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一癖創作自転車家 狸サイクル 西東京 青梅街道 新青梅街道 伏見通り

ロード・ピスト系自転車に興味のある人。買い方乗り方が分からないという人。持っている自転車を改造してみたいという人。自転車のイベントに参加したいと思っている人。ご来店お待ちしています!

レーサーに乗る ということの資格



 これはアヘッド型ステムをかませるためのコンバーターです。
 このコンバーターが、あろう事か、へし折れた!という連絡を受けました。

 091016ore.jpg
 
 ということは何を意味するか?走行中にハンドルがはずれてしまうわけですから、これは大変なことが起きた、というわけです。
 
 幸いライダーに大きなケガはありませんでしたが、「これが下りだったら死んでいた!」というお叱りを受けました。

 果たしてコンバーターが折れたということが、当店の責任であるかのかどうか?それは今回、問題にはいたしません。結果は明らかですから。折れる可能性のあることを知って、わざと付けたとしたら、責任どころか殺人未遂罪でしょうな。

 まあ命の危険を味わったライダーさんが、一時的に激高する気持ちもわからないでもありませんが。

 確か四年ほど前に納車したものでしたが、四年でコンバーターが折れてしまったことには、やはり問題はあるはずです。ただ今回の事故は、それだけでは起こりえなかった事態がありました。

 果たして、コンバーターのここが折れただけで、ハンドルが外れてしまうことはあるでしょうか?それは構造上あり得ません。なぜなら、このコンバーターには鉄のシャフトが芯として通っているからです。

 検分してみたところ、シャフトは折れていません。ではなぜハンドルが外れたのか?
091016cap.jpg

 ここにその謎が隠されていました。これはシャフトをを中心に据えるためのキャップです。
このキャップも、
091016ore2.jpg
パッキリ、折れています。

全体像は、以下の状態、ちなみに右のものがコンバーターの完璧な姿です。
091016ore3.jpg

 コンバーター本体とキャップが同時に折れた、ということは考えられません。ひぐまクラスのバカ力があれば別ですが、一馬力もない人間の力で、両者を一気にへし折る事は不可能です。

 順序はこうです、すでにコンバーターの本体の方が金属疲労かなにかで折れていたと言うこと。しかし本体は折れていたが、シャフトがその代わりとなって、ハンドルを支えていた。しかしその支えていたシャフトを中心に据えていたキャップが、経年の揺さぶりと振動の中で、折れてしまった。その瞬間に、ハンドルが外れてしまった、という二段階の破損が起きたと推測されます。

 実際にライダーさんにあって、聞いてみました。

 「事前に予兆はありませんでしたか?」
 「なんかカタカタいっていた」
 「チェックしてみました?」
 「自転車のことは全くわからないから、しなかった・・・。以前別の自転車屋さんで、ここを外していいか?と尋ねられ、時間がないので断ったが、その時、放っておいたら大事故になりますよ、といわれたなあ・・・」

 繰り返しますが、今回の事故の一番の原因は、四年程度で折れてしまったコンバーターであり、よって責任も製造者側にあると思われます。

 しかし!

 町乗りといってもレーサーに乗っているわけです。
 レーサーに乗るにはそれなりの自覚が必要なのではないでしょうか?

 特にハンドル周りです、ここに何かがあると、ステアリングを失い、大事故につながります。ネジのゆるみ、ヘッドのガタなどには、要注意です。特にインテグラルヘッドに乗っておられるライダーさん、ガタを放っておくと、フレーム自体やられてしまいます。

 ブレーキ周り、これは言わずもがなです。

 BB付近、トルクのかかるところに何か起きたら、これまた大事故につながります。

 そういう意味で、乗りながらも常に、ご自分のレーサーに気をかけるというという、心構え、自覚というものが、レーサーを転がす方には求められます。これは初心者、ベテランということに関係ありません。

 おかしいな?と思ったら、すぐ調べる。調べてわからなかったら、ショップに持ち込んで、相談する。これらが基本中の基本です。

 そして、たまには、きれいにレーサーを掃除して、傷や割れ、パーツのチェックをする、というのも大切です。何か気になったら、ショップに診てもらう、ご自分でいじれなければ、このくらいは絶対にすべきでしょう。

 また、中古パーツを好んで使われる方は、通常以上の注意が必要です。ある意味、年代物の自転車に乗るということは、整備は自分でしっかりできるくらいの知識と技術、そして工具すらも必要になってくると思われます。

 今回の事故は、コンバーター折れが主な原因ですが、ただ、単に折れただけでは起こりえない事故でした。それを予兆がありながらも見過ごした、という整備不足が追加されたことによって、起きたとも言い換えられます。

 真剣に踏み込めば、素人でも四十キロ弱のスピードの出るレーサー。
 そのレーサー関わるのだとしたら、通常の自転車以上に自身のレーサーの状態に常に敏感であってほしい。

 一メカニックとして、そのように強く思う次第です。 
 
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この記事に対するコメント

自転車の安全のために
以前、別の方のブログでも同じようなコメントを書き込んだことがあるんですが
自転車にも車検みたいなものがあるといいんじゃないかな~っと思います。

メンテナンスが必要、というのは理解してても
メカニック構造とかよくわかってない
とか
メンテナンスが自分でできない
でも
自転車には乗りたい
っていう人は、結構多いと思うんですよ。
私なんて代表的。

同じような状況でも車なら乗れるわけです。
なんでか?
車検があって、最低限の安全はここでちゃんと見てもらえるシステムになっているから。

自転車がブームになりつつある今
法改正をするのなら
そういうところも含めて変えられれば
事故も減るんじゃないかしら?


【2009/10/19 12:15】 URL | しろいまちこ #hufKyueo [ 編集]


なるほどねえ、自転車の車検か・・・。

ただ、日本では、自転車は乗り物というよりも、歩行の延長でしかないので、靴の車検がないのと同じで、自転車にもそういう制度は適応しにくいんでしょうね。

歩行の延長ではなくて、原付の手前、という意識を持たない限り、こういう発想は出てこないでしょうね。
【2009/10/21 18:10】 URL | 狸サイクル #- [ 編集]


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モンスター☆レーサー

モンスター☆レーサーの最新動画や評価レビュー、攻略情報なら「モンスター☆レーサー」へ! モンスター☆レーサー【2009/10/17 05:08】
プロフィール

狸サイクル 店主 遠山健

Author:狸サイクル 店主 遠山健
狸サイクルと書きまして、リサイクルと読みます。
中古フレームは化かしますが、お客は化かしません。自転車提供を始めて17年。
今までは口コミ中心でしたが、今後はこうしたメディアを利用しながら、求められるところを彷徨していきます。

 店の所在
〒202-0014
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