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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

自転車再生のための 引き出し

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 ズノウというフレームで組み付けられた、レトロな自転車なんであります。

 こいつをまるまるレストア・・・というのであれば、当店の日常的な状況で、さて、利用者さんの体型や好み、方向性なんかを聞きながら・・・ということになると思いますが、今回はチト事情が異なります。

 最低限、自転車屋でないとできないところは、こちらが引き受けて、それを渡して、渡された側が組み付けて、依頼者に渡す・・・というやり方なんですね。

 つまり当店と、依頼者との間に、一人噛んでいるということになります。二人という噂もあるんですが。それはまあいいとして。

 その間の一人というのは、当店懇意の人物なんで、遠慮会釈無くあーだ、こーだとたたみかけていくわけなんですが。

 その過程で、自分たちが事業者として、随分と引き出しを育んでは、確保してきたんだなあ・・・などと自画自賛ではなく、今まで無自覚だった、背後の引き出しの数を意識するという、珍しい経験をさせてもらったんですわ。

 あの漢方屋さんにある、無数の引き出し・・・、事業者たるもの、あれをイメージすべし・・・ということかな?新たな発展へのイメージがつかめたという意味で、ちょっと良かったなあ、なんて思うわけであります。

 本ブログはコアな読者の方もおられるようで、ありがたい次第なんですが、こんな細かい字で、グチグチ書かれたものを毎回深めに読んで頂ける方というのは、非常に貴重な方々で、そういう方々とある種のイメージを共有できるとすれば、それはまた、至上の喜び、なんであります。

 事業者としての漢方薬局的引き出しの数・・・、今回はこれに尽きるかな?

 さて、こうしたレトロ系の自転車を見ると、これまでの利用者さんの年齢・年代などが透けて見えてきます。

 そして、これからの利用者さんとその方が一緒か、そうでないか?によって、手の入れ方は相当変わってくる可能性があります。

 そのままの利用者さんであるとすれば、ある程度の高齢者。これからの利用者さんであるとすれば、引き継ぐ方という意味で、それより若いという傾向があるかと思います。

 昔からの利用者さんという事であれば、車体やパーツ類に思いが相当残っているとも考えられます。

 そうでない利用者さんとなると、車体そのものよりも、今後の用途、どのように乗っていきたいか?というようなことが優先される傾向にあるか?と思います。

 こんな事だけでも、考慮に値する内容はこれだけあるということであります。

 今回は前者、つまり元の利用者さんがそのまま乗っていくということ。六十を超えた女性。亡くなった旦那さんとの思い出が乗っている自転車でもあるという・・・。

 どういう利用の仕方をしていくのか?元々は相当の乗り手だったということ。ただ、今後体力との関係で、それがどうなっていくか?

 店主は実際にお会いしとことがない・・・。で、間にはいる彼は?彼も実は会ったことがないという。

 顔も、雰囲気も、体型も分からない・・・。できれば、実際にあって話さないとね。最悪なら電話でも言い、声の張りや何かで分かることも多いんです。

 かつて一度もあったことのない九州のお客様とは、相当電話でやり取りしました。その際、声の張りの良さと、積極的な発想などから、一定以上の年齢の方でしたが、かなり走れるタイプの自転車にしても大丈夫、という言外の確信を得たことがありました。

 そういう意味で、利用者さんと実際にあって話ながら、交流を重ねることっていうのは、自転車造りには大切、少なくとも当店のような店にとっては、重要なことかと思います。

 あとは、既に付いているパーツ類をどうするか?請け負いの若い彼、それなりのミッションを抱えていて、それなりのビジョンがあったようですが・・・。

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 例えば、こうしたレトロなクランクやフロントディレーラー。コレはどうしましょうか?このクランクよく見ると三枚なんですが、アウターとセンターが殆どかわらない大きさ・・・。

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 この手のリアディレーラーも生かすか殺すか?

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 Wレバー仕様。トラブルは少ないですが、年齢が上がってくるとハンドルから手を離してという、このWレバー、暫く乗らないと、その勘は次第に落ちてくるでしょう。

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 フレームとしての一番の問題は、ここ。エンドの幅なのであります。今5速のボスフリーがついています。それを一体何足まで増やせるか?という問題。これは即どんなコンポの載せ替えが可能か?という問題と直結します。

 測って見たら、ラッキー!126ミリエンドですか約130エンドという今のものとの互換性は、チョコッと確保できたというわけなのであります。

 これが120エンドだったら、かなり厳しいです。素人でそれができるとすれば、準ショップでありましょう。

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 ヘッドパーツは、即交換という指示が。この辺は単なる交換で済む場所です。

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 さて、どうやって、この車体を再生させていくか?ということですが、間の彼はかなり大胆なご計画を練られたようです。自分の持っている譲れるパーツ類との関係ということもあって、ティアグラ10速を載せてあげたいということでした。

