地味ながらジーンと染み入るメンテなんであります

　自転車に関して、いろんな種類の仕事がありますが、今回の仕事内容なんかは、まあドンピシャというか、狙い所というか、大変うれしい内容の仕事なんであります。

　こういう形で持ち込まれたわけであります。

　フレームはプジョー。

　

　外されたパーツ達。

　基本、これらの元々付いていたパーツ類を生かして、再生してほしいと言うこと。もちろん、かつて乗っていた自転車だということです。

　

　見た感じ、前後ホイールは・・・、交換した方がいい・・・という劣化の程度でした。

　それに、特に後輪。



　六速となっていますが、この形式で再生すると、これしかあり得なくなります。

　それを



　８速で再生してやるとすると、仮にＷレバーではつらい・・・ということになっても、現行のクラリス８速の手元変速、ＳＴＩに交換して走ることが可能なんであります。

　まあ、その辺まで考えて・・・レストアする・・・わけであります、ゴホン。

　

　前後ホイールは、組み直しました。２１ミリのロープロファイルのホイールです。クラシカルな雰囲気がありますな。

　

　スキンサイドのちょいといいタイヤを成り行き上、履くことになりました。

　

　その他パーツ類は、大森社長にお任せ。いつものような殺気のこもった仕事ではなく、元に戻れよ・・・というやさしい仕事でありました。

　

　ウーン、味のある戻し方であります。



　金属肌のところは、塗装がはげたところを部分的に磨いたわけです。

　
　
　磨きと洗浄で、スッキリしています。

　

　ばらして、戻す。オイルを入れて、シューを交換します。

　

　ブレーキレバーもきれいになりました。もちろんバーテープも新しいシロ。



　ピラーも磨いています。サドルもクラシカルな形、コンコール系のサドルになりました。違和感なし。

　

　Ｗレバーは、再生断念。フランス野郎には台座の形から、サンツアーものしか合いません。

　

　モンブラン、というだけあって、あちこちに白い雪の痕跡がありますね。

　

　完成でーす！

　イヤー、やっているコッチがうれしくなるような、ザッツ再生！！！！というヤツであります。

　一定の歳の方が乗ります。かつて乗っていたヤツね、そいつを再生させて乗る。旧友と会った感じということを聞いたことありますが、まさに・・・。

　お互い随分年取りましたが、これからもよろしく。俺もまだ走るよ、アッシも足回り一新に走る気満々でっせ！

　ヨウシ！いくか？ヘイ！

　走り心地もいいですよ。乗った瞬間に、俺の自転車だー・・・と思うに違いない、と思います。

　こういう自転車って、結構眠っているんだろうなあ、出てこい！出てこい！あなたしか乗れないよ！

　こういう自転車とライダーが増えることが、自転車文化全体の成熟化につながるんです！

　だって・・・、、こういう自転車乗っている方が、今現行の新車レーサーのどれに乗れっていうのよ？カーボン？アルミ？鉄？ちょっと想像付かないし、板にも付かないでしょう。

　イヤー、理想的な仕事だよね。こういう依頼が増えることをいろんな意味でお待ちしていますよ！

　どんな姿のものでも、状態のものでもご遠慮なく、ご相談ください。大抵のもの見ても驚きませんから、もう・・・。

　
※これは疑似ながら、見た目はクラシカル・・・。