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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

高額フォークはやらないが・・・



 この二本のフォークを持ってこられ、黒いフォークのコラム切りと、ねじ山立ての依頼がやってきた。

 このフォークのねじ山立ては、基本やらないことになっている。特にデローザ、チネリなんていう高級車のフォークなどにはほぼ絶対にやらない。

 過去にいくつか施工例はあって、失敗もしていないが、それは今のところしていないだけであって、いつしないとも限らない。もしやらかしたら、ごめんじゃ済まない、そういう施工はお引き受けできない、という建前だ。

 かつて大阪の方が念書と一緒にフレームフォークごと送りつけてきたことがあった、応じましたが・・・。

 そのくらい依頼する方も覚悟がないと、できないお仕事なんであります。

 後は、アルミコラムのものは基本できませんね。ねじ山がしっかり立たない、ダメだった場合修正が効かないということで。

 で、今回は、何があっても、何が起きても大丈夫という条件の下でお引き受け、鉄コラムで、見た感じいけそうだったからね。今までの勘に過ぎませんがね。

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 こちらは1インチで、すでにねじ山が入っている。このコラムの長さに合わせて、切るようにというお達し。

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 アヘッドコラム用なので、こちらにはねじ山がない、こいつを先のフォークコラムと同じ、21センチに切ってから、ねじ山を立てることになる。

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 まずは切る・・・、これはお茶の子さいさい。そして内部のバリを取って、切り口の外回りは、ダイスが立ちやすいようにアンギュラ角を45度にできるように、ベルトサンダーにかける。

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 これがダイス、ねじ山修正工具であります、あくまでも修正用。こいつは1インチコラム様なんで、オーバーサイズように交換しないといけない。

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 ダイスと、1インチ用のガイドを外す。そこに・・・

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 オーバーサイズ用のダイスを取り付ける。しかし、昨今オーバサイズのコラムにねじ山が付いているものなんて、ほぼ絶滅種なもんで、このダイス使用は何年ぶりかな?

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 緊張の一瞬は、このダイスが、しっかりコラムに噛みつくか?ということ。このきっかけ作りが実に大変なのだ。

 ズレると、コラムに対して垂直に入っていかないので、二階ほど回すとそれ以下に行かなくなってしまう。ねじ山当然使い物にならないので、最初からやり直しなんだが、いらない横線が入ってしまうので、たとえ垂直に入っても、その先端部分はなんか痩せた感じになってしまう。

 そうならないよう、垂直のままダイスを回していきたいんだが、これが難しい。
 
 理想的には、360度ダイスを持ったまま体を回すことができる万力の設置なんだが、通常の工房でそれは贅沢な空間使用となるので難しいだろうね。

 当然当店もせいぜい回って220度くらいか?あとはその範囲で体がぶれないよう、ダイスと一緒に回っていくとになる。

 このコラムの鉄は比較的、削りやすい部類だっただろう。

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 まずはこのくらいでいいんだが、そういう意味で第一関門突破だな。

 関門はもう一つある。それはこのコラムの裏に、ベロ付きワッシャーを通すための溝を刻まないといけないからだ。

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 3ミリ幅のこのハイスをつかいますが・・・。このコラムをフライスにどう固定するか?それが実に大変なんだな・・・。こうした工作機器は、そのセッティングにほぼ9割近い労力をさくことになる。それが大変なんだが・・・、いざセッティング完了となると、ものの数分で加工はできてしまう。

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 この溝通しを三度くらいやって完了。もし深すぎたら、コラムが縦に割れてしまう、ここも第二の緊張の場なのだ。やはり、もっとしっかり剛性のあるフライス、小型でもいいから購入したいもんだ・・・。

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 とりあえず、コラムカットとネジ山たて、溝きりの三つが完了。もちろん溝きりしたあと、再度コラムのねじ山を修正したことはいうまでもない、それも二回・・・。

 今まで切ってきたねじ山で、どのメーカーのコラム一番きりやすかったか?というと。それはパナソニックレーサーの鉄コラムだったと記憶している。いい具合に焼きも入っているんだろうね。

 ダメなコラムは粉々に、砂のようになってしまい、ねじ山がしっかり立たなくなる。ヘッドを入れてもガタガタ・・・。だからその辺も見極めないと、安易に引き受けはできない。

 そして問題は、中にもあった。スレッドステムをコラム内に差し込むため、内径がちゃんと確保できていないとそれができない。アヘッド用に開発されたものは、強度を出すためかコラム内の肉厚が一定でないものも多い。つまり厚い部分に阻まれて、せっかく外部にねじ山が刻めても、ステムが装着できないという場合も、高い確率で出てきてしまう。

 もちろん、その内径を削る技術はあるが、これも大事なのだ・・・。

 ということなわけで、一口にコラムねじ切りといっても、施工内容は千差万別になる。今回は比較的簡単な方だった・・・といえるでしょうね。まあ、基本はやらない施工なんでありますが・・・。
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プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

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