メールフォーム
一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り |文明に寄生する文化 反骨する文化 tp://cnt.affiliate.fc2.com/cgi-bin/click.cgi?aff_userid=45871&aff_siteid=43545&aff_shopid=63" target
fc2ブログ

一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

文明に寄生する文化 反骨する文化



 あまりに変わった外見のために、思わず購入して口に入れてみた。
 
 IMG_0739_convert_20190731021501.jpg

 ウーン・・・、最もへんてこなものを食してみようと、三つ選んだんだな。
 
 IMG_0740_convert_20190731021511.jpg

 見ればおわかりの通り、パンなのであります。

 補足すると、これは台湾のパン、台湾で売られていたパンなのであります。

 なんで台湾まで行ってパン食べんのよ?という疑問は重々分かります、当の本人である店主が、戸惑いつつも敢行したわけでありますからね。

 パンなんてどこでも食えるじゃない、折角台湾にいるなら、水餃子とか包子とか、名前も知らないストリートフードなんかを食べればいいのに、なんでありきたりのパンなんて・・・。

 もちろんその気持ちは分かりますし、実際店主もそうだもんね。でもね、むしろご当地の「ありきたりもの」には当たり前なんだが、その国のモロ日常的食生活なりが顕在しているんであります・・・。顕在しているんで、当たり前ですが、アチコチで散見できるんであります。

 ところが、そうしたありきたりでないもの、つまり水餃子や包子ではない、パンのような外来ものの中にこそ、その国の潜在的な好みや、必然性や、嗜好というものが返って根強くかくされてはしないだろうか?なんて思ったわけであります。

 そこで、思いっきりへんてこな三つを選んで、潜在性を顕在化させつつパクついていたんでありますが・・・。

 どうも期待は裏切られなかったようですね・・・、スゴイのが出てきましたぜ!

 IMG_0741_convert_20190731021521.jpg

 これなんですよ・・・、パイ皮のような重層的な生地の中から、こんなものが出てきました。甘辛くて、細い繊維状のものがからまっているんですねえ・・・。

 IMG_0742_convert_20190731021534.jpg

 ウーン・・・どうもこれだとコンビーフあたりに見えてしまうかな?それほど湿っていません、本当に細い繊維状のものが、綿飴よりも密度が濃いんですがね、醤油ベースかな?甘辛な、佃煮・・・的な風味のものなんですよ。

 IMG_0743_convert_20190731021546.jpg

 引っ張るとこんな感じかな?綿のような繊維になっているでしょ?ある意味・・・、日本でいうとちらし寿司等にかけるピンクの甘い、鯛デンブなんて食品に似ているのかもしれませんね。

 あれのもっと繊維長い版、といってもいいかな?

 どうも基体は肉で出来ているらしいです。台湾経験のある人に聞くと、アア!あれね、ハイハイ、よくありますね、確か肉でしょう
、というんですが・・・正体分からずです。

 でおいしかったですよ。

 でこんなのをかじりながら、思うこと多しです。もちろん包子なんかを食べていたら全く感じない、台湾の持っている潜在的な一種の躍動のようなもの、を感じつつ・・・といいますかね。

 いきなりですが、文明と文化とはどう違うか?なんてね。

 文明はある種文化の内包のような気がします。文化とは人間の行うこと、人為の総体ということだとすれば、文明もその中に包摂されてしまいますからね。

 では包摂されつつも、決定的な違いとなるのは?

 例えば、古代の四大文明なんていい方されますね。みんな大河の近くですね、黄河、インダス、チグリス・ユーフラテス、そしてナイル・・・、もう古いかな?学説は変わりますから。

 なんでこれらは文化と言わず、文明と言うんでしょうね。

 ちなみに日本文化とは言いますが、日本文明とは言いません、なんで?この辺で、ハハーン解けそうですね、つまり文明というのはなんかとても大それているもの・・・、一国では済まない人類全体に関わっている文化の大系ともいえるんじゃないか?

 もう少し具体的にいうと、文明というのは、他の文化に対する大変大きな影響力を持っている文化、そういう特定の文化のことを文明と呼ぶんじゃないか?と思えるわけであります。なので、人としての活動でありながら、他国なり他の文化に多大な影響を与えてしまう人類の決定的な文化のことをさすんじゃないか?と。

 そう考えると、確かに日本文明なんて、そんな大それたものなどありませんね。この国はそれほど他国に影響を与えていた、または与えている国ではありません。

 では・・・、今現在、他国なり他の文化に影響を与えている文明っていうのは一体なんでしょうか?

 やはり欧米の・・・、その原型をもう少しさかのぼると近代文明ってやつかな?これが圧倒的に他の文化というより地球規模で影響を与えている、ということがいえるんじゃないかな?

 なんか自転車屋のブログとしては、大それすぎているので、この辺で話を進めるが・・・。

 つまり、小国であって、自文化しか持っていない、他国への影響の少ない文化国は、単純には圧倒的な文明をスゲー!スゲー!とばかりに取り込まれていくしかない・・・。文明によって取り込まれていくもの、それが文化のある種の宿命のようなものかもしれませんな、

 ただ、ところが、もちろん取り込まれつつも、その圧倒的な文明の中に根を下ろしてしまうしたたかな文化というものもある・・・ということかもしれないね。

 取り込まれるだけじゃあない、取り込まれつつも、しっかりと伝統的な、文化的ななんたるかをしたたかに織り込んで存続させてしまう、というね。もちろん意図的に織り込ませることも、また無意識に織り込んでしまうこと両方あり得ますが。

 先の台湾のパンの例もまさにこれなんじゃないか?と思うんですね。欧米文明によるパンというの食の中に、しっかりと伝統的な文化的な別物を仕込んでいるではないか?

