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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

北京的休日 その2

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 今回の一つの目的地は、西二環路にある魯迅博物館なのであった。魯迅といえば・・・、
今を去る六年前彼の傑作「阿Q正伝」について、本ブログ内で触れたことがあった。

 元々は中学二年の時、これも名作「故郷」を教科書で読んで依頼、常に念頭にあった作家であった。その鋭い慧眼には瞠目するところ、この年にしてより深くなる。通常は逆の場合が多い、若い頃心酔した作家を後に読んでみると、一体どこに打たれたものやら・・・?とおもうこと暫し。

 ただ、中上健次は若気に心酔した作家の一人であったが、こいつはちょっと別格だ。彼の著作を手に持つと、催眠にかかったように、書を開けなくなる、ロックがかかったように。

 もう何度目の北京かわからなくなったが、万里の長城や故宮博物館は見なくとも、ここだけは訪れないと・・・ということで。サイクリング方々行って見たんだが・・・。

 簡単な道のはずにして迷ってしまった。西二環路の丁度真ん中あたり。手前はデカイビル群の金融街。ちょいと途中に、背の低いフートンと呼ばれる、北京の旧市街そのままの場所がある。その向こうにはまたデカイビル群の金融街・・・。

 状況的には、このフートン内なんだろうと見当は付くが、どこにもらしき看板や道しるべがないときている。

 もしかしてまちがった?いや間違えづらいほどの単純な場所のはずなのに・・・。

 自転車片手に、往来を行ったり来たり、らしき立て札を探しながら・・・・。

 半分諦めかけたとき、一人の自転車乗っているおじいさんが、店主の自転車を見て中国語で褒めてくれているようだ・・・。

 薄笑いを浮かべつつ超初級会話でもって、「中国語うまく話せません」という。なんだ、そうか・・・という顔した瞬間に、そうだこの人に聞いてみよう・・・と、魯迅の中国読みLu Xun と発音して、手でものを書く振りをして相手に伝えたんだが、ぽかーんとしている。

 発音は練習したはずなんだが、何度言っても通じない、「阿Q、阿Q」と言ってもポカーン・・・。その内、助太刀のおばちゃんが現れて、アア、それならこの道まっすぐ行ったとこだよ、と指示された。

 完全に店主の発音がダメだったらしい。例えば外国人に「ソーソク、ソーソク、ネコ、ネコ、ココロ」と言われて、夏目漱石ねとわかる人はいないとの同じだろうなあ・・・とあとで苦笑した。

 そんなこんなで博物館の前に立ったときはちょっと感動・・・。

 入り口で身分証明書ということで旅券を渡す、いちいち面倒だなあ・・・と思っていると、なんと料金取らないで中へ入れてくれた。

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 先生が鎮座しておられる。そう、各時代使用していた机の展示もあったね、ぬくもりがある。
 
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 最初は東北大学の医学生として留学したとある、このとき世話になった先生の思い出も小説・・・・随筆に残している。

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 カジュアルな魯迅、初めて見た・・・。

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 店主と同じ年の魯迅、この時代の人の割には若い。

 そして、この展示の最終段階には彼の死の一週間だったか、その前から、カウントダウンのように、綴られているところか。


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 これが死の1日前の手紙、日本の友人内山完造にあてたとある。享年56才。

 博物館の敷地内には、生前の住居がほぼそのまま保存されていた。周りのフートンそのもの、

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 いつも思うのが、異国ながらなぜ、懐かしいのやら・・・。かつて早朝に漢詩紀行という番組があったが、場面によっては食い入るようにみたものだ。

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あの時は動乱期で今は平常・安定期・・・というのは現代人の不遜なのかもしれない。

この国は本当に平和なのか?平和に見えるだけなのか?それとも平和なところしか見ていないのではないか?一見の平和に動乱の匂いをかぎ取り、その元が単純で煽られやすく、無知であることを恥じようともしない大衆なるものが淵源で、「だからお前らダメなんだ!」という一括は、海を越えて遠くこの国にも十分に到達しうる。

今の政治家など、そのほとんどが無自覚な阿Qではないか・・・。

 と、重い気持ちを背負いつつ、博物館をあとにする。

 西二環路から、北二環路を通って、三元橋を抜けて、四元橋、五元橋と、芸術開放地区で有名な草場地区というところにお邪魔する。

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 この日はサイクリングにはもってこいの日だったが、なんと川が凍っていた。しかも人がその上で遊べる位までの厚さだった。これには驚いたわ・・・。

 途中道にも迷った、郊外に行くと新興系の住宅が建ってきていると、その近くには取りつぶされたり、立ち退きを迫られたりする、古い北京のなれの果てのようなところが散見できる。

 これをセピア写真なんかで撮ったりすれば、二百年前・・・といってもわからない?かもしれないね。

 一度店主の地軸が狂ってしまい、そうした廃墟に迷い込んでしまった・・・。

 まだ集落の外枠だけがやんわりと残っている敷地があって、9割以上の建物が壊されているが、解体の途中・・・としか見えないような・・・、というのも外から家財道具などが丸見えで、この人逹ってまじでここで寝泊まりできてんの?というある種ドラマのセット状態になってる所に迷い込んでしまったのだ。

 更に驚いたことに、布団が沢山干されているその脇に、腸詰め、手のひら大の豚の三枚肉が大量に干されていたことである。どこかの店に納めるのか?それとも、自分たちの保存食か?住まいが半壊状態なのに、半壊状態だからか?保存食の確保に心血を注ぐのか?たくましいといえばたくましいが、それを理解できる土壌がまだ店主にはできていないということだろう。

 しかし、圧巻だったその光景だが、もちろん足早に通り過ぎなければヤバイ雰囲気もあったので、当然写真に収めることはできていない。

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 店主としては珍しく地軸が狂ってしまったため、アチコチ右往左往してしまい、それが結果的には楽しかったんだが、予定よりだいぶ遅れて、インギャラリーさんの所に着いた。

 困ったことにここでも話が一気に盛り上がり、外に出たときにはとっぷりと日は暮れていた。もちろんそんな予定がなかったので、ライトは不携帯・・・。幹線道路に出るまで、真っ暗な中を恐る恐る走って脱出したという感じ。中国では、無灯火がまだ取り締まりの対象外であるため、公安からちょっかい掛けられる心配はないが、まず幹線に出るまでは、正直怖かったわ・・・、道も悪いところあったしねえ・・・、パンクしても大悲劇だし・・・・。

 完成に入ると、一安心で、自転車道をまっすぐに東三環路目指して一気に駆け抜けた。

 まあ、色々あって、ネットもなぜか途切れたりと、まあ本当色々あって、長い一日であった・・・という、北京的休日でありました。
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プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
TEL・fax042-445-0487
携帯070-5083-6962
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