付けの間隔は離れているほうが強力だ。なので、上部については、フォークコラムからの延長金具で止めることにする。

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 長いステムに下に沿うように伸びている取付金具が見える。こいつでちょくにカゴ自身が前にいかないように止める。ほぼ完璧かな?

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 ハンドル幅からすると、カゴの大きさが解ると思いますな。

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 スポーツ車の特徴はハンドル位置があまり高くないことなんで、カゴの面積は広めにとって、高さはできれば低めのものにする。

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 黒いキャリアに、シルバーのカゴ、ちょっと統一感がないようにも見えるが。

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 フレームがシルバーで、フォークが黒というもともとツートーンの自転車、なのでフォークの高さと合うキャリアが黒で、その上のカゴがシルバーというのは、意外といい組み合わせかもしれないね。

 ということで、これにて、依頼者にとってはほぼ完璧なスペックとして完成したことにある、実用としても使い勝手も大変良くなって戻ってきた。

 まずはこれでしょうね。しっかり乗って、使ってもらいながら、定期的なメンテを欠かさずに、フレームが破断しないように注意して乗っていけば、もしかして、一生乗り続けられるかもしれませんね。

 もうその時当店はないかもしれませんが・・・。

 まずは完成、よく仕えてほしいもんだ。

市販品を疑え 市販品とフレームの相性を疑え



 こちらの発想を先回りしているような、小物を作っているとこなんかを発見すると、やった・・・と思う。なくても自分たちで作っていたものが、より精巧に出来上がっているものを見ると、小躍りしたくなりますな。

 こいつもそのうちの一つだね。

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 これはこの形状からしてもわかるとおり、正爪用の後付ディレーラーハンガーなのだ。自作していた時が懐かしいと思うくらい、その期間が長かったなあ。

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 こんなやつをポン付けして、そこにディレーラーなんかを取り付けて、シングルギアもの、ピストフレームなんかを多段化するのに使ったりする。アルミの削り出しだし、見た目も精度もいいだろうとニコニコで取り付けて大満足!と行きたいところなんだがね・・・。

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 この度々登場している、我が愛車。

 大師匠の高村さん作のラバネロピストフレーム。もう二十年前か?図々しくも工房にズカズカ入り込んでは、このフレームの仕上げなんかまでやらせてもらったりして、思い出深い一本なんであります。

 ただ、もうバンク練習とかにはだいぶ行っていない、川崎競輪場の練習会なんて、まだやっているのかしら?こちらでいうと京王閣なんかでやってくれるとありがたいんだがねえ・・・。

 で、街道用に多段にしたわけだ。

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 ただ粋がって、カシマなんて鰹節付けて走ってますがね。こいつの多段回りにこの上の金具類が使われています。

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 こんな具合にね。しかもよく見ると、この市販の台座の下にもう一個下駄履かせています、ディレーラーを下げて使うためにね。というのも・・・、

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 クランクを130ピッチもんなんかを使っているわけで、その分スプロケを少々デカくしたいという思いがあった。これだって、恥ずかしながら11ー32ですぜ。11なんて当然使いませんので、もう少し老人にあったスプロケ開発お願いしますといいたいところなんだが。

 最大で32ですぜ。こうなるともう二昔以上前のディレーラーなんて、完全想定外なんで、下駄などをはかして、機嫌とってやらないと、働かないわけです。

 でもって、条件はまだ重なる。このディレーラーはだいぶ前のアルテだったかな?シマノものなんですが。

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 当然店主の場合、手元変速はエルゴなんであります。つまり、シマニョーロ形式でやっているんですね。このちぐはぐセッティングなんですが、グロータックさんのイコールプーリーなんて使わないで、旧態依然のシマノー1の形式でやっています。

 かつてはこのセッティングだいぶ大変だったんですがね、最近のものは比較的簡単になってきた。なんでだろう?

 だいたい、もうカンパなんて、シマノ競り合うのやめたらいいのにね。ワイヤーの規格も同じにしろよ。スプロケの間隔も、なんならフリーの形式だって一緒にすればショップは助かるんだがね・・・。

 そんなこんなでアテナ11速のエルゴでもって、シマノ10速を引くという典型的なシマニョーロでやっているんですね。

 なので、シフトのセッティングには日々敏感であるにこしたことはない。

 そんなある日、入りにくいギアを発見・・・まあよくあることだと、点検していたんだが、これが小難しい。

 このチェーンの暴れ方は尋常じゃない・・・なんだろう?

