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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

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 74のデュラエースハブ。今この形状のハブがほとんどありませんね。この曲線ハブ、かつては当たり前だったのが、デザインの問題なのか?剛性の問題なのかは分かりませんが、ほぼ絶滅状態・・・カナ?

 その内ハブ単体なんてものも作られなくなっていくんでしょうね。カンパは少なくとも国内入手に関しては、レコードクラスの黒のみしかなくなりました。スラムにあたっては、ハブ単体では作っていないんじゃないかな?少なくともこれはスラムのハブか・・・という形で見たことがない。もしあったら、この店主のことだから、多少高くても入手して身近に見るはずだ・・・。

 そしてシマノのみが今頼みの綱、アルテグラで36Hはいいから、28H作れよ・・・と思うが、大分縮小した感はある。

 それぞれのメーカーが同じメーカー内か、隣接メーカーで完組ホイールを作っているんで、何も今更、時代遅れの手組のために、ハブなどを作る必然性がないんでしょうかね。

 でも細々でも、時代遅れの手組なんかを続けてやっていれば、現代の左官業じゃないが、生き残っていけるのではないか?なんても思うんだがね。

 ホイール組みには、振れの修正、テンション上げ、ハブの管理なども含まれるので、プロショップとしては譲れない技だとは思うんだが、それも半分以上は時代遅れになってきているんでしょうな。

 そんなこんなのハブメンテの依頼が来た。

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 バラして、各所のパーツの様子を洗浄かたがた観察することになる。洗浄とグリス充填で済むのか?それとも、部分交換の必要があるのか?など。

 ちなみにシマノのスモールパーツのバックアップ体制はいつもいっているが、大したもんだ。

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 競輪パーツのスモールパーツはほぼ完璧にそろえているので、それに近い規格のハブには、これらが当てはまったりもする。

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 グリスはシマノの出しているものを使用しているが、実はケミカルは奥が深い・・・。もしもっとスピードを求めるハブだとすれば、もう少し回転重視を考えた粘度の低いものでもいいかもしれない、グリスとエンジンオイルのようなものを混ぜて粘度を下げ、充填の量を少し抑えめにするとか・・・。

 たしかイノーのメカニック本の中には、レースのコースによって、グリスの粘度を替えるなんて事が書かれてあったことを思い出す。メカニックがその手を研究して、スピードと、耐久性のバランスを取るなんてことはそれ自身はいいことかもしれない・・・。

 ただ、それを選手たるものが言い始めると・・・、ちょっと話が違ってくる・・・という指摘もある。

 例えばBB内にグリスを入れないで回すなんてことを試していた選手がいたという話を聞いた。確かに、粘度のあるものがない分くるくるっとよく回るように感じられるようだが・・・、まあ一発勝負用にセッティングするんだろうか?耐久性の面から見るとたまったものではないだろう・・・。

 そして何より選手たるもの小細工する以前にちゃんと練習して勝て!大体そんなことに拘っている選手で強いやつは見たことない・・・ということだった。

 で、この依頼者の方は、とことん長距離を乗るタイプなので、耐久性重視、もちろん回転も重要だがそのためにグリスを減らすなんて事はしない。雨対策なんかもかねて、しっかりグリス充填。親の敵だね。

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 磨くとまだきれいで、派手な虫食いなどはない。スモールパーツ交換にまでは至っていない。

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 アルコールの中で、ボールベアリングを洗浄する。みるみるきれいになってくる。昨今湿気が多くなると、気化熱でぐっと体温の下がったボールベアリングにすぐに結露が起こる。それを拭きながら、ヘリの具合やいびつの具合をよーく観察して、戻す。

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 フロントもリアも、内側のワンの様子もしっかり観察。さすがにハブに固定されているので、ここはスモールパーツというわけにはいかない、つまり交換ができないということなのだ。ここに大きな欠陥があったら、ボールベアリングを替えようとも、玉押しを替えようとも、もうなにをしても手遅れ、ということになる。

 幸い、ここまで劣化は進行していなかったということだ。

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 玉押し調整をして、回転のいい所でダブルナット方式でもって、その高回転のなめらかさをハブ内に閉じ込める。

 ガタもなく、少し粘度がありながらもしっとりと回転してくれたら、ハブメンテの完了ということがいえる。

 そして、大事なことはここから、しっかりガタを取って、回転をなめらかにして、始めていい振れ取りが出来るということ。
 
 ハブ内にガタやゴリゴリのあるもので、いい振れ取りやホイールの調整は出来ません。振れ取り台で精度の悪い動きをしたら、そこで精度を出すことなんて不可能ですから。

 ガタ取りしたハブでのホイールの振れ取りは好調です。リムはアラヤもありましたが、修正を前提としたとしか思えない、柔らかなリム。サクっサクッと振れ取りが決まっていきますね。

 ただし、新品のホイールのように神経質にはなってはいけません。

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 とにかく乗り込まれたリムは、ブレーキシューのあとが、当然だがものすごく付いている。すべてが均等に付いているわけではない。新品のリムのように、コンマ0レベルの精度を出そうとしたら、切りがなくなってしまう。

 むしろ理想とする修正線をもうけながら、そこを中心に本当の振れを取っていく、リムの部分的なへこみによる「振れ」には目をつぶる・・・、これを鉄則に調整をしていくことになる。

 しかし、いいハブを使っていると、スモールパーツの供給があるため、結果的に長持ちになる、でありましょう。そして、いいリムを使っていくと、修正が楽。

 アラヤはやわらかいが、基本精度がいいので、点を取るように、ニップルを合わせていけば、もとの精度線のとこまでは戻ってくれる、サクッとね。

 そして、マビック系のような少々固いリムは、点プラスα、このαがそのリムの硬さによって変わるところであるが、点以上を想定して分線で振れを取っていくイメージかな?そうすると、また高い確率でもとの精度に戻っていく。

 こういういいパーツを組み合わせて組んだホイールのメンテをすると、手組もまんざらじゃねーな・・・と心底思うね。

 最後に笑うのは、やはり手組だろう・・・と小声で確認したくなるわけだ・・・、ザマーミロと!

 

 
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狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

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〒202-0014
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