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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

銀のシャチホコ ソフトライド磨き

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 今となっては全く見なくなりました、ソフトライドという一風変わった自転車のフレームです。

 トップチューブの途中から蛇のように伸びたカーボン棒に直にサドルがついている。

 そのサドルから垂直にシートチューブが伸びている、というのが通常の自転車ですが、こいつはそれがない。

 ということは、浮かんだ状態のシーソーの先に座っているようなかんじ、それを支えているのはカーボン棒なので、路面からの振動をグニャングニャンと吸収してくれる・・・だから、長距離ライドに優しいというようなコンセプトだったかと思います。

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 実際に見た方が早いですね、大体こんな感じです。

 トライアスロンが盛んになって、その競技内容に合わせるように開発されたものですから、非常に独特な形をしています。

 このトライアスロンが、自転車開発に与えた影響は、小さくありません。それによって、本場のロードレースのタイムトライアルバイクが、激変しましたから。

 それはでは、通常のロードレースと、タイムトライアルの形式とで車体を変えるなんてことはほとんどありませんでした。

 そこに登場したのは、ロングトライアスロンで、最後のフルマラソンに足を残しつつ、かつ高速順行できる車体はないか?というところから開発されていったと思います。そこで起点となったのが、エアロ効果、空力を意識したシャイプというものが、車体はもちろんのこと、ライダーの試乗スタイルにまで及んだ、この影響は決して小さくはないんじゃないかな?

 ホイールがまたディープ旋風を呼びましたね。ヨーロッパの伝統というものを背負っていないところで、自由に開発された自転車達のユニークだったこと、そこまでやるか!の連続でしたね。

 広がるだけ広がった新生自転車達が、選択と淘汰、そしてレースのレギュレーションなど絞って絞り残された姿というのが、今日の「完成」された車種たちということが言えるんだと思います。

 ですから、また別な競技なり分野から、革命的な形式が出てくることで、生態史上一時期起きたカンブリア爆発の自転車版のようなものがまた起きない、とは言い切れないでしょうね。

 そんな混乱期?というか動乱期?というかにぎやかな時代に、輪に輪をかけて登場したのが、このソフトライドだったような気がしますね。

 こいつが今回大森研魔の社長に持ち込まれたんです。

 もちろん剥離と磨きという発注です。

 このソフトライドは、パイプというよりも、部分的には完全に平面、板状になっているので、それはそれは大森社長には、チャレンジングな仕事になったようです。

 研磨専門だけではないので、兼業で一体何週間集中していたでしょうか?大森社長の出勤は、店内の隅から聞こえてくる研磨音だけでしか確認できない・・・、もう声もかけられないような集中力を発揮していましたね。

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 よくやるよなあ・・・。

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 自転車のフレームには見えませんね。やっている最中に、こいつに付いたニックネーム、銀のシャチホコでした。

 色々教えてくれたようですね。

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 磨きで見えてくるのは、そのフレームのパイプなり素材の直の相貌というのでしょうか?

 一言アルミフレームといっても、そのパイプ素材には、各社色々と技術の格差というか、違いのようなものが見え隠れしてきますね。

 今回分かったのは、地のフレーム素材の素地自身が荒かった場合には、どんなに磨いても、理想的な鏡面の仕上げには至らない・・・ということでした。

 料理と同じです。まずいジャガイモを食えるようにする、というのが料理人の腕です。まずいジャガイモをうまくすることではありません。ジャガイモ自身をうまくするのは農家の仕事です。料理人は、そのうまいジャガイモを邪魔しないように、長所を伸ばすように調理をしていく、こういう分業が、素材屋と磨き屋にも成り立つと思います。

 途中何度も、「自分の腕が・・・」と落ち込む様子を見せた大森社長。

 そんなことはネーんだ!何もアンタ腕だけのせいじゃない、いろんなことが複合的に重なって、初めていいものができる。すべて他のもののせいにするという精神は、なにも成長を生まないが、過ぎた自責も負のスパイラルだけにしかならない・・・。

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 こうなるともう青竜刀のかがやきだよ、よくやった・・・!

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 これにどんなフォークが付いて、街道に戻っていくか?非常に示唆的な仕事でありました!

 近い内に紹介しますが、今大森研魔の社長に、良いライバル・・・というほど安っぽくないなあ・・・、簡単に言えば切磋琢磨するお相手が最近出入りしてきてくれています。名前は三上社長。

 この二人の動きが、今後目が離せないと思います。構想段階では、すごいのができそうです・・・。

 三上社長の作品も近日公開します。

 磨きという分野は、今年発売されたエイ出版のカスタム本にも紹介されませんでした。それはそうです、まだ分野として確立されていないからです。メッキはありましたが、様々な風合いを腕だけで見せていく磨きの奥深さに比べれば、メッキは単なる工業的な表面処理技術に過ぎません。

 磨き自転車という、ある分野が静かに確立されそうです。今が、まさにその黎明期、この機にご依頼いただける方は、その黎明期の証人ということになりますね。

 工程や、ツール、その他様々まだ手探り状態ですが、それだけに面白い!

 工房の片隅で小声で話す二人の社長のミーティングは、ささやかながら新分野を牽引している・・・、恐ろしい店やナー。

 これからも手探りコラボ、徐々に披瀝していきますんで、お楽しみに!

※なお、研磨へのご依頼には、何卒、お時間の猶予を見ていただける余裕をもってお願いいたします!
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プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
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携帯070-5083-6962
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