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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

その程度の者なり



 ちょっと特殊な自転車の依頼のせいか、電話口の向こうで奥歯に物が挟まったような言い方で、なかなか本題にたどり着かないような物言いだったのを思い出す。回りくどいぞ!

 つまりは工賃ですか?と単刀直入に尋ね、値段をいうと、ホッとしたように、「そんなに安くやっていただけるんですか?」とぶ厚い雲が裂けて、サッと日が差したような声になった。

 それからというもの、立て板に水のようにしゃべり始めてきた、それが毎日、翌日もまたその翌日も。

 体に障害があると聞いて、であるならなおさら、できることはやるので、現物をもって来てくれというと、車もないし・・・、動きも取れない・・・ということだった。

 そうなれば、ポキさんのジムニーを出動して、一路川口まで・・・。

 住所とその場所を何度も確認しては、ここで大丈夫か?という・・・、その意味分かる?

 狭い路地を入っていった、どん付き手前にあったその一軒家、何ともゴミ屋敷・・・だったのだ、少なくとも店主にはそう見えた。表札を見ると、合っている・・・、ヤバイここかよ・・・。

 恐る恐るブザーを押してみると・・・「ハーイ」という、電話で聞き慣れた妙に通る声が響いてきた、やっぱりここだったんで、マジかよ・・・。

 ドアが開くと、老人が立っていて・・・てっきりその本人の親父さんかと思ったが、あまりに声が似ているので、店主の頭の上には「?」マークがいくつか付いていたと思う。そうか、店主もよく電話でオヤジと間違われたもんだ、親子の声が似るなんていうのは、よくあることだよね。

 と思った矢先、その老人がなんと本人だったというオチ。確か聞くところによると、店主より一年か年上だったでしょ?それが・・・。でも声は若いよね・・・。

 玄関から見える家の中は・・・まあ、男やもめになんとやら・・・でありましたな。でもそんなことは意にかけないネコちゃん、犬ちゃんがわんさか、かけっこしてましてね、多分犬猫にまみえて生きてんだろうなあと。

 そこで、自転車を預かって、帰ってきた・・・。

 その預かった自転車のミッションがまあ、すさまじかったなあ。

 サンスターの電動ユニットをリッジランナーに載せられないか?しかも前ギヤを三枚・・・、できれば四枚に・・・、それにスラムの内装三段式、外装十段ギアを付けて・・・、とまともに聞いていたら、その発想はマッドサイエンティストそのものでありましたな。

 あなたは、本当にそれに乗りたいの?それともそんな自転車をただ作ってみたいだけなの?とまあねえ。

 そんなへんてこりんな仕事を請け負ってからのお付き合いでした。時間が合ったのか、どうだったのかは知りませんが、電話を随分いただきました。

 いくつかの分野については、学者並みの知見をお持ちの方だったので、確かに興に乗ると話は面白い・・・、ただコチラは仕事中のこともあってね、そろそろ切りの良いところで・・・と思っても、話が切れない・・・、なんてことよくあったよね。

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 こんなユニット見ると、また火事で消えてしまった、あの実験号、詳細はこちらの記事にあるんですがね、を再度復活させようと、最近また意欲満々だったのになあ。

 そうそう、火事になったんだよね、大変だっただろう?あのゴミ屋敷・・・失礼、ご自宅が焼けてしまった。かわいそうだったのは、焼け死んじまった、君の家族達だよな。

 電話が鳴るだろう?受話器を取ると、ガサガサッて音がしたとおもったら、ミーミーやら、ミャウミャウやら、まずはネコちゃんの声が聞こえると、オオかかってきたか・・・と覚悟したもんだ、それから約一時間は延々と、褒め殺しと、将来の展望と、過去の栄光や、愚痴やら、まあ、機関銃のようにしゃべっていたよな。

 ヘエ、なるほどねえ、と思うこともあったし、正直自分の爪のアマカワ剥がしながらうなずいていた時もあったわな。

 ちょっと心残りだったのは、例のあいつを早々に送ってやれば良かった、と思っているよ。そうすれば、腕のいい君のことだから、早速直して、ヤフオクなんかで荒稼ぎできたんじゃないか?なんて思ったりもする。

 そして、何よりも書き手の店主などより、ヘビーな当ブログの読者でいてくれたよね。最近では、この記事の内容に、えらく共感してくれたようだった、電話口で泣かれたのは、テレを越えて困ったわな。時にホメ殺しで、こそばゆくもなったが、こんな勝手気ままな駄文の連結をよくもまあ、根気よく読みつなげていってくれたと思う、ありがとう。

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 そして、なんか最近こうしたサンスターの電動ユニットの出没が多くてさ。このユーザーさんが、コイツでもう少しスピードを上げたいなんて言った時、この特殊なギアは、市販はされていないはずだよね、なんて話の時、ソウソウそういえば、君は得意の人脈を活かして、町工場に作ってもらったとか言ってたよな。

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 それを持ち込んで付けたことを思い出したよ。しかもな、000 IMG_20131229_151553_convert_20131229174624

 ご丁寧に、インナーサイズまで作ってもらったんだろう?今となっては、どうやって付けたのか?すら覚えていないが、全く楽しませてくれたよね。

 そんなあんたの話をして、お客さんと盛り上がっていたんだよ。その夕方だったっけな。
 
 どうも偶然が重なってね、おかしい・・・おかしいと思っていたんだがな、だってそうだろう?この二ヶ月の間に、なんでこんなマイナーな電動キッドが三台も当店周りをかするんだ?しかも、話には出ていたが、電池をつないで、実際の乗ってみたのもこの日だったんだぜ。

 コイツのスペックの中で、君の計算によれば、60tのデカイチェーンリンクを付けて、足のあるヤツに踏ませれば、誤動作を利用して60キロは出るはずだ・・・なんて言っていたよな。

 そうすれば、競輪場内に持って行って、バイクペーサーの練習ができる・・・、トラックラブに売り込めば、蔵とはいわないまでも物置一つくらいは建ったかも知れないよな。

 そんな、捕らぬ狸の皮算用しながら、これがサンスターか?と初めて乗っていた、その矢先だった・・・。

 なんかね、川口市は個人情報だから、詳細は教えてくれないんだって。まあ、そうだよな、身より頼りでもない店主にそうベラベラ話ができるわけでもない・・・らしい。

 だから、今君がどこに居るのか、わからないんで、今訪ねていくことはできないんだよね。スマン・・・。

 数週間したら、居場所が決まるっていうじゃないか?そうしたら、有志でな、自転車でアンタに会いに行くよ。大阪の仲間達も、店主らに思いを託してくれたんで、その思いも一緒につれてな。

 今一編の詩が胸に突き刺さる、仕方ねーと思うが、突き刺さる。それは生きているものの傲慢なのかも知れないし、行き残された者の無念なのかも知れないが。



「なぞなぞ」

「生きてる時はいかないで、死んで慌てていく者だーれ?」
答え: わたし



店主は逃げも隠しもしない、この程度の者だった、それ以上以下でもない、この程度の人間だったんだよ。「手短に」なんて言ったりもした、時に接客のふりして、電話も切ったものだった。本当にその程度の者だった。申し訳ないが、その程度の人間だったんだ。

 ただ、今は、君とのことが懐かしい、誠に身勝手ながら、懐かしい。

 切れた関係の彼方に、耳を澄まして待つ、のみか・・・。

 合掌
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プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて十年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
TEL・fax042-445-0487
携帯070-5083-6962
アドレス to.ke@mx1.ttcn.ne.jp
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