 改造というものが、実に様々な要素を考慮しての、そしてそれに合わせた多くの選択肢の中から一本ずつ選ばれて、最後はそれらを束として一体化させて、乗れる一台にしていっていたんだ・・・ということが自覚できたわけなんですわ。

 知らず知らずのうちに、築き上げていた背後の引き出し達の存在。なるほどねえ・・・。

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 そこでクランクを抜いて、ホローテックⅡのBBを装着しておきました。中にはエエ!マジ!と叫んだ方もいると思います。がこういうところも改造という行為の選択性なんでしょうね、面白いと言えば、面白い。

 で、あとは650cのレーサーホイールを履かせて、組み付ければ完成・・・というところに行きたいわけですが、ハードとしての問題、重大問題が一つあったんです。

 それはここ。

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 ブレーキなんであります。キャリパーブレーキを付けておいてくれれば、殆ど問題はロングかショートかの問題ですんだものの、こうしたマファックなんて言う今となっては特殊な形式のブレーキを付けてくれてお陰で、こいつをどうするか?ということが大問題になるわけなんであります。

 台座があるなら、Vブレーキや、カンチ付ければいいじゃない・・・?なんて声も聞こえなくはない。でも、今回の台座の位置が高すぎてそれはできません。

 現行のブレーキで値するものがないなら、せめてブレーキシューだけでも・・・。だたこの角度のブレーキシューでろくなものはない、といっていいでしょう。

 ここだけ磨いて、このまんまなんていうのは?イヤ、まだまだ気になる問題もあるんです。

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 この特殊なアーチワイヤー。これ現行品ではありません。ならこのまま使い続けます?状態から見て、いつ切れてもおかしくはないように見えますが・・・。しかも切れたあとどうします?また中古市場から探しますか?

 さて、どうしましょう?というところから始まるのが、こうした改造屋の真骨頂なんであります。

 ヨシガイさんのカタログとにらめっこ、BMXのブレーキから何から何まで、観察します。

 実際にあるものを解体して・・・。

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 この台座がうまくはまれば、機嫌良く使えたんですが・・・、ダメでした。幅が合わない。なら穴あけ等で対応できないか?などとも考えましたが、微妙なんですねえ。強度が確保できるか分からない・・・。

 なら、自転車の既設の台座に直に乗せる・・・しかない。となると今度は引っ張りバネを装着する構造が違うので・・・どうすんべえ・・・。

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 結論としてやったのは、自転車台座既設に合わせたバネ加工なんであります。これでも加工途中なんですね。

 これを何度か角度を変えて、台座に合うように加工していきます。

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 イイェーイ!合った!というわけです、少し小躍り。

 というわけで、旧タイプが

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 現行品のセンタープルに変身したというわけであります。

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 もちろん前もね。

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 まあ、普通についているような顔していますが、実はこれ前と後とでは、使っている技が違うのであります。というのも台座の幅が前後ではかなり異なっているたんですね。

 後では問題ない取り付けが、前ではできない。

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 リアブレーキにある、この赤い点。これは両サイドの台座二点と、ここを第三の支点とした、一つの工夫なんであります。三点の支点の方が、効きますからね。

 ただ、この赤い支点があるということは、三角形ということなので、両サイドの幅との関係で、制約されるということもありまして、前ブレーキではマイナスにしか作用しない、つまり前ブレーキ台座の幅では、この支点があることで装着し切れないという結論なんであります。

 そこで、切り離し。

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 赤い点亡くなりましたよね。これでも、両サイドをボルトでしっかり留めるので、強度上の危険性は全くないでしょう。マファックだって、同じ形式で何十年も機能してきたんですしね。

 そんなこんなで、今回はここまで。

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 なんか完成していた自転車がよりひどくなったかのような印象ですが、これも途上。間の彼に渡されて、乗れるようになってくれると思います。

 さて、この会ったことのない利用者さんが、どんな顔して、この「新車」に対応して、乗り続けてくれるのかな?

 これ以上に、書ききれないほどの、様々な引き出しがあるんですが、読まれている皆さんも大変お疲れのことと思いますので、この辺にしておきます。

 いろんな仕事が世の中にはありますので、一概には言えません。ただ、当店のようなタイプの仕事をしていくなら、今までは意識していませんでしたが、いかに引き出しというものが大切か、そしてただ数があるのではなく、それらが互いに連動して、有機的なつながりがあるということが、大切か?ということが自覚できたわけであります。

 そういう意味で、面白い仕事でしたね。まあ、完成形も見たいんですが・・・、また来る縁があるかな?

 静かに待ちましょう・・・。
※レトロではないが、レトロを意識して作ったかな?
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プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
TEL・fax042-445-0487
携帯070-5083-6962
アドレス to.ke@mx1.ttcn.ne.jp

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