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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

それでも乗りたい 愛着それぞれ



 声からして、ちょっとご高齢のご婦人ということがわかりました。

 色々、個別的な問題を抱えているご自分の自転車の事情を細かく、順序もバラバラに必死に訴えるようにしゃべっておられました。

 とにかく、今乗っている自転車に愛着があって、気に入っている、アッチコッチに色々と問題がありそうで、その筆頭はスタンドで、でもなかなかそうした事情を引き受けてくれる自転車屋さんもなく、欲しくもない新車をチラつかされたり、タイヤも問題ありそうだし、でもまだ走るから、変則の方が重くなっている方が問題かしら?ライトもあるんだけど、点灯するのとしないのがあって、かつては後も付いたんだけど、反射板があるからそれで良いのかしら?前知り合いのおじいさん自転車屋さんがあって、そこでは何とかなっていたんだけど、その人がやめちゃって、チェーンカバーもなおしてもらったんだけど、それはそれでいいんで、とりかえなくても・・・。

 こんな調子かな?愛着のある自転車に必死になられている様子が、何ともほほえましくも感じた次第であります。

 とりあえず、持ち込んでください、優先順位順に直していきましょう、ご予算もあることでしょうしね、ということでご来店お待ちしていたんです。

 で、持ち込んでこられたのが、この自転車。相当長く乗っておられるらしいです、すごく気に入っているんで、ずっと乗っていきたいと。なんでこの自転車に愛着を持っておられるのか?ということについては、ご本人以外は知ることはできないし、そんなことは知る必要は無い。

 とにかく、この自転車をずっと乗り続けていきたい!そのご希望だけで、自転車屋としては動けるし、少なくとも当店であれば動かざるを得ない・・・ということでしょうかね。

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 件のスタンド、一本足スタンドで、もう全体が弱くなっています。それが原因で、よく倒れる。共同駐輪場でご迷惑をかけるのが申し訳ない。確かによく倒した跡が、曲がったブレーキレバーに付いていました。

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 自転車の重さを常に支えて、前後に蹴られ続けた人生を送った一本足スタンド君。それはアルミだからか?あちこち摩耗して、締まりも無くなりますね。新しいスタンドは、これから蹴られ人生なんですが、しばらくは大丈夫だぜ!という風格。

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 ぶら下がっているミラー。これはもう使わないので、取り去ります。

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 スッキリ・・・したかな?そしてこのシフターをスプレーオイルで洗浄して、重い動きの原因を取り去っていきます。不思議・・・じゃないんだが、ちゃんと動くようになります。

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 ソケットだけのライト、これもいらないなあ・・・。ということで配線もろとも撤去ですね。

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 うん、まあ・・・、軽量化にも役立つか・・・。

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 その他、チョコチョコチェーン、ワイヤー系などもいじって、調整してみました。

 ほとんど見た目は変わらないが、乗れば、オオ・・・とわかるんじゃないかしら?

 乗り続けたいなら乗り続けられるように・・・。といっても、乗り続けるためには!と大上段に振りかざしすぎても、予算もかかるし、別にこれで日本一周するわけでもない。

 人によって、その自転車にかける愛着と予算というものもそれぞれ・・・あるんでしょう。ある意味縛りの中で、優先順位を決めていく。どうしても、それ以上の時は、予算の再考か?または次回の課題として提案させていただく。

 ある自転車に対しての愛着の話になると、その内容について、ついお尋ねしたくもなります。例えば、ご親族の形見だから・・・、亡くなった祖父からのプレゼントだから・・・。

 もちろん、なるほどねえ・・・と深く頷ける内容のものもあると同時に、ただ何となく・・・、まあ、とにかく乗り続けたい・・・、など、当たり障りのないものから、どうしてなのかこちらが理解できないものまで、本当色々あるようです。
 
 この色々あるという多様性を、そのままにして、それぞれに土足で踏み込むことなく、淡々と「乗り続けたい」というご希望に寄り添うことが、自転車屋の本分なのかな?なんて反省を込めて思うわけであります。
 
 というのも・・・。

 なんか最近、「意見」というものを持ちすぎる、公表しすぎるような傾向がありすぎやしないか?などという「意見」を店主などは持ってしまうこの頃なのであります。

 どうも今の時代は、あのルネサンスのグーテンベルグ印刷機以来の時代の転換期に来ている、という実感をどのくらいの方が共有されているのか?