 原因なんだと思います?

 言われてみれば、アア、なるほど確かにねえ、となるんだが、それは気づいてから後追いでわかること。

 合わねえ・・・なあ・・・。の繰り返しで、一からやり直すことに。

 この一からのやり直しに必ず必要なのが、こいつ。

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 これね。ハンガー修正工具。しかも精度のいいやつに限ります。感覚で直す、簡易なものでは絶対にダメ。

 これを入れて、ハンガー修正です、

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 市販の取付金具に、更に市販の下駄を履かせているんで、それは当たり前だと後から気づくかもしれませんが、一応市販品、しかも相当精度がいいように見えたものなんで、そこにたどり着くまで少々時間がかかってしまった。

 しかも、ハンガー取り付けなんて想定もしていない、ピストのエンドですから、もうその土台そのものから疑ってかからないといけません。

 と同時に、店主のように最大32tなんてデカイスプロケを付けていると、このハンガー曲がりの修正がとても重要になります、繰り返しますぞ、昨今流行りのデカイスプロケをつける際には、落車の如何にかかわらず、まずはじめにハンガーの曲がりを精密にチェックすることであります。

 ハンガーの中心から離れれば離れるほど、誤差の影響がでかくなってくる。海図で1度間違えると、到着港が100キロ以上ずれてしまうこともある・・・というのに似ていますね。

 ちょっとのズレが、一定の距離を過ぎると許容範囲を超えてくる、それでありますぞ。なのでいいハンガー修正工具を入手して、チェックの励行をお願いします!と同業のご同輩にはご提案する次第であります。

 と、そんなこんなで、機嫌を取り戻した元ピスト。

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 暫く快適に走るでしょう!日々の点検怠りなく!



お見事自作ブレーキ台座



 シンプルなやつがやってきました。

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 うーん、これじゃあわかりにくかな?では・・・

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 これなら一発ですね、シルクであります。全開の東京五輪の際日本選手に自転車提供したのがシルクだったと思います。

 今は、鳩山に工場があって、荒井さんという方が引き継いている。

 この自転車なんだが、何が面白いかというと?

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 ブレーキ台座なんであります。

 かつてのガチピストだけに、ブレーキなんて取り付ける形式などまったくないのであります。そうなると、昨今の後付台座をフォークに取り付けて、そこを起点にブレーキをかけていく、ということでもするしかないのでありますが。

 ちょっとした腕と、道具とアイデアがあれば、斬新なものが作れることもある。

 これがその好例になるかもしれませんね。

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 こういう工夫をしていますね。形も面白いし、このフォーク独自の形状をうまく利用・工夫していると言えます。

 最初に難を言えば、支点からブレーキが離れるほど剛性がなくなるという原則からいうと、もう少し短くすることもできそうですが、それでも自転車業界とは関係のない方が、よくここまで、しかも見た目もかっこいいものを考案して作れたなあ、と大感心であります。

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 昔のレトロ系のフォークによくあるやつで、このようにボルトを二本差し込めるような空間の空いているものがありますね。

 この二本のボルトを一枚目の板で固定し、延長して二枚目の板にブレーキを取り付けた。お見事ですな。

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 31.8のクランプのドロップハンドルをひっくり返して使っていますね。

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 リアも自作のアルミ板でシートステーをに挟んでいます。

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 パッと見、市販の板よりも厚く、形状の縦幅を短くしているんで、スッキリ見えます。

 今まで、市販のブレーキ板をほとんどそのまま使ってきたことについては、もう少しどうにかならないかな?と使いながらも思っていたんだが・・・。

 見た目もきれいに作るとなるとやはりかなり手間がかかる。それに時間と手間代を惜しまないお客がいるんなら、もう少しどうにかなったかもしれない・・・とも思う。今からでも遅くはないか?