 日本でいうと、あんパンなんてもんが顕著かもしれない、圧倒的な欧米文化を象徴する食べ物であるパン、その中に伝統的なアンコというものをちゃっかり忍ばせて、桜の塩漬けなる塩味まで載せて対比のバランスまで取って、シレッと定着させてしまう、ある種の文化のしたたかさのようなもの。

 伝統的なそのものの形で残っているもの、例えば水餃子とか包子などよりも、すでに外来ものの中に意識無意識を問わず取り込まれているものの中に、その国なり文化なりの様式が出ている、そちらの方にも感じるものが大きいのであります。

IMG_0744_convert_20190731021558.jpg

 これなんかも多分台湾に始めていった人には驚きなんじゃないか?ウーロン卵というの?コンビニに普通に置いてあるんですが・・・、ある意味コンビニおでんなんていうのも、日本独自(台湾にもありましたが)の取り込みと思われるんでしょうな、コンビニ発生の国からすれば・・・。

 圧倒的な外からの文明という大波に翻弄されつつ、それを受け入れたのか取り入れたのか、そうせざるを得なかったのか?詳細は色々あれど、文明の中にその痕跡をしぶとくも残してきた、この小国島国の二つ。

 もちろん日本と台湾ではまたその成り立ちからして全く異なるので、単純な比較は全くできないだろうが、なかなか逞しいじゃないか?この肉でんぶ?パンにしろ、あんパンにしろ・・・、なんて思った台湾の昼ご飯であった。

 もうすでに、今後日本が文明的な圧倒的な力でもって、他文化に影響を与えていくようなことは展開は起こらないだろう、ある意味これからもというか、今までずっとそう有ってきたように、今後もズーッと唯々諾々と圧倒的な文明の流れに押し流されようとしながらも、その中に寄生し、幾ばくかの文化・伝統の痕跡を残していくしかないのだろうか?

 いえいえ・・・。文明が本物で、文明発祥の地が本場で、それを模倣し真似するこちらは常に偽物、まがい物でしかない、という決定的な図式は覆されることはないであろう事は、もう日本近代150年にして、大いに納得せざるを得ないことだろうと思う。

 といって、常に本物や正統に萎縮して、どうせこちらは擬きでまがい物でございます、と卑屈になってビクビクオロオロするしかないのか?というのはいささか文化国としてはもったいなさ過ぎるわけで・・・。

 ここはやはり肉でんぶパン?あんパン式に大いに開き直ること・・・しかないだろうな。欧州の正統なパンからすれば、なんだありゃ?にすぎないものでも、それを独自に暖め文化内部で大事に発展させていけば、なんとか目鼻は付くもんだ。そして、そうした活動が、また一種の正統や本物に対する反骨・反逆・造反という展開にならないとも限らない。

 本物がダメだというのではない、いや、むしろ多いに本物から学ぶべきだろう、ただそれにばかりに媚びへつらい、いつまで経っても自文化を卑下し、それだけならまだしも、最も卑劣なことに自分たちはまだ本物に近いという理由で、まだまだ距離のある他の文化を馬鹿にすること(日本近代の150年はまだまだこんなことをし腐っているが)、その愚かさにも気づかねばならない。

 所詮日本文化などあんパンに過ぎないのだ、肉でんぶパンを笑うことは出来ない。

 実は、今までそう有ってきたように、今後も擬きを作りまがい物を作り続けていくしか道はあるまい、どうせ文明なんて「本物」など作ることが出来ないんだから。

 さすれば、まがい物を本気で作る、ということしか道はないのではないか?擬きを擬きのままでなく、擬きなりの「本物」にしてしまうということなのではないか?と思う。

 ゴホッ、肉でんぶが喉に引っかかりむせる・・・。

 そう、所詮あちらを「本物」なんていったって、他国に影響を与えた末にそこに擬きが生じたが故のみの、「本物」に過ぎないんだから・・・ね。

 その文化の正統ものから、少しズレたところにこそ、その文化の有形無形の特徴というか本質の片鱗が見えたりするものだ、肉でんぶパンにしろ、あんパンにしろ・・・。

 大いに擬く、本気で擬く、時に傾いて反骨もよし、それが遊びの域に到達できれなおよろし、今まで来たように、今後もこの国が行くとすれば、本気の戯作しかないのかもしれない、と肉でんぶパンをかじりながらそう思った台湾の昼下がりであった。

 
スポンサーサイト




この記事に対するコメント


この記事に対するコメントの投稿

















この記事に対するトラックバック

トラックバックURL
→http://tanukicycle.blog75.fc2.com/tb.php/4108-6f6a4829
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
TEL・fax042-445-0487
携帯070-5083-6962
アドレス to.ke@mx1.ttcn.ne.jp

カテゴリー
リンク
月別アーカイブ

カウンター