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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

通常メカニックはやってはいけない改造・・・



 自転車のメカニックは、言ってみれば、内装屋のようなもんで、柱や床という構造自体をいじるものではありません。

 そちらは、ビルダーさんといって、まさにフレームという構造をいじるのがお仕事。

 今回一内装屋に過ぎない、店主が構造の方にまで手を出してしまいました。

 問題はココ、店主の試乗している唯一のカーボン車、このピラーの構造が、どうも気に入らない・・・。

 いわゆるフレーム一体というやつで、メリットをいえば、位置が決まれば、ずり下がることはなし。ピラーを購入する必要もなし。ピラーを締める必要もないので、フレームへのダメージが無く、かなりの軽量化にも役立ちそうです。

 デメリットといえば、ピラーをフレームの構造にしているので、たかだかサドルセッティングが、構造の問題に直結する・・・という困難。

 ポジションが決まっている人は問題ないでしょう?とはいうものの、サドルの種類を交換した場合に、微妙な位置調整がとてもしにくい感じがします。

 また、学生さんなどが、このフレームを譲るなんて事が起きた場合、このサドル問題が常につきまとってきます。大は小を兼ねますが、その逆はまったく成り立ちません。

 色々鈍感な店主も、サドルの位置はミリ単位の調整をした方が良いと強く感じるものとして、このちょん切りタイプは、どうも感心いたしません。

 大切なサドル高ですが、通常アーレンキー一本で即変えられるはずのものが、一々糸鋸やら、スペーサーやらを使用しなければならない、しかも切りすぎ=フレームおじゃん、という失敗は絶対に許されない、などたかがサドル高の調整になんでこんなに緊張しなければならんのか?これが、理不尽に感じられてならない、ということで、今回、内装屋でありながら、構造体に、しかもカーボンなんていう、ほとんど未知の素材に対して、施工を敢行するという、暴挙に出たわけであります。

DSCN1378_convert_20121227121555.jpg

 まず、基準を決めて、ピラー高というか、シートチューブの延長をちょん切ります。

DSCN1379_convert_20121227121521.jpg

 これでもう、後戻りできません。前のサドルの構造に戻すことはできない。失敗したら、フレームごとパー・・・。ということを覚悟しながらも、もういくしかないので、結構落ち着いていました。

DSCN1381_convert_20121227121355.jpg

 クランプの台座を糸鋸とヤスリでつくって。

DSCN1380_convert_20121227121453.jpg

 シムなどを切りまして、中にあてたりまあ、色々しましたよ。

DSCN1382_convert_20121227121255.jpg

 こうやってクランプを置いて、サドルとピラーを入れて、締めて、緩めては、しめてを繰り返し・・・。

 実は、この形式では失敗したので、全く別形式でやったんですが、一つ一つの工程がピリピリするものだったので、とても写真に納めて記録するなんていう余裕はありませんでした・・・。

 このシートチューブの延長部分の芯に、ラッキーなことに内径27.2のパイプが入っていたものですから、このパイプを軸にクランプ形式を考えていたんですが・・・。実験段階では成功・・・。

 ところが、この延長部分が、トップチューブに近づくとともに、内径が歪になってきて、肉も薄く、とてもライダーの体重を締め付けて走り続けることはできない・・・という状況に。ったく!これだからカーボンなんて信用できネーよ!と半分諦めもしましたわ。

 ただ不思議と、これはダメかも知れないと思いつつも、残っている構造体にどうやったら、補強しつつ取り付けることができないか?フル回転で、考えていました。何とかなる!という根拠のない自信もありましたねえ。

 ポリパテをよく使用しました。15分で硬化、とかいっても、今気温低いですからね。落ち着いて乾くのを待って、ヤスリでシュコシュコと・・・。

 あと、カタログをよーく見ては、関連有りそうなシムを五六個、購入。

 ポリパテで修正しては、削り27.2に近づけ、その手前で止めて、最薄のシムを入れてパイプ構造自体を補強。シートチューブ自身も背後からポリパテで補強して・・・。

 色々やって、六角で締めてみたら・・・。

DSCN1395_convert_20121227121145.jpg

 とりあえず、この形で落ち着きました・・・。ホッとしましたよ。

DSCN1396_convert_20121227121218.jpg

 まあ、できてみると、当たり前の顔していますが、大変だったんだぞ!

 といいつつ、はじめからピラー締めのような顔してやがるなあ・・・。

 乗っては、数ミリの調整ができる・・・こんなにかゆいところに手の届く事って、すばらしいのか!と、通常形式を乗っている人なら、思いもしないことに感動したりと・・・。

 FUJIのトップモデルSSTだって、ピラーの形式を2013年から通常のものに変えています。素人にも普及させるためには、こういう配慮は重要ですね。支給されるプロなら別ですが、長く乗り続ける素人であれば、サドルや、クリートやクランク長の変更なんて事にもちゃんと対応できなければ、安心して乗れませんものね。

 多分ですが、シートチューブ延長にサドルを載せる形式っていうのは、過渡期のものになりそうですね、色々やってみて、結局はスタンダードに戻る・・・、これでしょう。

 もちろん、こんな改造は、自分の車体でしかやりませんよ!失敗=フレームおじゃんなんていうことは、それでもいいですよ!という言質をいただいても、やりにくいものですから・・・。

 といっても、成功したからいうわけではありませんが、カーボンのちょっとした性質のようなものが分かったような気もしました。その弱さと強さに改めて気づいたり・・・、ドキドキしながらも、常に冷静で、どこかワクワクするような楽しい改造ではありました。

 でも、ご依頼にお引き受けすることは・・・多分ないでしょう・・・多分・・・。
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この記事に対するコメント


同様の作業はされない(?)ようなのでご参考までに。
補強用のポリパテですがカーボンファイバーやグラスファイバーの配合された物もありますので裏打ち用にはさらに有用かと。
また当方、模型趣味関連でポリパテをかなり扱うのですがドライヤーで一発熱を入れておくと反応硬化が促進されます。お急ぎの時はどうぞお試しあれ(^^)
【2012/12/28 00:40】 URL | DG-WORKS #e/PR8CMk [ 編集]

Re: タイトルなし

> また当方、模型趣味関連でポリパテをかなり扱うのですがドライヤーで一発熱を入れておくと反応硬化が促進されます。お急ぎの時はどうぞお試しあれ(^^)

ドライヤーは、確かに効きました、もうかよ!てな感じで。
【2012/12/28 10:58】 URL | 狸サイクル 店主 遠山健 #- [ 編集]


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プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
TEL・fax042-445-0487
携帯070-5083-6962
アドレス to.ke@mx1.ttcn.ne.jp

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