 そういえば、店主自分のピスト多段レーサーのブレーキ板については、少し凝った細工をしたことを思い出した。

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 これね、どうしてもショートリーチのブレーキアーチを使いたかったので、シートステーブリッジの真ん中に穴を開けなければならなかったんだが。6ミリのシャフトを入れる程の余裕がない・・・どうしようということでステーの手前で浮かせてブレーキを取り付ける工夫をしたのがこいつであったわ、思い出した。

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 一枚の板にブレーキアーチを鬼付けして浮かせるために、シートステー幅に合わせて下駄を作って浮かせた。

 そして反対の板に、二本のボルトで固定した。今の所こいつで千キロはいくら何でも走っていると思うが、今の所緩み等の障害は出ていない。

 いろんな形状のフレームに合わせるために、市販のブレーキ板はお世辞にもかっこいいとは言えない。

 となれば、かっこいいもの作るしかないんだが、フレーム形状は星の数ほどある・・・とすれば、この手の板も、受注製作とい事になるね。まあいいんだけどね。

 でも、あまり手を出すところの少ないピストだけに、この辺の加工についての提案をハイセンスで決めていけば、ちょっとしたマイナーブレイクくらいにはなるかもしれないね。

 まだまだ、自転車にも隙間産業の入り込む余地のあるところが、あるなあ・・・本当まだまだ、やれることは多いだろう、そこを探して具体的は対策が取れれば、何とかはなってくれるんじゃないか?と楽観的に考えてみる。

 

舐めてんじゃねーよ!叩かせんじゃねーよ!



 ルックの最新型系のロードが入ってきました。これは以前当店で左右のブレーキホースを入れ替えた、その再左の油鉄砲に漏れがあって、無料交換してもらった経緯が、確かあった。

 そんでもって、今度は右の油鉄砲に支障きたしたか?と思ったんだが・・・、実際は、もっとひどい症状のものであった。

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 患部はここなんだって・・・ってどこよ?ってやな予感・・・。

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 やな予感が大当たり・・・。このボトルケージを取り付けている上のネジが舐めた・・・って、舐めんじゃねーよ!!!

 またかい、しかもカーボンじゃねー。

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 ありったけの六角レンチと、トルクスレンチを持ち出して、一番近いものを探す。六角も当店所持ものには、舐めた六角でも推進できる溝切りのものがあるんだが・・・。

 どうもこいつはトルクスのようだ。

 舐められた六角ならば、トルクスを打ち込むことで、回ることもある・・・。でもねえ、仮にそうだとしても、このネジの下は、衝撃には弱いカーボンじゃないの、叩けねーよ。

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 このトルクス小さいほうが元だったようだが、こいつで円を描いたわけで、それなら一回りでかいトルクスを打ち込むか?って、打ち込めねーよ、カーボンなんだから・・・。

 イヤー、まいった・・・、本当舐めんじゃねーよ・・・、っといって、好んで舐めた人なんてこの世にいないだろうから、まあしかたねえ・・・。

 ちょっとした秘密兵器もなくはない・・・、いやもっと歯医者が使うような、より精密で精細な加工のできるものがあるといいなあ、しかも胴体の小さいやつね、エア工具でありそうだ・・・。

 イヤイヤ、そんなもの取り揃えようもんなら、もう舐めたネジ外し屋になってしまうので、そのへんの道具類は隠すことに、さて、どうしようかな?

 まあ、今回の課題は、一度も叩かないで、外すこと・・・ですな。

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 ヘヘヘ、どんなもんだい!外してやったわ・・・。大分テーヘンだったがね。

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 外すことが第一だったんで、ボトルケージの破壊許可はでていたんだが、それを使わずに外しました。ただ、途中の工程と、外したネジの外見は省きますよ。

 良い子は絶対に真似してはいけないのでね。

 また、持ち主の方が見ると卒倒するかもしれないので、これは店主、墓までもっていきます。たまには企業秘密なんてあってもいいよね。
 
 ということで、今回を持ちまして、カーボンフレーム上の舐めたネジに関しては、その取り外し等、お引き受けしないことも大いにありますので、悪しからず、ご了解ください。

 もう本体になんかあったらと思うと、気が気でない施工は寿命を縮めますんでね。

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 カーボン車体は、走るにはいいでしょうな、イヤ、走るだけはいいのかもしれませんよ!

