空振りしたけど 振り逃げだ！

　この辺見るとドキッとしますな。



　シャマルだって、この頃のシャマルってなんとも懐かしい。ほとんど同じ構造のゾンダを今も使っていますもん、大事に、大事にね。

　なので、この手を大事に使いたいという依頼が来ると、なんとかしてやれないか？とどうしても思うんであります。

　で、今回は？



　このフリーを交換してほしいという内容です。



　この状態で持ち込まれたフリーに交換して欲しいということなんです。同じカンパなもんで・・・ということであります。

　さてバラしてみるしかないね。



　スプロケを外すと、フリー本体が現れた。フムフムカンパ独自の形状だよね。

　

　まずはこいつを外さないといけない、何かイモネジが見えるぞ、そいつを回してみるか。



　ここで回らないとか、ネジ山が壊れるとか言うと、非常に大変なんだが、今回はそんなことはなかった。

　

　ネジやワッシャーが外れて、引っ張るとフリーが取れた、意外と簡単に。

　

　これは簡単に行きそうだ、ということで、変えるべき新フリーボディーを入れてみた・・・。ウーンなんか座り悪いなあ・・・。



　ゴロゴロするねえ、固定しても動くぞ・・・、ということは？



　比べてみると、どうりでグラグラするわけだ。左が新ボディー、右が元々付いていたボディー、中心の穴のデカさが違うのがわかりますな。

　ということは、左の新しいボディーのシールドベアリングを入れ替えれば、もしかしたら使えるかもなあ・・・と思ったが、今回は駄目なら無理な改造はしないでほしいという希望もあったので、仕方ねえ戻すしかな位・・・。

　

　イヤ、待てよ、このシャフトを太いもんに変えてもいいかもなあ・・・。といっても、当該の太さのシャフトがどうやったら手に入るか？カンパニョーロジャパンに問い合わせるとかしても、まあ梨の礫でしょうな。

　無理なことはしないということなので、今回は戻しましょう。



　ところが戻すフリーの裏側がひどかった・・・。通常戻したんだが、元々から溜まっていた金属粉を含んだ凝固したグリスがスプリングを曲げていたんだな。

　となると、コイツをちゃんと清掃して、しっかりとグリスを入れ直して調整しないと、入るボディーもまともに入らないことになる。

　

　こいつらが3つのラチェットをつかむ爪と、スプリングね。これらを中心に洗浄しないとね。



　固まったグリスをアルコールと風圧で吹き飛ばし、隅のやつは目打ちでかき出す。



　アルコールで洗浄して、ボロで拭く、それを何度か繰り返す。

　

　角角にグリスを充填、勿論デュラエースのね。



　そしてスプリングと、爪を入れて、角度を調整して、再度フリーをホイールに戻す・・・、終了。

　まあ、今回も要望にお答えできませんでした・・・、そういう意味で空振りだったんだが、空振りしたからこそ、振り逃げができたという意味では、まあ塁には出られたということで、お許しあれ。

　まあ全部が全部、希望が叶うとは限らない・・・、そういうときもありますわよね。