 同じ書物を大量に複製して世に行き渡らせることを可能にした、情報革命を起こした印刷機の発明。

 これと同じような革命がすでに今起きている。

 この、ネットというやつであります。

 大した資産もないにもかかわらず、個人が「世界」に向けて情報発信をすることが可能となっているこの現状、これを革命といわないで何というか?

 現に、今、この店主も毎月のサーバー使用料のみで、こうした駄文をまさに「世界」に向けて発信できているんであります。ネット環境があれば、カナダでも、タイでも、イラクでも閲覧することができる・・・。

 そう、この環境が整ってしまった今の世の中では、自分の「意見」を「世界」に向かっていとも簡単に公表することができるようになった。

 そして現れた世界が、一体何だ?

 一知半解の知識や情報だけを頼りに、安っぽい浅薄な「意見」をかくも手軽に後先考えずに、無責任に、時に匿名で「世界」にむかって「公表」できるということを可能にしてしまったようなのであります。

 かつて、テレビ主流の時代が来ると喝破した大宅壮一が、状況を「一億総ハクチ化」と称したようだが、これからのネット主流の時代を「一億総○○化」と一体誰が、どう形容するのだろうか?

 日本人の二人の囚われ人を巡って、片方では「自己責任=自業自得」と一つ覚えのごとく叫び、片方では「現政権の失策」と追及するモードとなっているようで。いずれも「限られた情報の中」での判断であるという自覚を持った「意見」が一体いくつあるのだろうか?

 店主は夢を見た。自分が囚われの身である夢を。橙の袋のような服を着せられ、後ろ手に縛られながら、「斬首はたまらん」とばかり、砂漠を逃げまわった。

 普段は仏教者を気取る店主、死に際でもう少し諦めの境地にいくかと思いきや、イヤー、うろたえた・・・。自分でも苦笑しながら、ザクザクと砂漠の砂を踏みしめながら、失禁しながら逃げた。

 その内、斬首を諦めて狙撃してくるだろう、と思った、そして銃弾が頭を貫く様を想像した、即死なんてウソだ、頭蓋骨に銃弾がめり込んでくる音だって脳髄が飛び散る感覚だって、一瞬でも感じるはずだ、そして銃弾が空気を切り裂いてこちらに近づく気配を感じて、目が覚めた。

 仏教者としての修行が足りていないようであった。それより何より、今囚われている二人を思った。そして、すでに斬首された面々。

 そして、そんなことができる彼らが、一体どんな悲しみや憎しみをくぐってきたのか?そこに彼らの人間としての痕跡が見いだせないだろうか?と、寝汗を拭きながら。

 一体何の話だったか?

 そうか、自転車屋の本分の話であった。お客がその自転車にどのような愛着を持っているか?などという内容には一切土足で立ち入ることなく、「乗り続けたい!」という御意思に敬意をもって、真摯に取り組むこと・・・でしたかね。

 一知半解な情報を元に「世界」に向けて自分の「意見」を公表している暇があったら、それぞれの本分に基づく仕事をちゃんとすること・・・かな、耳を精一杯開いて、あらゆる声を聞き入れられる土台を養いながら、仕事に戻ろう!

 仕事を通じて、世の中を少しでもよくしていくこと。体がいくつかあったら、マグレブ系のフランスの若者に、レーサーを中心とした自転車整備を浸透させて、ツールを支える名メカニックはマグレブ系!といわせる流れがつくれたら、彼らは移民であろうがなんであろうがフランス市民として認められて行くであろう。

 いや、まずは膝元の日本で、まだまだできることはあるはずであろう、自転車屋として。
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プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
TEL・fax042-445-0487
携帯070-5083-6962
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