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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

父から娘へ 愛車だから愛娘へ



 まだ旧店舗の頃でした、トレックのこの自転車を持ち込んでは、自分のイメージにどうしたら近づけられるか?という事を延々やっていただきました。

 縛りが多いんですね・・・、そんな縛り外してやれば、もっと気楽で快適な自転車はできるのに・・・、でもその過程が楽しかったのかも知れません。確かに、こちらも苦労はしたが、楽しかった・・・。今回はこの辺にてご勘弁を・・・なんて時もあったしね。

 パーツの選定から、施工例の収集まで、これはまたすごい意欲で勉強されていましたね。

 いくつものパーツ持ち込んで、組み合わせを考えて、多少無理してでも、どうにかなりませんか?と。

 そういう依頼に燃えない訳のない当店・・・、色んな実験をやらせていただきました。そういう意味でも、思い出深い一台と言えます。

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 こだわりの頂点は、多分このクランクだと思います。まずはXTRというグレード。こんなのあまりいじったことがないので、間近で見るとその作りの良さに驚きますね、ロードのものとはまた違う頑丈さ感など・・・。

 このクランクのチェーンリング、一見二枚に見えるでしょ?よく見ると三枚なんですね。・・・そう見えましたか?

 別に山の荒れ道行くわけではないので、いわゆるマウンテンのようなぶっ飛びギア比はいらない。街乗りなんだから・・・。

 だったら、シングル、ダブルにすればいいものを、イヤ、ここを三枚のままXTR使い続けるためには?とここで踏ん張るもんだから、こちらの勉強になってしまう。

 そうそう、再度こいつが持ち込まれた理由なんですが、もうお父さんとしては、仕事の関係もあり、乗りたくても、乗れない状態なんだそうです。

 そこで、今年高校生になる娘さんに、通学用に・・・譲ろうという事になった。通学用に・・・、XTR・・・ですか?

 もうその辺は決着付いているようです。あとはメンテと、クランクを短くしてやったので、各所の調整なんかをという事で持ってこられたんであります。

 だったら、もう少しメンテしやすい形にしてやろう・・・と思いつつも、ここまでやったもんだから、その辺のニュアンスは残した方が良かろうと・・・、再度また苦労することに。

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 この前三枚、こんなにクロスしているんですぜ・・・、そう、止め方だって、正規の止め方ではできません・・・。工夫工夫・・・。

 ここまで歯数が近いと、今度は、歯数の差を乗り越えるために設計されたフロントディレーラーがたまったもんじゃなくなった・・・、そのままでは、内側のプレートが、チェーンリンクに接触してしまい、アウターにまで届かない、なんてもう設計外の事案が飛び出して参ります、まあ、当たり前ですが。

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 そんな状況を克服するために、シマノさんのテクニカルサポートからすると発狂しそうな、高い位置にフロントディレーラーをセッティングすることになります。

 あり得ないよね、自分でやっていても、そう思う。でもこれで3速行ってしまうんだから・・・、シマノさんの設計思想は、想定外の所でもしっかり動くということだ。

 そういう意味で、今後原発の設計はシマノに任せるべきじゃない?なんてな。

 で問題はもっと深いとこにあったんだよね。現象だけしか言えません、それしか説明しようがない。だってそうだったし、それに対策取ったら、なんとか克服されたんで、それはそれでよかったという事でしょう?って・・・、なんのこっちゃ?ですよね。

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 このフロントディレーラー、加工する前までは、どんなにインデックス調整ボルトを緩めても、十分にアウターにまで、チェーンを持って行ってくれない・・・、なんでか?それはわからないまでも、そのパンタグラフの移動をより外に持っていけば、その問題は解決する・・・。

 なれば、内部観察。

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 よーく内部を観察すると、調整ボルトのより下で、調整ボルト以前に、プレートの移動を決めているところがあった・・・。そいつが邪魔して、外に行けない。

 それまでは、そのように使えていたんだかどうかは知らないが・・・、今できなくなっているんで、目下そのできない理由を撤去するしかないだろう?なら撤去しよう・・・。

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 棒ヤスリで削っています・・・、XTRということで緊張したが、これしないと、構造上プレートが外に行かないので、仕方ない。

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 結果こうなったんだが・・・、といっても何がどうなったかわからないだろうな。中央に見える彫刻刀の刃のようなものが、削ったあとだ。これによって、劇的にプレートが動くようになり、前三枚のクロスレシオ対応・・・が可能となった。

 インナーにチェーンを戻すための工夫もしたよ、チェーンひっぱたき作戦・・・。非常識な発想には、非常識な対応しかない・・・よね。

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 しかし、通学にはもったいなさ過ぎるパーツがあふれている。校内でのイタズラや、盗難に気をつけようね。

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 もちろん油圧だよ、ヒョイヒョイ効くよ。

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 ホイールもすごく凝っている、はじめて見るよ、こんな形状のもの。

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 どうやらスポークの途中で、調整するらしい。

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 このシフターも一時現れて、消えていった。レース時の落車には一発破損しそうだが、ツーリングに最高のタッチだよね。

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 たっぷりと遊び心と予算と発想を積み込まれたこの自転車が、今度は娘さんへと受け継がれる・・・。オーバースペックであるに違いないが、あのお父さんの娘さんなら・・・受け継いで数年後にまたこいつで何かしでかすんじゃないか?・・・、イヤこの自転車は別としても、何か受け継ぐんじゃないか?と思いますね。

 通学用として、こんな酔狂な自転車に乗るんですぜ、そこにはそういう親父さんとこういう店なんかが絡んでいるわけで・・・、そんなのが、まさに新婚夫婦の乗るオープンカーの空き缶のように、ガラガラぶら下がってんだから・・・、間接的にも影響受けないわけがない、でしょう。

 まさに因縁の車体となりましょう。その因縁というのが悪く出ると呪いになり、良い出方をすると祈りになる。もちろん娘を思う親父さん、後者しかあり得ない。
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プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
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携帯070-5083-6962
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