 その辺の続編なんかも、また続けてお話いたしましょうか、走るは最高ただそれだけのカーボン車体ってなもんで。

叩かせんじゃねーよ! キメラヘッド

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 このヘッド周りというものと、BB回りというものは、群雄割拠といいますか、新たな規格がドンドン作られては、発展したり、停滞したり、消えていったりの激しいところでございます。

 ことにカーボンフレームが登場してからというもの、オールカーボンにするためか?回転系の入るヘッドとBBシェルの金属部分をフレームから排除して、より軽量化を図るという、事が行われてきたように思いますね。

 でも、いくらカーボンが硬いからといって・・・、その方さや強度にはやはりカーボン独自のそれがあって、いくら硬いからと言って、鉄と直に摩擦を伴う接触をさせたりするのってどうなの?と思うこと多くあります。

 このヘッドの規格も実に怪しいもの、作られた当時はこれからの規格と銘打ってでたかもしれないが、五年も経つと半分は消えかかっている・・・なんて代物なのではないか?と思われるわけであります。

 上がオーバーサイズ、これは一般的なのだが、下が11/4サイズという、ちょっと聞かないものなんでありますね。ちなみに今の主流になりつつあるのは11/2サイズ、俗にいう1.5インチ、ワンポイントファイブともいうんだと。

 かつてのこの上下のコンビものも作られていましたし、今も少量ですが、作られて入ると思います。ただ、多分少量なんで、在庫から外れてしまい、入手に時間がかかってしまうなんてこともおきうるでしょうね。

 で、実際にそれがおきました、次の入手が不明・・・不明って・・・いつまで待たされるのか本当不明ってこと?こまったねえ・・・。

 そこで、上下を分けて考えてみることに。

 当店取引で、ヘッドパーツの強い業者は約二つ、ここから見るに、別々に頼まないとこりゃいつまで待たされるかわかったもんじゃない・・・。

 そんな感じやってきたのがこいつらであります。

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 一つは下のもう絶滅危惧種と言っていいのかな?11/4というサイズの下玉押しとシールドベアリング。メーカーはリッチー、有名ではあるが少々高いというのが難。

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 エエ、たったこれだけ?はい、そうなんです、こいつを収めるワンなんてもんは、すでにフレームのヘッドチューブ内という、フレーム直あてのベアリングなんですね。ここですよ、いくらカーボンが硬いからって、コチラは金属ですぜ。大丈夫なのか?本当に。

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 もう一つが別のメーカーである、タンゲからとった、上の規格もの。

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 こいつもシールドベアリングをおさめるワンがありません。ハラハラするなあ・・・。

 さあ、バラすぜ!

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 フォークを抜いてみると、なんとも不機嫌な肩周り・・・、これじゃあ、ちゃんと回らねーわけだ。

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 ベアリングを外すともっと不機嫌な下玉押しが見える、もうグレているよね。でもって・・・、来たよ、この形式。

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 この下玉押しは玉押し抜きが入る返しがないので、なんとこの変形型ノミで叩くしかないという選択。

 カーボンを叩くなんて、なんとも憂鬱なのだ。なんで、こんなことさせんだ?

 この変形ノミも、使っては研ぎ出しを繰り返さないと、丸まって厚くなった刃でフォークの方を傷つけたくないからな。

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 思い出しても身の毛がよだつ。衝撃に弱いカーボンなんだろう?だったらこうしなくても管理できる形式ちゃんと作って流布させよ!全く。

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 なんとか無事取れたが、後味は悪い。

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 一方上側はこんな感じで、これまた大変不機嫌もの。そりゃ無理もない、ガタが出るのも故ありだね。

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 さて、不機嫌の肩周りを掃除して、今度は新しいリッチーの下玉をしを圧入する。

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 スーパーオーバーサイズ以上専用のスライドハンマーを当て込んで、上から叩く。これもあまりしたくはない方法なんだが・・・。

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 よし、座ってくれた。

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 こいつはさっきの上側の不機嫌なヘッドパーツを外した所。そして次にそこに今度はリッチーじゃない、丹下もののオーバーサイズを据える。

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 はい新しいベアリングを載せて、下からも迎え入れ、そして上で引っ張り、ガタを取って、なんとかねえ。上は丹下で下がリッチーという、キメラヘッドパーツ、今回はじめてかもしれないね。まあ指定のサイズと合っていればいいということなんだろうが、探すのが大変だったぞ、全くもう!!!

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 抵抗も少なく、かつガタもなく、装着。そもそも余り露出していない地味なパーツだけに、一体何がどうなったのやらわからないままなんだろうが、中は実は結構大変で、複雑な規格をしていたということなんだよね。

 ヘッドもBB、一発JISで終わる、鉄フレームなんぞは楽でいいねえ・・・。さて一体今後どの規格が残って、その後の覇権を握っていくんでしょうか?余り興味はないが、適度に対応しておけるようにはしておきますわ。

プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
TEL・fax042-445-0487
携帯070-5083-6962
アドレス to.ke@mx1.ttcn.ne.jp

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