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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

孝行したいときには・・・



 まあ、こういう自転車は当店以外ではほぼ、廃棄に近い扱いを受けるんでありましょうな。

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 サビサビのサビサビ・・・というフレーム。

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 宮田ではあるが、ただそれだけのボロい自転車だよね。この風情を見れば、そろそろ買い替えかな?と通常の方は思うでしょうし、

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 持ち込まれた、通常の自転車屋は、スッカリ直すと新車以上に金かかりますよー、というい殺し文句で、自転車を殺しにかかるでしょう。

 廃車にして、新車を売る、ある意味当然の流れに行くんでしょうね・・・。で、じつは今回もそうした世間的な経済観念に基づいた、決定がなされるところだった。

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 このホイールは使えるかもねえ・・・でも使います?何のフレームに載せんの?というと、実用車をフレームとコンポの組み合わせで組み付けるなんて想像も付かない人は、一体何言われているのかわからないだろうなあ。
 
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 特に使わなければならないというほど、特徴のあるサドルでもなし、こういう場合は一台アッサリ廃車にして、新車購入して、通勤に使いましょう、ということでしょうな、普通は。

 ところが、そこに一つの事情が重なってしまった、ということだ。

 元々この一台は娘が嫁ぐ際にそのお父さんが買って持って行かせたもの、その一台だったらしい。ところが、最近そのお父さんがお亡くなりになられた、ということなのだ。

 もう廃車にしてもほとんど問題のないような自転車が、一気に亡くなったお父さんが娘に残してくれた一台、という一種の形見のような重みを帯びてしまったということだ。

 別にこういうことは、自転車だけに起こるわけではない、その方の由来のあるものであれば、どんなものでもそういう重みを帯びることはあり得る、何も自転車だけが特別なものではない。

 そのお父さんはなくなる直前まで、武蔵野市で和菓子屋さんを営んでいた。個人店舗の大きいとはいえないお店だったが、そこに並べられた和菓子の種類と、その丁寧な仕事ぶりには、まあ、息を呑むものがあった。

 正確に一度に何種類を作られるか知らない、でも八種類ぐらいは常にあったんじゃないか?それに、赤飯や餅のような和菓子とは異なるものも数点、これ一人で切り盛りするとしたら、一体早朝何時から仕込んで、それぞれを仕上げて、並べて、接客して・・・を繰り返しておられたのか?

 特に店主の印象に残っているのは、塩羊羹。これはまた抜群に美味しかった。あまりに美味しいもんで、当店に北京から料理人と菓子職人を呼んだ際に、食べてもらったことがあった。

 その繊細さに、パティシエは驚き、料理人は羊羹を一口、そして白米を一口入れて咀嚼していた。それぞれ、なにか深いところで感じたらしい。

 たしかその日は水を意識した料理を出して、軟水、昆布、鰹節、日本茶、ご飯、日本酒と水を中心に作られてきた日本料理の核になるであろうものを紹介していたと記憶していたが、最後に低温で入れた日本茶(狭山新茶)と塩羊羹を出して起きたことであった。

 決して派手ではないが、すごい職人というのは静かに近くにいていくれるものだ。その静かな名職人が、今月亡くなられた。実に無念の現実であることか。

 その和菓子職人が娘にと買って、嫁に行く際もたした自転車が、これだったのだ。

 そういう自転車を、機能と経済的観念からの判断で捨てることができるだろうか?できるやつもいるだろうが、多くはできないだろう。

 それは、人と物との関係というより、イヤ、物(自転車)を介して実は人(娘)と人(父)との関係そのものであり、それを象徴している物(自転車)だからなのであろう。

 ただの物ではない、関係が絡みついたものであるからこそ、単なる機能や合理的計算を超えて、さらなる関係が関係してくる、ということなのか。

 そして、それに輪をかけて出てきたのが、その娘の弟君。つまり名職人の息子。この息子がこの自転車をメンテして、手入れして、姉に渡す、という重責を果たすと言い出したのだ。

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 そういうことなら、自由にお使いなさい。

 そういえば、君はお父上がご存命のころ、孝行息子であったか?聞くところによると、毎週毎週山に行っては、家業を手伝いもしなかった、なんて話もしていたよね。つまり孝行息子ならぬ、放蕩息子に近かったんじゃないだろうか?

 それが今回を機に、自転車再生に乗り出した。

 孝行したときには親はなし、というが、亡くなったあとに孝行息子になることもありうるということだ。すでに、病身を抱えながら十種類近くの和菓子を早朝から作り、ほぼ一人で切り盛りして、矢面に立ってきたお父さんの偉業を、亡くなった今こそ感じているのが君なのだから。

 やっぱり親父はすごかった・・・、この実感からはじまる親孝行はそれはそれで遅くはない。

 そもそも親は、わざとらしい「孝行」など本当に期待しているのだろうか?そんなことよりも自分の死んだあとも、信じた道をしっかり歩んでいけ!それができるお前を心から応援できる、ということがすなわち孝行なのではないか?なんて思わなくもない。

 もし草葉の陰なるものがあるとして、そこから時にハラハラしながら、ときに目を細めていいぞ!その調子だ!と常に見ているやもしれないというのが、親の一つの形態なのではないか?なんてな。

 勿論霊なるものが実態的にあるなどとは、微塵も思わない店主であっても、そういう想定は論理的にあり得る、というか論理的にしかありえないと思うのだ。

 再生に励まれよ!

 合掌
 
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プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
東京都西東京市富士町6-6-13
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携帯070-5083-6962
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